JP3049734B2 - 高周波増幅回路 - Google Patents

高周波増幅回路

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は自動レベル制御機能を有して高周波増幅信号
を出力する高周波増幅回路に関し、特に無線周波数増幅
回路や携帯用無線通信装置に適した高周波増幅回路に関
する。
(従来の技術) この種の高周波増幅回路は、一定のバイアス電圧を供
給されて出力側増幅器用入力信号を増幅回路出力信号に
増幅するための出力側増幅器を有する。増幅回路出力信
号は、上記高周波増幅信号であり、後述する方法で自動
レベル制御される。また、高周波入力増幅部が上記出力
側増幅器に接続され、増幅回路入力信号を中間増幅信号
に増幅してこれを上記出力側増幅器用入力信号として上
記出力側増幅器に出力する。入力側増幅部は、上記出力
側増幅器から上記増幅回路出力信号を供給され、上記増
幅回路出力信号があらかじめ定められた出力レベルを持
つようにする。このために、高周波増幅回路においては
自動レベル制御が行われる。
ここで、増幅回路入力信号は可変の入力レベルを有す
る。一方、出力側増幅器用入力信号はゲインの制御され
たレベルを有する。入力側増幅部は、上記中間増幅信号
を出力するための入力側増幅器1つでも良いし、1つ以
上の高周波中間増幅器を含んでいても良い。
以下に、従来の高周波増幅回路の一例について第10図
を参照して説明する。
この高周波増幅回路は、無線周波数増幅回路や携帯用
無線通信装置に有用である。この高周波増幅回路は増幅
回路入力信号INをある出力レベルを有する増幅回路出力
信号に増幅する。
高周波増幅回路は、出力用FET21aを含む出力側増幅器
21を有し、出力用FET21aはバイアス電圧供給回路(図示
せず)から一定レベルのバイアス電圧Vgcを供給され
る。出力側増幅器21は更に、第1、第2の結合コンデン
サ21b、21c及びチョークコイル21dを有する。出力側増
幅器21は、出力側増幅器用入力信号を増幅回路出力信号
に増幅するためのもので、増幅回路出力信号は、後述す
るように自動レベル制御されている。高周波入力増幅ユ
ニット22が第1の結合コンデンサ21bを通して出力側増
幅器21に接続されている。高周波の入力側増幅ユニット
22は、入力FET(図示せず)を含む入力側増幅部23を有
する。後述するように、入力側増幅ユニット22は自動レ
ベル制御(ALC)回路として動作する。
入力側増幅部23は、増幅回路入力信号INを中間増幅信
号に増幅してこれを出力側増幅器21へ上記出力側増幅器
用入力信号として出力するための1つの入力側増幅器で
実現されても良いし、あるいは、出力側増幅器21へ上記
中間増幅信号を出力するように上記入力側増幅器に接続
した少なくとも1つの中間高周波増幅器を有するもので
も良い。
入力側増幅ユニット22は更に、出力レベル検出回路24
を有し、出力レベル検出回路24は、出力側増幅器21から
増幅回路出力信号を供給される。出力レベル検出回路24
は、増幅回路出力信号のレベルを検出し、このレベルを
表わすレベル検出信号を直流電圧で出力する。レベル検
出信号は、比較器25に送出される。比較器25は、基準電
圧発生器(図示せず)から直流電圧Vsの基準電圧信号を
供給される。基準電圧信号は、増幅回路出力信号に対し
てあらかじめ定められた出力レベルを与えるために供給
される。比較器25は、レベル検出信号を基準電圧信号と
比較し、この比較結果を表わす供給電圧制御信号を出力
する。供給電圧制御信号は、制御信号レベルを有し、供
給電圧制御器26に供給される。供給電圧制御器26は、電
力供給ユニット(図示せず)から供給電圧を与えられ
る。供給電圧は供給電圧制御信号で制御される。入力側
増幅部23は、供給電圧制御器26から制御された供給電圧
を供給され、増幅回路出力信号があらかじめ定められた
出力レベルを持つようにする。
ここで、増幅回路入力信号は可変の入力レベルを有
し、出力側増幅器用入力信号はゲインの制御されたレベ
ルを有する。
高周波増幅回路は、通常、ある電力で動作状態におか
れる。本回路を携帯用無線通信機に用いる時、本回路は
電力供給ユニットとしてのバッテリユニットから電力を
供給される。入力側増幅部23は、供給電圧制御器26を通
し入力側増幅器用電力として電力の一部を供給される。
出力側増幅器21は、チョークコイル21dを通し出力側増
幅器用電力として電力の残りを供給される。高周波増幅
回路は、ある供給電流値で電力を供給され、ある総電力
消費量に維持される。総電力消費量は、できるだけ少な
くされるべきである。それゆえ、総電力消費量は最適値
を持つようにするのが好ましい。
(発明が解決しようとする課題) このような関係で注目すべきは、総電力消費量はゲイ
ンの制御されたレベル変動の影響を受ける。しかしなが
ら、ゲインの制御されたレベル変動の影響を補償する考
慮はなされていない。言い換えれば、出力側増幅器21
は、一定レベルのバイアス電圧Vgcを供給されるのでゲ
インの制御されたレベル変動の影響を補償することがで
きない。これは、出力側増幅器21が出力側増幅器用電力
を浪費していることを意味する。結果として、高周波増
幅回路の電力消費効率は低くなる。
入力FETおよび出力FETは互いに異なるトランジスタ特
性を持つ。高周波増幅回路の電力消費効率はトランジス
タ特性の影響を受ける。電力消費効率を最適化するため
に、出力側増幅器21及び入力側増幅部23はそれぞれ、バ
イアス電圧制御回路を備えることが望ましいが、これは
大幅なコストアップの原因となるので好ましくない。
それゆえ、本発明の主たる課題は、総電力消費量を最
適値に維持できる高周波増幅回路を提供しようとするも
のである。
本発明の他の課題は、上記目的を大幅なコストアップ
無しで実現できるようにすることにある。
(課題を解決するための手段) 本発明による高周波増幅回路は、出力側増幅器用電力
及びバイアス電圧を供給され、出力側増幅器用入力信号
を、ある出力レベルを持つ増幅回路出力信号に増幅する
ための出力側増幅器と、該出力側増幅器に接続され、入
力側増幅器用電力を供給されることにより、入力側増幅
器用入力信号を中間増幅信号に増幅して該中間増幅信号
を前記出力側増幅器用入力信号として出力する入力側増
幅部と、前記増幅回路出力信号があらかじめ定められた
レベルを持つようにするための自動レベル制御手段とを
含む入力側増幅手段とを有し、前記入力側増幅器用電力
及び出力側増幅器用電力は、前記入力側増幅部及び出力
側増幅器における総電力消費量に応じて変化する供給電
流値による総電力で表わされる高周波増幅回路であり、
前記総電力を供給され、前記供給電流値を検出してこれ
を表わす電流検出信号を出力するための電流検出回路
と、該電流検出回路と前記出力側増幅器とに接続され、
前記総電力消費量を最適値にすべく前記電流検出信号に
応答して前記バイアス電圧を制御するためのバイアス電
圧制御回路を備え、前記バイアス電圧制御回路は、前記
電流検出回路に接続され、前記電流検出信号で示された
供給電流値及び位相に基づいて、前記供給電流値が最小
になるように前記バイアス電圧を増加あるいは減少させ
るためのバイアス電圧制御信号を出力するバイアス電圧
制御器と、前記バイアス電圧制御信号に応答して制御電
圧を発生するためのバイアス電圧発生器と、前記バイア
ス電圧発生器に接続され、前記制御電圧を前記バイアス
電圧として用いるために変調電圧に変調するための変調
器とから成ることを特徴とする。
(作用) 本発明においては、後述するように、総電力消費量は
その供給電流値と関連することに着目し、電流検出回路
で検出された供給電流値に応じて前記バイアス電圧制御
回路が前記出力側増幅器のバイアス電圧を制御すること
で総電力消費量を最適値に維持する。
(実施例) 第1図を参照して、本発明による高周波増幅回路の第
1の実施例について説明する。本回路は、電流検出回路
30、バイアス電圧制御回路31を除いて第10図のものと同
じ部分からなり、それゆえ同じ部分については説明を省
略する。
本回路は、電力供給ユニットからの供給電流で供給電
流値ISの電力供給を受けることによりある総電力消費量
で動作する。供給電流は供給電圧に対してある位相を有
する。入力側増幅部23は、供給電圧制御器26を通し入力
側増幅器用電力として第1の供給電流値IS1で総電力の
一部を供給される。出力側増幅器21は、出力側増幅器用
電力として第2の供給電流値IS2で総電力の残りを供給
される。総電力を供給されると、電流検出回路30は供給
電流を検出してその位相と供給電流値ISとを表わす電流
検出信号を出力する。後で詳しく述べるように、バイア
ス電圧制御回路31は、総電力消費量が最適値となるよう
に、電流検出信号に応答してバイアス電圧Vgを制御す
る。
第2図を参照して、増幅回路出力信号が前述したよう
に自動レベル制御回路であらかじめ定められた出力レベ
ルに維持されるものと仮定する。ここでは、第1の供給
電流値IS1はバイアス電圧Vgが高くなるにつれて減少す
る。一方、第2の供給電流値IS2はバイアス電圧Vgが高
くなるにつれて増加する。電流供給値ISは第1の供給電
流値IS1と第2の供給電流値IS2との和であり、破線で示
すような電流特性CCで規定される。この場合、バイアス
電圧Vgが高くなると、出力側増幅器21は第2の供給電流
値IS2が減少するので、低いゲインで中間増幅信号を増
幅する。しかしながら、増幅回路入力信号は、第1の供
給電流値IS1が自動レベル制御回路で増加するようにさ
れるので、入力側増幅部23により高いゲインで増幅され
る。すなわち、第1の供給電流値IS1は第2の供給電流
値IS2が減少すると増加する。ここで注目すべきは、供
給電流値ISは、出力レベルがあらかじめ定められた出力
レベルに維持されている時でも、特定のバイアス電圧Vg
1が供給されると最小値になることである。特定のバイ
アス電圧Vg1は、第1の供給電流値IS1と第2の供給電流
値IS2とが等しくなる時の電流値で規定される。このよ
うな点を考慮して、バイアス電圧Vgはバイアス電圧制御
回路31により電流特性CCに基づいて制御されるべきであ
る。
第3図を参照して、電流特性CCはバイアス電圧Vgの増
加につれて減少する図中左半分の部分と、バイアス電圧
Vgの増加につれて増加する図中右半分の部分とを有し、
これらの間には特定のバイアス電圧Vg1に対応する最小
部分が存在する。今、バイアス電圧Vgが振幅変調により
変調バイアス電圧に変調されるものと仮定する。この場
合、供給電流値ISは変調バイアス電圧の変動に基づいて
変化する。例えば、出力側増幅器21に特定のバイアス電
圧Vg1より低い図中Vm1で示された変調バイアス電圧が供
給されると、供給電流は図中I1で示すようになり、第1
の電流値と第1の位相とを有する。同様に、出力側増幅
器21に特定のバイアス電圧Vg1より高い図中Vm2で示され
た変調バイアス電圧が供給されると、供給電流は図中I2
で示すようになり、第2の電流値と第2の位相とを有す
る。ここで、第1の位相は第2の位相に比べて180度だ
け位相が進んでいる。電流検出信号は、供給電流が第1
の電流値あるいは第2の電流値を有する時進み位相ある
いは遅れ位相を示す。出力側増幅器21に特定のバイアス
電圧Vg1と実質上等しい図中Vm3で示された変調バイアス
電圧が供給されると、I3で示された第3の電流値は第1
の電流値、第2の電流値に比べて非常に小さくなる。こ
のような点を考慮して、出力側増幅器21に変調バイアス
電圧Vm3が供給される時、第3の電流値が最小となるの
で、総電力消費量が最適値となる。
第1図に戻って、バイアス電圧制御回路31は、バイア
ス電圧制御器32、バイアス電圧発生器33、及び変調器34
から成る。バイアス電圧制御器32は、電流検出器30から
電流検出信号を供給され、供給電流値ISに基づく電圧レ
ベルを有するバイアス電圧制御信号を出力する。バイア
ス電圧制御器32は、電流検出信号で示された位相を検出
するための位相検出器(図示せず)を有する。
バイアス電圧制御器32の動作について厳密に言えば、
バイアス電圧制御器32は、電流検出信号で示された位相
を検出することにより、供給電流値ISが電流特性CC(第
3図)の減少部分にあるのか増加部分にあるのかを判別
する。供給電流値ISが電流特性CCの減少部分にある時、
バイアス電圧制御器32はバイアス電圧Vgを特定のバイア
ス電圧Vg1まで増加させるように作用するバイアス電圧
制御信号を出力する。逆に、供給電流値ISが電流特性CC
の増加部分にある時、バイアス電圧制御器32はバイアス
電圧Vgを特定のバイアス電圧Vg1まで低下させるように
作用するバイアス電圧制御信号を出力する。このような
方法により、バイアス電圧制御器32は、供給電流値ISが
最小値になるようにバイアス電圧制御信号を出力する。
バイアス電圧発生器33は、バイアス電圧制御信号によ
り制御される制御電圧を発生し、変調器34に供給する。
後で詳しく説明するように、変調器34はパルス信号を発
生するためのパルス発生器(図示せず)を有し、パルス
信号により制御電圧を変調電圧に変調する。変調器34
は、変調電圧をバイアス電圧として用いるべく出力側増
幅器21に供給する。このようにして、総電力消費量は最
適値に維持される。
出力用FETとしてはガリウムヒ素タイプのものが使用
できる。この場合、供給電圧が6ボルトの時、入力側増
幅部23は一定の−4ボルトのバイアス電圧を与えられ
る。バイアス電圧Vgは、−1.5ボルト〜−4ボルトの範
囲で制御される。5ミリワットの増幅回路入力信号が入
力される時、増幅回路出力信号は30dBmとなる。
ところで、バッテリ電圧に通常、制限がある。特に、
増幅回路出力信号の出力レベルとして高い値が要求され
る時、第1の供給電流値IS1は制約を受ける。
第4図を参照して、第1の供給電流値が所定値に制限
されるものとする。この場合、電流特性は図中CC′で示
されるように、第2図に示された特性CCと異なる制限部
分を有する。電流特性CC′は、第1の供給電流値IS1′
と第2の供給電流値IS2との和としての供給電流値を表
すことは言うまでも無い。第1の供給電流値IS1′が制
限される時、出力レベルをあらかじめ定められた出力レ
ベルに維持することは難しい。しかも、バイアス電圧Vg
が、供給電流値の制限部分における値Ivaに対応するバ
イアス電圧Vg2まで低下すると、バイアス電圧制御回路3
1はバイアス電圧を増加方向では無く減少方向に制御す
る可能性がある。これはバイアス電圧制御回路31が制御
不能状態に陥ることを意味する。これは、電流特性が図
示のような制限部分を持つと、バイアス電圧制御回路31
においては制限部分における電流値Ivaと増加部分にあ
る電流値Ivbとの区別がつかないことに起因する。この
ような点を考慮して、第1の供給電流値IS1′が所定値
に制限される時には、バイアス電圧Vgはバイアス電圧Vg
2に維持されるべきである。
第5図を参照して、本発明の第2の実施例について説
明する。
本回路は第1図に示されたバイアス電圧制御回路31に
代えてバイアス電圧制御回路40を用いた点を除けば第1
図と同じである。バイアス電圧制御回路40は、第1図に
示されたバイアス電圧制御回路31に信号レベル検出回路
41、補助制御器42を加えて成る。バイアス電圧制御回路
40は、第1の供給電流値IS1′が所定値に制限される時
に、バイアス電圧Vgをバイアス電圧Vg2に維持する。第
1の供給電流値IS1′が所定値に制限される時、比較器2
5は、供給電圧制御器26が入力側増幅部23に対して最大
レベルの供給電圧を供給するようにするために、所定の
制御レベルより高い制御信号レベルを持つ供給電圧制御
信号を出力する。
信号レベル検出回路41は、制御信号レベルが所定の制
御レベルより高いかどうかを検出する。信号レベル検出
回路41は、制御信号レベルが所定の制御レベルより低く
ない時に補助制御器42に対して検出信号を出力する。補
助制御器42は、検出信号を受けると、バイアス電圧発生
器33がバイアス電圧Vgをバイアス電圧Vg2に維持するよ
うにするために、バイアス電圧発生器33へのバイアス電
圧制御信号の供給を阻止する。言い換えれば、バイアス
電圧発生器33は、バイアス電圧制御信号の供給停止時に
は変調器34に対して一定の制御電圧を供給する。変調器
34は、制御電圧を変調して所定のバイアス電圧Vg2とし
て用いることができるようにする。
なお、検出信号は変調器34にも供給されても良い。こ
の場合、変調器34は検出信号の受信時に変調を停止し、
制御電圧がそのままバイアス電圧Vg2として用いられる
ように出力しても良い。第1の供給電流値IS1′が所定
値より低い時、すなわち制御信号レベルが所定の制御レ
ベルより低い時には、バイアス電圧制御回路40の動作
は、第1図に示されたバイアス電圧制御回路31と同じで
ある。
第6図を参照して、本発明の第3の実施例について説
明する。本回路は第5図に示されたバイアス電圧制御回
路40に代えてバイアス電圧制御回路50を用いた点を除け
ば第5図と同じである。バイアス電圧制御回路50は、第
5図に示された信号レベル検出回路41の代わりに比検出
回路51を用いている。
第1の供給電流値IS1′が制限されるのは、供給電圧
が低いにもかかわらず出力レベルを高いレベルに維持す
るため、すなわち第1の供給電流値IS1′を増加させる
ために、比較器25が高い基準電圧を供給される時であ
る。この場合、基準電圧に対する供給電圧の比を検出す
ることにより、第1の供給電流値IS1′が制限されてい
るかどうかを知ることができる。
比検出回路51は、基準電圧と供給電圧とを供給される
と、基準電圧に対する供給電圧の比を検出する。比検出
回路51は、上記比が所定値より高くない時に補助制御器
42に対して比検出信号を出力する。補助制御器42は、比
検出信号を受けると、バイアス電圧発生器33がバイアス
電圧Vgをバイアス電圧Vg2に維持するようにするため
に、バイアス電圧発生器33へのバイアス電圧制御信号の
供給を阻止する。言い換えれば、バイアス電圧発生器33
は、バイアス電圧制御信号の供給停止時には変調器34に
対して一定の制御電圧を供給する。変調器34は、制御電
圧を変調して所定のバイアス電圧Vg2として用いること
ができるようにする。上記比が所定値より高い時にはバ
イアス電圧制御回路40の動作は、第1図に示されたバイ
アス電圧制御回路31と同じである。
第7図〜第9図を参照して、バイアス電圧制御回路の
具体例について説明する。この回路は、第6図に示され
たバイアス電圧制御回路に適している。
第7図において、供給電圧制御器26は、比較器25から
非反転入力端子を通して供給電圧制御信号を供給される
第1の演算増幅器OP1を有する。第1のトランジスタTR1
は第1の演算増幅器OP1の出力端子に接続されている。
第2のトランジスタTR2は、電流検出回路30を通して供
給電圧を供給される。周知の方法で、供給電圧制御器26
は供給電圧制御信号を用いて供給電圧を制御し、制御さ
れた供給電圧を入力側増幅部23に供給する。
電流検出回路30は、第1の抵抗器R1を通して電力を供
給される。第1の抵抗器R1は、供給電流値ISの変動によ
って供給電圧に生ずる変動を検出するためのものであ
る。供給電流値ISは、それが第4図に示された電流特性
CCの減少部分にある時、第8図(a)に示すように変動
する。一方、供給電流値ISが電流特性CC′の増加部分に
ある時は、供給電流値ISは第9図(a)に示すように変
動する。ここで注目すべきは、第8図(a)に示された
供給電流値ISは、第9図(a)に示された供給電流値IS
と異なる位相を有していることである。
第7図において、供給電圧の変動は点P1で第1のコン
デンサC1を通して検出される。第1のコンデンサC1は、
その充電電圧の変動で供給電流値ISの変動分のみを検出
するためのものである。第2の抵抗器R2を通して第1の
コンデンサC1に接続された第2の演算増幅器OP2を用い
て、充電電圧の変動が増幅されて増幅電圧となる。点P2
に生じた増幅電圧は第8図(b)、第9図(b)に示さ
れ、電流検出信号としてバイアス電圧制御器32に供給さ
れる。増幅電圧は、供給電流の位相が第2の演算増幅器
OP2で反転されるので、供給電流値ISの位相とは逆の位
相を有する。電流検出回路30は、供給電圧の変動の形で
供給電流値ISの変動を検出する。
バイアス電圧制御器32は、反転増幅器AM1、第1、第
2のスイッチ回路SW1、SW2、及び積分増幅器AM2からな
る。反転増幅器AM1は第1のスイッチ回路SW1に接続さ
れ、第3の抵抗器R3を通して増幅電圧を供給される。反
転増幅器AM1は利得1であり、増幅電圧の位相とは反転
した位相を有する位相反転電圧を出力する。点P3に生じ
た位相反転電圧は、第8図(c),第9図(c)に示さ
れている。第1のスイッチ回路SW1は反転増幅器AM1及び
積分増幅器AM2に接続され、後述するように変調器34か
ら供給されるパルス信号により制御される。第2のスイ
ッチ回路SW2は第2の演算増幅器OP2及び積分増幅器AM2
に接続され、第1のインバータIV1を通したパルス信号
により制御される。その結果、第1のスイッチ回路SW1
は、供給電流値ISが電流特性CC′の減少部分にある時、
パルス信号に同期してオン、オフされる。第1のスイッ
チ回路SW1は、増幅電圧の正方向の全波整流波形を積分
増幅器AM2に供給するように作用する。点P4に生じた正
方向の全波整流波形は第8図(d)に示されている。
第2のスイッチ回路SW2は、供給電流値ISが電流特性C
Cの増加部分にある時、パルス信号に同期してオン、オ
フされる。第2のスイッチ回路SW2は、増幅電圧の負方
向の全波整流波形を積分増幅器AM2に供給するように作
用する。点P4に生じた負方向の全波整流波形は第9図
(d)に示されている。このように、供給電流の位相に
従って正方向あるいは負方向の全波整流波形が出力され
るので、反転増幅器AM1、及び第1、第2のスイッチ回
路SW1、SW2の組合わせは、位相検出器と呼ばれてもよ
い。
供給電流値ISが電流特性CC′の減少部分にある時、積
分増幅器AM2は正方向の全波整流波を積分し、積分電圧
信号をバイアス電圧制御信号として出力する。第8図
(e)に示されるように、この積分電圧信号は基準レベ
ルVrから正方向に増加するので,増加電圧信号と呼ばれ
ても良い。点Pに生じた増加電圧信号は,バイアス電圧
Vgを特定のバイアス電圧Vg1で上昇させるように作用す
る。一方、供給電流値ISが電流特性CC′の増加部分にあ
る時、積分増幅器AM2は負方向に全波整流波を積分し
て、他の積分電圧信号をバイアス電圧制御信号として出
力する。第9図(e)に示されるように、この積分電圧
信号は基準レベルVrから負方向に変化するので減少電圧
信号と呼ばれても良い。点Pに生じた減少電圧信号はバ
イアス電圧Vgを特定のバイアス電圧Vg1まで低下させる
ように作用する。
比検出回路51は、第3の演算増幅器OP3と、供給電圧
を供給される第1の分圧回路51aとを有している。第3
の演算増幅器OP3は、基準電圧Vsと第1の分圧回路51aで
分圧された分圧供給電圧とを供給される。前述したよう
に、比検出回路51は基準電圧に対する供給電圧の比を検
出し、その比が所定値より高く無い時、すなわち供給電
圧が低いにもかかわらず、上記比が所定値より高くない
時に、比検出信号を補助制御器42に出力する。もちろ
ん、比は分圧回路51aにおける2つの抵抗器の抵抗値を
変えることで任意に設定できる。
補助制御器42は、バイアス電圧制御信号を供給される
第3のスイッチ回路SW3、駆動電圧Vddを供給される第2
の分圧回路42aを有する。比検出信号を受けると、第3
のスイッチ回路SW3はバイアス電圧発生器33へのバイア
ス電圧制御信号の供給を阻止する。さもなければ、第3
のスイッチ回路SW3は第2の分圧回路42aにより分圧され
た駆動電圧をバイアス電圧発生器33へ供給する。
バイアス電圧発生器33は第4の演算増幅器OP4を有す
る。第4の演算増幅器OP4は、第3のスイッチ回路SW3の
動作で決まるバイアス電圧制御信号、分圧された駆動電
圧の内の一方を変換電圧に変換する。この変換電圧は制
御電圧として用いられる。
変調器34は、パルス発生器34aと微分回路34bとを有す
る。微分回路34bを用いるのは、パルス発生器34aのオフ
セット電圧の影響を受けないようにするためである。微
分回路34bは、バイアス電圧発生器33から制御電圧を供
給される第5の演算増幅器OP5を有する。パルス発生器3
4aは、第8図(f)、第9図(f)に示されるようなパ
ルス信号を発生する。パルス信号は第2のインバータIV
2を通して微分回路34bの反転入力端子に供給される。微
分回路34bは、制御電圧をパルス信号で変調してバイア
ス電圧Vgとして用いるための変調電圧にする。点P6にお
ける変調信号は、供給電流値ISが電流特性CC′の減少部
分にある時、第8図(g)に示された状態から特定のバ
イアス電圧Vg1まで上昇する。一方、供給電流値ISが電
流特性CC′の増加部分にある時、変調信号は第9図
(g)に示された状態から特定のバイアス電圧Vg1まで
下降する。
パルス信号は、増幅回路入力信号にのせられた情報信
号の周波数より低くされるべきでらう。情報信号が音声
信号である時、パルス信号は50〜60Hzの周波数を持つよ
うにされる。
(発明の効果) 本発明によれば、総電力消費量を最適値に維持できバ
ッテリセービングに有用な高周波増幅回路を提供するこ
とができる。また、本発明ではバイアス電圧制御回路を
出力側増幅器に1つ設けるだけで良いので、大幅なコス
トアップを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例のブロック図、第2図は
本発明による高周波増幅回路における供給電流と出力側
増幅器のバイアス電圧との関係を示した図、第3図は本
発明における変調回路の機能を説明するための図、第4
図は第2図に示された供給電流と出力側増幅器のバイア
ス電圧との関係の他の例を示した図、第5図は本発明の
第2の実施例のブロック図、第6図は本発明の第3の実
施例のブロック図、第7図は第6図に示されたバイアス
電圧制御回路に適した具体的な回路を示した図、第8
図、第9図はそれぞれ,第7図の各部の信号波形を示し
た図、第10図は従来例のブロック図。 図中、21は出力側増幅器、22は入力側増幅ユニット、23
は入力側増幅部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03G 3/20 - 3/34 H03F 3/00 - 3/193

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】出力側増幅器用電力及びバイアス電圧を供
    給され、出力側増幅器用入力信号を、ある出力レベルを
    持つ増幅回路出力信号に増幅するための出力側増幅器
    と、 該出力側増幅器に接続され、入力側増幅器用電力を供給
    されることにより、入力側増幅器用入力信号を中間増幅
    信号に増幅して該中間増幅信号を前記出力側増幅器用入
    力信号として出力する入力側増幅部と、前記増幅回路出
    力信号があらかじめ定められたレベルを持つようにする
    ための自動レベル制御手段とを含む入力側増幅手段とを
    有し、 前記入力側増幅器用電力及び出力側増幅器用電力は、前
    記入力側増幅部及び出力側増幅器における総電力消費量
    に応じて変化する供給電流値による総電力で表わされる
    高周波増幅回路において、 前記総電力を供給され、前記供給電流値を検出してこれ
    を表わす電流検出信号を出力するための電流検出回路
    と、 該電流検出回路と前記出力側増幅器とに接続され、前記
    総電力消費量を最適値にすべく前記電流検出信号に応答
    して前記バイアス電圧を制御するためのバイアス電圧制
    御回路を備え、 前記バイアス電圧制御回路は、 前記電流検出回路に接続され、前記電流検出信号で示さ
    れた供給電流値及び位相に基づいて、前記供給電流値が
    最小になるように前記バイアス電圧を増加あるいは減少
    させるためのバイアス電圧制御信号を出力するバイアス
    電圧制御器と、 前記バイアス電圧制御信号に応答して制御電圧を発生す
    るためのバイアス電圧発生器と、 前記バイアス電圧発生器に接続され、前記制御電圧を前
    記バイアス電圧として用いるために変調電圧に変調する
    ための変調器とから成ることを特徴とする高周波増幅回
    路。
  2. 【請求項2】請求項1)記載の高周波増幅回路におい
    て、 前記自動レベル制御手段は、 前記出力側増幅器に接続され、前記出力レベルを検出し
    てこれを表わすレベル検出信号を出力するための出力レ
    ベル検出回路と、 該出力レベル検出回路に接続されると共に、基準電圧を
    有する基準電圧信号を供給され、前記レベル検出信号と
    前記基準電圧信号とを比較して該比較結果を表わす制御
    信号レベルを有する電圧制御信号を出力するための比較
    器と、 該比較器に接続され、前記出力レベルを前記あらかじめ
    定められたレベルに維持するために前記入力側増幅器用
    電力の供給電圧を制御するための供給電圧制御部とから
    成ることを特徴とする高周波増幅回路。
  3. 【請求項3】請求項2)記載の高周波増幅回路におい
    て、 前記バイアス電圧制御回路を、 前記電流検出回路に接続され、前記電流検出信号で示さ
    れた供給電流値及び位相に基づいて、前記供給電流値が
    最小になるように前記バイアス電圧を増加あるいは減少
    させるためのバイアス電圧制御信号を出力するバイアス
    電圧制御器と、 前記バイアス電圧制御信号に応答して制御電圧を発生す
    るためのバイアス電圧発生器と、 前記バイアス電圧発生器に接続され、前記制御電圧を前
    記バイアス電圧として用いるために変調電圧に変調する
    ための変調器と、 前記比較器に接続され、前記制御信号レベルがあらかじ
    め定められた制御レベルより低いかどうかを検出して前
    記制御信号レベルが前記あらかじめ定められた制御レベ
    ルより低くない時に検出信号を出力する信号レベル検出
    回路と、 前記バイアス電圧制御器と前記バイアス電圧発生器との
    間に接続され、前記検出信号を受けない時には前記バイ
    アス電圧制御信号を前記バイアス電圧発生器に出力し、
    前記検出信号を受けると前記変調電圧を所定電圧に維持
    すべく前記バイアス電圧発生器への前記バイアス電圧制
    御信号の供給を停止するための補助制御器とから成り、 前記バイアス電圧発生器は、前記バイアス電圧制御信号
    の供給が停止された時には前記変調器に対して一定の制
    御電圧を供給することを特徴とする高周波増幅回路。
  4. 【請求項4】請求項2)記載の高周波増幅回路におい
    て、 前記バイアス電圧制御回路を、 前記電流検出回路に接続され、前記電流検出信号で示さ
    れた供給電流値及び位相に基づいて、前記供給電流値が
    最小になるようにバイアス電圧を増加あるいは減少させ
    るためのバイアス電圧制御信号を出力するバイアス電圧
    制御器と、 前記バイアス電圧制御信号に応答して制御電圧を発生す
    るためのバイアス電圧発生器と、 前記バイアス電圧発生器に接続され、前記制御電圧を前
    記バイアス電圧として用いるために変調電圧に変調する
    ための変調器と、 前記電流検出回路への供給電圧と前記比較器への前記基
    準電圧とを供給され、前記基準電圧に対する前記電流検
    出回路への供給電圧の比を検出して該比があらかじめ定
    められた比より高くない時に比検出信号を出力するため
    の比検出回路と、 前記バイアス電圧制御器と前記バイアス電圧発生器との
    間に接続され、前記比検出信号を受けない時には前記バ
    イアス電圧制御信号を前記バイアス電圧発生器に出力
    し、前記比検出信号を受けると前記変調電圧を所定電圧
    に維持すべく前記バイアス電圧発生器への前記バイアス
    電圧制御信号の供給を停止するための補助制御器とから
    成り、 前記バイアス電圧発生器は、前記バイアス電圧制御信号
    の供給が停止された時には前記変調器に対して一定の制
    御電圧を供給することを特徴とする高周波増幅回路。
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