JP3049551B2 - 光アイソレータ - Google Patents

光アイソレータ

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JP3049551B2
JP3049551B2 JP9228197A JP22819797A JP3049551B2 JP 3049551 B2 JP3049551 B2 JP 3049551B2 JP 9228197 A JP9228197 A JP 9228197A JP 22819797 A JP22819797 A JP 22819797A JP 3049551 B2 JP3049551 B2 JP 3049551B2
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birefringent
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健一 白木
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Tokin Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,レーザ発振光が反
射等により送出方向とは逆方向に戻ることを防ぐ目的で
使用される光アイソレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザ発振光の反射戻り光を防止するた
めの光アイソレータには,送出方向の光,すなわちアイ
ソレータへレーザより入射してくる光の偏波方向が特定
の方向である事を指定する必要のある偏波依存型アイソ
レータと,偏波が如何なる方向であってもさしつかえな
い偏波無依存型アイソレータとがある。
【0003】本発明の対象は偏波無依存型アイソレータ
に関するものであって,従来のこの型のアイソレータよ
りも容易に量産製造しうるものであり,また小型化も可
能な偏波無依存型アイソレータを製造できる技術に関す
るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】先ず従来の偏波無依存
型アイソレータとして知られるものの第1の例として,
永久磁石の他に二枚の複屈折結晶板の間に夫々45°の
偏波回転するファラデー回転子と旋光性結晶を入れるタ
イプのものがある(特公昭60−49297号公報,参
照)。
【0005】この場合,素材としては複屈折結晶,ファ
ラデー回転子材料,旋光性結晶の3種類を必要としてお
り,旋光性結晶として代表的な材料である水晶を用いて
いるため45°の旋光角を得るのに例えば通信用光波長
の1.55μmに対して約16mmの長さを必要とし小
型のアイソレータを構成することはできない。
【0006】また,第2の例として,永久磁石の他に2
枚のくさび型をした複屈折結晶材の間に45°の偏波回
転するファラデー回転子入れるタイプのものがある(特
願昭55−176687号,参照)。
【0007】この場合,素材は複屈折結晶とファラデー
回転子材料の2種類であり,第1の例よりも有利であ
り,水晶のごとき旋光性結晶を用いないので小型化の点
でも有利であるが,くさび型の結晶を利用するため,そ
れを加工製造する事は,平板あるいは角型材の加工より
もずっと工程が複雑になりこの点は不利である。
【0008】そこで,本発明の技術的課題は,従来の偏
波無依存型アイソレータの欠点である多種材料,あるい
は大型材料,加工形状の複雑な材料を用いることなく,
少品種で簡単な加工材料で偏波無依存型アイソレータを
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、複屈折
性を有する複数の光結晶板を有する光アイソレータにお
いて、光路に沿って、第1の複屈折結晶板、第2の複屈
折結晶板、第3の複屈折結晶板、及び第4の複屈折結晶
板をこの順に備え、さらに、第1乃至第4の複屈折結晶
板の内の隣合う複屈折結晶板の間の少なくとも1個所に
配置された少なくとも一つのファラデー回転子を備え、
前記第1乃至第4の複屈折結晶板は、互いに厚さの等し
いものを2対含み、一方の互いに厚さの等しい一対の複
屈折結晶板と、他方の互いに厚さの等しい一対の複屈折
結晶板との厚さの比は、1:tan22.5°(〜1.
4142)であり、前記ファラデー回転子のファラデー
回転角度は、約45°であって、前記第1,第2,第
3,及び第4の複屈折結晶板の内の一つに対して、もう
一つの複屈折結晶の複屈折結晶板の偏光分離方向のなす
角度が約90°で、残りの2つの複屈折結晶板の偏光分
離方向のなす角度が共に約45°であることを特徴とす
る光アイソレータが得られる。
【0010】即ち、本発明は、4枚の複屈折結晶板を用
い、隣合う2枚の複屈折結晶板の間に少なくとも1枚の4
5°の偏波回転するファラデー回転子を挿入したことを
特徴としている
【0011】
【発明の実施の形態】次に,本発明の実施の形態につい
て説明する。尚,本発明の対象とするすべてのアイソレ
ータは常に永久磁石を必要としているので,これについ
ては特に省いて以下説明する。
【0012】図1を参照して,本発明の実施の形態とし
て複屈折結晶板としてルチル(TiO2 ),結晶板をフ
ァラデー回転子としてテルビウムビスマス鉄ガーネット
((TbBi)3 Fe5 12)結晶板を用いた。
【0013】ルチル結晶板の結晶方位はC軸よりa軸に
向って45°傾いた方向が結晶板の面内にあり,その
a,c軸で形成される面と結晶板の面とは互いに直角を
なしている。
【0014】アイソレータの構成はレーザ光の入射方向
(図1の矢印a)に沿って第1のルチル結晶板A(厚さ
2mm,レーザ光と平行な方向からのC軸の投影方向は
垂直方向),ついで第2のルチル結晶板B(厚さは0.
8284mm),レーザ光と平行な方向からのC軸の投
影方向は第1のルチルより90°回転して水平方向),
ついでファラデー回転子であるガーネット結晶板C(厚
さ0.5mm,結晶板面の方位は{111}面で,波長
1.5μmに対し偏波面が第2のルチルの90°回転と
同一方向に45°回転するように磁化された状態にあ
る),ついで第3のルチル結晶板D(厚さは0.828
4mm,レーザ光と平行な方向からのC軸の投影方向は
垂直あるいは水平方向より第2のルチルと同方向に45
°),最後に第4のルチル結晶板E(厚さは2mm,同
様にC軸の投影方向は第3のルチル結晶板よりも結晶板
面内で第2のルチルと同方向に90°回転して−45
°)の順の配列である。
【0015】図中ので示す矢印は入射光が,そのルチ
ル板を透過するとき異常光として分離する方向を示す。
【0016】図2及び図3にはレーザ光を透過させた場
合の光線ビームの伝播状況を示す。円の中の矢印は偏波
方向であってレーザビームの送出方向ではアイソレータ
への入射ビームは垂直,水平偏波ともすべて同一線上に
出射されるが(図2)反射戻り光方向では垂直,水平両
偏波とも入射ビームの線上には戻らない事が示される
(図3)。
【0017】本アイソレータを構成する結晶の表面に波
長1.55μmに対する無反射コート膜を施し,アイソ
レータの入射光側にピッチ1/2のGRINレンズをお
き,出射側にコア径10μmのシングルモードファイバ
ーをおいて半導体レーザより発振した光をGRINレン
ズ,アイソレータ,シングルモードファイバーの順で透
過させたところ半導体レーザの偏波がいかなる方向であ
っても透過損は1dB以下であり,逆に接続して出射側
より光を透過させると透過損35dB以上であった。こ
の場合,偏波方向はいかなる方向でも35dB以上のほ
ぼ同じ値であった。
【0018】図4は本発明の実施の形態による光アイソ
レータの原理説明に供せられる図である。図4を参照す
ると,光の進行方向に垂直な面へ投影した場合,即ち,
光の入射側から見た時の光の移動経路の一例が示されて
いる。
【0019】尚,実施の形態において,第1と第2のル
チル結晶板との間,第3と第4のルチル結晶板との間を
片方のみ,あるいは両方を同時に入れかえても,同一の
特性が得られた。
【0020】また第1と第2,第3と第4のルチル結晶
板の板の厚さを,その比を変えることなく1/2倍,2
倍,3倍などとしても同様に偏波方向に依存性のない特
性が得られた。
【0021】
【発明の効果】以上示した通り本発明は2種類の材料で
構成され,単純な加工の結晶板を夫々の面内に回転させ
て配列することによりすぐれたアイソレーション特性を
実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における結晶の方位と配列
の説明図である。
【図2】アイソレータとしての機能の説明図である。
【図3】アイソレータとしての機能の説明図である。
【図4】光の進行方向に垂直な面へ投影した場合,光の
入射側から見た時の光の移動経路を示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複屈折性を有する複数の光結晶板を有す
    る光アイソレータにおいて、光路に沿って、第1の複屈
    折結晶板、第2の複屈折結晶板、第3の複屈折結晶板、
    及び第4の複屈折結晶板をこの順に備え、さらに、第1
    乃至第4の複屈折結晶板の内の隣合う複屈折結晶板の間
    の少なくとも1個所に配置された少なくとも一つのファ
    ラデー回転子を備え、前記第1乃至第4の複屈折結晶板
    は、互いに厚さの等しいものを2対含み、一方の互いに
    厚さの等しい一対の複屈折結晶板と、他方の互いに厚さ
    の等しい一対の複屈折結晶板との厚さの比は、1:ta
    n22.5°(〜1.4142)であり、前記ファラデ
    ー回転子のファラデー回転角度は、約45°であって、
    前記第1,第2,第3,及び第4の複屈折結晶板の内の
    一つに対して、もう一つの複屈折結晶の複屈折結晶板の
    偏光分離方向のなす角度が約90°で、残りの2つの複
    屈折結晶板の偏光分離方向のなす角度が共に約45°で
    あることを特徴とする光アイソレータ。
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