JP2003172901A - 光非相反デバイス - Google Patents

光非相反デバイス

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JP2003172901A
JP2003172901A JP2001371663A JP2001371663A JP2003172901A JP 2003172901 A JP2003172901 A JP 2003172901A JP 2001371663 A JP2001371663 A JP 2001371663A JP 2001371663 A JP2001371663 A JP 2001371663A JP 2003172901 A JP2003172901 A JP 2003172901A
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optical
faraday rotator
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JP2001371663A
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English (en)
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Hiroyuki Oba
裕行 大場
Haruhiko Tsuchiya
治彦 土屋
Toshio Shoji
利男 東海林
Noriko Miyazaki
紀子 宮崎
Shojiro Kawakami
彰二郎 川上
Takashi Sato
尚 佐藤
Osamu Ishikawa
理 石川
Takayuki Kawashima
貴之 川嶋
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Tokin Corp
Original Assignee
NEC Tokin Corp
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  • Polarising Elements (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学的な特性を損なうことなく低価格で製造
が容易な偏光子を備えた光非相反デバイスを提供する。 【解決手段】 光非相反デバイス10は、フォトニック
結晶から成る反射型の第1の偏光子1、45度ファラデ
ー回転子2、フォトニック結晶から成る反射型の第2の
偏光子3をこの順で配置しており、フォトニック結晶か
ら成る反射型の第1又は第2の偏光子1、3のどちらか
一方が45度ファラデー回転子の上に形成される。反射
型の第1の偏光子1の透過偏光方向と反射型の第2の偏
光子3の透過偏光方向が互いに45度の角度を成すよう
に設定されている。45度ファラデー回転子2は磁性ガ
ーネット単結晶又は角形のヒステリシスカーブを持つ硬
磁性ガーネット単結晶からなり、永久磁石又は電磁石に
より磁界が付与される。フォトニック結晶から成る反射
型の偏光子は磁性ガーネットの上に形成された所定の凹
凸形状に従って凹凸形状を保持しながら堆積された高屈
折率媒質および低屈折率媒質の多層膜から成り、大面積
で光学研磨を必要としない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として光通信機
器や光情報処理機器等に用いられると共に、入射光を一
方向にのみ透過させ、逆方向には遮断する光学素子であ
る光アイソレータ、および入射光を透過又は遮断する光
スイッチ等の光非相反デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】光非相反デバイスの1つである光アイソ
レータは、例えば2枚の偏光子と磁界が印加されたファ
ラデー回転子とを組み合わせて構成されている。実用化
されている光アイソレータの場合、通常偏光子の材料に
は、複屈折単結晶プリズム、金属粒子を含むガラス偏光
子、誘電体及び金属による複合多層膜等が用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した既存の光アイ
ソレータの場合、偏光子の材料が高価である上、偏光子
の製造に際して切断や研磨等の加工工程を要するため、
こうした要因によって製造コストを低減化することが困
難になっており、結果として光アイソレータ全体の価格
が高価なものになってしまうという問題(実際に偏光子
の製造コストが光アイソレータ全体の製造コストの約5
0%以上を占めることがある)がある。
【0004】本発明は、このような問題点を解決すべく
なされたもので、その技術的課題は、既存のアイソレー
タ特性を保持できると共に、製造が容易で低価格な光ア
イソレータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
とも2つの偏光子と、少なくとも一つのファラデー回転
子とを互い違いに光軸上に配置した光非相反デバイスに
おいて、夫々の光学素子を、前記光軸に対して傾斜する
ように配置したことを特徴とする光非相反デバイス。
【0006】また、本発明によれば、前記光非相反デバ
イスにおいて、フォトニック結晶から成る反射型の第1
の偏光子、ファラデー回転子、及びフォトニック結晶か
ら成る反射型の第2の偏光子をこの順で配置すると共
に、前記第1の偏光子と第2の偏光子が非平行に配置さ
れる光非相反デバイスであって、前記第1及び第2の偏
光子の内のいずれか一方が、前記ファラデー回転子上に
形成されて成ることを特徴とする光非相反デバイスが得
られる。
【0007】また、本発明によれば、前記光非相反デバ
イスにおいて、前記ファラデー回転子は45度ファラデ
ー回転子からなることを特徴とする光非相反デバイスが
得られる。
【0008】また、本発明によれば、前記光非相反デバ
イスにおいて、第1の偏光子、ファラデー回転子、第2
の偏光子をこの順で配備固定して成ると共に、前記第1
及び第2の偏光子の内のいずれか一方は前記ファラデー
回転子上に形成されたフォトニック結晶から成る反射型
の偏光子であり、前記第1及び第2の偏光子の内の残り
の偏光子は吸収型の偏光子であることを特徴とする光非
相反デバイスが得られる。
【0009】また、本発明によれば、前記光非相反デバ
イスにおいて、第1の偏光子、第1のファラデー回転
子、第2の偏光子、第2のファラデー回転子、及び第3
の偏光子をこの順に配置して成ると共に、前記第1から
第3の偏光子の内の少なくとも1つがファラデー回転子
上に形成されたフォトニック結晶からなる反射型の偏光
子であり、残りの偏光子は吸収型の偏光子であることを
特徴とする光非相反デバイスが得られる。
【0010】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の光非相反デバイスにおいて、前記反射型の偏光子を成
すフォトニック結晶は、前記ファラデー回転子の表面上
に形成された所定の形状に従って堆積された高屈折率媒
質および低屈折率媒質の多層膜から成ることを特徴とす
る光非相反デバイスが得られる。
【0011】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の光非相反デバイスにおいて、前記ファラデー回転子
は、磁気光学効果を有する磁性ガーネット単結晶と、前
記磁性ガーネット単結晶に磁界を付与する為の永久磁石
又は電磁石から成ることを特徴とする光非相反デバイス
が得られる。
【0012】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の光非相反デバイスにおいて、前記ファラデー回転子
は、磁化曲線が角形のヒステリシスカーブを持つ硬磁性
ガーネット単結晶から成ることを特徴とする光非相反デ
バイスが得られる。
【0013】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の光非相反デバイスにおいて、更に、光透過方向の出射
側にフェルール付きの光ファイバーが配置されているこ
とを特徴とする光非相反デバイスが得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に幾つかの実施の形態を挙
げ、本発明の光非相反デバイスについて、図面を参照し
て詳細に説明する。
【0015】図1は本発明の第1の実施の形態に係る光
非相反デバイスの基本構成を示した側面図である。図1
を参照すると、光非相反デバイス10は、それぞれ反射
型の第1の偏光子1、45度ファラデー回転子2、及び
反射型の第2の偏光子3をこの順で入射光の光軸4に対
して傾けて配置して構成されるが、反射型の第1の偏光
子1は、45度ファラデー回転子2の入射光学面上に形
成されている。又反射型の第2の偏光子2は、45度フ
ァラデー回転子2とは別に設置され、石英ガラス等の透
明性の光学的等方物質上に形成されている。反射型の第
1の偏光子1と反射型の第2の偏光子3は共に反射型の
偏光子で、それぞれの透過偏光方向が互いに45度の角
度を成すように設定され、45度ファラデー回転子2に
は入射光の進行方向に沿った磁界Hが磁石5により印加
される。
【0016】反射型の第1の偏光子1および第2の偏光
子3に用いられるフォトニック結晶は、一般には屈折率
がある一定の周期変化を持つことによりフォトニックバ
ンドギャップが生じる物体として知られるが、反射型偏
光子としては、透明な2種類の物質から成る2次元的な
周期構造を持つものであり、このフォトニック結晶の周
期構造を適切に設計すれば、同一波長の或る方向の偏光
成分はフォトニックバンドギャップに入ってフォトニッ
ク結晶内に存在し得ずに反射し、それと垂直な方向の偏
光成分はフォトニックバンドギャップに入らずにフォト
ニック結晶を透過するように動作させることが出来る。
【0017】フォトニックバンドギャップを持つために
は、2種類の物質の屈折率比が2倍以上必要であるた
め、ここでは半導体であるSi(屈折率3.4)とSi
(屈折率1.44)との組み合わせを用いるものと
する。
【0018】本発明では、フォトニック結晶による反射
型偏光子のどちらか一方は、45度ファラデー回転子2
を構成する磁性ガーネット表面上に形成されるが、この
場合まず磁性ガーネット上に所定の断面形状を有する溝
又は梁を形成し、その後、磁性ガーネット上の溝又は梁
の形が保存されるようにバイアススパッタリングによっ
てSiとSiOとを交互に積層すれば良い。又もう片
方の反射型偏光子は、SiOなどの透明性光学的等方
体基板上に形成されるが、同様に溝又は梁を形成し、こ
の形状を保持するようにSiとSiOとを交互に積層
すれば良い。
【0019】この様にフォトニック結晶による反射型偏
光子は、容易に製造可能であり、しかも大面積で構成可
能であると共に、研磨が不要であることによって製造コ
ストを安価にできる上、耐環境特性に優れている。
【0020】図2はこの光非相反デバイス10を光アイ
ソレータとして動作させたときにおける透過光の光路を
説明するために示した各光学素子の側面図で、同図
(a)は順方向の入射光に関するもの、同図(b)は逆
方向の入射光に関するものである。尚、図2(a)並び
に図2(b)中の各光学素子の近傍に示される円内の双
方向矢印は、各光学素子における入射光又は出射光の偏
光方向を示すものである。
【0021】先ず、図2(a)を参照すれば、順方向の
入射光の場合、入射光軸4で示される光路に沿った入射
光が45度ファラデー回転子2の表面に形成された反射
型の第1の偏光子1に入射した後、そのまま光路に沿っ
て反射型の第1の偏光子1、45度ファラデー回転子
2、及び反射型の第2の偏光子3を透過してから出射す
る。入射光の偏光方向はある一定方向に固定されてお
り、反射型の第1の偏光子1は、透過偏光方向が入射偏
光方向に合致する様に設置される。反射型の第1の偏光
子1を透過した入射光は、45度ファラデー回転子2に
よって偏光方向が45度回転し、反射型の第2の偏光子
3に入射するが、反射型の第2の偏光子3の透過偏光方
向は、第1の偏光子1と45度の角度を成すように設置
されており、45度ファラデー回転子2を透過した透過
光の偏光方向に一致するので、結局反射型の第1の偏光
子1から入射した入射光は遮られることなく光アイソレ
ータを透過する。
【0022】次に、図2(b)を参照すれば、逆方向の
入射光の場合、逆方向入射光軸6で示される光路に沿っ
た入射光が反射型の第2の偏光子3に入射する際、一部
が斜め右下向き矢印で示される光路に沿って反射し、他
部は反射型の第2の偏光子3及び45度ファラデー回転
子2を透過して反射型の第1の偏光子1に入射する。こ
のとき、反射型の第1の偏光子1に入射する光の偏光方
向は反射型の第1の偏光子1の透過方向から90度回転
しており、反射型の第1の偏光子1に入射する光は45
度ファラデー回転子2側に反射され、45度ファラデー
回転子2透過して反射型の第2の偏光子3に入射する。
再び反射型の第2の偏光子3に入射した光は今度は入射
偏光方向が反射型の第2の偏光子3の透過方向から90
度回転しており反射型の第2の偏光子3によって反射さ
れ、再び45度ファラデー回転子2を透過して偏光方向
が45度回転して再度反射型の第1の偏光子1に入射す
る。この段階で反射型の第1の偏光子1に入射した光の
偏光方向は、はじめに入射した場合と異なり反射型の第
1の偏光子1の透過偏光方向に一致しており、結局逆方
向から入射した入射光は、図2(b)中に記載された光
軸シフト量7だけ逆方向入射光軸からずれてアイソレー
タから出射する。
【0023】図3は上述の基本構成を基にした光アイソ
レータが使用された光学系装置の構成を例示した側面図
である。図3を参照すると、光学系装置70は、レーザ
ダイオード8からのレーザ光を集光レンズ9を通して光
非相反デバイス10である光アイソレータ(以下、光ア
イソレータも同様に符号10で示す)に入射させ、光ア
イソレータ10を通過した透過光を光ファイバ11端に
結合させるように各部がレーザ光の光軸に合わせられて
配備されている。
【0024】光アイソレータ10は、45度ファラデー
回転子2、45度ファラデー回転子2上に形成されたフ
ォトニック結晶による反射型の第1の偏光子1、透過性
の光学的等方材料である石英ガラス12に形成されたフ
ォトニック結晶による反射型の第2の偏光子3、および
永久磁石5から構成されている。
【0025】この光学系装置70において、光アイソレ
ータ10による逆方向における透過光の光路6の順方向
における入射光の光路4からの平行シフト量をSとし、
集光レンズ9の像倍率をmとすれば、逆方向における透
過光はレーザダイオード8の発光部分からs/mだけ離
れた位置に集光し、レーザダイオード8の発光部分に結
合しない。
【0026】この光学系装置における光アイソレータ1
0の各構成要素(光学素子)を光学接着剤で貼り合わせ
た場合、平行シフト量sは、tを45度ファラデー回
転子2の厚さ、tを透明性の光学的等方材質である石
英ガラス12厚さ、nを45度ファラデー回転子3の
屈折率、ngを透明性の光学的等方材質である石英ガラ
ス12の屈折率、θを光アイソレータ10の入射光に対
する傾き角度とした場合、近似的にS=sinθ{3t
(n −sinθ)−1/2+3t(n
sinθ)−1/2−(t+t)(1−sin
θ)−1/2}なる関係で表わすことができる。
【0027】図4は、この光学系装置の光アイソレータ
10における傾き角度θ(deg)に対する平行シフト
量S(μm)の関係を示したものである。但し、ここで
は45度ファラデー回転子3の厚さt=450μm、
透明性の光学的等方材質である石英ガラス12の厚さt
=0.5mm、45度ファラデー回転子2の屈折率n
=2.3、透明性の光学的等方材質である石英ガラス
12の屈折率n=1.5の場合の図となっている。
【0028】図4からは、例えば光アイソレータ10を
傾き角度5度で使用すると、約95μmの平行シフト量
sが得られることが判り、集光レンズ9の像倍率を3と
すると平行シフト量sは上述した関係式からレーザダイ
オード8の近くで約32μmの変位量が得られる。この
変位量は、逆方向における透過光をレーザダイオード8
の発光部に結合させないため十分なものである。
【0029】以上に説明した光アイソレータ10やそれ
を使用した光学系装置70において、各光学素子を平行
に設置する方法は、光学的接着剤による接着や各光学素
子を保持する機構部品を用いて簡易に行うことが可能で
あり、量産に向くものとなっている。又、従来のアイソ
レータと比較して、使用される光学部品が3点から2点
に減少し、組み立てに要する工数を減らすことができる
ため低コスト化が可能となる。
【0030】ところで、本実施の形態において、反射型
の第2の偏光子3が形成されている透明性の光学的等方
材質である石英ガラス12の役割は、45度ファラデー
回転子2の上に形成された反射型の第1の偏光子1と反
射型の第2の偏光子3との間の距離を大きくし、平行シ
フト量sを大きくすることである。従ってその材質は石
英ガラスに限定されず、光透過性と適切な屈折率を持っ
ていれば他の材料を用いても良い。また、反射型の第2
の偏光子3が形成されている透明性の光学的等方材質で
ある石英ガラス12とは別に、透明性の光学的等方材質
からなる平行平板を、45度ファラデー回転子2と透明
性の光学的等方材質である石英ガラス12の間に挿入し
て、反射型の第1の偏光子1と反射型の第2の偏光子3
との間の距離を大きくする事も可能である。
【0031】図5は本発明による第2の実施の形態に係
る光非相反デバイスの基本構成を示した側面図である。
図5を参照すると、光非相反デバイス20は、フォトニ
ック結晶から成る反射型の第1の偏光子14、45度フ
ァラデー回転子15、フォトニック結晶から成る反射型
の第2の偏光子16、および45度ファラデー回転子1
5に磁界Hを加える磁石5を配置して成るとともに、フ
ォトニック結晶より成る反射型の第2の偏光子16は、
45度ファラデー回転子15を構成する磁性ガーネット
結晶の上に形成されており、フォトニック結晶から成る
反射型の第1の偏光子14は、第1の実施の形態で説明
したものと同じく透明性の光学的等方材質である石英ガ
ラス上に形成されている。反射型の第1の偏光子14の
透過偏光方向と反射型の第2の偏光子16の反射偏光方
向が互いに45度の角度を成すように設定されている。
【0032】又この光非相反デバイス20の順方向の入
射光軸13は、反射型の第2の偏光子16によって入射
光軸13´に沿って反射し、光非相反デバイスを通過し
た光は45度ファラデー回転子15の光入射面と同じ面
から出射するように、反射型の第1の偏光子14と45
度ファラデー回転子15の配置および入射光軸13との
角度が設定される。
【0033】図6(a)および(b)は、それぞれ本実
施の形態の光非相反デバイス20を光アイソレータとし
て動作させた場合の、順方向および逆方向の光路を示し
たものである。尚、図6(a)並びに図6(b)中の各
光学素子の近傍に示される円内の双方向矢印は、各光学
素子における入射光又は出射光の偏光方向を示すもので
ある。
【0034】まず、図6(a)を参照すれば、順方向の
入射光の場合、入射光軸13で示される光路に沿った入
射光が、反射型の第1の偏光子14に入射後そのまま経
路に従って反射型の第1の偏光子14、45度ファラデ
ー回転子15を透過し、45度ファラデー回転子15の
上に形成されたフォトニック結晶から成る反射型の第2
の偏光子16に入射する。ここで入射した光の偏光方向
は、45度ファラデー回転子15によって偏光方向が4
5度回転しているが、反射型の第2の偏光子16は、偏
光方向が45度回転した光を反射するように設置されて
いる。従って、入射した光は、反射型の第2の偏光子1
6で反射し、再度45度ファラデー回転子15を透過
し、順方向入射光線軸13´に沿って出射する。
【0035】次に、逆方向からの入射光の場合、図6
(b)を参照すれば、逆方向入射光軸17で示される光
路に沿って入射光が、45度ファラデー回転子15を透
過し、反射型の第2の偏光子16に入射した際、反射型
の第2の偏光子16の透過偏光偏光方向に一致する光は
そのままアイソレータを通過して図6(b)の図中下方
に進行する。一方、反射型の第2の偏光子16の反射偏
光方向に一致する光は、反射型の第2の偏光子16で反
射されて再度45度ファラデー回転子15を透過して反
射型の第1の偏光子14に入射する。ここで入射した光
の偏光方向は、反射型の第1の偏光子14の反射偏光方
向と一致するため、光は反射型の第1の偏光子14で反
射して図6(b)の図中下方に進行し、結局図6(a)
の順方向入射光軸13で示される光軸方向には、逆方向
から入射した光は到達しないので光アイソレータとして
機能する。
【0036】図6(c)および(d)は、それぞれ本実
施の形態の光非相反デバイスを光スイッチとして動作さ
せた場合の出射ポート(A)および出射ポート(B)へ
の光路を示したものである。ここでは、45度ファラデ
ー回転子15の偏光回転方向を逆転させるために、磁界
Hを磁性ガーネット単結晶に加える磁石として、電流の
方向を切り替えることが出来る電磁石19を使用する。
又同様に各光学素子の近傍に示される円内の双方向矢印
は、各光学素子における入射光又は出射光の偏光方向を
示すものである。
【0037】まず、図6(c)を参照すれば、入射ポー
ト18から出射ポート(A)21へ光を伝達させる場
合、入射光軸13で示される光路に沿った入射光が、反
射型の第1の偏光子14に入射後そのまま経路に従って
反射型の第1の偏光子14、45度ファラデー回転子1
5を透過し、45度ファラデー回転子15の上に形成さ
れたフォトニック結晶から成る反射型の第2の偏光子1
6に入射する。ここで入射した光の偏光方向は、45度
ファラデー回転子15によって偏光方向が右回りに45
度回転しているが、反射型の第2の偏光子16は、偏光
方向が右回りに45度回転した光を反射するように設置
されている。従って入射した光は、反射型の第2の偏光
子16で反射し、再度45度ファラデー回転子15を透
過し、出射ポート(A)21に出射する。
【0038】次に、出射ポート(B)に光路を切り替え
る場合、図6(d)を参照すれば、まず電磁石19の電
流方向を逆転させ45度ファラデー回転子15に加えら
れている磁界Hの方向を反対向きに切り替える。この
時、入射光軸13で示される光路に沿った入射光が、反
射型の第1の偏光子14に入射後そのまま経路に従って
反射型の第1の偏光子14、45度ファラデー回転子1
5を透過し、45度ファラデー回転子15の上に形成さ
れたフォトニック結晶から成る反射型の第2の偏光子1
6に入射する。ここで入射した光の偏光方向は、45度
ファラデー回転子15によって偏光方向が左回りに45
度回転しているが、反射型の第2の偏光子16は、偏光
方向が右回りに45度回転した光を反射し、左回りに4
5度回転した光は透過するように設置されている。従っ
て入射した光は、反射型の第2の偏光子16を透過し、
出射ポート(B)23に出射する。
【0039】以上述べたように、本発明による光非相反
デバイスは、光アイソレータだけではなく、磁界を加え
る磁石に発生する磁界方向を変更できる電磁石を使用す
ることによって、光スイッチとしても機能させることが
出来る。
【0040】図7は本発明の第3の実施の形態に係る光
非相反デバイスの基本構成を示した側面図である。図7
を参照すると、光非相反デバイス34は、45度ファラ
デー回転子25の上に形成されたフォトニック結晶から
成る反射型の第1の偏光子24、45度ファラデー回転
子25、フォトニック結晶から成る反射型の第2の偏光
子26をこの順で並べて配備して成ると共に、反射型の
第1の偏光子24及び反射型の第2の偏光子26を非平
行に配置されている。
【0041】このうち、反射型の第1の偏光子24及び
反射型の第2の偏光子26は、それぞれの透過偏光方向
が互いに45度の角度を成すように設定され、且つ光学
面が非平行に設置されており、第1および反射型の第2
の偏光子24、26のフォトニック結晶は、それぞれ4
5度ファラデー回転子25を構成する磁性ガーネット結
晶上および透明性の光学的等方材質の石英ガラス上に形
成され、所定の形状に従って凹凸形状を保持しながら堆
積された高屈折率媒質及び低屈折率媒質の多層膜から成
り、大面積での作成が容易で又光学研磨を必要としな
い。45度ファラデー回転子25は、LPE法によって
育成されたGdBiFeガーネット厚膜から成り、光の
進行方向に沿った磁場Hが印加される。
【0042】図8(a)および(b)は、それぞれ本実
施の形態の光非相反デバイス34を光アイソレータとし
て動作させた場合の順方向及び逆方向における透過光の
光路を示した側面図である。尚、図8(a)並びに図8
(b)中の各光学素子の近傍に示される円内の双方向矢
印は、各光学素子における入射光又は出射光の偏光方向
を示すものである。
【0043】先ず、光非相反デバイス34を光アイソレ
ータ(以下、同じ符号34で示す)として用い、この光
アイソレータ34の順方向における透過光について説明
する。順方向における入射光は、光路28に沿って反射
型の第1の偏光子24に入射した後、反射型の第1の偏
光子24、45度ファラデー回転子25、及び反射型の
第2の偏光子26を透過した後、第2の偏光子26から
出射する。このとき入射光の偏光方向はある一定方向に
固定されており、反射型の第1の偏光子24の透過偏光
方向は入射光の偏光方向に合致する様に設置される。反
射型の第1の偏光子24を透過した入射光は、45度フ
ァラデー回転子25によって偏光方向が45度回転し、
反射型の第2の偏光子26に入射するが、反射型の第2
の偏光子26の透過偏光方向は、反射型の第1の偏光子
24と45度の角度を成すように設置されており、45
度ファラデー回転子25を透過した透過光の偏光方向に
一致するので、結局反射型の第2の偏光子26に入射し
た光は遮られることなく反射型の第2の偏光子26透過
し、アイソレータを透過する。
【0044】次に、この光アイソレータの逆方向におけ
る透過光について説明する。逆方向における入射光は、
光路31′に沿って反射型の第2の偏光子26に入射し
た際、一方の偏光成分が光路30の方向に沿って反射光
として反射されると共に、他方の偏光成分が反射型の第
2の偏光子26及び45度ファラデー回転子25を透過
して反射型の第1の偏光子24に至る。この光の偏光成
分は偏光方向が第1の偏光子24の透過方向から90度
回転しているため、入射光は反射型の第1の偏光子24
で反射された後、45度ファラデー回転子25を透過し
て反射型の第2の偏光子26に至る。このときの光の偏
光成分は偏光方向が反射型の第2の偏光子26の透過方
向から90度回転しているため、入射光は反射型の第2
の偏光子26で反射された後、45度ファラデー回転子
25を透過して再度反射型の第1の偏光子24に入射す
る。この入射光は偏光方向が反射型の第1の偏光子24
の透過方向に今度は一致しているため、反射型の第1の
偏光子24を透過して光路31に沿って透過光として出
射する。この逆方向における透過光の光路31は、順方
向における入射光の光路28に対して反射型の第1の偏
光子24及び反射型の第2の偏光子26が成す角度θの
2倍だけ傾いたものとなっている。
【0045】図9は、このような光アイソレータ34を
使用した光学系装置30の構成を例示した側面図であ
る。この光学系装置30は、レーザダイオード32から
のレーザ光を凸レンズ33を通して光アイソレータ34
に入射させ、光アイソレータ34を通過した透過光を凸
レンズ35を通して光ファイバ36端に結合させるよう
に各部がレーザ光の光軸に合わせられて配備されてい
る。
【0046】この光学系装置において、光アイソレータ
34には、ほぼ平行光束のレーザ光が入射する。逆方向
における光アイソレータ34を透過する光の光路38と
順方向における透過光の光路37とが成す角度をθと
し、凸レンズ33の焦点距離をfとすると、逆方向にお
ける透過光の集光点はレーザダイオード32の発光部分
の中心から約f×tanθだけ変位する。通常の光アイ
ソレータでは順方向における透過光に対する逆方向にお
ける透過光の角度変化が1度以上あれば、高い逆方向損
失が得られるため、この光学系装置の光アイソレータ3
4は充分な基本機能が確保される。
【0047】尚、図7及び図8に示した第3の実施の形
態の光アイソレータ34では、反射型の第1の偏光子2
4を45度ファラデー回転子25の上に形成し、反射型
の第2の偏光子26をこれらに対して非平行になる配置
構成を説明したが、これに代えて反射型の第2の偏光子
を45度ファラデー回転子25の上に形成し、反射型の
第1の偏光子24をこれらに対して非平行になる配置構
成としても良い。
【0048】図10は、本発明の第4の実施の形態に係
る光非相反デバイスの基本構成を示した側面図である。
図10を参照すると、光非相反デバイス40は、吸収型
の第1の偏光子41、45度ファラデー回転子42、お
よび45度ファラデー回転子42の上に形成されたフォ
トニック結晶から成る反射型の第2の偏光子41´をこ
の順で並べて配置されて成る。又吸収型の第1の偏光子
41の透過偏光方向と、反射型の第2の偏光子41´の
透過偏光方向は互いに45度の角度を成すように設定さ
れている。
【0049】反射型の第2の偏光子41′は、45度フ
ァラデー回転子42を構成する磁性ガーネット単結晶の
上に形成されたフォトニック結晶で、所定の凹凸形状を
保持しながら堆積された高屈折率媒質と低屈折率媒質の
多層膜から成り、大面積での作成が容易でかつその表面
は光学的な研磨を必要としない。又、45度ファラデー
回転子42を構成する磁性ガーネット単結晶は、LPE
法によって育成されるGdBiFeガーネット厚膜から
成り、光の進行方向に沿った磁場Hが磁石43によって
印加される。
【0050】図11(a)および(b)は、それぞれ本
実施の形態の光非相反デバイス40を光アイソレータ
(以下、同様に符号40で示す)として動作させた場合
の、順方向および逆方向の光路を示したものである。
尚、図11(a)および(b)中の、各光学素子近傍に
示される円内の双方向矢印は、各光学素子における入射
光または出射光の偏光方向を示すものである。
【0051】まず、図11(a)を参照すれば、順方向
の入射光の場合、入射光軸39で示される光路に沿った
入射光が、吸収型の第1の偏光子41に入射後そのまま
経路に従って吸収型の第1の偏光子41、45度ファラ
デー回転子42を透過し、45度ファラデー回転子42
の上に形成されたフォトニック結晶から成る反射型の第
2の偏光子41´に入射する。ここで入射した光は45
度ファラデー回転子42によって偏光方向が第1の偏光
子41の透過偏光方向から45度回転しているが、反射
型の第2の偏光子41′の透過偏光方向は、第1の偏光
子41と互いに45度の角度で設定されているので、反
射型の第2の偏光子41´に入射した光はそのまま透過
して、入射光軸39に沿ってアイソレータから出射す
る。
【0052】次に、逆方向からの入射光の場合、図11
(b)を参照すれば、逆方向入射光軸44に沿った入射
光が反射型の第2の偏光子41´に入射する。この入射
光の内、反射型の第2の偏光子41´の反射偏光方向と
一致する偏光方向を持つ成分は、光軸45に沿って反射
され、透過偏光方向と一致する成分だけが光軸44に沿
って第2の偏光子41´と45度ファラデー回転子42
を透過し、吸収型の第1の偏光子41に入射する。この
とき吸収型の第1の偏光子41に入射する光の偏光方向
は、吸収型の第1の偏光子41の透過偏光方向からは9
0度回転しており、吸収型の第1の偏光子41に入射す
る光は吸収される。
【0053】このように、本実施の形態による光アイソ
レータ40は、逆方向から入射する光の如何なる偏光成
分をも吸収または反射させ順方向の入射側には光を通さ
ないので、吸収型の偏光子だけが使用される従来の光ア
イソレータと同等の使用方法が可能であり、従来の光ア
イソレータと置き換えることができる。
【0054】尚、図10および図11で示した光アイソ
レータにおいて、吸収型の偏光子を第1の偏光子41と
して設置したが、これに代えて第1の偏光子を反射型偏
光子として45度ファラデー回転子42の上に形成し、
吸収型の偏光子を第2の偏光子41′とする配置構成で
あっても良い。
【0055】図12は、本発明による第5の実施の形態
に係る光非相反デバイスの構造を示す。この光非相反デ
バイス50は、図10に示した光アイソレータ40を、
ホルダ51を用いてフェルール付きの光ファイバ49に
結合して構成される光ファイバー付き光アイソレータで
ある。
【0056】本実施の形態で、光アイソレータは、吸収
型の第1の偏光子46、45度ファラデー回転子47、
45度ファラデー回転子47の上に形成されたフォトニ
ック結晶から成る反射型の第2の偏光子48から構成さ
れ、第1の偏光子46の透過偏光方向と、第2の偏光子
48の透過偏光方向は互いに45度の角度を成すように
設定され、第1の偏光子46と45度ファラデー回転子
47は、光学接着剤で張り合わせてホルダ51固定され
ている。45度ファラデー回転子47の磁性ガーネット
は、LPE法によるGdBiFeガーネット厚膜から成
り、ホルダ51に固定されている永久磁石52によって
磁場が与えられている。ホルダ51は、フェルール49
の端面に接合固定されている。この接合には通常YAG
レーザーによるスポット溶接が用いられる。
【0057】この光ファイバー付き光アイソレータ50
において、フェルール付き光ファイバ49の端面61か
ら出射する反射戻り光は、図11(b)で示したよう
に、光アイソレータによって反射または吸収され、逆方
向への光は遮断される。
【0058】図13は、本発明の第6の実施の形態に係
る光非相反デバイスの基本構成を示した側面図である。
図13を参照すると、光非相反デバイス60は、それぞ
れ反射型の第1の偏光子53、第1の45度ファラデー
回転子54、吸収型の第2の偏光子55、第2の45度
ファラデー回転子56、及び反射型の第3の偏光子57
をこの順で配備して構成されるもので、第1の偏光子5
3及び吸収型の第2の偏光子55及び反射型の第3の偏
光子57とはそれぞれの透過偏光方向が互いに45度の
角度を成すように設定される。
【0059】このうち、反射型の第1及び第3の偏光子
53、57はフォトニック結晶から成り、それぞれ45
度ファラデー回転子54、56の上に形成されている。
45度ファラデー回転子54、56は角形ヒステリシス
カーブを持つ硬磁性ガーネットであるEu0.9Ho
1.1Fe4.2Ga0.812ガーネット厚膜から
成る。この角形ヒステリシスカーブを持つ硬磁性ガーネ
ットは、一度外部から磁界を加えて磁化させた後は磁界
を取り去っても磁化を保持する性質を有するため、光非
相反デバイスとして磁石を配備する必要がない。
【0060】このフォトニック結晶による反射型の第1
及び第3の偏光子53、57は、容易に製造可能であ
り、しかも大面積で構成可能であると共に、研磨が不要
であることによって製造コストを安価にできる上、対環
境特性に優れることが特徴となっている。さらに従来の
吸収型の偏光子を使用する場合、本実施の形態の構成を
実現するためには、合計5つの光学素子と一つ以上の磁
石を使用する必要があるが、本発明による光非相反デバ
イスでは合計3つの光学素子のみを固定するだけで本実
施の形態を構成することができるので、デバイス製作工
数の大幅な削減により製造コストをさらに安価にするこ
とが可能である。
【0061】図14(a)と(b)は、それぞれこの光
非相反デバイス60を光アイソレータ(以下、同様に符
号60で示す)として動作させたときの、順方向と逆方
向の透過光の光路を説明するために示した各光学素子の
側面図である。尚、図2(a)並びに図2(b)中の各
光学素子の近傍に示される円内の双方向の矢印は、各光
学素子における入射光又は出射光の偏光方向を示すもの
である。
【0062】先ず、図14(a)を参照すれば、順方向
の入射光の場合、入射光軸52に沿った入射光が反射型
の第1の偏光子53に入射した後、そのまま光路に沿っ
て反射型の第1の偏光子53、第1の45度ファラデー
回転子54、吸収型の第2の偏光子55、第2の45度
ファラデー回転子56、及び反射型の第2の偏光子57
を透過して光アイソレータ60から出射する。
【0063】次に、図14(b)を参照すれば、逆方向
の入射光の場合、逆方向入射光軸58で示される光路に
沿った入射光が反射型の第2の偏光子57に入射する
際、一部が反射光軸59で示される光路に沿って反射
し、他部が逆方向入射光軸58で示される光路に沿って
反射型の第3の偏光子57及び第2の45度ファラデー
回転子56を透過して吸収型の第2の偏光子55に入射
する。このとき、吸収型の第2の偏光子55に入射する
光の偏光方向は反射型の第3偏光子57の透過方向から
45度回転しており、吸収型の第2の偏光子55に入射
する光は大部分が吸収される。
【0064】又、吸収型の第2の偏光子55で吸収し切
れなかった光は、逆方向入射光軸58で示される光路に
沿って吸収型の第2の偏光子55及び第1の45度ファ
ラデー回転子54を透過して反射型の第1の偏光子53
に入射する。このとき、反射型の第1の偏光子53に入
射する光の偏光方向は、吸収型の第2の偏光子55の透
過方向から45度回転しており反射型の第1の偏光子5
3の反射偏光方向に一致するするので、入射する光は反
射型の第1の偏光子53により反射光軸59で示される
光路に沿って反射する。
【0065】更に、反射型の第1の偏光子53で反射し
た光は、第1の45度ファラデー回転子54を透過して
再度吸収型の第2の偏光子55に入射する。このとき吸
収型の第2の偏光子55に入射する光の偏光方向は、吸
収型の第2の偏光子55の透過偏光方向から90度回転
しており、吸収型の第2の偏光子55に入射する光は吸
収される。
【0066】このように、本実施の形態による光アイソ
レータは、逆方向から入射する光の如何なる偏光成分を
も吸収または反射させ順方向の入射側には光を通さない
ので、吸収型の偏光子だけが使用される従来の光アイソ
レータと同等の使用方法が可能であり、従来の吸収型の
偏光子を使用した光アイソレータと置き換えることがで
きる。又この光アイソレータの場合、一般的な2段型構
成の場合と同様な理由でファラデー回転角の温度特性や
波長特性によるアイソレーションの劣化を改善すること
が可能である。結果として、中心波長で50dBのアイ
ソレーション、波長範囲±30nmにおいてアイソレー
ション35dBが具現される。又、この光アイソレータ
の場合、反射型の第1及び第3の偏光子53、57の間
に挟まれるように配備された45度ファラデー回転子5
4、56間に吸収型の第2の偏光子55が配備された構
成であるため、順方向入射光の直線偏光の度合いが悪い
場合でも戻り光が発生せず、これによってレーザダイオ
ードの直近に配設する場合に適当となる。
【0067】
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明の光非相反デ
バイスによれば、従来の複屈折単結晶のプリズム、金属
粒子を含むガラス、誘電体及び金属の複合多層膜等から
成る偏光子の材料を改良してフォトニック結晶を用いた
反射型の偏光子を用いており、このフォトニック結晶は
45度ファラデー回転子の上に形成された所定の形状に
従って凹凸形状を保持しながら堆積された高屈折率媒質
及び低屈折率媒質の多層膜から成る大面積で光学研磨を
必要としないものであるため、光学的な特性を損うこと
無く製造上において低価格で量産可能になる。
【0068】さらに、45度ファラデー回転子の上に形
成されるため光学素子の部品点数を削減でき組み立て工
数を削減することができる。結果として、既存の光アイ
ソレータと同程度の光学的な特性(挿入損失及び逆方向
損失)を有し、従来よりも簡易にして低価格に光アイソ
レータを製造できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光非相反デバ
イスの基本構成を示す図である。
【図2】(a)及び(b)は図1の第1の実施の形態の
動作を示す図である。
【図3】図1の実施の形態の光非相反デバイスを使用し
た光学装置の構成例を示す図である。
【図4】図3の光学装置におけるアイソレータの光学軸
傾き角度に対する光軸シフト量の関係を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る光非相反デバ
イスの基本構成を示す図である。
【図6】(a)、(b)、(c)及び(d)は本発明の
第2の実施の形態の動作を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る光非相反デバ
イスの基本構成を示す図である。
【図8】(a)及び(b)は本発明の第3の実施の形態
の動作を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態による光非相反デバ
イスを使用した光学装置の構成例を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る光非相反デ
バイスの基本構成を示す図である。
【図11】(a)及び(b)は本発明の第4の実施の形
態の動作を示す図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態に係る光非相反デ
バイスの基本構成を示す図である。
【図13】本発明の第6の実施の形態に係る光非相反デ
バイスの基本構成を示す図である。
【図14】(a)及び(b)は第6の実施の形態の動作
を示す図である。
【符号の説明】
1 45度ファラデー回転子の上に形成された反射型の
偏光子 2 45度ファラデー回転子 3 反射型の偏光子 4 順方向入射光軸 5 磁石 6 逆方向入射光軸 7 光軸シフト量 8 レーザダイオード 9 レンズ 10 光アイソレータ(光非相反デバイス) 11 光ファイバ 12 透明な光学的等方材料 13 順方向入射光軸 13´ 光軸 14 反射型の偏光子 15 45度ファラデー回転子 16 45度ファラデー回転子の上に形成された反射
型の偏光子 17 逆方向入射光軸 18 入射ポート 19 電磁石 20 光非相反デバイス 21 出射ポートA 22 出射光軸 23 出射ポートB 24 45度ファラデー回転子の上に形成された反射
型の偏光子 25 45度ファラデー回転子 26 反射型の偏光子 27 磁石 28 順方向入射光軸(光路) 30 光学系装置 31 光路 31´ 反射光軸(光路) 32 レーザダイオード 33 凸レンズ 34 光アイソレータ(光非相反デバイス) 35 凸レンズ 36 光ファイバ 37 順方向光軸 38 光路 39 順方向光軸 40 光アイソレータ 41 吸収型の偏光子 41′ 45度ファラデー回転子の上に形成された反
射型の偏光子 42 45度ファラデー回転子 43 磁石 44 逆方向入射光軸 45 反射光軸 46 吸収型の偏光子 47 45度ファラデー回転子 48 45度ファラデー回転子の上に形成された反射
型の偏光子 49 フェルール付き光ファイバ 50 光非相反デバイス 51 ホルダ 52 入射光軸 53 45度ファラデー回転子の上に形成された反射
型の偏光子 54 45度ファラデー回転子 55 吸収型の偏光子 56 45度ファラデー回転子 57 45度ファラデー回転子の上に形成された反射
型の偏光子 58 逆方向入射光軸 59 反射光軸 60 光アイソレータ(光非相反デバイス) 61 フェルール端面 62 反射光軸 70 光学系装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土屋 治彦 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 (72)発明者 東海林 利男 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 (72)発明者 宮崎 紀子 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 (72)発明者 川上 彰二郎 宮城県仙台市若林区土樋236番地 愛宕橋 マンションファラオC−09 (72)発明者 佐藤 尚 宮城県仙台市太白区富沢南1−2−5 ボ ナール富沢302 (72)発明者 石川 理 宮城県宮城郡七ヶ浜町汐見台南2−21−8 (72)発明者 川嶋 貴之 宮城県仙台市若林区南小泉三丁目2−11 グレースコートS102号 Fターム(参考) 2H049 BA08 BA42 BA43 BA47 BB03 BB62 BC25 2H079 AA03 AA12 BA02 CA05 CA08 DA13 EB18 KA05 KA20 2H099 AA01 BA02 CA01 DA00 DA07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つの偏光子と、少なくとも
    一つのファラデー回転子とを互い違いに光軸上に配置し
    た光非相反デバイスにおいて、夫々の光学素子を、前記
    光軸に対して傾斜するように配置したことを特徴とする
    光非相反デバイス。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光非相反デバイスにおい
    て、フォトニック結晶から成る反射型の第1の偏光子、
    ファラデー回転子、及びフォトニック結晶から成る反射
    型の第2の偏光子をこの順で配置すると共に、前記第1
    の偏光子と第2の偏光子が非平行に配置される光非相反
    デバイスであって、前記第1及び第2の偏光子の内のい
    ずれか一方が、前記ファラデー回転子上に形成されて成
    ることを特徴とする光非相反デバイス。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の光非相反デバイスにおい
    て、前記ファラデー回転子は45度ファラデー回転子か
    らなることを特徴とする光非相反デバイス。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の光非相反デバイスにおい
    て、第1の偏光子、ファラデー回転子、第2の偏光子を
    この順で配備固定して成ると共に、前記第1及び第2の
    偏光子の内のいずれか一方は前記ファラデー回転子上に
    形成されたフォトニック結晶から成る反射型の偏光子で
    あり、前記第1及び第2の偏光子の内の残りの偏光子は
    吸収型の偏光子であることを特徴とする光非相反デバイ
    ス。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の光非相反デバイスにおい
    て、第1の偏光子、第1のファラデー回転子、第2の偏
    光子、第2のファラデー回転子、及び第3の偏光子をこ
    の順に配置して成ると共に、前記第1から第3の偏光子
    の内の少なくとも1つがファラデー回転子上に形成され
    たフォトニック結晶からなる反射型の偏光子であり、残
    りの偏光子は吸収型の偏光子であることを特徴とする光
    非相反デバイス。
  6. 【請求項6】 請求項2から5の内のいずれか一つに記
    載の光非相反デバイスにおいて、前記反射型の偏光子を
    成すフォトニック結晶は、前記ファラデー回転子の表面
    上に形成された所定の形状に従って堆積された高屈折率
    媒質および低屈折率媒質の多層膜から成ることを特徴と
    する光非相反デバイス。
  7. 【請求項7】 請求項2から6の内のいずれか一つに記
    載の光非相反デバイスにおいて、前記ファラデー回転子
    は、磁気光学効果を有する磁性ガーネット単結晶と、前
    記磁性ガーネット単結晶に磁界を付与する為の永久磁石
    又は電磁石から成ることを特徴とする光非相反デバイ
    ス。
  8. 【請求項8】 請求項2から6の内のいずれか一つに記
    載の光非相反デバイスにおいて、前記ファラデー回転子
    は、磁化曲線が角形のヒステリシスカーブを持つ硬磁性
    ガーネット単結晶から成ることを特徴とする光非相反デ
    バイス。
  9. 【請求項9】 請求項2から8の内のいずれか一つに記
    載の光非相反デバイスにおいて、更に、光透過方向の出
    射側にフェルール付きの光ファイバーが配置されている
    ことを特徴とする光非相反デバイス。
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