JP3049416U - ハンガー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本体に上着等が掛かっていても、スカートや
ズボン等を容易に着脱可能とする。 【構成】 スカートやズボン等の吊下物Ｂの吊り下げ手
段として、幅広の挾持部１４を有する挾持部材１５、１
６一対を開閉可能に組み合わせるともに、両挾持部材１
５、１６に弾性手段１７を設けて吊下物Ｂを弾性的に挾
持可能とする。本体１０の正面でのスカート、ズボン等
の着脱のために、上記衣類の吊り下げ手段１３を少なく
とも前方へ揺動可能に吊持部材１８を用いて本体１０に
取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、上衣等を掛ける左右の肩部を有する本体と、スカートやズボン等を 吊り下げる手段とを有するハンガーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ハンガーには各種のものがあるが、その基本形は衣類殊に上着類を掛けるため の左右の肩部を有し、かつその両端をつなぐように、スカートやズボン等を吊り 下げるための部材を水平に配置した構成である。このためスカートやズボン等は 上着類の中に包まれる状態となり、上着類が掛けられている場合にはそれが邪魔 になるため取り扱いがしにくいという欠点がある。従来のハンガーでは、水平な 吊り下げ部材にスカートやズボン等を吊った状態に固定するためピンチや固定装 置を設けている（実開平７−９１８４号等）。しかし、上着類の正面を開いて操 作しなければならない場合、両手を使っても操作性が悪いという問題がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は前記の点に着目してなされたものであり、その課題は、本体に上着類 が掛かっていても、スカートやズボン等の着脱その他の取り扱いが容易に行える ようにすることである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するため本考案は、スカートやズボン等の衣類の吊り下げ手段 として、挟持のための幅広の挾持部を有する挾持部材一対を開閉可能に組み合わ せるとともに、両挟持部材に弾性手段を設けることによって、上記衣類を弾性的 に挟持可能に形成し、本体に掛けた上衣等の衣類の正面でのスカート、ズボン等 の着脱のために、上記衣類の吊り下げ手段を少なくとも前方へ揺動可能に、吊持 部材を用いて本体に取り付けるという手段を講じたものである。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案に係るハンガーＡは、上衣等の衣類を掛けるための左右の肩部１１、１ ２を有する本体１０と、スカートやズボン等を吊り下げるための衣類の吊り下げ 手段１３とを有する。本体１０は主として上着等の肩部乃至胸部の形を保つ目的 のものであり、人体形状に似た立体形状を有していても良い。

【０００６】 通常は前開きの衣類を本体肩部に掛けた場合、前開き部が位置することになる 正面における、スカートやズボン等の吊下物Ｂのより容易な着脱のために、上記 吊り下げ手段１３が設けられる。図１、図５参照。

【０００７】 吊り下げ手段１３は、スカートやズボン等を挾持可能な幅広の挟持部１４を有 する前後一対の挾持部材１５、１６と、両挾持部材１５、１６に挟持作用を行わ せるための弾性手段１７とによって形成される。スカートやズボン等は吊り下げ のために折り畳んでも、例えば胴周の４分の１、或いは裾幅程度と或る程度の長 さを有し、その部分を半分以上にわたって確実に挾持するために、幅広の挾持部 １４が設けられる。

【０００８】 本体１０の肩部１１、１２に上衣等を掛けた場合に、その衣類の正面において 、スカートやズボン等の着脱を容易に行なうために、上記吊り下げ手段１３は、 左右の肩部１１、１２を有する本体１０に吊持部材１８を介して、少なくとも前 方へ揺動可能に取り付ける。前方へ揺動可能とするのは、衣類の正面へ引き出し て吊り下げ手段１３にスカートやズボン等を着脱可能とするためである。

【０００９】 吊持部材１８は、本体１０の外面に設けても良い。但し、図３に示すように本 体１０に前後の別がある場合は正面（前面）ということになる。また、本体１０ が樹脂成型品で形成された中空構造を有する場合には、本体１０の中空部内に吊 持部材１８を取り付けても良い。図５参照。いずれの場合でも、吊持部材１８は 本体側に揺動手段１９を介して揺動可能に取り付けられる。

【００１０】 さらに図示の実施例について説明すると、本考案のハンガーＡは左右対称の肩 部１１、１２を有する本体１０を有し、その中央部に吊持部材１８を用いて吊り 下げ手段１３を取り付けたもので、中央上部にはフック２０を有する。

【００１１】 吊り下げ手段１３は、挾持部１４を有する下部が幅広の台形状とされた、ほぼ 板状の一対の挾持部材１５、１６を有する。各挟持部材１５、１６は前後に向き 合い、開閉軸となる吊持部材１８の下部軸部２１の前後両側に取り付けられる。 各挾持部材１５、１６の軸支のための位置に、左右２個の開口２２、２３を外面 から内面へ貫通させて成形する。このような形状、構造の開口２２、２３はそこ へ嵌め込まれる軸支片２４、２５の形状に適合した形状、大きさに設定する。

【００１２】 上述した一方の軸支片２４は円形の軸部２１を保持可能なほぼＣ字形（欠円形 ）の軸受部２６を挾持部材１５、１６の内面側の定位置に設けるための部材であ り、他の一方の軸支片２５はＣ字型軸受部２６の開口部分（欠円部分）を塞ぐた め、円孤形の軸受部２７を定位置に設けるための部材である。両軸支片２４、２ ５共、挾持部材１５、１６とほぼ平行な係止部２８と、それにほぼ直交した突出 部２９とがＴ字形に組み合った外形を有し、係止部２８は前記開口２２、２３に 嵌まって本体外面を平らにする。両軸受部２６、２７の摺動面には互に、係合可 能な凸部３０ａと凹部３０ｂとからなる外れ止めを設け、各挾持部材１５、１６ のつまみ部を広げたときに、外れるのを防止する構成を付加することができる。

【００１３】 ３１は係止突部であり、開口２２、２３の内端に係止するよう突出部２９の上 下に設けてある。このような軸支片２４、２５を型成形する金型も小型かつ比較 的簡単な構造で済む。なお、挟持部材１５、１６と軸支片２４、２５等を同じ材 料で成型する必要はない。例えば挟持部材１５、１６には主として強度が必要で あり、軸支片２４、２５には摩耗しにくく滑り易い性質が求められる。また着色 を変えることで斬新な形状、色彩を付与することが可能になる。

【００１４】 このような吊り下げ手段１３は挾持具に挾持力を与える弾性手段１７によって 結合される。例えば弾性手段１７はほぼＵ字形を有する板ばね状のもので、その 自由端を係止するための係止部３２、３３を開口２４、２５間の本体内面側に設 ける。この係止部３２、３３は軸支部に向かって突出している。該係止部３２、 ３３等を型成形する金型を本体外面から内面へ位置させるために、型抜き口３４ が開口２４、２５間に型成形される。幅広の挾持部材１５、１６に対応するため 、弾性手段１７と軸受構造は左右２箇所に設けられる。

【００１５】 本考案に於る吊り下げ手段１３は初めに、一方の開口２２へ軸受部２６を有す る一方の軸支片２４を嵌め込み、他の一方の開口２３には軸受部２７を有する軸 支片２５を嵌め込んで、それらが一体化した各挾持部材１５、１６を組み立てて おく。このようにして組み立てた挾持部材１５、１６は全て同一の形状、構造で あり、それらを前後２個あわせて軸受部２６の開口部分（欠円部分）を塞ぐよう に他の軸受部２７を向き合わせることにより一対の挾持部材１５、１６を開閉可 能に軸支する。そして、ほぼＵ字形のばねからなる弾性手段１７の自由端を両挾 持部材１５、１６の係止部３２、３３に嵌め、先端が閉じるようにすることによ り挾持具としての組立てが終る。ばねは金属製が良いが、樹脂製とすることも可 能である。

【００１６】 幅広の挾持部１４の内側には滑り止め３５が設けられる。この滑り止め３５は 挾持部１４の幅の広さに合わせて複数個ずつ設けることができる。３６はその滑 り止め３５を収めるために挾持部１４の内側に形成された凹部を示す。

【００１７】 図１〜図４に示された揺動手段１９は、本体中央の正面（前面）に設けられて おり、吊持部材１８の幅の狭い上部軸部３７とこれを嵌め合わる抜け止め溝状の 軸受け３８とからなる。３９はずれ止めであり、上部軸部３７に一体に形成され る。例示の軸受け部３８は幅の狭い上部軸部３７を軸承するため、図１に示すよ うに、吊持部材１８以下は本体１０に掛けた衣類の襟口の内側に収まる。

【００１８】 図５に示された例の場合、吊り下げ手段１３は正面三角形乃至は台形状である 点図１〜図４の例と同様であるが、吊持部材１８を上例とは逆の逆台形状とし、 その上方の両端軸支部４０を本体内の横穴状の軸受け部４１に揺動可能に軸支し ている。図５の構成の場合、軸受け部４１の位置を本体１０の後方へ寄せること によって挾持部材１５、１６を前方へ揺動し易くすることができるようになる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は以上の如く構成されかつ作用するものであるから、水平の吊り下げ部 材を本体から除去し、スカートやズボン等は幅広の挾持部を有する前後一対の挾 持部材によって、本体の前方へ揺動可能に取り付けられるので、本体に上着が掛 かっている場合でも正面に移動させた挾持部材にそれを１回開閉する動作で吊り 下げ、かつまた同様に外すことができ、スカートやズボン等は本体に掛けた衣類 の襟から内部に吊り下げられるほか、必要があれば掛けた衣類の外部へ吊り下げ ることも可能であり、ハンガーへの衣類の着脱を著しく容易になし得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るハンガーの実施例の一を示す正面
図。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線断面図。

【図３】図１の例のハンガーを分解して示す斜視図。

【図４】挾持部材部分の縦断面図。

【図５】本考案に係るハンガーの他の例を示す正面図。

【図６】図１のＶＩ−ＶＩ線断面図。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上衣等を掛ける左右の肩部を有する本体
   と、スカートやズボン等を吊り下げる手段とを有するハ
   ンガーであって、上記スカートやズボン等の衣類の吊り
   下げ手段として、それらの挟持のための幅広の挾持部を
   有する挾持部材一対を開閉可能に組み合わせるととも
   に、両挾持部材に弾性手段を設けることによって、上記
   衣類を弾性的に挾持可能に形成し、本体に掛けた上衣等
   の衣類の正面でのスカート、ズボン等の着脱のために、
   上記衣類の吊り下げ手段を少なくとも前方へ揺動可能
   に、吊持部材を用いて本体に取り付けたことを特徴とす
   るハンガー。
2. 【請求項２】 本体外部正面の中央部に吊持部材を前方
   へ揺動可能に軸支してなる請求項１記載のハンガー。