JP3049373B2 - 針状コバルト含有酸化鉄磁性粉末の製造方法 - Google Patents

針状コバルト含有酸化鉄磁性粉末の製造方法

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JP3049373B2 JP3133459A JP13345991A JP3049373B2 JP 3049373 B2 JP3049373 B2 JP 3049373B2 JP 3133459 A JP3133459 A JP 3133459A JP 13345991 A JP13345991 A JP 13345991A JP 3049373 B2 JP3049373 B2 JP 3049373B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録に用いられる針
状コバルト含有酸化鉄磁性粉末の製造方法に関する。更
に詳しくは、針状ゲーサイトを出発原料としながらも還
元工程を行なうことなく簡易かつ工業的有利に針状コバ
ルト含有酸化鉄磁性粉末を製造する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術・発明が解決しようとする課題】近年、各種
の記録方式の発展は著しいものがあるが、中でも磁気記
録再生装置の小型軽量化の進歩は顕著である。これにつ
れて磁気テープ・磁気ディスク等の磁気記録媒体に対す
る高性能化の要求が大きくなってきている。磁気記録に
対するこのような要求を満足するためには高い保磁力と
高い飽和磁化を有する磁性粉末が必要である。
【0003】従来、磁気記録用の磁性粉末として一般に
は針状のマグネタイトやマグヘマイト又はこれらの磁性
酸化鉄粉末をコバルトで変性したいわゆるコバルト含有
酸化鉄が用いられている。中でもコバルト含有酸化鉄は
高保磁力・飽和磁化であり高密度磁気記録媒体用の材料
として広く用いられている。この針状コバルト含有酸化
鉄の一般的な製造方法は、従来より一般に針状含水酸化
鉄を必要であれば脱水・加熱焼成後、水素等による還元
工程を経て得られる針状のマグネタイトまたはこのマグ
ネタイトを酸化して得たγ酸化鉄を原料とし、これにコ
バルト化合物層を形成し、必要な後処理を行う方法が用
いられている。
【0004】しかしながら、このような従来法では製造
工程が多く煩雑であり、またマグネタイトを経由するた
め還元工程が必要となり製造装置面での対応が必要とな
るなど、工業的に有利な方法とはいえないのが実情であ
る。従って、本発明の目的は、針状ゲーサイトを出発原
料としながらも還元工程を行なうことなく針状コバルト
含有酸化鉄磁性粉末を製造する方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記の課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、針状のゲーサ
イト粒子の粒子表面に少なくともコバルト化合物層を被
覆した後、特定の条件下で高温加熱すれば還元工程を経
ることなくコバルトを含有する磁性酸化鉄に変換できる
ことを見出し本発明の完成に至った。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、金属成分とし
鉄を主成分とする針状晶のゲーサイト粒子の表面に、
少なくともコバルト化合物層を被覆した後、不活性ガス
雰囲気下、500〜600℃で高温加熱処理することを
特徴とするスピネル構造を有する、金属成分として鉄を
主成分とする針状コバルト含有酸化鉄磁性粉末の製造方
法に関する。
【0007】本発明に用いられる金属成分として鉄を主
成分とする針状ゲーサイトの軸比、大きさは一般的に磁
気記録用磁性粉の原料として用いられるものが用いられ
る。針状ゲーサイト粒子へのコバルト化合物層の形成
は、溶液状態からの不溶物の析出、コロイド状化合物の
沈着等により行なわれる。その具体例としてはゲーサイ
トのスラリーに硫酸コバルト、塩化コバルト等の水溶性
化合物を加えた後、系のpHを調節したり、ゲーサイト
のアルカリ性懸濁液に前記のコバルト塩の水溶液を添加
して水酸化物を析出させる方法やゲーサイトのスラリー
に金属アルコキシドを加え加水分解する方法等があげら
れ、いずれの方法でもよい。
【0008】被覆するコバルト化合物層の量は、ゲーサ
イト中の鉄原子に対するコバルトの重量比として、通常
4〜25%、好ましくは8〜20%である。これはコバ
ルト量が少な過ぎても多過ぎても望ましい保磁力が得難
くなるためである。
【0009】本発明の方法においては、少なくともコバ
ルト化合物層を被覆した後に本発明の所定の処理が行わ
れ、必要に応じてその他の化合物による被覆をも形成し
た後に行うこともできる。例えば、コバルト化合物層の
形成後、加熱の際の熱による粒子形状の破壊、粒子同士
の焼結等を防止する目的で、粒子の最外殻にケイ素、ア
ルミニウム等の化合物を被覆するのが好ましい。この最
外層であるケイ素化合物層、アルミニウム化合物層等は
単独あるいは両者の併用の形で形成してもよい。この場
合のケイ素および/またはアルミニウム化合物層の形成
は、ゲーサイト中の鉄原子に対するケイ素および/また
はアルミニウムの合計の重量比として、通常1〜10
%、好ましくは2〜6%である。これはケイ素、アルミ
ニウムが多過ぎると得られる磁性粉末の飽和磁化が低下
して望ましくないからである。
【0010】このようにして得られた少なくともコバル
ト化合物層を有するゲ−サイトを、不活性ガス雰囲気下
で高温加熱処理することにより、スピネル構造を有す
、金属成分として鉄を主成分とする針状コバルト含有
酸化鉄磁性粉末として製造することができる。不活性ガ
ス雰囲気としては、特に制限されるものではなく通常窒
素ガス、アルゴンガスなどが用いられるが、安価である
点から好ましくは窒素ガス気流中で行われる。高温加熱
処理の条件は、通常400〜700℃、好ましくは50
0〜600℃で行われる。400℃よりも低温ではスピ
ネル化が起きず、700℃を超えると粒子の融着、形状
のくずれなどが生じるので好ましくない。本発明の方法
ではこのような加熱条件下で、通常0.5時間以上保つ
ことによりスピネル構造に変換され、磁性酸化鉄となっ
た針状コバルト含有酸化鉄磁性粉末を製造することがで
きる。
【0011】本発明で言うスピネル構造を有する、金属
成分として鉄を主成分とする針状コバルト含有酸化鉄磁
性粉末とは、面間隔2.97±0.05、2.53±0.05、2.10±0.
05オングストロ−ムに相当する位置にX線回折の主要ピ
−クを有する状態をさしている。このスピネル構造を示
す典型的な粉末X線回折パタ−ンを図1に示した。
【0012】このようにして得られた針状コバルト含有
酸化鉄磁性粉末は、常法により例えば水素等の還元性ガ
ス雰囲気中で350〜550℃で2時間以上保つことに
よって金属鉄まで還元し金属磁性粉末とすることができ
る。この金属磁性粉末は磁気記録媒体用など各種の用途
に常法により利用される。
【0013】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明につ
いてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例
によりなんら限定されるものではない。 実施例1 反応層の外部にパイプライン型分散機マイルダー(荏原
製作所製)を設置した循環ラインを設けた装置を用い、
ゲーサイト(長軸径;0.18μm 、軸比;8)500
gを、ポイズ530(花王株式会社製)15g(対粉3
%)をイオン交換水10リットルに添加した溶液に約1
時間分散した。マイルダーによる分散を続けながら、硫
酸コバルト七水和塩270gを1000mlのイオン交
換水に溶解した水溶液を滴下し、1時間分散した後、N
aOH水溶液を滴下し系のpHを9とし表面にコバルト
化合物層を形成した。その後、3号ケイソー(SiO2
分29%)69gを加え、1時間後希硝酸を滴下し,p
Hを6.5にして、ケイ素化合物層を形成した。次いで
これを水洗、濾過、乾燥してコバルトとケイ素化合物層
を有するゲーサイトを得た。このゲーサイト粒子を48
〜64メッシュに整粒し、内径62mmの流動層炉でガス
線速度7cm/秒の窒素気流中で550℃で2時間加熱し
た。得られた酸化物はX線回折からスピネル構造を有す
ることが確認され、VSM(東英工業株式会社製)によ
る測定では保磁力800Oe、飽和磁化68 emu/gであ
った。
【0014】実施例2 窒素気流中での加熱条件を450℃、4時間とすること
以外は、実施例1と同様にしてスピネル構造を有する酸
化物を得た。この酸化物の保磁力は780Oe、飽和磁
化は67 emu/gであった。
【0015】比較例1 実施例1において窒素気流中300℃で8時間加熱する
こと以外は、実施例1と同様に処理した。得られた物質
は赤色であり、X線回折ではヘマタイトと同定され、磁
性も認められなかった。
【0016】比較例2 実施例1において加熱を空気気流中とすること以外は、
実施例1と同様に処理した。得られた物質は赤色であ
り、X線回折ではヘマタイトと同定され、磁性も認めら
れなかった。
【0017】
【発明の効果】本発明の製造方法によると、針状ゲーサ
イトを出発原料としながらも従来法では必要とされる還
元工程を行なうことなく、不活性ガス雰囲気下で高温加
熱処理することにより簡易に針状コバルト含有酸化鉄磁
性粉末を製造することができるので、工業的に有利であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】スピネル構造を示す典型的な粉末X線回折パタ
−ンを示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−82103(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/11

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属成分として鉄を主成分とする針状晶
    のゲーサイト粒子の表面に、少なくともコバルト化合物
    層を被覆した後、不活性ガス雰囲気下、500〜600
    ℃で高温加熱処理することを特徴とするスピネル構造を
    有する、金属成分として鉄を主成分とする針状コバルト
    含有酸化鉄磁性粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 不活性ガスが窒素ガスである請求項1記
    載の針状コバルト含有酸化鉄磁性粉末の製造方法。
JP3133459A 1991-05-08 1991-05-08 針状コバルト含有酸化鉄磁性粉末の製造方法 Expired - Lifetime JP3049373B2 (ja)

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