JP3049193U - ネギ抜取装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】トラクターの直進性を損なわないネギ抜取装置
を提供すること、及び製作性が良くコンパクトな堀取り
部分を持つネギ抜取装置を提供すること。 【解決手段】ネギ抜取装置の刃板５を取り付けた延長腕
３に小さな振動を与えて刃板を前後に揺動させる。延長
腕をフレーム１に揺動自在に取り付け、刃板とネギ案内
手段５ａを一体の板状体で構成する。延長腕は回転軸７
に設けた往復動機構１６により揺動され、該回転軸の設
けたクランク腕９でネギと土を分離する振動枠６を振動
させる。刃板と振動枠の揺動振動の周期を異ならせると
きは、第２回転軸１９を設けてこれを変則手段２０を介
して回転軸に連結する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、畝に生えたネギの収穫に使用されるネギ抜取装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般にネギは傷みやすいので手作業により収穫しており、作業性が悪い欠点が あったが、出願人は先に、この欠点を解消するため、トラクターにより牽引する ネギ抜取装置を提案した（実公平７−１９２１１号公報）。 この装置は、トラクターのフレームから延びる延長腕に前方に傾斜した刃板を 設け、該刃板の後方に、持ち上げたネギを一方向へ倒す案内杆を設けると共に上 下振動してネギと土を分離する柵状の振動枠を備えたものであるが、この装置で は砂の多い畝に栽培したネギを収穫する場合、一方向に揃えて倒すことが難しい ので、該案内杆に代え刃板の後方隅角部に後方がせり上がった板状案内板を設け たものを提案した（実用新案登録第３０３９０６６号）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のネギ抜取装置は、刃板がトラクターの側方に固定されており、刃板に作 用する土の抵抗のため、馬力の小さいトラクターではその直進性が損なわれ易い 不都合が見られた。 また、ネギ堀取り部分の刃板と板状案内板等が個別の部材で構成されていたの で、この部分が大型になり製作性も悪い不都合もあった。 本考案は、トラクターの直進性を損なわないネギ抜取装置を提供すること、及 び製作性が良くコンパクトな堀取り部分を持つネギ抜取装置を提供することを目 的とするものである。

【０００４】

【課題を解決すめための手段】

本考案では、トラクターに牽引されるフレームの一側方に下方へ延びる延長腕 を設け、該延長腕に畝に生えたネギの下方へ進入して土と共にネギを持ち上げる 前方へ傾斜した刃板を取り付け、該刃板の後方に、持ち上げたネギを一方向へ倒 す案内手段を備えると共に上下に振動してネギと土を分離する柵状の振動枠を設 けたネギ抜取装置に於いて、該延長腕に小さな振動を与えて該刃板を前後方向へ 揺動させることにより、上記の直進性向上の目的を達成するようにした。 該延長腕を上記フレームに揺動自在に軸支し、回転軸に設けた往復動機構によ り該延長腕を揺動させ、上記刃板と案内手段を一体の板状体にて構成することに より、直進性が向上し製作性が良くコンパクトになる。 また、該回転軸をトラクターの回転出力軸に連結し、該回転軸に偏心カムと偏 心リングで構成した往復動機構を設け、上記延長腕に該偏心リングを連結し、該 回転軸に取り付けたクランク腕に上記振動枠を連結してこれを振動させることが 有利であり、該回転軸によりその回転数とは異なる回転数で回転される第２回転 軸を設け、該回転軸と第２回転軸に偏心回転機構またはクランク腕を介して上記 振動枠または延長腕を連結し、異なる周期で該振動枠と延長腕を振動させるよう にしてもよい。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態を図面に基づき説明すると、図１及び図２に於いて符号１ はトラクター２の例えば３点リンクにより保持されて牽引される横長のフレーム 、３は該フレーム１の側方から下方へ延長して設けた延長腕、５は該延長腕３に 取り付けたトラクター２の走行方向前方に向けて傾斜した刃板を示す。 該刃板５にはその後方内側にネギ４を一方向へ倒すためのせり上がった案内手 段５ａを一体に形成した。 また、刃板５の後方にネギと土を上下振動により分離する柵状の振動枠６が設 けられ、該振動枠６は該刃板５に支軸１１、１２及びリンク１３で連結され、ト ラクター２の回転出力軸即ちＰＴＯ軸によりギヤボックス８を介して回転される 回転軸７の端部に設けたクランク腕９に連杆６ａを介して該振動枠６の腕も係着 し、クランク腕９の回転で該振動枠６が上下振動するようにした。 該回転軸７の途中に、図３及び図４に見られるように、偏心カム１４と偏心リ ング１５で構成された往復動機構１６を設け、該偏心リング１５を該延長腕３と 一体のアーム１７に軸１８により連結し、該回転軸７の回転により延長腕３に支 軸２１を中心とする揺動を与え、その先端の刃板５にトラクター２の走行前後方 向の小さな揺動が与えられるようにした。 この揺動によって刃板５が土盛された畝の下に予めもぐり込むため、トラクタ ー２の牽引抵抗が小さくなり、トラクターの直進性が向上し、畝の土が砕け易く なり、土が振動枠６上へ移動したとき分離されやすくなる。 以上の例では、１本の回転軸７で、刃板５に往復動機構１６による比較的小さ い前後の揺動を与えると共に、クランク腕９による振動枠６の大きな振動を与え るので、機構が比較的簡単で安価に製作できる。 また、この例では刃板５と振動枠６の振動揺動の周期が同じになるが、土壌に よっては振動枠６の振動周期を遅く（長く）した方が良い場合もあり、このよう な場合には、図５に示すように、第２回転軸１９を設け、その回転を減速するよ うにチェン等の変速手段２０を介して回転軸７から回転伝達し、該第２回転軸１ ９に設けたクランク腕９により振動枠６を遅い周期で振動させてもよい。

【０００６】

【考案の効果】

以上のように本考案によるときは、ネギ抜取装置の刃板を取り付けた延長腕に 小さな揺動を与えて該刃板を前後方向に揺動させたので、畝の土に予め刃板がも ぐ込むのでトラクターの牽引抵抗が小さくなりトラクターの馬力が小さくてもそ の直進性が良好になり、請求項２の構成とすることにより、堀取り部分がコンパ クトになって製作性が向上し、安価に製作でき、請求項３の構成とすることによ り簡単な構成で該刃板の揺動と該振動枠の振動を与えることができ、請求項４の 構成とすることにより該刃板と振動枠の揺動振動の周期を簡単に相違させること ができ、作業上好都合である等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施の形態を示す側面図

【図２】 図１の正面図

【図３】 図２の３−３部分の拡大図

【図４】 図３の４−４部分の断面図

【図５】 本考案の他の実施の形態を示す平面図。

【符号の説明】

１ フレーム、２ トラクター、３ 延長腕、４ ネ
ギ、５ 刃板、５ａ 案内手段、６ 振動枠、７ 回転
軸、９ クランク腕、１６ 往復動機構、１９第２回転
軸、２０ 変則手段、

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】トラクターに牽引されるフレームの一側方
   に下方へ延びる延長腕を設け、該延長腕に畝に生えたネ
   ギの下方へ進入して土と共にネギを持ち上げる前方へ傾
   斜した刃板を取り付け、該刃板の後方に、持ち上げたネ
   ギを一方向へ倒す案内手段を備えると共に上下に振動し
   てネギと土を分離する柵状の振動枠を設けたネギ抜取装
   置に於いて、該延長腕に小さな振動を与えて該刃板を前
   後方向へ揺動させたことを特徴とするネギ抜取装置。
2. 【請求項２】上記延長腕を上記フレームに揺動自在に軸
   支し、回転軸に設けた往復動機構により該延長腕を揺動
   させ、上記刃板と案内手段を一体の板状体にて構成した
   ことを特徴とする請求項１記載のネギ抜取装置。
3. 【請求項３】上記回転軸をトラクターの回転出力軸に連
   結し、該回転軸に偏心カムと偏心リングで構成した往復
   動機構を設け、上記延長腕に該偏心リングを連結し、該
   回転軸に取り付けたクランク腕に上記振動枠を連結して
   これを振動させたことを特徴とする請求項２に記載のネ
   ギ抜取装置。
4. 【請求項４】上記回転軸によりその回転数とは異なる回
   転数で回転される第２回転軸を設け、該回転軸と第２回
   転軸に偏心回転機構またはクランク腕を介して上記振動
   枠または延長腕を連結し、異なる周期で該振動枠と延長
   腕を振動させることを特徴とする請求項２に記載のネギ
   抜取装置。