JP3048545B2 - オフセット印刷装置 - Google Patents

オフセット印刷装置

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JP3048545B2
JP3048545B2 JP9241050A JP24105097A JP3048545B2 JP 3048545 B2 JP3048545 B2 JP 3048545B2 JP 9241050 A JP9241050 A JP 9241050A JP 24105097 A JP24105097 A JP 24105097A JP 3048545 B2 JP3048545 B2 JP 3048545B2
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文敏 北沢
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Shinano Kenshi Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、版を巻き付けた版
胴より、ブランケットを巻き付けたブランケット胴に一
旦インク像を転写させ、該ブランケット胴と圧胴とのニ
ップ部に供給されたシート材に前記ブランケットに転写
されたインク像を転写するオフセット印刷装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より印刷装置として種々のもの開発
され実用化されているが、その中で事務用印刷装置とし
て操作性が良く、製版が容易であることがオフセット印
刷装置が広く用いられている。このオフセット印刷装置
は、版面のインクを直接名刺、伝票、証券物等のシート
材に直接転写せず、一旦ブランケットと呼ばれるゴム面
に転写し、該ブラケット上のインクをシート材に転写す
る印刷装置である。具体的には、インク及び水をそれぞ
れ版紙を巻き付けた版胴に供給し、該版胴をブランケッ
ト胴に圧接させて、前記版紙に形成したインク像をブラ
ンケットに転写し、前記ブランケット胴に圧胴を圧接さ
せてこれらのニップ部にシート材を搬送して前記ブラン
ケットより前記シート材にインク像を転写する。
【0003】また、上記オフセット印刷装置には、版胴
及び圧胴をブランケット胴に対してそれぞれ圧接又は離
間させるための加圧制御機構が装備されている。以下、
上記版胴を上記ブランケット胴に圧接させることを版圧
を加えると言い、前記圧胴をブランケット胴に圧接させ
ることを印圧を加えると言う。上記加圧制御機構におい
ては、版圧及び印圧を加える場合、それぞれ専用のステ
ッピングモータの駆動をギヤ比の異なる複数のギヤを介
して版圧用及び印圧用の揺動部材の回動軸と同軸に設け
られた揺動ギヤ(アイドルギヤ)に上記モータからの駆
動をそれぞれ伝達していた。上記版圧用及び印圧用の揺
動部材は、上記版胴及び上記圧胴の偏心軸が連結する版
圧用及び印圧用のアームをそれぞれ揺動させて、版圧及
び印圧を加えたり解除したりするように加圧制御されて
いた。
【0004】上記加圧制御機構による版圧及び印圧を各
々加えるタイミングについて説明する。例えば複数枚の
シート材を連続給紙して転写動作を行う場合、転写動作
を開始すると、加圧制御機構のステッピングモータをそ
れぞれ所定のタイミングで駆動して、先ず版圧を加えて
前記版胴をブランケット胴に圧接させてブランケットに
インク像を転写する。次いで給紙センサにより給紙待機
位置のシート材の有無を検知するとシート材搬送装置が
作動してシート材を転写位置に送り込み、同時に印圧を
加えて、前記圧胴をブランケット胴に圧接させこれらの
ニップ部により形成される転写位置を通過する際にイン
ク像をシート材に転写する。同様にしてシート材を複数
枚連続搬送してインク像を転写することが可能である。
また、転写動作を終了する際には、最後のシート材が給
紙されると版圧を解除し、該シート材にインク像が転写
されて排出されると印圧を解除して、版圧及び印圧を共
に解除するように各ステッピングモータの駆動が制御さ
れていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記加圧制御機構は、
版圧用と印圧用に2個のステッピングモータを用いてい
るため、部品点数が多く、製造コストが上昇すると共
に、装置も大型化する。また、上記ステッピングモータ
の駆動は、ギヤ列を介して揺動部材と同軸に設けられた
揺動ギヤに伝達されているため、版圧及び印圧が加わっ
た時に、揺動ギヤやギヤ列を介してステッピングモータ
にそれぞれ逆向きのトルクが直接作用するため、モータ
の駆動負荷が増大する。よって、モータの駆動トルクが
十分大きいものを使用しなければならないため製造コス
トが上昇し、装置の大型化を促進する。
【0006】これに対し、上記版圧及び印圧の加わるタ
イミングはそれぞれ別個に行われることから、同一の駆
動モータで版圧及び印圧の加圧制御が行え、しかも一度
圧が加わったら駆動モータへ直接負荷が加わらないよう
にできたら、製造コストを抑えしかも装置の小型化を実
現する上で好都合である。
【0007】本発明の目的は、上記従来技術の課題を解
決し、同一の駆動源により駆動して可能な限り負荷がか
からないタイミングで版圧及び印圧を加えたり解除した
りできる加圧制御機構を備えたオフセット印刷装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。すなわち、シート材を給紙
待機位置から転写位置へ所定のタイミングで搬送するシ
ート材転写搬送手段と、周囲に版が巻き付けられた版胴
に水及びインクを供給してインク像を形成する供給機構
と、版胴をブランケットが巻き付けられたブランケット
胴に対して接離動させるための版圧用カムと、圧胴をブ
ランケット胴に対して接離動させるための印圧用カムと
を備え、版圧用カム及び印圧用カムを1回転させる間
に、版胴及び圧胴をブランケット胴に対してそれぞれタ
イミングをずらして接離動させ、版に形成されたインク
像をブランケットに転写し、シート材転写搬送手段より
搬送されたシート材にブランケットに形成されたインク
像を転写するオフセット印刷装置において、版圧用カム
と印圧用カムとがカム駆動手段により回転駆動される同
一カム軸上に設けられ、版圧用カムは、版胴及びブラン
ケット胴に形成された開口部どうしが互いに重なり合う
位置に回転した際に版胴をブランケット胴に接離動させ
るように設けられ、印圧用カムはブランケット胴及び圧
胴に形成された開口部どうしが互いに重なり合う位置に
回転した際に圧胴をブランケット胴に接離動させるよう
に設けられていることを特徴とする。
【0009】また、シート材に転写動作開始され
と、カム駆動手段駆動さて、先ず版胴ブランケッ
ト胴に圧接さてインク像ブランケットへ転写され
次いで圧胴ブランケット胴に圧接さてシート材へイ
ンク像転写され、転写動作を終了する場合には、先ず
版胴がブランケット胴より離間さ、次いで圧胴がブラ
ンケット胴より離間されるようにしても良い。 また、
ム駆動手段としてステッピングモータを備え、該ステッ
ピングモータを用いて版圧用カム及び印圧用カムを90
°回転させる毎に版胴及び圧胴のブランケット胴に対す
接離状態がそれぞれ変化するようになっていても良
い。また、版胴及び圧胴のブランケット胴に対する圧接
力を調整可能な加圧力調整機構を備えていても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
つき添付図面に基づいて説明する。図1〜図4は、加圧
制御機構の加圧制御動作を示す説明図、図5は版圧及び
印圧のON/OFFを示すタイミングチャート、図6は
オフセット印刷装置の全体構成を示す説明図である。
【0011】〔全体構成〕先ず、図6を参照してオフセ
ット印刷装置の概略構成について説明する。1は給紙装
置であり、シート材分離搬送手段としてのシート材分離
搬送装置1Aと、シート材転写搬送手段としてのシート
材転写搬送装置1Bとを装備している。上記シート材分
離搬送装置1Aは、例えば普通紙、プラスチックシート
などよりなる名刺、葉書、カード等のシート材を複数枚
積層しておき、該積層されたシート材を給紙待機位置へ
1枚ずつ分離搬送する。また、上記シート材転写搬送装
置1Bは、上記シート材分離搬送装置1Aにより分離搬
送されたシート材を前記給紙待機位置から転写位置へ所
定のタイミングで搬送する。
【0012】2は水供給機構であり、トレイ或いはタン
クに貯留された水を複数の水搬送ローラを介して周囲に
版紙が巻き付けられた版胴3に水を塗布するよう供給す
る。4はインク供給機構であり、前記版胴3にトレイ或
いはタンクに貯留されたインクを複数のインク搬送ロー
ラを介してインクを塗布するように供給する。上記複数
の水搬送ローラやインク搬送ローラは、ローラの表面に
均一に水やインクが塗布されて馴染ませるよう中間のロ
ーラを軸方向に往復移動させながら版胴3に対して供給
される。
【0013】5は画像転写手段としての画像転写部であ
り、一部に取付スペースとなる開口部を有し円弧状の周
面に版紙を巻き付けられた版胴3、一部に取付スペース
となる開口部を有し円弧状の周面にゴム製のブランケッ
トを巻き付けたブランケット胴6、及び一部に開口部を
有しその開口部の近傍にシート材の先端を噛み込むこと
が可能なグリッパを有する圧胴7を装備している。上記
版胴3に巻き付けられた版紙は、予めエッチング処理さ
れており、インク像が形成される画像形成部分とそれ以
外の部分とに区分けされている。上記版胴3及び圧胴7
は後述するように偏心軸3a,7aを有しており、後述
する加圧制御機構によりブランケット胴6に対してそれ
ぞれ接離動可能になっている。上記版胴3の版紙に形成
されたインク像は、版圧が加わるとブランケット胴6の
ブランケットに一旦転写し、次いで印圧が加わると、前
記ブランケット胴6と圧胴7とのニップ部に搬送された
シート材に、前記ブランケットに形成されたインク像を
転写する。
【0014】8は加圧制御機構であり、前記ブランケッ
ト胴6に対して版胴3及び圧胴7をそれぞれ所定のタイ
ミングで接離動させて、版圧及び印圧をそれぞれ加えた
り解除したりする。
【0015】次に上記オフセット印刷装置の各部の構成
について説明する。 〔給紙装置〕先ず給紙装置1の構成について具体的に説
明する。 (シート材分離搬送装置)図6において、9は給紙トレ
イであり、名刺、葉書、カード等のシート材を複数枚積
層可能である。9aは傾斜トレイであり、剛性の高いシ
ート材を傾斜させて積載することによって先端部を階段
状にして最下側の1枚のみを分離搬送し易くするもので
ある。10は給紙ガイドであり、上記積層されたシート
材を幅方向に位置決めガイドする。
【0016】11は予備搬送ローラであり、上記積層さ
れたシート材を最下側のものから順次先送りして先端部
が階段状になるように予備搬送する。12は分離ローラ
であり、該分離ローラ12と対向して設けられた分離パ
ッド13とによりシート材のうち最下側のものと、それ
より上側のものを分離して最下側の1枚のみを下流側
(図6の左側)へ分離搬送する。上記分離搬送されたシ
ート材は、図示しないコンベアベルトによって更に下流
側へ搬送される。このコンベアベルトは、シート材の幅
方向に3か所に設けられており、無端ベルトがプーリ間
にそれぞれ掛け渡されて同時に回転駆動される。14は
搬送ローラであり、上記分離ローラ12により分離搬送
されるシート材を下流側のコンベアベルト上にスムーズ
に送り出す。上記予備搬送ローラ11及び分離ローラ1
2は、図示しない給紙用駆動モータにより回転駆動され
る。
【0017】15,16は押さえコロであり、押さえコ
ロ15は前記コンベアベルト上を搬送されるシート材の
上面に押圧してシート材の位置ずれを防止しながら下流
側へ搬送し、押さえコロ16はコンベアベルト上を搬送
されるシート材の上面に押圧して給紙待機位置へ搬送す
る。上記押さえコロ15,16は、支持アーム17,1
8の一端に回転自在に取り付けられており、該支持アー
ム17,18の他端は上記コンベアベルトとほぼ平行に
設けられた取付ガイド軸19にねじ止めにより取り付け
られている。上記押さえコロ15,16の取付ガイド軸
19に対する取り付け位置は、シート材の長さサイズに
応じて軸方向(シート材の搬送方向)に移動可能になっ
ている。
【0018】上記シート材はコンベアベルト上に載置さ
れ、かつ押さえコロ15,16により押圧されながら下
流側に搬送され、バネ等の付勢手段によって上記コンベ
アベルト上に押圧されている図示しない押し当てコロに
先端部が突き当たって、それ以上の搬送が規制された給
紙待機位置で停止する。尚、上記コンベアベルトは、シ
ート材が給紙待機位置へ搬送された後も回転し続け、前
記分離ローラ12により分離搬送された次のシート材を
コンベアベルト上に載置して搬送する。上記給紙待機位
置には、シート材の幅方向両側をガイドするガイド部材
21が両側に設けられている。このガイド部材21は、
装置フレーム22に幅方向に設けられた取付ガイド軸2
3にねじ止めにより取り付けられている。上記ガイド部
材21の幅方向の位置は、シート材の幅サイズに応じて
軸方向(シート材の幅方向)に移動可能になっている。
【0019】(シート材転写搬送装置)24はトラクタ
ーネイルフィーダであり、給紙待機位置に搬送されたシ
ート材を、ブランケット胴6と圧胴7とのニップ部によ
り形成される転写位置へ送り込む。このトラクターネイ
ルフィーダ24は、無端状のタイミングベルト24aの
一部に爪25が突設されたもので、該タイミングベルト
24aはギヤプーリ26,27間に掛け渡されている。
上記トラクターネイルフィーダ24は、シート材の幅方
向に前記コンベアベルトどうしの間に2か所に設けられ
ている。
【0020】28はフィードモータであり、ステッピン
グモータが好適に用いられる。このフィードモータ28
の駆動は減速ギヤ29を介して上記ギヤプーリ26と同
軸に設けられたプーリギヤ(図示せず)に伝達され回転
駆動される。上記ギヤプーリ26の近傍であって、前記
図示しない押し当てコロの搬送方向上流側には、給紙セ
ンサ20が装備されており、シート材が給紙待機位置に
搬送されたことを検知する。上記給紙センサ20として
は、反射型のフォトセンサが好適に用いられる。上記給
紙センサ20がシート材を検知すると、上記フィードモ
ータ28を起動して、トラクターネイルフィーダ24を
回転駆動して搬送動作を開始し、給紙待機位置に停止し
ているシート材の後端に爪25を係止して押し当てコロ
の押圧力に打ち勝って転写位置へ搬送する。
【0021】30はベルトセンサであり、上記トラクタ
ーネイルフィーダ24に設けられた爪25の通過を検知
する。このベルトセンサ30としてはフォトインタラプ
タ(商標名)などのフォトセンサが好適に用いられる。
このベルトセンサ30は、爪25の通過を検知すると、
該爪25がコンベアベルト上を搬送されるシート材と干
渉しない搬送待機位置(具体的には図6のギヤプーリ2
7の右側位置)で停止するようにタイミングベルト24
aを回転させる。上記トラクターネイルフィーダ24
は、爪25が上記搬送待機位置より1回転して給紙待機
位置にあるシート材を転写位置へ搬送するように駆動制
御される。そして、前述したように、コンベアベルトに
載置されて給紙待機位置にシート材が搬送され、これを
給紙センサ20が検知すると、上記フィードモータ28
を起動させて、トラクターネイルフィーダ24を回転さ
せ、爪25が搬送待機位置より回転してシート材の後端
に係止してシート材を下流側に送り出し、ブランケット
胴6と圧胴7とのニップ部により形成される転写位置へ
送り込む。
【0022】〔水及びインク供給機構〕次に、水供給機
構2及びインク供給機構4の構成について図6を参照し
て説明する。先ず、水供給機構2は、図示しないタンク
より水をトレイ内に供給し、該トレイより水汲み上げロ
ーラ2aにより水を汲み上げて複数の水搬送ローラを介
して版胴3の版紙に供給する。上記水汲み上げローラ2
aは、図示しない駆動源よりタイミングベルトを介して
駆動伝達され回転駆動される。上記版胴3に供給する水
量を調整するのは上記駆動源より図示しないリンク機構
を介して可動水搬送ローラ2bを上下動させて両側に隣
接する水汲み上げローラ2a及び水搬送ローラ2cに対
して接離動させることにより調整する。上記可動水搬送
ローラ2bの移動量は、水量調整レバー2dの回動軸に
設けられた図示しないカムにより調整され、版胴3に供
給される水量が調整される。2fは水汲み上げローラ2
aに汲み上げられた水を切って水量を均一にならすため
の水切りローラであり、2eは水を版胴3に塗布するた
めの水塗布ローラである。
【0023】インク供給機構4は、図示しないインク壺
よりインク汲み上げローラ4aによりインクを汲み上げ
て可動インク搬送ローラ4b及び複数のインク搬送ロー
ラ4c,4d,4e,4fを介してインク塗布ローラ4
gにより版胴3の版紙に供給する。上記インク汲み上げ
ローラ4a及びインク搬送ローラ4c,4fは、前述し
た駆動源よりタイミングベルトを介して駆動伝達され回
転駆動される。上記版胴3に供給するインク量を調整す
るのは可動インク搬送ローラ4bを両側に隣接するイン
ク汲み上げローラ4aとインク搬送ローラ4c間を上記
駆動源より図示しないリンク機構を介して揺動させて接
離動させることにより調整する。上記可動インク搬送ロ
ーラ4bの移動量は、インク量調整レバー4hを回動さ
せて上記リンク機構の移動範囲を調整して、版胴3に供
給されるインク量が調整される。上記インク搬送ローラ
4fは水塗布ローラ2eと圧接しており、インクを水供
給機構2を構成する各ローラに供給可能である。また、
インク搬送ローラ4fは、水をインク供給機構4を構成
する各ローラに供給可能に構成されている。
【0024】尚、版圧が加えられる前に、インク壺より
供給されたインクを、インク搬送ローラ4fを介して水
塗布ローラ2eに伝達して水搬送ローラ2c、可動水搬
送ローラ2b、水汲み上げローラ2a、水切りローラ2
fの周面に順次インクを塗布し、トレイより供給された
水をインク搬送ローラ4fを介してインク塗布ローラ4
g、インク搬送ローラ4c,4d,4e、可動インク搬
送ローラ4b及びインク汲み上げローラ4aに搬送して
インクと水を十分馴染ませてから、版圧を加えてインク
像の転写動作を開始される。
【0025】〔画像転写部〕次に、画像転写部5の構成
について図6を参照して説明する。版胴3、ブランケッ
ト胴6及び圧胴7を形成する円柱状のシリンダの端部に
は周囲にギヤが形成されておりこれらは互いに常時噛み
合っていて同期回転可能に構成されている。31は画像
転写部5の駆動源であるメインモータである。このメイ
ンモータ31の駆動力は図示しないタイミングベルトや
ギヤ列を介して、例えば上記ブランケット胴6に伝達し
て上記版胴3及び圧胴7は従動回転するように構成され
ている。上記版胴3、ブランケット胴6及び圧胴7には
周面の一部が切り欠かれた開口部がそれぞれ形成されて
おり、上記ブランケット胴6が1回転する間に版胴3と
ブランケット胴6の開口部どうし、ブランケット胴6と
圧胴7の開口部どうしはそれぞれ異なるタイミングで互
いに重なり合う。上記ブランケット胴6の回転軸には、
図示しないエンコーダが装備されており、該ブランケッ
ト胴6の開口部の回転位置や回転数を検知して、版胴3
や圧胴7の接離動のタイミング制御が可能になってい
る。但し、加圧制御機構8により版圧及び印圧が加えら
れない状態においては、版紙とブランケットは互いに圧
接することはなく離間しており、ブランケットと圧胴周
面とは互いに圧接することはない。また、版圧及び印圧
がそれぞれ加えられると、上記版胴3、ブランケット胴
6及び圧胴7とのギヤの噛み合いが深まるだけで、同期
回転が損なわれることはない。
【0026】画像転写動作が開始され、版胴3とブラン
ケット胴6の開口部どうしが重なり合う位置で版圧が加
わると、上記版胴3を上記ブランケット胴6に圧接しな
がら1回転させることにより版紙に形成されたインク像
をブランケットに転写する。次いで、上記ブランケット
胴6と圧胴7の開口部どうしが重なり合う位置で印圧が
加わると、前記トラクターネイルフィーダ24より搬送
されるシート材を上記圧胴7の開口部近傍に設けられた
グリッパに先端部を噛み込ませて、上記圧胴7を上記ブ
ランケット胴6に圧接しながら1回転させ、これらのニ
ップ部を上記シート材が通過する際に、上記ブランケッ
トに形成されたインク像を上記シート材に転写する。上
記グリッパは、上記ブランケット胴6と圧胴7とのニッ
プ部を通過したシート材が、上記ブランケット胴6の周
囲に巻き付いて搬送されるのを防止するもので、シート
材の先端が上記ニップ部を通過すると、噛み込みを解除
して、上記シート材は排出トレイに排出される。
【0027】〔加圧制御機構〕次に加圧制御機構8の具
体的構成について図1及び図6を参照して説明する。3
2は版圧用カムであり、版圧を加えたり解除したりする
ため、版胴3をブランケット胴6に対して接離動させ
る。33は印圧用カムであり、印圧を加えたり解除した
りするため、圧胴7をブランケット胴6に対して接離動
させる。上記版圧用カム32及び印圧用カム33は、同
一形状をしており同一カム軸34上に作用面の位相が異
なるように取り付けられている。本実施例では、上記カ
ム軸34に図面手前側に印圧用カム33が設けられてお
り、図面奥側に版圧用カム32がそれぞれ取り付けられ
ている。
【0028】35は版圧用カムフォロワであり、揺動軸
36を中心に揺動可能に設けられている。37は印圧用
カムフォロワであり、揺動軸38を中心に揺動可能に設
けられている。上記版圧用カムフォロワ35の一端(図
1の下端)及び印圧用カムフォロワ37の一端(図1の
上端)には、版圧用カム32及び印圧用カム33のカム
面にそれぞれ当接する当接コロ35a,37aが設けら
れている。上記当接コロ35a,37aは、版圧及び印
圧が共に加えられた状態や版圧及び印圧が共に解除され
た状態では、上下に重なった位置となるように配設され
ている。尚、上記当接コロ35a,37aの重なり位置
は、上記版圧用カム32及び印圧用カム33に対応して
おり、当接コロ37aが図面手前側となり、当接コロ3
5aは図面奥側となるよう版圧用カムフォロワ35及び
印圧用カムフォロワ37が配設されている。また、上記
版圧用カムフォロワ35の他端(図1の上端)及び印圧
用カムフォロワ37の他端(図1の下端)には、圧接コ
ロ35b,37bがそれぞれ設けられている。
【0029】また、39は版圧用加圧調整ねじであり、
ノブ39a及び可動ねじ部39bを備えている。上記可
動ねじ部39bの左端側は、ノブ39aのシャフト部3
9cの右端側に対して軸方向にスライド可能に連結して
いる。また、上記ノブ39aを回転させると上記シャフ
ト部39cと可動ねじ部39bとの係合により該可動ね
じ部39bが回転するように構成されている。また、4
0は印圧用加圧調整ねじであり、ノブ40a及び可動ね
じ部40bを備えている。上記可動ねじ部40bの左端
側は、ノブ40aのシャフト部40cの右端側に対して
軸方向にスライド可能に連結している。また、上記ノブ
40aを回転させると上記シャフト部40cと可動ねじ
部40bとの係合により該可動ねじ部40bが回転する
ように構成されている。上記可動ねじ部39b,40b
の左端側には突き当て部材41,42が嵌め込まれてお
り、該突き当て部材41,42には前記版圧用カムフォ
ロワ35及び印圧用カムフォロワ37の他端に設けられ
た圧接コロ35b,37bが圧接している。
【0030】また、上記版圧用加圧調整ねじ39及び印
圧用加圧調整ねじ40は、シャフト部39c,40cが
装置フレーム22に形成された図示しない支持部材に各
々支持されており、可動ねじ部39b,40bの右端側
が端部支持部材43,44により右側に突き出し可能に
各々支持されている。この端部支持部材43,44と上
記可動ねじ部39b,40bに嵌め込まれたストッパ3
9d,40dの間には、それぞれコイルバネ45,46
が周囲に嵌め込まれている。このコイルバネ45,46
は、上記可動ねじ部39b,40bを図1の左側に付勢
し、圧接コロ35b,37bを突き当て部材41,42
に圧接させている。このため、版圧用カムフォロワ35
及び印圧用カムフォロワ37は、揺動軸36,38を中
心に反時計回り方向及び時計回り方向にそれぞれ付勢さ
れて、一端に設けられた当接コロ35a,37aを版圧
用カム32,印圧用カム33のカム面にそれぞれ圧接す
るよう常時付勢されている。
【0031】上記可動ねじ部39b,40bには、それ
ぞれ可動ブロック47,48が螺合している。この可動
ブロック47,48には、コロ49,50がそれぞれ取
り付けられている。このコロ49,50の軸部49a,
50aには、引っ張りバネ51,52の一端がそれぞれ
連結されている。また上記引っ張りバネ51,52の他
端は、版圧用揺動アーム53及び印圧用揺動アーム54
の一端53a,54aに連結されている。ノブ39a,
40aを回転させると、シャフト部39c,40cを介
して上記可動ねじ部39b,40bが回転し、該可動ね
じ部39b,40bに螺合する上記可動ブロック47,
48が軸方向に移動する。上記可動ブロック47,48
の軸方向への移動に伴い、引っ張りバネ51,52の引
っ張り力が変化し、上記版圧用揺動アーム53及び印圧
用揺動アーム54の一端53a,54aへの加圧力を調
整できる。上記版圧用揺動アーム53及び印圧用揺動ア
ーム54の他端53b,54bには、軸穴53c,54
cが設けられており、該軸穴53c,54cには前述し
た版胴3及び圧胴7の偏心軸3a,7aがそれぞれ挿通
して係合している。
【0032】上記版圧用加圧調整ねじ39及び印圧用加
圧調整ねじ40は、ノブ39a,40aを把持して回動
させることにより、ねじ部39b,40bに螺合する可
動ブロック47,48を軸方向にそれぞれ移動させる。
これによって、版圧用カムフォロワ35及び印圧用カム
フォロワ37が揺動した際の版圧用揺動アーム53及び
印圧用揺動アーム54の一端53a,54aへの加圧力
の強弱を変化させて、他端53b,54bに連繋する前
記版胴3及び前記圧胴7の偏心軸3a,7aを加圧調整
して、版圧及び印圧を微調整することが可能となる。
【0033】55はカム駆動手段としてのカム駆動モー
タであり、ステッピングモータが好適に用いられる。こ
のカム駆動モータ55の駆動軸56に設けられた減速ギ
ヤ57を介してカム軸34に設けられたカム軸ギヤ58
に噛合して、モータの駆動をカム軸34に伝達して、版
圧用カム32と印圧用カム33を同時に回転駆動させ
る。以下、上記版圧用カム32と印圧用カム33を図1
の反時計回り方向に1回転駆動する際の動作について説
明する。
【0034】上記カム駆動モータ55を回転駆動させる
と、先ず、版圧用カム32のカム面による当接コロ35
aに対する押圧を強めることにより、版圧用カムフォロ
ワ35を揺動軸36を中心に時計回り方向に所定量回転
させる。このとき、版圧用調整ねじ39は、可動ねじ部
39bがコイルバネ45の付勢力に抗して図1及び図6
の右側へ押し込まれる。また、可動ブロック47に設け
られた軸部49aと版圧用揺動アーム53の一端53a
との引っ張りバネ51を介した連繋により、他端53b
が図面左側にわずかに傾くように上記版圧用揺動アーム
53を揺動させ、該他端53bの軸穴53cに挿通する
偏心軸3aを移動させて上記版胴3を上記ブランケット
胴6に圧接させる。
【0035】また、カム駆動モータ55を更に回転駆動
させると、印圧用カム33のカム面による当接コロ37
aに対する押圧を強めることにより、印圧用カムフォロ
ワ37を揺動軸38を中心に反時計回り方向に所定量回
転させる。このとき、印圧用調整ねじ40は、可動ねじ
部40bがコイルバネ46の付勢力に抗して図1の右側
へ押し込まれる。また、可動ブロック48に設けられた
軸部50aと印圧用揺動アーム54の一端54aとの引
っ張りバネ52を介した連繋により、他端54bを図面
左側へわずかに傾くように上記印圧用揺動アーム54を
揺動させ、該他端54bの軸穴54cに挿通する偏心軸
7aを移動させて上記圧胴7を上記ブランケット胴6に
圧接させる。
【0036】また、カム駆動モータ55を更に回転駆動
させると、上記版圧用カム32のカム面による当接コロ
35aへの押圧を弱めて、コイルバネ45の付勢力によ
り可動ねじ部39bは、図1の左側に押し戻され、この
とき引っ張りバネ51によって連繋される版圧用揺動ア
ーム53の一端53aも同方向に引っ張られることによ
り他端53bは図面右側に戻されるので、偏心軸3aを
元の位置に戻して版胴3をブランケット胴6より離間さ
せる。
【0037】また、カム駆動モータ55を更に回転させ
て1回転すると、上記印圧用カム33のカム面による当
接コロ37aへの押圧を弱めて、コイルバネ46の付勢
力により可動ねじ部40bは、図1の左側に押し戻さ
れ、このとき引っ張りバネ52によって連繋される印圧
用揺動アーム54の一端54aも同方向に引っ張られる
ことにより他端54bは図面右側に戻されるので、偏心
軸7aを元の位置に戻して圧胴7をブランケット胴6よ
り離間させる。
【0038】このように、上記加圧制御機構8は、カム
駆動モータ55により同一カム軸34上に設けられた版
圧用カム32と印圧用カム33を1回転させる間に、上
記版胴3及び上記圧胴7を上記ブランケット胴6に対し
てそれぞれタイミングをずらして接離動させる。
【0039】〔加圧制御動作〕次に上記加圧制御機構8
による加圧制御動作について図1〜図4に示す動作説明
図及び図5に示すタイミングチャートを参照して説明す
る。本実施例はカム駆動モータ55として用いられたス
テッピングモータを用いて、版圧用カム32及び印圧用
カム33を90°回転させる毎にブランケット胴6への
版胴3及び圧胴7の加圧状態が変化するよう加圧制御す
る。以下、上記カム軸モータ55が反時計回り方向に1
回転駆動する際の加圧制御動作について具体的に説明す
る。
【0040】図5は、版圧及び印圧が共に加わらない
状態(版圧OFF,印圧OFF)を示す。図1におい
て、版圧用カム32及び印圧用カム33のカム面は、版
圧用カムフォロワ35及び印圧用カムフォロワ37の一
端に設けられた当接コロ35a,37aへの押圧を弱め
た位置にあり、該当接コロ35a,37aは、コイルバ
ネ45,46に付勢されてカム面にそれぞれ圧接した状
態にある。このとき、版圧用揺動アーム53及び印圧用
揺動アーム54の一端53a,54aは、コイルバネ4
5,46によって矢印A方向に付勢されており、他端5
3b,54bが右側に傾いて他端53b,54bに係合
する版胴3及び圧胴7がブランケット胴6に対して圧接
しないように偏心軸3a,7aを保持している。
【0041】次に画像転写動作を開始すると、カム駆動
モータ55を起動して版圧用カム32及び印圧用カム3
3を90°回転させると、図5に示すように版圧が加
わり(版圧ON)、印圧が加わらない状態(印圧OF
F)となって、版胴3よりブランケット胴6へインク像
の転写が行われる。具体的には、図2において、版圧用
カム32のカム面は、版圧用カムフォロワ35の一端に
設けられた当接コロ35aへの押圧を強めて、該版圧用
カムフォロワ35を揺動軸36を中心に矢印B方向(時
計回り方向)に所定量回転させ、版圧用調整ねじ39の
可動ねじ部39bは、コイルバネ45の付勢力に抗して
矢印C方向に押し込まれる。このとき、版圧用揺動アー
ム53の他端53bが図2の左側に傾いて、軸穴53c
に挿通している偏心軸3aには矢印D方向の力が作用し
て、版胴3はブランケット胴6に圧接する。このよう
に、版圧が加わると、予め版胴3に巻き付けられた版紙
にインク及び水が塗布されて形成されたインク像が、ブ
ランケット胴6のブランケットに転写される。
【0042】この版圧が加わる位置(タイミング)は、
カム駆動モータ55に対するモータの駆動負荷ができる
だけ加わらない位置で印加されるのが望ましい。即ち、
上記版胴3及び上記ブランケット胴6が1回転する間に
開口部どうしが互いに重なり合う位置に回転した際に圧
接させるのが望ましい。このニップ部が生じないタイミ
ングで、版圧を加えれば、カム駆動モータ55に加わる
負荷トルクが増加することはなく、モータ出力を上げる
必要がないため、部品コストが廉価となり、装置の小型
化にも寄与できるからである。
【0043】また、印圧用カム33のカム面は、印圧用
カムフォロワ37の当接コロ37aへの押圧を弱めた位
置にあり、印圧用調整ねじ40はコイルバネ46によっ
て図2の左側へ付勢されており、圧胴7がブランケット
胴6に対して圧接しない状態で保持されている。
【0044】次に、給紙待機位置へシート材が搬送され
たことを給紙センサ20が検知すると、カム駆動モータ
55により版圧用カム32及び印圧用カム33を更に9
0°回転(合計180°回転)させ、図5に示すよう
に版圧が加わったまま(版圧ON)、印圧が加わった状
態(印圧ON)となり、ブランケット胴6のブランケッ
トに形成されたインク像のシート材への転写動作が行わ
れる。このとき、版胴3及びブランケット胴6は圧接し
たまま2回転目に突入している。即ち、図3において、
版圧用カム32のカム面は、版圧用カムフォロワ35の
一端に設けられた当接コロ35aへの押圧を強めたま
ま、印圧用カム33のカム面が、印圧用カムフォロワ3
7の一端に設けられた当接コロ37aへの押圧を強め、
該印圧用カムフォロワ37を揺動軸38を中心に矢印E
方向(反時計回り方向)に所定量回転させ、印圧用調整
ねじ40の可動ねじ部40bは、コイルバネ46の付勢
力に抗して矢印F方向に押し込まれる。このとき、印圧
用揺動アーム54の他端54bを図3の左側に傾斜し
て、軸穴54cに挿通している偏心軸7aには矢印G方
向の力が作用して、圧胴7はブランケット胴6に圧接す
る。
【0045】この印圧が加わる位置(タイミング)は、
カム駆動モータ55に対するモータの駆動負荷ができる
だけ加わらない位置で印加されるのが望ましい。上記ブ
ランケット胴6及び上記圧胴7に形成された開口部どう
しが互いに噛み合う位置(対向する位置)に回転した際
に圧接させるのが望ましい。このニップ部が生じないタ
イミングで、印圧を加えれば、カム駆動モータ55に加
わる負荷トルクが増加することはなく、モータ出力を上
げる必要がないため、部品コストが廉価となり、装置の
小型化にも寄与できるからである。また、印圧加わる
と、シート材の先端がグリッパに進入して噛み込まれ、
ブランケット胴6と圧胴7のニップ部を通過する際にイ
ンク像が転写される。上記シート材の先端は、ニップ部
を通過するとグリッパによる噛み込みを解放される。即
ち、上記印圧が加わるタイミングで、シート材はトラク
タネイルフィーダ24によりブランケット胴6と圧胴7
とのニップ部に送り込まれてインク像が転写され、図示
しない排出トレイに排出される。そして、2枚目以降の
シート材に対しても同様の転写動作が行われる。
【0046】次に、上記版胴3と上記ブランケット胴6
が2回転目の途中で開口部どうし互いに重なり合う位置
まで回転すると版圧が解除される。即ち、カム駆動モー
タ55により版圧用カム32及び印圧用カム33を更に
90°回転(合計270°回転)させて、図5に示す
ように印圧が加わったまま(印圧ON)、版圧が加わら
ない状態(版圧OFF)となる。具体的には、図4にお
いて、可動ねじ部39aはコイルバネ47に付勢されて
矢印A方向に押し戻され、版圧用カムフォロワ35は矢
印H方向に回転し、版圧用カム32のカム面は、版圧用
カムフォロワ35の一端に設けられた当接コロ35aへ
の押圧を弱めた位置となる。また、印圧用カム33のカ
ム面は、印圧用カムフォロワ37の一端に設けられた当
接コロ37aへの押圧を強めたまま圧胴7はブランケッ
ト胴6に圧接した状態にあり、これらのニップ部を通過
するシート材へインク像の転写が行われる。
【0047】そして、画像転写動作が終了する際には、
ブランケット胴6と圧胴7が3回転目で開口部どうしが
重なり合う位置で、カム駆動モータ55により版圧用カ
ム32及び印圧用カム33を更に90°回転(合計36
0°回転)させて、再度図5に示すように版圧及び印
圧が共に加わらない状態(版圧OFF,印圧OFF)と
なり、シート材への転写動作を終了する。具体的には、
図1に示すように、可動ねじ部40bはコイルバネ48
に付勢されて矢印I方向に押し戻され、印圧用カムフォ
ロワ37は矢印J方向に回転し、印圧用カム33のカム
面は、印圧用カムフォロワ37の一端に設けられた当接
コロ37aへの押圧を弱めた位置になり、版圧及び印圧
が解除される。
【0048】尚、上記印圧の解除は必ず開口部で行わ
れ、該印圧の解除より先にシート材の後端がニップ部を
通過するため、ブランケット胴6より圧胴7へインクが
塗布されるが、連続して搬送されるシート材は、先端部
が圧胴7のグリッパにより常に同じ位置で噛み込まれて
搬送されるため、2枚目以降のシート材の裏面側にイン
ク汚れが生ずることはない。
【0049】上記構成によれば、加圧制御機構8は、同
一のカム駆動モータ55を回転駆動させて版圧用カム3
2及び印圧用カム33を1回転させる間に、版胴3及び
圧胴7をブランケット胴6に対してそれぞれタイミング
をずらして接離動させるよう加圧制御できるので、従来
の版圧用及び印圧用の専用のモータを設けて加圧制御す
る場合に比べて部品点数が少なく、製造コストを低減で
き、装置の小型化を実現することができる。また、版圧
及び印圧の加圧制御を、カム駆動モータ55を一方向に
回転駆動して同一カム軸34上に設けられた版圧用カム
32及び印圧用カム33を介して版圧用カムフォロワ3
5及び印圧用カムフォロワ37をそれぞれ揺動させて加
圧制御しているので、制御動作が容易であり、しかも版
圧や印圧が加わることによる負荷の増加を版圧用カム3
2及び印圧用カム33により受けているので、直接カム
駆動モータ55に作用することはない。特に、版圧及び
印圧をON/OFFする場合、上記版胴3、上記ブラン
ケット胴6及び上記圧胴7にそれぞれ形成された開口部
どうしが互いに重なり合う位置に回転した際に接離動さ
せるため、上記カム駆動モータ55に加わる駆動負荷が
増大することがなく、該カム駆動モータ55の小型化を
図ることにより装置の小型化に寄与できる。
【0050】尚、上記実施例では、版圧用カム32及び
印圧用カム33がが90°回転する毎に加圧制御機構8
により版圧及び印圧の加圧制御が行われていたが、これ
に限定されるものではなく、任意の回転角度で制御する
ことが可能である。また、オフセット印刷装置は上記実
施例に限定されるものではなく、例えば圧胴7に開口部
がないタイプのものでも良い等、発明の精神を逸脱しな
い範囲で種々の改変可能であることはいうまでもない。
【0051】
【発明の効果】本発明に係るオフセット印刷装置は、前
述したように、カム駆動手段によりカム軸を回転駆動さ
せて同一カム軸上に設けられた版圧用カム及び印圧用カ
ムを1回転させる間に、版胴及び圧胴をブランケット胴
に対してそれぞれタイミングをずらして接離動させる
とができるので、従来の版圧用及び印圧用の専用の駆動
源を設けて加圧制御する場合に比べて部品点数が少な
く、製造コストを低減でき、装置の小型化を実現するこ
とができる。また、版圧及び印圧の加圧制御を、カム駆
動手段を一方向に回転駆動して同一カム軸上に設けられ
た版圧用カム及び印圧用カムを介して加圧制御している
ので、制御動作が容易であり、版圧や印圧が加わること
による負荷の増加が直接モータに作用することはない。
特に、版圧及び印圧を加えたり解除したりする場合、版
胴、ブランケット胴及び圧胴にそれぞれ形成された開口
部どうしが互いに重なり合う位置に回転した際に版胴、
圧胴をブランケット胴に各々接離動させるため、カム駆
動手段として用いられる駆動モータの駆動負荷が増大す
ることがなく、該駆動モータの小型化を図ることにより
装置の小型化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加圧制御機構の加圧制御動作を示す説明図であ
る。
【図2】加圧制御機構の加圧制御動作を示す説明図であ
る。
【図3】加圧制御機構の加圧制御動作を示す説明図であ
る。
【図4】加圧制御機構の加圧制御動作を示す説明図であ
る。
【図5】版圧及び印圧のON/OFFを示すタイミング
チャートである。
【図6】オフセット印刷装置の全体構成を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 給紙装置 1A シート材分離搬送装置 1B シート材転写搬送装置 2 水供給機構 2a 水汲み上げローラ 2b 可動水搬送ローラ 2c 水搬送ローラ 2d 水量調整レバー 2e 水塗布ローラ 2f 水切りローラ 3 版胴 3a,7a 偏心軸 4 インク供給機構 4a インク汲み上げローラ 4b 可動インク搬送ローラ 4c,4d,4e,4f インク搬送ローラ 4g インク塗布ローラ 4h インク量調整レバー 5 画像転写部 6 ブランケット胴 7 圧胴 8 加圧制御機構 9 給紙トレイ 9a 傾斜トレイ 10 給紙ガイド 11 予備搬送ローラ 12 分離ローラ 13 分離パッド 14 搬送ローラ 15,16 押さえコロ 17,18 支持アーム 19,23 取付ガイド軸 20 給紙センサ 21 ガイド部材 22 装置フレーム 24 トラクターネイルフィーダ 24a タイミングベルト 25 爪 26,27 ギヤプーリ 28 フィードモータ 29 減速ギヤ 30 ベルトセンサ 31 メインモータ 32 版圧用カム 33 印圧用カム 34 カム軸 35 版圧用カムフォロワ 35a,37a 当接コロ 35b,37b 圧接コロ 36,38 揺動軸 37 印圧用カムフォロワ 39 版圧用調整ねじ 39a,40a ノブ 39b,40b 可動ねじ部 39c,40c シャフト部 39d,40d ストッパ 40 印圧用調整ねじ 41,42 突き当て部材 43,44 端部支持部材 45,46 コイルバネ 47,48 可動ブロック 49,50 コロ 49a,50a 軸部 51,52 引っ張りバネ 53 版圧用揺動アーム 54 印圧用揺動アーム 55 カム駆動モータ 56 駆動軸 57 減速ギヤ 58 カム軸ギヤ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート材を給紙待機位置から転写位置へ
    所定のタイミングで搬送するシート材転写搬送手段と、 周囲に版が巻き付けられた版胴に水及びインクを供給し
    てインク像を形成する供給機構と、 前記版胴をブランケットが巻き付けられたブランケット
    胴に対して接離動させるための版圧用カムと、 圧胴を前記ブランケット胴に対して接離動させるための
    印圧用カムとを備え、 前記版圧用カム及び前記印圧用カムを1回転させる間
    に、前記版胴及び圧胴を前記ブランケット胴に対してそ
    れぞれタイミングをずらして接離動させ、前記版に形成
    されたインク像を前記ブランケットに転写し、前記シー
    ト材転写搬送手段より搬送されたシート材に前記ブラン
    ケットに形成されたインク像を転写するオフセット印刷
    装置において、 前記版圧用カムと前記印圧用カムとがカム駆動手段によ
    り回転駆動される同一カム軸上に設けられ、前記版圧用
    カムは、前記版胴及びブランケット胴に形成された開口
    部どうしが互いに重なり合う位置に回転した際に前記版
    胴を前記ブランケット胴に接離動させるように設けら
    れ、前記印圧用カムは前記ブランケット胴及び圧胴に形
    成された開口部どうしが互いに重なり合う位置に回転し
    た際に前記圧胴を前記ブランケット胴に接離動させるよ
    うに設けられている ことを特徴とするオフセット印刷装
    置。
  2. 【請求項2】 前記シート材に転写動作開始され
    と、前記カム駆動手段駆動さて、先ず前記版胴
    記ブランケット胴に圧接さてインク像前記ブランケ
    ットへ転写され、次いで前記圧胴前記ブランケット胴
    に圧接さて前記シート材へインク像転写され、転写
    動作を終了する場合には、先ず前記版胴が前記ブランケ
    ット胴より離間さ、次いで前記圧胴が前記ブランケッ
    ト胴より離間されることを特徴とする請求項1記載のオ
    フセット印刷装置。
  3. 【請求項3】 前記カム駆動手段としてステッピングモ
    ータを備え、該ステッピングモータを用いて前記版圧用
    カム及び前記印圧用カムを90°回転させる毎に前記版
    胴及び圧胴の前記ブランケット胴に対する接離状態がそ
    れぞれ変化す るようになっていることを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載のオフセット印刷装置。
  4. 【請求項4】 前記版胴及び前記圧胴の前記ブランケッ
    ト胴への圧接力をそれぞれ調整可能な加圧力調整機構を
    備えたことを特徴とする請求項1、2又は請求項3記載
    オフセット印刷装置。
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