JP3048251B2 - 配向ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

配向ポリエステルフィルムの製造方法

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JP3048251B2
JP3048251B2 JP4678991A JP4678991A JP3048251B2 JP 3048251 B2 JP3048251 B2 JP 3048251B2 JP 4678991 A JP4678991 A JP 4678991A JP 4678991 A JP4678991 A JP 4678991A JP 3048251 B2 JP3048251 B2 JP 3048251B2
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polyester film
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照基 白枝
正 奥平
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも一軸方向に
配向した高強力ポリエステルフィルムの製造方法に関
し、さらに詳しくは、縦方向の延伸倍率を向上させた配
向ポリエステルフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムを速度の異なる複
数のロール間を通過させることにより、ロールの速度差
を利用して縦延伸する技術はよく知られている。例え
ば、フィルムをその軟化温度付近まで予備加熱したの
ち、前記の速度の異なる複数のロール間に導き、速度の
異なるロール間に配置した赤外線ヒータによりフィルム
を延伸温度まで加熱しながらロールの速度差を利用して
縦延伸する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術を使用し
て延伸倍率の高い高強力のポリエステルフィルムを製造
しようとすると、赤外線ヒータの出力を上げてフィルム
延伸時の温度を高くする必要がある。ところが、延伸温
度を高くするためフィルムを高温に加熱すると、ポリエ
ステルフィルムの熱結晶化が低温時に比べてより速く進
行するため、延伸張力が高くなり延伸時に破断し易くな
るという問題が見られた。
【0004】本発明は上記問題を解決するためになされ
たものであり、その目的とするところは、縦延伸時にお
ける熱結晶化の進行を抑えてフィルムが破断するのを防
止すると共に、縦方向の延伸倍率を向上させた高強力フ
ィルムの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を解決するため鋭意研究した結果、ついに本発明に至っ
た。すなわち、本発明の配向ポリエステルフィルムの製
造方法は、ポリエステルを主成分とするポリエステル組
成物を、その軟化点より高温に保ちつつ冷却ロールに供
給し、冷却固化させたシートを、複数のロール間を通過
させると共に、該複数のロールの速度差によって縦方向
に延伸して得られる少なくとも縦方向に一軸配向したポ
リエステルフィルムの製造方法において、該シートが延
伸される区間に長尺のヒータの長手方向がシートの移動
方向に対して交差するように2個以上のヒータからなる
加熱手段を配設し、シートが延伸される区間の全領域に
おいて低温から高温へ温度が漸増する温度分布を有する
よう、かつ該延伸区間でシートに付与する熱量が該シー
トの移動方向に沿って順次増加するよう該加熱手段によ
ってシートを加熱することを特徴とし、そのことにより
上記目的が達成される。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明に使用されるポリエステルとは、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類で
あり、これらの混合物あるいは共重合ポリエステルでも
構わない。ポリエステルを主体とするポリエステル組成
物は、上記ポリエステル以外に、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、有機もしくは無機の滑剤、酸化防止剤、熱
安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などの添加剤を含む
ことができる。
【0008】本発明におけるポリエステル組成物を押出
機に代表される周知の溶融押出装置に供給し、該組成物
の軟化点以上の温度で加熱溶融する。溶融した該組成物
は、Tダイなどのスリット状ダイから押し出し、冷却ロ
ール上に密着せしめ冷却固化し、無配向シートを得、こ
の無配向シートを複数のロール間に供給することによ
り、引続き連続的に縦延伸し製膜するものである。すな
わち、低周速回転に設定した複数のロール(以下、ロー
ル群という)と高周速回転に設定したロール群を通過さ
せることにより、各ロール群の速度差によってフィルム
に張力を与え、このようにして縦延伸するものである。
【0009】該縦延伸に際し、低周速回転に設定された
ロール群のうちの最終のロールと、高周速回転に設定さ
れたロール群のうちの最初のロールとの間の延伸区間
に、加熱手段を配設する。そして、シートの移動方向手
前側の温度に比してシートの移動方向側の温度が高温と
なるよう加熱手段によってシートを加熱する。すなわ
ち、延伸区間でシートに付与する熱量をシートの移動方
向に向けて順次増加させるのである。延伸区間に配置す
る該加熱手段は、フィルムの片面どちら側に位置させて
もよいし、あるいは両面に位置させてもよい。
【0010】加熱手段としては赤外線ヒータ、熱風、等
種々の熱源を使用することができる。シートに付与する
熱量を上記のように順次高くするには、加熱手段の温度
をシートの移動方向側へいくにつれて順次高く設定して
もよく、あるいはシートと加熱手段との距離を短くして
もよい。例えば、1個または複数個のヒータから加熱手
段を構成し、特に長尺のヒータの長手方向がフィルム面
に対して交差するように2個以上のヒータを配列設置す
るのが好ましい。この場合は、配列設置した複数の加熱
手段の温度が、フィルム移動方向に対して前段から後段
にかけて順次高温になるようにすればよい。
【0011】本発明の方法は、フィルムの縦延伸は、無
配向シートの延伸、一軸配向フィルムの縦延伸および二
軸延伸前後のフィルムの再縦延伸のいずれに用いてもよ
いが、該縦延伸前後のフィルムの主配向の変化の最も大
きい横一軸配向フィルムの縦延伸の際に用いるのが効果
的である。
【0012】
【作用】フィルムの延伸区間でポリエステルフィルムに
付与する熱量を順次増加させることにより、延伸初期に
おいてポリエステルフィルムの熱結晶化を抑えながら延
伸することができる。従って、比較的高温がフィルムに
付与される延伸後期において、高倍率に伸張するために
生じる延伸張力の集中を防ぐことができる。
【0013】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0014】実施例1 無機滑剤を0.1重量%含むポリエチレンテレフタレー
トペレット(極限粘度0.62)を十分真空乾燥した後、こ
れを押し出し機に供給し、285℃で溶融し、Tダイより
シート状に押し出し、直流の高圧を印加した電極を用い
て冷却ロールに静電密着させ、冷却固化せしめて厚さ20
0μm の無配向シートを得た。このシートの両端部をグ
リップにて把持し、テンター内に送り込み90℃で横方
向に3.6倍に延伸した。続いて、このシート1を図1
に示す縦延伸装置に導いた。この装置は、回転がフリー
の案内ロール4、低周速回転ロール5a〜5d、高周速
回転ロール6a〜6d、案内ロール7および加熱手段3
a、3b、3cを具備している。低周速回転ロール5a
〜5dの表面温度は75℃に設定され、高周速回転ロー
ル6a〜6dの表面温度は30℃に設定されている。ま
た、加熱手段3a、3b、3cの温度は変更可能に構成
されている。
【0015】まず、上記シート1を低周速回転ロール5
a〜5d(表面温度:75℃)を通過させてここで予備
加熱した後、表面温度が600℃に設定された加熱手段3
a、表面温度が800℃に設定された加熱手段3bを配列
設置した延伸区間にて、低周速回転ロール5a〜5dと
高周速回転ロール6a〜6dとの速度比でシート1を
5.0倍に縦延伸し、次いで高周速回転ロール6a〜6
d(表面温度:30℃)で冷却し、二軸延伸フィルム2
を得た。
【0016】続いて、このフィルムを220℃の温度で
5秒間熱固定し、フィルム厚み10.5μm の二軸配向
フィルムとした。
【0017】実施例2 加熱手段3aの表面温度を600℃、加熱手段3bの表
面温度を650℃、加熱手段3cの表面温度を700℃
とし、縦延伸倍率を5.2倍にした以外は、実施例1と
同様にして二軸配向フィルムを得た。
【0018】比較例 加熱手段3a、b、cの温度および縦延伸倍率を表1に
示すように設定した以外は、実施例1と同様にして二軸
配向フィルムを得た。
【0019】これら実施例、比較例の延伸製膜のし易さ
を次のようにランク付けした。
【0020】○:破断なく製膜できた。
【0021】△:数回破断した。
【0022】×:破断が頻発した。
【0023】また、これら二軸配向フィルムの縦方向の
ヤング率を東洋ボールドウイン社製テンシロン万能試験
器を用いて測定し、それらの結果をあわせて表1に示
す。
【0024】
【表1】
【0025】○:破断なく製膜できた。×:破断が頻発
した。
【0026】これらの結果からわかるように、縦延伸区
間の加熱手段の温度が本発明の条件を満たす実施例は、
破断することなく延伸製膜でき、かつ延伸倍率が高くで
き、しかも縦方向のヤング率の大きいフィルムを得るこ
とができた。これに対して、比較例1および2では、延
伸初期における加熱手段の温度が高すぎるため、延伸初
期に熱結晶化が進行し、この段階で延伸張力が集中して
破断が多発し、安定に延伸製膜することができなかっ
た。また、安定に延伸製膜するためには、比較例3およ
び4のように、縦延伸倍率を下げざるを得なかったの
で、縦方向のヤング率は大きくできなかった。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、縦延伸区間に配設した
加熱手段でポリエステルフィルムに付与する熱量を順次
増加させるので、延伸初期のポリエステルフィルムの熱
結晶化を抑え、高倍率に延伸するために生じる延伸張力
の集中を防ぐことができる。従って、フィルムの破断を
抑えることができると同時に、縦方向の延伸倍率を向上
させた高強力フィルムを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配向ポリエステルフィルムの製造方法
を説明するための、模式図である。
【符号の説明】
1 延伸前のシート 2 延伸後のフィルム 3a 加熱手段 3b 加熱手段 3c 加熱手段 4 案内ロール 5a 低周速回転ロール 5b 低周速回転ロール 5c 低周速回転ロール 6a 高周速回転ロール 6b 高周速回転ロール 6c 高周速回転ロール 7 案内ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−87320(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 55/02 - 55/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルを主成分とするポリエステ
    ル組成物を、その軟化点より高温に保ちつつ冷却ロール
    に供給し、冷却固化させたシートを、複数のロール間を
    通過させると共に、該複数のロールの速度差によって縦
    方向に延伸して得られる少なくとも縦方向に一軸配向し
    たポリエステルフィルムの製造方法において、該シート
    が延伸される区間に長尺のヒータの長手方向がシートの
    移動方向に対して交差するように2個以上のヒータから
    なる加熱手段を配設し、シートが延伸される区間の全領
    域において低温から高温へ温度が漸増する温度分布を有
    するよう、かつ該延伸区間でシートに付与する熱量が該
    シートの移動方向に沿って順次増加するよう該加熱手段
    によってシートを加熱することを特徴とする配向ポリエ
    ステルフィルムの製造方法。
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