JP3048216B2 - スラグ焼付き防止性に優れた溶接方法 - Google Patents

スラグ焼付き防止性に優れた溶接方法

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JP3048216B2 JP7132028A JP13202895A JP3048216B2 JP 3048216 B2 JP3048216 B2 JP 3048216B2 JP 7132028 A JP7132028 A JP 7132028A JP 13202895 A JP13202895 A JP 13202895A JP 3048216 B2 JP3048216 B2 JP 3048216B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造機用ロール等
の母材表面に溶接材料を肉盛溶接するサブマージアーク
溶接におけるスラグ焼付き防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造機にはガイドロール、ピンチロ
ール等の多数のロールが使用されている。これら連続鋳
造機用ロールは、鋳片との接触箇所のロール表面温度は
急上昇し、非接触箇所は強制冷却(内部給水および外部
注水)により低温となり、非常に苛酷な熱サイクルを受
け、この結果、ロール表面には経時的に亀裂が発生す
る。
【0003】この亀裂発生の防止または亀裂の補修のた
め、通常、ロール周面の肉盛溶接が行われているが、フ
ラックスに起因するスラグ焼付きが生じ、溶接作業の中
断や、溶接不連続部に溶接欠陥が発生し易いという問題
があった。一般に、スラグ焼付き防止方法としては、
フラックス成分の改善、溶接電流の低下、溶接作業
中断による母材温度の低下などが行われている。
【0004】しかし、のフラックス成分を改善する方
法では、所定の成分や機械的性質が得られる溶接金属を
得るために、種々のフラックスを試作し、成分分析や各
種試験が必要であり、多大な時間と費用が必要であっ
た。の溶接電流を低下させる方法では、溶接能率が著
しく低下するとともに、適正な電流範囲外で溶接する
と、溶接欠陥が発生し易い問題があった。
【0005】また、の溶接作業中断により母材温度を
低下させる方法では、作業を中断し、母材温度が低下す
るのを待つ必要があり、溶接能率が著しく低下するとと
もに、溶接の不連続部を多数発生させることになり、溶
接欠陥が発生し易い問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点を解決し、溶接欠陥を発生せず、溶接能率お
よびスラグ焼付き防止性に優れた肉盛溶接方法の提供を
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、母材表面に溶
接材料を肉盛する溶接方法において、溶接面に対して母
材の内側から冷却を行い、該冷却の冷却能力を溶接が進
行中の溶接箇所に近接した箇所で測温した母材表面温度
が 200〜300 ℃の範囲内となるように調整しながらサブ
マージアーク溶接を行うことを特徴とするスラグ焼付き
防止性に優れた溶接方法であり、本発明は、より好まし
くは、母材がロールであるサブマージアーク溶接に適用
される。
【0008】
【作用】スラグの焼付きは、大径ロールとなるほど発
生しにくく、溶接作業を中断し、母材温度を下げると
発生しにくいことから、母材の表面温度との関係が大き
いと考えた。本発明者は、サブマージアーク溶接におけ
るスラグ焼付き防止方法に関して鋭意検討し、その過程
で溶接箇所に近接した母材表面温度(以下母材表面温度
と記す)とスラグ焼付き発生状況との関係を調査した結
果、溶接開始時点ではスラグ焼付きはないが、溶接を継
続すると母材温度が上昇し、母材表面温度が約 300℃以
上になるとスラグの焼付きが発生することがわかった。
【0009】そこで、連続鋳造機用ロール等、内部水冷
機構を有するロールを用いて、サブマージアーク溶接時
に内部水冷を実施しながら肉盛溶接した結果、溶接箇
所に近接したロール表面温度(以下ロール表面温度と記
す)が一定温度以下の場合、スラグの焼付きが発生しな
いこと、また微小割れ等の溶接欠陥の防止のために
は、ロール表面温度を一定温度以上に維持することが有
効であることを見出し本発明に至った。
【0010】すなわち、本発明は、母材表面に溶接材料
を肉盛する溶接方法において、溶接面に対して母材の内
側から冷却を行い、該冷却の冷却能力を溶接が進行中の
溶接箇所に近接した箇所で測温した母材表面温度が 200
〜300 ℃の範囲内となるように調整しながらサブマージ
アーク溶接を行うスラグ焼付き防止性に優れた溶接方法
である。ここで、溶接面に対して母材の内側から冷却す
る方法(以下内部冷却と記す)としては、連続鋳造機
用ロール等の内部水冷機構を有する母材の場合は、溶接
時に前記の内部水冷機構を利用して水冷する方法、鋼
板または鋼管の場合は、肉盛溶接箇所と対向する反対側
の鋼板面を溶接時に水冷する方法、ロール等の母材内
部の溶接面近傍に内部水冷用の流路を設け、溶接時に水
冷する方法を用いることができる。
【0011】冷却媒体としては水に限定されず油等を使
用してもよい。本発明は、サブマージアーク溶接による
各種肉盛溶接に適用可能であり、その目的、対象母材は
特に制限されるものではないが、好ましくは、母材がロ
ールであるサブマージアーク溶接による肉盛溶接に適用
される。これは、母材がロールの場合、ロール円周方向
に溶接を進行させる周方向溶接法を用いることにより、
ロールの内部冷却水流量の調節によるロール表面温度の
調節時に、溶接箇所に近接した表面温度がロール全円周
において均一に制御可能となるためである。
【0012】また、本発明は、さらに好ましくは、ロー
ル径(直径)が 200〜400mm であるロールのサブマージ
アーク溶接による肉盛溶接に好ましく適用される。これ
は、ロール径が 400mm以下の場合、前記したとおり肉盛
溶接時にスラグの焼付きが発生し易く本発明が好適に適
用され、また、ロールの内部冷却によるロール表面温度
の制御が容易なためである。また、ロール径が 200mm未
満の場合、ロールの内部冷却によるロール表面温度の制
御が困難となるためである。
【0013】本発明によれば、ロール等母材の内部冷却
を行い、溶接箇所に近接した母材表面温度を測定し、 2
00〜300 ℃の範囲内となるように、冷却能力を調整する
ようにした。その結果、スラグの焼付きの発生の防止お
よび溶接欠陥の発生の防止のいずれも可能となり、しか
も溶接能率を低下させずに母材の肉盛溶接が可能となっ
た。
【0014】なお、本発明における溶接箇所に近接した
母材表面温度は、例えば図2に示すロールの周方向肉盛
溶接の場合下記により規定される。図2は溶接進行時の
ロールの平面図であり、1はロール、2はロータリージ
ョイント、Bは溶接が進行中の溶接点のビード中心点、
Yは溶接進行方向、Xは後続溶接方向、WB は新たに形
成されたビード幅、Tは前記ビード中心点Bから溶接進
行方向と直角方向で距離d隔たる点で、かつ後続溶接方
向の点を示す。
【0015】本発明における溶接箇所に近接した母材
(ロール)表面温度は、d(mm)=(1〜3)×WB (mm)
の箇所のT点の母材表面温度で規定される。なお、ロー
ルの軸方向肉盛溶接時の溶接箇所に近接したロール表面
温度、さらに母材がロール以外の場合の溶接箇所に近接
した母材表面温度に関しても前記と同様に規定される。
この場合も、距離dはB点からT点までの母材表面に沿
った距離で定義される。
【0016】また、複数層肉盛溶接で、T点が既溶接面
である場合、T点の表面温度を本発明の温度範囲内とな
るように制御することも本発明に包括される。さらに、
本発明においては、前記で規定したT点の表面温度が20
0 〜300 ℃の範囲内となるように制御可能であれば、測
温箇所および測温方法は特に制限されるものではない。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。図3は、本発明の1実施例を示すロール等の縦
断面図である。図3において、1はロール、2はロータ
リージョイント、3は溶接トーチ、4は温度指示調節
計、5は冷却水流量調節弁、6は溶接金属(ビード)、
7はロール入側冷却水、8はロール出側冷却水を示す。
【0018】ロール1は連続鋳造機用ロールであり、内
部水冷用の流路が設けてある。ロータリージョイント2
もまた連続鋳造機用ロールの内部水冷用ジョイントを用
いている。温度指示調節計4は、冷却水流量調節弁5に
接続され、溶接箇所に近接したロール表面温度を設定温
度の範囲内に制御するように自動的に水量調節を行うこ
とができる。また、ロール1は図には示されていない
が、ターニングロールにより溶接時に回転する。
【0019】温度指示調節計4の測温は、放射温度計を
用いて行い、図2に示す測温箇所T点と溶接が進行中の
溶接点のビード中心点Bとの距離d(mm)=2×ビード幅
(W B )(mm)である。また、本実施例においては、溶接
金属としてSUS 630 系の成分が得られるようなフラック
ス入りワイヤを用いてサブマージアーク肉盛溶接を行っ
た。
【0020】本実施例における溶接条件を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】図4は、内部冷却水を通水せずに溶接した
時の、溶接箇所に近接したロール表面温度の測定結果と
スラグ焼付き発生状況との関係を示すグラフである。溶
接時間の経過とともに、ロール表面温度は上昇し、約 3
00℃以上になるとスラグ焼付きが発生することがわかっ
た。図5は、前記実験に引き続き、一定量の内部冷却水
の通水を開始して溶接した時の、溶接箇所に近接したロ
ール表面温度の測定結果とスラグ焼付き発生状況との関
係を示すグラフである。
【0023】溶接時間(=通水時間)の経過とともにロ
ール表面温度は低下し、約 300℃以下になるとスラグ焼
付きの発生は解消した。しかし、溶接を継続するとさら
にロール表面温度は低下し、約 200℃以下になるとスラ
グ焼付きの発生はないものの、熱影響部の微小ワレ等の
溶接欠陥が発生した。図1は、前記連続鋳造機用ロール
の内部冷却水流量の調節によって、本発明を実施した時
の溶接実験結果を示すグラフである。
【0024】温度指示調節計4により、溶接箇所に近接
したロール表面温度の設定温度を 250±25℃として溶接
を行った結果、ロール表面温度は設定温度の範囲内に保
持され、スラグ焼付きの発生および微小ワレ等溶接欠陥
の発生のいずれも生ぜず、良好な溶接金属が得られた。
以上述べたように、本発明によれば、スラグ焼付きの発
生および溶接欠陥の発生のいずれも防止可能であるとと
もに、溶接能率を低下させずに、ロール等母材の肉盛溶
接が可能である。
【0025】
【発明の効果】本発明は、サブマージアーク溶接を用い
てロール等母材の表面に肉盛溶接する溶接方法におい
て、内部冷却を行い、該冷却の冷却能力を溶接が進行中
の溶接箇所に近接した箇所で測温した母材表面温度が20
0 〜300 ℃の範囲内となるように制御するようにした。
この結果、スラグ焼付きの発生の防止および溶接欠陥の
発生の防止のいずれもが可能となり、しかも溶接能率を
低下させずにロール等母材の肉盛溶接が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施時の溶接実験結果を示すグラフであ
る。
【図2】本発明における溶接箇所に近接した母材表面温
度の規定法を示す説明図である。
【図3】本発明の1実施例を示すロール等の縦断面図で
ある。
【図4】ロール表面温度とスラグ焼付き発生状況との関
係を示すグラフである。
【図5】ロール内部冷却水通水時の、ロール表面温度と
スラグ焼付き発生状況との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ロール 2 ロータリージョイント 3 溶接トーチ 4 温度指示調節計 5 冷却水流量調節弁 6 溶接金属 7 ロール入側冷却水 8 ロール出側冷却水 B ビード中心点 Y 溶接進行方向 X 後続溶接方向 WB ビード幅 T 母材表面温度の規定点
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−173083(JP,A) 特開 平7−256450(JP,A) 特開 昭59−137176(JP,A) 特開 昭63−286273(JP,A) 実開 昭62−105763(JP,U) 特公 昭60−45033(JP,B2) 実公 昭64−7022(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/04 B23K 9/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材表面に溶接材料を肉盛する溶接方法
    において、溶接面に対して母材の内側から冷却を行い、
    該冷却の冷却能力を溶接が進行中の溶接箇所に近接した
    箇所で測温した母材表面温度が200 〜300 ℃の範囲内と
    なるように調整しながらサブマージアーク溶接を行うこ
    とを特徴とするスラグ焼付き防止性に優れた溶接方法。
  2. 【請求項2】 母材がロールである請求項1記載のスラ
    グ焼付き防止性に優れた溶接方法。
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