JP3048094U - 二輪車等の搭乗者保護用具としての、二酸化炭素ガス自動膨張式ベスト状保護具とその起動装置、並びに起動用鍵。 - Google Patents

二輪車等の搭乗者保護用具としての、二酸化炭素ガス自動膨張式ベスト状保護具とその起動装置、並びに起動用鍵。

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 二輪車等の交通事故に際して従来無防備であ
った身体の首、胸部、腹部、背中、腰部を衝撃から保護
し、重傷あるいは死亡災害を予防する。 【解決手段】 容積の異なる内室、外室の二重構造を持
つ膨張気室11に発生する膨張時の内圧の差を、膨張気
室ガス流入口、ガスエアライン、逆流防止バルブの口径
差により得ることで、膨張気室を衝撃に対する二段階緩
衝装置として利用する。交通事故災害時に派生する搭乗
者の物理的な動きを鍵4の解錠作動とすることにより起
動装置を作動させ、二酸化炭素ガス充填シリンダーから
二酸化炭素ガスを膨張気室に充填する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、二輪車等の搭乗者保護用具として非作動時にも機能的装備であり、 作動時には緩衝機構となる二重膨張気室を有するベストと、ベスト内の膨張気室 に交換可能な二酸化炭素ガスシリンダーより二酸化炭素ガスを注入する起動装置 、そして、それを作動させる鍵に関するものであり、その全体が緊急保護用具と して作動するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、二輪車等の搭乗者保護用具としては、搭乗者の頭部を保護する用具とし てヘルメット、特殊なレース活動等において飛石から体を保護するストーンガー ドと呼ばれるポリプロピレン製等の簡易な鎧状のもの、皮あるいは合皮製のレー シングスーツにプラスティック板や鉄板を摩擦に対する補強として挿入したもの 等が存在するが、本考案のように緊急時の物理的現象を起動要因として作動効果 するものは存在していない。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
二輪車等の交通事故災害時においては、搭乗者が何らかの要因において落車し 路上構造物あるいは路面、壁面に身体を強打し全身打撲、首、脊椎、胸骨等の骨 折、内臓破裂等により重傷または死亡する場合が多数をしめ、この結果、家族の 悲しみはもとより経済的な打撃も大きく、社会問題となっているのが現状である 。このような状況下において搭乗者の頭部保護に対するヘルメットの有効性は明 らかな進歩であったが、本考案は、非作動時においても搭乗者が日常経常的に使 用するにあたって充分機能的であり、本考案が起動する交通事故災害時には従来 無防備であった身体の首、胸部、腹部、背中、腰部を衝撃より保護し重傷あるい は死亡に至らしめまいとするものである。
【0004】 又、本考案の形状については、二輪車等の搭乗者特有の運動性と自由度を確保 するために非作動時はコンパクトな形状を持つものであると共に、搭乗者が他の リュックサック、パウチ等バランスを崩す要因を持つ物を別途使用せずとも、そ のものの有効な機能のみを本体に機能的に取りいれたものである。
【0005】 作動に関しては、作動鍵により単純ながら自動的でかつ確実に起動装置が働く ように考案されおり、搭乗者の意志に反して起こり得る交通事故災害による重傷 あるいは死亡事故の問題を、搭乗者が二輪車等に搭乗の際、無防備であるがため に発生する現状から解消しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は、二輪車等の搭乗者が着用するベストに、折畳まれ収納される3系統 2重の膨張気室を設け、作動時には起動装置に接続された二酸化炭素ガスシリン ダーより注入される二酸化炭素ガスを、膨張気室に2段階に充填することにより 瞬時に気室を膨張させ、二輪車等の交通事故災害特有の状況といえる車両より投 げ出された搭乗者が路面、路上構造物、壁面等に激突する際の衝撃を緩和するも のである。
【0007】 ベストの外皮裏は樹脂板が挿入され通常時は搭乗者の身体の冷えを緩和すると 共に交通事故災害発生時には摩擦、衝撃を膨張気室に直接伝えることなく拡散さ せる役割をおう。又、非作動時にも外皮には他車から搭乗者が容易に確認できる 逆反射性テープ、蓋付き免許証小物入れポケット、透明ドキュメントホルダー、 パウチ式雨具入れ、デパックタイプ蓋付き物入れを備え二輪車等の搭乗者の一般 的使用状況に対応している。
【0008】 膨張気室は首、胸腹部と背中、腰部のそれぞれ3系統に独立して設けられ、逆 流防止バルブを備えた個別の内室及び外室を持つことにより、二酸化炭素ガス注 入エアライン及び逆流防止バルブの径と膨張気室容積の差から一定量の二酸化炭 素ガス量が二酸化炭素ガスシリンダーより供給された場合に生じる内圧の差を利 用し2段階に衝撃を吸収するものである。
【0009】 起動装置は外皮と外室の間に外皮を貫通する形で設けられ鍵により作動する。 作動は、鍵により押し込まれていた安全ピンが、ロータリーカムを固定する役割 よりスプリングの力で押し出される事で解放され、自由になったロータリーカム は同一のロータリーカム上に設けられたスプリングの力をかりてロータリーカム の支点の反対の一方に取り付けられた起動用ピンを作動させ、交換可能な二酸化 炭素ガスシリンダーの封印された口を開封することにより膨張気室に二酸化炭素 ガスの充填を行うものである。
【0010】 特徴的である鍵本体は球状である鍵に対し円筒形をなしており、二輪車等の交 通事故災害発生時に予測不能である、鍵本体正面180度四方の鍵の動作に対応 した形状として動作の死角を無くすものである。
【0011】 又、起動装置は非搭乗時に対応し、独立したロータリーカムを固定する安全装 置を備える。これは、ベスト着用、点検、二酸化炭素ガスシリンダーの交換等を 安全装置をかけた状態で行うことにより、無用な誤作動を回避することができる ものである。
【0012】 鍵は搭乗者が有効と判断し調整した一定の長さのケーブルの一端に、二輪車等 の車両の一部に固定する装置を備え、他の一端が球状のものである。これは、誤 作動を避けるため、二輪車等の搭乗に関する基本である車両と身体が離れない事 を原則として、交通事故災害発生時には、ほぼ搭乗者の身体と車両が物理的に離 されてしまう動きを、鍵本体より鍵が引き抜かれる事により搭乗者の判断を待つ 事なく自動的に瞬時に起動装置を作動させることで解決しているものである。
【0013】
【作用】
二輪車等の搭乗にはハンドルから手を離さない、常に身体でバランスをとる必 要がある等の特有の条件が存在するが、本考案はそのひとつ、あるいは全てが破 綻した時点において瞬時に起動することを物理的な条件で解決している。つまり 鍵の一端を二輪車等の車両に固定し、他の一端が鍵本体に装着され安全装置を解 除した状態で、搭乗者の身体が二輪車等の車両から離れた状況が発生すると、鍵 が鍵本体から物理的に引き離されることで自動的に起動装置が働き、起動用ピン が二酸化炭素ガスシリンダーの口を突き破る事により膨張気室に二酸化炭素ガス が充填され、これを着用している搭乗者が対象に激突する際の身体への衝撃を緩 和するものである。
【0014】 本考案は、二輪車等に特有の搭乗動作を起動要因とすることにより、二酸化炭 素ガス膨張装置が起動した交通事故災害時には、作動が数秒で完了し、その効果 の持続が必要とされるのも10秒以内である。
【0015】 本考案は、二輪車等の通常条件下における搭乗状況では二酸化炭素ガス膨張装 置は作動しない。又、安全装置を作動させた場合も同様に作動しないものである 。しかし、通常の条件下における搭乗状況の非作動状態においても逆反射テープ による他車からの確認度の向上、必要とされる収納部の一体化等による搭乗者の バランス性の向上も日常的な搭乗時における機能の充実といえる。
【0016】
【考案の実施の形態】
本考案は、一端に二輪車等に着脱可能であるが固定される装置、逆の一端に球 状の鍵を持ちそれを搭乗者が有効と判断し調整した一定の長さのケーブルでつな いだものと、搭乗者が着用するベスト形状の本体の二つを同時に使用することに より効果が得られるものである。 ベスト内部には非作動時には折畳まれて収納 される膨張気室、交換可能である二酸化炭素ガスシリンダー、鍵の作動を受けて 二酸化炭素ガスシリンダーに穴をあけ膨張気室に二酸化炭素ガスを注入する起動 装置があり、作動は一連の、鍵が鍵本体より引き抜かれる事からロータリーカム を押さえていた安全ピンがスプリングにより押し出されることにより起動され、 同時にスプリングにより引かれ回転するロータリーカムのスロープを走る起動用 ピンの先端が二酸化炭素ガスシリンダーの口を突いて二酸化炭素ガスをチャンバ ー、二酸化炭素ガスエアライン、逆流防止弁付バルブを通じて膨張気室内に噴出 させるものである。
【0017】
【実施例】
以下、添付図に従って実施例を説明する。 図1は、本考案の作動概念図であり二輪車搭乗中の搭乗者がどのような姿勢で 落車しようとも鍵が引き抜けて本考案が起動する状況をあらわしている。
【0018】 図2は、一端に二輪車等に着脱可能であるが固定される装置、逆の一端に球状 の鍵を持ちそれを搭乗者が有効と判断し調整した一定の長さのケーブルでつない だものであり、搭乗者の姿勢の破綻を本考案の装置の起動にむすびつけるもので ある。ケーブルは搭乗者が有効と判断した長さに調整爪により搭乗者が調整する 。 ケーブルの一端の固定装置は金属で、二輪車等に対する装着はねじ込み式によ り行われる。二輪車等にはその受け装置として同質の金属製でメスネジが切られ たものが取り付けられ、固定装置側はそれに対応してオスネジが切られたもので ある。ケーブルの逆の一端には樹脂製で球形の鍵が取り付けられ、ケーブルは防 錆と擦過傷防止の為ビニールチューブに覆われる。
【0019】 図3は、ベスト形状の本提案の本体である。本体は不燃性の化学合成繊維に防 水加工された外皮と内皮、外皮裏のポケットに挿入された膨張気室への摩擦衝撃 拡散目的の樹脂板、防食樹脂製ジッパー、ゴムと合成化学繊維の重層構造をもつ 無使用時には折畳まれ収納される膨張気室、ベスト内皮に縫合わされ、内皮と外 皮に包まれた膨張気室を搭乗者に固定する為のポリエステル製格子状織りベルト のハーネスとバックル、膨張気室に直結し二酸化炭素ガスを膨張気室に充填する 役割を持つ交換可能な二酸化炭素ガスシリンダー装着部と鍵本体を含む起動装置 からなる。
【0020】 図4は、ベスト形状の本体の非作動時外観前面図である。二輪車等の搭乗時の 状況から、他車から存在を確認しやすい逆反射性テープ、免許証や小銭等を収納 するポケットが雨除けの上ぶたと共に外皮上に取り付けられている。上ぶたはベ ルクロテープで固定でき収納された物は簡単には飛び出さない。又、胸部には外 部より一目で確認できる透明のホルダーが取り付けられ、内部のプラスチックカ ードには搭乗者の氏名、血液型、住所、生年月日、緊急連絡先等が記入されるこ とで交通事故災害時における第三者への貴重な情報提供となる。鍵が挿入される 鍵本体前面及び安全装置スイッチとリリースレバーは操作上からも外皮の上に設 置される。
【0021】 図5は、ベスト形状の本体の作動時外観前面図である。二酸化炭素ガスにより 膨張した膨張気室は、首回りに折畳まれて収納されていた第二膨張気室がスリッ トより飛び出し広角襟状に膨張し首と頭部を保護する。外皮内側の第一膨張気室 はベストの外皮と内皮をつなぐタックとベルクロテープを押し上げ膨張し、肩、 胸部、腹部、背中等を保護するものである。又、第三膨張気室は第二膨張気室の 下部に存在しベスト下面より広角座布団状に膨張し背中下部と腰を保護するもの である。図5中のaとbは膨張気室の折畳まれている状態から膨張した状態にお けるベルクロテープの動きを示すものである。
【0022】 図6は、ベスト形状の本体の作動時外観後面図である。二酸化炭素ガスにより 膨張した膨張気室は、第二膨張気室がスリットより飛び出し首と後頭部の保護に 当たり、前面より一体のベストが膨張した形状で第一膨張気室が、ベストの外皮 と内皮をつなぐタックとベルクロテープを押し上げ膨張することにより背中、体 側部等を保護する。又、第一膨張気室外皮上部には折畳み上蓋付デパックケース が、下部にはパウチ状の雨具等を収納する物入れを有し、搭乗者が余分の携行品 を身につけることからくるバランス性の低下を排除すると共に、前面同様に搭乗 者の存在位置表示用の逆反射性テープを備えるものである。第三膨張気室は第二 膨張気室の下部に存在し折畳まれ、非作動時はベルクロテープにより収納されて いるものであるが、作動時には広角座布団状に膨張し背中下部と腰を保護するも のである。
【0023】 図7は、ポリエステル製格子状織りベルトのハーネスの存在を示した図である 。ベスト形状の本体はハーネスにより基本的に搭乗者に固定され、バックルを施 錠した状態においては衝撃により脱落することはない。
【0024】 図8は、プラスチック樹脂製の起動装置正面内部の構造図である。起動装置は 鍵本体の鍵穴部と安全装置スイッチ、リリースレバーがベスト形状の本体外皮を 貫通して露出し、他は外皮と第一膨張気室の間だに設置されるものである。本図 はリリースレバーが引かれ、安全装置が掛けられた状態を示すものである。作動 は鍵が鍵本体に装着され、それが物理的な条件により脱落する事により起動され る。使用にあたり安全装置が解放された状態で鍵が鍵本体より脱落すると、鍵本 体底部の金属製安全ピンが同じく金属製のスプリングによりローラーカム上を滑 り押し出されることで起動装置の中心部であるロータリーカムが自由になり、ス プリングにより引かれ回転する事になる、スプリングの力はロータリーカムの中 心点を支点として力の方向を変え作用点に取り付けられた一方のカムを押し上げ 、押し上げられたカムのカムフェイス上を滑るローラーにより、同様に押し上げ られる金属製起動用ピンが二酸化炭素ガスシリンダーの封印された口を破り、二 酸化炭素ガスをチャンバーから二酸化炭素ガスエアライン、逆流防止弁付バルブ を通じ膨張気室に導くものである。なを、この起動装置は第一膨張室には直接取 り付けられる為第一膨張室への二酸化炭素ガスエアラインは存在しない。図8は 、図9の断面図であり、図9のB,B’を通りチャンバー、ロータリーカム、鍵 本体、安全ピン、安全装置スイッチ、起動用ピンの断面を示したものである。
【0025】 図9は、起動装置の側面の内部構造図である。起動装置は鍵本体の鍵穴部と安 全装置及びリリースレバーがベスト形状の本体外皮を貫通して露出し、他は外皮 と第一膨張気室の間におさめられ、チャンバーからの第一膨張室ガス流出口は直 接第一膨張室に取り付けられるものである。図はリリースレバーが引かれ、安全 装置が掛けられた状態において、鍵が鍵本体に挿入されている状態を示すもので ある。鍵はリリースレバーが引かれ安全装置が解除された状態においても、スプ リングとボールストッパーの働きにより安全ピンを押し出すスプリングの力とバ ランスしており、一定以上の物理的な力により鍵が引き抜かれぬ限り鍵本体での 位置を維持するものである。図9は、図8の断面図であり、図8のA,A’を通 りチャンバー、ロータリーカム、鍵本体、安全ピン、安全装置スイッチの断面を 示したものである。
【0026】 図10は、ゴムと化学合成繊維製の重層構造による第一膨張気室、第二膨張気 室、第三膨張気室の位置関係と起動装置、二酸化炭素ガスエアライン、チャンバ ー、逆流防止弁付バルブの関係をあらわす図である。二酸化炭素ガスシリンダー の封印された口が起動用ピンによって破られる事によりシリンダーから噴出した 二酸化炭素ガスはチャンバーから第二膨張気室、第三膨張気室へは二酸化炭素ガ スエアラインを抜け逆流防止弁付バルブを通り、第一膨張気室へは逆流防止弁付 バルブを通り直接導かれる。
【0027】 図11は、ゴムと化学合成繊維製の重層構造による膨張気室の内室と外室につ いてそれぞれの膨張気室を透視図化したものである。第一膨張気室及び第二膨張 気質室、第三膨張気室も形状と容量において異なるのみで作動に関しては同様で ある。チャンバーより二酸化炭素ガスエアラインを通り逆流防止弁付バルブを抜 けた二酸化炭素ガスはまず二重構造となっている膨張気室の内室へと導かれる、 内室には外室に抜ける逆流防止弁付バルブが取り付けられているがそのバルブ口 径は前段階において内室入口に取り付けられた逆流防止弁付バルブの口径よりも 小さく、よって二酸化炭素ガスの注入によって膨張した内室の内圧が高まるにつ れ二酸化炭素ガスは外室へと流出し外室を膨張させる。しかし本考案の作動条件 が数秒で作動し使用は10秒以内という条件下では一定の二酸化炭素ガス量と膨 張気室容量、逆流防止弁の働きにより内室の内圧の高まりに比べ外室の内圧は小 さくなる。又、逆流防止弁の働きで内室より外室への一定方向への二酸化炭素ガ スの動きはあるものの反対方向への動きは無いため、時間の流れの中で当初外室 の内部に存在する内室は外室に比べ自然に内圧が高い状況を生み、ついで次第に 同圧へと変化するものである。この初期に外室と内室に内圧の差が存在すること が、本考案において二酸化炭素ガスが衝撃を吸収する際に衝撃波を打ち消しあい 緩衝装置としての働きをするものである。本考案においては外室の内圧の低い膨 張気室が交通事故災害時の路上構造物等への第一回目の衝突の衝撃を大きく緩和 し、さらに第二の構造物へのリバウンドの誘発を停止する役目を受け持ち、より 搭乗者に近い位置に設けられた内圧の高い内室は衝撃から人体を保護するもので ある。
【0028】
【考案の効果】
本考案は、上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0029】 請求項1の緩衝機構として働く膨張気室においては、本考案の作動条件下の初 期時点において、逆流防止弁の口径差から発生する外室と内室の内圧の差を簡単 な構造で得ることにより、低圧と高圧の二段階の二酸化炭素ガス膨張気室による 有効な緩衝能力を得ている。
【0030】 請求項2の起動装置については、無使用時に対応する安全装置、本考案の起動 時の搭乗者の姿勢変化のいかんを問わず起動することができる形状と塵埃、雨水 、雪氷等一般的に考え得る環境に耐え得る密閉度を有し確実に起動するものであ る。
【0031】 請求項3の鍵については、交通事故災害時において搭乗者の姿勢の物理的変化 を物理的な鍵の作動と連動させることにより、搭乗者の判断を待たずして起動装 置を起動させるものである。鍵の形状はどのような姿勢の変化にも対応し単純な 構造は故障等を最小限にとどめるのみならず、搭乗者に使用時の状況を簡単に判 断させ誤動作を防ぐものである。
【0032】 請求項4のハーネスについては、内皮と外皮に包まれた膨張気室、デパックケ ース等の収納部をベスト本体と共に搭乗者に確実に固定し、バックルによる簡単 な着脱、調整が可能なものである。
【0033】 請求項5の逆反射性テープ、蓋付き免許証小物入れポケット、透明ドキュメン トホルダー、パウチ式雨具入れ、デパックタイプ蓋付き物入れは二酸化炭素ガス 膨張気室が非作動時においても二輪車等の搭乗者の一般的使用状況に対応し、機 能、バランスの向上を果たすものであり、本考案の使用目的とは切り離せないも のである。
【提出日】平成8年3月21日
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、二輪車等の搭乗者保護用具として非作動時にも機能的装備であり、 作動時には緩衝機構となる二重膨張気室を有するベスト状本体と、ベスト内の膨 張気室に交換可能な二酸化炭素ガス充填シリンダーより二酸化炭素ガスを注入す る起動装置、そして、それを作動させる鍵と鍵本体に関するものであり、その全 体が緊急保護用具として作動するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、二輪車等の搭乗者保護用具としては、搭乗者の頭部を保護する用具とし てヘルメット、特殊なレース活動等において飛石から体を保護するストーンガー ドと呼ばれるポリプロピレン製等の簡易な鎧状のもの、皮あるいは合皮製のレー シングスーツにプラスティック板や鉄板を摩擦に対する補強として挿入したもの 等が存在するが、本考案のように緊急時の物理的現象を起動要因として作動効果 するものは存在していない。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
二輪車等の交通事故災害時においては、搭乗者が何らかの要因において落車し 路上構造物あるいは路面、壁面に身体を強打し全身打撲、首、脊椎、胸骨等の骨 折、内臓破裂等により重傷または死亡する場合が多数をしめ、この結果、家族の 悲しみはもとより経済的な打撃も大きく、社会問題となっているのが現状である 。このような状況下において搭乗者の頭部保護に対するヘルメットの有効性は明 らかな進歩であったが、本考案は、非作動時においても搭乗者が日常経常的に使 用するにあたって充分機能的であり、本考案が起動する交通事故災害時には従来 無防備であった身体の首、胸部、腹部、背中、腰部を衝撃より保護し重傷あるい は死亡に至らしめまいとするものである。
【0004】 又、本考案の形状については、二輪車等の搭乗者特有の運動性と自由度を確保 するために非作動時はコンパクトな形状を持つものであると共に、搭乗者が他の リュックサック、パウチ等バランスを崩す要因を持つ物を別途使用せずとも、そ のものの有効な機能のみを本体に機能的に取りいれたものである。
【0005】 作動に関しては、作動鍵により単純ながら自動的でかつ確実に起動装置が働く ように考案されおり、搭乗者の意志に反して起こり得る交通事故災害による重傷 あるいは死亡事故の問題を、搭乗者が二輪車等に搭乗の際、無防備であるがため に発生する現状から解消しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は、二輪車等の搭乗者が着用するベスト状の本体に、折畳まれ収納され る内室外室の二重構造を持つ膨張気室を単数あるいは複数室設け、作動時には起 動装置に接続された交換可能な二酸化炭素ガス充填シリンダーより注入される二 酸化炭素ガスを、膨張気室に2段階に充填することにより瞬時に気室を膨張させ 、二輪車等の交通事故災害特有の状況といえる車両より投げ出された搭乗者が路 面、路上構造物、壁面等に激突する際の衝撃を緩和するものである。
【0007】 ベストの外皮裏は樹脂板が挿入され通常時は搭乗者の身体の冷えを緩和すると 共に交通事故災害発生時には摩擦、衝撃を膨張気室に直接伝えることなく拡散さ せる役割をおう。又、非作動時にも二層構造をもつ外皮には他車から搭乗者が容 易に確認できる逆反射性テープ、蓋付き免許証小物入れポケット、透明ドキュメ ントホルダー、パウチ式雨具入れ、デパックタイプ蓋付き物入れを備え二輪車等 の搭乗者の一般的使用状況に対応していると共に作動時には収納する携帯品を積 極的に衝撃時の緩衝材として使用する構造を持つものである
【0008】 膨張気室は単数あるいは複数設けられ、複数例としては首、胸腹部と背中、腰 部のそれぞれ3系統に独立し、単数複数共に逆流防止バルブを備えた個別の内室 及び外室を持つことにより、膨張気室ガス流入口、ガス注入エアライン及び逆流 防止バルブの径と膨張気室容積の差から、一定量のガス量が交換可能な二酸化炭 素ガス充填シリンダーより供給された場合に生じる内圧の差を利用し2段階に衝 撃を吸収するものである。
【0009】 起動装置は外皮と外室の間に外皮を貫通する形で設けられ鍵により作動する。 作動は、鍵により押し込まれていたリリースピンが、鍵が外れる事によりスプリ ングの力で押し出され ロータリーカムを固定する役割から解放され、それにより 自由になったロータリーカムは同一のロータリーカム上に設けられたスプリング の力をかりてロータリーカムの支点の反対の一方に取り付けられた起動用ピンを 作動させ、交換可能な二酸化炭素ガス充填シリンダーの封印された口を開封する ことにより膨張気室に二酸化炭素ガスの充填を行うものである。
【0010】 特徴的である鍵本体は球状である鍵に対し円筒で喇叭状の開口部形状を特徴と しており 、二輪車等の交通事故災害発生時に予測不能である、鍵本体正面180 度四方の鍵の動作に対応した形状により動作の死角を無くすものである。
【0011】 又、起動装置は非搭乗時に対応し、独立したロータリーカムを固定する安全装 置を備える。これは、ベスト着用、点検、二酸化炭素ガス充填シリンダーのガス シリンダーの交換作業を安全装置をかけた状態で行うことにより、無用な誤作動 を回避することができるものである。
【0012】 鍵は搭乗者が有効と判断し調整した一定の長さのケーブルの一端に、二輪車等 の車両の一部に固定する装置を備え、他の一端が球状のものである。これは、誤 作動を避けるため、二輪車等の搭乗に関する基本である車両と身体が離れない事 を原則として、交通事故災害発生時には、ほぼ搭乗者の身体と車両が物理的に離 されてしまう動きを、鍵本体より鍵が引き抜かれる事により搭乗者の判断を待つ 事なく自動的に瞬時に起動装置を作動させることで解決しているものである。
【0013】
【作用】
二輪車等の搭乗にはハンドルから手を離さない、常に身体でバランスをとる必 要がある等の特有の条件が存在するが、本考案はそのひとつ、あるいは全てが破 綻した時点において瞬時に起動することを物理的な条件で解決している。つまり 鍵の一端を二輪車等の車両に固定し、他の一端が鍵本体に装着され安全装置を解 除した状態で、搭乗者の身体が二輪車等の車両から離れた状況が発生すると、鍵 が鍵本体から物理的に引き離されることで自動的に起動装置が働き、起動用ピン が交換可能な二酸化炭素ガス充填シリンダーのシリンダー口を突き破る事により 膨張気室に二酸化炭素ガスが充填され、これを着用している搭乗者が対象に激突 する際の身体への衝撃を緩和するものである。
【0014】 本考案は、二輪車等に特有の搭乗動作を起動要因とすることにより、自動的に 二酸化炭素ガス膨張装置が起動した交通事故災害時には、作動が数秒で完了し、 その効果の持続が必要とされるのも10秒以内である。
【0015】 本考案は、二輪車等の通常条件下における搭乗状況では二酸化炭素ガス膨張装 置は作動しない。又、安全装置を作動させた場合も同様に作動しないものである 。しかし、通常の条件下における搭乗状況の非作動状態においても逆反射テープ による他車からの確認度の向上、必要とされる収納部の一体化等による搭乗者の バランス性の向上も日常的な搭乗時における機能の充実といえる。
【0016】
【考案の実施の形態】
本考案は、一端に二輪車等に着脱可能であるが固定される装置、逆の一端に球 状の鍵を持ちそれを搭乗者が有効と判断し調整した一定の長さのケーブルでつな いだものと、搭乗者が着用するベスト形状の本体の二つを同時に使用することに より効果が得られるものである。ベスト形状の本体内部には非作動時には折畳ま れて収納される膨張気室、交換可能である二酸化炭素ガス充填シリンダー、鍵の 作動を受けて二酸化炭素ガスシリンダーに穴をあけ膨張気室に二酸化炭素ガスを 注入する起動装置があり、作動は一連の、鍵が鍵本体より引き抜かれる事からロ ータリーカムを押さえていたリリースピンがスプリングにより押し出されること により起動され、同時にスプリングにより引かれ回転するロータリーカムのスロ ープを走る起動用ピンの先端が二酸化炭素ガス充填シリンダーのガスシリンダー 口を突いて二酸化炭素ガスをチャンバー、膨張気室ガス流入口、二酸化炭素ガス エアライン、逆流防止弁付バルブを通じて膨張気室内に噴出させるものである。
【0017】
【実施例】
以下、添付図に従って実施例を説明する。 図1は、本考案の作動概念図であり二輪車搭乗中の搭乗者がどのような姿勢で 落車しようとも鍵が引き抜けて本考案が起動する状況をあらわしている。
【0018】 図2は、一端に二輪車等に着脱可能であるが固定される装置、逆の一端に球状 の鍵を持ち、それを搭乗者が有効と判断し調整した一定の長さのケーブルでつな いだものであり、搭乗者の姿勢の破綻を本考案の装置の起動にむすびつけるもの である。ケーブルは搭乗者が有効と判断した長さに調整爪により搭乗者が調整す る。 ケーブルの一端の固定装置は金属で、二輪車等に対する装着はねじ込み式 により行われる。二輪車等にはその受け装置として同質の金属製でメスネジが切 られたものが取り付けられ、固定装置側はそれに対応してオスネジが切られたも のである。ケーブルの逆の一端には樹脂製で球形の鍵が取り付けられ、ケーブル は防錆と擦過傷防止の為ビニールチューブに覆われる。
【0019】 図3は、ベスト形状の本提案の本体である。本体は不燃性の化学合成繊維に防 水加工された二層構造の外皮と内皮、外皮裏のポケットに挿入された膨張気室へ の摩擦衝撃拡散目的の樹脂板、防食樹脂製ジッパー、ゴムと合成化学繊維の重層 構造をもつ無使用時には折畳まれ収納される二重構造の膨張気室、ベスト内皮に 縫合わされ内皮と外皮に包まれた膨張気室を搭乗者に固定する為のポリエステル 製格子状織りベルトのハーネスとバックル、膨張気室に直結し二酸化炭素ガスを 膨張気室に充填する役割を持つ交換可能な二酸化炭素ガス充填シリンダーの装着 部と鍵本体を含む起動装置からなる。
【0020】 図4は、ベスト形状の本体の非作動時外観前面図である。二輪車等の搭乗時の 状況から、他車から存在を確認しやすい逆反射性テープ、免許証や小銭等を収納 するポケットが雨除けの上ぶたと共に外皮上に取り付けられている。上ぶたはベ ルクロテープで固定でき収納された物は簡単には飛び出さない。又、胸部には外 部より一目で確認できる透明のホルダーが取り付けられ、内部のプラスチックカ ードには搭乗者の氏名、血液型、住所、生年月日、緊急連絡先等が記入されるこ とで交通事故災害時における第三者への貴重な情報提供となる。鍵が挿入される 鍵本体前面及び安全装置スイッチとチャージレバーは操作上からも外皮の上に設 置される。
【0021】 図5は、複数の膨張気室を持つベスト形状の本体の作動時外観前面図である。 二酸化炭素ガスにより膨張した膨張気室は、首回りに折畳まれて収納されていた 第二膨張気室がスリットより飛び出し広角襟状に膨張し首と頭部を保護するもの であり、二層構造を持つ 外皮内側の第一膨張気室はベストの外皮と内皮をつなぐ タックとベルクロテープを押し上げ膨張し、肩、胸部、腹部、背中等を保護する ものである。又、第三膨張気室は第二膨張気室の下部に存在しベスト下面より広 角座布団状に膨張し背中下部と腰を保護するものである。図5中のaとbは膨張 気室の折畳まれている状態から膨張した状態におけるベルクロテープの動きを示 すものである。
【0022】 図6は、ベスト形状の本体の作動時外観後面図である。二酸化炭素ガスにより 膨張した膨張気室は、第二膨張気室がスリットより飛び出し首と後頭部の保護に 当たり、前面より一体のベストが膨張した形状で、第一膨張気室がベスト状本体 外皮と内皮をつなぐタックとベルクロテープを押し上げ膨張することにより背 中、体側部等を保護する。又、第一膨張気室の外皮は二層構造となっており上部 には二層構造の内部を収納部とする折畳み上蓋付デパックケースが、下部には 様に パウチ状の雨具等を収納する物入れを有し、収納される搭乗者の日常的携帯 品を積極的に衝撃時の緩衝材として使用する構造であると共に 、搭乗者が余分の 携行品を身につけることからくるバランス性の低下を排除するものであり、前面 同様に搭乗者の存在位置表示用の逆反射性テープを備えるものである。第三膨張 気室は第二膨張気室の下部に存在し折畳まれ、非作動時はベルクロテープにより 収納されているものであるが、作動時には広角座布団状に膨張し背中下部と腰を 保護するものである。
【0023】 図7は、ポリエステル製格子状織りベルトのハーネスの存在を示した図である 。ハーネスは、ベスト形状の本体の内皮に縫い込まれ一体化される事により確実 にベスト状本体を搭乗者に固定し膨張気室の衝撃時のズレを防止すると共に、膨 張気室で緩和された衝撃に方向性を与え搭乗者の肩と腰により集中的に受け止め るものであり、簡単に着脱、調整が可能なバックルを備えるものである
【0024】 図8は、複数の膨張気室を持つプラスチック樹脂製の起動装置正面内部の構造 図である。起動装置は鍵本体の鍵穴部と安全装置スイッチ、チャージレバーがベ スト形状の本体外皮を貫通して露出し、他は外皮と第一膨張気室の間に設置され るものである。本図はチャージレバーが引かれ、安全装置が掛けられた状態を示 すものである。作動は鍵が鍵本体に装着され、それが物理的な条件により脱落す る事により起動される。使用にあたり安全装置が解放された状態で鍵が鍵本体よ り脱落すると、鍵本体底部の金属製リリースピンが同じく金属製のスプリングに よりローラーカム上を滑り押し出されることで起動装置の中心部であるロータリ ーカムが自由になり、スプリングにより引かれ回転する事になる。スプリングの 力はロータリーカムの中心点を支点として力の方向を変え作用点に取り付けられ た一方のカムを押し上げ、押し上げられたカムのカムフェイス上を滑るローラー により、同様に押し上げられる金属製起動用ピンが交換可能な二酸化炭素ガス充 填シリンダーの封印された口を破り、二酸化炭素ガスをチャンバーから二酸化炭 素ガスエアライン、逆流防止弁付バルブを通じ膨張気室に導くものである。なを 、この起動装置は第一膨張室には直接取り付けられる為第一膨張室への二酸化炭 素ガスエアラインは存在しない。図8は、図9の断面図であり、図9のB,B’ を通りチャンバー、ロータリーカム、鍵本体、リリースピン、安全装置スイッチ 、起動用ピンの断面を示したものである。
【0025】 図9は、複数の膨張気室を持つ起動装置の側面の内部構造図である。起動装置 は鍵本体の鍵穴部と安全装置及びチャージレバーがベスト形状の本体外皮を貫通 して露出し、他は外皮と第一膨張気室の間におさめられ、チャンバーからの第一 膨張室ガス流出口は直接第一膨張室に取り付けられるものである。図はチャージレバー が引かれ、安全装置が掛けられた状態において、鍵が鍵本体に挿入されて いる状態を示すものである。鍵はチャージレバーが引かれ安全装置が解除された 状態においても、スプリングとボールストッパーの働きによりリリースピンを押 し出すスプリングの力とバランスしており、一定以上の物理的な力により鍵が引 き抜かれぬ限り鍵本体での位置を維持するものである。図9は、図8の断面図で あり、図8のA,A’を通りチャンバー、ロータリーカム、鍵本体、リリースピ 、安全装置スイッチの断面を示したものである。
【0026】 図10は、ゴムと化学合成繊維製の重層構造による第一膨張気室、第二膨張気 室、第三膨張気室の位置関係と起動装置、二酸化炭素ガスエアライン、チャンバ ー、逆流防止弁付バルブの関係をあらわす複数の膨張気室の図である。交換可能 二酸化炭素ガス充填シリンダーの封印された口が起動用ピンによって破られる 事により、二酸化炭素ガスシリンダーから噴出した二酸化炭素ガスはチャンバー から第二膨張気室、第三膨張気室へは膨張気室ガス流入口、二酸化炭素ガスエア ラインを抜け逆流防止弁付バルブを通り、第一膨張気室へは膨張気室ガス流入口 、逆流防止弁付バルブを通り導かれる。
【0027】 図11は、ゴムと化学合成繊維製の重層構造による複数の膨張気室の内室と外 室についてそれぞれの膨張気室を透視図化したものである。第一膨張気室及び第 二膨張気室、第三膨張気室も形状と容量において異なるのみで作動に関しては同 様である。チャンバーより膨張気室ガス流入口、二酸化炭素ガスエアラインを通 り逆流防止弁付バルブを抜けた二酸化炭素ガスはまず二重構造となっている膨張 気室の内室へと導かれる、内室には外室に抜ける逆流防止弁付バルブが取り付け られているがそのバルブ口径は前段階において内室入口に取り付けられた膨張気 室ガス流入口 、逆流防止弁付バルブの口径よりも小さく、よって二酸化炭素ガス の注入によって膨張した内室の内圧が高まるにつれ二酸化炭素ガスは外室へと流 出し外室を膨張させる。しかし本考案の作動条件が数秒で作動し使用は10秒以 内という条件下では一定の二酸化炭素ガス量と膨張気室容量、逆流防止弁の働き により内室の内圧の高まりに比べ外室の内圧は小さくなる。又、逆流防止弁の働 きで内室より外室への一定方向への二酸化炭素ガスの動きはあるものの反対方向 への動きは無いため、時間の流れの中で当初外室の内部に存在する内室は外室に 比べ自然に内圧が高い状況を生み、ついで次第に同圧へと変化するものである。 この初期に外室と内室に内圧の差が存在することが、本考案において膨張気室が 衝撃を吸収する際に衝撃波を打ち消しあい緩衝装置としての働きをするものであ る。本考案においては外室の内圧の低い膨張気室が交通事故災害時の路上構造物 等への第一回目の衝突の衝撃を大きく緩和し、さらに第二の構造物へのリバウン ドの誘発を停止する役目を受け持ち、より搭乗者に近い位置に設けられた内圧の 高い内室は衝撃から人体を保護するものである。
【0028】
【考案の効果】
本考案は、上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0029】 請求項1の緩衝機構として働く膨張気室においては、本考案の作動条件下の初 期時点において、膨張気室ガス流入口、二酸化炭素ガスエアライン、逆流防止弁 の口径差から発生する外室と内室の内圧の差を簡単な構造で得ることにより、低 圧と高圧の二段階の二酸化炭素ガス膨張気室による有効な緩衝能力を得ている。
【0030】 請求項2の起動装置については、無使用時に対応する安全装置による安全固定 と安全装置を解除した状態における待機 、起動時に搭乗者の姿勢変化のいかんを 問わず起動を時間差なく作動させる事を、一つのロータリーカムの同軸上におい て行う作動構造と鍵本体の特徴的な円筒で喇叭状の開口部形状 、塵埃、雨水、雪 氷等一般的に考え得る環境に耐え得る密閉度を有する構造体により誤作動の可能 性を排除し 確実に作動させるものである。
【0031】 請求項3の鍵については、交通事故災害時において搭乗者の姿勢の物理的変化 を物理的な鍵の作動と連動させることにより、搭乗者の判断を待たずして起動装 置を起動させるものである。球形である鍵の形状は搭乗者のどのような姿勢の変 化にも対応し鍵本体のリリースピンを作動させ、単純な構造は故障等を最小限に とどめるのみならず、搭乗者に使用時の状況を簡単に判断させ誤動作を防ぐもの である。
【0032】 請求項4のポリエステル製格子状織りベルトのハーネスについては、ベスト形 状の本体の内皮に縫い込まれ一体化される事により 、内皮と外皮に包まれた膨張 気室、外皮の二層構造中のデパックケース等の収納部をベスト本体と共に搭乗者 に確実に固定し、膨張気室の衝撃時のズレを防止すると共に、膨張気室で緩和さ れた衝撃に方向性を与え搭乗者の肩と腰により集中的に受け止める効果がありさらに 簡単に着脱、調整が可能な施錠バックルを備えるものである。
【0033】 逆反射性テープ、蓋付き免許証小物入れポケット、透明ドキュメントホルダー 、パウチ式雨具入れ、デパックタイプ蓋付き物入れを備える繊維の方向性を変え た二層構造の外皮は衝撃時のベスト状本体の耐摩擦能力を増すと共に、内面を分 割区分することにより収納部とし、搭乗者力用常的に携行する携帯品を収納する ことで積極的に衝撃時の緩衝材として使用する構造を持つものである 。又、二酸 化炭素ガス膨張気室が非作動時においても上記の収納部は二輪車等の搭乗者の一 般的使用状況に対応し機能、バランスの向上を果たすものであり、本考案の使用 目的とは切り離せないものである。 (注)考案の詳細な説明中ベルクロテープは登録商標である。
【提出日】平成8年10月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、二輪車等の搭乗者保護用具として非作動時にも機能的装備であり、 作動時には緩衝機構となる二重膨張気室を有するベスト状本体と、ベスト内の膨 張気室に交換可能な二酸化炭素ガス充填シリンダーより二酸化炭素ガスを注入す る起動装置、そして、それを作動させる鍵と鍵本体に関するものであり、その全 体が緊急保護用具として作動するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、二輪車等の搭乗者保護用具としては、搭乗者の頭部を保護する用具とし てヘルメット、特殊なレース活動等において飛石から体を保護するストーンガー ドと呼ばれるポリプロピレン製等の簡易な鎧状のもの、皮あるいは合皮製のレー シングスーツにプラスティック板や鉄板を摩擦に対する補強として挿入したもの 等が存在するが、本考案のように緊急時の物理的現象を起動要因として作動効果 するものは存在していない。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
二輪車等の交通事故災害時においては、搭乗者が何らかの要因において落車し 路上構造物あるいは路面、壁面に身体を強打し全身打撲、首、脊椎、胸骨等の骨 折、内臓破裂等により重傷または死亡する場合が多数をしめ、この結果、家族の 悲しみはもとより経済的な打撃も大きく、社会問題となっているのが現状である 。このような状況下において搭乗者の頭部保護に対するヘルメットの有効性は明 らかな進歩であったが、本考案は、非作動時においても搭乗者が日常経常的に使 用するにあたって充分機能的であり、本考案が起動する交通事故災害時には従来 無防備であった身体の首、胸部、腹部、背中、腰部を衝撃より保護し重傷あるい は死亡に至らしめまいとするものである。
【0004】 又、本考案の形状については、二輪車等の搭乗者特有の運動性と自由度を確保 するために非作動時はコンパクトな形状を持つものであると共に、搭乗者が他の リュックサック、パウチ等バランスを崩す要因を持つ物を別途使用せずとも、そ のものの有効な機能のみを本体に機能的に取りいれたものである。
【0005】 作動に関しては、作動鍵により単純ながら自動的でかつ確実に起動装置が働く ように考案されおり、搭乗者の意志に反して起こり得る交通事故災害による重傷 あるいは死亡事故の問題を、搭乗者が二輪車等に搭乗の際、無防備であるがため に発生する現状から解消しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は、二輪車等の搭乗者が着用するベスト状の本体に、折畳まれ収納され る内室外室の二重構造を持つ膨張気室を単数あるいは複数室設け、作動時には起 動装置に接続された交換可能な二酸化炭素ガス充填シリンダーより注入される二 酸化炭素ガスを、膨張気室に2段階に充填することにより瞬時に気室を膨張させ 、二輪車等の交通事故災害特有の状況といえる車両より投げ出された搭乗者が路 面、路上構造物、壁面等に激突する際の衝撃を緩和するものである。
【0007】 ベストの外皮裏は樹脂板が挿入され通常時は搭乗者の身体の冷えを緩和すると 共に交通事故災害発生時には摩擦、衝撃を膨張気室に直接伝えることなく拡散さ せる役割をおう。又、非作動時にも二層構造をもつ外皮には他車から搭乗者が容 易に確認できる逆反射性テープ、蓋付き免許証小物入れポケット、透明ドキュメ ントホルダー、パウチ式雨具入れ、デパックタイプ蓋付き物入れを備え二輪車等 の搭乗者の一般的使用状況に対応していると共に作動時には収納する携帯品を積 極的に衝撃時の緩衝材として使用する構造を持つものである。
【0008】 膨張気室は単数あるいは複数設けられ、複数例としては首、胸腹部と背中、腰 部のそれぞれ3系統に独立し、単数複数共に逆流防止バルブを備えた個別の内室 及び外室を持つことにより、膨張気室ガス流入口、ガス注入エアライン及び逆流 防止バルブの径と膨張気室容積の差から、一定量のガス量が交換可能な二酸化炭 素ガス充填シリンダーより供給された場合に生じる内圧の差を利用し2段階に衝 撃を吸収するものである。
【0009】 起動装置は外皮と外室の間に外皮を貫通する形で設けられ鍵により作動する。 作動は、鍵により押し込まれていたリリースピンが、鍵が外れる事によりスプリ ングの力で押し出されロータリーカムを固定する役割から解放され、それにより 自由になったロータリーカムは同一のロータリーカム上に設けられたスプリング の力をかりてロータリーカムの支点の反対の一方に取り付けられた起動用ピンを 作動させ、交換可能な二酸化炭素ガス充填シリンダーの封印された日を開封する ことにより膨張気室に二酸化炭素ガスの充填を行うものである。
【0010】 特徴的である鍵本体は球状である鍵に対し円衝で喇叭状の開口部形状を特徴と しており、二輪車等の交通事故災害発生時に予測不能である、鍵本体正面180 度四方の鍵の動作に対応した形状により動作の死角を無くすものである。
【0011】 又、起動装置は非搭乗時に対応し、独立したロータリーカムを固定する安全装 置を備える。これは、ベスト着用、点検、二酸化炭素ガス充填シリンダーのガス シリンダーの交換作業を安全装置をかけた状態で行うことにより、無用な誤作動 を回避することができるものである。
【0012】 鍵は搭乗者が有効と判断し調整した一定の長さのケーブルの一端に、二輪車等 の車両の一部に固定する装置を備え、他の一端が球状のものである。これは、誤 作動を避けるため、二輪車等の搭乗に関する基本である車両と身体が離れない事 を原則として、交通事故災害発生時には、ほぼ搭乗者の身体と車両が物理的に離 されてしまう動きを、鍵本体より鍵が引き抜かれる事により搭乗者の判断を待つ 事なく自動的に瞬時に起動装置を作動させることで解決しているものである。
【0013】
【作用】
二輪車等の搭乗にはハンドルから手を離さない、常に身体でバランスをとる必 要がある等の特有の条件が存在するが、本考案はそのひとつ、あるいは全てが破 綻した時点において瞬時に起動することを物理的な条件で解決している。つまり 鍵の一端を二輪車等の車両に固定し、他の一端が鍵本体に装着され安全装置を解 除した状態で、搭乗者の身体が二輪車等の車両から離れた状況が発生すると、鍵 が鍵本体から物理的に引き離されることで自動的に起動装置が働き、起動用ピン が交換可能な二酸化炭素ガス充填シリンダーのシリンダー口を突き破る事により 膨張気室に二酸化炭素ガスが充填され、これを着用している搭乗者が対象に激突 する際の身体への衝撃を緩和するものである。
【0014】 本考案は、二輪車等に特有の搭乗動作を起動要因とすることにより、自動的に 二酸化炭素ガス膨張装置が起動した交通事故災害時には、作動が数秒で完了し、 その効果の持続が必要とされるのも10秒以内である。
【0015】 本考案は、二輪車等の通常条件下における搭乗状況では二酸化炭素ガス膨張装 置は作動しない。又、安全装置を作動させた場合も同様に作動しないものである 。しかし、通常の条件下における搭乗状況の非作動状態においても逆反射テープ による他車からの確認度の向上、必要とされる収納部の一体化等による搭乗者の バランス性の向上も日常的な搭乗時における機能の充実といえる。
【0016】
【考案の実施の形態】
本考案は、一端に二輪車等に着脱可能であるが固定される装置、逆の一端に球 状の鍵を持ちそれを搭乗者が有効と判断し調整した一定の長さのケーブルでつな いだものと、搭乗者が着用するベスト形状の本体の二つを同時に使用することに より効果が得られるものである。ベスト形状の本体内部には非作動時には折畳ま れて収納される膨張気室、交換可能である二酸化炭素ガス充填シリンダー、鍵の 作動を受けて二酸化炭素ガスシリンダーに穴をあけ膨張気室に二酸化炭素ガスを 注入する起動装置があり、作動は一連の、鍵が鍵本体より引き抜かれる事からロ ータリーカムを押さえていたリリースピンがスプリングにより押し出されること により起動され、同時にスプリングにより引かれ回転するロータリーカムのスロ ープを走る起動用ピンの先端が二酸化炭素ガス充填シリンダーのガスシリンダー 口を突いて二酸化炭素ガスをチャンバー、膨張気室ガス流入口、二酸化炭素ガス エアライン、逆流防止弁付バルブを通じて膨張気室内に噴出させるものである。
【0017】
【実施例】
以下、添付図に従って実施例を説明する。 図1は、本考案の作動概念図であり二輪車搭乗中の搭乗者がどのような姿勢で 落車しようとも鍵が引き抜けて本考案が起動する状況をあらわしている。
【0018】 図2は、一端に二輪車等に着脱可能であるが固定される装置、逆の一端に球状 の鍵を持ち、それを搭乗者が有効と判断し調整した一定の長さのケーブルでつな いだものであり、搭乗者の姿勢の破綻を本考案の装置の起動にむすびつけるもの である。ケーブルは搭乗者が有効と判断した長さに調整爪により搭乗者が調整す る。 ケーブルの一端の固定装置は金属で、二輪車等に対する装着はねじ込み式 により行われる。二輪車等にはその受け装置として同質の金属製でメスネジが切 られたものが取り付けられ、固定装置側はそれに対応してオスネジが切られたも のである。ケーブルの逆の一端には樹脂製で球形の鍵が取り付けられ、ケーブル は防錆と擦過傷防止の為ビニールチューブに覆われる。
【0019】 図3は、ベスト形状の本提案の本体である。本体は不燃性の化学合成繊維に防 水加工された二層構造の外皮と内皮、外皮裏のポケットに挿入された膨張気室へ の摩擦衝撃拡散目的の樹脂板、防食樹脂製ジッパー、ゴムと合成化学繊維の重層 構造をもつ無使用時には折畳まれ収納される二重構造の膨張気室、ベスト内皮に 縫合わされ内皮と外皮に包まれた膨張気室を搭乗者に固定する為のポリエステル 製格子状織りベルトのハーネスとバックル、膨張気室に直結し二酸化炭素ガスを 膨張気室に充填する役割を持つ交換可能な二酸化炭素ガス充填シリンダーの装着 部と鍵本体を含む起動装置からなる。
【0020】 図4は、ベスト形状の本体の非作動時外観前面図である。二輪車等の搭乗時の 状況から、他車から存在を確認しやすい逆反射性テープ、免許証や小銭等を収納 するポケットが雨除けの上ぶたと共に外皮上に取り付けられている。上ぶたはベ ルクロテープで固定でき収納された物は簡単には飛び出さない。又、胸部には外 部より一目で確認できる透明のホルダーが取り付けられ、内部のプラスチックカ ードには搭乗者の氏名、血液型、住所、生年月日、緊急連絡先等が記入されるこ とで交通事故災害時における第三者への貴重な情報提供となる。鍵が挿入される 鍵本体前面及び安全装置スイッチとチャージレバーは操作上からも外皮の上に設 置される。
【0021】 図5は、複数の膨張気室を持つベスト形状の本体の作動時外観前面図である。 二酸化炭素ガスにより膨張した膨張気室は、首回りに折畳まれて収納されていた 第二膨張気室がスリットより飛び出し広角襟状に膨張し首と頭部を保護するもの であり、二層構造を持つ外皮内側の第一膨張気室はベストの外皮と内皮をつなぐ タックとベルクロテープを押し上げ膨張し、肩、胸部、腹部、背中等を保護する ものである。又、第三膨張気室は第二膨張気室の下部に存在しベスト下面より広 角座布団状に膨張し背中下部と腰を保護するものである。図5中のaとbは膨張 気室の折畳まれている状態から膨張した状態におけるベルクロテープの動きを示 すものである。
【0022】 図6は、ベスト形状の本体の作動時外観後面図である。二酸化炭素ガスにより 膨張した膨張気室は、第二膨張気室がスリットより飛び出し首と後頭部の保護に 当たり、前面より一体のベストが膨張した形状で、第一膨張気室がベスト状本体 の外皮と内皮をつなぐタックとベルクロテープを押し上げ膨張することにより背 中、体側部等を保護する。又、第一膨張気室の外皮は二層構造となっており上部 には二層構造の内部を収納部とする折畳み上蓋付デパックケースが、下部には同 様にパウチ状の雨具等を収納する物入れを有し、収納される搭乗者の日常的携帯 品を積極的に衝撃時の緩衝材として使用する構造であると共に、搭乗者が余分の 携行品を身につけることからくるバランス性の低下を排除するものであり、前面 同様に搭乗者の存在位置表示用の逆反射性テープを備えるものである。第三膨張 気室は第二膨張気室の下部に存在し折畳まれ、非作動時はベルクロテープにより 収納されているものであるが、作動時には広角座布団状に膨張し背中下部と腰を 保護するものである。
【0023】 図7は、ポリエステル製格子状織りベルトのハーネスの存在を示した図である 。ハーネスは、ベスト形状の本体の内皮に縫い込まれ一体化される事により確実 にベスト状本体を搭乗者に固定し膨張気室の衝撃時のズレを防止すると共に、膨 張気室で緩和された衝撃に方向性を与え搭乗者の肩と腰により集中的に受け止め るものであり、簡単に着脱、調整が可能なバックルを備えるものである。
【0024】 図8は、複数の膨張気室を持つプラスチック樹脂製の起動装置正面内部の構造 図である。起動装置は鍵本体の鍵穴部と安全装置スイッチ、チャージレバーがベ スト形状の本体外皮を貫通して露出し、他は外皮と第一膨張気室の間に設置され るものである。本図はチャージレバーが引かれ、安全装置が掛けられた状態を示 すものである。作動は鍵が鍵本体に装着され、それが物理的な条件により脱落す る事により起動される。使用にあたり安全装置が解放された状態で鍵が鍵本体よ り脱落すると、鍵本体底部の金属製リリースピンが同じく金属製のスプリングに よりローラーカム上を滑り押し出されることで起動装置の中心部であるロータリ ーカムが自由になり、スプリングにより引かれ回転する事になる。スプリングの 力はロータリーカムの中心点を支点として力の方向を変え作用点に取り付けられ た一方のカムを押し上げ、押し上げられたカムのカムフェイス上を滑るローラー により、同様に押し上げられる金属製起動用ピンが交換可能な二酸化炭素ガス充 填シリンダーの封印された口を破り、二酸化炭素ガスをチャンバーから二酸化炭 素ガスエアライン、逆流防止弁付バルブを通じ膨張気室に導くものである。なを 、この起動装置は第一膨張室には直接取り付けられる為第一膨張室への二酸化炭 素ガスエアラインは存在しない。図8は、図9の断面図であり、図9のB,B’ を通りチャンバー、ロータリーカム、鍵本体、リリースピン、安全装置スイッチ 、起動用ピンの断面を示したものである。
【0025】 図9は、複数の膨張気室を持つ起動装置の側面の内部構造図である。起動装置 は鍵本体の鍵穴部と安全装置及びチャージレバーがベスト形状の本体外皮を貫通 して露出し、他は外皮と第一膨張気室の間におさめられ、チャンバーからの第一 膨張室ガス流出口は直接第一膨張室に取り付けられるものである。図はチャージ レバーが引かれ、安全装置が掛けられた状態において、鍵が鍵本体に挿入されて いる状態を示すものである。鍵はチャージレバーが引かれ安全装置が解除された 状態においても、スプリングとボールストッパーの働きによりリリースピンを押 し出すスプリングの力とバランスしており、一定以上の物理的な力により鍵が引 き抜かれぬ限り鍵本体での位置を維持するものである。図9は、図8の断面図で あり、図8のA.A’を通りチャンバー、ロータリーカム、鍵本体、リリースピ ン、安全装置スイッチの断面を示したものである。
【0026】 図10は、ゴムと化学合成繊維製の重層構造による第一膨張気室、第二膨張気 室、第三膨張気室の位置関係と起動装置、二酸化炭素ガスエアライン、チャンバ ー、逆流防止弁付バルブの関係をあらわす複数の膨張気室の図である。交換可能 な二酸化炭素ガス充填シリンダーの封印された口が起動用ピンによって破られる 事により、二酸化炭素ガスシリンダーから噴出した二酸化炭素ガスはチャンバー から第二膨張気室、第三膨張気室へは膨張気室ガス流入口、二酸化炭素ガスエア ラインを抜け逆流防止弁付バルブを通り、第一膨張気室へは膨張気室ガス流入口 、逆流防止弁付バルブを通り導かれる。
【0027】 図11は、ゴムと化学合成繊維製の重層構造による複数の膨張気室の内室と外 室についてそれぞれの膨張気室を透視図化したものである。第一膨張気室及び第 二膨張気室、第三膨張気室も形状と容量において異なるのみで作動に関しては同 様である。チャンバーより膨張気室ガス流入口、二酸化炭素ガスエアラインを通 り逆流防止弁付バルブを抜けた二酸化炭素ガスはまず二重構造となっている膨張 気室の内室へと導かれる、内室には外室に抜ける逆流防止弁付バルブが取り付け られているがそのバルブ口径は前段階において内室入口に取り付けられた膨張気 室ガス流入口、逆流防止弁付バルブの口径よりも小さく、よって二酸化炭素ガス の注入によって膨張した内室の内圧が高まるにつれ二酸化炭素ガスは外室へと流 出し外室を膨張させる。しかし本考案の作動条件が数秒で作動し使用は10秒以 内という条件下では一定の二酸化炭素ガス量と膨張気室容量、逆流防止弁の働き により内室の内圧の高まりに比べ外室の内圧は小さくなる。又、逆流防止弁の働 きで内室より外室への一定方向への二酸化炭素ガスの動きはあるものの反対方向 への動きは無いため、時間の流れの中で当初外室の内部に存在する内室は外室に 比べ自然に内圧が高い状況を生み、ついで次第に同圧へと変化するものである。 この初期に外室と内室に内圧の差が存在することが、本考案において膨張気室が 衝撃を吸収する際に衝撃波を打ち消しあい緩衝装置としての働きをするものであ る。本考案においては外室の内圧の低い膨張気室が交通事故災害時の路上構造物 等への第一回目の衝突の衝撃を大きく緩和し、さらに第二の構造物へのリバウン ドの誘発を停止する役目を受け持ち、より搭乗者に近い位置に設けられた内圧の 高い内室は衝撃から人体を保護するものである。
【0028】
【考案の効果】 本考案は、上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0029】 請求項1の緩衝機構として働く膨張気室においては、本考案の作動条件下の初 期時点において、膨張気室ガス流入口、二酸化炭素ガスエアライン、逆流防止弁 の口径差から発生する外室と内室の内圧の差を簡単な構造で得ることにより、低 圧と高圧の二段階の二酸化炭素ガス膨張気室による有効な緩衝能力を得ている。
【0030】 請求項2の起動装置については、無使用時に対応する安全装置による安全固定 と安全装置を解除した状態における待機、起動時に搭乗者の姿勢変化のいかんを 問わず起動を時間差なく作動させる事を、一つのロータリーカムの同軸上におい て行う作動構造と鍵本体の特徴的な円筒で喇叭状の開口部形状、塵埃、雨水、雪 氷等一般的に考え得る環境に耐え得る密閉度を有する構造体により誤作動の可能 性を排除し確実に作動させるものである。
【0031】 請求項3の鍵については、交通事故災害時において搭乗者の姿勢の物理的変化 を物理的な鍵の作動と連動させることにより、搭乗者の判断を待たずして起動装 置を起動させるものである。球形である鍵の形状は搭乗者のどのような姿勢の変 化にも対応し鍵本体のリリースピンを作動させ、単純な構造は故障等を最小限に とどめるのみならず、搭乗者に使用時の状況を簡単に判断させ誤動作を防ぐもの である。
【0032】 請求項4のポリエステル製格子状織りベルトのハーネスについては、ベスト形 状の本体の内皮に縫い込まれ一体化される事により、内皮と外皮に包まれた膨張 気室、外皮の二層構造中のデパックケース等の収納部をベスト本体と共に搭乗者 に確実に固定し、膨張気室の衝撃時のズレを防止すると共に、膨張気室で緩和さ れた衝撃に方向性を与え搭乗者の肩と腰により集中的に受け止める効果があり、 さらに簡単に着脱、調整が可能な施錠バックルを備えるものである。
【0033】 逆反射性テープ、蓋付き免許証小物入れポケット、透明ドキュメントホルダー 、パウチ式雨具入れ、デパックタイプ蓋付き物入れを備える繊維の方向性を変え た二層構造の外皮は衝撃時のベスト状本体の耐摩擦能力を増すと共に、内面を分 割区分することにより収納部とし、搭乗者が日常的に携行する携帯品を収納する ことで積極的に衝撃時の緩衝材として使用する構造を持つものである。又、二酸 化炭素ガス膨張気室が非作動時においても上記の収納部は二輪車等の搭乗者の一 般的使用状況に対応し機能、バランスの向上を果たすものであり、本考案の使用 目的とは切り離せないものである。
【提出日】平成9年4月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、二輪車等の搭乗者保護用具として非作動時にも機能的装備であり、 作動時には緩衝機構となる二重膨張気室を有するベスト状本体と、ベスト内の膨 張気室に交換可能な二酸化炭素ガス充填シリンダーより二酸化炭素ガスを注入す る起動装置、そして、それを作動させる鍵と鍵本体に関するものであり、その全 体が緊急保護用具として作動するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、二輪車等の搭乗者保護用具としては、搭乗者の頭部を保護する用具とし てヘルメット、特殊なレース活動等において飛石から体を保護するストーンガー ドと呼ばれるポリプロピレン製等の簡易な鎧状のもの、皮あるいは合皮製のレー シングスーツにプラスティック板や鉄板を摩擦に対する補強として挿入したもの 等が存在するが、本考案のように緊急時の物理的現象を起動要因として作動効果 するものは存在していない。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
二輪車等の交通事故災害時においては、搭乗者が何らかの要因において落車し 路上構造物あるいは路面、壁面に身体を強打し全身打撲、首、脊椎、胸骨等の骨 折、内臓破裂等により重傷または死亡する場合が多数をしめ、この結果、家族の 悲しみはもとより経済的な打撃も大きく、社会問題となっているのが現状である 。このような状況下において搭乗者の頭部保護に対するヘルメットの有効性は明 らかな進歩であったが、本考案は、非作動時においても搭乗者が日常経常的に使 用するにあたって充分機能的であり、本考案が起動する交通事故災害時には従来 無防備であった身体の首、胸部、腹部、背中、腰部を衝撃より保護し重傷あるい は死亡に至らしめまいとするものである。
【0004】 又、本考案の形状については、二輪車等の搭乗者特有の運動性と自由度を確保 するために非作動時はコンパクトな形状を持つものであると共に、搭乗者が他の リュックサック、パウチ等バランスを崩す要因を持つ物を別途使用せずとも、そ ものの有効な機能のみを本体に機能的に取りいれたものである。
【0005】 作動に関しては、作動鍵により単純ながら自動的でかつ確実に起動装置が働く ように考案されおり、搭乗者の意志に反して起こり得る交通事故災害による重傷 あるいは死亡事故の問題を、搭乗者が二輪車等に搭乗の際、無防備であるがため に発生する現状から解消しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は、二輪車等の搭乗者が着用するベスト状の本体に、折畳まれ収納され る内室外室の二重構造を持つ膨張気室を単数あるいは複数室設け、作動時には起 動装置に接続された交換可能な二酸化炭素ガス充填シリンダーより注入される二 酸化炭素ガスを、膨張気室に2段階に充填することにより瞬時に気室を膨張させ 、二輪車等の交通事故災害特有の状況といえる車両より投げ出された搭乗者が路 面、路上構造物、壁面等に激突する際の衝撃を緩和するものである。
【0007】 ベストの外皮裏は樹脂板が挿入され通常時は搭乗者の身体の冷えを緩和すると 共に交通事故災害発生時には摩擦、衝撃を膨張気室に直接伝えることなく拡散さ せる役割をおう。又、非作動時にも二層構造をもつ外皮には他車から搭乗者が容 易に確認できる逆反射性テープ、蓋付き免許証小物入れポケット、透明ドキュメ ントホルダー、パウチ式雨具入れ、デパックタイプ蓋付き物入れを備え二輪車等 の搭乗者の一般的使用状況に対応していると共に作動時には収納する携帯品を積 極的に衝撃時の緩衝材として使用する構造を持つものである。
【0008】 膨張気室は単数あるいは複数設けられ、複数例としては首、胸腹部と背中、腰 部のそれぞれ3系統に独立し、単数複数共に逆流防止バルブを備えた個別の内室 及び外室を持つことにより、膨張気室ガス流入口、ガス注入エアライン及び逆流 防止バルブの径と膨張気室容積の差から、一定量のガス量が交換可能な二酸化炭 素ガス充填シリンダーより供給された場合に生じる内圧の差を利用し2段階に衝 撃を吸収するものである。
【0009】 起動装置は外皮と外室の間に外皮を貫通する形で設けられ鍵により作動する。 作動は、鍵により押し込まれていたリリースピンが、鍵が外れる事によりスプリ ングの力で押し出されロータリーカムを固定する役割から解放され、それにより 自由になったロータリーカムは同一のロータリーカム上に設けられたスプリング の力をかりてロータリーカムの支点の反対の一方に取り付けられた起動用ピンを 作動させ、交換可能な二酸化炭素ガス充填シリンダーの封印された口を開封する ことにより膨張気室に二酸化炭素ガスの充填を行うものである。
【0010】 特徴的である鍵本体は球状である鍵に対し円筒で喇叭状の開口部形状を特徴と しており、二輪車等の交通事故災害発生時に予測不能である、鍵本体正面180 度四方の鍵の動作に対応した形状により動作の死角を無くすものである。
【0011】 又、起動装置は非搭乗時に対応し、独立したロータリーカムを固定する安全装 置を備える。これは、ベスト着用、点検、二酸化炭素ガス充填シリンダーのガス シリンダーの交換作業を安全装置をかけた状態で行うことにより、無用な誤作動 を回避することができるものである。
【0012】 鍵は搭乗者が有効と判断し調整した一定の長さのケーブルの一端に、二輪車等 の車両の一部に固定する装置を備え、他の一端が球状のものである。これは、誤 作動を避けるため、二輪車等の搭乗に関する基本である車両と身体が離れない事 を原則として、交通事故災害発生時には、ほぼ搭乗者の身体と車両が物理的に離 されてしまう動きを、鍵本体より鍵が引き抜かれる事により搭乗者の判断を待つ 事なく自動的に瞬時に起動装置を作動させることで解決しているものである。
【0013】
【作用】
二輪車等の搭乗にはハンドルから手を離さない、常に身体でバランスをとる必 要がある等の特有の条件が存在するが、本考案はそのひとつ、あるいは全てが破 綻した時点において瞬時に起動することを物理的な条件で解決している。つまり 鍵の一端を二輪車等の車両に固定し、他の一端が鍵本体に装着され安全装置を解 除した状態で、搭乗者の身体が二輪車等の車両から離れた状況が発生すると、鍵 が鍵本体から物理的に引き離されることで自動的に起動装置が働き、起動用ピン が交換可能な二酸化炭素ガス充填シリンダーのシリンダー口を突き破る事により 膨張気室に二酸化炭素ガスが充填され、これを着用している搭乗者が対象に激突 する際の身体への衝撃を緩和するものである。
【0014】 本考案は、二輪車等に特有の搭乗動作を起動要因とすることにより、自動的に 二酸化炭素ガス膨張装置が起動した交通事故災害時には、作動が数秒で完了し、 その効果の持続が必要とされるのも10秒以内である。
【0015】 本考案は、二輪車等の通常条件下における搭乗状況では二酸化炭素ガス膨張装 置は作動しない。又、安全装置を作動させた場合も同様に作動しないものである 。しかし、通常の条件下における搭乗状況の非作動状態においても逆反射テープ による他車からの確認度の向上、必要とされる収納部の一体化等による搭乗者の バランス性の向上も日常的な搭乗時における機能の充実といえる。
【0016】
【考案の実施の形態】
本考案は、一端に二輪車等に着脱可能であるが固定される装置、逆の一端に球 状の鍵を持ちそれを搭乗者が有効と判断し調整した一定の長さのケーブルでつな いだものと、搭乗者が着用するベスト形状の本体の二つを同時に使用することに より効果が得られるものである。ベスト形状の本体内部には非作動時には折畳ま れて収納される膨張気室、交換可能である二酸化炭素ガス充填シリンダー、鍵の 作動を受けて二酸化炭素ガスシリンダーに穴をあけ膨張気室に二酸化炭素ガスを 注入する起動装置があり、作動は一連の、鍵が鍵本体より引き抜かれる事からロ ータリーカムを押さえていたリリースピンがスプリングにより押し出されること により起動され、同時にスプリングにより引かれ回転するロータリーカムのスロ ープを走る起動用ピンの先端が二酸化炭素ガス充填シリンダーのガスシリンダー 口を突いて二酸化炭素ガスをチャンバー、膨張気室ガス流入口、二酸化炭素ガス エアライン、逆流防止弁付バルブを通じて膨張気室内に噴出させるものである。
【0017】
【実施例】
以下、添付図に従って実施例を説明する。 図1は、本考案の作動概念図であり二輪車搭乗中の搭乗者がどのような姿勢で 落車しようとも鍵が引き抜けて本考案が起動する状況をあらわしている。
【0018】 図2は、一端に二輪車等に着脱可能であるが固定される装置、逆の一端に球状 の鍵を持ち、それを搭乗者が有効と判断し調整した一定の長さのケーブルでつな いだものであり、搭乗者の姿勢の破綻を本考案の装置の起動にむすびつけるもの である。ケーブルは搭乗者が有効と判断した長さに調整爪により搭乗者が調整す る。ケーブルの一端の固定装置は金属で、二輪車等に対する装着はねじ込み式に より行われる。二輪車等にはその受け装置として同質の金属製でメスネジが切ら れたものが取り付けられ、固定装置側はそれに対応してオスネジが切られたもの である。ケーブルの逆の一端には樹脂製で球形の鍵が取り付けられ、ケーブルは 防錆と擦過傷防止の為ビニールチューブに覆われる。
【0019】 図3は、ベスト形状の本提案の本体である。本体は不燃性の化学合成繊維に防 水加工された二層構造の外皮と内皮、外皮裏のポケットに挿入された膨張気室へ の摩擦衝撃拡散目的の樹脂板、防食樹脂製ジッパー、ゴムと合成化学繊維の重層 構造をもつ無使用時には折畳まれ収納される二重構造の膨張気室、ベスト内皮に 縫合わされ内皮と外皮に包まれた膨張気室を搭乗者に固定する為のポリエステル 製格子状織りベルトのハーネスとバックル、膨張気室に直結し二酸化炭素ガスを 膨張気室に充填する役割を持つ交換可能な二酸化炭素ガス充填シリンダーの装着 部と鍵本体を含む起動装置からなる。
【0020】 図4は、ベスト形状の本体の非作動時外観前面図である。二輪車等の搭乗時の 状況から、他車から存在を確認しやすい逆反射性テープ、免許証や小銭等を収納 するポケットが雨除けの上ぶたと共に外皮上に取り付けられている。上ぶたはベ ルクロテープで固定でき収納された物は簡単には飛び出さない。又、胸部には外 部より一目で確認できる透明のホルダーが取り付けられ、内部のプラスチックカ ードには搭乗者の氏名、血液型、住所、生年月日、緊急連絡先等が記入されるこ とで交通事故災害時における第三者への貴重な情報提供となる。鍵が挿入される 鍵本体前面及び安全装置スイッチとチャージレバーは操作上からも外皮の上に設 置される。
【0021】 図5は、複数の膨張気室を持つベスト形状の本体の作動時外観前面図である。 二酸化炭素ガスにより膨張した膨張気室は、首回りに折畳まれて収納されていた 第二膨張気室がスリットより飛び出し広角襟状に膨張し首と頭部を保護するもの であり、二層構造を持つ外皮内側の第一膨張気室はベストの外皮と内皮をつなぐ タックとベルクロテープを押し上げ膨張し、肩、胸部、腹部、背中等を保護する ものである。又、第三膨張気室は第二膨張気室の下部に存在しベスト下面より広 角座布団状に膨張し背中下部と腰を保護するものである。図5中のaとbは膨張 気室の折畳まれている状態から膨張した状態におけるベルクロテープの動きを示 すものである。
【0022】 図6は、ベスト形状の本体の作動時外観後面図である。二酸化炭素ガスにより 膨張した膨張気室は、第二膨張気室がスリットより飛び出し首と後頭部の保護に 当たり、前面より一体のベストが膨張した形状で、第一膨張気室がベスト状本体 の外皮と内皮をつなぐタックとベルクロテープを押し上げ膨張することにより背 中、体側部等を保護する。又、第一膨張気室の外皮は二層構造となっており上部 には二層構造の内部を収納部とする折畳み上蓋付デパックケースが、下部には同 様にパウチ状の雨具等を収納する物入れを有し、収納される搭乗者の日常的携帯 品を積極的に衝撃時の緩衝材として使用する構造であると共に、搭乗者が余分の 携行品を身につけることからくるバランス性の低下を排除するものであり、前面 同様に搭乗者の存在位置表示用の逆反射性テープを備えるものである。第三膨張 気室は第二膨張気室の下部に存在し折畳まれ、非作動時はベルクロテープにより 収納されているものであるが、作動時には広角座布団状に膨張し背中下部と腰を 保護するものである。
【0023】 図7は、ポリエステル製格子状織りベルトのハーネスの存在を示した図である 。ハーネスは、ベスト形状の本体の内皮に縫い込まれ一体化される事により確実 にベスト状本体を搭乗者に固定し膨張気室の衝撃時のズレを防止すると共に、膨 張気室で緩和された衝撃に方向性を与え搭乗者の肩と腰により集中的に受け止め るものであり、簡単に着脱、調整が可能なバックルを備えるものである。
【0024】 図8は、複数の膨張気室を持つプラスチック樹脂製の起動装置正面内部の構造 図である。起動装置は鍵本体の鍵穴部と安全装置スイッチ、チャージレバーがベ スト形状の本体外皮を貫通して露出し、他は外皮と第一膨張気室の間に設置され るものである。本図はチャージレバーが引かれ、安全装置が掛けられた状態を示 すものである。作動は鍵が鍵本体に装着され、それが物理的な条件により脱落す る事により起動される。使用にあたり安全装置が解放された状態で鍵が鍵本体よ り脱落すると、鍵本体底部の金属製リリースピンが同じく金属製のスプリングに よりローラーカム上を滑り押し出されることで起動装置の中心部であるロータリ ーカムが自由になり、スプリングにより引かれ回転する事になる。スプリングの 力はロータリーカムの中心点を支点として力の方向を変え作用点に取り付けられ た一方のカムを押し上げ、押し上げられたカムのカムフェイス上を滑るローラー により、同様に押し上げられる金属製起動用ピンが交換可能な二酸化炭素ガス充 填シリンダーの封印された口を破り、二酸化炭素ガスをチャンバーから二酸化炭 素ガスエアライン、逆流防止弁付バルブを通じ膨張気室に導くものである。なを 、この起動装置は第一膨張室には直接取り付けられる為第一膨張室への二酸化炭 素ガスエアラインは存在しない。図8は、図9の断面図であり、図9のB,B’ を通りチャンバー、ロータリーカム、鍵本体、リリースピン、安全装置スイッチ 、起動用ピンの断面を示したものである。
【0025】 図9は、複数の膨張気室を持つ起動装置の側面の内部構造図である。起動装置 は鍵本体の鍵穴部と安全装置及びチャージレバーがベスト形状の本体外皮を貫通 して露出し、他は外皮と第一膨張気室の間におさめられ、チャンバーからの第一 膨張室ガス流出口は直接第一膨張室に取り付けられるものである。図はチャージ レバーが引かれ、安全装置が掛けられた状態において、鍵が鍵本体に挿入されて いる状態を示すものである。鍵はチャージレバーが引かれ安全装置が解除された 状態においても、スプリングとボールストッパーの働きによりリリースピンを押 し出すスプリングの力とバランスしており、一定以上の物理的な力により鍵が引 き抜かれぬ限り鍵本体での位置を維持するものである。図9は、図8の断面図で あり、図8のA,A’を通りチャンバー、ロータリーカム、鍵本体、リリースピ ン、安全装置スイッチの断面を示したものである。
【0026】 図10は、ゴムと化学合成繊維製の重層構造による第一膨張気室、第二膨張気 室、第三膨張気室の位置関係と起動装置、二酸化炭素ガスエアライン、チャンバ ー、逆流防止弁付バルブの関係をあらわす複数の膨張気室の図である。交換可能 な二酸化炭素ガス充填シリンダーの封印された口が起動用ピンによって破られる 事により、二酸化炭素ガスシリンダーから噴出した二酸化炭素ガスはチャンバー から第二膨張気室、第三膨張気室へは膨張気室ガス流入口、二酸化炭素ガスエア ラインを抜け逆流防止弁付バルブを通り、第一膨張気室へは膨張気室ガス流入口 、逆流防止弁付バルブを通り導かれる。
【0027】 図11は、ゴムと化学合成繊維製の重層構造による複数の膨張気室の内室と外 室についてそれぞれの膨張気室を透視図化したものである。第一膨張気室及び第 二膨張気室、第三膨張気室も形状と容量において異なるのみで作動に関しては同 様である。チャンバーより膨張気室ガス流入口、二酸化炭素ガスエアラインを通 り逆流防止弁付バルブを抜けた二酸化炭素ガスはまず二重構造となっている膨張 気室の内室へと導かれる、内室には外室に抜ける逆流防止弁付バルブが取り付け られているがそのバルブ口径は前段階において内室入口に取り付けられた膨張気 室ガス流入口、逆流防止弁付バルブの口径よりも小さく、よって二酸化炭素ガス の注入によって膨張した内室の内圧が高まるにつれ二酸化炭素ガスは外室へと流 出し外室を膨張させる。しかし本考案の作動条件が数秒で作動し使用は10秒以 内という条件下では一定の二酸化炭素ガス量と膨張気室容量、逆流防止弁の働き により内室の内圧の高まりに比べ外室の内圧は小さくなる。又、逆流防止弁の働 きで内室より外室への一定方向への二酸化炭素ガスの動きはあるものの反対方向 への動きは無いため、時間の流れの中で当初外室の内部に存在する内室は外室に 比べ自然に内圧が高い状況を生み、ついで次第に同圧へと変化するものである。 この初期に外室と内室に内圧の差が存在することが、本考案において膨張気室が 衝撃を吸収する際に衝撃波を打ち消しあい緩衝装置としての働きをするものであ る。本考案においては外室の内圧の低い膨張気室が交通事故災害時の路上構造物 等への第一回目の衝突の衝撃を大きく緩和し、さらに第二の構造物へのリバウン ドの誘発を停止する役目を受け持ち、より搭乗者に近い位置に設けられた内圧の 高い内室は衝撃から人体を保護するものである。
【0028】
【考案の効果】 本考案は、上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0029】 請求項1の緩衝機構として働く膨張気室においては、本考案の作動条件下の初 期時点において、膨張気室ガス流入口、二酸化炭素ガスエアライン、逆流防止弁 の口径差から発生する外室と内室の内圧の差を簡単な構造で得ることにより、低 圧と高圧の二段階の二酸化炭素ガス膨張気室による有効な緩衝能力を得ている。
【0030】 請求項2の起動装置については、無使用時に対応する安全装置による安全固定 と安全装置を解除した状態における待機、起動時に搭乗者の姿勢変化のいかんを 問わず起動を時間差なく作動させる事を、一つのロータリーカムの同軸上におい て行う作動構造と鍵本体の特徴的な円筒で喇叭状の開口部形状、塵埃、雨水、雪 氷等一般的に考え得る環境に耐え得る密閉度を有する構造体により誤作動の可能 性を排除し確実に作動させるものである。
【0031】 請求項3の鍵については、交通事故災害時において搭乗者の姿勢の物理的変化 を物理的な鍵の作動と連動させることにより、搭乗者の判断を待たずして起動装 置を起動させるものである。球形である鍵の形状は搭乗者のどのような姿勢の変 化にも対応し鍵本体のリリースピンを作動させ、単純な構造は故障等を最小限に とどめるのみならず、搭乗者に使用時の状況を簡単に判断させ誤動作を防ぐもの である。
【0032】 請求項4のポリエステル製格子状織りベルトのハーネスについては、ベスト形 状の本体の内皮に縫い込まれ一体化される事により、内皮と外皮に包まれた膨張 気室、外皮の二層構造中のデパックケース等の収納部をベスト本体と共に搭乗者 に確実に固定し、膨張気室の衝撃時のズレを防止すると共に、膨張気室で緩和さ れた衝撃に方向性を与え搭乗者の肩と腰により集中的に受け止める効果があり、 さらに簡単に着脱、調整が可能な施錠バックルを備えるものである。
【0033】 逆反射性テープ、蓋付き免許証小物入れポケット、透明ドキュメントホルダー 、パウチ式雨具入れ、デパックタイプ蓋付き物入れを備える繊維の方向性を変え た二層構造の外皮は衝撃時のベスト状本体の耐摩擦能力を増すと共に、内面を分 割区分することにより収納部とし、搭乗者が日常的に携行する携帯品を収納する ことで積極的に衝撃時の緩衝材として使用する構造を持つものである。又、二酸 化炭素ガス膨張気室が非作動時においても上記の収納部は二輪車等の搭乗者の一 般的使用状況に対応し機能、バランスの向上を果たすものであり、本考案の使用 目的とは切り離せないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】起動用鍵作動概念図
【図2】起動用鍵及び二輪車等への固定装置
【図3】自動二酸化炭素ガス膨張式ベスト全体図
【図4】自動二酸化炭素ガス膨張式ベスト非作動時外観
前面図
【図5】自動二酸化炭素ガス膨張式ベスト作動時外観前
面図
【図6】自動二酸化炭素ガス膨張式ベスト作動時外観後
面図
【図7】ハーネスと内皮
【図8】起動装置正面内部構造図
【図9】起動装置側面内部構造図
【図10】膨張気室及び起動装置の関連図
【図11】膨張気室における外室と内室の位置関係
【符号の説明】
1 鍵 2 固定装置 3 ケーブル 4 鍵本体 5 車両側受け装置 6 調整爪 7 外皮 8 内皮 9 樹脂板 10 防食ジッパー 11 膨張気室 12 ハーネス 13 バックル 14 安全装置スイッチ 15 リリースレバー 16 逆反射性テープ 17 ドキュメント・ホルダー 18 ポケット 19 第2膨張気室 20 第1膨張気室 21 第3膨張気室 22 ベルクロテープ 23 デパックケース 24 パウチ 25 スプリング 26 ボールストッパー 27 ローラー 28 安全ピン 29 起動用ピン 30 チャンバー 31 二酸化炭素ガスシリンダー装着口 32 第1膨張気室ガス流出口 33 第2膨張気室ガス流出口 34 第3膨張気室ガス流出口 35 カムフェイス 36 起動装置 37 二酸化炭素ガスシリンダー 38 二酸化炭素ガスエアライン 39 逆流防止弁付バルブ 40 第1膨張気室内室 41 第2膨張気室内室 42 第3膨張気室内室 43 第1膨張気室外室 44 第2膨張気室外室 45 第3膨張気室外室 46 ロータリーカム
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月21日
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 二輪車等の搭乗者保護用具と
しての、二酸化炭素ガス自動 膨張式ベスト状保護具とその起動装置、並びに起動
用鍵。
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】起動用鍵作動概念図
【図2】起動用鍵及び二輪車等への固定装置
【図3】自動二酸化炭素ガス膨張式ベスト全体図
【図4】自動二酸化炭素ガス膨張式ベスト非作動時外観
前面図
【図5】自動二酸化炭素ガス膨張式ベスト作動時外観前
面図
【図6】自動二酸化炭素ガス膨張式ベスト作動時外観後
面図
【図7】ハーネスと内皮
【図8】起動装置正面内部構造図
【図9】起動装置側面内部構造図
【図10】膨張気室及び起動装置の関連図
【図11】膨張気室における外室と内室の位置関係
【符号の説明】 1 鍵 2 固定装置 3 ケーブル 4 鍵本体 5 車両側受け装置 6 調整爪 7 外皮 8 内皮 9 樹脂板 10 防食ジッパー 11 膨張気室 12 ハーネス 13 バックル 14 安全装置スイッチ 15 チャージレバー 16 逆反射性テープ 17 ドキュメント・ホルダー 18 ポケッ卜 19 第2膨張気室 20 第1膨張気室 21 第3膨張気室 22 ベルクロテープ 23 デパックケース 24 パウチ 25 スプリング 26 ボールストッパー 27 ローラー 28 リリースピン 29 起動用ピン 30 チャンバー 31 二酸化炭素ガスシリンダー装着口 32 第1膨張気室ガス流出口 33 第2膨張気室ガス流出口 34 第3膨張気室ガス流出口 35 カムフェイス 36 起動装置 37 二酸化炭素ガスシリンダー 38 二酸化炭素ガスエアライン 39 逆流防止弁付バルブ 40 第1膨張気室内室 41 第2膨張気室内室 42 第3膨張気室内室 43 第1膨張気室外室 44 第2膨張気室外室 45 第3膨張気室外室 46 ロータリーカム
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年10月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 二輪車等の搭乗者保護用具と
しての、二酸化炭素ガス 自動膨張式ベスト状保護具とその起動装置、並びに起動
用鍵。
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】起動用鍵作動概念図
【図2】起動用鍵及び二輪車等への固定装置
【図3】自動二酸化炭素ガス膨張式ベスト全体図
【図4】自動二酸化炭素ガス膨張式ベスト非作動時外観
前面図
【図5】自動二酸化炭素ガス膨張式ベスト作動時外観前
面図
【図6】自動二酸化炭素ガス膨張式ベスト作動時外観後
面図
【図7】ハーネスと内皮
【図8】起動装置正面内部構造図
【図9】起動装置側面内部構造図
【図10】膨張気室及び起動装置の関連図
【図11】膨張気室における外室と内室の位置関係
【符号の説明】 1 鍵 2 固定装置 3 ケーブル 4 鍵本体 5 車両側受け装置 6 調整爪 7 外皮 8 内皮 9 樹脂板 10 防食ジッパー 11 膨張気室 12 ハーネス 13 バックル 14 安全装置スイッチ 15 チャージレバー 16 逆反射性テープ 17 ドキュメント・ホルダー 18 ポケット 19 第2膨張気室 20 第1膨張気室 21 第3膨張気室 22 ベルクロテープ 23 デパックケース 24 パウチ 25 スプリング 26 ボールストッパー 27 ローラー 28 リリースピン 29 起動用ピン 30 チャンバー 31 二酸化炭素ガスシリンダー装着口 32 第1膨張気室ガス流出口 33 第2膨張気室ガス流出口 34 第3膨張気室ガス流出口 35 カムフェイス 36 起動装置 37 二酸化炭素ガスシリンダー 38 二酸化炭素ガスエアライン 39 逆流防止弁付バルブ 40 第1膨張気室内室 41 第2膨張気室内室 42 第3膨張気室内室 43 第1膨張気室外室 44 第2膨張気室外室 45 第3膨張気室外室 46 ロータリーカム ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年4月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 二輪車等の搭乗者保護用具と
しての、二酸化炭素ガス自動膨張式ベスト状保護具とそ
の起動装置、並びに起動用鍵。
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】起動用鍵作動概念図
【図2】起動用鍵及び二輪車等への固定装置
【図3】自動二酸化炭素ガス膨張式ベスト全体図
【図4】自動二酸化炭素ガス膨張式ベスト非作動時外観
前面図
【図5】自動二酸化炭素ガス膨張式ベスト作動時外観前
面図
【図6】自動二酸化炭素ガス膨張式ベスト作動時外観後
面図
【図7】ハーネスと内皮
【図8】起動装置正面内部構造図
【図9】起動装置側面内部構造図
【図10】膨張気室及び起動装置の関連図
【図11】膨張気室における外室と内室の位置関係
【符号の説明】 1 鍵 2 固定装置 3 ケーブル 4 鍵本体 5 車両側受け装置 6 調整爪 7 外皮 8 内皮 9 樹脂板 10 防食ジッパー 11 膨張気室 12 ハーネス 13 バックル 14 安全装置スイッチ 15 チャージレバー 16 逆反射性テープ 17 ドキュメント・ホルダー 18 ポケット 19 第2膨張気室 20 第1膨張気室 21 第3膨張気室 22 ベルクロテープ 23 デパックケース 24 パウチ 25 スプリング 26 ボールストッパー 27 ローラー 28 リリースピン 29 起動用ピン 30 チャンバー 31 二酸化炭素ガスシリンダー装着口 32 第1膨張気室ガス流出口 33 第2膨張気室ガス流出口 34 第3膨張気室ガス流出口 35 カムフェイス 36 起動装置 37 二酸化炭素ガスシリンダー 38 二酸化炭素ガスエアライン 39 逆流防止弁付バルブ 40 第1膨張気室内室 41 第2膨張気室内室 42 第3膨張気室内室 43 第1膨張気室外室 44 第2膨張気室外室 45 第3膨張気室外室 46 ロータリーカム ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年11月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベスト本体には、樹脂板を含む外皮と内
    皮の間に折畳まれ収納される膨張気室が、緩衝機構とし
    て内室外室の二重構造を持つ3系統6室にわかれて設け
    られ、それぞれに逆流防止バルブ並びに専用の二酸化炭
    素ガス注入エアラインを備える二段階緩衝装置となる。
  2. 【請求項2】 交換可能な二酸化炭素ガスシリンダー装
    着部を含む起動装置は本体外皮と膨張気室の外室との間
    に設けられ、安全ピン、起動用ピン、ロータリーカム、
    スプリングと鍵本体そして安全装置からなる一体式のも
    のであり、180度四方の鍵の動きに対応するものであ
    る。
  3. 【請求項3】 鍵は鍵とケーブルならびに固定装置より
    成り立ち、ケーブルの一端に、二輪車等に着脱可能であ
    るが接続固定される装置、他の一端に球形の鍵が設けら
    れ、広範囲の角度の動作に対応し起動装置を作動させる
    物である。
  4. 【請求項4】 ベスト本体の内皮にはベルト状のハーネ
    スが縫い込まれ、内皮と外皮に包まれた膨張気室を搭乗
    者に確実に固定すると共にバックルにより簡単なベスト
    本体の着脱、調整が可能である。
  5. 【請求項5】 ベスト本体の外皮には逆反射性テープ、
    蓋付き免許証小物入れポケット、透明ドキュメントホル
    ダー、パウチ式雨具入れ、デパックタイプ蓋付き物入れ
    があり二輪車等の搭乗者の一般的使用状況に対応してい
    る。
JP1995011096U 1995-09-14 1995-09-14 二輪車等の搭乗者保護用具としての、二酸化炭素ガス自動膨張式ベスト状保護具とその起動装置、並びに起動用鍵。 Expired - Lifetime JP3048094U (ja)

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PCT/JP1996/002624 WO1997010028A1 (fr) 1995-09-14 1996-09-13 Dispositif de protection amortissant les chocs

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