JP3048069U

JP3048069U - 微着性のエアセルラー物品保護シート

Info

Publication number: JP3048069U
Application number: JP1997009205U
Authority: JP
Inventors: 知一山崎; 英樹平田
Original assignee: 酒井化学工業株式会社
Priority date: 1997-10-16
Filing date: 1997-10-16
Publication date: 1998-05-06
Anticipated expiration: 2003-10-16

Abstract

(57)【要約】【課題】糊や接着剤類を要せずに離脱しない状態に安
定に物品を包装封止したり、当該物品に対して加わる外
的ショックを緩衝して破損から有効に防護することがで
きる物品保護シートを提供すること。【解決手段】対象物に付着可能な微着シート層と；こ
の微着シート層に多数の空気室を形成した状態に接合さ
れ、かつ、立体的な多数の凹凸状のキャップ部を形成せ
る合成樹脂中間凹凸シート層と；この中間凹凸シート層
におけるキャップ部の凸状面に接合すると共に、凹状部
との間には空気室を多数形成せる合成樹脂封止シート層
12とで物品保護シートを構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、物品保護シートの改良、更に詳しくは、糊や接着剤などを全く用いることなく所要の物品を離脱しない状態に安定に包装封止したり、あるいは物品に付着して当該物品に対して加わる外的ショックを緩衝して破損から有効に防護することができる微着性のエアセルラー物品保護シートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

周知のとおり、表裏２枚のフィルムの間に多数の空気室を形成するごとく中間凹凸シートを一体に接合せしめた「気泡緩衝シート」は従来周知であり、破損し易い物品の緩衝用材として広く用いられている。

【０００３】ところが、従来の気泡緩衝シートを用いて物品を包装する場合には、対象物品を同シートで包んで上で、さらに紐で括るか、粘着テープを用いて合せ目を固定するか、あるいはまた当該シートに熱を加えてヒートシールしなければならず、大変面倒であった。また、板硝子の如き薄くて割れ易い物品を複数枚重ねて輸送する場合にも、硝子と硝子との間に気泡緩衝シートを挟み込んで破損を防ぐことも広く行われていたが、緩衝シートが滑り易いために硝子が辷り動いて何処かに当たって割れてしまうことがあり、改善の必要があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、従来の気泡緩衝シートにおける前述の欠点を改善しようとして為されたものであり、その技術的課題とするところは、糊や接着剤などを全く用いることなく所要の物品を離脱しない状態に安定に包装封止したり、あるいは物品に付着して当該物品に対して加わる外的ショックを緩衝して破損から有効に防護することができる微着性のエアセルラー物品保護シートを提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するために採用した手段】本考案者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添附図面を参照して説明すれば、次のとおりである。

【０００６】即ち、本考案は、所要対象物に付着可能な微着シート層10と；この微着シート層に多数の空気室ｅ・ｅ・・・・を形成した状態に接合され、かつ、立体的な多数の凹凸状のキャップ部を形成せる合成樹脂中間凹凸シート層11と；この中間凹凸シート層におけるキャップ部の凸状面に接合され、凹状部との間には空気室ｅ・ｅ・・・・を多数形成せる合成樹脂封止シート層12とを巧みに結合一体化させるという手段を採用することによって上記技術的課題を解決した点に特徴がある。

【０００７】そこで、本考案について若干の注釈を加えておくと、本考案において多数の空気室ｅ・ｅ・・・・を形成する中間凹凸シート層11および封止層12を組成する合成樹脂材料としては、非水溶性で可撓性があれば低密度、中密度、高密度の何れでもよくて殆どの合成樹脂材料が採択可能であるが、通常は引張強さ、伸び、低温下での柔軟性保持の面から 0.910〜0.960 g/cc程度のポリエチレン樹脂を採用するのが好ましい。

【０００８】つぎに、本考案において、微着シート層10に微着性を付与するには、当該フィルム10の素材としてメタロセン化合物（例えば、Ti、Ｖ、Cr、Ni、Fe、Zr、Mn、 Mo、Tc、Ru、Pd、Rh、Ptなどの如き四価の遷移金属を含むメタロセン化合物）を重合触媒として得られるポリエチレン樹脂フィルムや、ポリイソブチレンを含有する微着性合成樹脂フィルムを採択することができるが、特に前者の微着性ポリエチレン樹脂フィルムは、0.860〜0.895g/cc の低密度、かつ、ＭＦＲ(melt flow rate) が 2〜５ g／10min 程度（好ましくは、3g/10min)の超低分子量のポリエチレン樹脂が低温下でも適度の微着性を呈し、しかも原価的に有利である。

【０００９】そしてまた、微着シート層10の微着性は、張付面側のベース層を汎用合成樹脂フィルムで形成して、その上に微着性の透明合成樹脂をラミネートするという手段によっても形成可能である。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下、添附図面に表わす図示例を参照しながら、本考案の実施形態を説明してゆきたい。

【００１１】〔実施形態例〕本考案の好ましい実施の形態例は図１に示される。図１中、符号１で指示するものは本実施形態の微着性エアセルラー物品保護シートであって、ポリエチレン樹脂を成形して成る多数の空気室ｅ・ｅ・・・・を中間に有する３層の面状成形体構造の屈撓自在である。

【００１２】そして、この面状成形体１の一方の表層を成す微着シート層10は四価のメタロセン化合物を重合触媒として反応生成された 0.860〜0.895 g/ccの低密度ポリエチレン樹脂を成形して得られた厚さ 0.01mm の微着性を有するフィルムによって構成され、反対側の表層を成す封止シート層12は密度が 0.920 g/cc 程度の周知の低密度ポリエチレンフィルムによって構成されている。なお、本実施形態における凹凸中間シート層11も密度が 0.920 g/cc 程度の低密度ポリエチレンフィルムによって構成されている。

【００１３】こうして作製された微着性エアセルラー物品保護シートは、図２や図３に示すように包装材料として使用することができ、この場合には微着シート層10同士を面合させれば、糊や接着剤、あるいは紐の如き結束材が不要である。

【００１４】また、硝子のような薄くて割れ易い物品を重ねて輸送する場合には、図４に示すように当該微着性エアセルラー物品保護シートを葛折状に曲げて作出される袋状部に板硝子Ｇを挟み込んでゆけばよい。

【００１５】本願明細書に示す「微着性エアセルラー物品保護シート」の具体的な実施形態を概ね上記のとおりであるが、本考案は上記実施形態に限定するものでは決してなく、「実用新案登録請求の範囲」の記載内において変更可能である。

【００１６】例えば、上記実施形態では、微着シート層10に微着性を付与する手段として、四価のメタロセン化合物を重合触媒にして反応生成された0.860〜0.895 g/ccの低密度ポリエチレン樹脂によって封止シート層12全体を作製する例を挙げて説明したけれども、通常の非粘着性フィルムをベースにして張付面となる側に 0.860 〜0.895 g/ccの低密度ポリエチレン樹脂ラミネートしてもよく、これらの変更実施が本考案の技術的範囲に属することは云うまでもない。

【００１７】

【考案の効果】

以上実施形態を挙げて説明したとおり、本考案は中間層として多数の空気室を形成せる中間凹凸シート層を有する透明な合成樹脂面状成形体であって、微着シート層は適度のは微着性が付与されているから、糊や接着剤などを全く用いることなく所要の物品を離脱しない状態に安定に包装封止したり、あるいは物品に付着して当該物品に対して加わる外的ショックを緩衝して破損から有効に防護することができる。

【００１８】更に、本考案の微着性のエアセルラー物品保護シートはガラスから剥ぎ取っても、接着剤を使用していないから跡を汚すことがなく、却って、剥ぎ取りの際に物品の表面に付着していたゴミや埃を取り去ってしまうので、物品の表面は清浄に払拭されることになるメリットがある。

【００１９】このように本考案によれば、従来の気泡緩衝シートの如き不便が全くないにも拘わらず、これを製造する工程も殆ど複雑化することがないから、安価に提供することが可能であって、その実用上価値は頗る大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本考案の実施形態である「微着性のエ
アセルラー物品保護シート」の構造を表わした断面図で
ある。

【図２】図２は、図１の実施形態品を用いて物品を包装
する一態様を表わす断面説明図である。

【図３】図３は、同実施形態品を用いて物品を包装する
他の態様を表わした断面説明図である。

【図４】図４は、同実施形態品を用いて硝子を多数枚重
ねて保護する態様を表わした断面説明図である。

【符号の説明】

１微着性のエアセルラー物品保護シ
ート 10 微着シート層 11 中間凹凸シート層 12 封止シート層ｅ空気室Ｇガラス

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】所要対象物に付着可能な微着シート層10
と；この微着シート層に多数の空気室ｅ・ｅ・・・・を形成
した状態に接合され、かつ、立体的な多数の凹凸状のキ
ャップ部を形成せる合成樹脂中間凹凸シート層11と；こ
の中間凹凸シート層におけるキャップ部の凸状面に接合
すると共に、凹状部との間には空気室ｅ・ｅ・・・・を多数
形成せる合成樹脂封止シート層12とから構成されたこと
を特徴とした微着性のエアセルラー物品保護シート。
【請求項２】四価の遷移金属を含むメタロセン化合物
を重合触媒として製せられ、かつ、密度が 0.860〜0.89
5 g/ccの微着性ポリエチレンにて組成されて表面の微着
性により所要対象物に付着可能な微着シート層10と；こ
の微着シート層に多数の空気室ｅ・ｅ・・・・を形成した状
態に接合され、かつ、立体的な多数の凹凸状のキャップ
部を形成せる合成樹脂中間凹凸シート層11と；この中間
凹凸シート層におけるキャップ部の凸状面に接合すると
共に、凹状部との間には空気室ｅ・ｅ・・・・を多数形成せ
る合成樹脂封止シート層12とから構成されたことを特徴
とした微着性のエアセルラー物品保護シート。