JP3047838U - 壁用パネルおよび気泡コンクリート壁 - Google Patents

壁用パネルおよび気泡コンクリート壁

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JP3047838U
JP3047838U JP1997008954U JP895497U JP3047838U JP 3047838 U JP3047838 U JP 3047838U JP 1997008954 U JP1997008954 U JP 1997008954U JP 895497 U JP895497 U JP 895497U JP 3047838 U JP3047838 U JP 3047838U
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光雄 清田
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東邦アルミ建材株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工期を短縮できる気泡コンクリート壁を提供
する。 【解決手段】 壁用パネル22の細長形状の周面に、アン
カーベース体31,31a ,31b を一体的に取り付ける。こ
のアンカーベース体31,31a ,31b は、被嵌挿溝部41を
有するとともにこの被嵌挿溝部41の外側方に間隙35を介
して形成した係止縁辺部38を有する。アンカーベース体
31の被嵌挿溝部41に摺動可能に嵌挿基体51を嵌挿する。
アンカーベース体31の間隙35を通って突出した通しボル
ト体55を、台座71の挿通孔73、笠木61の挿通孔65、支柱
体81の中空部分86、目板91の貫通孔99および座板95の挿
通孔102 に挿通する。座板95の挿通孔102 から突出した
通しボルト体55にナット体105 を螺合し目板91に手摺体
107 を取り付ける。パネル連結体42を互いに近接するア
ンカーベース体31a を利用して壁用パネル22を固定連結
する。下面に取り付けたアンカーベース体31b を利用し
て化粧天板に対して固定する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、建物の屋上、バルコニー等に設置される壁用パネルおよび気泡コン クリート壁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建物の屋上、バルコニー等のコンクリート壁は、床体に連続して上方に 向って現場コンクリート打ちで壁体を一体形成して構築していた。
【0003】 また、特に高級住宅等のバルコニーのコンクリート壁には、装飾性、安全性、 耐久性等の確保のため、手摺装置、笠木装置、笠木付手摺装置等が取り付けられ 、例えば、図10および図11に示す構造のコンクリート壁が知られている。
【0004】 このコンクリート壁は、図11に示すように、バルコニーの床体1に連続して 上方に向って現場コンクリート打ちで一体形成された壁体2の上端部に、笠木付 手摺装置3が固定されている。
【0005】 そして、この笠木付手摺装置3は、例えば、図10に示す特許第258687 2号の公報に記載の構成が採られており、次のようにして、組立て施工されて、 壁体2の上端部に固定されている。
【0006】 前記壁体2の上端部に形成した被取付面5に、断面L字状のアンカ6をモルタ ル7を所定の厚さに盛り付けることによって一体的に取り付け、このアンカ6の 上面に、中央に垂直状に通しボルト体8を取り付けた基体9を、溶接、或いは図 示しないねじ等にてねじ止め等することにより、所定間隔をおいて位置決めして 固定する。
【0007】 一方、下端に四角状のナット11a を螺着した筒状の連結体11を、笠木13の挿通 孔に下方から挿通した後、この挿通孔から突出した連結体11に筒状の支柱体14お よび下手摺体15を挿通し、この下手摺体15から突出した連結体11に仮止ナット体 16を座板17を介して螺合して、この仮止ナット体16と前記連結体11の下端に螺着 したナット11a とにて、笠木13、支柱体14および下手摺体15を固定する。
【0008】 次いで、この連結体11の中空部分に、前記基体9の通しボルト体8を挿通した 後、この連結体11から突出した通しボルト体8の上端にナット体18を座金19を介 して螺合して、前記壁体2に対して下手摺体15、支柱体14および笠木13を固定し 、最後に、下手摺体15に上手摺体20を取り付ける。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のコンクリート壁のように、床体に連続して上方に向 って現場コンクリート打ちで一体形成したり、或いは、上記従来の図10および 図11に示す笠木付手摺装置3を取り付けたコンクリート壁のように、床体1に 現場コンクリート打ちで壁体2を一体形成し、この壁体2の被取付面5にモルタ ル7でアンカ6を一体的に取り付け、このアンカ6に基体9を固定し、この基体 9の通しボルト体8、連結体11、ナット11a 、仮止ナット体16、ナット体18等で 、前記壁体2に対して下手摺体15、支柱体14および笠木13を固定することによっ て構築する構成では、現場でのコンクリート打ち作業、モルタル盛り付け作業等 が必要であるため、現場での組立て施工に手間がかかり、工期の短縮化が図られ ない。
【0010】 また、コンクリート、モルタルの養生は、現場環境の影響を受け易いため、品 質のばらつきが生じやすいおそれもある。
【0011】 さらに、従来の図10および図11に示す笠木付手摺装置3を取り付けた笠木 付コンクリート壁では、通しボルト体8を有する基体9は、アンカ6の上面に、 溶接、ねじ止め等により固定するため、所定位置への位置決め作業が煩雑である ことに加え、一旦固定した後に、位置決めし直すときに手間がかかる問題を有し ている。
【0012】 一方、現場でのコンクリート打ち作業を不要とするために、壁体をプレキャス トコンクリートにて形成、すなわち、通常のコンクリートを用いて工場であらか じめ製作した壁用パネルを所定場所まで運搬しかつ並設して壁体を形成すること が考えられるが、この場合、比較的重量な壁用パネルにロープ等を縛って、この ロープ等を利用して持ち上げて運搬しなければならないため、この壁用パネルの 運搬作業が煩雑となる問題がある。
【0013】 また、複数の壁用パネルを用いるときには、互いに隣接する壁用パネルを連結 しなければならないため、例えば、ねじ等を含む連結装置を用いて、ねじの締め 付け作業等を必要とするのでは、コンクリート打ち作業を不要とできても、この 壁用パネルの連結作業に手間がかかり、工期の短縮化が図られない。
【0014】 本考案は、このような点に鑑みなされたもので、取扱い性に優れた壁用パネル および、組立て施工性に優れ、工期を短縮でき、しかも品質の安定した気泡コン クリート壁を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の壁用パネルは、細長形状の周面の少なくともいずれか一面に長 手方向に沿って一体的に取り付けられた細長形状のアンカーベース体を有し気泡 コンクリートで略矩形板状に成形された壁用パネルであって、前記アンカーベー ス体は、長手方向に沿って形成された被嵌挿溝部およびこの被嵌挿溝部の外側方 に間隙をもって互いに対向して形成された係止縁辺部を有することを特徴とする ものである。
【0016】 フック金具等の引掛け具をアンカーベース体の間隙を通して被嵌挿溝部内に位 置させ係止縁辺部に係止させて、この引掛け具を利用して持ち上げて運搬する。
【0017】 また、設置された状態で上面となる周面に、アンカーベース体が一体的に取り 付けられている場合には、このアンカーベース体を利用することにより、すなわ ち、手摺装置、笠木装置、笠木付手摺装置等の下部をアンカーベース体の被嵌挿 溝部内に嵌挿し係止縁辺部にて係止して適宜にねじ等にてアンカーベース体に締 め付けること等により、手摺装置等を固定する。
【0018】 さらに、設置された状態で側端面となる周面に、アンカーベース体が一体的に 取り付けられている場合には、このアンカーベース体を利用することにより、互 いに隣接するものを固定連結する。
【0019】 また、設置された状態で下面となる周面に、アンカーベース体が一体的に取り 付けられている場合には、このアンカーベース体を利用することにより、床体、 天板等に対して固定する。
【0020】 請求項2記載の気泡コンクリート壁は、周面である上面に長手方向に沿って一 体的に取り付けられたアンカーベース体を有する請求項1記載の壁用パネルと、 この壁用パネルの前記アンカーベース体の被嵌挿溝部に溝方向に沿って摺動可能 に嵌挿された嵌挿基体と、この嵌挿基体に下端が螺合され、前記アンカーベース 体の係止縁辺部間の間隙を通して上方に突出した通しボルト体と、この通しボル ト体が挿通された挿通孔を有し前記壁用パネルの上面を覆う板状の笠木と、この 笠木の上面に立設され、この笠木の前記挿通孔から突出した前記通しボルト体が 挿通された筒状の支柱体と、この支柱体の上端に支持され、この支柱体の上端か ら突出した前記通しボルト体が挿通された貫通孔を有する目板と、この目板、前 記支柱体および前記笠木を一体的に固定する固定部材と、前記目板の前記貫通孔 から突出した前記通しボルト体の上端に螺合され、前記壁用パネルに対して前記 固定部材にて一体的に固定された前記目板、前記支柱体および前記笠木を一体的 に固定するナット体と、前記目板に前記ナット体を覆って取り付けられた手摺体 とを具備したものである。
【0021】 アンカーベース体を上面に一体的に取り付けた壁用パネルを設置した後、この アンカーベース体の被嵌挿溝部に嵌挿された嵌挿基体を所定位置に配設する。す なわち、溝方向に沿って摺動可能な嵌挿基体を、固定部材にて一体的に固定した 笠木、支柱体および目板の、それぞれの互いに連通した挿通孔、中空部分および 貫通孔に、アンカーベース体の係止縁辺部間の間隙を通って上方に突出した通し ボルト体を通すことができる位置に位置決めして配設する。
【0022】 次いで、この配設した嵌挿基体に立設され係止縁辺部間の間隙から突出した通 しボルト体を、笠木の挿通孔、支柱体の中空部分および目板の貫通孔に下方から 挿通し、この通しボルト体の上端にナット体を螺合して、壁用パネルに対して目 板、支柱体および笠木を一体的に固定し、最後に、目板に手摺体をナット体を覆 うように取り付ける。
【0023】 なお、嵌挿基体のみを所定位置に配設した後、通しボルト体を、目板の貫通孔 、支柱体の中空部分および笠木の挿通孔に上方から挿通し、この通しボルト体の 下端を嵌挿基体に螺合するとともに、この通しボルト体の上端にナット体を螺合 して、壁用パネルに対して目板、支柱体および笠木を固定することもできる。
【0024】 請求項3記載の気泡コンクリート壁は、請求項2記載の気泡コンクリート壁に おいて、壁用パネルは、内部の略全体にわたって埋設された網目状の鉄筋を有し 、アンカーベース体は、前記鉄筋に連結されているものである。
【0025】 手摺体、支柱体に加えられた荷重は、通しボルト体および嵌挿基体からアンカ ーベース体を介して、網目状の鉄筋に伝わり、壁用パネルの内部の全体に分散さ れるので、強度が向上する。
【0026】 請求項4記載の気泡コンクリート壁は、請求項3記載の気泡コンクリート壁に おいて、壁用パネルは、鉄筋の上端に接合された細長形状の補強鋼材を有し、ア ンカーベース体は、前記補強鋼材に接合されているものである。
【0027】 アンカーベース体を補強鋼材に溶接等で接合することにより、アンカーベース 体と鉄筋とを連結する。
【0028】 請求項5記載の気泡コンクリート壁は、周面である両側端面に長手方向に沿っ て一体的にそれぞれ取り付けられたアンカーベース体を有する請求項1記載の複 数の壁用パネルと、この壁用パネルの前記アンカーベース体の被嵌挿溝部の外側 方の間隙に嵌挿される連結部およびこの連結部の両端にそれぞれ一体形成され前 記アンカーベース体の前記被嵌挿溝部にそれぞれ嵌挿される係止部を有する細長 形状のパネル連結体とを備え、側端面に一体的に取り付けた前記アンカーベース 体を近接させて前記壁用パネルを並設し、互いに近接した前記アンカーベース体 の前記被嵌挿溝部の外側方の各間隙に前記パネル連結体の前記連結部を嵌挿する とともに互いに近接した前記アンカーベース体の前記各被嵌挿溝部に前記パネル 連結体の前記係止部をそれぞれ嵌挿することにより前記パネル連結体を前記アン カーベース体の係止縁辺部で係止したものである。
【0029】 側端面に一体的に取り付けたアンカーベース体を近接させて壁用パネルを並設 した後、パネル連結体の連結部を、互いに近接したアンカーベース体の被嵌挿溝 部の外側方の各間隙に嵌挿するとともに、パネル連結体の係止部を互いに近接し たアンカーベース体の各被嵌挿溝部にそれぞれ嵌挿することにより、このパネル 連結体をアンカーベース体の係止縁辺部で係止して、互いに隣接する壁用パネル を固定連結する。
【0030】 請求項6記載の気泡コンクリート壁は、周面である下面に長手方向に沿って一 体的に取り付けられたアンカーベース体を有する請求項1記載の壁用パネルと、 この壁用パネルの前記アンカーベース体の被嵌挿溝部に溝方向に沿って摺動可能 に嵌挿される嵌挿基体と、前記壁用パネルの下端に固着される下端笠木用ホルダ ー体と、この下端笠木用ホルダー体に形成した係止孔から前記アンカーベース体 の係止縁辺部間の間隙を通って前記嵌挿基体に螺合され、前記下端笠木用ホルダ ー体を前記壁用パネルに対して固着するボルト体と、長手方向に沿って形成され た被嵌合溝部を有し前記下端笠木用ホルダー体を保持する細長形状の下端笠木と を備え、前記壁用パネルの下面に一体的に取り付けた前記アンカーベース体の前 記被嵌挿溝部に前記嵌挿基体を嵌挿させ、この嵌挿した嵌挿基体に、前記下端笠 木用ホルダー体に形成した係止孔から前記アンカーベース体の前記係止縁辺部間 の間隙を通して前記ボルト体を螺合して前記壁用パネルに対して前記下端笠木用 ホルダー体を固着して、この固着した下端笠木用ホルダー体を前記下端笠木の被 嵌合溝部に嵌合させることにより前記下端笠木用ホルダー体を前記下端笠木で保 持したものである。
【0031】 壁用パネルの下面に一体的に取り付けたアンカーベース体の被嵌挿溝部に、嵌 挿基体を嵌挿させた後、この嵌挿した嵌挿基体に、下端笠木用ホルダー体に形成 した係止孔からアンカーベース体の係止縁辺部間の間隙を通してボルト体を螺合 して、下端笠木用ホルダー体を壁用パネルに対して固着する。
【0032】 そして、この固着した下端笠木用ホルダー体を床体、天板等に固定した下端笠 木の被嵌合溝部に嵌合させることにより、この下端笠木用ホルダー体を下端笠木 で保持して、壁用パネルを床体、天板等に対して固定する。
【0033】 請求項7記載の気泡コンクリート壁は、周面である上下面および両側端面に長 手方向に沿って一体的にそれぞれ取り付けられたアンカーベース体を有し、側端 面に一体的に取り付けられたアンカーベース体が互いに近接する状態に並設され た複数の請求項1記載の壁用パネルと、この壁用パネルの上面に一体的に取り付 けられた前記アンカーベース体の被嵌挿溝部に溝方向に沿って摺動可能に嵌挿さ れた嵌挿基体と、この嵌挿基体に下端が螺合され、前記アンカーベース体の係止 縁辺部間の間隙を通して上方に突出した通しボルト体と、この通しボルト体が挿 通された挿通孔を有し前記壁用パネルの上面を覆う板状の笠木と、この笠木の上 面に立設され、この笠木の前記挿通孔から突出した前記通しボルト体が挿通され た筒状の支柱体と、この支柱体の上端に支持され、この支柱体の上端から突出し た前記通しボルト体が挿通された貫通孔を有する目板と、この目板、前記支柱体 および前記笠木を一体的に固定する固定部材と、前記目板の前記貫通孔から突出 した前記通しボルト体の上端に螺合され、前記壁用パネルに対して前記固定部材 にて一体的に固定された前記目板、前記支柱体および前記笠木を一体的に固定す るナット体と、前記目板に前記ナット体を覆って取り付けられた手摺体と、前記 壁用パネルの側端面に一体的に取り付けられた互いに近接した状態の前記アンカ ーベース体の被嵌挿溝部の外側方の各間隙に嵌挿された連結部およびこの連結部 の両端にそれぞれ一体形成され前記アンカーベース体の前記各被嵌挿溝部にそれ ぞれ嵌挿された係止部を有し、前記アンカーベース体の係止縁辺部で係止された 細長形状のパネル連結体と、前記壁用パネルの下面に一体的に取り付けられた前 記アンカーベース体の被嵌挿溝部に溝方向に沿って摺動可能に嵌挿された嵌挿基 体と、前記壁用パネルの下端に固着された下端笠木用ホルダー体と、この下端笠 木用ホルダー体に形成した係止孔から前記アンカーベース体の係止縁辺部間の間 隙を通して前記嵌挿基体に螺合され、前記下端笠木用ホルダー体を前記壁用パネ ルに対して固着するボルト体と、長手方向に沿って形成された被嵌合溝部を有し この被嵌合溝部に前記下端笠木用ホルダー体を嵌合して保持する細長形状の下端 笠木とを具備したものである。
【0034】 壁用パネルを、側端面に一体的に取り付けたアンカーベース体を近接させて並 設する。そして、この壁用パネルの上面に一体的に取り付けられたアンカーベー ス体の被嵌挿溝部に嵌挿された嵌挿基体を所定位置に配設する。すなわち、溝方 向に沿って摺動可能な嵌挿基体を、固定部材にて一体的に固定した笠木、支柱体 および目板の、それぞれの互いに連通した挿通孔、中空部分および貫通孔に、ア ンカーベース体の係止縁辺部間の間隙を通って上方に突出した通しボルト体を通 すことができる位置に位置決めして配設する。
【0035】 次いで、この配設した嵌挿基体に立設され係止縁辺部間の間隙から突出した通 しボルト体を、笠木の挿通孔、支柱体の中空部分および目板の貫通孔に下方から 挿通し、この通しボルト体の上端にナット体を螺合して、壁用パネルに対して目 板、支柱体および笠木を一体的に固定し、最後に、目板に手摺体をナット体を覆 うように取り付ける。
【0036】 なお、嵌挿基体のみを所定位置に配設した後、通しボルト体を、目板の貫通孔 、支柱体の中空部分および笠木の挿通孔に上方から挿通し、この通しボルト体の 下端を嵌挿基体に螺合するとともに、この通しボルト体の上端にナット体を螺合 して、壁用パネルに対して目板、支柱体および笠木を固定することもできる。
【0037】 また、互いに隣接する壁用パネル間の連結は、パネル連結体の連結部を互いに 近接したアンカーベース体の被嵌挿溝部の外側方の各間隙に嵌挿するとともに、 パネル連結体の係止部を互いに近接したアンカーベース体の各被嵌挿溝部にそれ ぞれ嵌挿することにより、このパネル連結体をアンカーベース体の係止縁辺部で 係止して固定連結する。
【0038】 さらに、壁用パネルの下端の床体、天板等への固定は、壁用パネルの下面に一 体的に取り付けたアンカーベース体の被嵌挿溝部に嵌挿基体を嵌挿させ、この嵌 挿基体に下端笠木用ホルダー体の係止孔から係止縁辺部間の間隙を通してボルト 体を螺合して、下端笠木用ホルダー体を壁用パネルに対して固着して、この下端 笠木用ホルダー体を下端笠木の被嵌合溝部に嵌合させることにより、この下端笠 木用ホルダー体を下端笠木で保持して、壁用パネルを床体、天板等に対して固定 する。
【0039】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の気泡コンクリート壁の一実施の形態を図1ないし図6を参照し て説明する。
【0040】 図1および図2において、22は壁用パネルで、この壁用パネル22は、気泡コン クリートで略矩形板状に成形された、いわゆるALC(Autoclaved light−weight concrete)であり、この壁用パネル22のバ ルコニー側とは反対側である外側の外面には、例えば、複数の外装タイル24が固 着されている。
【0041】 さらに、この壁用パネル22の内部には、例えば、図1に示す鉄筋23が、互いに 溶接等により接合されて網目状をなして、略全体にわたって埋設されている。ま た、この壁用パネル22の内部には、例えば前記鉄筋23の上端に接合された細長形 状の補強鋼材25が、上端近傍に位置して埋設されている。
【0042】 この補強鋼材25は、図4に示すように、上方に向って露出した細長矩形状の被 取付面28を有している。
【0043】 そして、この被取付面28が、前記壁用パネル22の上面の一部となっており、こ の被取付面28に細長形状のアンカーベース体31が、例えば溶接により接合され、 補強鋼材25を介して前記鉄筋23に連結されている。
【0044】 また、この鉄筋23の左右端にも、細長形状のアンカーベース体31a が、例えば 溶接により接合されて連結されている。
【0045】 すなわち、図1に示すように、壁用パネル22の細長形状の周面である上面にア ンカーベース体31が長手方向に沿って一体的にそれぞれ取り付けられ、かつ、壁 用パネル22の周面である両側端面にアンカーベース体31a が長手方向に沿って一 体的にそれぞれ取り付けられている。
【0046】 なお、壁用パネル22の上面に取り付けられたアンカーベース体31は、壁用パネ ル22の長手方向の長さ寸法より、少し短い長さ寸法に形成され、壁用パネル22の 上面に形成された溝部内に位置している。また、壁用パネル22の両側端面にそれ ぞれ取り付けられたアンカーベース体31a も、壁用パネル22の両側端面に形成さ れた溝部内に位置するとともに、いずれか一方のアンカーベース体31a は、壁用 パネル22の幅方向の長さ寸法より、少し短い長さ寸法に形成されている。
【0047】 そして、上面に取り付けられたアンカーベース体31は、その長手方向の両端部 が両側端面にそれぞれ取り付けられたアンカーベース体31a の上方に位置しない 長さとなっており、また、側端面に取り付けられた一方のアンカーベース体31a は、その上端部が上面に取り付けられたアンカーベース体31の側方に位置しない 長さとなっている。すなわち、壁用パネル22の両側端面にそれぞれ取り付けられ たアンカーベース体31a の被嵌挿溝部41に後述のパネル連結体42を嵌挿できるよ うになっているとともに、壁用パネル22の上面に取り付けられたアンカーベース 体31の被嵌挿溝部41に後述の嵌挿基体51を嵌挿できるようになっている。
【0048】 さらに、前記鉄筋23の下端にも、細長形状のアンカーベース体31b が、例えば 溶接により接合されて連結されている。すなわち、図1に示すように、壁用パネ ル22の細長形状の周面である下面にアンカーベース体31b が長手方向に沿って一 体的にそれぞれ取り付けられている。
【0049】 なお、この細長形状のアンカーベース体31b も、前記上面に取り付けられたア ンカーベース体31a と同様、壁用パネル22の長手方向の長さ寸法より、少し短い 長さ寸法に形成され、その長手方向の両端部が両側端面にそれぞれ取り付けられ たアンカーベース体31a の下方に位置しない長さとなっている。
【0050】 この各アンカーベース体31,31a ,31b は、鋼材を用いて、例えば押出し加工 にて断面略C字状に形成する。なお、前記壁用パネル22は、例えば、石灰質原料 、ケイ酸質原料等の主原料に、水、発泡剤等を加えてオートクレープ養生して硬 化成型する。この壁用パネル22の成型に際しては、前記鉄筋23に前記補強鋼材25 およびアンカーベース体31a ,31b を接合しその補強鋼材25にアンカーベース体 31を接合して埋込み成型する。
【0051】 そして、壁用パネル22の上面に取り付けられたアンカーベース体31は、図1お よび図4に示すように、細長矩形状の基板部33を有し、この基板部33の幅方向の 両側端からは上方に向って側板部34が一体にそれぞれ突出形成され、この側板部 34と前記基板部33とにて、被嵌挿溝部41が、アンカーベース体31の長手方向に沿 って形成されている。さらに、この側板部34に連続して、前記被嵌挿溝部41の上 方に位置して、互いに対向する方向に係止縁辺部38が折曲形成され、この係止縁 辺部38の先端縁間には間隙35が形成されている。
【0052】 同様に、壁用パネル22の側端面に取り付けられたアンカーベース体31a も、図 1および図3に示すように、細長矩形状の基板部33を有し、この基板部33の幅方 向の両側端からは外側方に向って側板部34が一体にそれぞれ突出形成され、この 側板部34と前記基板部33とにて、被嵌挿溝部41が、アンカーベース体31a の長手 方向に沿って形成されている。さらに、この側板部34に連続して、前記被嵌挿溝 部41の外側方に位置して、互いに対向する方向に係止縁辺部38が折曲形成され、 この係止縁辺部38の先端縁間には間隙35が形成されている。
【0053】 そして、互いに近接した状態で対向するアンカーベース体31a には、断面略H 字状をなす細長形状のパネル連結体42が、上方から下方に向けて嵌挿され、係止 縁辺部38で係止されることにより、互いに隣接する壁用パネル22が固定連結され ている。図3は、この互いに隣接する壁用パネル22の連結状態を示す。
【0054】 このパネル連結体42は、図1に示すように、互いに近接した前記アンカーベー ス体31a の前記被嵌挿溝部41の外側方の間隙35に嵌挿される上下方向に沿って細 長形状の連結部42a を有し、この連結部42a の左右方向の両端部には、細長矩形 板状の係止部42b が互いに対向した状態にそれぞれ一体形成されている。この係 止部42b は、互いに近接した状態で対向するアンカーベース体31a の各被嵌挿溝 部41に嵌挿される。
【0055】 また、前記壁用パネル22の上面には、長手方向に沿って、所定間隔をおいて、 板状の笠木ホルダー体43が、図4および図6に示すように、例えば前記上面に取 り付けられたアンカーベース体31に対してねじ止めされて、固着されている。
【0056】 この笠木ホルダー体43は、前記壁用パネル22の上面の幅方向の長さと略同じ長 さを有する矩形板状でかつ平面状の取付部44を有し、この取付部44の長手方向の 両端には、互いに高さ寸法が異なる当接部45が形成され、さらに、これら当接部 45からは、下方に向って連続して屈曲状の係止片部46が一体に形成されている。 なお、前記当接部45の上面には、ゴム等の緩衝部材47が固着されている。
【0057】 また、この笠木ホルダー体43の近傍に位置して、前記アンカーベース体31の被 嵌挿溝部41には、金属材料にて略正方形状に形成された嵌挿基体51が、溝方向に 沿って摺動可能に嵌挿されている。
【0058】 この嵌挿基体51の略中央には、ねじ孔52が形成されており、このねじ孔52に通 しボルト体55の下端が螺合されることによって、この通しボルト体55が嵌挿基体 51に立設されて、前記アンカーベース体31の前記係止縁辺部38間の間隙35を通っ て上方に突出している。なお、この通しボルト体55の外周面には、上端から下端 の全体にわたってねじ溝56が形成されている。
【0059】 一方、図4および図6において、61はアルミニウム合金製で細長で板状に形成 された笠木で、この笠木61は、前記壁用パネル22の厚さより少し幅広の長方形状 の天板部62を有し、この天板部62の幅方向の両側端からは下方に向って側板部63 が折曲形成されており、この笠木61は、全体として断面略コ字状で、前記壁用パ ネル22の上面を覆い隠している。
【0060】 さらに、この笠木61は、表面をつたって流れる雨水等によって、前記壁用パネ ル22の外装タイル24が汚れないように、バルコニー側とは反対側の側板部63の幅 の方が、バルコニー側の側板部63より幅広であり、かつ、天板部62はバルコニー 側が下方に向って傾斜している。
【0061】 また、この笠木61の天板部62には、図4に示すように、長手方向の略中央に位 置し所定間隔をおいて、前記通しボルト体55の挿通された挿通孔65が複数形成さ れている。また、この挿通孔65の近傍に位置して、4つのねじ挿通孔66が形成さ れている。
【0062】 さらに、この笠木61の側板部63の下端には、その上面に前記笠木ホルダー体43 の係止片部46の下端が係合された係合縁部68が、それぞれ内方に向って折曲形成 されている。なお、この笠木61の外側面には、塗装処理等により化粧されている 。
【0063】 また、この笠木61の天板部62の下面には、前記笠木ホルダー体43の当接部45が 緩衝部材47を介して当接しているとともに、台座71の上面が接触している。
【0064】 この台座71は、例えば合成樹脂を用いて、圧縮成形、注型成形等にて、傾斜状 の上面を有する断面略台形状に形成されており、この台座71の略中央には、図6 に示すように、前記通しボルト体55の挿通された挿通孔73が形成されているとと もに、この挿通孔73の近傍に位置して、笠木用ねじ75が嵌挿される4つのねじ挿 通孔76が形成されている。
【0065】 また、このねじ挿通孔76には、図4に示すように、笠木用ねじ75が嵌挿された 状態において、この笠木用ねじ75の頭部75a が台座71の下面から突出しないよう に、略円柱状の径大部77が形成されている。
【0066】 そして、筒状でかつ四角状の支柱体81が、この台座71の下面側から差し込まれ た笠木用ねじ75にて、前記笠木61の上面に所定間隔をおいて複数立設されている 。すなわち、笠木用ねじ75が、台座71の下面側から、この台座71のねじ挿通孔76 および前記笠木61のねじ挿通孔66に挿通され、支柱体81の内面に突出形成された ねじホール83の下端に螺合されて、固定された状態で立設されている。
【0067】 この支柱体81は、アルミニウム合金、或いは合成樹脂等の押出し成形材から形 成され、図6に示すように、笠木61の挿通孔65から突出した前記通しボルト体55 が挿通される中空部分86を有し、その長さ寸法は、前記通しボルト体55より短い 寸法となっている。
【0068】 また、細長板状の目板91が、目板用ねじ92にて支柱体81の上端に支持されてい る。すなわち、目板用ねじ92が、座板95のねじ挿通孔96および目板91に形成され たねじ挿通孔98に挿通され、支柱体81のねじホール83の上端に螺合されて、固定 された状態で支持されている。
【0069】 この目板91も、前記支柱体81と同様、アルミニウム合金、或いは合成樹脂等の 押出し成形材から形成され、また、この目板91には、図6に示すように、支柱体 81の中空部分86の上端から突出した前記通しボルト体55が挿通される貫通孔99が 所定間隔をおいて複数形成されているとともに、この目板91の幅方向の両側端に は、細長形状の係止凹部100 が形成されている。
【0070】 そして、図4に示すように、この目板91の貫通孔99から、前記座板95の挿通孔 102 を挿通して、突出した前記通しボルト体55の上端に、六角状のナット体105 が螺合されることによって、前記壁用パネル22に対して、前記目板91、前記支柱 体81および前記笠木61が一体的に固定されている。
【0071】 なお、これら目板91、支柱体81および笠木61は、支柱体81のねじホール83に螺 合された前記笠木用ねじ75と目板用ねじ92とにて構成される固定部材106 にて一 体的に固定されている。
【0072】 また、目板91には、前記ナット体105 を覆い隠すようにして、細長板状でかつ 断面C字状の手摺体107 が取り付けられている。すなわち、手摺体107 の幅方向 の両側端に形成された係合凸部108 が、前記目板91の係止凹部100 に係合される ことによって、一体的に固定された状態に取り付けられている。
【0073】 なお、この手摺体107 も、前記支柱体81および目板91と同様、アルミニウム合 金、或いは合成樹脂等の押出し成形材から形成されている。また、この手摺体10 7 、前記支柱体81、前記目板91、前記笠木61、前記通しボルト体55、ナット体10 5 等にて、笠木付手摺装置109 が構成されている。
【0074】 また、前記壁用パネル22の下面に取り付けられたアンカーベース体31b も、前 記上面および両側端面に取り付けられたアンカーベース体31,31a と同様、図1 および図5に示すように、細長矩形状の基板部33を有し、この基板部33の幅方向 の両側端からは下方に向って側板部34が一体にそれぞれ突出形成され、この側板 部34と前記基板部33とにて、被嵌挿溝部41が、アンカーベース体31b の長手方向 に沿って形成されている。
【0075】 さらに、この側板部34に連続して、前記被嵌挿溝部41の下方に位置して、互い に対向する方向に係止縁辺部38が折曲形成され、この係止縁辺部38の先端縁間に は、間隙35が形成されている。
【0076】 そして、このアンカーベース体31b の被嵌挿溝部41には、金属材料にて略正方 形状に形成された嵌挿基体51b が、溝方向に沿って摺動可能に嵌挿され、この嵌 挿基体51b の略中央には、ねじ孔52が形成されている。
【0077】 また、図5において、110 は下端笠木用ホルダー体で、この下端笠木用ホルダ ー体110 は、略矩形板状の当接板部111 を有し、この当接板部111 の長手方向の 両端部からは下方に向って、係合側板部113 が互いに対向して突出形成されてい る。さらに、この当接板部111 の略中央部には、係止孔114 が形成されている。 なお、バルコニー側に位置する係合側板部113 には、ねじ孔115 が形成されてい る。
【0078】 そして、この下端笠木用ホルダー体110 は、六角ボルト等のボルト体120 にて 前記壁用パネルに固着されている。
【0079】 すなわち、ボルト体120 の先端が、下端笠木用ホルダー体110 に形成した係止 孔114 から前記アンカーベース体31b の係止縁辺部38間の間隙35に挿通され、こ のボルト体120 が前記嵌挿基体に螺合されることにより、アンカーベース体31b の係合縁辺部38に下端笠木用ホルダー体110 の当接板部111 が当接されて、下端 笠木用ホルダー体110 が壁用パネル22の下端に固着されている。
【0080】 また、図5において、130 は下端笠木で、この下端笠木130 は、例えばアルミ ニウム合金の押出し成形材にて細長形状に形成されたものであり、図示しないバ ルコニー等に設けられた化粧天板、床体等の縁部に固着されている。
【0081】 この下端笠木130 は、細長矩形状の底板部132 を有し、この底板部132 の幅方 向の両側端近傍からは、上方に向って側板部134 が一体にそれぞれ突出形成され ている。
【0082】 また、これら側板部134 の上端からは、互いに対向する方向に係止縁部135 が 折り曲げ形成され、これら底板部132 、側板部134 および係止縁部135 にて、被 嵌合溝部140 が、下端笠木130 の長手方向に沿って形成されている。なお、バル コニー側に位置する係止縁部135 には、ねじ用孔136 が形成されている。
【0083】 そして、この被嵌合溝部140 には、前記下端笠木用ホルダー体110 が上方から 挿入され嵌合されて保持されている。
【0084】 すなわち、下端笠木用ホルダー体110 の係合側板部113 が、下端笠木130 の係 止縁部135 に係合されて、かつ、下端笠木130 の係止縁部135 のねじ用孔136 お よび下端笠木用ホルダー体110 の係合側板部113 のねじ孔115 に、止めねじ141 がバルコニー側から挿入され螺合されることにより、下端笠木用ホルダー体110 が下端笠木130 にて確実に保持されている。こうして、図示しないバルコニーの 縁部の長さに対応した適宜の枚数の同一形状の壁用パネル22が、化粧天板等に対 して確実に固定された状態で並設されている。
【0085】 次に、上記一実施の形態の組立て施工動作について説明する。
【0086】 まず、工場内で一定の規格の下で製作された複数の壁用パネル22を、所定場所 まで運搬する。この運搬に際し、必要に応じて、図1に示すように上面のアンカ ーベース体31の被嵌挿溝部41に嵌挿した嵌挿基体51に、通しボルト体55の代わり に、ねじ部150 を有するフック金具等の引掛け具151 の下端部を螺着する。或い は、下面のアンカーベース体31b の被嵌挿溝部41に嵌挿した嵌挿基体51b に、ボ ルト体120 の代わりに、同様に引掛け具151 の下端部を螺着する。こうして、こ の引掛け具151 を利用して複数の壁用パネル22を持ち上げて運搬する。なお、壁 用パネル22の運搬中の嵌挿基体51,51b の摺動を防止するために、適宜にこの嵌 挿基体51,51b をアンカーベース体31,31b に対して、ねじ等を用いて位置決め 固定してもよい。
【0087】 所定場所に運搬した後、その壁用パネル22を、適宜に化粧天板等に対して固定 して設置する。
【0088】 すなわち、壁用パネル22の下面に一体的に取り付けたアンカーベース体31b の 被嵌挿溝部41嵌挿した嵌挿基体51b に、ボルト体120 を、下端笠木用ホルダー体 130 に形成した係止孔114 から、アンカーベース体31b の係止縁辺部38間の間隙 35を通して螺合して、下端笠木用ホルダー体110 を壁用パネル22に対して固着す る。
【0089】 次いで、この固着した下端笠木用ホルダー体110 を、化粧天板等に固定した下 端笠木130 の被嵌合溝部140 に嵌合させ、かつ、止めねじ141 を螺合することに より、この下端笠木用ホルダー体110 を下端笠木130 で確実に保持して、壁用パ ネル22を化粧天板等に固定して設置する。
【0090】 この設置の際、互いに隣接する壁用パネル22の対向する側端面に一体的に取り 付けたアンカーベース体31a を互いに近接させる。
【0091】 そして、互いに近接したアンカーベース体31a の被嵌挿溝部41の外側方の各間 隙35に、前記パネル連結体42の前記連結部42a を嵌挿するとともに、互いに近接 したアンカーベース体31a の各被嵌挿溝部41にパネル連結体42の前記係止部42b をそれぞれ嵌挿することにより、このパネル連結体42をアンカーベース体31a の 係止縁辺部38で係止する。こうして、互いに隣接する壁用パネル22を固定した状 態に連結する。
【0092】 なお、適宜に、壁用パネル22の設置前に、通しボルト体55を螺着した嵌挿基体 51を、上面のアンカーベース体31の被嵌挿溝部41に溝方向に沿って摺動可能に嵌 挿させておく。また、この際、壁用パネル22の運搬中の嵌挿基体51の摺動を防止 するために、必要に応じて、この嵌挿基体51をアンカーベース体31に対して位置 決め固定する。
【0093】 一方、笠木61、支柱体81および目板91を、固定部材106 、台座71および座板95 にて一体的に固定する。
【0094】 すなわち、まず、支柱体81と台座71と間に笠木61を位置させつつ、支柱体81の ねじホール83と、笠木61のねじ挿通孔66と、台座71のねじ挿通孔76とを一直線状 に一致させて、この台座71の下面側から4本の笠木用ねじ75を差し込み、支柱体 81のねじホール83の下端に螺合することによって、笠木61と支柱体81とを、固定 部材106 の笠木用ねじ75と前記台座71とにて、一体的に固定する。
【0095】 次に、この支柱体81と座板95と間に目板91を位置させつつ、支柱体81のねじホ ール83と、目板91のねじ挿通孔98と、座板95のねじ挿通孔96とを一直線状に一致 させて、この座板95の上面側から4本の目板用ねじ92を差し込み、支柱体81のね じホール83の上端に螺合することによって、目板91と支柱体81とを、固定部材10 6 の目板用ねじ92と前記座板95とにて、一体的に固定する。
【0096】 そして、前記アンカーベース体31の被嵌挿溝部41に溝方向に沿って摺動可能に 嵌挿させた嵌挿基体51を、所定位置に配設する。
【0097】 すなわち、通しボルト体55が立設された嵌挿基体51を、この固定部材106 、台 座71および座板95にて一体的に固定した笠木61、支柱体81および目板91の、それ ぞれの互いに連通した挿通孔65、中空部分86および貫通孔99に、アンカーベース 体31の係止縁辺部38間の間隙35を通って上方に突出した通しボルト体55を通すこ とができる位置に位置決めして配設する。
【0098】 次に、この配設した嵌挿基体51の近傍位置に、笠木ホルダー体43を、例えばア ンカーベース体31に対してねじ止めすることによって、取り付ける。
【0099】 次いで、前記配設した嵌挿基体51に立設した通しボルト体55を、台座71の挿通 孔73、笠木61の挿通孔65、支柱体81の中空部分86、目板91の貫通孔99および座板 95の挿通孔102 に下方から挿通する。
【0100】 この際、笠木ホルダー体43の当接部45を、緩衝部材47を介して、笠木61の天板 部62の下面に当接させるとともに、笠木ホルダー体43の係止片部46の下端に、笠 木61の側板部63の係合縁部68を係合させる。
【0101】 そして、目板91の貫通孔99から、前記座板95の挿通孔102 を介して、上方に突 出した通しボルト体55の上端に、六角状のナット体105 を螺合することによって 、前記嵌挿基体51の上面を係止縁辺部38の下面に確実に係止させて状態にして、 前記壁用パネル22に対して目板91、支柱体81および笠木61を、水平状に一体的に 固定する。
【0102】 最後に、目板91に手摺体107 を取り付けて、すなわち、目板91の係止凹部100 に、手摺体107 の係合凸部108 を係合し固定して固着することによって、組立て 施工を完了する。
【0103】 このように、上記一実施の形態によれば、壁用パネル22の下面に一体的に取り 付けたアンカーベース体31b の被嵌挿溝部41に、嵌挿基体51b を嵌挿させ、この 嵌挿基体51b にボルト体120 を螺合して下端笠木用ホルダー体110 を壁用パネル 22に対して固着した後、この下端笠木用ホルダー体110 を下端笠木130 の被嵌合 溝部140 に嵌合させ、この下端笠木用ホルダー体110 を下端笠木130 で保持して 壁用パネル22を化粧天板等に固定して設置する。なお、互いに隣接する壁用パネ ル22間の連結は、パネル連結体42を側端面のアンカーベース体31a の被嵌挿溝部 41、間隙35等に嵌挿させて固定連結する。
【0104】 次いで、この壁用パネル22の設置後、上面のアンカーベース体31の被嵌挿溝部 41に嵌挿された嵌挿基体51を、所定位置に配設するとともに、この嵌挿基体51の 近傍位置に笠木ホルダー体43を配設し、そして、通しボルト体55を、台座71の挿 通孔73、笠木61の挿通孔65、支柱体81の中空部分86、目板91の貫通孔99および座 板95の挿通孔102 に挿通し、この通しボルト体55の上端にナット体105 を螺合し て、壁用パネル22に対して目板91、支柱体81および笠木61を一体的に固定し、最 後に、目板91に手摺体107 を取り付けることによって、組立て施工が完了するた め、現場でのコンクリート工事を不要とする乾式工法であり、現場での組立て施 工の手間を軽減でき、工期を短縮できる。しかも、品質のばらつきを少なくでき 、性能の向上を図ることができる。
【0105】 また、嵌挿基体51は、アンカーベース体31の被嵌挿溝部41内を溝方向に摺動可 能であるため、この嵌挿基体51の位置決め作業が容易である。例えば、笠木61の 挿通孔65、目板91の貫通孔99が所定位置からずれて形成されていても、容易に対 応できる。
【0106】 さらに、壁用パネル22の鉄筋23に、補強鋼材25を介して、アンカーベース体31 に連結するため、手摺体107 、支柱体81等に加えられた荷重は、通しボルト体55 および嵌挿基体51からアンカーベース体31および補強鋼材25を介して、網目状の 鉄筋23に伝わり、壁用パネル22の内部の全体に分散されるので、強度の向上を図 ることができる。
【0107】 また、壁用パネル22の補強鋼材25の上面にアンカーベース体31を接合するため 、アンカーベース体31と鉄筋23との連結が確実になるとともに気泡コンクリート 中の鉄の量が多くなり、更なる強度の向上を図ることができる。
【0108】 また、壁用パネル22は、気泡コンクリートで成形されているため、比較的軽量 であることに加え、アンカーベース体31,31b の被嵌挿溝部41に嵌挿した嵌挿基 体51,51b に通しボルト体55、ボルト体120 の代わりに、引掛け具111 を螺着し て、この引掛け具111 を利用して持ち上げることができるので、きわめて容易に 運搬できる。そして、同様に、側端面に一体的に取り付けたアンカーベース体31 a を利用して運搬することもでき、壁用パネル22にアンカーベース体31,31a , 31b が一体的に取り付けられてない構造のものと比べて、容易に運搬できる。
【0109】 さらに、壁用パネル22の側端面にアンカーベース体31a が一体的に取り付けら れているため、このアンカーベース体31a を利用して、すなわち、パネル連結体 42の係止部42b をアンカーベース体31a の被嵌挿溝部41に嵌挿すると同時にこの パネル連結体42の連結部42a をアンカーベース体31a の被嵌挿溝部41の外側方の 間隙35に嵌挿することによって、このパネル連結体42をアンカーベース体31a の 係止縁辺部38に係止させて、互いに隣接する壁用パネル22を固定連結するので、 ねじ等を含む連結装置を用いて固定連結する構造のものと比べて、容易かつ確実 に固定連結できる。
【0110】 また、壁用パネル22の上面にアンカーベース体31a が一体的に取り付けられて いるため、このアンカーベース体31を利用することにより、笠木付手摺装置109 、或いは、必要に応じて図示しない他の手摺装置等を容易に固定でき、この壁用 パネル22は取扱い性に優れている。
【0111】 上記一実施の形態においては、壁用パネル22は、石灰質原料とケイ酸質原料を 主原料とし、この原料に、鉄筋23に補強鋼材25およびアンカーベース体31a ,31 b を接合しその補強鋼材25にアンカーベース体31を接合したものを加えて養生し 硬化させて製作するとして説明したが、補強鋼材25の埋設位置によっては、鉄筋 23に補強鋼材25およびアンカーベース体31a を接合したものを加えて養生し硬化 させた後、その補強鋼材25にアンカーベース体31を溶接、ねじ止め、接着等によ り、一体的に取り付けることもできる。なお、これら鉄筋23、補強鋼材25は必ず しも必要ではない。
【0112】 また、上記一実施の形態においては、通しボルト体55を立設した嵌挿基体51を 、所定位置に位置決めして配設した後、この通しボルト体55を、台座71の挿通孔 73、笠木61の挿通孔65、支柱体81の中空部分86、目板91の貫通孔99および座板95 の挿通孔102 に下方から挿通する施工動作について説明したが、嵌挿基体51のみ を所定位置に配設した後、通しボルト55を、座板95の挿通孔102 、目板91の貫通 孔99、支柱体81の中空部分86、笠木61の挿通孔65および台座71の挿通孔73に上方 から挿通して、この通しボルト55の下端を嵌挿基体51に螺合するとともに、この 通しボルト体55の上端に、ナット体105 を螺合して、壁用パネル22に対して目板 91、支柱体81および笠木61を固定することもできる。
【0113】 さらに、上記一実施の形態においては、バルコニーの縁部の長さに対応した適 宜の枚数の同一形状の壁用パネル22を、化粧天板等に並設し、この並設した壁用 パネル22の上端に、目板91、支柱体81および笠木61を水平状に一体的に固定した 構成について説明したが、例えば、図7に示すように、互いに高さ寸法の異なる 壁用パネル150 と壁用パネル151 とを、互いに隣接させて、適宜の枚数の壁用パ ネル150 ,151 を、化粧天板等に並設することもできる。
【0114】 この場合、従来の現場コンクリート打ちで形成するときと比べて、これら壁用 パネル150 ,151 は、工場内で一定の規格の下でまとめて製作するので、現場環 境の悪影響を受けず、高さ寸法の誤差も小さいので、的確かつ簡単に水平状に、 目板91、支柱体81および笠木61を一体的に固定でき、現場での組立て施工性を向 上できる。
【0115】 また、高さ寸法の小さい壁用パネル150 の笠木61a の上面に立設された比較的 長い支柱体153 間には、手摺格子体154 が取り付けられている。すなわち、支柱 体153 の上下端に位置して、支持棒155 が水平状に支持され、この支持棒155 間 に、複数の手摺棒156 が鉛直状に固着されている。この手摺格子体154 を介して 、例えば、広い範囲にわたって、外の風景を見ることができ、しかも、美観を向 上できる。
【0116】 さらに、上記一実施の形態が備えた壁用パネル22は、上下面および両側端面に アンカーベース体31,31a ,31b を一体的に取り付けた構成について説明したが 、壁用パネル22の上面および両側端面にのみアンカーベース体31,31a を取り付 けた構成でもよく、或いは、壁用パネル22の上面にのみアンカーベース体31を取 り付けた構成でもよい。また、壁用パネル22の下面にのみアンカーベース体31b を取り付けた構成でもよい。
【0117】 また、上記一実施の形態においては、上面に一体的に取り付けたアンカーベー ス体31は、壁用パネル22の上面に形成された溝部内に埋込み位置している構成と して説明したが、例えば、図8に示すように、壁用パネル22の平面状の上面に、 アンカーベース体31c を一体的に取り付けた構成でもよい。
【0118】 このアンカーベース体31c は、壁用パネル22の上面と略同一面積の細長矩形状 の基板部33c を有し、この基板部33c の幅方向の両側端からは下方に向って側板 部34が一体にそれぞれ突出形成され、この側板部34と前記基板部33c とにて、被 嵌挿溝部41が、アンカーベース体31c の長手方向に沿って形成されている。さら に、この側板部34に連続して、前記被嵌挿溝部41の下方に位置して、互いに対向 する方向に係止縁辺部38が折曲形成され、この係止縁辺部38の先端縁間には、間 隙35が形成されている。
【0119】 そして、このアンカーベース体31c によれば、ともに略同一面積の基板部33c と、壁用パネル22の上面とが、互いに接触して一体的に固定されているため、手 摺体107 、支柱体81等に加えられた荷重が壁用パネル22に分散されて伝達するの で、強度の向上をより図ることができる。
【0120】 なお、このアンカーベース体31c は、壁用パネル22の上面にのみ一体的に取り 付けた構成のほか、平面状に形成した両側端面にのみ一体的に取り付けた構成、 上面および両側端面に一体的に取り付けた構成、或いは、上下面および両側端面 に一体的に取り付けた構成でもよい。
【0121】 次に、本考案の気泡コンクリート壁の他の実施の形態を図3および図9を参照 して説明する。なお、前記一実施の形態と略同一の構造部分については同一符号 を付して説明する。
【0122】 図9において、161 は気泡コンクリートで略矩形板状に成形された壁用パネル であり、この壁用パネル161 は、図示しないバルコニーの床体等に固定した状態 に並設されている。この壁用パネル161 の左右方向の両側端面には、細長形状の アンカーベース体31a が、上下方向に沿って一体的に取り付けられている。
【0123】 また、このアンカーベース体31a は、図3に示すように、上下方向に沿って形 成された被嵌挿溝部41を有するとともにこの被嵌挿溝部41の外側方に間隙35をも って互いに対向して形成された係止縁辺部38を有しており、全体として断面略C 字状である。
【0124】 そして、この互いに近接した状態で対向するアンカーベース体31a の被嵌挿溝 部41には、断面略H字状をなす細長形状のパネル連結体42の係止部42b が嵌挿さ れているとともに、この互いに近接した状態で対向するアンカーベース体31a の 被嵌挿溝部41の外側方の間隙35には、パネル連結体42の連結部42a が嵌挿されて いる。こうして、このパネル連結体42がアンカーベース体31a の係止縁辺部38に 固定した状態に係止されて、互いに隣接する壁用パネル131 が固定連結されてい る。
【0125】 そして、この気泡コンクリート壁の他の実施の形態の組立て施工は、まず、工 場内で一定の規格の下で製作された複数の壁用パネル131 を、所定場所まで運搬 する。この運搬に際し、必要に応じてアンカーベース体31a を利用、すなわち、 図示しない引掛け具を被嵌挿溝部41内に位置させ係止縁辺部38に係止させて持ち 上げて運搬する。次いで、アンカーベース体31a を近接させて壁用パネル131 を 並設した後、パネル連結体42の係止部42b を互いに近接した状態で対向するアン カーベース体31a の被嵌挿溝部41に嵌挿するとともに、パネル連結体42の連結部 42a を互いに近接した状態で対向するアンカーベース体31a の被嵌挿溝部41の外 側方の間隙35に嵌挿し、このパネル連結体42をアンカーベース体31a の係止縁辺 部38に係止させて、互いに隣接する壁用パネル161 を固定した状態に連結する。
【0126】 また、図示しない固定部材を、各壁用パネル161 の各下端部に取り付けて、こ の壁用パネル161 をバルコニーの床体等に確実に固定した状態に並設する。
【0127】 このように、上記他の実施の形態によれば、アンカーベース体31a を近接させ て壁用パネル161 を並設した後、パネル連結体42の係止部42b をアンカーベース 体31a の被嵌挿溝部41に嵌挿し同時に、パネル連結体42の連結部42a をアンカー ベース体31a の被嵌挿溝部41の外側方の間隙35に嵌挿し、このパネル連結体42を アンカーベース体31a の係止縁辺部38に係止させて、互いに隣接する壁用パネル 161 を固定した状態に連結するので、ねじ等を含む連結装置を用いねじの締め付 け作業等を必要とする構造のものと比べて、複数の壁用パネル161 を容易かつ確 実に固定連結できる。よって、現場での組立て施工の手間を軽減でき、工期を短 縮できる。しかも、品質のばらつきを少なくでき、性能の向上を図ることができ る。
【0128】 また、壁用パネル161 は、気泡コンクリートで成形されているため比較的軽量 であることに加え、フック金具等の引掛け具を被嵌挿溝部41内に位置させ係止縁 辺部38に係止させ、この引掛け具を利用して持ち上げることができるので、きわ めて容易に運搬できる。
【0129】
【考案の効果】
請求項1記載の考案によれば、周面の少なくとも一面に長手方向に沿ってアン カーベース体を一体的に取り付けるため、フック金具等の引掛け具をアンカーベ ース体の間隙を通して被嵌挿溝部内に位置させ係止縁辺部に係止させて、この引 掛け具を利用して持ち上げて運搬できるので、アンカーベース体が取り付けられ てない構造のものと比べて、容易に運搬できる。しかも、気泡コンクリートにて 成形するため、通常のコンクリート製によるものと比べて軽量であり、確実に運 搬を容易にできる。
【0130】 また、上面となる周面にアンカーベース体が一体的に取り付けられている場合 には、このアンカーベース体を利用して、手摺装置等を固定できるので、モルタ ル盛り付け作業を必要とする構造のものと比べて、容易に固定できる。さらに、 側端面となる周面にアンカーベース体が一体的に取り付けられている場合には、 このアンカーベース体を利用して、互いに隣接するものを固定連結できるので、 ねじ等を含む連結装置を用いてねじの締め付け作業を必要とする構造のもの、或 いは接着剤盛り付け作業を必要とする構造のものと比べて、容易かつ確実に固定 連結できる。また、下面となる周面にアンカーベース体が一体的に取り付けられ ている場合には、このアンカーベース体を利用して、床体、天板等に対して固定 できるので、モルタル盛り付け作業を必要とする構造のものと比べて、容易に固 定できる。よって、取扱い性に優れている。
【0131】 請求項2記載の考案によれば、壁用パネルを設置した後、アンカーベース体の 被嵌挿溝部に嵌挿された嵌挿基体を所定位置に配設し、通しボルト体を、笠木の 挿通孔、支柱体の中空部分および目板の貫通孔に挿通し、この通しボルト体の上 端にナット体を螺合して、壁用パネルに対して目板、支柱体および笠木を一体的 に固定し、最後に、目板に手摺体を取り付けるため、現場でのモルタル、コンク リート工事を不要とする乾式工法であり、現場での組立て施工の手間を軽減でき 、工期を短縮でき、しかも、品質のばらつきを少なくでき、性能の向上を図るこ とができる。
【0132】 また、壁用パネルは、気泡コンクリートで成形されているため比較的軽量であ ることに加え、フック金具等の引掛け具を被嵌挿溝部内に位置させ係止縁辺部に 係止させこの引掛け具を利用して持ち上げ、或いは、アンカーベース体の被嵌挿 溝部に嵌挿した嵌挿基体に、通しボルト体の代わりにねじ部を有するフック金具 等の引掛け具を螺着しこの引掛け具を利用して持ち上げることができるので、き わめて容易に運搬できる。
【0133】 さらに、嵌挿基体は、アンカーベース体の被嵌挿溝部内を溝方向に摺動可能で あるため、この嵌挿基体の位置決め作業が容易である。例えば、笠木の挿通孔、 目板の貫通孔が所定位置からずれて形成されていても、容易に対応できる。
【0134】 請求項3記載の考案によれば、壁用パネルの鉄筋にアンカーベース体を連結す るため、手摺体、支柱体に加えられた荷重は、通しボルト体および嵌挿基体から アンカーベース体を介して、網目状の鉄筋に伝わり、壁用パネルの内部の全体に 分散されるので、強度の向上を図ることができる。
【0135】 請求項4記載の考案によれば、壁用パネルの補強鋼材にアンカーベース体を溶 接等で接合するため、アンカーベース体と鉄筋との連結が確実になるとともに気 泡コンクリート中の鉄の量が多くなり、更なる強度の向上を図ることができる。
【0136】 請求項5記載の考案によれば、アンカーベース体を近接させて壁用パネルを並 設した後、パネル連結体の連結部を被嵌挿溝部の外側方の各間隙に嵌挿するとと もにパネル連結体の係止部をアンカーベース体の各被嵌挿溝部にそれぞれ嵌挿す ることにより、このパネル連結体をアンカーベース体の係止縁辺部で係止して、 互いに隣接する壁用パネルを固定連結するので、ねじ等を含む連結装置を用いね じの締め付け作業等を必要とする構造のものと比べて、複数の壁用パネルを容易 かつ確実に固定連結でき、現場での組立て施工の手間を軽減でき、工期を短縮で き、しかも、品質のばらつきを少なくでき、性能の向上を図ることができる。
【0137】 また、壁用パネルは、気泡コンクリートで成形されているため比較的軽量であ ることに加え、フック金具等の引掛け具を被嵌挿溝部内に位置させ係止縁辺部に 係止させ、この引掛け具を利用して持ち上げることができるので、きわめて容易 に運搬できる。
【0138】 請求項6記載の考案によれば、壁用パネルの下面に一体的に取り付けたアンカ ーベース体の被嵌挿溝部に嵌挿基体を嵌挿させ、この嵌挿基体に下端笠木用ホル ダー体に形成した係止孔からアンカーベース体の係止縁辺部間の間隙を通してボ ルト体を螺合して、下端笠木用ホルダー体を壁用パネルに対して固着する。そし て、この下端笠木用ホルダー体を下端笠木の被嵌合溝部に嵌合させることにより 、この下端笠木用ホルダー体を下端笠木で保持して、壁用パネルを床体、天板等 に対して固定するので、モルタル盛り付け作業を必要とする構造のものと比べて 、容易に固定できる。
【0139】 また、壁用パネルは、気泡コンクリートで成形されているため比較的軽量であ ることに加え、フック金具等の引掛け具を被嵌挿溝部内に位置させ係止縁辺部に 係止させ、この引掛け具を利用して持ち上げることができるので、きわめて容易 に運搬できる。
【0140】 請求項7記載の考案によれば、壁用パネルの下面に一体的に取り付けたアンカ ーベース体の被嵌挿溝部に、嵌挿基体を嵌挿させ、この嵌挿基体にボルト体を螺 合して、下端笠木用ホルダー体を壁用パネルに対して固着して、この下端笠木用 ホルダー体を下端笠木の被嵌合溝部に嵌合させて、この下端笠木用ホルダー体を 下端笠木で保持して、壁用パネルを床体、天板等に対して固定する。
【0141】 こうして、複数の壁用パネルを固定した状態に並設した後、この壁用パネルの 上面に一体的に取り付けたアンカーベース体の被嵌挿溝部に嵌挿された嵌挿基体 を所定位置に配設し、通しボルト体を、笠木の挿通孔、支柱体の中空部分および 目板の貫通孔に挿通し、この通しボルト体の上端にナット体を螺合して、壁用パ ネルに対して目板、支柱体および笠木を一体的に固定し、最後に、目板に手摺体 を取り付けるため、現場でのモルタル、コンクリート工事を不要とする乾式工法 であり、現場での組立て施工の手間を軽減でき、工期を短縮でき、しかも、品質 のばらつきを少なくでき、性能の向上を図ることができる。
【0142】 また、壁用パネルは、気泡コンクリートで成形されているため比較的軽量であ ることに加え、フック金具等の引掛け具を被嵌挿溝部内に位置させ係止縁辺部に 係止させこの引掛け具を利用して持ち上げ、或いは、アンカーベース体の被嵌挿 溝部に嵌挿した嵌挿基体に通しボルト体の代わりにねじ部を有するフック金具等 の引掛け具を螺着しこの引掛け具を利用して持ち上げることができるので、きわ めて容易に運搬できる。
【0143】 さらに、嵌挿基体は、アンカーベース体の被嵌挿溝部内を溝方向に摺動可能で あるため、この嵌挿基体の位置決め作業が容易である。例えば、笠木の挿通孔、 目板の貫通孔が所定位置からずれて形成されていても、容易に対応できる。
【0144】 また、パネル連結体の連結部を互いに近接したアンカーベース体の被嵌挿溝部 の外側方の各間隙に嵌挿するとともにパネル連結体の係止部を互いに近接したア ンカーベース体の各被嵌挿溝部にそれぞれ嵌挿することにより、このパネル連結 体をアンカーベース体の係止縁辺部で係止して、互いに隣接する壁用パネルを固 定連結するので、ねじ等を含む連結装置を用いねじの締め付け作業等を必要とす る構造のものと比べて、複数の壁用パネルを容易かつ確実に固定連結でき、現場 での組立て施工の手間を軽減でき、工期をさらに短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の気泡コンクリート壁の一実施の形態が
備えた壁用パネルおよびパネル連結体を示す斜視図であ
る。
【図2】本考案の気泡コンクリート壁の一実施の形態を
示す正面図である。
【図3】同上気泡コンクリート壁等の連結状態を示す断
面図である。
【図4】同上気泡コンクリート壁の上部を示す断面図で
ある。
【図5】同上気泡コンクリート壁の下部を示す断面図で
ある。
【図6】同上気泡コンクリート壁の笠木付手摺装置を示
す分解斜視図である。
【図7】本考案の気泡コンクリート壁の他の実施の形態
を示す正面図である。
【図8】アンカーベース体の他の実施の形態を示す断面
図である。
【図9】本考案の気泡コンクリート壁の他の実施の形態
を示す正面図である。
【図10】従来のコンクリート壁を示す分解斜視図であ
る。
【図11】同上コンクリート壁を示す斜視図である。
【符号の説明】
22,150 ,151 ,161 壁用パネル 23 鉄筋 25 補強鋼材 31,31a ,31b ,31c アンカーベース体 35 間隙 38 係止縁辺部 41 被嵌挿溝部 42 パネル連結体 42a 連結部 42b 係止部 51,51b 嵌挿基体 55 通しボルト体 61,61a 笠木 65 挿通孔 81,153 支柱体 91 目板 99 貫通孔 105 ナット体 106 固定部材 107 手摺体 110 下端笠木用ホルダー体 114 係止孔 120 ボルト体 130 下端笠木 140 被嵌合溝部

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細長形状の周面の少なくともいずれか一
    面に長手方向に沿って一体的に取り付けられた細長形状
    のアンカーベース体を有し気泡コンクリートで略矩形板
    状に成形された壁用パネルであって、 前記アンカーベース体は、長手方向に沿って形成された
    被嵌挿溝部およびこの被嵌挿溝部の外側方に間隙をもっ
    て互いに対向して形成された係止縁辺部を有することを
    特徴とする壁用パネル。
  2. 【請求項2】 周面である上面に長手方向に沿って一体
    的に取り付けられたアンカーベース体を有する請求項1
    記載の壁用パネルと、 この壁用パネルの前記アンカーベース体の被嵌挿溝部に
    溝方向に沿って摺動可能に嵌挿された嵌挿基体と、 この嵌挿基体に下端が螺合され、前記アンカーベース体
    の係止縁辺部間の間隙を通して上方に突出した通しボル
    ト体と、 この通しボルト体が挿通された挿通孔を有し前記壁用パ
    ネルの上面を覆う板状の笠木と、 この笠木の上面に立設され、この笠木の前記挿通孔から
    突出した前記通しボルト体が挿通された筒状の支柱体
    と、 この支柱体の上端に支持され、この支柱体の上端から突
    出した前記通しボルト体が挿通された貫通孔を有する目
    板と、 この目板、前記支柱体および前記笠木を一体的に固定す
    る固定部材と、 前記目板の前記貫通孔から突出した前記通しボルト体の
    上端に螺合され、前記壁用パネルに対して前記固定部材
    にて一体的に固定された前記目板、前記支柱体および前
    記笠木を一体的に固定するナット体と、 前記目板に前記ナット体を覆って取り付けられた手摺体
    とを具備したことを特徴とする気泡コンクリート壁。
  3. 【請求項3】 壁用パネルは、内部の略全体にわたって
    埋設された網目状の鉄筋を有し、 アンカーベース体は、前記鉄筋に連結されていることを
    特徴とする請求項2記載の気泡コンクリート壁。
  4. 【請求項4】 壁用パネルは、鉄筋の上端に接合された
    細長形状の補強鋼材を有し、 アンカーベース体は、前記補強鋼材に接合されているこ
    とを特徴とする請求項3記載の気泡コンクリート壁。
  5. 【請求項5】 周面である両側端面に長手方向に沿って
    一体的にそれぞれ取り付けられたアンカーベース体を有
    する請求項1記載の複数の壁用パネルと、 この壁用パネルの前記アンカーベース体の被嵌挿溝部の
    外側方の間隙に嵌挿される連結部およびこの連結部の両
    端にそれぞれ一体形成され前記アンカーベース体の前記
    被嵌挿溝部にそれぞれ嵌挿される係止部を有する細長形
    状のパネル連結体とを備え、 側端面に一体的に取り付けた前記アンカーベース体を近
    接させて前記壁用パネルを並設し、 互いに近接した前記アンカーベース体の前記被嵌挿溝部
    の外側方の各間隙に前記パネル連結体の前記連結部を嵌
    挿するとともに互いに近接した前記アンカーベース体の
    前記各被嵌挿溝部に前記パネル連結体の前記係止部をそ
    れぞれ嵌挿することにより前記パネル連結体を前記アン
    カーベース体の係止縁辺部で係止したことを特徴とする
    気泡コンクリート壁。
  6. 【請求項6】 周面である下面に長手方向に沿って一体
    的に取り付けられたアンカーベース体を有する請求項1
    記載の壁用パネルと、 この壁用パネルの前記アンカーベース体の被嵌挿溝部に
    溝方向に沿って摺動可能に嵌挿される嵌挿基体と、 前記壁用パネルの下端に固着される下端笠木用ホルダー
    体と、 この下端笠木用ホルダー体に形成した係止孔から前記ア
    ンカーベース体の係止縁辺部間の間隙を通って前記嵌挿
    基体に螺合され、前記下端笠木用ホルダー体を前記壁用
    パネルに対して固着するボルト体と、 長手方向に沿って形成された被嵌合溝部を有し前記下端
    笠木用ホルダー体を保持する細長形状の下端笠木とを備
    え、 前記壁用パネルの下面に一体的に取り付けた前記アンカ
    ーベース体の前記被嵌挿溝部に前記嵌挿基体を嵌挿さ
    せ、 この嵌挿した嵌挿基体に、前記下端笠木用ホルダー体に
    形成した係止孔から前記アンカーベース体の前記係止縁
    辺部間の間隙を通して前記ボルト体を螺合して前記壁用
    パネルに対して前記下端笠木用ホルダー体を固着して、 この固着した下端笠木用ホルダー体を前記下端笠木の被
    嵌合溝部に嵌合させることにより前記下端笠木用ホルダ
    ー体を前記下端笠木で保持したことを特徴とする気泡コ
    ンクリート壁。
  7. 【請求項7】 周面である上下面および両側端面に長手
    方向に沿って一体的にそれぞれ取り付けられたアンカー
    ベース体を有し、側端面に一体的に取り付けられたアン
    カーベース体が互いに近接する状態に並設された複数の
    請求項1記載の壁用パネルと、 この壁用パネルの上面に一体的に取り付けられた前記ア
    ンカーベース体の被嵌挿溝部に溝方向に沿って摺動可能
    に嵌挿された嵌挿基体と、 この嵌挿基体に下端が螺合され、前記アンカーベース体
    の係止縁辺部間の間隙を通して上方に突出した通しボル
    ト体と、 この通しボルト体が挿通された挿通孔を有し前記壁用パ
    ネルの上面を覆う板状の笠木と、 この笠木の上面に立設され、この笠木の前記挿通孔から
    突出した前記通しボルト体が挿通された筒状の支柱体
    と、 この支柱体の上端に支持され、この支柱体の上端から突
    出した前記通しボルト体が挿通された貫通孔を有する目
    板と、 この目板、前記支柱体および前記笠木を一体的に固定す
    る固定部材と、 前記目板の前記貫通孔から突出した前記通しボルト体の
    上端に螺合され、前記壁用パネルに対して前記固定部材
    にて一体的に固定された前記目板、前記支柱体および前
    記笠木を一体的に固定するナット体と、 前記目板に前記ナット体を覆って取り付けられた手摺体
    と、 前記壁用パネルの側端面に一体的に取り付けられた互い
    に近接した状態の前記アンカーベース体の被嵌挿溝部の
    外側方の各間隙に嵌挿された連結部およびこの連結部の
    両端にそれぞれ一体形成され前記アンカーベース体の前
    記各被嵌挿溝部にそれぞれ嵌挿された係止部を有し、前
    記アンカーベース体の係止縁辺部で係止された細長形状
    のパネル連結体と、 前記壁用パネルの下面に一体的に取り付けられた前記ア
    ンカーベース体の被嵌挿溝部に溝方向に沿って摺動可能
    に嵌挿された嵌挿基体と、 前記壁用パネルの下端に固着された下端笠木用ホルダー
    体と、 この下端笠木用ホルダー体に形成した係止孔から前記ア
    ンカーベース体の係止縁辺部間の間隙を通して前記嵌挿
    基体に螺合され、前記下端笠木用ホルダー体を前記壁用
    パネルに対して固着するボルト体と、 長手方向に沿って形成された被嵌合溝部を有しこの被嵌
    合溝部に前記下端笠木用ホルダー体を嵌合して保持する
    細長形状の下端笠木とを具備したことを特徴とする気泡
    コンクリート壁。
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