JP3047763U - 熱成形物裁断装置 - Google Patents

熱成形物裁断装置

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JP3047763U
JP3047763U JP1997009301U JP930197U JP3047763U JP 3047763 U JP3047763 U JP 3047763U JP 1997009301 U JP1997009301 U JP 1997009301U JP 930197 U JP930197 U JP 930197U JP 3047763 U JP3047763 U JP 3047763U
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 熱成形において、一次成形品より、フランジ
を開口部に備えた成形品を容易に裁断して得ることので
きる装置を提供する。 【解決手段】 熱成形時にはシートに接触しない高さの
環状の雄型刃10と、雄型刃の先端面が後退することが
できるようバネ16に担持されて配置されている金属製
の環状押付部材14とが、一体となって運動する共通の
基盤12に備えられており、雄型刃の先端が環状溝8の
底に突き当たる共通の基盤と型5との間の接近を所定限
度に止める停止機構18が構成されており、環状溝に雄
型刃を正確に位置合わせするための位置決め機構24が
備えられており、そして熱成形後、環状溝上のシート領
域が硬化する前に、基盤を型外面へ向けて押してこれに
接近させ、それにより、環状押付部材のシートへの押付
と雄型刃によるシートの裁断、及び停止機構による基盤
と型との間の接近停止を、順次行わせることのできる駆
動装置が備えられている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、プラスチックシートの圧空成形、真空成形その他の熱成形おいて、 開口部にアンダーカットを有していてよい一次成形物からフランジを備えた成形 品を切り出すための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱成形品、特に開口部にアンダーカットを有する熱成形品、例えば照明 カバー等においては、成形品を余剰シートから切り出すに際しては、一次成形品 を一旦取り出した後で余剰シート部分を切断していた。しかしながら、幅の狭く 深いアンダーカットを有する成形品にあっては、開口部付近で余剰シートを切断 除去するには技術的制約があった。すなわち、補強のため開口部周囲に平面シー ト部分よりなるフランジが残るように切断を行うには、一次成形品の幅の狭く深 いアンダーカット部分に何らかの支持部材を挿入してシートを支え、これに対し て環状の刃を押し当てる等の方法をとれれることが好ましい。しかしながら、成 形後硬化した樹脂をそのような方法で切断するには非常に大きな圧力を要し、シ ートを支える支持部材に大きな強度が必要となるにも関わらず、アンダーカット 部分が狭く且つ深いと、満足な強度を支持部材に持たせることが困難であり、そ のような切断方法は実現できなかった。また、フランジが残るように切断するに は、他にも鋸や加熱ワイヤ等の使用も不可能ではないものの、狭い領域であるた め工程が複雑化するのみならず、非効率的であり、切断部位の変形等の問題も生 じ得るため最終製品形状にも悪影響を与えるなど、好ましい方法ではなかった。
【0003】 このため、アンダーカット部分の開口部にフランジが残るよう一次成形品の開 口部周囲の平面部分で余剰シートを切断するということは従来行われておらず、 これまでの照明カバー等に用いる深いアンダーカット部分を有する一次成形品か らの余剰シートの切断では、一般に、アンダーカットの底の部分を、鋸等により 開口部と平行な面で切断しており、従って、従来製品のアンダーカットのある開 口部にはフランジが備わっておらず、筒状の切断面に終わっていた。
【0004】 また従来の切断方法では、成形と余剰シートの切断除去とが、中間に一次成形 品の取り出し工程を挟んで別個の工程として行われるため、生産効率上無駄が多 く、しかも得られる成形品には開口部にフランジが無いため開口部の強度が不足 し容易に撓むために、実用的に十分な強度の成形品を製造するには、シートの厚 みを増すことが不可欠であった。これは成形品あたりの樹脂使用量を増大させ、 原料コストに直接反映するとともに、得られる製品の重さを増大させてしまう結 果となっていた。更には、このような従来品では、半径方向の外力に対する開口 部の抵抗力が弱く、撓み易いため、例えば照明カバーの場合等には、照明器具本 体への取付けに際して開口部に別途、金具やプラスチック製の枠等を取付け、そ れらの剛直な支持によって初めて、照明器具本体に安定に取付けられるようにし ていた。この事もまた、成形品の使用に際して部品点数を増やし、余分なコスト につながっていた。
【0005】 従って、熱成形において、取り分け、深く且つ狭いアンダーカットを有する場 合に、一次成形品から迅速に且つ変形を生じることなく、フランジを備えた成形 品を切り出すための装置に対する潜在的要求があった。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、上記の問題点を解消し、熱成形において、たとえ深く且つ狭いアン ダーカットを有する一次成形品からでも、迅速に且つ変形を生じることなく、精 密に制御された形状のフランジを備えるように成形品を切り出すことのできる装 置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案者は、一次成形品を型から一旦取り出すことなく、切断すべきシート部 分がまだ軟らかいうちに、不要な余剰シート部分を裁断することのできる装置を 求めて検討を行った。
【0008】 熱成形の工程においては、予め加熱されたシートがクランプ枠によってエアタ イトにクランプされて型の外面に固定され、次いで空気圧(圧空又は真空)その 他を利用して成形が行われる。このとき型内面との密着による冷却に伴って樹脂 が収縮しようとするために、成形直後にクランプ枠の内側で余剰シート部分を単 に裁断すると、クランプ枠による支持を失って、シートが収縮し、裁断部位が成 形品本体側方向に変位して、寸法に大きな誤差が生じ得ることが、本考案者によ り見出された。
【0009】 更にまた、一次成形品から張り出した余剰シートがまだ軟らかいうちにこれを 単に裁断しようとすると、近傍の樹脂が刃先に引かれて延びて変形したり裁断部 位にバリが残り易く、これらも成形品の寸法精度に悪影響を及ぼしたりバリ取り の工程を必要とする等の不利益をもたらす要因となることが判明した。
【0010】 本考案者は、これらの問題点を解決するために検討を重ねた結果、クランプ枠 の内側における裁断に際して、裁断位置より内側の、フランジを形成すべき環状 のシート領域を、裁断位置に沿った金属製の環状押付部材を用いて型外面に押付 けて固定すると共に該部材により押付部分のシートの冷却硬化を促すことによっ て、裁断直後フランジ領域のシートが成形品の収縮応力に引かれて内方へ変位す るのを防止でき、そのため、シートが硬化しきる前に余剰シート部分を裁断する ことが可能となることを見出した。
【0011】 更には、環状の雄型刃を、型外面に設けた環状溝で受けて裁断するようにする ことにより、雄型刃の通るシート領域だけを環状溝上に型との接触を避けて保持 することで、その領域の冷却を周囲より遅らせて相対的に軟らかな状態を保つこ とによって、裁断時における刃の通過を容易にし裁断に要する圧力を極度に減少 できることを見出した。
【0012】 加えて、前記金属製の環状押付部材によるシートの押付を、環状溝の直ぐ内側 の領域で行うことにより、クランプ枠と環状の金属製押付部材との間に張られた 余剰シートの裁断に際してバリが生じにくいことを見出した。
【0013】 更に加えて、好ましくは、環状溝の内周縁と、これに合致する環状の、刃先を その環の内周側に有する雄型刃とによって裁断を行うことにより、裁断に際し変 形やバリの問題が実質上完全に解決できることを見出した。
【0014】 本考案は、これらの知見を元に、そのような裁断の実施を可能にする装置につ き更に検討を重ねて完成させたものである。
【0015】 すなわち本考案は、シート状プラスチックの熱成形により得られる、開口部の 周囲に余剰シートを有する一次成形物から、成形後型からの取り出しに先立って 、該開口部の周囲にフランジを備えるように該余剰シートから成形品を切り出す ための装置であって、 (1)該一次成形物の開口部に対応する開口部を備えた型と、 (2)成形前シートを該型の外面に該型の開口部を包囲するようにエアタイトに 押さえ付けることのできるクランプ枠とを有しており、 (3)該クランプ枠の押し付けられる位置よりも内側において、成形前シートと 接触する該型の外面に該型の開口部を包囲する環状溝が備えられており、 (4)(a)該環状溝とかみ合いこれと協働してシートを裁断するよう構成され 配置された、熱成形時にはシートに接触しない高さの環状の雄型刃と、(b)該 雄型刃の内側に沿って配置された、その先端面が該雄型刃の先端と同じ高さ乃至 先端よりも突出しているがしかし熱成形の最中にはシートを押さえ付けない高さ に位置ししかもその先端面が該雄型刃の先端の高さよりも後退することができる ようバネに担持されて配置されている金属製の環状押付部材とが、一体となって 運動する共通の基盤に備えられており、 (5)前記雄型刃の先端が前記環状溝の底に突き当たるのを該共通の基盤と該型 との間の接近を所定限度に止めることにより防止する停止機構が、該共通の基盤 と該型の間に構成されており、 (6)該環状溝に該雄型刃を正確に位置合わせするための、該型と該共通の基盤 との間の位置決め機構が備えられており、そして (7)熱成形後、該環状溝上のシート領域が硬化する前に、前記基盤を該型外面 へ向けて押し該基盤を該型外面へ接近させ、それにより、該環状押付部材の該シ ートへの押付と該雄型刃によるシートの裁断、及び該停止機構による該基盤と該 型との間の接近停止を、順次行わせることのできる駆動装置が備えられている、 ことを特徴とする装置を提供する。
【0016】 本考案によれば、熱成形後、まだ型とクランプ枠とに保持された一次成形品の 余剰シート部分において、刃が押し込まれることとなる環状溝の領域ではシート が型に接触していないため、その領域の冷却が抑制され、該領域が他のシート部 分に比して軟らかい間に裁断を実行できるため、裁断に要する圧力が僅かで済み 、裁断を行う刃を支持する構造に要求される強度もごく小さくて済む。このため 、アンダーカットのない一次成形品はもとより、従来不可能であった深く且つ狭 いアンダーカットのある一次成形品においさえてもアンダーカットのある開口部 周囲に筒状の刃を当てて型外面との間で余剰シートを簡単に裁断除去して、開口 部付近にフランジを備えた最終成形品を得ることが可能となり、成形と最終成形 品の切り出しとを同一装置内一連の一体化した工程として実施することができる 。同時に、これにより、深く且つ狭いアンダーカットのある開口部に高い寸法精 度のフランジを備えた、従来技術では困難であった形態の成形品を、容易に製造 することができる。
【0017】 加えて本考案によれば、裁断前に、刃の内側に配置された金属製の環状押付部 材が成形シートに押し当てられることによって、裁断位置の内側でシートが力学 的に固定されると同時にその部位の冷却硬化が促されるため、裁断後に成形品本 体側の収縮応力によって裁断領域が内方へ変位し成形品が変形するような不都合 が起こらず、開口部周囲のフランジ部分に優れた寸法精度を保証することができ る。
【0018】 更にまた、本考案によれば、環状溝上に維持されたシートを裁断するに当たっ て、シートは、クランプ枠によって外側を、そして、金属製の環状押付部材によ って内側をそれぞれ固定されているため、これらの間にシートが張られた格好と なり、裁断が円滑に達成でき、裁断部位にバリや変形が生じにくく、直ちに完成 品を取り出すことができる。
【0019】 更に加えて、本考案によれば、アンダーカットのある開口部をフランジで補強 した成形品が得られ、開口部の変形に対する抵抗力が飛躍的に増大する。このた め、例えば照明カバー等においては、アンダーカット部分の底に更に追加的に種 々の形状の凹凸を自在に形成しおけば、それら凹凸を従来の照明カバーにおける 取付け金具や取付け枠等に代わるものとして十分の強度をもって機能させること ができるようになる。そのようにすれば、従来品のような取付け金具や取付け枠 が不要となり、この点からも、本考案は、生産全体のコスト効率を著しく改善す るための基礎を提供することができる。
【0020】 更に、本は考案によればフランジによって開口部の強度が著しく増すため、シ ートの肉厚を相対的に薄くすることが可能となり、この点もまた生産のコスト効 率を改善する。
【0021】
【考案の実施の態様】
本考案において、「フランジ」は、成形品の開口部から外方に張り出しており 、その張出距離に特に制限はない。但し、一次成形品がアンダーカットを有する ものであり且つ開口部からフランジの張り出し距離がアンダーカットの深さより 短くそのためアンダーカット内においてシートの裁断をしなければならない場合 に、本考案は取り分け有利である。
【0022】 開口部より側方へ広がった被成形部を有するアンダーカットのある一次成形物 を成形する場合には、本考案の装置において、型の開口部側の部分は、2つ以上 の可動割型で構成すればよい。それら複数の可動割型は、それらを互いに合体さ せたとき対応するアンダーカット部分を有する開口部(及び環状溝)を形成する ように構成され、且つ、熱成形後、成形品のアンダーカット部分からそれぞれ側 方へ抜き取るられるよう、油圧シリンダーその他適宜の駆動手段により駆動でき るように構成されていればよい。アンダーカットのない一次成形物を成形する場 合には、型の開口部付近の構造は任意である。
【0023】 本考案において、クランプ枠は弾性材料を用いて構成されていてもよい。その 場合、雄型刃と環状押付部材とが備えられている、一体となって運動する共通の 基盤にクランプ枠をも備えておけば、該基盤を型外面に向けて押すだけで、クラ ンプ枠を弾性変形させて該環状押付部材の該シートへの押付けと該刃によるシー トの裁断、及び該停止機構による該基盤と該型との接近停止を、順次行わせるこ とができ、装置が構造上単純化できるため、コスト上有利である。
【0024】 クランプ枠を弾性材料を用いて構成するとき、「弾性材料」は、クランプ枠が シートをエアタイトにクランプでき、圧空成形・真空成形等の熱成形がなされた 後、クランプ枠、環状押付部材及び環状の雄型刃の配置された共通の基盤を型外 面に対して更に押し付けて相互に更に接近させる事ができる材質・構造のもので あればよい。従ってクランプ枠は、その全体が弾性材料で形成されていてもよく 、また非弾性の枠部分を弾性の枠部分で支持したもので、またその逆でもよく、 任意に選択すればよい。弾性材料の例としては例えばシリコンゴムが挙げられる が、これに限定されない。
【0025】 本考案において、「環状溝」は、対応する雄型刃を受け入れることができる幅 及び深さを有するものであればよい。また、更に好ましくは、環状溝はその内周 縁の部分で雄型刃と協働してシートを裁断する働きをするように構成されており 、この場合、対応する環状の雄型刃はその環の内周側に刃先を備えたものである 。なお、本明細書において、「環状」は、円環状に限定されず、楕円、多角形そ の他任意の閉曲線を構成する形態を包含する。
【0026】 金属製の「環状押付部材」は、雄型刃の先端と同じ高さであるか又はこれより 幾分突出するようにバネによって担持されて、前記共通の基盤上に配置されてい る。但しこの「同じ高さ」は、厳密に等しい高さのみに限らず、雄型刃の刃先が シートに食い込み裁断を完了する迄に環状押付部材がシートをしっかりと押付け て固定することができるものである限り、刃先より僅かに低いものも包含する。
【0027】 前記共通の基盤上の環状押付部材は、やはり基盤上の雄型刃と共にシートに接 近してこれに当接し、雄型刃が更に前進してシートを裁断するとき、バネの圧縮 によりシート上に止まってこれを押し続けて固定する。従って、バネは、熱成形 時には環状押付部材をシートを押し付けることがないがしかし裁断時にはシート を型外面に固定する強さで環状押付部材をシートに押し付けることができる寸法 及び強さであればよく、つる巻きバネ、板バネその他任意のバネを用いてよい。
【0028】 また環状押付部材は、金属であり、フランジ部分のシートの冷却・硬化を促進 するため、裁断後にフランジ部分をその位置に保持するのが一層容易となる。こ の作用を増強するには、環状押付部材は、それが押付ける領域の樹脂量の2倍以 上の熱容量を有するものであることが好ましく、4倍以上の熱容量を有するもの であることが更に好ましい。押付られたシートから熱を受け取った環状押付部材 は、工程の他の時間帯の間に自然に放熱させて、次の押付工程に備えることがで きる。また放熱を促進させようとする場合には、例えば環の内周面等に突起、フ ィン等を適宜形成又は取付ける等して表面積を増大させてもよい。
【0029】 「停止機構」は、基盤と型外面との間の接近を一定限度に止めるためのもので あり、これにより雄型刃が環状溝の底に突き当たるのを簡便に防止して刃先を守 る。停止機構は、基盤と型との間で構成されており、その形態は種々であってよ い。典型的には、基盤と型外面との間おいて何れか若しくは双方に設けられた、 又はこれらの中間に挿入支持された所定厚みのブロック(以下「停止ブロック」 という。)が挙げられるが、そのような形態に限らず、例えば、基盤から(又は 型から)立ち上がった棒状、板状等の突起その他適宜の形態であってよい。例え ば棒状の突起を用いる場合、それらの突起が挿入される穴を対向する型に(又は 基盤に)設けておいてもよく、それにより型と基盤間の横方向の位置合わせが同 時にできるようにしてもよい。一次成形物が、幅の狭い深く入り込んだアンダー カットを有する場合には、アンダーカットに対応する部分の型の厚みが薄いため 環状溝の深さも浅くせざるを得ず、環状の雄型刃の挿入の深さの制御も許容誤差 を極力小さくしなければならない。その場合でも、停止機構として、これら例示 したような機械的な停止機構を用いれば、基盤と型外面との間の接近限度が極め て精度よく確実に、且つ簡便に制御でき、問題が生じない。
【0030】 アンダーカットを有する成形品の場合、アンダーカット部分を形成する型は、 アンダーカットから出入りする方向に動かすことのできる可動割型として構成さ れる。従って、該型と前記共通の基盤との間の位置決め機構は、これら可動割型 の外面に設けた前記環状溝に、前記雄型刃を常に正確に位置合わせするために重 要である。該型と前記共通の基盤との間の位置決めは、当業者に既知の適宜の方 法を用いて行えばよいが、精密且つ簡便な方法として特に好ましいのは、該型と 該共通の基盤との間の相互の物理的接触を利用するものである。これは一例とし ては、該型(又は該共通の基盤)に設けたガイド穴に該共通の基盤(又は該型) より突出する位置決め棒を密着摺動可能に通すことによって行うことができるが 、他にも、当業者に既知の適当なガイドを用いた任意の形式が可能である。型と 基盤との間の接触による位置決めによれば、可動割型と雄型刃との相対的位置の 精密な決定が容易で、雄型刃と環状溝内周縁との衝突が確実に防止できて円滑な 裁断が可能となる。
【0031】 本考案によれば、環状溝上に位置するシート領域が硬化する前にシートを裁断 することができ、このため、裁断に要する圧力が、著しく減少できる。これを行 う時の該領域の温度には厳密な制限はないが、好ましくはその樹脂のガラス転移 点の下方20℃を下回らない温度、より好ましくはガラス転移点の下方10℃を下回 らない温度で行えばよい。例えばガラス転移点が90〜105℃のアクリル樹脂の場 合、裁断は環状溝上に位置するシート領域が70℃を下回らないうちに行うのが好 ましく、80℃を下回らないうちに行うのが更に好ましい。この温度の計測は、例 えば非接触の赤外線温度計等を用いて行うことができるが、一旦工程の諸条件が 設定されれば、以後は同条件で装置を作動させるだけでよい。これにより、裁断 の容易性を確保しつつ工程の迅速性が向上する。
【0032】
【実施例】
以下に本考案の典型的な実施例を挙げることにより更に具体的に説明するが、 本考案は実施例の細部によっては限定されない。 〔実施例1〕 図1は、圧空成形、真空成形などの熱成形により製造された、従来技術による アンダーカットのある成形品の開口部の典型的形状を示す側方断面図である。図 に示すように、開口部の縁Eは筒状の断面に終わっており、フランジが備えられ ていないため、強度に劣る。
【0033】 図2は、アンダーカットを有する閉じた型において圧空成形又は真空成形が行 われた後の、本考案の装置によるプラスチックシート裁断の直前の状態を模式的 に表す。図の装置の位置関係は上下が逆であってもよい。図において、1は余剰 シートであり素材は例えばアクリル樹脂でその厚みは例えば1.8mmである。2 は、余剰シート1を含む一次成形品に形成された開口部、4は図において水平方 向に可動性である左右2つの可動割型5に沿って形成されたアンダーカット部で ある。各可動割型5は、例えば油圧シリンダー等の駆動装置により駆動される。 6は、該開口部を取り囲んでシートを割型外面にエアタイトに固定している環状 のクランプ枠であり、本実施例ではシリコンゴムで形成されている。
【0034】 図3は、成形時における装置のアンダーカット部付近の拡大図である。各移動 割型5の外面には環状溝8が形成されており、環状溝の内周縁とかみ合うように 先端の位置決めされた雄型刃10が基盤12に固定されている。従って、雄型刃 10の刃先は雄型刃の環の内周側に位置している。基盤12には、雄型刃の内側 に隣接して金属製の環状押付部材14が、バネ16によって支持されている。環 状押付部材14の上面は、雄型刃10の先端と実質的に同じ高さか又はこれより 突出している。但し、雄型刃10の先端がシートを完全に裁断する迄に環状押付 部材14がシートを十分に押付けることができる限り、環状押付部材14の上面 は、雄型刃10の先端から僅かに後退していてもよい。熱成形に際してはシート の組成変形を妨害しないよう、環状押付部材14の上面とシートとの間は離れて いる。
【0035】 基盤12には停止ブロック18が設けられており、これは各可動割型5との間 に、隙間20を有する。各可動割型5にはガイド穴22が形成されており、これ に(本実施例では停止ブロックから延びている)先端にテーパを有する位置決め 棒24が摺動可能に挿入されており、ガイド穴22に位置決め棒24が接触し相 互に正しく配置して嵌合挿入されることにより位置決めを達成する位置決め機構 が構成されている。図示していないが、ガイド穴22の下周縁に位置決め棒24 のテーパに対応した下方に向かって広がる漏斗状の面を更に設けてもよい。この ような、物理的接触による位置決め機構により、可動割型5に設けられた環状溝 8が基盤12に設けられた雄型刃に対して常に正しく且つ簡便に位置決めされる 。
【0036】 シートの成形に続いて基盤12が、例えば油圧シリンダー等の任意の駆動装置 により合体した各可動割型5より構成された型へ向けて移動される。この移動は 、、クランプ枠が弾性材料、ここではシリコンゴムで形成され、圧縮により変形 可能であるために行うことができる。図4に示すように、この移動により、環状 押付部材14がシートに当たりこれを各可動割型5の外面に押付けて固定する。 金属製の環状押付部材は、その部位のシートから熱を奪い硬化を早める。これに 対して、環状溝8上に位置するシート領域は、各可動割型5に接触していないた め、冷却が相対的に遅れ、相対的に軟らかい状態を維持している。本実施例では 、雄型刃10がシートを裁断するときこの領域がガラス転移点の下方10℃を下 回らないように、工程の調整がなされている。
【0037】 次いで図5に示すように、更に基盤12が可動割型5に向けて更に移動される と、雄型刃10が環状溝8の内周縁とかみ合ってシートを裁断する。この部分は 上記の通り冷却が遅れており相対的に軟らかいため、冷却後の場合に比べ著しく 小さい圧力で簡単に裁断することができる。成形品のアンダーカット部にフラン ジを設けようとすると、その部分で大きな裁断圧力を支えることが困難であるた め、従来はこのような位置での裁断を行う実用的な方法がなかったのに対し、本 考案では、この部位での裁断圧力を極度に小さくすることにより、そのような裁 断を可能にしている。また樹脂が軟らかい段階で切断しても成形品の寸法精度を 保つことができるのは、環状押付部材により裁断部位の内側で樹脂が型に押付け られて固定され、裁断後の変形が防止できるためである。
【0038】 シートがクランプ枠6と環状押付部材14とにより固定されその間で裁断され るため、特に、環状押付部材によるシートの固定が裁断位置の内側に隣接して行 われているため、裁断が確実であり、バリも生じない。またこうして形成される フランジは、環状押付部材14により割型5の外面に押し付けられた状態で硬化 するため、反り等の変形が起こらず、完成品の寸法精度が高い。
【0039】 裁断後は、位置決め棒24がガイド穴22から脱するまで基盤12を型から相 対的に遠ざけるよう移動させ、次いで各可動割型5を図面において左右に移動さ せてアンダーカット部分から抜くことにより、フランジを有する最終成形品を型 から取り出すことができる。
【0040】 図6は、雄型刃10及び環状押付部材14の一例の側方断面図を模式的に示す 。図において、雄型刃10に沿って配置された環状押付部材14は、つる巻きバ ネ16によって担持されている。バネ16は、環状押付部材14をその環に沿っ た複数の点で支持するよう、複数個が基盤12上に備えられている。バネ16に 担持された環状押付部材14の図面左右方向の変位を阻止して変位を上下方向に 限定するために、基盤12に固定されたロッド28が、環状押付部材に設けられ た穴に密着してスライド可能に嵌合している。
【0041】 図7は、上記の工程により得られた成形品30を断面図で示す。この成形品3 0は、アンダーカットのある開口部にフランジ32を備え、これにより開口部の 強度が高められている。
【0042】 〔実施例2〕 図8は、別の実施例の装置による、アンダーカットのない一次成形物の裁断を 示す側方断面図である。この実施例における、裁断に関与する本考案の装置の各 部分の構成及び機能並びに作動順序は、実施例1と同様であり、同様に、フラン ジを備えた成形品を容易且つ効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のアンダーカットのある熱成形品の開口
部の典型的形状を示す側方断面図。
【図2】 本考案による成形直後の、余剰シート裁断前
における、アンダーカットを有する一時成形品の状態を
示す側方断面図。
【図3】 図1の部分拡大図。
【図4】 基盤の移動により環状押付部材によりシート
を割型に押し付けている状態を示す側方断面図。
【図5】 基盤の更なる移動によりシートが裁断された
状態を示す側方断面図。
【図6】 雄型刃及び環状押付部材付近の側方断面図。
【図7】 得られた成形品の側方断面図。
【図8】 本考案による成形直後の、余剰シート裁断前
における、アンダーカットを有しない一時成形品の状態
を示す側方断面図。
【符号の説明】
1=余剰シート、2=開口部、4=アンダーカット部、
5=割型、6=クランプ枠、8=環状溝、10=雄型
刃、12=基盤、14=環状押付部材、 16=バネ、
18=停止ブロック、20=隙間、22=ガイド穴、2
4=位置決め棒、28=ロッド、30=成形品、32=
フランジ

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状プラスチックの熱成形により得ら
    れる、開口部の周囲に余剰シートを有する一次成形物か
    ら、成形後型からの取り出しに先立って、該開口部の周
    囲にフランジを備えるように、該余剰シートから成形品
    を切り出すための装置であって、 (1)該一次成形物の開口部に対応する開口部を備えた
    型と、 (2)成形前シートを該型の外面に該型の開口部を包囲
    するようにエアタイトに押さえ付けることのできるクラ
    ンプ枠とを有しており、 (3)該クランプ枠の押し付けられる位置よりも内側に
    おいて、成形前シートと接触する該型の外面に該型の開
    口部を包囲する環状溝が備えられており、 (4)(a)該環状溝とかみ合いこれと協働してシート
    を裁断するよう構成され配置された、熱成形時にはシー
    トに接触しない高さの環状の雄型刃と、(b)該雄型刃
    の内側に沿って配置された、その先端面が該雄型刃の先
    端と同じ高さ乃至先端よりも突出しているがしかし熱成
    形の最中にはシートを押さえ付けない高さに位置ししか
    もその先端面が該雄型刃の先端の高さよりも後退するこ
    とができるようバネに担持されて配置されている金属製
    の環状押付部材とが、一体となって運動する共通の基盤
    に備えられており、 (5)前記雄型刃の先端が前記環状溝の底に突き当たる
    のを該共通の基盤と該型との間の接近を所定限度に止め
    ることにより防止する停止機構が、該共通の基盤と該型
    の間に構成されており、 (6)該環状溝に該雄型刃を正確に位置合わせするため
    の、該型と該共通の基盤との間の位置決め機構が備えら
    れており、そして (7)熱成形後、該環状溝上のシート領域が硬化する前
    に、前記基盤を該型外面へ向けて押し該基盤を該型外面
    へ接近させ、それにより、該環状押付部材の該シートへ
    の押付と該雄型刃によるシートの裁断、及び該停止機構
    による該基盤と該型との間の接近停止を、順次行わせる
    ことのできる駆動装置が備えられている、ことを特徴と
    する装置。
  2. 【請求項2】開口部より側方へ広がった被成形部を有す
    るアンダーカットのある一次成形物を成形できるよう、
    該型の開口部側が、複数の可動型であって合体させたと
    き対応するアンダーカット部分を有する開口部を形成し
    熱成形後は成形品のアンダーカット部分からそれぞれ側
    方へ抜き取るよう駆動される、複数の可動割型より構成
    されていることを特徴とする、請求項1の装置。
  3. 【請求項3】該環状押付部材が該雄型刃の内側に隣接し
    て配置されていることを特徴とする、請求項1又は2の
    装置。
  4. 【請求項4】前記クランプ枠が弾性材料を用いて構成さ
    れ且つ前記共通の基盤上に備えられており、それによっ
    て熱成形後に、該停止機構により停止されるまで、該基
    盤を該型外面に更に接近させることにより該クランプ枠
    を弾性的に圧縮しつつ該環状押付部材の該シートへの押
    付けと該雄型刃によるシートの裁断とを、順次行わせる
    ことができることを特徴とする、請求項1乃至3の何れ
    かの装置。
  5. 【請求項5】前記環状の雄型刃の刃先がその環の内周側
    に形成されており、前記環状溝の内周縁と係合してシー
    トを裁断するように構成されていることを特徴とする、
    請求項1乃至4の何れかの装置。
  6. 【請求項6】該環状押付部材が、これが押付ける領域の
    樹脂の2倍以上の熱容量を有することを特徴とする、請
    求項1乃至5の何れかの装置。
  7. 【請求項7】該型と該共通の基盤との間の位置決め機構
    が、該型と該基盤との間の接触に依る位置決め機構であ
    ることを特徴とする、請求項1乃至6の何れかの装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0617871U (ja) * 1992-08-17 1994-03-08 隆 橋本 マグネット吸着器

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JPH0617871U (ja) * 1992-08-17 1994-03-08 隆 橋本 マグネット吸着器

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