JP3047450B2 - 鉛電池陽極板 - Google Patents
鉛電池陽極板Info
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、鉛電池の陽極板に関するものである。
従来技術 鉛電池の未化成極板は、一般に、鉛あるいは鉛合金か
ら成る格子体に鉛ペースト(鉛粉を希硫酸で練ったも
の)を塗布した後、熟成、乾燥の各工程を経て作られ
る。このとき、陰極用鉛ペースト中には防縮剤としてリ
グニン、硫酸バリウムが添加される。リグニンは、陰極
の性能を長期間維持するための重要な添加剤であるが、
化成が入りにくくなるため、これらに加えてアセチレン
プラックなどのカーボンブラックも同時に添加されるの
が一般的である。これに対して、陽極用鉛ペースト中に
は活物質の脱落防止用の繊維以外、特に何も添加しない
ことが多い。
ら成る格子体に鉛ペースト(鉛粉を希硫酸で練ったも
の)を塗布した後、熟成、乾燥の各工程を経て作られ
る。このとき、陰極用鉛ペースト中には防縮剤としてリ
グニン、硫酸バリウムが添加される。リグニンは、陰極
の性能を長期間維持するための重要な添加剤であるが、
化成が入りにくくなるため、これらに加えてアセチレン
プラックなどのカーボンブラックも同時に添加されるの
が一般的である。これに対して、陽極用鉛ペースト中に
は活物質の脱落防止用の繊維以外、特に何も添加しない
ことが多い。
上記未化成極板は、一般に1日あるいは2日間かけ
て、十分な電気量を用いて化成される。ここで、原価低
減などを目的に短時間で化成しようとすると、陽極の化
成が不十分となり、活物質中に未化成の硫酸鉛が残留し
たり、陽極板の表面に硫酸鉛が白色状態で多量に残留し
たりする。特に、後者の現象は、著しい外観不良に発展
する。これらの現象を防止する手段として、従来、陽極
用鉛ペースト中へのアセチレンブラックなどのカーボン
ブラック、カーボンファイバー、あるいは鉛丹などの添
加が検討されている。また、特に表面に残留する硫酸鉛
を減少させるための手段として、特開昭58−197662号公
報に示されているように、未化成極板の表面に鉛丹ある
いは二酸化鉛等の鉛の過酸化物の薄層を形成することも
検討されている。前者の方法は、ペースト中に格子体以
外の電子伝導性のネットワークを形成し、化成効率を上
げてやろうというものである。ーボンブラックとカーボ
ンファイバーは、耐酸、耐酸化性の電子伝導性材料とし
て選定されたものであり、鉛丹は化成液である希硫酸と
の化学反応によって二酸化鉛を生成し、これがペースト
中に電子伝導性を与えることになる。例えば、カーボン
ファイバーの添加については、特公昭38−14425号公報
などに記載されている。また、後者の方法は、極板の表
面に電子伝導性を賦与し化成を表面からも進めることに
よって表面に残留する硫酸鉛の減少を狙ったものであ
る。この方法は、特公昭24−2769号公報、特公昭24−27
70号公報、特公昭24−2771号公報および特公昭61−3634
6号公報にも記載されている。
て、十分な電気量を用いて化成される。ここで、原価低
減などを目的に短時間で化成しようとすると、陽極の化
成が不十分となり、活物質中に未化成の硫酸鉛が残留し
たり、陽極板の表面に硫酸鉛が白色状態で多量に残留し
たりする。特に、後者の現象は、著しい外観不良に発展
する。これらの現象を防止する手段として、従来、陽極
用鉛ペースト中へのアセチレンブラックなどのカーボン
ブラック、カーボンファイバー、あるいは鉛丹などの添
加が検討されている。また、特に表面に残留する硫酸鉛
を減少させるための手段として、特開昭58−197662号公
報に示されているように、未化成極板の表面に鉛丹ある
いは二酸化鉛等の鉛の過酸化物の薄層を形成することも
検討されている。前者の方法は、ペースト中に格子体以
外の電子伝導性のネットワークを形成し、化成効率を上
げてやろうというものである。ーボンブラックとカーボ
ンファイバーは、耐酸、耐酸化性の電子伝導性材料とし
て選定されたものであり、鉛丹は化成液である希硫酸と
の化学反応によって二酸化鉛を生成し、これがペースト
中に電子伝導性を与えることになる。例えば、カーボン
ファイバーの添加については、特公昭38−14425号公報
などに記載されている。また、後者の方法は、極板の表
面に電子伝導性を賦与し化成を表面からも進めることに
よって表面に残留する硫酸鉛の減少を狙ったものであ
る。この方法は、特公昭24−2769号公報、特公昭24−27
70号公報、特公昭24−2771号公報および特公昭61−3634
6号公報にも記載されている。
発明が解決しようとする課題 上述したように、これまで陽極の化成効率を向上させ
るために各種添加物およびこれらの添加方法が検討され
ているが、以下の大きな問題点があり実用化されていな
い。すなわち、ペースト中にカーボンブラックなどを添
加すると、化成は入りやすくなるが電池としての寿命性
能が低下する。また、極板の表面に鉛丹あるいは二酸化
鉛の薄層を設けるという方法は、化成中にこれらが剥離
しやすく期待される効果が得られない。
るために各種添加物およびこれらの添加方法が検討され
ているが、以下の大きな問題点があり実用化されていな
い。すなわち、ペースト中にカーボンブラックなどを添
加すると、化成は入りやすくなるが電池としての寿命性
能が低下する。また、極板の表面に鉛丹あるいは二酸化
鉛の薄層を設けるという方法は、化成中にこれらが剥離
しやすく期待される効果が得られない。
前者の理由は、カーボンブラックなどの添加物が陽極
活物質中に均一に分散することによって、活物質すなわ
ち二酸化鉛の結晶の結合力を弱め、充放電による結晶粒
子の脱落を促進してしまうためであると考えられる。ま
た、後者の理由は、鉛丹などから成る表面の薄層と内部
の各種物性の違から、化成中に大きな歪みが生じるため
であると考えられる。本発明は、上述した電池の寿命性
能の低下あるいは極板表面層の剥離を招くことなく、極
板、特に、陽極の化成効率の向上を図ろうというもので
ある。
活物質中に均一に分散することによって、活物質すなわ
ち二酸化鉛の結晶の結合力を弱め、充放電による結晶粒
子の脱落を促進してしまうためであると考えられる。ま
た、後者の理由は、鉛丹などから成る表面の薄層と内部
の各種物性の違から、化成中に大きな歪みが生じるため
であると考えられる。本発明は、上述した電池の寿命性
能の低下あるいは極板表面層の剥離を招くことなく、極
板、特に、陽極の化成効率の向上を図ろうというもので
ある。
課題を解決するための手段 本発明では、未化成の鉛電池陽極板の表面に、内部と
異なる鉛ペースト層を形成し、この鉛ペースト層が実質
的に硫酸鉛を含まない一酸化鉛とした。
異なる鉛ペースト層を形成し、この鉛ペースト層が実質
的に硫酸鉛を含まない一酸化鉛とした。
作用 一般に、陽極用鉛ペーストは主成分である一酸化鉛と
10〜20wt・%の硫酸鉛から成っている。このように、鉛
粉すなわち一酸化鉛を希硫酸で練って10〜20wt・%の硫
酸鉛をペースト中に生成させる理由は、これによってペ
ースト中の水分量を増すことができ、未化成極板をより
多孔質にすることができると同時に、化成によってこの
硫酸鉛が二酸化鉛に酸化されるとき、そのモル体積の減
少からさらに多くの孔が形成されるためである。すなわ
ち、活物質の利用率の高い優れた陽極板が形成できるた
めである。しかし、その反面、硫酸鉛量を増すほど化成
効率は低下し、化成により多くの電気量が必要になる。
その理由は、硫酸鉛が多いほど、未化活物質と電解液で
ある希硫酸との反応量が少なくなり極板の内部まで早期
に硫酸が侵入するため、結果的に極板内に多量の硫酸鉛
が生成し、これの化成効率が低いためであると考えられ
る。また、例えば、デー・パブロブ(D.Pavlov)らが、
ジェー・エレクトロケミカル・ソサィェティ(J.Electr
ochem.Soc.)127,2014(1980)で述べているごとく、鉛
ペースト中の硫酸鉛量が多いと化成の進行状況も、極板
の表面より内部が優先的に化成されるようになる。その
ために、化成液である希硫酸との反応によって極板の表
面の硫酸鉛化が進行し、表面に硫酸鉛が白色状態で多量
に残留しやすくなる。
10〜20wt・%の硫酸鉛から成っている。このように、鉛
粉すなわち一酸化鉛を希硫酸で練って10〜20wt・%の硫
酸鉛をペースト中に生成させる理由は、これによってペ
ースト中の水分量を増すことができ、未化成極板をより
多孔質にすることができると同時に、化成によってこの
硫酸鉛が二酸化鉛に酸化されるとき、そのモル体積の減
少からさらに多くの孔が形成されるためである。すなわ
ち、活物質の利用率の高い優れた陽極板が形成できるた
めである。しかし、その反面、硫酸鉛量を増すほど化成
効率は低下し、化成により多くの電気量が必要になる。
その理由は、硫酸鉛が多いほど、未化活物質と電解液で
ある希硫酸との反応量が少なくなり極板の内部まで早期
に硫酸が侵入するため、結果的に極板内に多量の硫酸鉛
が生成し、これの化成効率が低いためであると考えられ
る。また、例えば、デー・パブロブ(D.Pavlov)らが、
ジェー・エレクトロケミカル・ソサィェティ(J.Electr
ochem.Soc.)127,2014(1980)で述べているごとく、鉛
ペースト中の硫酸鉛量が多いと化成の進行状況も、極板
の表面より内部が優先的に化成されるようになる。その
ために、化成液である希硫酸との反応によって極板の表
面の硫酸鉛化が進行し、表面に硫酸鉛が白色状態で多量
に残留しやすくなる。
本発明は、未化成の鉛電池陽極板の表面に、内部と異
なる鉛ペースト層を形成し、この鉛ペースト層が硫酸鉛
を実質的に含まない(好ましくは0wt%)一酸化鉛とし
たことによって、以下のような作用が生じ、化成効率が
改善される。
なる鉛ペースト層を形成し、この鉛ペースト層が硫酸鉛
を実質的に含まない(好ましくは0wt%)一酸化鉛とし
たことによって、以下のような作用が生じ、化成効率が
改善される。
(1) 硫酸鉛をほとんど含まない鉛ペーストは表面、
すなわち、化成液と接する面から、かつ、非常に効率良
く化成される性質を持っているので、これを従来の組成
の鉛ペーストから成る未化成極板の表面に塗布すること
によって、化成を内部および表面から進行させ、化成効
率を大幅に高めることができる。また、この表面に塗布
された層は、一酸化鉛としているため内部との馴染みも
良く、化成中、剥離によって期待される効果が得られな
いという従来の問題点が解消される。
すなわち、化成液と接する面から、かつ、非常に効率良
く化成される性質を持っているので、これを従来の組成
の鉛ペーストから成る未化成極板の表面に塗布すること
によって、化成を内部および表面から進行させ、化成効
率を大幅に高めることができる。また、この表面に塗布
された層は、一酸化鉛としているため内部との馴染みも
良く、化成中、剥離によって期待される効果が得られな
いという従来の問題点が解消される。
(2) 上記鉛ペーストはその細孔体積が小さいので、
極板の表面からの化成液、すなわち、硫酸の拡散による
内部のペースト層の硫酸鉛化、これによる化成効率の低
下を防止する。
極板の表面からの化成液、すなわち、硫酸の拡散による
内部のペースト層の硫酸鉛化、これによる化成効率の低
下を防止する。
さらに、 (3) 化成した陽極は、その表面層にα−PbO2が多
く、かつ、この気孔率が小さいため充放電による表面の
泥状化が抑制され、これによるショートの発生が防止で
きる。したがって、長寿命の極板を得ることができる。
く、かつ、この気孔率が小さいため充放電による表面の
泥状化が抑制され、これによるショートの発生が防止で
きる。したがって、長寿命の極板を得ることができる。
実施例 以下に、本発明の実施例を述べる。
第1図は、本発明によって作製した陽極用未化成極板
の断面を示したものである。1は鉛あるいは鉛合金から
成る格子体の断面を示したものである。2は未化活物質
である。これは鉛粉を希硫酸で練ることによって調製し
た鉛ペーストを格子体(1)に塗布した後、熟成、乾燥
したものである。組成は一酸化鉛85wt・%、硫酸鉛15wt
・%である。3は前記鉛ペーストを格子体(1)に塗布
した後、その表面に薄く塗布された鉛ペーストの層であ
る。この鉛ペーストは鉛粉を水で練ることによって調製
したものであり、その組成は硫酸鉛を全く含ます、一酸
化鉛100wt・%である。この鉛ペースト層(3)が厚い
ほど化成効率は向上するが、これの多孔度が低いため、
逆に、これが厚いほど陽極としての高率放電特性の低下
が見られるようになる。したがって、本実施例では、そ
の厚さを全体の10%とし、陽極としての高率放電特性の
低下が見られない範囲内とした。なお、この鉛ペースト
層(3)の厚さは、これによる化成効率の向上、寿命特
性への影響とこれが厚すぎる場合の陽極としての高率放
電特性の低下などの諸点を鑑み決定されるもので、電池
の設計思想により異なるものである。
の断面を示したものである。1は鉛あるいは鉛合金から
成る格子体の断面を示したものである。2は未化活物質
である。これは鉛粉を希硫酸で練ることによって調製し
た鉛ペーストを格子体(1)に塗布した後、熟成、乾燥
したものである。組成は一酸化鉛85wt・%、硫酸鉛15wt
・%である。3は前記鉛ペーストを格子体(1)に塗布
した後、その表面に薄く塗布された鉛ペーストの層であ
る。この鉛ペーストは鉛粉を水で練ることによって調製
したものであり、その組成は硫酸鉛を全く含ます、一酸
化鉛100wt・%である。この鉛ペースト層(3)が厚い
ほど化成効率は向上するが、これの多孔度が低いため、
逆に、これが厚いほど陽極としての高率放電特性の低下
が見られるようになる。したがって、本実施例では、そ
の厚さを全体の10%とし、陽極としての高率放電特性の
低下が見られない範囲内とした。なお、この鉛ペースト
層(3)の厚さは、これによる化成効率の向上、寿命特
性への影響とこれが厚すぎる場合の陽極としての高率放
電特性の低下などの諸点を鑑み決定されるもので、電池
の設計思想により異なるものである。
第2図は、本発明による陽極用未化成極板の化成効率
を活物質中に未化成の状態で残留する硫酸鉛量によって
評価したものである。図中、記号Aが本発明による陽極
用未化成極板の活物質中に残留する硫酸鉛量の経時変化
を示したものである。記号B,C,Dで示した残留硫酸鉛量
の経時変化は、本発明との比較のためのものである。記
号Bは、本発明による鉛ペースト層(3)を塗布してな
い従来の陽極用未化成極板を用いた場合である。ただ
し、未化活物質の厚さは同じにした。記号C,Dで示した
残留硫酸鉛量の経時変化は、それぞれ未化活物質中にカ
ーボン(アセチレンブラック)、鉛丹を添加した場合で
ある。添加量は、鉛粉に対してそれぞれ1wt・%、15wt
・%である。なお、通電電流は、0.6C、電解液である希
硫酸の比重は1.06(20℃)、電解液の温度は40℃であ
る。
を活物質中に未化成の状態で残留する硫酸鉛量によって
評価したものである。図中、記号Aが本発明による陽極
用未化成極板の活物質中に残留する硫酸鉛量の経時変化
を示したものである。記号B,C,Dで示した残留硫酸鉛量
の経時変化は、本発明との比較のためのものである。記
号Bは、本発明による鉛ペースト層(3)を塗布してな
い従来の陽極用未化成極板を用いた場合である。ただ
し、未化活物質の厚さは同じにした。記号C,Dで示した
残留硫酸鉛量の経時変化は、それぞれ未化活物質中にカ
ーボン(アセチレンブラック)、鉛丹を添加した場合で
ある。添加量は、鉛粉に対してそれぞれ1wt・%、15wt
・%である。なお、通電電流は、0.6C、電解液である希
硫酸の比重は1.06(20℃)、電解液の温度は40℃であ
る。
図から明らかなように、本発明による陽極用未化成極
板は、従来の陽極用未化成極板に較べ、残留硫酸鉛量が
早期に減少しており、化成効率が向上していることがわ
かる。また、本発明によるものは、未化活物質中にカー
ボンを1wt・%、鉛丹を15wt・%添加した場合とほぼ同
等の化成効率であることがわかる。なお、本発明による
極板の表面層の剥離は、全く認められなかった。
板は、従来の陽極用未化成極板に較べ、残留硫酸鉛量が
早期に減少しており、化成効率が向上していることがわ
かる。また、本発明によるものは、未化活物質中にカー
ボンを1wt・%、鉛丹を15wt・%添加した場合とほぼ同
等の化成効率であることがわかる。なお、本発明による
極板の表面層の剥離は、全く認められなかった。
第3図は、本発明による陽極用未化成極板を用いた55
D23型電池の寿命特性を示したものである。記号B,C,Dで
示した寿命特性は、本発明との比較のために作製した同
じ55D23型電池のものである。記号Bで示した寿命特性
は、本発明による鉛ペースト層(3)を塗布していない
従来の陽極用未化成極板を用いた場合である。ただし、
未化活物質の厚さは同じにした。記号C,Dで示した寿命
特性は、それぞれ未化活物質中にカーボン(アセチレン
ブラック)、鉛丹を添加し、化成効率を向上させた陽極
用未化成極板を用いた場合である。添加量は、鉛粉に対
してそれぞれ1wt・%、15wt・%である。寿命特性は、J
ISに定める充放電サイクル試験によって評価した。
D23型電池の寿命特性を示したものである。記号B,C,Dで
示した寿命特性は、本発明との比較のために作製した同
じ55D23型電池のものである。記号Bで示した寿命特性
は、本発明による鉛ペースト層(3)を塗布していない
従来の陽極用未化成極板を用いた場合である。ただし、
未化活物質の厚さは同じにした。記号C,Dで示した寿命
特性は、それぞれ未化活物質中にカーボン(アセチレン
ブラック)、鉛丹を添加し、化成効率を向上させた陽極
用未化成極板を用いた場合である。添加量は、鉛粉に対
してそれぞれ1wt・%、15wt・%である。寿命特性は、J
ISに定める充放電サイクル試験によって評価した。
記号C,Dで示した寿命特性からも明らかなように、未
化活物質中にカーボン、鉛丹を添加することによって化
成効率を向上させた陽極用未化成極板は、充放電サイク
ル特性が低下する。しかし、本発明によって化成効率を
向上させた陽極用未化成極板は、記号Aで示される充放
電サイクル特性を示し、寿命特性の低下が見られないば
かりか、むしろ、これが向上していることがわかる。こ
の理由は、以下のごとくであると考えられる。すなわ
ち、本発明によって表面に塗布した鉛ペースト層(3)
は、多孔度が低いために、充放電を繰り返すことによる
活物質粒子間の結合力の低下、すなわち、活物質の泥状
化が起こりにくく、これによるショートの発生が防止さ
れるためであると考えられる。
化活物質中にカーボン、鉛丹を添加することによって化
成効率を向上させた陽極用未化成極板は、充放電サイク
ル特性が低下する。しかし、本発明によって化成効率を
向上させた陽極用未化成極板は、記号Aで示される充放
電サイクル特性を示し、寿命特性の低下が見られないば
かりか、むしろ、これが向上していることがわかる。こ
の理由は、以下のごとくであると考えられる。すなわ
ち、本発明によって表面に塗布した鉛ペースト層(3)
は、多孔度が低いために、充放電を繰り返すことによる
活物質粒子間の結合力の低下、すなわち、活物質の泥状
化が起こりにくく、これによるショートの発生が防止さ
れるためであると考えられる。
発明の効果 以上述べたように、本発明によれば寿命特性を全く低
下させることなく陽極用未化成極板の化成効率を向上さ
せることができ、工業的価値大である。
下させることなく陽極用未化成極板の化成効率を向上さ
せることができ、工業的価値大である。
第1図は本発明による陽極未化成極板の断面図、 第2図は本発明による陽極用未化成極板を化成したとき
の活物質中の残留硫酸鉛量の経時変化を示した図、 第3図は本発明による陽極用未化成極板を用いた電池の
寿命特性を示した図である。 1:格子体、2:未化活物質、3:鉛ペースト層
の活物質中の残留硫酸鉛量の経時変化を示した図、 第3図は本発明による陽極用未化成極板を用いた電池の
寿命特性を示した図である。 1:格子体、2:未化活物質、3:鉛ペースト層
Claims (2)
- 【請求項1】鉛あるいは鉛合金から成る格子体に所定の
組成の鉛ペーストを塗布して成る未化成の鉛電池陽極板
において、表面に内部と異なる鉛ペースト層を形成し、
この鉛ペースト層の組成は、実質的に硫酸鉛を含まない
一酸化鉛であることを特徴とする鉛電池陽極板。 - 【請求項2】陽極板の活物質が表面層と内部層の2層か
ら成り、その表面層のα−PbO2が内部層のそれより多
く、かつ、表面層の気孔率が内部層のそれより小さいこ
とを特徴とする請求項第1項に記載の鉛電池陽極板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2286219A JP3047450B2 (ja) | 1990-10-24 | 1990-10-24 | 鉛電池陽極板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2286219A JP3047450B2 (ja) | 1990-10-24 | 1990-10-24 | 鉛電池陽極板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04162352A JPH04162352A (ja) | 1992-06-05 |
JP3047450B2 true JP3047450B2 (ja) | 2000-05-29 |
Family
ID=17701518
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2286219A Expired - Lifetime JP3047450B2 (ja) | 1990-10-24 | 1990-10-24 | 鉛電池陽極板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3047450B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111430717B (zh) * | 2020-04-01 | 2022-03-29 | 超威电源集团有限公司 | 一种铅酸蓄电池正极板及其制备方法和蓄电池 |
-
1990
- 1990-10-24 JP JP2286219A patent/JP3047450B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04162352A (ja) | 1992-06-05 |
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