JP3047288B2 - 液晶用カラーフィルターの作成方法と液晶用カラーフィルター - Google Patents

液晶用カラーフィルターの作成方法と液晶用カラーフィルター

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶ディスプレイに
用いられる液晶用カラーフィルターの作成方法とその作
成方法で製造された液晶用カラーフィルターに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、ディスプレイ用等に用いられるR
GBとブラックマトリクスにより構成されるカラーフィ
ルターは、アレイ基板等の対向基板からは独立した基板
として構成され、その形成方法としてブラックマトリク
スはクロム等金属薄膜のフォトリソグラフ法、黒顔料レ
ジストのフォトリソグラフ法、スクリーン版や凸版、凹
版、平版を原版とした印刷法等が用いられる。また、R
GBの作成は顔料レジストのフォトリソグラフ法や、顔
料インキの印刷、塗料の電着などの方法が用いられる。
【0003】これらの作成方法は、それぞれの必要に応
じた寸法、形状、位置精度、コスト、作業効率等により
組合せ、使い分けされている。従来は、前記した各法の
うち、図5の平面図(1)とその断面図(2)に示すように金
属薄膜をフォトリソグラフ法によりエッチング処理し
て、クロム薄膜ブラックマトリクス7を形成し、RGB
は顔料レジストを基板全面に塗布した後、フォトリソグ
ラフ法によりRGB点状パターン8を形成して組合せる
方法によるカラーフィルター基板9が長い間、最も多く
用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
5に例示する従来の方法で作成したカラーフィルターで
は多くの工程と寸法,形状,位置精度が要求されるの
で、製造コストが高いためもっと安価になる他の製造方
法が求められいた。また、ストライプ、デルタ(トライ
アングル)、斜め(ダイアゴナル)モザイク配列等を自由
にかつ容易に、また表面平滑性が良好でアレイとRGB
の表面がほぼ同一で、表面段差が小さく、また使用機器
の低消費電力化を図るために、パネル全体の透過率を向
上する目的で開口率を高める方法、構造がカラーフィル
ターに必要とされてきた。
【0005】本発明はこのような点に鑑み、工業生産性
が高くコストが低くて、各種のRGB配置が容易に行
え、また平滑性が良好で、加えて開口率が高くて画像品
位が高い液晶用カラーフィルターの作成方法とその作成
方法で得られる液晶用カラーフィルターの提供を目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、積層したアレイ構造により回路を形成してい
るアレイ基板上に、印刷法により光反応性の樹脂中に色
剤を分散したフォトレジストを用いてRGB線条を形成
する。次いで、前記アレイ基板の裏面から光反応性樹脂
の感光波長を含む光を照射し、RGB線条のうちアレイ
開口部に面した感光部分のRGBのみを光反応させたの
ち、開口部に面していない非感光部分のRGBを現像溶
解して、所望のRGB配置を形成する。
【0007】本発明によれば、カラーフィルターがアレ
イ基板上に形成されることにより、アレイがブラックマ
トリクスに代用されるから、ブラックマトリクス形成が
省略できることでコスト低減を図ることができる。ま
た、RGBのパターニングに際して、アレイ形状をフォ
トマスクとして用いるから、フォトリソグラフ法を用い
るにもかかわらず、フォトマスクの使用が省略できるこ
とで、この面でもコスト低減ができる。
【0008】また、RGBのフォトレジストの使用量は
印刷方法を用いるため、印刷される部分に必要な量しか
フォトレジストを消費しないから、従来から使用されて
いるスピンナー方法等の塗布方法に比べて、フォトレジ
ストの使用量は1/10から1/20になり、コスト低減効
果が顕著である。
【0009】以上の点より、従来の方法で作成するよ
り、製造コストが低くでき、安価にカラーフィルターを
得ることができる。
【0010】また印刷線条の作成法によっては、デルタ
(トライアングル)、斜め(ダイアゴナル)モザイク配列等
も容易に作成が可能である。またアレイとRGBの厚み
を同一にすることができるから、表面段差を小さくして
平滑性に優れたカラーフィルターを作ることができる。
また開口率を高めることについても、アレイ開口部が液
晶用カラーフィルターの開口率を律するので、高い開口
率が得られる。
【0011】このように、従来よりも安価で、各種のR
GB配列が自由にかつ容易に作れ、またアレイとRGB
の表面がほぼ同一と表面平滑性が良好で表面段差が小さ
く、かつ開口率が高くて、画像品位が高い液晶用カラー
フィルター基板が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施の形態につ
いて図1から図4を用いて説明する。
【0013】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形態
1及び2における液晶用カラーフィルターの概念を示す
平面図であり、基板1とアレイ構造体2よりなる。本実
施の形態においては、一例として、厚さ1.1ミリで縦横3
00×300ミリのアレイ基板を基板1とする。そして、基
板1上に、アレイ構造体2が設置されている。
【0014】図2(1)は図1における液晶用カラーフィ
ルター5のアレイ構造体2の各部分の配置を示す平面図
であり、アレイ開口部4は、横方向ピッチ100ミクロ
ン、縦方向ピッチ250ミクロン、幅、長さはそれぞれ50
ミクロン,120ミクロンとなっている。
【0015】次に作成方法を図2(1)と図3の工程進行
状況を示す断面図を用いて説明する。図2(1)に示すよ
うにアレイ構造体2上に重ねて、オフセット印刷方法に
よりRGB線条6を形成する。このRGB線条6は、素
材を光反応性樹脂とし、RGB色剤を分散したもので、
幅85ミクロンで、使用範囲の上端から下端まで連続した
形状をなしている。
【0016】次に、図2(1)に図示せざる基板1の裏面
方向(紙面裏)から、365nmを中心波長とする光照射を行
う。照射エネルギーは100mj/平方センチである。
【0017】RGB線条6のうち、図3(1)に示すアレ
イ開口部(4)部分のRGB線条6bは、光照射により反
応硬化し、アレイ構造体2上のRGB線条6aは未反応
のままである。
【0018】次いで、現像を行い、未反応の状態のアレ
イ構造体2上のRGB線条6aを現像溶解し、反応硬化
状態のアレイ開口部(4)部分のRGB線条6bを残す。
現像前に生じていた、未反応の状態でのアレイ構造体2
上のRGB線条6aにあった図3(1)に示す隆起部分6c
(=6a)は、図3(2)に示すように現像溶解時に解消す
る。
【0019】印刷時の1色のピッチは300ミクロンであ
り、RGB3色が形成できた状態で各色間のピッチは10
0ミクロンである。
【0020】以上の工程で作成したカラーフィルター5
の平面図が図2(1)であり、基板1上に形成されたアレ
イ構造体2のアレイ開口部4に、第1,第2,第3色目
からなるRGB画素3を形成されており、RGB画素3
の厚みが2.0ミクロン、アレイ構造体2の厚み2.0ミクロ
ンで段差の小さい図3(2)に示すような平滑な表面が得
られる。
【0021】本実施の形態ではRGB線条6を順次印刷
し、次いで同時に現像溶解形成する方法を示したが、R
GB線条6を同時印刷し、次いで同時に現像溶解形成す
る方法でも形成できる。また、第1色目にR線条6を印
刷した後、R線条の現像溶解を行う方法で、順次GB線
条の印刷、現像溶解を行う方法でも形成できることを確
認している。なお、R,G,B線条の順序を変えても、
性能形状への影響はないことを確認している。
【0022】(実施の形態2)本実施の形態2は前記実施
の形態1で説明したように液晶用カラーフィルター5は
図1の平面図と同様の基板1とアレイ構造体2とよりな
り、大きさも実施の形態1と同様に厚さ1.1ミリで縦横3
00×300ミリのアレイ基板を基板1とする。基板1上
に、アレイ構造体2が設置されている。
【0023】図2(2)は図1における液晶カラーフィル
ター5のアレイ構造体2の各部分の配置を示す平面図で
あり、実施の形態1と同様にアレイ開口部4は、横方向
ピッチ100ミクロン、縦方向ピッチ250ミクロン、幅,長
さはそれぞれ50ミクロン,120ミクロンとなっている。
【0024】次に作成方法を図2(2)と図4の工程状況
を示す断面図を用いて説明する。図2(2)に示すように
アレイ構造体2上に重ねて、オフセット印刷方法により
斜めのRGB線条10を形成する。この斜めのRGB線条
10は、素材を光反応性樹脂とし、RGB色剤を分散した
もので、最大幅135ミクロン、最小幅60ミクロンで、斜
めに形成され幅の変動はあるが、連続した形状をなして
いる。
【0025】次に、図2(2)に図示せざる基板1の裏面
方向(紙面裏)から、365nmを中心波長とする光照射を行
う。照射エネルギーは100mj/平方センチである。
【0026】斜めのRGB線条10のうち、アレイ開口部
4部分の斜めのRGB線条10bは、光照射により反応硬
化し、アレイ構造体2上の斜めのRGB線条10aは未反
応のままである。
【0027】次いで現像を行い、未反応の状態のアレイ
構造体2上の斜めのRGB線条10aを現像溶解し、反応
硬化状態のアレイ開口部4部分の斜めのRGB線条10b
を残す。現像前に生じていた、未反応の状態でのアレイ
構造体2上の斜めのRGB線条10aにあった図4(1)に示
す隆起部分10c(=10a)は、図4(2)に示すように現像溶
解時に解消する。
【0028】印刷時の1色のピッチは300ミクロンであ
り、RGB3色が形成できた状態で各色間のピッチは10
0ミクロンである。
【0029】以上の工程で作成したカラーフィルター5
の平面図が図2(2)であり、基板1上に形成されたアレ
イ構造体2のアレイ開口部4に、第1,第2,第3色目
からなるRGB画素3を形成されており、RGB画素3
の厚みが2.0ミクロン、アレイ構造体2の厚み2.0ミクロ
ンで段差の小さい図4(2)に示すような平滑な表面が得
られる。
【0030】本実施の形態ではRGB線条10を順次印刷
し、次いで同時に現像溶解形成する方法を示したが、斜
めのRGB線条10を同時印刷し、次いで同時に現像溶解
形成する方法でも形成できることを確認している。
【0031】また斜めのR線条10を印刷した後、R線条
の現像溶解を行う方法で、順次GB線条の印刷、現像溶
解を行う方法でも形成できる。なお、R,G,B線条の
順序を変えても、性能形状への影響はないことを確認し
ている。
【0032】なお、以上述べた本発明の各実施の形態で
は、印刷法としてオフセット印刷を用いて作成する方法
を示したが、印刷時に線条が連続していれば良いので、
凸版を用いた印刷方法、その他の印刷方法でも効果を上
げることができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明した本発明の実施の形態と従来
方法で作成した液晶用カラーフィルターとについて表示
品位,製造歩留に相関する作成の容易さ,コストに直結
する生産性を示す(表1)をもとに比較してみる。
【0034】
【表1】
【0035】コスト面から本発明をみた場合、光反応性
樹脂からなるRGB線条を、印刷法により基板上に形成
し、ブラックマトリクス(BM)と組み合わせて、露光、
現像を行って各種のRGB配列をもった液晶用カラーフ
ィルター基板を得ることができるので、アレイがブラッ
クマトリクスに代用されるからブラックマトリクス形成
が省略できてコスト低減を図ることができる。またRG
Bのパターニングに際して、アレイ構造体がフォトマス
クとして使用できるから、フォトリソグラフ法を用いる
にもかかわらず、フォトマスクが省略でき、この面でも
コスト低減ができる。
【0036】なお、生産性の指標として工程数での比較
では、3色を作成するのに従来例では洗浄・レジストコ
ート・乾燥・露光・現像・乾燥の6工程の3色分、計1
8工程が必要であるのに対して、本発明では洗浄・第1
色印刷・第2色印刷・第3色印刷・乾燥・裏面露光・現
像・乾燥の8工程と従来例の半分以下となる。また、R
GBのフォトレジストの使用量は印刷方法を用いるた
め、印刷される部分に必要な量しかフォトレジストを消
費せず、従来から使用されているスピンナー方式等の塗
布方法に比べて、フォトレジストの使用量は1/10から
1/20になり、この面でもコスト低減ができる。以上の
ように本方法によれば、コスト低減が可能である。
【0037】次に性能面から本発明を見た場合、RGB
配列については、斜め(ダイアゴナル)配列、モザイク配
列が容易に、しかも安価に作成できる。
【0038】また、アレイとRGBの厚みを同一にする
ことができるから、表面段差の小さい平滑性に優れた液
晶用カラーフィルターが得られる。
【0039】また、パネル全体の透過率を向上する目的
でカラーフィルターの開口率を高めることについても、
本構造をとれば高い開口率が得られる。
【0040】このように、工業生産性が高くコストが低
くて、各種のRGB配置が容易に行え、また平滑性が良
好で、加えて開口率が高くて画像品位が高い液晶用カラ
ーフィルターが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1及び2における液晶用カ
ラーフィルターの概念を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態1及び2における各液晶用
カラーフィルターの各部分の配置を示す平面図(1)及び
(2)である。
【図3】本発明の実施の形態1における工程進行状況を
示す断面図であり、RGB線条の印刷後の状態(1)とR
GB線条の現像溶解後の状態(2)とを示す。
【図4】本発明の実施の形態2における工程進行状況を
示す断面図であり、斜めのRGB線条の印刷後の状態
(1)と斜めのRGB線条の現像溶解後の状態(2)を示す。
【図5】従来例のフォトリソグラフ法による作成例を示
す平面図である。
【符号の説明】
1…基板、 2…アレイ構造体、 3…RGB画素、
4…アレイ開口部、 5…カラーフィルター、 6…R
GB線条、 6a…アレイ構造体上のRGB線条、 6b
…アレイ開口部部分のRGB線条、 7…クロム薄膜ブ
ラックマトリクス、 8…RGB点状パターン、 9…
カラーフィルター基板、 10…斜めのRGB線条、 10
a…アレイ構造体上の斜めのRGB線条、 10b…アレイ
開口部部分の斜めのRGB線条。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層したアレイ構造により回路を形成し
    ているアレイ基板上に、感光性の樹脂を母材として色剤
    分散した光反応性樹脂で、連続した線条をアレイに重ね
    て形成し、前記アレイ基板裏面より光を照射したのち、
    線条の非反応部分を現像によって除去してRGB画素を
    作成することを特徴とする液晶用カラーフィルターの作
    成方法。
  2. 【請求項2】 前記アレイ基板上への連続した線条の形
    成を印刷によって行うことを特徴とする液晶用カラーフ
    ィルターの作成方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項1,2記載の作成方法により
    得られた構造を有することを特徴とする液晶用カラーフ
    ィルター。
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