JP3047269B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP3047269B2
JP3047269B2 JP04128044A JP12804492A JP3047269B2 JP 3047269 B2 JP3047269 B2 JP 3047269B2 JP 04128044 A JP04128044 A JP 04128044A JP 12804492 A JP12804492 A JP 12804492A JP 3047269 B2 JP3047269 B2 JP 3047269B2
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    • G03C1/00Photosensitive materials
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    • G03C1/08Sensitivity-increasing substances
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は現像処理時の残色と感度
が改良されたハロゲン化銀写真感光材料に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年の現像処理の迅速化や増感色素の多
量添加に伴い、ハロゲン化銀感光材料に含まれている増
感色素が処理中に溶出し終わらないで感光材料中に着色
を残す(いわゆる残色)という問題が大きくなってい
る。従来このような残色の少ない増感色素として特公昭
51−1126号、同51−4105号、英国特許第1
333013号などに記載されたものが検討されてきた
が、感度と残色の両立という点で充分な結果は得られて
いない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は
現像処理時の残色と感度とを両立し得るハロゲン化銀写
真感光材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記一般式(I)で表されるメチン化合物の少なくとも1
種を含むことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料に
より達成された。 一般式(I)
【0004】
【化2】
【0005】式中、Zは5あるいは6員の複素環を形成
するのに必要な非金属原子群を表わす。Xは5または6
員の酸性核を形成するのに必要な非金属原子群を表わ
す。R2 は-(CH2)r -CONHSO2-R3 、-(CH2)s -SO2NHCO-R
4 、-(CH2)t -CONHCO-R5、または-(CH2)u -SO2NHSO2-R6
を表わす。ここでR3 、R4 、R5 、またはR6 はアル
キル基、アルコキシ基、またはアミノ基を表わし、r、
s、t、またはuは1から5までの整数を表わす。R1
はR2 と同義か、スルホ基またはカルボキシル基で置換
されたアルキル基を表わす。pは0または1を表わす。
1 またはL2 はメチン基を表わし、nは0、1、2ま
たは3を表わす。
【0006】ー般式(I)のメチン化合物について以下
に詳述する。R、R、R、またはRで表わされ
るアルキル基は置換されてもよく、炭素数4以下のもの
が好ましく、特に好ましいのはメチル基、エチル基、ヒ
ドロキシアルキル基、またはアミノエチル基である。ア
ルコキシ基としては置換されてもよく、炭素数4以下の
ものが好ましく、特に好ましいのはメトキシ基、エトキ
シ基、メトキシエトキシ基またはヒドロキシエトキシ基
である。アミノ基としてはアルキル基、ヒドロキシアル
キル基、アルコキシアルキル基等で置換されてもよく、
また、置換基どうしで環を形成してもよく、炭素数8以
下のものが好ましい。特に好ましいのはメチルアミノ
基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミ
ノ基、ヒドロキシエチルアミノ基、モルホリノ基、また
はピロリジノ基である。またRのカルボニル基または
スルホニル基に隣接する窒素原子に連結した水素原子は
解離性であり、従ってRは塩基などの存在によって−
(CH−CONSO、−(CH
SOCOR、−(CH、−CONCO
、または−(CH−SOSO
形を取り得る。Rで表わされるスルホ基またはカルボ
キシル基で置換されたアルキル基としては炭素数5以下
のものが好ましく、特に好ましいのは2−スルホエチル
基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、3−
スルホブチル基、カルボキシメチル基、2−カルボキシ
エチル基、または3−カルボキシブチル基である。r、
s、t、またはuの好ましいものとしては、1、2、3
である。
【0007】Zで表される5または6員の複素環核とし
てはチアゾール核{チアゾール核(例えばチアゾール、
4−メチルチアゾール、4−フェニルチアゾール、4,
5−ジメチルチアゾール、4,5−ジフェニルチアゾー
ル)、ベンゾチアゾール核(例えば、ベンゾチアゾー
ル、4−クロロベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチ
アゾール、6−クロロベンゾチアゾール、5−ニトロベ
ンゾチアゾール、4−メチルベンゾチアゾール、5−メ
チルベンゾチアゾール、6−メチルベンゾチアゾール、
5−ブロモベンゾチアゾール、6−ブロモベンゾチアゾ
ール、5−ヨードベンゾチアゾール、5−フェニルベン
ゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、6−メ
トキシベンゾチアゾール、5−エトキシベンゾチアゾー
ル、5−エトキシカルボニルベンゾチアゾール、5−カ
ルボキシベンゾチアゾール、5−フェネチルベンゾチア
ゾール、5−フルオロベンゾチアゾール、5−クロロ−
6−メチルベンゾチアゾール、5,6−ジメチルベンゾ
チアゾール、5,6−ジメトキシベンゾチアゾール、5
−ヒドロキシ−6−メチルベンゾチアゾール、テトラヒ
ドロキシベンゾチアゾール、4−フェニルベンゾチアゾ
ール)、ナフトチアゾール核(例えば、ナフト〔2,1
−d〕チアゾール、ナフト〔1,2−d〕チアゾール、
ナフト〔2,3−d〕チアゾール、5−メトキシナフト
〔1,2−d〕チアゾール、7−エトキシナフト〔2,
1−d〕チアゾール、8−メトキシナフト〔2,1−
d〕チアゾール、5−メトキシナフト〔2,3−d〕チ
アゾール)}、チアゾリン核(例えば、チアゾリン、4
−メチルチアゾリン、4−ニトロチアゾリン)、オキサ
ゾール核{オキサゾール核(例えば、オキサゾール、4
−メチルオキサゾール、4−ニトロオキサゾール、5−
メチルオキサゾール、4−フェニルオキサゾール、4,
5−ジフェニルオキサゾール、4−エチルオキサゾー
ル)、ベンゾオキサゾール核(例えば、ベンゾオキサゾ
ール、5−クロロベンゾオキサゾール、5−メチルベン
ゾオキサゾール、5−ブロモベンゾオキサゾール、5−
フルオロベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオキ
サゾール、5−メトキシベンゾオキサゾール、5−ニト
ロベンゾオキサゾール、5−トリフルオロメチルベンゾ
オキサゾール、5−ヒドロキシベンゾオキサゾール、5
−カルボキシベンゾオキサゾール、6−メチルベンゾオ
キサゾール、6−クロロベンゾオキサゾール、6−ニト
ロベンゾオキサゾール、6−メトキシベンゾオキサゾー
ル、6−ヒドロキシベンゾオキサゾール、5,6−ジメ
チルベンゾオキサゾール、4,6−ジメチルベンゾオキ
サゾール、5−エトキシベンゾオキサゾール)、ナフト
オキサゾール核(例えば、ナフト〔2,1−d〕オキサ
ゾール、ナフト〔1,2−d〕オキサゾール、ナフト
〔2,3−d〕オキサゾール、5−ニトロナフト〔2,
1−d〕オキサゾール)}、オキサゾリン核(例えば、
4,4−ジメチルオキサゾリン)、セレナゾール核{セ
レナゾール核(例えば、4−メチルセレナゾール、4−
ニトロセレナゾール、4−フェニルセレナゾール)、ベ
ンゾセレナゾール核(例えば、ベンゾセレナゾール、5
−クロロベンゾセレナゾール、5−ニトロベンゾセレナ
ゾール、5−メトキシベンゾセレナゾール、5−ヒドロ
キシベンゾセレナゾール、6−ニトロベンゾセレナゾー
ル、5−クロロ−6−ニトロベンゾセレナゾール、5,
6−ジメチルベンゾセレナゾール)、ナフトセレナゾー
ル核(例えば、ナフト〔2,1−d〕セレナゾール、ナ
フト〔1,2−d〕セレナゾール)}、セレナゾリン核
(例えば、セレナゾリン、4−メチルセレナゾリン)、
テルラゾール核{テルラゾール核(例えば、テルラゾー
ル、4−メチルテルラゾール、4−フェニルテルラゾー
ル)、ベンゾテルラゾール核(例えば、ベンゾテルラゾ
ール、5−クロロベンゾテルラゾール、5−メチルベン
ゾテルラゾール、5,6−ジメチルベンゾテルラゾー
ル、6−メトキシベンゾテルラゾール)、ナフトテルラ
ゾール核(例えば、ナフト〔2,1−d〕テルラゾー
ル、ナフト〔1,2−d〕テルラゾール)}、テルラゾ
リン核(例えば、テルラゾリン、4−メチルテルラゾリ
ン)、3,3−ジアルキルインドレニン核(例えば、
3,3−ジメチルインドレニン、3,3−ジエチルイン
ドレニン、3,3−ジメチル−5−シアノインドレニ
ン、3,3−ジメチル−6−ニトロインドレニン、3,
3−ジメチル−5−ニトロインドレニン、3,3−ジメ
チル−5−メトキシインドレニン、3,3,5−トリメ
チルインドレニン、3,3−ジメチル−5−クロロイン
ドレニン)、イミダゾール核{イミダゾール核(例え
ば、1−アルキルイミダゾール、1−アルキル−4−フ
ェニルイミダゾール、1−アリールイミダゾール)、ベ
ンゾイミダゾール核(例えば、1−アルキルベンゾイミ
ダゾール、1−アルキル−5−クロロベンゾイミダゾー
ル、1−アルキル−5,6−ジクロロベンゾイミダゾー
ル、1−アルキル−5−メトキシベンゾイミダゾール、
1−アルキル−5−シアノベンゾイミダゾール、1−ア
ルキル−5−フルオロベンゾイミダゾール、1−アルキ
ル−5−トリフルオロメチルベンゾイミダゾール、1−
アルキル−6−クロロ−5−シアノベンゾイミダゾー
ル、1−アルキル−6−クロロ−5−トリフルオロメチ
ルベンゾイミダゾール、1−アリル−5,6−ジクロロ
ベンゾイミダゾール、1−アリル−5−クロロベンゾイ
ミダゾール1−アリールベンゾイミダゾール、1−アリ
ール−5−クロロベンゾイミダゾール、1−アリール−
5,6−ジクロロベンゾイミダゾール、1−アリール−
5−メトキシベンゾイミダゾール、1−アリール−5−
シアノベンゾイミダゾール)、ナフトイミダゾール核
(例えば、アルキルナフト〔1,2−d〕イミダゾー
ル、1−アリールナフト〔2,1−d〕イミダゾー
ル)、前述のアルキル基は炭素原子数1〜8個のもの、
たとえば、メチル、エチル プロピル、イソプロピル、
ブチル等の無置換のアルキル基やヒドロキシアルキル基
(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロ
ピル)が好ましい。特に好ましくはメチル基、エチル基
である。前述のアリール基は、フェニル、ハロゲン(例
えばクロロ)置換フェニル、アルキル(例えばメチル)
置換フェニル、アルコキシ(例えばメトキシ)置換基フ
ェニルを表わす。}、ピリジン核(例えば、2−ピリジ
ン核(例えば、2−ピリジン、4−ピリジン)、5−メ
チル−2−ピリジン、3−メチル−4−ピリジン)、キ
ノリン核{例えば、2−キノリン、3−メチル−2−キ
ノリン、5−エチル−2−キノリン、6−メチル−2−
キノリン、6−ニトロ−2−キノリン、8−フルオロ−
2−キノリン、6−メトキシ−2−キノリン、6−ヒド
ロキシ−2−キノリン、8−クロロ−2−キノリン、4
−キノリン、6−エトキシ−4−キノリン、6−ニトロ
−4−キノリン、8−クロロ−4−キノリン、8−フル
オロ−4−キノリン、8−メチル−4−キノリン、8−
メトキシ−4−キノリン、6−メチル−4−キノリン、
6−メトキシ−4−キノリン、6−クロロ−4−キノリ
ン)、イソキノリン核(例えば、6−ニトロ−1−イソ
キノリン、3,4−ジヒドロ−1−イソキノリン、6−
ニトロ−3−イソキノリン)}、イミダゾ〔4,5−
b〕キノキザリン核(例えば、1,3−ジエチルイミダ
ゾ〔4,5−b〕キノキザリン、6−クロロ−1,3−
ジアリルイミダゾ〔4,5−b〕キノキザリン)、オキ
サジアゾール核、チアジアゾール核、テトラゾール核、
ピリミジン核、ピロリン核を挙げることができる。
【0008】これらの複素環核のうちで、好ましいもの
は、チアゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾ
ール核、オキサゾール核、ベンゾオキサゾール核、ナフ
トオキサゾール核、ベンゾイミダゾール核、ナフトイミ
ダゾール核、キノリン核、ピロリン核、チアゾリン核、
テトラゾール核である。
【0009】Xは5員または6員の酸性核を形成するた
めに必要な原子群を表すが、ここでいう酸性核とは、例
えばジェイムス(James)編「ザ・セオリー・オブ・ザ・
フォトグラフィック・プロセス」(The Theory of the
Photographic Process) 第4版、マクミラン出版社、1
977年、198頁により定義される。具体的には、米
国特許第3,567,719号、第3,575,869
号、第3,804,634号、第3,837,862
号、第4,002,480号、第4,925,777
号、特開平3−167546号などに記載されているも
のが挙げられる。好ましくは、次の核が挙げられる。2
−ピラゾリン−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオ
ン、イミダゾリン−5−オン、ヒダントイン、2または
5−チオヒダントイン、2−イミノオキサゾリジン−4
−オン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサ
ゾリジン−2,4−ジオン、イソオキサゾリン−5−オ
ン、2−チアゾリン−4−オン、チアゾリジン−4−オ
ン、チアゾリジン−2,4−ジオン、ローダニン、チア
ゾリジン−2,4−ジチオン、イソローダニン、インド
リン−2−オン、インドリン−3−オン、インダゾリン
−3−オン、2−オキソインダゾリニウム、3−オキソ
インダゾリニウム、5,7−ジオキソ−6,7−ジヒド
ロチアゾロ〔3,2−a〕ピリミジン、3,4−ジヒド
ロイソキノリン−4−オン、バルビツール酸、2−チオ
バルビツール酸、インダゾリン−2−オン、またはピリ
ド〔1,2−a〕ピリミジン−1,3−ジオンの核であ
る。これらの核のうち更に好ましいものとしては、ロー
ダニン、ヒダントイン、2または4−チオヒダントイ
ン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリ
ジン−2,4−ジオン、バルビツール酸、2−チオバル
ビツール酸、2−ピラゾリン−5−オンが挙げられる。
【0010】L1 、L2 で表わされるメチン基は置換さ
れてもよく、置換基としては置換されてもよいアルキル
基(例えばメチル基、エチル基、2−カルボキシエチル
基)、置換されてもよいアリール基(例えばフェニル
基、o−カルボキフェニル基)、ハロゲン原子(例えば
塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基(例えば、メトキ
シ基、エトキシ基)、アルキルチオ基(例えばメチルチ
オ基、エチルチオ基)などが挙げられ、また他のメチン
基と環を形成してもよく、あるいは助色団と環を形成す
ることもできる。以下に一般式(I)で表わされるメチ
ン化合物の具体例を示すが、本発明の範囲はこれらに限
定されるものではない。
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】一般式(I)で表わされるメチン化合物は
以下に示す方法に従って合成することができる。
【0018】本発明の一般式(I)で表わされる化合物
は、エフ・エム・ハーマー(F. M.Hamer)著「ヘテロサ
イクリック・コンパウンズ−シアニン・ダイズ・アンド
・リレイティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compoun
ds-Cyanine Dyes and Related Compounds (ジョン・ウ
イリー・アンド・サンズ John Wiley & Sons社−ニュー
ヨーク、ロンドン、1964年刊)、デー・エム・スタ
ーマー(D. M. Sturmer)著、「ヘテロサイクリック・コ
ンパウンズ−スペシャル・トピックス・イン・ヘテロサ
イクリック・ケミストリー−(Heterocyclic Compounds
−Special topics in heterocyclic chemistry−)」、
第18章、第14節、第482〜515頁、ジョン・ウ
イリー・アンド・サンズ( John Wiley & Sons)社−ニ
ューヨーク、ロンドン、(1977年刊).、「ロッズ
・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rod
d's Chemistry of Carbon Compounds)」、(2nd. Ed.
vol.IV、part B、1977年刊)、第15章、第36
9〜422頁;(2nd. Ed. vol. IV、part B、1985
年刊)、第15章、第267〜296頁、エルスバイヤ
ー・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(El
svier Science Publishing Company Inc. )社刊、ニュ
ーヨーク.などに記載の方法に基づいて合成することが
できる。
【0019】本発明に用いられる一般式(I)で表わさ
れる化合物は直接乳剤中へ分散することができるし、ま
た適当な溶媒(例えばメチルアルコール、エチルアルコ
ール、メチルセロソルブ、水など)あるいはこれらの混
合溶媒中に溶解して乳剤へ添加することもできる。その
他増感色素の添加方法に準じて溶液あるいはコロイド中
への分散物の形で乳剤中へ添加することができる。また
特開昭50−80119号公報に、記載の方法で乳剤中
へ分散添加することもできる。
【0020】本発明に用いられるハロゲン化銀は、例え
ば塩化銀、臭化銀、沃化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、沃臭
化銀、塩沃臭化銀のいずれでもよい。本発明における可
溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては
片側混合法、同時混合法、それらの組合せなどのいずれ
を用いてもよい。粒子を銀イオン過剰の下において形成
させる方法(いわゆる逆混合法)を用いることもでき
る。同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成
される液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわちいわ
ゆるコントロールド・ダブルジェット法を用いることが
でき、この方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズ
が均一に近いハロゲン化銀乳剤が得られる。本発明に用
いられるハロゲン化銀粒子の形成時には粒子の成長をコ
ントロールするためにハロゲン化銀溶剤として例えばア
ンモニア、ロダンカリ、ロダンアンモン、チオエーテル
化合物(例えば米国特許第3,271,157号、同第
3,574,628号、同第3,704,130号、同
第4,297,439号、同第4,276,374号な
ど)、チオン化合物(例えば特開昭53−144,31
9号、同第53−82,408号、同第55−77,7
37号など)、アミン化合物(例えば特開昭54−10
0,717号など)などを用いることができる。本発明
に用いるハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面
体のような規則的な結晶を有するもの、球状、板状のよ
うな変則的な結晶形を有するもの、双晶面などの結晶欠
陥を有するもの、あるいはそれらの複合形でもよい。ハ
ロゲン化銀の平均粒子サイズは1.0μm以下であるこ
とが好ましく特に0.7μm以下が好ましい。平均粒径
を求める方法の詳細については、C. E. Meesと T. H. J
ames著:ザ セオリー オブ ザ フォトグラフィック
プロセス(The Theory of the Photoglaphic Proces
s, 3 rd ed .P.36〜P.43、(1966年、McM
illan社刊)を参照すればよい。本発明は種々の感光材
料に適用することができる。一般用もしくは映画用のカ
ラーネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラ
ー反転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルム
およびカラー反転ペーパーなどを代表例として挙げるこ
とができる。白黒写真感材、Xレイ感材、印刷用感材に
用いても好ましい効果が得られる。
【0021】本発明においては、水溶性ロジウム塩、代
表的にはロジウムクロライド、ロジウムトリクロライ
ド、ロジウムアンモニウムクロライドなどを用いること
が好ましい。さらにこれらの錯塩を用いることもでき
る。上記ロジウム塩の添加時間は乳剤製造時の第一熟成
終了前に限定され、特に粒子形成中に添加されるのが望
ましく、その添加量は銀1モル当り1×10-8モル以
上、1×10-6モル以下の範囲が好ましい。また、例え
ばNa3 IrCl6 :Na2 IrCl6 などの水溶性イ
リジウム塩を用いることができる。水溶性イリジウム塩
の添加時期は乳剤製造時の第一熟成前、特に粒子形成中
に添加されるのが望ましい。その添加量は1×10-8
ル以上、1×10-5モル以下の範囲が望ましい。
【0022】本発明に用いられる金増感剤としては種々
の金塩であり例えばカリウムクロロオーライト、カリウ
ムオーリックチオシアネート、カリウムクロロオーレー
ト、オーリックトリクロライド等がある。具体例は米国
特許2399083号、同2642361号明細書に記
載されている。本発明に用いられる硫黄増感剤として
は、ゼラチン中に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫
黄化合物、たとえばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾー
ル類、ローダニン類等を用いることができる。具体例は
米国特許1,574,944号、同2,278,947
号、同2,410,689号、同2,728,668
号、同3,501,313号、同3,656,955号
に記載されたものである。好ましい硫黄化合物は、チオ
硫酸塩、チオ尿素化合物である。好ましい硫黄増感剤お
よび金増感剤の添加量は各々銀モルあたり10-2〜10
-7モルでありより好ましくは1×10-3〜5×10-6
ルである。硫黄増感剤と金増感剤の比率はモル比で1:
3〜3:1であり好ましくは1:2〜2:1である。本
発明において、還元増感法を用いることができる。還元
増感剤としては第一すず塩、アミン類、ホルムアミジン
スルフィン酸、シラン化合物などを用いることができ
る。本発明の化学増感を行う温度としては30℃から9
0℃の間の任意の温度から選択できる。また化学増感を
行う際のpHは4.5から8.5好ましくは5.0から
7.0の範囲で行われる。化学増感の時間は温度,化学
増感剤の使用量、pHなどで変わるためいちがいに決め
られないが、数分から数時間の間から任意に選ぶことが
でき、通常は10分から200分の間で行われる。
【0023】ハロゲン化銀乳剤を赤外分光増感すると時
として溶液状態の乳剤の安定性が悪化することがある。
これを防止するためには乳剤に水溶性臭化物を加えるこ
とが有効である。水可溶性臭化物としては水中で臭素イ
オンに解離しうる種々の化合物が用いられうる。例えば
臭化物の塩、例えばアンモニウム、カリウム、ナトリウ
ム、リチウム等の塩が用いられうる。また適当な有機の
臭化物、例えばテトラエチルアンモニウムブロマイド
(Tetra ethyl ammoniumbrom
ide)、エチルピリジニウムブロマイド(ethyl
pridinium bromide)なども用いら
れうる。しかしながら臭化物の塩のうち臭化カドミウ
ム、臭化亜鉛等は過度に人体に吸収されると有毒である
ので前述した無害の水可溶性臭化物の方が好ましい。乳
剤へ添加される水可溶性臭化物の量は、乳剤の感度を実
質的に増加させるか、及び/又は感度が時間と共に変化
するのを実質的に無くしてしまうのに充分な量である。
水可溶性臭化物の量は広い範囲で変えられるが、とくに
良好な結果は、臭化物が銀モル当り0.0003〜0.
01モルの範囲で添加されるときに得ることができる。
さらに良好な結果は、臭化物が銀モル当り0.0005
〜0.005モルの範囲で添加されるときに得られる。
上記臭化物の量は増感色素の陰イオンが臭素又は臭化物
であるときには、増感色素の陰イオンにプラスされる量
である。水溶性臭化物を添加する時期はハロゲン化銀粒
子形成後の任意の時期でよいが、化学増感の終了後が好
ましい。
【0024】本発明による増感色素に、更に他の増感色
素を組合せて用いることができる。例えば米国特許第
3,703,377号、同第2,688,545号、同
第3,397,060号、同第3,615,635号、
同第3,628,964号、英国特許第1,242,5
88号、同第1,293,862号、特公昭43−49
36号、同44−14030号、同43−10773
号、米国特許第3,416,927号、特公昭43−4
930号、米国特許第3,615,613号、同第3,
615,632号、同第3,617,295号、同第
3,635,721号などに記載の増感色素を用いるこ
とができる。
【0025】本発明の写真乳剤には感光材料の製造工
程、保存中或いは処理中の感度低下やカブリの発生を防
ぐために種々の化合物を添加することができる。それら
の化合物はニトロベンズイミダゾール、アンモニウムク
ロロプラチネイト、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラアザインデン、1−フェニル−5
−メルカプトテトラゾールをはじめ多くの複素環化合
物、含水銀化合物、メルカプト化合物、金属塩類など極
めて多くの化合物が古くから知られている。使用できる
化合物の一例は、K. Mees 著“The Theory of the Phot
ographic Process”(第3版、1966年)344頁か
ら349頁に原文献を挙げて記されている他化合物とし
ては、例えば米国特許第2,131,038号や、同第
2,694,716号などで記載されているチアゾリウ
ム塩;米国特許第2,886,437号や同第2,44
4,605号などで記載されているアザインデン類;米
国特許第3,287,135号などで記載されているウ
ラゾール類;米国特許第3,236,652号などで記
載されているスルホカテコール類;英国特許第623,
448号などで記載されているオキシム類;米国特許第
2,403,927号、同第3,266,897号、同
第3,397,987号などに記載されているメルカプ
トテトラゾール類、ニトロン;ニトロインダゾール類;
米国特許第2,839,405号などで記載されている
多価金属塩(Polyvalent metal salts);米国特許第
3,220,839号などで記載されているチウロニウ
ム塩(thiuronium salts) ;米国特許第2,566,2
63号、同第2,597,915号などで記載されてい
るパラジウム、白金および金の塩などがある。
【0026】ハロゲン化銀写真乳剤は、現像主薬、例え
ばハイドロキノン類;カテコール類;アミノフェノール
類;3−ピラゾリドン類;アスコルビン酸やその誘導
体;レダクトン類(reductones) やフェニレンジアミン
類、または現像主薬の組合せを含有させることができ
る。現像主薬はハロゲン化銀乳剤層及び/又は他の写真
層(例えば保護層、中間層、フィルター層、アンチハレ
ーション層、バック層など)へ入れられうる。現像主薬
は適当な溶媒に溶かして、または米国特許第2,59
2,368号や、仏国特許第1,505,778号に記
載されている分散物の形で添加されうる。
【0027】現像促進剤としては、例えば米国特許第
3,288,612号、同第3,333,959号、同
第3,345,175号、同第3,708,303号、
英国特許第1,098,748号、西ドイツ特許第1,
141,531号、同第1,183,784号等に記載
されている化合物を用いることができる。
【0028】本発明の写真乳剤には無機または有機の硬
膜剤を含有してよい。例えばクロム塩(クロム明ばん、
酢酸クロムなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、
グリオキサール、グルタールアルデヒドなど)、N−メ
チロール化合物(ジメチロール尿素、メチロールジメチ
ルヒダントインなど)、ジオキサン誘導体(2,3−ジ
ヒドロキシジオキサンなど)、活性ビニル化合物(1,
3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリア
ジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエーテル、N,
N′−メチレンビス−〔β−(ビニルスルホニル)プロ
ピオンアミド〕など)、活性ハロゲン化合物(2,4−
ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジンなど)、ム
コハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル
酸など)イソオキサゾール類、ジアルデヒドでん粉、2
−クロル−6−ヒドロキシトリアジニル化ゼラチンなど
を、単独または組合せて用いることができる。その具体
例は、米国特許1,870,354号、同2,080,
019号、同2,726,162号、同2,870,0
13号、同2,983,611号、同2,992,10
9号、同3,047,394号、同3,057,723
号、同3,103,437号、同3,321,313
号、同3,325,287号、同3,362,827
号、同3,539,644号、同3,543,292
号、英国特許676,628号、同826,544号、
同1,270,578号、ドイツ特許872,153
号、同1,090,427号、特公昭34−7,133
号、同46−1872号などに記載がある。
【0029】本発明を用いて作られる感光材料の写真乳
剤層または他の親水性コロイド層には塗布助剤、帯電防
止、スベ性改良、乳化分散、接着防止及び写真特性改良
(例えば、現像促進、硬調化、増感)等種々の目的で、
種々の界面活性剤を含んでもよい。例えばサポニン(ス
テロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体(例えばポ
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリ
プロピレングリコール縮合物、ポリエチレングリコール
アルキルエーテル類又はポリエチレングリコールアルキ
ルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールエステ
ル類、ポリエチレングリコールソルビタンエステル類、
ポリアルキレングリコールアルキルアミン又はアミド
類、シリコーンのポリエチレンオキサイド付加物類)、
グリシドール誘導体(例えばアルケニルコハク酸ポリグ
リセリド、アルキルフェノールポリグリセリド)、多価
アルコールの脂肪酸エステル類、糖のアルキルエステル
類などの非イオン性界面活性剤;アルキルカルボン酸
塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフ
ォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキ
ル硫酸エステル類、アルキルリン酸エステル類、N−ア
シル−N−アルキルタウリン類、スルホコハク酸エステ
ル類、スルホアルキルポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エ
ステル類などのようなカルボキシ基、スルホ基、ホスホ
基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等の酸性基を含
むアニオン界面活性剤;アミノ酸類、アミノアルキルス
ルホン酸類、アミノアルキル硫酸又はリン酸エステル
類、アルキルベタイン類、アミンオキシド類などの両性
界面活性剤;アルキルアミン塩類、脂肪族あるいは芳香
族第4級アンモニウム塩類、ピリジニウム、イミダゾリ
ウムなどの複素環第4級アンモニウム塩類、及び脂肪族
又は複素環を含むホスホニウム又はスルホニウム塩類な
どのカチオン界面活性剤を用いることができる。
【0030】特性曲線の脚部の切れを良くし、品質のよ
い網点や線画像を得るため等の目的で、ポリアルキレン
オキサイド化合物(例えば炭素数2〜4のアルキレンオ
キサイド、たとえばエチレンオキサイド、プロピレン−
1,2−オキサイド、ブチレン−1,2−オキサイドな
ど、好ましくはエチレンオキサイドの少くとも10単位
から成るポリアルキレンオキサイドと、水、脂肪族アル
コール、芳香族アルコール、脂肪酸、有機アミン、ヘキ
シトール誘導体などの活性水素原子を少くとも1個有す
る化合物との縮合物あるいは二種以上のポリアルキレン
オキサイドのブロックコポリマーなど)を用いることが
できる。具体的な化合物例としては特開昭50−156
423号、特開昭52−108130号および特開昭5
3−3217号に記載されたポリアルキレンオキサイド
化合物を用いることができる。これらのポリアルキレン
オキサイド化合物は一種類のみを用いても、二種類以上
組合せて用いてもよい。
【0031】写真乳剤の結合剤または保護コロイドとし
ては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、それ以外の
親水性コロイドも用いることができる。たとえばゼラチ
ン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマ
ー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロー
ズ硫酸エステル類等の如きセルロース誘導体、アルギン
酸ソーダ、澱粉誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアル
コール、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−
N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリ
ル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、
ポリビニルピラゾール等の単一あるいは共重合体の如き
多種の合成親水性高分子物質を用いることができる。
【0032】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほ
か、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分解
物、ゼラチン酵素分解物も用いることができる。ゼラチ
ン誘導体としては、ゼラチンにたとえば酸ハライド、酸
無水物、イソシアネート類、ブロモ酢酸、アルカンサル
トン類、ビニルスルホンアミド類、マレインイミド化合
物類、ポリアルキレンオキシド類、エポキシ化合物類等
種々の化合物を反応させて得られるものが用いられる。
その具体例は米国特許2,614,928号、同3,1
32,945号、同3,186,846号、同3,31
2,553号、英国特許861,414号、同1,03
3,189号、同1,005,784号、特公昭42−
26845号などに記載されている。本発明の写真乳剤
には寸度安定性の改良などの目的で水不溶または難溶性
合成ポリマーの分散物を含むことができる。たとえばア
ルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアクリル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリルアミド,ビニルエステル(例えば酢酸
ビニル)、アクリロニトリル、オレフィン、スチレンな
どの単独もしくは組合わせ、またはこれらとアクリル
酸、メタアクリル酸、α、β−不飽和ジカルボン酸、ヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルフォアル
キル(メタ)アクリレート、スチレンスルフォン酸など
の組合せを単量体成分とするポリマーを用いることがで
きる。
【0033】本発明の感光材料にはいかなる写真現像方
法が適用されても良い。現像液に用いられる現像主薬と
してはジヒドロキシベンゼン系現像主薬、1−フェニル
−3−ピラゾリドン系現像主薬、p−アミノフェノール
系現像主薬などがあり、これらを単独又は組合せて(例
えば1−フェニル−3−ピラゾリドン類とジヒドロキシ
ベンゼン類又はp−アミノフェノール類とジヒドロキシ
ベンゼン類)用いることができる。また本発明の感光材
料はカルボニルビサルファイトなどの亜硫酸イオンバッ
ファーとハイドロキノンを用いたいわゆる伝染現像液で
処理されても良い。上記において、ジヒドロキシベンゼ
ン系現像主薬としては、例えばハイドロキノン、クロロ
ハイドロキノン、ブロモハイドロキノン、イソプロピル
ハイドロキノン、トルヒドロハイドロキノン、メチルハ
イドロキノン、2,3−ジクロロハイドロキノン、2,
5−ジメチルハイドロキノンなどがあり、1−フェニル
−3−ピラゾリドン系現像主薬としては1−フェニル−
3−ピラゾリドン、4,4−ジメチル−1−フェニル−
3−ピラゾリドン、4−ヒドロキシメチル−4−メチル
−1−フェニル−3−ピラゾリドン、4,4−ジヒドロ
キシメチル−1−フェニル−3−ピラゾリドンなどがあ
り、p−アミノフェノール系現像主薬としてはp−アミ
ノフェノール、N−メチル−p−アミノフェノールなど
が用いられる。現像液には保恒剤として遊離の亜硫酸イ
オンを与える化合物、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸
カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム
等が添加される。伝染現像液の場合は現像液中でほとん
ど遊離の亜硫酸イオンを与えないホルムアルデヒド重亜
硫酸ナトリウムを用いても良い。本発明に用いる現像液
のアルカリ剤としては水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、
第三リン酸カリウム、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン等が用いられる。現像液のpHは通常9以
上、好ましくは9.7以上に設定される。
【0034】現像液にはカブリ防止剤又は現像制御剤と
して知られている有機化合物を含んでも良い。その例と
してはアゾール類たとえばベンゾチアゾリウム塩、ニト
ロインダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、クロ
ロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダゾール
類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾ
ール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプト
チアジアゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリ
アゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプト
テトラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプトテ
トラゾール)など;メルカプトピリミジン類;メルカプ
トトリアジン類;たとえばオキサゾリンチオンのような
チオケト化合物;アザインデン類、たとえばトリアザイ
ンデン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ
置換(1,3,3a,7)テトラザインデン類)、ペン
タアザインデン類など;ベンゼンチオスルフォン酸、ベ
ンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフォン酸アミド、2
−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルフォン酸ナ
トリウムなどがある。本発明に使用し得る現像液には前
述したと同様のポリアルキレンオキサイドを現像抑制剤
として含有させてもよい。例えば分子量1000〜10
000のポリエチレンオキサイドなどを0.1〜10g
/リットルの範囲で含有させることができる。本発明に
使用し得る現像液には硬水軟化剤としてニトリロトリ酢
酸、エチレンジアミンテトラアセティックアシド、トリ
エチレンテトラアミンヘキサアセティックアシド、ジエ
チレンテトラアミンペンタアセティックアシド等を添加
することが好ましい。
【0035】定着液としては一般に用いられる組成もの
を用いることができる。定着剤としてはチオ硫酸塩、チ
オシアン酸塩のほか、定着剤としての効果が知られてい
る有機硫黄化合物を用いることができる。定着液には硬
膜剤として水溶性アルミニウム塩を含んでもよい。定着
液には硫化剤としてエチレンジアミン四酢酸と三価の鉄
イオンとの錯体を含むこともできる。
【0036】処理温度や処理時間は適宜設定されるが普
通18℃〜50℃の処理温度が適当であり、一方いわゆ
る自動現像機を用いた15〜120秒の迅速処理を行う
のが好ましい。次に実施例を掲げ本発明を更に詳しく説
明する。但し本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
【0037】
【実施例】以下の方法により、乳剤を調整した。0.5
Mの硝酸銀水溶液と、0.1Mの臭化カリウムと0.4
4Mの塩化ナトリウム、ヘキサクロロイリジウム( III)
酸カリウム、ヘキサブロモロジウム(III) 酸アンモニウ
ムを含むハロゲン塩水溶液を、塩化ナトリウム、1,3
−ジメチルイミダゾリジン−2−チオンとベンゼンチオ
スルホン酸を含有しpH4.0に調整したゼラチン水溶
液に、攪拌しながら38℃で10分間ダブルジェット法
により添加し、平均粒子サイズ0.16μm、塩化銀含
有率70モル%の塩臭化銀粒子を得ることにより核形成
を行った。続いて、同様に0.5Mの硝酸銀水溶液と、
0.1Mの臭化カリウム、0.44Mの塩化ナトリウム
とフェロシアン化カリウムを含むハロゲン塩水溶液をダ
ブルジェット法により10分間添加し、粒子形成を終了
した。得られた粒子は平均粒子サイズ0.2μm、塩化
銀含有率70モル%、銀1モルあたりIrを3.8×1
-7モル、Rhを6.1×10-8モル、Feを2.3×
10-5モル含有する塩臭化銀立方体粒子であった(変動
係数10%)。その後常法に従ってフロキュレーション
法により水洗し、ゼラチン30gを加えた。
【0038】この乳剤のpHを5.6、pAgを7.5
に調整し、銀1モル当りチオ硫酸ナトリウムを6.0m
g、塩化金酸を8.0mg添加して、65℃で最適感度に
なるように化学増感処理を施し、安定剤として、4−ヒ
ドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザイ
ンデン75mgを加えた。
【0039】得られた乳剤に各色素を表1に示すように
添加した。さらに4,4′−ビス(4,6−ジナフトキ
シ−ピリミジン−2−イルアミノ)−スチルベンジスル
ホン酸ジナトリウム塩を銀1モルあたり234mg、1−
フェニル−5−メルカプトテトラゾールを25mg加え
た。さらにハイドロキノン150mg/m2、ポリエチルア
クリレートラテックスをゼラチンバインダー比30%、
0.01μmのコロイダルシリカをゼラチンバインダー
比30%、硬膜剤として2−ビス(ビニルスルホニルア
セトアミド)エタンを70mg/m2添加し、ポリエステル
支持体上に、銀塗布量3.2g/m2、塗布ゼラチン量
1.4g/m2になる様に塗布した。このとき保護層とし
て乳剤層の上層にゼラチンを0.5g/m2、下記構造式
の染料を70mg/m2、そしてマット剤として粒径2.5
μmのポリメチルメタクリレートを60mg/m2、粒径1
0μmのコロイダルシリカを70mg/m2、また塗布助剤
としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩と下記
構造式の含フッ素界面活性剤1.5mg/m2及びキレート
剤20mg/m2を添加し、pH5.5に調整して乳剤層と
同時に塗布した。
【0040】
【化9】
【0041】
【表1】
【0042】なお、本実施例で使用したベースは下記組
成のバック層およびバック保護層を有する。 (バック層) ゼラチン 2.0g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2
【0043】
【化10】
【0044】 1,3−ジビニルスルホン−2−プロパノール 60mg/m2 (バック保護層) ゼラチン 0.5g/m2 ポリメチルメタクリレート(粒子サイズ4.7μm) 30mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 含フッ素界面活性剤(前記) 2mg/m2 シリコーンオイル 100mg/m2
【0045】写真性能の評価 得られた試料を、515nmにピークをもつ干渉フィル
ターと連続ウエッジを介し、発光時間10-5秒のキセノ
ンフラッシュ光で露光し、富士写真フイルム(株)製自
動現像機FG−710NHを用いて下記に示した温度及
び時間でセンシトメトリーを行った。
【0046】 現像 38℃ 14秒 定着 37℃ 9.7秒 水洗 26℃ 9秒 スクイズ 2.4秒 乾燥 55℃ 8.3秒 合計 43.4秒 線速度 2800mm/分 用いた現像液および定着液は、下記の組成をもつ。 (現像液処方) 水酸化カリウム 10g ジエチレントリアミン五酢酸 2.6g 臭化カリウム 3.3g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.08g 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸 ナトリウム 0.3g 亜硫酸カリウム 83g ハイドロキノン 35g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル− 3−ピラゾリドン 1.3g ジエチレングリコール 30g 水を加えて 1リットル (水酸化ナトリウムを加えてpH=10.7に合わせる) (定着液処方) チオ硫酸アンモニウム 150g 1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウ ム−3−チオレート 0.25 mol 重亜硫酸ナトリウム 30g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・二水塩 0.025g 水を加えて 1リットル (水酸化ナトリウムでpH=6.0に調整) 感度の評価 濃度3.0を与える露光量の対数を感度とし、相対感度
で評価した。 残色の評価 未露光試料と水洗水温度を5℃にした以外は感度の評価
と同様にして処理し、試料の色味について目視で5段階
に評価した。5が最も残色が少なく、1が最も残色が多
く、3が実用限度を意味する。各試料について評価結果
を表2に示した。
【0047】
【表2】
【0048】表2より明らかなように本発明の対応であ
る試料No. 4、5、6は、感度および残色に対して優れ
ていることが理解される。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−118743(JP,A) 特開 平5−134346(JP,A) 特公 昭51−4105(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるメチン化合
    物の少なくとも1種を含むことを特徴とするハロゲン化
    銀写真感光材料。 一般式(I) 【化1】 式中、Zは5あるいは6員の複素環を形成するのに必要
    な非金属原子群を表わす。Xは5または6員の酸性核を
    形成するのに必要な非金属原子群を表わす。R2 は-(CH
    2)r -CONHSO2-R3 、-(CH2)s -SO2NHCO-R4 、-(CH2)t -C
    ONHCO-R5、または-(CH2)u -SO2NHSO2-R6を表わす。ここ
    でR3 、R4 、R5 、またはR6 はアルキル基、アルコ
    キシ基、またはアミノ基を表わし、r、s、t、または
    uは1から5までの整数を表わす。R1 はR2 と同義
    か、スルホ基またはカルボキシル基で置換されたアルキ
    ル基を表わす。pは0または1を表わす。L1 またはL
    2 はメチン基を表わし、nは0、1、2または3を表わ
    す。
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