JP3047266U - 生ごみ処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】撹拌器の羽体の形と取り付け方を、内部に同一
方向の渦を起さず左右の渦流方向を同一にしないように
し、撹拌ムラや玉状物が生じない生ごみ処理装置を提供
する。 【解決手段】槽内に横向きに軸装した回転撹拌軸（軸）
に羽体を取付けた撹拌器を内装した生ごみ処理装置にお
いて、撹拌器は長尺板体を縦向きにくの字状に折り曲げ
た形の羽体を複数個、軸に所定間隔で軸心方向と直交方
向に放射状に取付け、軸中央位置の羽体は２個の羽体を
山側で相接し谷側で軸の左右外側向となるよう逆向きに
取付け、軸中央部から左右両側にずれた位置の羽体は羽
体山側が軸の中央位置向きで谷側が左右にずれた軸の外
側向きに取付け、軸左右両端位置の羽体は山側が軸の中
央位置向きで谷側が左右にずれた軸外側向きで先端部を
処理槽の側壁に沿って近付け中間部を曲げて形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、生ごみ処理装置の内部に装備される撹拌器の改良に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、生ごみを微生物を利用して分解処理する生ごみ処理装置においては 、酸素を供給し、微生物の活性を均一化する等のため、切り返しをする必要があ る。このため、生ごみ処理装置には、生ごみ処理槽内に収納した生ごみを撹拌す る装置を備えている。しかるに、従来のスクリュウ式や撹拌翼式等の一般的撹拌 装置では、撹拌ムラが生じたり、玉状になったりすることが多く、生ごみの分解 処理効率を低下させる原因となっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案者は、生ごみ処理槽の内部に装備される撹拌装置について研究するうち 、生ごみ等の収納物は、水分を多く含み、粘性もあるうえ、その分解途中では汚 泥化するため、これを撹拌すると、生ごみ処理槽の左右両サイドに収納物が付 着してその部分の撹拌が出来なくなる、回転式に撹拌する場合は一定方向へ偏 った渦や移動が起こり易く、全体が均一な撹拌が難しい、といった技術的課題の あることが解った。そこで考案者は、この技術的課題を解決すべく羽体の形状を 工夫し、内部に同一方向の渦が起きずらくするとともに、渦流の方向が同一にな らないようにして、撹拌ムラが生じたり、玉状になったりすることがない生ごみ 処理装置を提供せんとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記のような目的を達するために、次のような手段を講じたものであ る。

【０００５】 登録を受けようとする考案は、生ごみ処理槽内に横向きに回転自在に軸装した 撹拌軸に、羽体を取り付けてなる撹拌器を内装してなる生ごみ処理装置において 、前記撹拌器は、長尺な板体を縦向きにくの字状に折り曲げた形状の羽体を複数 個、前記撹拌軸に所定の間隔で、その軸心方向と直交する方向に、且つ放射状に 取り付けてなり、前記羽体が撹拌軸の中央位置にあるものは、２個の羽体が近く にあって、その山側において相対し、その谷側が撹拌軸の左右外側向となるよう 、逆向きに取り付けてあり、前記羽体が、撹拌軸の中央部から左右両側にずれた 位置に取り付けてあるものは、当該羽体の山側が撹拌軸の中央位置向きで、その 谷側が左右にずれた方の撹拌軸の外側向きとなるように取り付けてあり、撹拌軸 の左右両端位置に固着した羽体は、当該羽体の山側が撹拌軸の中央位置向きで、 その谷側が左右にずれた方の撹拌軸の外側向きで、しかもその先端部が生ごみ処 理槽の側壁に沿って近付くようにその中間部が曲がって形成されたことを特徴と する生ごみ処理装置である。

【０００６】 前記撹拌軸の中央位置にある羽体は、２個の羽体が近くにあって、その山側に おいて相対し、その谷側が撹拌軸の左右外側向となるよう逆向きに取り付けたが 、これは、内部の生ゴミに同一方向の渦が起きないように、且つ渦流が左右に別 れるようにしたものである。

【０００７】 また、前記撹拌軸の中央部から左右両側にずれた位置に取り付けてある羽体は 、当該羽体の山側が撹拌軸の中央位置向きで、その谷側が左右にずれた方の撹拌 軸の外側向きとなるように取り付けてあるが、これは渦流を中央部より左右に別 れて撹拌軸の外側方向に向かうようにするためのものである。

【０００８】 更に、撹拌軸の左右両端位置に固着した羽体は、当該羽体の山側が撹拌軸の中 央位置向きで、その谷側が左右にずれた方の撹拌軸の外側向きで、しかもその先 端部が生ごみ処理槽の側壁に沿って近付くようにその中間部が曲がって形成され ている。これは、生ごみ処理槽の左右両サイド側壁に収納物（生ごみ等）が付着 してその部分の撹拌が出来なくなるのを防止することと、渦流によって移行して きた収納物（生ごみ等）が生ごみ処理槽の左右両サイド側壁に衝当してＵターン して中央方向に戻り循環するようにしたものである。これによって、更に一層の 撹拌が進むようにしたものである。

【０００９】 上記のように本考案は、羽体の形状構造により中央部での渦流の振り分け、左 右中間部での外側への流れ、左右両サイドでのＵターン、という渦流作用を撹拌 作用と同時に行うものである。これによって、同一方向でない渦が渦流となって 槽内を循環するようにすることにより、均一な撹拌を効率的に行えるようにした ものである。

【００１０】

【実施例】

次に本考案に係る実施例を図面に基づいて説明する。 図１は、本考案に係る生ごみ処理装置を示す縦断側面図であり、図２は、本考 案に係る生ごみ処理装置を示す平面図で、図３，図４，図５は、本考案を構成す る羽体を示す斜視図で、図６は、本考案を構成する撹拌器を示す斜視図ある。

【００１１】 本考案は係る生ごみ処理装置１は、図示したように生ごみ処理槽２内に横向き に回転自在の軸装された撹拌軸３と、当該撹拌軸３に複数個の羽体５ａ，５ｂ， ５ｃを取り付けてなる撹拌器４とから構成されている。当該撹拌器４は、図３に 示したように長尺な板体を縦向きにくの字状に折り曲げた形状となした羽体５ａ ，５ｂ，５ｃを、複数個、撹拌軸３の中央位置と、撹拌軸３の中央部から左右両 側にずれた位置と、撹拌軸３の左右両端位置とに、所定の間隔で、その軸心方向 と直交する方向に、且つ、放射状に取り付けてなるものである。図中６は、伝導 用プーリーで、図示しないモーターから撹拌軸３に動力を伝導して、撹拌軸３に 回転力を付与するためのものである。

【００１２】 次に、前記撹拌軸３の中央位置にある羽体５ａは、２個の羽体５ａ1 ，５ａ2 が３〜１０ｍｍという極小さな間隔をおいてをその山側において相対し、その谷 側が撹拌軸３の左右両外側向となるよう逆向きに固着されてある。これは、生ご み処理槽２内の中央部にある収納物（生ゴミ等）Ａに同一方向の渦が起きないよ うに、且つ渦流が左右に別れるようにしたものである。

【００１３】 また、前記撹拌軸３の中央部から左右両側に所定間隔づつずれた位置に取り付 けてある羽体５ｂ，５ｂ，は、それぞれ当該羽体５ｂの山側が撹拌軸３の中央位 置向きで、その谷側が左右にずれた方の撹拌軸３の外側向きとなる姿勢で固着さ れている。つまり、左側にづれた羽体５ｂと右側にづれた羽体５ｂとでは、逆向 きになっている。

【００１４】 更に、撹拌軸３の左右両端位置に固着した羽体５ｃ，５ｃは、当該羽体５ｃの 山側が撹拌軸３の中央位置向きで、その谷側が左右にずれた方の撹拌軸３の外側 向きで、しかもその先端部が生ごみ処理槽２の側壁２ａ，２ａに沿って近付くよ うにその中間部が外側に曲がって形成されている。

【００１５】 以下、具体的にどのように撹拌されるかを示すと、本考案に係る生ごみ処理装 置１は、生ごみ処理槽２内に、生ゴミと微生物と発酵補助材（収納物Ａ）を投入 した後、撹拌器４を作動して、収納物Ａを撹拌しながら空気を供給して発酵させ 、微生物が活性化して生ゴミを分解処理する。

【００１６】 この際、本考案に係る生ごみ処理装置１の撹拌器４を作動して、撹拌軸３と羽 体５ａ，５ｂ，５ｃを回転させることにより、収納物Ａを撹拌する。すると中央 位置にある羽体５ａが回転して、生ごみ処理槽２内の中央部にある収納物Ａに同 一方向の渦が起きるのを防ぎ、渦流を左右に別れるように移動させる。それを、 撹拌軸３の中央部から左右両側に所定間隔づつずれた位置に取り付けてある羽体 ５ｂ，５ｂが、収納物Ａに生じている渦流を更に中央部より左右に別れて撹拌軸 ３の外側方向に向かうようになる。その後、撹拌軸３の左右両端位置に固着した 羽体５ｃ，５ｃが、生ごみ処理槽２の左右両サイド側壁２ａ，２ａに収納物Ａが 付着しようとするのを防ぎ、渦流によって移行してきた収納物Ａを生ごみ処理槽 ２の左右両サイド側壁２ａ，２ａに衝当させたうえＵターンさせ、中央方向に戻 すようにすることができる。

【００１７】 このように実施例は、撹拌器４を回転作動すると、収納物Ａを中央部で渦流に よりを振り分け、左右中間部で外側へ移送し、左右両サイドでＵターンさせるこ とによって、同一方向でない渦が渦流となって槽内を循環し、収納物Ａの均一な 撹拌を効率的に行うことができるものである。

【００１８】

【考案の効果】

本考案は叙上のように、撹拌器を装備してなる生ごみ処理装置において、撹拌 器は、長尺な板体を縦向きにくの字状に折り曲げた形状となした羽体を複数個、 前記撹拌軸に放射状に取り付けてなり、そのうちの撹拌軸の中央位置にある羽体 は、２個の羽体がその山側において相対し、その谷側が撹拌軸の左右外側向とな るよう逆向きに取り付けたので、撹拌器の作動により、内部の収納物は同一方向 の渦が起きず、しかも渦流が左右に振り分けられる。

【００１９】 また、撹拌軸の中央部から左右両側にずれた位置の羽体は、当該羽体の山側が 撹拌軸の中央位置向きで、その谷側が左右にずれた方の撹拌軸の外側向きとなる ように取り付けたので、収納物の渦流は中央部より左右中間部で外側へ移行させ ることができる。

【００２０】 更に、撹拌軸の左右両端位置に固着した羽体は、当該羽体の山側が撹拌軸の中 央位置向きで、その谷側が左右にずれた方の撹拌軸の外側向きとなっているうえ 、その先端部が生ごみ処理槽の側壁に沿って近付くようにその中間部が曲がって 形成されているので、生ごみ処理槽の左右両サイド側壁に収納物が付着するのを 防止するとともに、渦流によって移行してきた収納物が生ごみ処理槽の左右両サ イド側壁からＵターンして中央方向に循環させることができる。

【００２１】 このように本考案に係る生ごみ処理装置は、撹拌器の回転作動により、収納物 をその中央部で方向の相違する渦をつくるとともに渦流を振り分け、左右中間部 で外側へ移行させ、左右両サイドでＵターンするようにしたので、当該収納物は 、同一方向でない渦が渦流となって槽内を循環し、均一な撹拌を行うことができ る。その結果、本考案に係る生ごみ処理装置は、生ゴミの微生物による分解堆肥 化処理を効率的に且つ迅速に行うことが出来るものとなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る生ごみ処理装置を示す縦断側面
図である。

【図２】 本考案に係る生ごみ処理装置を示す平面図で
ある。

【図３】 本考案を構成する羽体の基本形状を示す斜視
図である。

【図４】 本考案を構成する撹拌軸の中央位置にある羽
体を示す斜視図である。

【図５】 本考案を構成する撹拌軸の左右両端位置に固
着した羽体を示す斜視図である。

【図６】 本考案を構成する撹拌器を示す平面図であ
る。

【符号の説明】

１：生ごみ処理装置 ２：生ごみ処理槽 ２：サイド側壁 ３：撹拌軸 ４：撹拌器 ５ａ：撹拌軸の中央位置の羽体 ５ｂ：撹拌軸の中央部から左右両側にずれた位置の羽体 ５ｃ：撹拌軸３の左右両端位置の撹拌軸の羽体 ６：伝導用プーリー Ａ：収納物

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 生ごみ処理槽内に横向きに回転自在に軸
   装した撹拌軸に羽体を取り付けてなる撹拌器を内装して
   なる生ごみ処理装置において、前記撹拌器は、長尺な板
   体を縦向きにくの字状に折り曲げた形状の羽体を複数
   個、前記撹拌軸に所定の間隔で、その軸心方向と直交す
   る方向に、且つ放射状に取り付けてなり、前記羽体が撹
   拌軸の中央位置にあるものは、２個の羽体が近くにあっ
   て、その山側において相対し、その谷側が撹拌軸の左右
   外側向となるよう、逆向きに取り付けてあり、前記羽体
   が、撹拌軸の中央部から左右両側にずれた位置に取り付
   けてあるものは、当該羽体の山側が撹拌軸の中央位置向
   きで、その谷側が左右にずれた方の撹拌軸の外側向きと
   なるように取り付けてあり、撹拌軸の左右両端位置に固
   着した羽体は、当該羽体の山側が撹拌軸の中央位置向き
   で、その谷側が左右にずれた方の撹拌軸の外側向きで、
   しかもその先端部が生ごみ処理槽の側壁に沿って近付く
   ようにその中間部が曲がって形成されたことを特徴とす
   る生ごみ処理装置。
2. 【請求項２】