JP3031120U - 脱水汚泥及びゴミ処理機用攪拌翼 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微生物学的脱水汚泥及びゴミ処理攪拌槽にお
いて効率的な処理を可能とする攪拌翼を提供する。 【解決手段】 微生物学的処理を行なう攪拌処理槽を備
えた脱水汚泥及びゴミ処理機において、攪拌処理槽内に
設けた回転水平軸１に、間隔置きにフランジ型ホルダ−
２を固設し、該フランジ型ホルダ−２の一方向側には、
板面３ｃを軸方向に向け、且つ回転方向の辺縁３ｄを刃
部４に形成した刃型翼３を、対向側には、板面９ａをス
パイラルに形成した推進翼９を装着して成る。そして前
記刃型翼３の先端部３ａには前記回転水平軸１と平行状
態に両端に止め部材７を固着した攪拌棒５の中央部５ａ
を固着し、該攪拌棒５の間隔置きに前記刃型翼３の回転
方向側に傾斜突出させて掻寄せ板８を固着し、該掻寄せ
板８間にリング６を前記攪拌棒５に対し遊転、所定範囲
の横方向移動、傾動を許容して遊嵌させて構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、微生物学的脱水汚泥及びゴミ処理攪拌槽において使用する攪拌翼の 技術に属する。

【０００２】

【従来の技術】

これまで、各種の脱水汚泥及びゴミ処理機が提供されていて、その処理攪拌槽 には各種の機械的な攪拌手段が設けられ、その攪拌手段として攪拌棒型と攪拌羽 根型とが通常用いられている。 それら攪拌する回転速度は通常毎分数回転程度と大変遅く設定されている。こ のことは同じ構造のものであっても高速回転をさせた場合とは全く異なった作用 及び効果をもたらすこととなる。

【０００３】 即ち、前記攪拌棒型においては、回転軸を回転させと攪拌棒の軌道に掛る部分 のゴミを掻き分けるように進むことになり、小部分的な攪拌はできても槽内のゴ ミを反転攪拌することはできない。また攪拌棒を板状のものにしても攪拌作用は 多少向上することもあるが攪拌棒のものと原理的には同じなので全体を混じり合 わせようとしても効果は不充分なものであった。

【０００４】 また、前記攪拌羽根型においては、回転に沿って側方にゴミ等を移動させるも ので羽根に掛った塊りとして側方へ押し出すようになるので混じり合わせる点に おいては効果はあまり期待できない。 攪拌の目的は、ゴミの内部に発生するガスを排出して新鮮な空気（酸素）を供 給することにある。そのためにはできるたけゴミの塊りを崩し、ゴミ内部に細か い空隙を多く形成できるように処理し、そしてその空隙を潰したり発生させたり させることが必要である。その点でこれまでの攪拌装置では対応不十分であった 。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記実情に鑑みてなされたもので、微生物学的脱水汚泥及びゴミ処理 攪拌槽において全体がむらなく混じり合い、効率的な脱水汚泥及びゴミ処理を可 能とする攪拌翼を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案は、微生物学的処理を行なう攪拌処理槽を 備えた脱水汚泥及びゴミ処理機において、攪拌処理槽内に設けた回転水平軸１に 、間隔置きにフランジ型ホルダ−２を固設し、該フランジ型ホルダ−２の一方向 側には、板面３ｃを軸方向に向け、且つ回転方向の辺縁３ｄを刃部４に形成した 刃型翼３を、対向側には、板面９ａをスパイラルに形成した推進翼９を装着して 成る。

【０００７】 そして前記刃型翼３の先端部３ａには前記回転水平軸１と平行状態に両端に止 め部材７を固着した攪拌棒５の中央部５ａを固着し、該攪拌棒５の間隔置きに前 記刃型翼３の回転方向側に傾斜突出させて掻寄せ板８を固着し、該掻寄せ板８間 にリング６を前記攪拌棒５に対し遊転、所定範囲の横方向移動、傾動を許容して 遊嵌させて構成する脱水汚泥及びゴミ処理機用攪拌翼である。

【０００８】 また、前記推進翼９の回転方向に向けて先鋭部９ｂを設けたものである。 さらにまた、前記推進翼９の回転方向辺縁９ｃに刃部１０を形成したものであ る。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態を以下図で説明する。 本考案は、図３に示すように、脱水汚泥やゴミを入れる攪拌処理槽Ｓを備え、 その攪拌処理槽Ｓ内をモ−タ−によって攪拌翼を回転させて微生物学的処理を行 なう脱水汚泥及びゴミ処理機Ｇに用いる。 そしてその攪拌翼は、前記攪拌処理槽Ｓ内に設けた角型の回転水平軸１に、図 １及び図２に示すように、間隔置きにフランジ型ホルダ−２を固設し、該フラン ジ型ホルダ−２の一方向側には、板面３ｃを軸方向に向け、且つ回転方向の辺縁 ３ｄを刃部４に形成した刃型翼３を遠心方向に向けてその基端部３ｂをボルト１ １で固定する。 そして、前記刃型翼３の対向側には、板面９ａを各個を同方向にスクリュウ− 羽根型の湾曲スパイラルに形成した推進翼９を遠心方向に向けて基端部９ｄをボ ルト１１で固定する。

【００１０】 そして前記刃型翼３の先端部３ａには、前記回転水平軸１と平行状態に攪拌棒 ５の中央部５ａを固着する。 この攪拌棒５の両端部５ｂに止め部材７を固着すると共に中間部５ｃに間隔置 きに前記刃型翼３の回転方向側に傾斜突出させて板面を攪拌棒５に当てて先辺８ ａに刃部を形成した掻寄せ板８をボルト１２（又は溶接）で固着する。 前記推進翼９には、図２に示すように、回転方向に向けて先鋭部９ｂを形成し 、また前記推進翼９の回転方向辺縁９ｃに刃部１０を形成する。 そして、その掻寄せ板８間にリング６を前記攪拌棒５に対し遊転、所定範囲の 横方向移動、傾動を許容して遊嵌させる。 前記掻寄せ板８は、長い板をリング６を跨ぐように間欠的に切欠して攪拌棒５ に添わせて固着した一枚板の形態（図１に示す形態）と、リング６間に各個を独 立固着した形態（図略）が可能である。

【００１１】

【考案の作用並びに効果】

本考案は上記構成であり、前記回転水平軸１の回転によって刃型翼３の刃部４ で脱水汚泥及びゴミの固まり切断される。そして攪拌棒５に装着したリング６の 遊転、所定範囲の横方向移動及び傾動の複合により脱水汚泥及びゴミを不規則に 掻き分けて塊りを小さく分離する。そして、掻寄せ板８でゴミ全体を抱え込むよ うに槽の中央部に寄せる（この時に空気が取り込まれる）。 そして、掻き分られて槽の中央部に寄せられた脱水汚泥及びゴミを対向側に設 けた推進翼９でさらに側方向に移動させつつ押圧することで脱水汚泥及びゴミを 圧縮して空隙を潰す（この時に空気が押し出される）。

【００１２】 そして、回転水平軸１が回転すると間隔置きに設けられた推進翼９が刃型翼３ の軌跡を追いかけて攪拌された脱水汚泥及びゴミはさらに次々に側方向に押し出 されて次々に隣の推進翼９と刃型翼３側に送られて、脱水汚泥及びゴミ内部の空 気を揉むようにして呼吸させる。 そして、最後に行場を失った脱水汚泥及びゴミは槽壁に当って戻されその過程 で空気に晒されることになる。 その際に、推進翼９の板面９ａを湾曲面にし、先鋭部９ｂを突出させ、また推 進翼の回転方向辺縁９ｃに刃部１０が形成されていると推進翼９に脱水汚泥及び ゴミが抱き込まれやすくなり、また恙なく脱水汚泥及びゴミが流れる。

【００１３】 以上のように、これまで空気の供給が難しかった低速回転の攪拌においても、 槽内の脱水汚泥及びゴミの隅々まで槽内全体を掻き回すようにして効率良くガス の排出と空気の供給が可能となり、この結果酸素を充分に得られた好気性の微生 物が活発に脱水汚泥及びゴミを分解し、これまでよりも格段に脱水汚泥及びゴミ 処理能力の向上が可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の斜視図。

【図２】本考案の縦断側面図。

【図３】本考案の使用状態を示す透視斜視図。

【符号の説明】 Ｓ 微生物学的処理を行なう攪拌処理槽 Ｇ 脱水汚泥及びゴミ処理機 Ｍ モ−タ− １ 回転水平軸 ２ フランジ型ホルダ− ３ 刃型翼 ３ａ 刃型翼の先端部 ３ｂ 刃型翼の基端部 ３ｃ 刃型翼の板面 ３ｄ 回転方向の辺縁 ４ 刃部 ５ 攪拌棒 ５ａ 攪拌棒の中央部 ５ｂ 攪拌棒の両端部 ５ｃ 攪拌棒の中間部 ６ リング ７ 止め部材 ８ 掻寄せ板 ８ａ 掻寄せ板の刃 ９ 推進翼 ９ａ 推進翼の板面 ９ｂ 推進翼の先鋭部 ９ｃ 推進翼の回転方向辺縁 ９ｄ 推進翼の基端部 １０ 推進翼の刃部 １１ 刃型翼及び推進翼の固定ボルト １２ 掻寄せ板の固定ボルト

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 微生物学的処理を行なう攪拌処理槽を備
   えたゴミ処理機において、攪拌処理槽内に設けた回転水
   平軸（１）に、間隔置きにフランジ型ホルダ−（２）を
   固設し、該フランジ型ホルダ−（２）の一方向側には、
   板面（３ｃ）を軸方向に向け、且つ回転方向の辺縁（３
   ｄ）を刃部（４）に形成した刃型翼（３）を、対向側に
   は、板面（９ａ）をスパイラルに形成した推進翼（９）
   を装着して成り、前記刃型翼（３）の先端部（３ａ）に
   は前記回転水平軸（１）と平行状態に両端に止め部材
   （７）固着した攪拌棒（５）の中央部（５ａ）を固着
   し、該攪拌棒（５）の間隔置きに前記刃型翼（３）の回
   転方向側に傾斜突出させて掻寄せ板（８）を固着し、該
   掻寄せ板（８）間にリング（６）を前記攪拌棒（５）に
   対し遊転、所定範囲の横方向移動、傾動を許容して遊嵌
   させて成る脱水汚泥及びゴミ処理機用攪拌翼。
2. 【請求項２】 推進翼（９）が、回転方向に向けて先鋭
   部（９ｂ）を有して成る請求項１の脱水汚泥及びゴミ処
   理機用攪拌翼。
3. 【請求項３】 推進翼（９）の回転方向辺縁（９ｃ）に
   刃部（１０）を形成して成る請求項１又は２の脱水汚泥
   及びゴミ処理機用攪拌翼。