JP3046986U - 伸縮かつ屈曲自在な人形 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来、人形を折り曲げ自在にする場合は、い
ずれも手足等を屈曲したり、あるいは伸縮したりするこ
とができたが、これらの二つの機能を満たし、手足等の
屈曲と伸縮を自由にできるものである。 【構成】 人形の身体の部分の少なくとも一部に蛇腹状
部分を備え、しかも蛇腹状部分の折り曲げ山部から−方
の折り曲げ谷部までの長さと、他方の折り曲げ谷部まで
の長さとが相異なるもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、伸縮かつ屈曲自在な人形に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、人形を折り曲げ自在にする場合は、いずれも手足等を屈曲したり、ある いは伸縮したりすることができたが、これらの二つの機能を満たし、手足等の屈 曲と伸縮を自由にできるものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、伸縮且つ屈曲自在な人形やおもちゃの身体の一部を蛇腹状に構成し この蛇腹状部分によって伸び縮み、又は屈曲することのできる人形に関するもの である。

【０００４】 伝統的な織物や和紙を衣装とした人形は、室内装飾品として独特の衣装的美観を もっております、又一般に手足等を動かすことのできる人形はぬいぐるみなどの ように折り曲げ自在可塑性材料、例えば身体の一部にバネや針金を組み込んだも の等があり、いずれも手足等を屈曲したり、あるいは伸縮したりすることができ る。しかしながら、これらのおもちゃは、屈曲又は伸縮のいずれかが可能になる にすぎず、屈曲も伸縮も完全に可能なものはなかった。例えば、身体の一部に針 金を埋没した人形は、その部分を屈曲することはできるが、のばしたり、縮めた りすることはできない。 また、バネをはめこんだものは伸縮も屈曲も可能であるが、屈曲させ又は縮めあ るいは伸ばしてもその状態にとどめるできない。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の欠点の解決を目的とし、特に身体の一部を任意の角度又は長さ に屈曲し、又は伸縮することができる人形やおもちゃを提案する。

【０００６】

【作用】

本考案は身体の部分の少なくとも一部に蛇腹状部分を備え、しかも上記蛇腹状 部分の折り曲げ山部から一方の折り曲げ谷部までの長さと、他方の折り曲げ谷部 までの長さとが相異なることを特徴とする。

【０００７】

【実施例】

図面によって本考案の実施態様について説明すると、第１図は本考案に係わる 人形の断面図、第２図は通常の蛇腹の説明図であり、第３図（ａ）は第１図の人 形に用いた蛇腹状部分の伸縮、屈曲態様の説明図である。 なお、人形の各部分は、通常は合成樹脂から形成することができる。本考案に おいて、首部２、腕部３、脚部４の一部又は全部を中空の蛇腹状に構成し、この 蛇腹状部分６を折り曲げ、又は伸縮することによって、人形１の形状の変化を楽 しむことができる。

【０００８】 なお、蛇腹状部分の取りつけ位置は第１図に限定されず、例えば、胴体部５を 蛇腹状に構成することができる。このように人形１は、首、脚部等に蛇腹状部分 ６を備えるが、本考案において、この蛇腹状部分６は通常の蛇腹とは次の点にお いて異なる。

【０００９】 すなわち、通常の蛇腹は、第２図に示すように、中空体７の胴部面７ａを交互 に折り曲げて中空体７を伸縮させるもので、このとき折り曲げ山部８と折り曲げ 谷部９、９との間の胴部面７ａは、同図のように平面状の場合もあり、又、局面 状の場合もあるが、いずれの場合も折り曲げ山部８から一方の折り曲げ谷部９ま での長さａと、この折り曲げ山部８から他方の折り曲げ谷部９までの長さｂとが 等しい。これに対し本考案の首部２等の蛇腹状部分６は第３図（ａ）に示すよう に、折り曲げ山部８から一方の折り曲げ谷部９までの長さと、他方の折り曲げ谷 部９までの長さが異なる。従って、通常の蛇腹は、その腹部を例えば、やや硬質 の合成樹脂から構成すると、蛇腹の両端部から押圧したとき、一時的に縮んで長 さは短くなるが、押圧を解除するとすぐ元にもどってしまう。

【００１０】 しかしながら、本考案の人形の蛇腹状部分６は同一の素材から構成すると、両端 から押圧した場合、蛇腹状部分６の長さは縮まるが、この押圧を解除しても蛇腹 状部分６はその位置にとどまり、元に戻らない。この理由を第３図（ａ）によっ て説明する。同図（ｂ）は蛇腹状部分６の単位部材６が通常の状態にある場合を 示す。 この単位部材６′を両端から押圧すると、折り曲げ部８、９、９′の径 は変わらないから、通常は折り曲げ山部８と折り曲げ谷部９との間の側部面１０ がまず同図（ｂ）のように湾曲して曲がる。この時点で押圧を解除すると側部面 １０は同図（ａ）の状態に戻ってしまう。しかし、さらに押圧しつづけ、折り曲 げ谷部９が折り曲げ山部８の反対側にはいってしまうと、湾曲した腹部側面１０ は伸びて元に戻り、それと同時に折り曲げ谷部９は、元の位置と折り曲げ山部８ に対して、対称の位置まで移動する。 このように、折り曲げ谷部９が折り曲げ山部８の反対側にはいってしまうと、押 圧を解除しても折り曲げ谷部９は、もはや元の位置には戻らない。 これに対し 通常の蛇腹の場合に、折り曲げ部に関して隣り合う側面の長さが等しく、隣り合 う谷部はその間の山部に関して対称の位置にあるので、折り曲げ谷部が折り曲げ 山部の反対側に入ることができないため、押圧を解除すると、素材自体の復元力 にしたがって元の位置に戻ってしまうのである。

【００１１】 なお、上述のように縮んだ単位部材６を再び元の位置に戻すには、折り曲げ山 部８の内側の折り曲げ谷部９を引き出せばよい。 また、上記には単位部材６が 伸縮する場合だけについて説明したが、同様にして蛇腹状部分６の一部あるいは 全体を自由に伸縮することができる。 同様に、蛇腹状部分６を上述のように構 成すると、蛇腹状部分６を屈曲したときも、通常の蛇腹とは異なり、元の状態に 復元せず、折り曲げ状態が維持する。すなわち、第３図（ｂ）において、単位部 材６′の折り曲げ部の一側にのみ長手方向に力を加えると、第３図（ａ）と同様 に力を加えた側の折り曲げ谷部９は折り曲げ山部８の内側にはいってしまうのに 対し、力を加えない側はそのままであるから蛇腹状部分６は全体として屈曲し、 しかも、逆方向の力を加えない限り、折り曲げ谷部９は元のように折り曲げ山部 ８の外側に出ないから、屈曲状態は保持できる。換言すれば、このような屈曲状 態は第３図（ａ）において、一側を伸ばすと共に他側を縮めた状態である。

【００１２】

【考案の効果】

以上のように、本考案の蛇腹状部分は伸縮及び屈曲が可能で、しかも、この伸 縮、屈曲によって首部２、脚部４等を適当な長さ及び角度に調整し、その状態を 保持することができる。 以上詳しく説明したように、本考案によれば上述の蛇腹状部分を有する首部、腕 部、脚部等を屈曲することもできれば、伸ばしたり縮めたりすることもできる。 従って、従来の人形おもちゃと異なり、変化に富んだ形状を作り出して楽しむこ とができるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る人形の断面図である。

【図２】通常の蛇腹の説明図である。

【図３】（ａ）、（ｂ）は図１の人形に用いた蛇腹状部
分の伸縮、屈曲態様の説明図である。

【符号の説明】

１ 人形 ２ 首部 ３ 腕部 ４ 脚部 ５ 胴体部 ６ 蛇腹状部分 ６′ 単位部材 ７ 中空体 ７ａ 胴部面 ８ 折り曲げ山部 ９ 折り曲げ谷部 ９′ 折り曲げ谷部 １０ 側部面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 人形の身体の部分の少なくとも一部に折
   曲部分を設け、しかも折曲部分に蛇腹状部分の折り曲げ
   山部から一方の折り曲げ谷部までの長さの相異なること
   を特徴とする伸縮かつ屈曲自在な人形