JP3046952U - 竹炭粒封入畳床 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インシュレーションボード及び発泡樹脂層使
用の畳床において、畳床の吸湿性、吸臭性を向上させ
る。 【解決手段】 下層側よりインシュレーションボード
２、発泡樹脂層３、インシュレーションボード５、６の
順に順次配層形成してなる畳床において、発泡樹脂層３
と、その上のインシュレーションボード５との間に外周
辺を残し略前面に平均粒径が２〜４ｍｍの竹炭粒４を一
畳あたり１ｋｇ〜２ｋｇ程度敷設介装し、その外周辺を
圧縮により押圧抑止せしめると共に、最下層に裏面シー
ト１、最上層に保護シート７を夫々配層せしめた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はインシュレーションボードと発泡樹脂層を主材とする畳床で、特に竹 炭粒を封入し、吸湿、吸臭性に改善を加えた畳床に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

畳床は従来、主材として稲わらを使用し、作成することが一般に行われていた が、近年、稲わらに代わり、インシュレーションボードやポリスチレンフォーム などを使用した畳床が多く作られるようになって来た。しかし、インシュレーシ ョンボードやポリスチレンフォームなどを用いた畳床は軽量で、取扱いが便利で ある反面、稲わら使用のものに比し吸湿性が充分でないため、近時、その吸湿性 を補完すべく、竹炭の併用が試みられ、下層側よりインシュレーションボード、 ポリスチレンフォーム、インシュレーションボードを順次、積層した畳床の上面 に竹炭を混入又は付着した織布、不織布を配層したものや、ポリスチレンフォー ム層内部に竹炭粒を封入した畳床などが一部、提案されている。

【０００３】 ところが、上記竹炭を使用した畳床は、何れも竹炭の使用量は精々、５００ｇ 位までと少なく、吸湿効果に今一つであり、しかも竹炭を織布、不織布に混入又 は付着させるため熟練した技術を要するなどの問題があった。

【０００４】 そこで、本考案者は従来の稲わら使用の長所を活かしつつ畳床の吸湿性、吸臭 性を高めるべく、下層側より稲わら層、発泡樹脂板、インシュレーションボード 、稲わら層を、その順序で順次配層し、インシュレーションボードと、その上部 の稲わら層との間に外周辺を残し略全面に竹炭粒を敷設介装した竹炭粒封入畳床 を提案した。（実用新案登録第３０４１２００号）

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記提案に係る竹炭粒封入畳床を更に発展させ、インシュレーション ボードとポリスチレンフォームを使用した畳床においても同様な効果を奏するこ とを課題とし、その配層順、ならびに竹炭粒封入の態様を見出すことにより、稲 わらの使用に変えてインシュレーションボードや発泡樹脂層を配した場合でも竹 炭粒封入の効果を発揮し、吸湿性、吸臭性能の向上を達成せしめることを目的と するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

即ち、上記目的に適合する本考案の特徴は、下層側よりインシュレーションボ ード、発泡樹脂層、インシュレーションボードの順に順次配層形成してなる畳床 において、発泡樹脂層と、その上のインシュレーションボードとの間に外周辺を 残し略全面に平均粒径が２〜４ｍｍの竹炭粒を一畳あたり１ｋｇ〜２ｋｇ程度敷 設介装し、その外周辺を圧縮により押圧抑止せしめると共に、最下層に裏面シー ト、最上層に保護シートを夫々配層せしめたことを特徴とする。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下、更に本考案畳床の具体的な実施の形態を詳述する。

【０００８】 図１は本考案畳床の１例を示し、図において、２はパルプ材の如きインシュレ ーションボード、３はポリスチレンフォーム等よりなる発泡樹脂層、５、６は前 記２と同じくパルプ材の如くインシュレーションボードであり、本考案畳床はそ の基本的構成として下層側より下部のインシュレーションボード２、発泡樹脂層 ３、インシュレーションボード５、６の順に順次積層形成された構成よりなって おり、特に特徴として発泡樹脂層３と、上部のインシュレーションボード５との 間に要部をなす竹炭粒４が敷設挿入されていると共に、最下層にネーム入りクロ スの如き裏面シート、最上面にクッション性フェルト状不織布の如き保護シート が夫々配層されている。

【０００９】 なお、図では竹炭粒上部のインシュレーションボード５、６は２層となってい るが、畳床の厚さに応じて１層であってもよく、また２層の場合、各層の厚みは 夫々要求に応じて選定され、必ずしも同厚である必要はなく、適切な厚みを使用 すればよい。

【００１０】 また、最上層の保護シートと最下層の裏面シートは夫々、その役割を果たすに 充分であればこれに適合したシートの使用が可能である。この場合、裏面シート には製造者のブランド名などを適宜入れておくことが好ましい。

【００１１】 一方、上記畳床内に封入敷設される竹炭粒４は、竹を材料として既知の方法に より炭化せしめたものであり、粒体としては平均粒径が２〜４ｍｍ位、好ましく は３ｍｍ前後で、発泡樹脂層３と上部のインシュレーションボード５との間に周 辺部を通常１．５〜２ｃｍ程度残して全面にわたり平均的に分散敷設配置されて いる。 そして、この場合、竹炭粒外周の残された部分は積層時、又は積層後、上面よ りローラ等により圧縮することによって上面のインシュレーションボード５の周 縁部を押し下げ、周辺の隙間をなくして内部の竹炭粒４の周辺からの脱落を阻止 するようになっている。

【００１２】 また、上記において使用される竹炭粒の量は従前の５００ｇ前後に比し遙かに 多く、一般的に一畳あたり１ｋｇ以上、通常１．５〜２ｋｇ位使用することが好 ましく、余り少なすぎては全面にわたり効果的に配置することが困難となり、効 果に乏しくなる。 また、粒径は前述の如く３ｍｍ前後が好適であるが、一部に細径のものが混入 してもよく、２〜４ｍｍ粒径のものが平均主要部分をなしておればよい。

【００１３】 なお、畳床全体の厚さとしては、従来の畳床厚と大差はなく、同程度に仕上げ ることが良策である。 例えば、通常、作成される畳床についてみれば、下部のインシュレーションボ ード２は、通常、略１０ｍｍ、発泡樹脂層３は略２０ｍｍ、上部のインシュレー ションボード５、６は夫々略１０ｍｍで、竹炭層は竹炭の量、粒径によるが圧縮 を受け略２〜３ｍｍ、上下のシートは略１〜２ｍｍ程度である。

【００１４】 上部のインシュレーションボード層が１層の場合には１０〜１５ｍｍの厚みの ものも使用される。しかし、上記は１例であり、これに拘束されないことは勿論 である。 以上のように構成された本考案畳床は上面の保護シート上に通常の如くい草か らなる畳表が被着されて畳として仕上げられる。

【００１５】 かくして得られた本考案畳床を使用した畳は、吸湿性、吸臭性にすぐれており 、ダニ、カビ等に対しても有効である。 因に、本考案畳床を使用した畳はインシュレーションボード主体の畳であって も吸湿性、吸臭性に効果的であり、なかでも吸湿性に関しては頗る良好であった 。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は以上のようにインシュレーションボードと発泡樹脂層を使用した畳床 におはいて、中間層をなすインシュレーションボードと発泡樹脂層との間に所要 粒径の竹炭粒を外周に一部を残し、略全面にわたって１ｋｇ以上の所要量を敷設 配置せしめると共に、上面に保護シート、底面に裏面シートを配層せしめたもの であり、竹炭のもつ特性により畳床の吸湿性、吸臭性を大幅に向上せしめると共 に、インシュレーションボード主体の畳床において発泡樹脂層と竹炭粒及びイン シュレーションボードの配層により竹炭粒の特性を有効に保有せしめて、実用性 能をもつ畳床を提供することができる。

【００１７】 しかも、本考案畳床においては上面に保護シートを配層している関係上、上部 よりの押圧を保護せしめ、また、底面側ではシートによりクッション性を保有せ しめる利点を有している外、竹炭粒の存在しない外周部分は圧縮により隙間がな くなり、竹炭粒の脱落を阻止することができる有利さがある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る畳床の１例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 裏面シート ２、５、６ インシュレーションボード ３ 発泡樹脂層 ４ 竹炭粒 ７ 保護シート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下層側よりインシュレーションボード、
   発泡樹脂層、インシュレーションボードの順に順次配層
   形成してなる畳床において、発泡樹脂層と、その上のイ
   ンシュレーションボードとの間に外周辺を残し略前面に
   平均粒径が２〜４ｍｍの竹炭粒を一畳あたり１ｋｇ〜２
   ｋｇ程度敷設介装し、その外周辺を圧縮により押圧抑止
   せしめると共に、最下層に裏面シート、最上層に保護シ
   ートを夫々配層せしめたことを特徴とする竹炭粒封入畳
   床。