JP3046269B2 - ホットキャリア劣化推定方法 - Google Patents

ホットキャリア劣化推定方法

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JP3046269B2
JP3046269B2 JP9301654A JP30165497A JP3046269B2 JP 3046269 B2 JP3046269 B2 JP 3046269B2 JP 9301654 A JP9301654 A JP 9301654A JP 30165497 A JP30165497 A JP 30165497A JP 3046269 B2 JP3046269 B2 JP 3046269B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルレベルで設計
されたLSIをタイミング検証する技術に関するもので
あり、特に、ホットキャリアの影響による信頼性の劣化
を推定すべく、劣化後の遅延を計算する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】LSIの設計・製造において、半導体プ
ロセス技術の進歩により、ディープサブミクロンと呼ば
れる0.5μm未満のデザインルールによる素子の微細
化が達成されている。近年では、システム・オン・シリ
コン時代と呼ばれるように、1チップにシステム全体が
搭載可能なほど高集積化されたLSIチップが開発され
はじめている。
【0003】一方、素子の微細化はLSIの動作の信頼
性の面で問題となることがあり、最小加工寸法がサブミ
クロンオーダーになってからは、LSIチップの設計の
際には、半導体の物理的現象までも考慮しなければなら
ないようになっている。中でも、ホットキャリア効果に
よる信頼性の劣化は最も大きな問題の1つである。
【0004】以下、ホットキャリア劣化について簡単に
説明する。MOSFETのチャネル中の電界Eは、単純
には、 E=Vds/Leff で表される。ここで、Vdsはドレイン・ソース間電圧、
Leff は実効チャネル長である。実際にはチャネル中の
電界Eはドレイン近傍の空乏層領域に集中するので、そ
の最大値は上式で求められる値よりもかなり高くなる。
【0005】MOSFETの微細化によって実効チャネ
ル長Leff が小さくなったとき、上式から明らかなよう
に、実効チャネル長Leff に比例してドレイン・ソース
間電圧Vdsも小さくなれば、電界Eは増加しない。とこ
ろが現実にはこのような条件は満たされておらず、微細
化の進展とともにチャネル電界Eは増大する。
【0006】素子が微細化されたとき、電源電圧が変わ
らなければ、チャネル長とホットエレクトロン臨界電界
との積がトランジスタの動作電圧に近づく。このため、
電子は十分なエネルギーを与えられ、境界のエネルギー
バリアを越えてゲート酸化膜中に侵入することがある。
侵入した電子はトラップされて蓄積し、やがてスレッシ
ョルド電圧Vthの上昇を引き起こす。トランジスタの電
流は(Vgs−Vth)2に比例する(Vgsはゲート・ソー
ス間電圧)ので、スレッショルド電圧Vthの上昇によっ
て、相互コンダクダンスおよび電流のドライブ能力が劣
化する。
【0007】このようなホットエレクトロンによるスレ
ッショルド電圧Vthの劣化は年月の経過とともに生じ
る。すなわち、トランジスタが動作する累積時間が多く
なればなるほど劣化は進み、動作速度が鈍る。
【0008】劣化を遅らせるにはチャネル中の電界Eを
下げるべく電源電圧を下げればよいが、微細化によって
実効チャネル長Leff が小さくなるので、電源電圧を下
げてもチャネル電界Eが下がるかどうかは一概にはわか
らない。また、トランジスタを流れる電流量を下げると
劣化を遅らせることはできるが、この場合にはトランジ
スタのドライブ能力が下がるので好ましくない(Addiso
n-Wesley PublishingCompany, Inc."Circuits, Interco
nnections, and Packaging for VLSI,"(「VLSIシ
ステム設計−回路と実装の基礎−」丸善株式会社出版)
参照)。
【0009】従来、このようなホットキャリア効果によ
る信頼性劣化の推定はトランジスタレベルで行われてい
た。例えば、回路シミュレータにホットキャリア劣化モ
デルを組み込み、劣化トランジスタを判定する方法(特
開平1−94484号公報参照)や、劣化率式中の指数
のストレス依存性を求め、ACストレス下でのホットキ
ャリア劣化をシミュレーションする方法(特開平7−9
9302号公報参照)等がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来、LSIの経年変
化に対する信頼性を保証するために、トランジスタ単体
で行ったホットキャリア劣化の推定結果を基にして、タ
イミング検証を行っていた。この場合、LSIの信頼性
を確実に保証するために、通常は、トランジスタの動作
回数として、予想される最も多い回数を想定していた。
【0011】ところが実際には、前述したように、信頼
性劣化の程度はトランジスタののべ動作時間によって異
なり、また、LSIを構成するトランジスタが全て同じ
時間だけ動作するとは考えられない。すなわち従来の方
法では、信頼性保証が過度になりがちである。
【0012】また、いわば最悪の状態を想定して信頼性
保証をするので、微細化寸法および電源電圧がすでに設
定されている場合には、結果として、トランジスタを流
れる電流量の引き下げが必要になることが多い。電流量
の引き下げを実現するには、ゲート酸化膜を厚くしてト
ランジスタのドライブ能力を下げることが多いが、とこ
ろがこの場合にはLSIの動作速度は遅くなるので、こ
の結果、高速なLSIチップを作ることができなくな
る。
【0013】したがって、LSIのホットキャリア劣化
をその実際の動作に即して推定する方法が要求される。
【0014】前記の問題に鑑み、本発明は、ホットキャ
リアの影響によるLSIの信頼性の劣化を、その実際の
動作に即して推定するホットキャリア劣化推定方法を提
供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め、請求項1の発明が講じた手段は、セルレベルで設計
されたLSIをタイミング検証する際に、ホットキャリ
アの影響による信頼性の劣化を推定するホットキャリア
劣化推定方法として、対象とするLSIについての各セ
ルの特性情報、セルおよびセル間配線の接続情報、並び
にセル間配線の抵抗値および容量値などの特性情報を含
む回路情報と、セルの遅延を計算するための遅延パラメ
ータを格納した遅延ライブラリとを基にして、前記LS
Iの各セルについて、遅延、入力端子における信号波形
傾き、および出力端子に接続された負荷容量を計算する
遅延計算ステップと、ホットキャリアの影響によるセル
の遅延の変化をセル動作回数に伴う遅延パラメータの変
化によって表した遅延劣化パラメータと、前記遅延ライ
ブラリとを基に、前記LSIが所定期間動作したときの
各セルの推定動作回数と、前記遅延計算ステップにおい
て計算した各セルの入力波形傾きおよび出力負荷容量と
を用いて、前記LSIが前記所定期間動作した後の各セ
ルの遅延パラメータを求め、この遅延パラメータを格納
した遅延劣化ライブラリを生成する遅延劣化ライブラリ
生成ステップとを備え、前記遅延計算ステップおよび遅
延劣化ライブラリ生成ステップを所定回数繰り返し実行
し、繰り返しの2回目以降では、前回実行した遅延劣化
ライブラリ生成ステップにおいて生成した遅延劣化ライ
ブラリを遅延ライブラリの代わりに用いて、前記遅延計
算ステップおよび遅延劣化ライブラリ生成ステップを実
行するものであり、最後に実行した遅延計算ステップに
おいて計算した各セルの遅延を基にして、前記LSI
の、ホットキャリアの影響による信頼性の劣化を推定す
るものである。
【0016】請求項1の発明によると、遅延計算ステッ
プにおいて、対象とするLSIの各セルについて、回路
情報と遅延パラメータを格納した遅延ライブラリとを基
にして、遅延、入力波形傾きおよび出力負荷容量を計算
する。また、遅延劣化ライブラリ生成ステップにおい
て、ホットキャリアの影響によるセルの遅延の変化をセ
ル動作回数に伴う遅延パラメータの変化によって表した
遅延劣化パラメータと、前記遅延ライブラリとを基に、
前記LSIが所定期間動作したときの各セルの推定動作
回数と、前記遅延計算ステップにおいて計算した各セル
の入力波形傾きおよび出力負荷容量とを用いて、LSI
が所定期間動作した後の各セルの遅延パラメータを格納
した遅延劣化ライブラリを生成する。そして、前記遅延
計算ステップおよび遅延劣化ライブラリ生成ステップは
所定回数繰り返され、しかも繰り返しの2回目以降で
は、遅延ライブラリの代わりに前回実行した遅延劣化ラ
イブラリ生成ステップにおいて生成した遅延劣化ライブ
ラリを用いるので、最後に実行した遅延計算ステップに
おいて計算した各セルの遅延は、前記LSIが、前記所
定期間と繰り返し回数との積に相当する期間動作した後
におけるものになる。したがって、対象とするLSIの
実際の動作に即したホットキャリア劣化を推定すること
ができる。
【0017】そして、請求項2の発明では、前記請求項
1のホットキャリア劣化推定方法における遅延計算ステ
ップは、前記回路情報および遅延ライブラリを基にし
て、各セルについて、当該セルの駆動能力と当該セルが
駆動するセルおよびセル間配線の特性とから、出力端子
における信号波形を生成するセル出力波形生成ステップ
と、前記回路情報および前記セル出力波形生成ステップ
において生成した各セルの出力波形を基にして、各セル
について、入力端子における波形を生成するとともに、
入力波形傾きおよび出力負荷容量を計算するセル入力波
形生成ステップと、前記セル入力波形生成ステップおよ
びセル出力波形生成ステップにおいて生成した各セルの
入力波形および出力波形から、各セルの遅延を計算する
セル遅延計算ステップと、前記セル入力波形生成ステッ
プおよびセル出力波形生成ステップにおいて生成した各
セルの入力波形および出力波形から、各セル間配線の遅
延を計算する配線遅延計算ステップとを備えているもの
とする。
【0018】また、請求項3の発明では、前記請求項1
のホットキャリア劣化推定方法における遅延計算ステッ
プは、前記LSIの入力信号が各セルを伝播することを
想定して、各セルについて、遅延、並びに入力波形傾き
および出力負荷容量を計算するものとする。
【0019】そして、請求項4の発明では、前記請求項
3のホットキャリア劣化推定方法における遅延計算ステ
ップは、前記回路情報および遅延ライブラリを基にし
て、各セルについて、当該セルの駆動能力と当該セルが
駆動するセルおよびセル間配線の特性とから、出力端子
における信号波形を生成するセル出力波形生成ステップ
と、前記回路情報および前記セル出力波形生成ステップ
において生成した各セルの出力波形を基にして、各セル
について、入力端子における波形を生成するとともに、
入力波形傾きおよび出力負荷容量を計算するセル入力波
形生成ステップと、前記セル入力波形生成ステップおよ
びセル出力波形生成ステップにおいて生成した各セルの
入力波形および出力波形から、各セルの遅延を計算する
セル遅延計算ステップと、前記セル入力波形生成ステッ
プおよびセル出力波形生成ステップにおいて生成した各
セルの入力波形および出力波形から、各セル間配線の遅
延を計算する配線遅延計算ステップとを備え、前記セル
出力波形生成ステップは、各セルについて、前記セル入
力波形生成ステップによって生成した当該セルの入力波
形に基づいて、出力波形を生成するものとする。
【0020】また、請求項5の発明では、前記請求項1
のホットキャリア劣化推定方法は、対象とするLSIに
おいて、静的に活性化できない経路であるフォールスパ
スを検出するフォールスパス検出ステップと、前記フォ
ールスパス検出ステップによって検出したフォールスパ
スの終端に位置するセルを、前記遅延劣化ライブラリ生
成ステップにおいて遅延パラメータを求める対象から除
去するセル除去ステップとを備えているものとする。
【0021】さらに、請求項6の発明では、前記請求項
1のホットキャリア劣化推定方法は、前記回路情報に含
まれたセル間配線の配線抵抗および配線容量を、経時劣
化を推定して更新する配線劣化算出ステップを備えてい
るものとする。
【0022】また、前記の課題を解決するために、請求
項7の発明が講じた解決手段は、セルレベルで設計され
たLSIをタイミング検証する際に、ホットキャリアの
影響による信頼性の劣化を推定するホットキャリア劣化
推定方法として、所定回数動作したときのセルの遅延を
計算するための遅延パラメータを格納し、かつ、セルの
動作回数がそれぞれ異なる複数の遅延ライブラリからな
る遅延ライブラリ群を準備しておき、前記遅延ライブラ
リ群を基にして、対象とするLSIが所定期間動作した
ときの各セルの推定動作回数を用いて、各セルについ
て、前記推定動作回数だけ動作したときの遅延パラメー
タを求め、これらの遅延パラメータを格納した遅延劣化
ライブラリを生成する遅延劣化ライブラリ生成ステップ
と、前記遅延劣化ライブラリと、前記LSIについての
各セルの特性情報、セルおよびセル間配線の接続情報、
並びにセル間配線の抵抗値および容量値などの特性情報
を含む回路情報とを基にして、前記LSIについて、各
セルの遅延を計算する遅延計算ステップとを備え、前記
遅延計算ステップによって計算した各セルの遅延を基に
して、前記LSIの、ホットキャリアの影響による信頼
性の劣化を推定するものである。
【0023】請求項7の発明によると、遅延劣化ライブ
ラリ生成ステップにおいて、所定回数動作したときのセ
ルの遅延を計算するための遅延パラメータを格納し、か
つ、セルの動作回数がそれぞれ異なる複数の遅延ライブ
ラリからなる遅延ライブラリ群を基にして、対象とする
LSIの各セルについて、対象とするLSIが所定期間
動作したときの推定動作回数を用いて遅延パラメータを
求め、これらの遅延パラメータを格納した遅延劣化ライ
ブラリを生成する。そして、遅延計算ステップにおい
て、前記遅延劣化ライブラリおよび回路情報を基にし
て、前記LSIについて各セルの遅延を計算する。この
各セルの遅延は、前記LSIが前記所定期間動作した後
におけるものになる。したがって、対象とするLSIの
実際の動作に即したホットキャリア劣化を推定すること
ができる。
【0024】そして、請求項8の発明では、前記請求項
7のホットキャリア劣化推定方法における遅延劣化ライ
ブラリ生成ステップは、各セルについて、前記遅延ライ
ブラリ群から、当該セルの推定動作回数に近い動作回数
に対応する2個の遅延ライブラリを選択し、この2個の
遅延ライブラリに格納された当該セルの遅延パラメータ
を基にして、補間により、前記推定動作回数だけ動作し
たときの遅延パラメータを求めるものとする。
【0025】また、請求項9の発明が講じた解決手段
は、セルレベルで設計されたLSIをタイミング検証す
る際に、ホットキャリアの影響による信頼性の劣化を推
定するホットキャリア劣化推定方法として、対象とする
LSIについての各セルの特性情報、セルおよびセル間
配線の接続情報、並びにセル間配線の抵抗値および容量
値などの特性情報を含む回路情報と、セルの遅延を計算
するための遅延パラメータを格納した遅延ライブラリと
を基にして、前記LSIの各セルについて、遅延、入力
端子における信号波形傾き、および出力端子に接続され
た負荷容量を計算する遅延計算ステップと、ホットキャ
リアの影響によるセルの遅延の変化をセル動作回数に伴
う遅延パラメータの変化によって表した遅延劣化パラメ
ータを基に、前記LSIが所定期間動作したときにおけ
る各セルの推定動作回数と、前記遅延計算ステップにお
いて計算した入力波形傾きおよび出力負荷容量とを用い
て、前記LSIが前記所定期間動作したときの各セルの
遅延の変化である遅延劣化量を計算する遅延劣化量計算
ステップと、前記LSIの各セルについて、前記遅延計
算ステップにおいて計算した遅延と前記遅延劣化量計算
ステップにおいて計算した遅延劣化量とを加えることに
よって、遅延を算出する劣化後遅延計算ステップとを備
え、前記劣化後遅延計算ステップにおいて計算した各セ
ルの遅延を基にして、前記LSIのホットキャリアの影
響による信頼性の劣化を推定するものである。
【0026】請求項9の発明によると、遅延計算ステッ
プにおいて、対象とするLSIの各セルについて、回路
情報と遅延パラメータを格納した遅延ライブラリとを基
にして、遅延、入力波形傾きおよび出力負荷容量を計算
する。また、遅延劣化量計算ステップにおいて、ホット
キャリアの影響によるセルの遅延の変化をセル動作回数
に伴う遅延パラメータの変化によって表した遅延劣化パ
ラメータを基に、前記LSIが所定期間動作したときに
おける各セルの推定動作回数と、前記遅延計算ステップ
において計算した入力波形傾きおよび出力負荷容量とを
用いて、前記LSIが前記所定期間動作したときの各セ
ルの遅延の変化である遅延劣化量を計算する。そして、
劣化後遅延計算ステップにおいて、前記LSIの各セル
について、前記遅延計算ステップにおいて計算した遅延
と前記遅延劣化量計算ステップにおいて計算した遅延劣
化量とを加えることによって、遅延を計算する。この各
セルの遅延は、前記LSIが前記所定期間動作した後に
おけるものになる。したがって、対象とするLSIの実
際の動作に即したホットキャリア劣化を推定することが
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。なお本発明において、セ
ルは、基本論理セルおよび機能マクロブロックを含む概
念であるものとする。
【0028】(第1の実施形態)本発明の第1の実施形
態について、図1〜図4を参照しながら説明する。図1
は本発明の第1の実施形態に係るホットキャリア劣化推
定方法を示すフローである。図1において、S10は対
象とするLSIについての回路情報11およびセルおよ
びセル間配線の遅延を計算するために用いる遅延パラメ
ータを格納した遅延ライブラリ12を基にして、前記L
SIの遅延計算を行う遅延計算ステップ、S20は前記
LSIが所定期間動作したときの各セルの遅延パラメー
タからなる遅延劣化ライブラリ19を生成する遅延劣化
ライブラリ生成ステップ、S30は遅延計算ステップS
10および遅延劣化ライブラリ生成ステップS20の繰
り返しを制御する繰り返し制御ステップである。
【0029】遅延計算ステップS10は、各セルの入力
端子における信号波形傾き(以下「入力波形傾き」とい
う)13と、各セルの出力端子に接続された負荷容量
(以下「出力負荷容量」という)14も計算する。入力
波形傾き13および出力負荷容量14は、遅延劣化ライ
ブラリ生成ステップS20において用いられる。
【0030】遅延劣化パラメータ16は、ホットキャリ
アの影響によるセルの遅延の変化を、セル動作回数に伴
う遅延パラメータの変化によって表したものである。こ
の遅延劣化パラメータ16は入力波形傾きおよび出力負
荷容量を条件としている。推定動作回数15は、セル遅
延の変化を計算するために用いる、前記LSIが所定期
間動作したときの各セルの推定動作回数である。また1
7は遅延計算ステップS10および遅延劣化ライブラリ
生成ステップS20の繰り返し回数、18は遅延計算ス
テップS10によって計算された各セルおよび各セル間
配線の遅延である。
【0031】回路情報11は、対象とするLSIについ
ての各セルの特性情報、セルおよびセル間配線の接続情
報、並びにセル間配線の抵抗値および容量値などの特性
情報を格納している。ここで、LSIを構成するセルに
はそれぞれ固有の名前が付されており、同じ機能のセル
であっても互いに区別できるようになっている。この名
前のことをインスタンスという。言い換えると、インス
タンスは機能毎に分類されたセルをさらに細かく分類し
たものであり、1つのLSIでは、機能が同じセルは複
数個あってもインスタンスはセル毎に異なる。本実施形
態および以下の実施形態では、インスタンスが異なるセ
ルは、別のセルとして取り扱うものとする。
【0032】まず遅延計算ステップS10において、回
路情報11および遅延ライブラリ12を用いて、対象と
するLSIの各セルおよびセル間配線の遅延18と、各
セルの入力波形傾き13および出力負荷容量14を計算
する。次に遅延劣化ライブラリ生成ステップS20にお
いて、遅延ライブラリ12および遅延劣化パラメータ1
6を基に、推定動作回数15、入力波形傾き13および
出力負荷容量14を用いて、前記LSIが前記所定期間
動作した後の各セルの遅延パラメータを求め、この遅延
パラメータを格納した遅延劣化ライブラリ19を生成す
る。この遅延劣化ライブラリ19は、各セルの入力波形
傾き13および出力負荷容量14を基にして、各セルが
推定動作回数15に示される回数だけ動作した後の遅延
を遅延パラメータによって表現した遅延ライブラリであ
る。
【0033】次に、この遅延劣化ライブラリ19を遅延
ライブラリ12の代わりに用いて、再び遅延計算ステッ
プS10によって遅延計算を行うことにより、前記LS
Iが前記所定期間動作して劣化した後の各セルおよび各
セル間配線の遅延18を計算する。
【0034】以上のような遅延計算ステップS10およ
び遅延劣化ライブラリ生成ステップS20を、繰り返し
制御ステップS30によって繰り返し回数17だけ繰り
返す。このような処理によって、前記LSIが、前記所
定期間と繰り返し回数17との積に相当する期間動作し
た後の、各セルおよびセル間配線の遅延を計算すること
ができる。
【0035】本実施形態に係るホットキャリア劣化推定
方法の適用例について、図10に示すような簡易なLS
Iを対象にした場合を例にとって説明する。図10にお
いて、U1,U2,U3はセルに付されたインスタンス
である。回路情報11には、各インスタンスU1〜U3
の特性情報と、各インスタンスU1〜U3およびインス
タンス間配線の接続情報と、各インスタンス間配線の抵
抗値および容量値などの特性情報とが格納されている。
【0036】遅延ライブラリ12は、セルの遅延を計算
するために必要な遅延パラメータを格納している。例え
ば、セルの遅延を入力波形傾きと出力負荷容量の関数ま
たはテーブルとして表している場合には、前記関数の係
数や前記テーブルのポイントなどを遅延パラメータとし
て格納しており、また、セル出力波形を計算するための
パラメータも格納されている。
【0037】推定動作回数15には、各インスタンスU
1〜U3について、あるテストベクタに対してスイッチ
ング動作を行った回数が記述されている。スイッチング
動作回数は消費電力計算に用いられるトグル計算と同様
の手法で求めることができ、例えば最初の遅延計算ステ
ップS10において計算した遅延18を用いた論理シミ
ュレーションによって求めることができる。
【0038】遅延劣化パラメータ16では、遅延ライブ
ラリ12に記述された遅延パラメータがスイッチング動
作回数の関数として表されており、前記関数が関数表現
またはテーブル表現されている。
【0039】なおここでは繰り返し回数17は1回であ
るものとする。すなわち、遅延計算ステップS10およ
び遅延劣化ライブラリ生成ステップS20を1回実行
し、このとき生成した遅延劣化ライブラリ19を遅延ラ
イブラリ12の代わりに用いて再び遅延計算ステップS
10を実行し、この遅延計算ステップS10において計
算された遅延18を経年変化後のLSIにおける遅延と
して求める。
【0040】まず遅延計算ステップS10において、回
路情報11および遅延ライブラリ12を用いて、インス
タンスU2について、入力端子A2における信号波形の
傾きすなわち入力波形傾き13と、出力端子Y2に接続
された負荷容量すなわち出力負荷容量14と、動作遅延
すなわち遅延18を計算する。このときの計算方法は、
従来から用いられている信号波形計算方法または遅延計
算方法を用いる。
【0041】次に遅延劣化ライブラリ生成ステップS2
0において、入力波形傾き13および出力負荷容量1
4、各インスタンスU1〜U3のスイッチング動作回数
が記述された推定動作回数15、および遅延劣化パラメ
ータ16を用いて、各インスタンスU1〜U3が推定動
作回数15に記述されたスイッチング動作回数だけ動作
した後の遅延パラメータからなる遅延劣化ライブラリ1
9を生成する。遅延劣化パラメータ16は、遅延計算を
行うために必要な遅延パラメータ毎に、入力波形傾きお
よび出力負荷容量の関数またはテーブルとして表現され
ているので、与えられた入力波形傾き13および出力負
荷容量14に対して、経年変化後のLSIにおける遅延
劣化ライブラリ19を生成することができる。
【0042】最後に、再び遅延計算ステップS10にお
いて、遅延ライブラリ12の代わりに遅延劣化ライブラ
リ19を用いて遅延18を計算し、これを経年変化後の
LSIにおける遅延とする。
【0043】図2は図1に示す本実施形態に係るホット
キャリア劣化推定方法における遅延計算ステップS10
の処理の流れを示す図である。図2において、S11は
回路情報11と遅延ライブラリ12から回路情報11に
含まれる各セルの出力端子における信号波形(以下「セ
ル出力波形」という)を生成するセル出力波形生成ステ
ップ、21はセル出力波形生成ステップS11によって
生成されたセル出力波形、S12は回路情報11および
セル出力波形21から、信号がセル出力端子に接続され
たセル間配線を伝播して次段セルに入力されるとして、
各セルの入力端子における信号波形(以下「セル入力波
形」という)を生成するセル入力波形生成ステップ、2
2はセル入力波形生成ステップS12によって生成され
たセル入力波形、S13はセル出力波形21およびセル
入力波形22から各セルの遅延を計算するセル遅延計算
ステップ、S14はセル出力波形21およびセル入力波
形22から各セル間配線の遅延を計算する配線遅延計算
ステップである。
【0044】回路情報11には、セルの種類(例えば、
インバーターセル、バッファーセルなど)と各セルを接
続するセル間配線の接続情報、セル間配線の抵抗値およ
び容量値に関する情報が格納されている。また遅延ライ
ブラリ12には、各セルのセル遅延を計算するために必
要な遅延パラメータが格納されている。
【0045】セル出力波形生成ステップS11では、各
セルについて、回路情報11から、当該セルが駆動する
セル間配線の抵抗値および容量値と前記セルに駆動され
る被駆動セルの入力端子容量とを抽出するとともに、遅
延ライブラリ12から前記セルのドライブ能力を抽出す
る。そして抽出したこれらのデータを用いて回路方程式
を作ることによって、各セルの出力波形を、そのドライ
ブ能力並びに駆動するセル間配線の抵抗値および容量値
によって表す。
【0046】セル入力波形生成ステップS12では、セ
ル出力波形生成ステップS11において求めた各セルの
出力波形がセル間配線を伝播して前記セルに駆動される
被駆動セルに入力するものとして、被駆動セルの入力端
子における波形を生成する。ここでは、セル間配線を簡
単な形状の配線に縮退して波形を伝播させるアルゴリズ
ム(例えば、Jorge Rubinstein他 'Signal Delay in RC
Tree Networks',IEEETransaction Computer-Aided Des
ign,Vol.CAD-2,No.3,July 1983を参照)を用いて、各セ
ル間配線について、入力波形(当該セル間配線を駆動す
るセルの出力波形)に対する出力端における応答(前記
セルに駆動される被駆動セルの入力波形)を求め、これ
により各セルの入力波形を求める。また、各セルについ
て、入力波形傾き13および出力負荷容量14を求め
る。
【0047】次に、セル遅延計算ステップS13におい
て、各セルについて、その入力波形および出力波形か
ら、遅延時間を計算する。また、配線遅延計算ステップ
S14において、各セル間配線について、その入力波形
(当該セル間配線を駆動するセルの出力波形)および出
力波形(前記セルに駆動される被駆動セルの入力波形)
から、遅延時間を計算する。計算した各セルおよび各セ
ル間配線の遅延時間を遅延18として求める。
【0048】図3は図1に示す本実施形態に係るホット
キャリア劣化推定方法における遅延劣化ライブラリ生成
ステップS20の処理の流れを示す図である。図3にお
いて、S21は各セルが推定動作回数15に記述された
回数だけ動作することによる、遅延パラメータの変化度
合を計算するステップ、23はステップS21によって
計算された遅延パラメータの変化度合、S22は遅延パ
ラメータ変化度合23を遅延計算ステップS10で用い
る遅延ライブラリ12に付加して劣化後の遅延ライブラ
リを生成するステップである。
【0049】遅延劣化パラメータ16では、セル動作に
伴うセル遅延の変化を遅延パラメータの変化によって表
しており、この遅延パラメータの変化は、入力波形傾
き、出力負荷容量、動作回数、電源電圧および温度をパ
ラメータとしたテーブルまたは関数によって表現され
る。テーブルで表現する場合は、SPICEシミュレー
ションまたは実際に製造したLSIにおける実測によっ
て得た値を用いてテーブルを作成し、テーブルの各ポイ
ント(例えば実測値およびこのときの条件)を遅延劣化
パラメータ16として登録する。また関数で表現する場
合は、実測値に対して関数の係数をフィッテイングによ
り計算し、求めた係数を遅延劣化パラメータ16として
登録する。
【0050】遅延パラメータ変化度合23は、ステップ
S21において、遅延劣化パラメータ16に表されたテ
ーブルまたは関数に、入力波形傾き13、出力負荷容量
14および推定動作回数15に格納された各セルについ
ての値、並びに電源電圧および温度を代入することによ
って計算される。
【0051】そして、ステップS22において、遅延パ
ラメータ変化度合23を劣化前の遅延パラメータを格納
している遅延ライブラリ12に付加することによって、
劣化後の遅延パラメータを格納した遅延ライブラリすな
わち遅延劣化ライブラリ19を生成することができる。
【0052】図4は本実施形態に係るホットキャリア劣
化推定方法における推定動作回数15および繰り返し回
数17を決定するフローを示す図である。図4におい
て、31は対象とするLSIの信頼性の劣化を推定する
際に設定する年数、32は対象とするLSIを構成する
各セルの所定のテストベクタに対する動作回数であるテ
スト動作回数、33は前記テストベクタがLSIに入力
されてから全セルが処理を完了するまでの処理時間、S
41は年数31における各セルの総動作回数を計算する
総動作回数計算ステップ、34は各セルの総動作回数、
35は総動作回数34の分割数、S42は総動作回数3
4を分割数35に従って分割する動作回数分割ステッ
プ、17は繰り返し回数(=分割数35)、15は繰り
返し1回当たりの推定動作回数である。
【0053】総動作回数計算ステップS41では、テス
ト動作回数32および処理時間33から、年数31の間
テストベクタが入力されつづけた場合の各セルの総動作
回数34を計算する。この計算には次のような式を用い
る。 総動作回数34=(テスト動作回数32/処理時間3
3)×1年間の総時間×年数31
【0054】次に、総動作回数34の分割方法について
説明する。セルの遅延劣化を計算する場合には、動作1
回毎に劣化を計算する方法と数回の動作毎に劣化を計算
する方法とが考えられる。動作回数分割ステップS42
では、総動作回数34を、分割数35に従い、遅延劣化
を計算するための推定動作回数15と遅延劣化計算の繰
り返し回数17とに分割する。
【0055】このとき、遅延劣化の影響を正確に計算す
る必要がある場合には、分割数35を大きく設定して、
繰り返し回数17を大きくするとともに推定動作回数1
5を小さく設定する一方、逆に遅延劣化計算の処理速度
を向上させるためには、分割数35を小さく設定するこ
とによって、繰り返し回数17を小さくするとともに推
定動作回数15を大きく設定する。
【0056】このようにして求めた推定動作回数15お
よび繰り返し回数17を用いて、図1に示す本実施形態
に係るホットキャリア劣化推定方法を実現することがで
きる。また分割前の総動作回数34は、後述する第3お
よび第4の実施形態における推定動作回数として用いる
ことができる。
【0057】(第1の実施形態の変形例)また、第1の
実施形態における遅延計算ステップS10は、セル入出
力間の波形伝播を考慮して、すなわち対象とするLSI
の入力信号が各セルを伝播することを想定して実行して
もよい。この場合には、遅延計算ステップS10におけ
るセル出力波形生成ステップS11が第1の実施形態と
異なる。
【0058】図2に示すように、本変形例に係るセル出
力波形生成ステップS11では、各セルについて、回路
情報11から、当該セルが駆動するセル間配線の抵抗値
および容量値と前記セルに駆動される被駆動セルの入力
端子容量とを抽出するとともに、遅延ライブラリ12か
ら当該セルのドライバ抵抗を抽出する。さらに、破線で
示すように、セル入力波形22から前記セルのセル入力
波形を抽出する。そして抽出した被駆動セルの入力端子
容量およびセル間配線の抵抗値および容量値と、そのセ
ルのドライバ抵抗から、等価容量計算アルゴリズムを用
いて、前記セルに対して応答が等価な等価容量を計算す
る(例えばJessica Qian他 'Modeling the "Effective C
apacitance" for the RC Interconnect of CMOS Gate
s',IEEE Transactions on Computer-Aided Design of I
ntegrated Circuits and Systems,Vol.13,No.12,pp.152
6-pp.1535,December,1994を参照)。
【0059】求めた等価容量と前記セルの入力波形とを
用いて、遅延ライブラリ12に登録された波形伝播テー
ブル(セル入力波形傾きおよび出力負荷容量に対してセ
ル出力波形傾きをテーブル化したもの)または波形伝播
関数(前記テーブルを構成するポイントに対して係数フ
ィッティングして求めたもの)から、前記セルの出力波
形を計算する。
【0060】セル出力波形生成ステップS11以外のス
テップについてはすでに説明した第1の実施形態と同様
に実行することによって、セル入出力間の波形伝播を考
慮したホットキャリア遅延劣化計算方法を実現すること
ができる。
【0061】(第2の実施形態)図5は本発明の第2の
実施形態に係るホットキャリア劣化推定方法を示すフロ
ーである。図5において、図1と共通の構成要素には図
1と同一の符号を付している。図5では、図1に示す構
成に、フォールスパス検出ステップS31、配線劣化算
出ステップS32およびセル除去ステップS33が追加
されている。
【0062】まずフォールスパスについて図6を用いて
説明する。ここで1つ定義をしておく。図6に示すよう
な論理回路において、一の外部入力から一の外部出力ま
での経路について、経路先端すなわち前記一の外部入力
の信号変化が経路終端すなわち前記一の外部出力の信号
変化として直接表れるように前記一の外部入力以外の外
部入力を設定できるとき、その経路は静的に活性化され
ているという。
【0063】経路を静的に活性化するためには、経路上
の各論理素子について、その経路に属さない入力を、経
路上における信号変化の伝播を妨げない値に設定すれば
よい。図6において、太線で示すような経路C→H→K
→L→Mを例にとると、Hを出力とするANDゲート1
02についてはD=1、Kを出力とするORゲート10
5についてはE=0、Lを出力とするANDゲート10
6についてはF=1、Mを出力とするORゲート107
についてはI=J=0と設定すればよい。そこで、この
ような設定が外部入力から設定可能かどうかを判定す
る。この例では、IとJとをともに0にするように外部
入力を設定することはできない。すなわち、経路C→H
→K→L→Mは静的に活性化できないことになる。この
ような静的に活性化できない経路をフォールスパスとい
う。
【0064】静的に活性化できないということは、少な
くともMの出力は常に同じ値であるということである。
遅延劣化はセル動作に起因して生じるので、出力が常に
同じ値を持つセルについては遅延劣化は生じない。した
がって、フォールスパスの終端に位置するセルは遅延劣
化推定の対象から除去することができる。
【0065】図5において、フォールスパス検出ステッ
プS31において、回路情報11からフォールスパスを
検出する。そしてこの検出結果を基にして、遅延劣化ラ
イブラリ生成ステップS20を実行する前に、セル除去
ステップS33において、フォールスパスの終端に位置
する信号変化が常に生じない出力端子をもつセルを予め
除去する。これにより、遅延劣化ライブラリ生成ステッ
プS20において対象とするセルの個数を削減すること
ができ、処理の高速化を図ることができる。
【0066】また配線劣化算出ステップS32は、時間
的経過による配線抵抗と配線容量の変化を求める。図5
において、配線劣化量算出ステップS32は、回路情報
11が有する配線抵抗および配線容量を入力として、新
たな配線抵抗および配線容量を出力する。このとき、セ
ルおよびセル間配線の接続関係は変化させない。遅延計
算ステップS10は、この新たな配線抵抗および配線容
量と遅延ライブラリ12とを基にして、入力波形傾き1
3および出力負荷容量14を計算する。遅延劣化計算を
繰り返す場合は、遅延劣化ライブラリ生成ステップS2
0において入力波形傾き13および出力負荷容量13を
基にして新たな遅延劣化ライブラリ19を生成し、この
遅延劣化ライブラリ19を遅延ライブラリ12の代わり
に用いて遅延計算ステップS10を再び実行する。一
方、遅延劣化計算を終了する場合は、遅延計算ステップ
S10は遅延18を併せて計算する。このように、配線
劣化算出ステップS32において、LSIの初期状態を
表す回路情報11のセル間配線の特性情報に時間的経過
の影響を反映させることによって、より精度の高い遅延
計算を行うことができる。
【0067】(第3の実施形態)図7は本発明の第3の
実施形態に係るホットキャリア劣化推定方法を示すフロ
ーである。図7において、40は対象とするLSIが所
定期間動作したときの各セルの推定動作回数、41はセ
ル動作に起因するセル遅延劣化を計算するための遅延ラ
イブラリであって、想定したセル動作回数がそれぞれ異
なる複数の遅延ライブラリからなる遅延ライブラリ群、
S51は遅延ライブラリ群41を基にして、推定動作回
数40を用いて、各セルについて前記LSIが前記所定
期間動作した後の遅延パラメータを求め、これらの遅延
パラメータを格納した遅延劣化ライブラリを生成する遅
延劣化ライブラリ生成ステップ、42は遅延劣化ライブ
ラリ生成ステップS51によって生成された遅延劣化ラ
イブラリ、43は前記LSIについてのセルの特性情
報、セルおよびセル間配線の接続情報、並びにセル間配
線の抵抗値および容量値などの特性情報を格納した回路
情報、S52は遅延劣化ライブラリ42および回路情報
43を基にして、セルおよびセル間配線の遅延時間を計
算する遅延時間計算ステップ、44は遅延計算ステップ
S52によって計算されたセルおよびセル間配線の遅延
である。
【0068】推定動作回数40は、所定のテストベクタ
を前記LSIに与えたときの各セルの動作回数を基にし
て求めることができる。例えば、第1の実施形態の推定
動作回数15および繰り返し回数17を求める方法(図
4)における総動作回数34を、本実施形態の推定動作
回数40として用いればよい。
【0069】遅延ライブラリ群41は、少なくとも2種
類以上の動作回数について、セル毎に劣化を付加した遅
延ライブラリの集まりである。例えば、1回動作したと
きの各セルについての遅延ライブラリ、100回動作し
たときの各セルについての遅延ライブラリ、10000
回動作したときの各セルについての遅延ライブラリなど
が準備されている。また各遅延ライブラリでは、セルの
入力波形傾きおよび出力負荷容量は所定の値に固定され
ているものとする。
【0070】遅延劣化ライブラリ生成ステップS51に
おいて、遅延ライブラリ群41から、推定動作回数40
についての遅延劣化ライブラリ42を生成する。遅延劣
化ライブラリ42は、前記LSIが、推定動作回数40
を設定する際に想定した前記所定期間だけ動作した後
の、各セルの遅延パラメータを格納する。
【0071】遅延計算ステップS52において、各セル
の遅延パラメータを格納した遅延劣化ライブラリ42お
よび回路情報43を基にして、各セルおよび各セル間配
線の遅延44を計算する。この遅延44を基にして、各
セルが推定動作回数40に記述された回数だけ動作した
後の、前記LSIのホットキャリア劣化を推定すること
ができる。
【0072】図8は本実施形態に係る遅延劣化ライブラ
リ生成ステップS51を説明するための図であり、遅延
計算に必要な遅延パラメータk(1≦k≦n)と動作回
数との関係を表すグラフである。図8において、縦軸は
各遅延パラメータ、横軸は動作回数である。また、xは
推定動作回数40に各セルについて記述された,遅延劣
化ライブラリに格納する遅延パラメータを求めるための
動作回数、aは遅延ライブラリ群41に遅延ライブラリ
が準備された動作回数のうち回数xを越えない最大の動
作回数、bは遅延ライブラリ群41に遅延ライブラリが
準備された動作回数のうち回数xを下回らない最小の動
作回数、kaは動作回数aのときの遅延パラメータkの
値、kbは動作回数bのときの遅延パラメータkの値、
51は補正曲線、kxは補正曲線51から求めた動作回
数xのときの遅延パラメータkの値である。
【0073】遅延ライブラリ生成ステップS51につい
て、図8を用いて説明する。各セルについて、遅延ライ
ブラリ群41から、動作回数xを越えない最大の動作回
数aの遅延ライブラリおよび動作回数xを下回らない最
小の動作回数bの遅延ライブラリを選択する。そして当
該セルの遅延パラメータkについて、動作回数xのとき
の値kxを、動作回数aのときの値kaおよび動作回数
bのときの値kbから補間曲線51を用いて補間する。
ただし、補間曲線51は1次式、2次式などの任意の関
数を用いる。また、動作回数xが遅延ライブラリ群41
に遅延ライブラリが準備された動作回数の最大値よりも
大きいとき、または最小値よりも小さいときは、動作回
数xに最も近い2つの動作回数の遅延ライブラリを用い
て、補間を行う。
【0074】以上のような動作回数xについての遅延パ
ラメータの補間をすべての遅延パラメータに対して行う
ことによって、推定動作回数40についての遅延劣化ラ
イブラリ42を生成することができる。
【0075】なお、図8では遅延ライブラリにおいて各
遅延パラメータは相互に独立に表されているものとして
いるが、遅延パラメータが相互依存するとして例えばn
(nは2以上の自然数)次元テーブル形式によって表さ
れていても、同様に、遅延パラメータの相互依存性を表
すテーブル形式によって、動作回数40についての遅延
劣化ライブラリ42を生成することができる。
【0076】また遅延計算ステップS52では、第1の
実施形態において示した遅延計算アルゴリズム、また
は、前記遅延パラメータを用いて計算することができる
任意のアルゴリズムを適用することによって、遅延計算
を行う。
【0077】以上のように、遅延ライブラリをあらかじ
め動作回数毎に複数個準備しておき、この遅延ライブラ
リ群から選択した遅延ライブラリを用いて、推定した動
作回数についての遅延パラメータを補間により求めるこ
とによって、遅延劣化ライブラリを生成することができ
る。そして、この遅延劣化ライブラリを用いた遅延計算
を行うことによって、対象とするLSIの実際の動作に
即した遅延劣化を推定することができる。
【0078】(第4の実施形態)図9は本発明の第4の
実施形態に係るホットキャリア劣化推定方法を示すフロ
ーである。図9において、61は対象とするLSIにつ
いて、各セルの特性情報、セルおよびセル間配線の接続
情報、並びにセル間配線の抵抗値や容量値などの特性情
報を格納した回路情報、62は全く劣化していない前記
LSIの各セルの遅延パラメータを格納した遅延ライブ
ラリ、63は前記LSIが所定期間動作したときの各セ
ルの推定動作回数、64はホットキャリアの影響による
セルの遅延の変化をセル動作回数に伴う遅延パラメータ
の変化によって表した場合における、遅延パラメータ
の、変化前に対する変化量(差分量)を格納した遅延劣
化パラメータ、S61は遅延計算ステップ、65は劣化
前の前記LSIにおけるセルおよびセル間配線の遅延時
間を表す遅延、66は各セルの出力負荷容量、67は各
セルの入力波形傾き、S62はセルおよびセル間配線の
遅延劣化量を計算する遅延劣化量計算ステップ、68は
セルおよびセル間配線の遅延劣化量(遅延65に対する
差分量の形で表される)、S63は遅延65と遅延劣化
量68から劣化後の遅延を計算するステップ、69はス
テップS63によって計算したホットキャリア劣化後の
遅延である。遅延劣化パラメータ64では、セルの入力
波形傾きおよび出力負荷容量は所定の値に固定されてい
るものとする。
【0079】遅延計算ステップS61において、回路情
報61および全く劣化していないときの遅延パラメータ
を格納した遅延ライブラリ62から、全く劣化していな
いときの各セルおよび各セル間配線の遅延65、並びに
各セルの出力負荷容量66および入力波形傾き67を計
算する。この遅延計算は、第1の実施形態で示したアル
ゴリズムや遅延パラメータを用いて計算する任意の遅延
計算アルゴリズムを用いて実行される。
【0080】次に、遅延劣化量計算ステップS62にお
いて、各セルの出力負荷容量66および入力波形傾き6
7と、各セルの推定動作回数63および遅延劣化パラメ
ータ64とから、全く劣化していないときの遅延65に
対する差分である遅延劣化量68を計算する。
【0081】最後に、劣化後遅延計算ステップS63に
おいて、全く劣化していないときの遅延65と推定動作
回数63に対する遅延劣化量68とを足し合わせること
によって、劣化後の遅延69を計算する。
【0082】以上のように本実施形態によると、従来か
ら用いられている、全く劣化していないときの遅延パラ
メータを格納した遅延ライブラリを更新することなく、
ホットキャリア劣化後の遅延を求めることができる。す
なわち、全く劣化しないときの遅延に対する遅延劣化量
をライブラリ化していることが特徴である。
【0083】(第5の実施形態)図11は本発明の第5
の実施形態に係るホットキャリア劣化推定方法を示す図
である。図11において、71は対象となるLSIのレ
イアウトデータから得られる寄生抵抗および容量デー
タ、72は遅延計算用のセルライブラリである遅延ライ
ブラリ、S71は遅延計算ステップ、S72は論理シミ
ュレーションステップ、S73は遅延劣化ライブラリ生
成ステップである。遅延ライブラリ72は、従来用いら
れていたものと同様であり、あらかじめセルの種類だけ
準備されている。
【0084】遅延計算ステップS71において、寄生抵
抗および容量データ71および遅延ライブラリ72を基
にして、セルと配線の遅延を計算する。この計算結果
は、遅延計算結果73に格納される。遅延計算において
用いられる情報は、各セルの入力波形傾きと出力負荷容
量であり、この両者は寄生抵抗および容量データ71か
ら算出することが可能である。また、遅延計算ステップ
S71の計算過程において、各セルの入力波形傾きと出
力信号波形が計算され、それぞれ、入力波形傾き77と
出力負荷容量78とに格納される。
【0085】次に論理シミュレーションステップS72
において、遅延計算結果73および対象とするLSIの
論理ネットリスト75(寄生抵抗および容量データ71
と対応している)を基にして、論理シミュレーションを
実行する。論理シミュレーションは回路の動作を詳細に
シミュレーションするものなので、ある論理回路(ここ
では論理セル)の動作回数も計算することができる。求
めた動作回数は、推定動作回数76に格納される。
【0086】次に遅延劣化ライブラリ生成ステップS7
3において、遅延計算の対象とする論理回路に属するセ
ルのみについてのセルライブラリを生成する。このと
き、基にするデータは、推定動作回数76、入力波形傾
き77および出力負荷容量78である。ここでは、同種
のセルについても別のものとして、すなわち、インスタ
ンス毎に、セルライブラリを生成する。これによって、
一旦遅延計算された結果を反映した(セルインスタンス
毎の)セルライブラリである遅延劣化ライブラリ79を
生成することができる。
【0087】ここで特徴的なのは、先の遅延計算ステッ
プS71ではセルの入力波形傾きと出力負荷容量を基に
遅延計算を行ったのに対して、遅延劣化ライブラリ生成
ステップS73では、基にするデータとして、さらにセ
ルの推定動作回数76が加わった点である。このこと
は、セルの遅延時間を動作回数に応じて変化させること
が可能になる、例えばホットキャリア効果のような現象
を遅延時間に反映させることが可能であることを意味す
る。
【0088】そして、この遅延劣化ライブラリ79を用
いて、遅延計算ステップS71を再び実行する。計算結
果は、本実施形態に係る方法の最終結果として遅延計算
結果73に格納される。
【0089】この遅延計算結果73を基にして論理シミ
ュレーションステップS72を実行すれば、セルの動作
回数の影響を反映した、より実際のLSIの動作に近い
タイミング検証が可能となる。なお、遅延劣化ライブラ
リ生成ステップS73および遅延計算ステップS71を
所定回数繰り返すことも可能である。
【0090】以上のように本実施形態によると、遅延劣
化ライブラリ生成ステップS73において、論理シミュ
レーションの結果もとり入れた情報を基にして、インス
タンス毎の遅延劣化ライブラリ79を生成することがで
きるので、より精度の高いタイミング検証を行うことが
できる。
【0091】またフォールスパス除去ステップS74
は、寄生抵抗および容量データ71を基にして、任意の
入力信号波形に対して出力信号波形が変化しないような
フォールスパスを検出し、検出結果を基に寄生抵抗およ
び容量データ71を修正するステップであり、修正され
た寄生抵抗および容量データ71は遅延計算ステップS
71に与えられる。その後の処理は前記の説明と同様で
ある。
【0092】
【発明の効果】以上のように本発明によると、ホットキ
ャリアの影響によるLSIの信頼性の劣化をその実際の
動作に即して推定することが可能になり、これによっ
て、LSIのタイミングの経年変化を推定することがで
きる。例えば、あるパスにおいて、経年変化によってタ
イミングエラーが生じることが分かった場合には、その
パスを構成するセルを経時劣化の少ないセルに置き換え
ることによって、経年変化によるタイミングエラーを未
然に回避することができる。また、前記パスを構成する
セルの動作回数が少なくなるように、前記パスに関わる
回路の論理を変更することによって、動作回数に依存す
るタイミングの経年変化を小さく抑えることも可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るホットキャリア
劣化推定方法を示す図である。
【図2】図1に示す本発明の第1の実施形態に係るホッ
トキャリア劣化推定方法における遅延計算ステップを示
す図である。
【図3】図1に示す本発明の第1の実施形態に係るホッ
トキャリア劣化推定方法における遅延劣化ライブラリ生
成ステップを示す図である。
【図4】図1に示す本発明の第1の実施形態に係るホッ
トキャリア劣化推定方法において用いる、推定動作回数
および繰り返し回数を求める方法を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るホットキャリア
劣化推定方法を示す図である。
【図6】フォールスパスを説明するための図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るホットキャリア
劣化推定方法を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るホットキャリア
劣化推定方法における遅延劣化ライブラリ生成ステップ
を説明するための図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係るホットキャリア
劣化推定方法を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係るホットキャリ
ア劣化推定方法を説明するための、対象となるLSIの
例を示す図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係るホットキャリ
ア劣化推定方法を示す図である。
【符号の説明】
S10,S52,S61 遅延計算ステップ S11 セル出力波形生成ステップ S12 セル入力波形ステップ S13 セル遅延計算ステップ S14 配線遅延計算ステップ S20,S51 遅延劣化ライブラリ生成ステップ S31 フォールスパス検出ステップ S32 配線劣化算出ステップ S33 セル除去ステップ S62 遅延劣化量ステップ S63 劣化後遅延計算ステップ 11,43,61 回路情報 12,62 遅延ライブラリ 13,67 入力波形傾き 14,66 出力負荷容量 15,40,63 推定動作回数 16,64 遅延劣化パラメータ 17 繰り返し回数 18,44,65,69 遅延 19,42 遅延劣化ライブラリ 21 セル出力波形 22 セル入力波形 41 遅延ライブラリ群 68 遅延劣化量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/50 H01L 21/82 G01R 31/28

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルレベルで設計されたLSIをタイミ
    ング検証する際に、ホットキャリアの影響による信頼性
    の劣化を推定するホットキャリア劣化推定方法であっ
    て、 対象とするLSIについての各セルの特性情報、セルお
    よびセル間配線の接続情報、並びにセル間配線の抵抗値
    および容量値などの特性情報を含む回路情報と、セルの
    遅延を計算するための遅延パラメータを格納した遅延ラ
    イブラリとを基にして、前記LSIの各セルについて、
    遅延、入力端子における信号波形傾き、および出力端子
    に接続された負荷容量を計算する遅延計算ステップと、 ホットキャリアの影響によるセルの遅延の変化を、セル
    動作回数に伴う遅延パラメータの変化によって表した遅
    延劣化パラメータと、前記遅延ライブラリとを基に、前
    記LSIが所定期間動作したときの各セルの推定動作回
    数と、前記遅延計算ステップにおいて計算した各セルの
    入力波形傾きおよび出力負荷容量とを用いて、前記LS
    Iが前記所定期間動作した後の各セルの遅延パラメータ
    を求め、この遅延パラメータを格納した遅延劣化ライブ
    ラリを生成する遅延劣化ライブラリ生成ステップとを備
    え、 前記遅延計算ステップおよび遅延劣化ライブラリ生成ス
    テップを所定回数繰り返し実行し、繰り返しの2回目以
    降では、前回実行した遅延劣化ライブラリ生成ステップ
    において生成した遅延劣化ライブラリを遅延ライブラリ
    の代わりに用いて、前記遅延計算ステップおよび遅延劣
    化ライブラリ生成ステップを実行するものであり、 最後に実行した遅延計算ステップにおいて計算した各セ
    ルの遅延を基にして、前記LSIの、ホットキャリアの
    影響による信頼性の劣化を推定することを特徴とするホ
    ットキャリア劣化推定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のホットキャリア劣化推定
    方法において、 前記遅延計算ステップは、 前記回路情報および遅延ライブラリを基にして、各セル
    について、当該セルの駆動能力と当該セルが駆動するセ
    ルおよびセル間配線の特性とから、出力端子における信
    号波形を生成するセル出力波形生成ステップと、 前記回路情報および前記セル出力波形生成ステップにお
    いて生成した各セルの出力波形を基にして、各セルにつ
    いて、入力端子における波形を生成するとともに、入力
    波形傾きおよび出力負荷容量を計算するセル入力波形生
    成ステップと、 前記セル入力波形生成ステップおよびセル出力波形生成
    ステップにおいて生成した各セルの入力波形および出力
    波形から、各セルの遅延を計算するセル遅延計算ステッ
    プと、 前記セル入力波形生成ステップおよびセル出力波形生成
    ステップにおいて生成した各セルの入力波形および出力
    波形から、各セル間配線の遅延を計算する配線遅延計算
    ステップとを備えていることを特徴とするホットキャリ
    ア劣化推定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のホットキャリア劣化推定
    方法において、 前記遅延計算ステップは、 前記LSIの入力信号が各セルを伝播することを想定し
    て、各セルについて、遅延、並びに入力波形傾きおよび
    出力負荷容量を計算するものであることを特徴とするホ
    ットキャリア劣化推定方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のホットキャリア劣化推定
    方法において、 前記遅延計算ステップは、 前記回路情報および遅延ライブラリを基にして、各セル
    について、当該セルの駆動能力と当該セルが駆動するセ
    ルおよびセル間配線の特性とから、出力端子における信
    号波形を生成するセル出力波形生成ステップと、 前記回路情報および前記セル出力波形生成ステップにお
    いて生成した各セルの出力波形を基にして、各セルにつ
    いて、入力端子における波形を生成するとともに、入力
    波形傾きおよび出力負荷容量を計算するセル入力波形生
    成ステップと、 前記セル入力波形生成ステップおよびセル出力波形生成
    ステップにおいて生成した各セルの入力波形および出力
    波形から、各セルの遅延を計算するセル遅延計算ステッ
    プと、 前記セル入力波形生成ステップおよびセル出力波形生成
    ステップにおいて生成した各セルの入力波形および出力
    波形から、各セル間配線の遅延を計算する配線遅延計算
    ステップとを備え、 前記セル出力波形生成ステップは、各セルについて、前
    記セル入力波形生成ステップによって生成した当該セル
    の入力波形に基づいて、出力波形を生成するものである
    ことを特徴とするホットキャリア劣化推定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のホットキャリア劣化推定
    方法において、 対象とするLSIにおいて、静的に活性化できない経路
    であるフォールスパスを検出するフォールスパス検出ス
    テップと、 前記フォールスパス検出ステップによって検出したフォ
    ールスパスの終端に位置するセルを、前記遅延劣化ライ
    ブラリ生成ステップにおいて遅延パラメータを求める対
    象から除去するセル除去ステップとを備えていることを
    特徴とするホットキャリア劣化推定方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のホットキャリア劣化推定
    方法において、 前記回路情報に含まれたセル間配線の配線抵抗および配
    線容量を、経時劣化を推定して更新する配線劣化算出ス
    テップを備えていることを特徴とするホットキャリア劣
    化推定方法。
  7. 【請求項7】 セルレベルで設計されたLSIをタイミ
    ング検証する際に、ホットキャリアの影響による信頼性
    の劣化を推定するホットキャリア劣化推定方法であっ
    て、 所定回数動作したときのセルの遅延を計算するための遅
    延パラメータを格納し、かつ、セルの動作回数がそれぞ
    れ異なる複数の遅延ライブラリからなる遅延ライブラリ
    群を準備しておき、 前記遅延ライブラリ群を基にして、対象とするLSIが
    所定期間動作したときの各セルの推定動作回数を用い
    て、各セルについて、前記推定動作回数だけ動作したと
    きの遅延パラメータを求め、これらの遅延パラメータを
    格納した遅延劣化ライブラリを生成する遅延劣化ライブ
    ラリ生成ステップと、 前記遅延劣化ライブラリと、前記LSIについての各セ
    ルの特性情報、セルおよびセル間配線の接続情報、並び
    にセル間配線の抵抗値および容量値などの特性情報を含
    む回路情報とを基にして、前記LSIについて、各セル
    の遅延を計算する遅延計算ステップとを備え、 前記遅延計算ステップによって計算した各セルの遅延を
    基にして、前記LSIの、ホットキャリアの影響による
    信頼性の劣化を推定することを特徴とするホットキャリ
    ア劣化推定方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のホットキャリア劣化推定
    方法において、 前記遅延劣化ライブラリ生成ステップは、 各セルについて、前記遅延ライブラリ群から、当該セル
    の推定動作回数に近い動作回数に対応する2個の遅延ラ
    イブラリを選択し、この2個の遅延ライブラリに格納さ
    れた当該セルの遅延パラメータを基にして、補間によ
    り、前記推定動作回数だけ動作したときの遅延パラメー
    タを求めるものであることを特徴とするホットキャリア
    劣化推定方法。
  9. 【請求項9】 セルレベルで設計されたLSIをタイミ
    ング検証する際に、ホットキャリアの影響による信頼性
    の劣化を推定するホットキャリア劣化推定方法であっ
    て、 対象とするLSIについての各セルの特性情報、セルお
    よびセル間配線の接続情報、並びにセル間配線の抵抗値
    および容量値などの特性情報を含む回路情報と、セルの
    遅延を計算するための遅延パラメータを格納した遅延ラ
    イブラリとを基にして、前記LSIの各セルについて、
    遅延、入力端子における信号波形傾き、および出力端子
    に接続された負荷容量を計算する遅延計算ステップと、 ホットキャリアの影響によるセルの遅延の変化を、セル
    動作回数に伴う遅延パラメータの変化によって表した遅
    延劣化パラメータを基に、前記LSIが所定期間動作し
    たときにおける各セルの推定動作回数と、前記遅延計算
    ステップにおいて計算した入力波形傾きおよび出力負荷
    容量とを用いて、前記LSIが前記所定期間動作したと
    きの各セルの遅延の変化である遅延劣化量を計算する遅
    延劣化量計算ステップと、 前記LSIの各セルについて、前記遅延計算ステップに
    おいて計算した遅延と前記遅延劣化量計算ステップにお
    いて計算した遅延劣化量とを加えることによって、遅延
    を計算する劣化後遅延計算ステップとを備え、 前記劣化後遅延計算ステップにおいて計算した各セルの
    遅延を基にして、前記LSIのホットキャリアの影響に
    よる信頼性の劣化を推定することを特徴としたホットキ
    ャリア劣化推定方法。
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