JP3046215B2 - 印刷鮮明性に優れる複層延伸フィルム積層金属板 - Google Patents

印刷鮮明性に優れる複層延伸フィルム積層金属板

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JP3046215B2
JP3046215B2 JP2612995A JP2612995A JP3046215B2 JP 3046215 B2 JP3046215 B2 JP 3046215B2 JP 2612995 A JP2612995 A JP 2612995A JP 2612995 A JP2612995 A JP 2612995A JP 3046215 B2 JP3046215 B2 JP 3046215B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷鮮明性に優れる複
層延伸フィルム積層金属板に関し、さらに詳しくは、包
装容器に使用するフィルムの光線反射率を上げることに
より印刷鮮明性を高めた延伸フィルムを、缶の外面、も
しくは、蓋の外面に相当する金属板表面側に積層するこ
とにより印刷鮮明性、もしくは、外観を改善した複層延
伸フィルム積層金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、包装材料の機能として単に内
容物の保持性のほかに、色調の鮮明性などの機能が要求
されている。例えば、飲料缶を例にあげると、缶の外面
側の印刷の鮮明性や光沢性を上げるため、通常、白色の
印刷下地層が施されるが、3ピース缶の場合は製缶前の
板に塗装・印刷が施され、2ピース缶の場合は製缶後に
塗装・印刷が施される。近年、2ピース缶および3ピー
ス缶の分野において、塗料の代わりに熱可塑性樹脂フィ
ルムを被覆した缶が市場に出されるようになったが、こ
れらの場合では、白色塗料の代わりに白色フィルム層が
印刷下地層として使用されている。これらの白色印刷下
地層の厚さは金属板の種類にもよるが、約5〜15μm
の範囲にある。この膜厚は印刷層の2倍以上であり、膜
厚減少は製缶エネルギーの削減およびコストダウンに寄
与する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、塗料の代わり
に熱可塑性樹脂フィルムを使用する場合は、フィルム製
膜上の制約からフィルム中の白色顔料濃度を高くできな
いので、フィルム膜厚を厚くせざるを得ない問題があっ
た。本発明は、白色顔料の作用効果を大きくして、フィ
ルム膜厚を減少させることを課題とする。また、本発明
が解決しようとする他の課題は、缶の蓋外面側に使用し
て外観を改善する点にある。さらに本発明の他の課題
は、缶外面の印刷鮮明性に優れる2ピース缶用もしくは
3ピース缶用の複層フィルム積層金属板を得ることであ
り、缶外面側の外観を改善することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の印刷鮮明性に優
れる複層延伸フィルム積層金属板は、金属板の少なくと
も片面に、上層が5〜50重量%の白色顔料を有する厚
さ3〜30μmの熱可塑性樹脂フィルムと、下層が熱可
塑性樹脂との相溶性が悪い添加剤を含んだ厚さ1〜30
μmの熱可塑性樹脂フィルムからなる複層延伸フィルム
を被覆してなることを特徴とする。又、本発明の複層延
伸フィルム積層金属板は、金属板の少なくとも片面に、
上層が5〜50重量%の白色顔料を有する厚さ3〜30
μmの熱可塑性樹脂フィルムと、下層が偏平状の空隙を
周囲に形成した添加剤を含んだ厚さ1〜30μmの熱可
塑性樹脂フィルムからなる複層延伸フィルムを被覆して
なる。さらに、本発明の複層延伸フィルム積層金属板
は、金属板の少なくとも片面に、上層が5〜50重量%
の白色顔料を有する厚さ3〜30μmの熱可塑性樹脂フ
ィルムと、下層が微細な空隙の分散した1〜30μmの
熱可塑性樹脂フィルムの層からなる複層フィルムを被覆
してなる。これらの複層延伸フィルム積層金属板の熱可
塑性樹脂に添加する添加剤は、雲母,炭酸カルシウム,
硫酸バリウム,ガラス,ポリオレフィン,ポリテトラフ
ロロエチレンから選ばれた1種又は2種以上であること
が望ましい。
【0005】
【作用】これらの目的を達成するために、フィルムを複
層化し、下層側に空隙を含む層を形成させる。空隙を形
成させる手段としてフィルムを延伸する工程を利用して
も良い。すなわち、例えば、複層延伸フィルムが二層フ
ィルムである時は、金属板の少なくとも片面に、上層が
5〜50重量%の白色顔料を有する厚さ3〜30μmの
熱可塑性樹脂フィルムの層と、下層が熱可塑性樹脂と相
溶性の悪い添加剤を含む、厚さ1〜30μmの熱可塑性
樹脂フィルムの層を延伸すると、下層の添加剤の周辺に
空隙が形成される。この複層延伸フィルムを積層するこ
とにより、缶外面の印刷鮮明性に優れる延伸フィルム積
層金属板が得られる。熱可塑性樹脂と相溶性の悪い添加
剤としては、例えば、雲母,炭酸カルシウム,硫酸バリ
ウム,ガラス,ポリオレフィン,ポリテトラフロロエチ
レンなどがあげられる。被覆される熱可塑性樹脂として
はポリエステル樹脂,ポリオレフィン樹脂,ポリカーボ
ネート樹脂またはポリアミド樹脂などが好ましく、その
厚さは2層の合計で4〜60μmであることが好まし
い。さらにポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂、エチレンテレフタレート単位を主体
とする共重合ポリエステル樹脂がより適している。上層
となる熱可塑性樹脂フィルムには5〜50重量%の酸化
チタン系白色顔料が添加されていることが必要であり、
また、下層となる熱可塑性樹脂フィルムには0.5〜5
0重量%の雲母,炭酸カルシウム,硫酸バリウム,ガラ
ス,ポリオレフィン,ポリテトラフロロエチレンなどの
添加剤が添加されていることが必要である。本発明は、
缶外面が十分な印刷鮮明性を有する2ピース缶もしくは
3ピース缶用の延伸フィルム積層金属板を得ること、あ
るいは、缶蓋の外面側の外観性を改善する延伸フィルム
積層金属板を得ることを目的とする。2ピース缶の場合
も、3ピース缶の場合も、また、缶蓋の場合も同様の作
用機構により目的が達成される。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。通
常、食缶の外面側には白色の印刷下地層(白色塗料)が
施され、さらにその上に印刷とニスが施されて美麗な缶
に仕上げられる。近年、2ピース缶および3ピース缶の
分野において、塗料の代わりに熱可塑性樹脂フィルムを
被覆した缶が市場に出されるようになったが、これらの
場合では、白色塗料の代わりに白色フィルム層が印刷下
地層として使用されている。これらの白色塗料を印刷の
下地とするのは、表面処理を施した金属板の色調を隠蔽
するためであり、白さに優れた下地ほど印刷鮮映性に優
れる下地であると言える。
【0007】白色顔料を有する熱可塑性樹脂フィルム被
覆金属板の表面の白さの程度は、拡散反射L*(L*はエ
ルスターと読み、明度を表す)値と相関性があり、拡散
反射L* 値が大であるほど熱可塑性樹脂フィルム被覆金
属板の表面が白くなる。ただし、ここで言う拡散反射L
* 値とは、例えば日本電色(株)製の分光色差計SZS
−Σ90などで入射光を試料の法線方向に対して10度
の角度で入射した時の拡散反射成分を測定したL* 値で
ある。
【0008】白色顔料を有する熱可塑性樹脂フィルム被
覆金属板の白さを増すと、下地金属の隠蔽性に優れ、そ
の結果、印刷鮮明性に優れるようになる。熱可塑性樹脂
フィルムの白さを増すには白色顔料濃度を高くするのが
効果的であるが、製膜上の理由により限界がある。した
がって、白色顔料の濃度を一定のままで白さを増す方法
について検討した結果、複層延伸フィルムにすることに
より、従来にない効果の得られることがわかった。複層
延伸フィルムの上層側に白色顔料を有する層を形成し、
下層側に延伸により空隙を生成する添加剤含有層を形成
する構成であれば、複層延伸フィルムは三層でも四層で
も(上層と下層の中間に他の層が形成されていても)同
様の効果が期待できる。
【0009】本発明の複層延伸フィルムは、複層が二層
の場合は、上層(最表層となる場合を含み、相対的に下
層より上にあればよい)が5〜50重量%の白色顔料を
有する厚さ3〜30μmの熱可塑性樹脂フィルムの層
と、下層(金属板と接触している場合を含み相対的に上
層の下にあればよい)が延伸により空隙を生成する添加
剤を含有する厚さ1〜30μmの熱可塑性樹脂フィルム
の層からなる複層延伸フィルムである。空隙を形成する
添加剤は熱可塑性樹脂との相溶性が悪いものが選ばれ、
例えば、雲母,炭酸カルシウム,硫酸バリウム,ガラ
ス,ポリオレフィン,ポリテトラフロロエチレンなどが
あげられる。
【0010】添加剤の熱可塑性樹脂との相溶性は定性的
ではあるが、有機化合物では溶解性パラメーターを指標
に選択することができる。また、無機化合物では接触角
などを指標に選択することができる。
【0011】これらの添加剤の添加目的はフィルムの延
伸時に樹脂と添加剤の界面に薄い空隙を形成することに
ある。この空隙が光線の散乱に多大な作用を及ぼす。熱
可塑性樹脂フィルム中に入射した光線は白色顔料に反射
され、白い色として認識される。白色顔料に衝突しなか
った光線は下地の金属表面で反射され、金属特有の色調
を放つ。顔料や金属表面での光線反射率は媒体である熱
可塑性樹脂フィルムの屈折率と顔料や金属表面の屈折率
の差の大きさによって影響される。通常、熱可塑性樹脂
フィルムの屈折率は1.5〜1.6の範囲にあり、酸化
チタンでは2.4〜3の範囲にある。金属表面は金属種
や表面処理種により異なる。したがって、屈折率差の大
きい酸化チタンが白色顔料として選択される。屈折率の
小さいものから屈折率の大きいものへ光線が入射する場
合は、このように屈折率差が重要である。逆に、屈折率
の大きいものから小さいものへ光線が入射する場合は、
屈折率差に応じて入射角がある値を越えると反射率は1
となるので、屈折率が1.5〜1.6の熱可塑性樹脂フ
ィルム中に屈折率が最小(1.0)の空隙があると、フ
ィルムと空気の界面で多くの光線が反射する。したがっ
て、下地の金属表面に達する光線が減少し隠蔽性が高く
なる。このような空隙の反射作用は、上層の白色顔料を
含むフィルム層の下層で発揮させるのが効果的である。
【0012】したがって、複層フィルムの下層側に微細
な空隙の分散したフィルム層であれば、その製造方法に
よらず効果を発揮する。樹脂との相溶性の悪い添加剤を
使用して、フィルムの延伸工程で微細な空隙を形成させ
る方法の他に、下層となる溶融樹脂中に空隙を形成する
ような不活性ガスなどをバブリングする方法も可能であ
り、この場合は延伸工程は必ずしも必要で無い。
【0013】上層に5〜50重量%の白色顔料を有する
層を形成させる目的は、この層内の白色顔料で入射光を
散乱させると共に、下層からの反射光を散乱させるため
にある。白色顔料としては、無機系、有機系の適用も可
能であり用途により選択されるが、粒径0.2〜0.3
μmの酸化チタン系の顔料を用いることが印刷鮮明性を
もたらす上でより好ましい。添加量が5重量%以下で
は、下層の樹脂フィルムの中に雲母などの添加剤を使用
しても下地の隠蔽性に不十分なため、目的とする十分な
印刷鮮明性を確保することができない。また、50重量
%以上添加するとフィルム強度が低下するため、5〜5
0重量%の添加範囲に限定する。より好ましくは10〜
30重量%に限定される。上層のフィルム厚さは下地の
隠蔽性を確保するには最低3μm以上必要であり、30
μm以上では高コストになるため、3〜30μmと規定
される。より好ましくは5〜15μmに規定される。
【0014】下層を熱可塑性樹脂フィルムと相溶性の悪
い0.5〜50重量%の添加剤を含む厚さ1〜30μm
の熱可塑性樹脂フィルム層としたのはフィルムの延伸に
より添加剤の周囲に微細な空隙を形成させるためであ
る。熱可塑性樹脂と相溶性の悪い無機添加剤としては、
例えば、雲母,炭酸カルシウム,硫酸バリウム,ガラス
などがあげられる。また、有機添加剤としては、ポリオ
レフィン,ポリテトラフロロエチレンなどがあげられ
る。熱可塑性樹脂フィルムとの相溶性の悪い添加剤であ
れば、特に限定をする必要は無いが、雲母など面状に配
向して空隙を形成するものが効果的である。添加剤の形
状は球状でも鱗片状でも良いが、特に鱗片状の場合はそ
の効果が大きい。添加剤が鱗片状の雲母の場合は、0.
5〜50μm、好ましくは1〜10μmの大きさのもの
が使用できる。添加剤が粒状のものは、0.1〜3μm
の粒径のものが適当である。これらの添加剤は、ほぼ、
添加量に比例した効果が得られる。添加量としては0.
5重量%以下では反射の効果が低く、また、50重量%
以上ではフィルム強度が低下するため、0.5〜50重
量%の添加範囲に限定する。より好ましくは5〜20重
量%に限定される。下地金属の色調を隠蔽するには、下
層のフィルム厚さは1μm以上必要であり、30μm以
上では高コストになるため、1〜30μmと規定され
る。より好ましくは1〜10μmと規定される。
【0015】金属板上に樹脂フィルムを被覆する場合、
金属板の両側とも本発明の複層延伸樹脂フィルム層で被
覆してもよいし、缶外面となる側のみ複層延伸樹脂フィ
ルム層で被覆し、缶内面となる側は任意の樹脂で被覆し
てもよい。熱可塑性樹脂を用いる場合は、複層の合計の
厚さが4〜60μmが好ましい。
【0016】金属板としては、鋼板およびアルミニウム
板に種々の表面処理を施したものを使用できる。
【0017】本発明に適用可能な熱可塑性樹脂としては
ポリエステル樹脂,ポリオレフィン樹脂,ポリカーボネ
ート樹脂,ポリアミド樹脂などが挙げられる。ポリエス
テル樹脂は種々のものを使用することができるが、具体
的にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレンテレ
フタレート単位を主体とした共重合ポリエステル樹脂、
あるいはこれらの混合物からなるポリエステル樹脂が挙
げられる。
【0018】熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂である
場合は、ポリプロピレン,ポリエチレンあるいはこれら
のブレンド物などが本発明に適用可能である。
【0019】また熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂
である場合は耐熱性の面から芳香族ポリカーボネート樹
脂であることが好ましい。
【0020】さらにポリアミド樹脂としては6−ナイロ
ン、6,6−ナイロン、6−6,6−コポリマーナイロ
ン、6,10−ナイロン、7−ナイロン、11−ナイロ
ンなどが本発明に適用可能である。
【0021】上記の熱可塑性樹脂フィルムを金属板に被
覆する方法として、金属板の両面に、常法により延伸配
向させたフィルムを熱融着により、または接着剤を介し
て積層する方法、およびこれらの方法を併用した方法な
どがあり、いずれの方法も本発明の樹脂フィルム被覆金
属板の製造方法として適用可能である。
【0022】なお、上記の熱可塑性樹脂フィルムを接着
剤層を介して金属板に積層することは加工密着性を改良
する点でより好ましい。用いられる接着剤は公知のもの
も使用可能であるが、エポキシ基を分子内に有する熱硬
化性重合組成物がより好ましく、熱可塑性樹脂フィルム
の金属板と接する面に塗布、乾燥しても、あるいは金属
板の表面に塗布、乾燥してもよい。
【0023】さらに、缶内面となる側においては、任意
の樹脂が適用可能であるが、熱可塑性樹脂の代わりに塗
料を使用する場合は、エポキシ樹脂に硬化剤として適量
のフェノール樹脂,アミド樹脂,アクリル樹脂などを混
合した、エポキシ基を分子内に有する熱硬化性重合組成
物の使用が好ましい。
【0024】以下本発明の実施例をさらに具体的に説明
する。 (実施例1)通常の薄錫めっき鋼板に、缶内面側となる
面にはポリエチレンテレフタレート88モル%、ポリエ
チレンイソフタレート12モル%からなる二軸延伸した
共重合ポリエステル樹脂フィルム(厚さ:25μm、面
配向係数:0.126 、融点:229℃)を、缶外面側
となる面の上層側には30重量%の白色顔料を有する厚
さ5μmの前記と同一組成のポリエステル樹脂フィルム
と、下層がそれぞれ0.5,1,10重量%の雲母粉末
を有する厚さ5μmの前記と同一組成のポリエステル樹
脂フィルムからなる複層延伸フィルムを積層し、直ちに
水中に浸漬冷却した。乾燥後、厚さ2μmの赤,青,
緑,黄,金色の基準色を多色印刷した。このストライプ
状フィルムラミネート鋼板を溶接缶用ブランクサイズに
切断し、3ピース溶接缶とした。印刷前の下地の白さを
日本電色(株)製の分光色差計SZS−Σ90で拡散反
射L*を測定した値で評価した。この拡散反射L*値は測
定機種や測定条件によっても異なるため、絶対値で判断
すべきではないが、便宜上、缶胴部,缶蓋部共、84以
上を合格とした。また、製缶後の缶外面の印刷鮮明性は
赤,青,緑,黄,金色の基準色を多色印刷した缶を目視
で評価すると共に、視覚で感じる印刷鮮明性の程度は、
印刷が最も鮮明な場合から、黒ずんで鈍い感じを与える
までを、4段階に分けて以下のように評価した。 ◎:非常に鮮明、○:鮮明、△:やや鈍い、×:鈍い
【0025】(実施例2)通常の電解クロム酸処理鋼板
に、缶内面側となる面には厚さ10μmのビスフェノー
ルAポリカーボネート樹脂フィルムを、缶外面側となる
面には上層が20重量%の白色顔料を有する厚さ12μ
mの前記と同一組成のビスフェノールAポリカーボネー
ト樹脂フィルムと、下層がそれぞれ0.5,1,10重
量%のガラス粉末を有する厚さ1μmの前記と同一組成
のポリカーボネート樹脂フィルムからなる複層延伸フィ
ルムを積層し、直ちに水中に浸漬冷却した。乾燥後、両
面にパラフィン系ワックスを約50mg/m2 塗布し、
以後の加工を実施した。まず、直径179mmのブラン
クに打ち抜き後、缶径が100mmの絞り缶とした。つ
いで再絞り加工により缶径80mmの再絞り缶とした。
この再絞り缶を、さらに缶径66mmの薄肉化深絞り缶
とした。製缶後、厚さ2μmの赤,青,緑,黄,金色の
基準色を多色印刷し、缶外面の印刷鮮明性を実施例1と
同様に評価した。
【0026】(実施例3)通常の薄錫めっき鋼板に、缶
内面側となる面には厚さ10μmのエポキシ/フェノー
ル塗料を、缶外面側となる鋼板面に上層が12重量%の
白色顔料を有する厚さ20μmの実施例1に示した共重
合ポリエステル樹脂フィルムと、下層がそれぞれ1,
5,30重量%のポリテトラフロロエチレン樹脂をブレ
ンドした厚さ3μmの前記と同種のポリエステル樹脂フ
ィルムからなる複層延伸フィルムを使用した以外は実施
例1と同じ条件で製缶し、製缶後の缶外面側の印刷鮮明
性を同様に評価した。
【0027】(実施例4)缶外面側となるアルミニウム
面に上層が12重量%の白色顔料を有する厚さ20μm
の実施例1に示した共重合ポリエステル樹脂フィルム
と、下層がそれぞれ0.5,1,10重量%の硫酸バリ
ウムを添加した厚さ3μmの前記と同種のポリエステル
樹脂フィルムからなる複層延伸フィルムを使用した以外
は実施例2と同じ条件で製缶し、製缶後の缶外面側の印
刷鮮明性を同様に評価した。
【0028】(実施例5)缶蓋の外面側となるアルミニ
ウム面に上層が15重量%の白色顔料を有する厚さ10
μmのビスフェノールAポリカーボネート樹脂フィルム
と、下層がそれぞれ、0.5,1,10重量%の炭酸カ
ルシウムを有する厚さ3μmの前記と同種のポリカーボ
ネート樹脂フィルムからなる複層延伸フィルムを積層
し、缶蓋外面側の白さ(下地隠ぺい性)を同様に評価し
た。
【0029】(実施例6)缶蓋の外面側となる電解クロ
ム酸処理鋼板面に上層が15重量%の白色顔料を有する
厚さ10μmのビスフェノールAポリカーボネート樹脂
フィルムと、下層がそれぞれ、1,5,30重量%のポ
リオレフィン(ポリプロピレン)をブレンドした厚さ3
μmの前記と同種のポリカーボネート樹脂フィルムから
なる複層延伸フィルムを積層し、缶蓋外面側の白さ(下
地隠ぺい性)を同様に評価した。
【0030】(比較例1)通常の薄錫めっき鋼板に、缶
内面側となる面には実施例1と同じフィルムを、缶外面
側となる面の上層側には30重量%の白色顔料を有する
厚さ5μmの実施例1と同一組成のポリエステル樹脂フ
ィルムと、下層が0.3重量%の雲母粉末を有する厚さ
5μmの前記と同種のポリエステル樹脂フィルムからな
る複層延伸フィルムを積層し、直ちに水中に浸漬冷却し
た。実施例1と同じ条件で製缶し、実施例1と同様に缶
外面側の印刷鮮明性を評価した。
【0031】(比較例2)通常の電解クロム酸処理鋼板
に、缶内面側となる面には実施例2と同じ厚さの10μ
mのビスフェノールAポリカーボネート樹脂フィルム
を、缶外面側となる面の上層側には20重量%の白色顔
料を有する厚さ12μmの実施例2と同一組成のポリエ
ステル樹脂フィルムと、下層が0.3重量%のガラス粉
末を有する厚さ1μmの前記と同種のビスフェノールA
ポリカーボネート樹脂フィルムからなる複層延伸フィル
ムを積層し、直ちに水中に浸漬冷却した。実施例2と同
じ条件で製缶し、実施例2と同様に印刷後、缶外面側の
印刷鮮明性を同様に評価した。
【0032】(比較例3)通常の薄錫めっき鋼板に、缶
内面側となる面には厚さ10μmのエポキシ/フェノー
ル塗料を、缶外面側となる鋼板面に上層が12重量%の
白色顔料を有する厚さ20μmの実施例1に示した共重
合ポリエステル樹脂フィルムと、下層が0.3重量%の
ポリテトラフロロエチレン樹脂をブレンドした厚さ3μ
mの前記と同種のポリエステル樹脂フィルムからなる複
層延伸フィルムを使用した以外は実施例1と同じ条件で
製缶し、製缶後の缶外面側の印刷鮮明性を同様に評価し
た。
【0033】(比較例4)缶外面側となるアルミニウム
面に上層が12重量%の白色顔料を有する厚さ20μm
の実施例1に示した共重合ポリエステル樹脂フィルム
と、下層が0.3重量%の硫酸バリウムを添加した厚さ
3μmの前記と同種のポリエステル樹脂フィルムからな
る複層延伸フィルムを使用した以外は実施例2と同じ条
件で製缶し、製缶後の缶外面側の印刷鮮明性を同様に評
価した。
【0034】(比較例5)缶蓋の外面側となるアルミニ
ウム面に上層が15重量%の白色顔料を有する厚さ10
μmのビスフェノールAポリカーボネート樹脂フィルム
と、下層が0.3重量%の炭酸カルシウム粉末を有する
厚さ3μmの前記と同種のポリカーボネート樹脂フィル
ムからなる複層延伸フィルムを積層し、缶蓋外面側の白
さ(下地隠ぺい性)を同様に評価した。
【0035】(比較例6)缶蓋の外面側となる電解クロ
ム酸処理鋼板面に上層が15重量%の白色顔料を有する
厚さ10μmのビスフェノールAポリカーボネート樹脂
フィルムと、下層が0.3重量%のポリオレフィン(ポ
リプロピレン)をブレンドした厚さ3μmの前記と同種
のポリカーボネート樹脂フィルムからなる複層延伸フィ
ルムを積層し、缶蓋外面側の白さ(下地隠ぺい性)を同
様に評価した。
【0036】(比較例7)通常の電解クロム酸処理鋼板
に、缶内面側となる面には実施例2と同じ厚さ10μm
のビスフェノールAポリカーボネート樹脂フィルムを、
缶外面側となる面には20重量%の白色顔料を有する厚
さ13μmの前記と同種のポリカーボネート樹脂フィル
ムの単層延伸フィルムを積層し、直ちに水中に浸漬冷却
した。実施例2と同じ条件で製缶し、実施例2と同様に
印刷後、缶外面側の印刷鮮明性を同様に評価した。
【0037】評価した結果を、表1から表3に示した
が、本発明の複層延伸樹脂フィルム被覆金属板は優れた
缶外面の印刷鮮明性もしくは下地隠蔽性を有しているこ
とがわかる。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】本発明の延伸フィルム積層金属板を用い
ることにより、白色顔料を有する樹脂フィルム層の厚さ
を減少させても、缶外面の印刷鮮明性に優れる2ピース
缶および3ピース缶もしくは下地隠蔽性に優れる缶蓋の
製造が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B65D 1/12 B65D 1/12 Z // B29K 105:16 B29L 9:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08 B29C 55/02 B32B 7/02 103 B32B 27/18 B65D 1/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の少なくとも片面に、上層が5〜
    50重量%の白色顔料を有する厚さ3〜30μmの熱可
    塑性樹脂フィルムと、下層が熱可塑性樹脂との相溶性が
    悪い添加剤を含んだ厚さ1〜30μmの熱可塑性樹脂フ
    ィルムからなる複層延伸フィルムを被覆してなる、印刷
    鮮明性に優れる複層延伸フィルム積層金属板。
  2. 【請求項2】 金属板の少なくとも片面に、上層が5〜
    50重量%の白色顔料を有する厚さ3〜30μmの熱可
    塑性樹脂フィルムと、下層が偏平状の空隙を周囲に形成
    した添加剤を含んだ厚さ1〜30μmの熱可塑性樹脂フ
    ィルムからなる複層延伸フィルムを被覆してなる、印刷
    鮮明性に優れる複層延伸フィルム積層金属板。
  3. 【請求項3】 金属板の少なくとも片面に、上層が5〜
    50重量%の白色顔料を有する厚さ3〜30μmの熱可
    塑性樹脂フィルムと、下層が微細な空隙の分散した1〜
    30μmの熱可塑性樹脂フィルムの層からなる複層フィ
    ルムを被覆してなる、印刷鮮明性に優れる複層延伸フィ
    ルム積層金属板。
  4. 【請求項4】 前記添加剤が、雲母,炭酸カルシウム,
    硫酸バリウム,ガラス,ポリオレフィン,ポリテトラフ
    ロロエチレンから選ばれた1種又は2種以上である請求
    項1又は2に記載の複層延伸フィルム積層金属板。
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