JP3046058B2 - 速硬化ウレタン材の吹き付けによる法面の補強・落石防止方法 - Google Patents

速硬化ウレタン材の吹き付けによる法面の補強・落石防止方法

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  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、土木分野において法面を補強し、落石を防
止する方法に関するものである。
更に詳しくは、各種岩石の表面に、ゴム弾性を持ち、
伸びが100%以上の速硬化ウレタンを吹き付けて補強す
ることで、削られた山肌から、岩が落下することを防止
し、道路、線路及びゴルフ場等危険箇所の工事に利用す
ることが出来る。
〔従来の技術〕
従来、法面を補強するには、 1)機械的に補強する方法として、金網、ナイロンネッ
トを、杭またはボルトで固定する方法が行われている。
しかしながら、この方法では、細かい岩は網の目よりこ
ぼれ落ち、完全に防止出来ない欠点があった。
又、ボルト等の機械的な方法のため、長期間の使用に
より、固定が外れることが考えられ、事故に対する対策
も完全ではない。
更に、鉄の金網では錆が発生し、ナイロン等樹脂性の
ものは緑色等、いかにも網が被せてあることがわかり、
美観を重視する法面(ゴルフ場、観光地)には景観保持
の観点から好ましくない。
2)溶剤を含有した塗料、又は水系エマルジョン等を塗
布する方法も行われているが、この方法では、ほぼ垂直
に近い法面の場合、ダレが発生し、厚みを均一に付ける
ことは出来ず、又、一回の塗布厚みもミクロン単位であ
り、補強に必要な膜厚を確保することは難しい。
膜厚を確保するためには、途中に、乾燥工程を入れな
がら10数回の塗り重ねが必要である。
皮膜は一般的に硬く、伸びも100%以下の材料が多
く、下地の動きに追従出来ないため、長期にわたる落石
防止には不十分である。
しかし、色彩及び艶の感じは良好で、美観的には良
い。
3)モルタルの吹き付けを行う方法は、表面に厚みを付
けることは出来るが、事前に金網を張り、下地の固定と
モルタルのダレを防止しておく必要がある。
又硬化に時間がかかるため、吹き付け直後に雨が降っ
た場合には、モルタルが流失してしまう等の問題があ
る。
又モルタルは樹脂と異なり、伸びが無いため、地震等
の地殻変動で、クラックが入ったり、吹き付けたモルタ
ルが脱落したりする。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、自然の岩を削って造成した法面の補強・落
石防止を行うに際し、種々の下地岩石に対応し、岩盤の
凹凸等の形状にとらわれず、補強の程度を、現場で部分
的に変化させることができ、地盤の動きに追従すること
が可能な伸びのある材料で長期間の使用に耐え、かつ周
辺の景観と調和させうる色彩豊かな法面の補強・落石防
止工法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意検討
した結果、伸びが100%以上の速硬化ウレタンを吹き付
けることで、法面の補強を行う方法を開発し、本発明を
完成した。
即ち、本発明は、自然の岩を削って造成した法面の表
面に、ゴム弾性を持った伸びが100%以上の速硬化型ウ
レタンの吹き付け材料を吹き付けて該表面に0.5〜10ミ
リメートルの厚みを持ったウレタン皮膜を、全面又は一
部に密着させた状態で形成させることを特徴とする法面
の補強・落石防止方法に関する。
本発明において形成されたウレタン皮膜は、地盤の動
きに追従し、長期間にわたり法面の補強および落石の防
止効果を保持しうる。
使用する吹き付け材料は、低粘度で、基本的には無溶
剤で使用できる2液システムを使用するもので、A液と
して、末端にイソシアネート基を有した部分プレポリマ
ーを用い、B液として高分子量のポリエーテルに、高反
応性の架橋剤及び硬化触媒を混合した組成としたもの
で、指触乾燥時間を1分以内に調整し速硬化とした状態
で使用する。
本発明で使用する速硬化ウレタン材は、機械的な制約
や、低温施工の必要がある場合は、溶剤を少量(20%以
下)使用し、減粘することも可能である。
本発明に用いられる末端にイソシアネート基を有した
部分プレポリマーとしては、ポリウレタン原料として通
常用いられる、端末にイソシアネート基を有するプレポ
リマーが使用でき、例えば、ハイプレンの名称で市販さ
れている、トリレンジイソシアネート(TDIと略称)を
使用したハイプレンP−760(NCO=8%、PPG変成
品)、P−789(12%,PPG変成)、L−315(8%,PTMEG
変成品)、ジフェニルメタン4,4′−ジイソシアネート
(MDIと略称)を使用したAX−662(9%,PPG変成)、Q
−583(16%,PPG変成)、リムスプレーの名称で市販さ
れているPD−190(11.2%,PPG変成)、PD−150(13.2
%,PPG変成)、PD−130(17%,PPG変成)、PD−450(23
%,PTMEG変成)以上三井東圧化学社製、その他ヘキサメ
チレンジイソシアネートのアダクト体やビューレツト
体、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
トリメチルキシレンジイソシアネート、トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネートとポリオールの部分プレポ
レマー等が挙げられる。
上記の末端にイソシアネート基を有するプレポリマー
は、イソシアネート基含有量8〜26%好ましくは、10〜
28%が適当である。
上記の中でも、リムスプレーの名称で市販されている
PD−190及びPD−150が特にに好ましい。
本発明に用いられる高分子量のポリエーテルとして
は、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール等の多価アルコールにエチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレン
オキサイドの1種又は2種以上を付加重合して得たポリ
エーテルポリオール(PPG);テトラヒドロフランを単
独又はエチレンオキサイドと共に付加重合して得たポリ
テトラメチレンエーテル・グリコール(PTMEG);ポリ
テトラメチレン−エチレンエーテルグリコール;ヒマシ
油、ポリカーボネートポリオール等がある。
以上のほか、ポリカルボン酸と低分子ポリオールとを
反応させて得たポリエステルポリオール及びカプロラク
トンを重合させて得たポリエステルポリオールも使用で
きる。さらに前記の公知のポリエーテルポリオールない
しポリエステルポリオールにアクリルニトリル、スチレ
ン、メチルメタアクリレート等のエチレン性不飽和化合
物をグラフト重合させて得たポリマーポリオール及び1,
2−もしくは1,4−ポリブタジエンポリオールまたはこれ
らの水素添加物も使用できる。ポリオールは単独または
2種以上混合して使用することができる。
上記のポリエーテルは、ヒドロキシル基(OH)含有量
19〜140 KOH mg/g、好ましくは35〜74KOH mg/gが適当で
ある。
上記の中でも、水、グリセリン、トリメチロールプロ
パンにプロピレンオキサイド単独またはエチレンオキサ
イドと共に付加重合したポリプロピレングリコール及び
ポリプロピレン−エチレン−エーテルグリコールが特に
好ましい。
本発明に用いられる高反応性の架橋剤としては、芳香
核に電子吸引性基を含有しない活性芳香族ポリアミンの
使用が好ましい。
例えば2,4−または2,6−ジアミノトルエン(80:20
(重量)の混合物を含む)、2,3−ジアミノトルエン及
び3,4−ジアミノトルエンの混合物、1,3−ジメチル−2,
4−ジアミノベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノ
ベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,
4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,
5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,
5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン(および後者の2
ジアミンの異なる割合による混合物)、1−メチル−3,
5−ターシャリーブチル−2,4−ジアミノベンゼン(およ
び後者の2ジアミンの異なる割合による混合物)、1−
メチル−3,5−ターシャリーブチル−2,6−ジアミノベン
ゼン、4,4′−ジアミノジフェニル、4,4′−ジアミノジ
フェニルエーテル、1,3−及び1,4−フェニレンジアミ
ン、ナフチレン−1,5−ジアミン、1,4−ジイソプロピル
−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジブチル−2,5−ジア
ミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミ
ノベンゼン、2,4−及び/又は4,4′−ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4′−ジアミノジフェニル、2,3−ジメチル
−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジ
アミノナフタレン、2,6−ジイソプロピル−1,5−ジアミ
ノナフタレン、2,6−ジブチル−1,5−ジアミノナフタレ
ン、3,3′,5,5′−テトラメチル−ベンジジン、3,3′,
5,5′−テトライソプロピル−ベンジジン、3,3′,5,5′
−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、
3,3′−5,5′−テトライソプロピル−4,4′−ジアミノ
ジフェニルメタン、3,5−ジエチル−4,4′−ジアミノジ
フェニルメタン3,5−ジエチル−3′−メチル−2′4
−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジイソプロピル−
3′メチル−2,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−
ジエチル−2,2′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−
ジエチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′,
5,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミノジフェニルエー
テル、3,3′,5,5′−テトライソプロピル−4,4′−ジア
ミノジフェニルエーテルなどである。
これらの芳香族ポリアミンは単独または2種以上混合
して使用することができる。
本発明に用いられる硬化触媒としては、例えば錫アセ
テート、錫オクトエート、錫2エチルヘキソエート、錫
ラウレート、錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、
ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、
鉛オクトエート、鉛2−エチルヘキソエート、鉛ナフテ
ネート、ビスマスオクトエート、ビスマスネオデカネー
ト等の有機金属触媒が適当である。
これ等の有機金属化合物は単独または混合して使用す
ることができる。その使用量は使用原料の総量に対し
て、0.01〜5重量%が好ましい。
本発明に用いられる溶媒としては、イソシアネートに
対し、不活性なものなら何でも使用できるが、好ましく
は、トルエン、キシレン等の芳香族系、酢酸エチル、酢
酸ブチル、セロソルブ等のエルテル系、アセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン系が適当である。
その使用量は、20%以下、好ましくは、0〜10重量%
である。
A液とB液との配合割合は、B液中のポリエーテルポ
リオールのヒドロキシル基(OH基)に対するA液中の端
末にイソシアネート基を有するプレポリマーのイソシア
ネート基(NCO基)の当量比(NCO基/OH基)が、0.90〜
1.30が適当である。
本発明に用いられるその他の助剤としては、例えば、
可塑剤、充填剤及び安定剤等が必要により使用される。
可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオクチル(DO
P)、フタル酸ジブチル(DBP)、アジピン酸ジオクチル
(DOA)、リン酸トリクレジル(TCP)、塩素化パラフィ
ン等が適当である。
充填剤としては、例えば、ガラス繊維、カーボンブラ
ツク、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ゼオライ
ト、硅そう土、パーライト、パーミュライト、二酸化チ
タン等が適当である。
安定剤は、例えば、商品名イルガノックス#1010及び
#1076(チバガイギー社製)、ヨシノックス#BHT、#G
SY−930(吉富製薬社製)などの位置障害形フェノール
類、チヌビン#P、#327及び#328(チバガイギー社
製)などのベンゾトリアゾール類、トミソープ#800
(吉富製薬社製)などのベンゾフェノン類、サノールLS
#770及び#744、チヌビン#144(チバガイギー社製)
などの位置障害形アミン類が適当である。
上記速硬化型ウレタン材を吹き付け成形するには、2
液型高圧スプレーマシンが必要である。
マシン本体の例としては、液圧を約100kg/cm2に昇圧
し、材料を予熱することが出来るタイプならば特に形式
にこだわらず使用することが出来る。
実際の機種としては、ポンプに高圧ギヤポンプを用い
た東レエンジニアリング社製THD−2K、アクシャルピス
トンポンプを用いた東邦機械工業社製NR−230型高圧ポ
リウレタン成形機、プランジャーポンプを用いた米国ガ
スマー社製H−2000型等である。
2液の混合に用いるスプレーガンは、衝突混合型の使
用が望ましい。
これは、2液の反応が速い場合には、ローターの回転
により撹拌・混合するダイナミックミキサー又は、静的
管内混合(スタティックミキサー)では使用後、溶剤に
よる洗浄時間が確保出来ないことによる。
但し反応速度を遅くし、指触乾燥時間を1分程度とす
れば、衝突混合方式以外の混合方式も使用可能である。
衝突混合方式では2液を混合するミキシングチャンバ
ーの洗浄方式で分類することが出来るが、ロッドの出し
入れによる機械式クリーニング方式(GX−7ガン(米国
ガスマー社製)等)や空気による洗浄方式(プロブラー
ガン(米国グラスクラフト社製)等)である。
本発明に用いられる吹き付け材料は、硬化時間が極め
て短いため、垂直面、オーバーハング部分に吹き付けて
も、ダレの発生は無く、膜厚の均一性を確保出来る。
この材料は、連続的に吹き付け積層することが可能
で、0.5ミリから成形でき、10ミリ以上の厚膜でも、途
中に乾燥工程を入れずに塗布することが可能となり、成
形された塗膜は継目の無いシームレス皮膜となる。
膜厚が0.5ミリ以下の場合は、塗膜の強度が強くて
も、地盤の変動に耐えられず切れ、剥離等が発生する。
膜厚が10ミリ以上の場合には、塗布した表面が丸味を
帯び、自然の岩の感じが消失する。
又、材料の伸びが100%以下の材料は、膜厚を多少増
しても、下地岩盤の動きに追従することは出来ない。
本発明の材料は、吹き付け施工のため、張り付け工法
と異なり、下地の凸凹等の形状に左右される事なく、原
理的にどんな形でも施工可能である。
また、膜厚を現場で自由に変化させることが出来るた
め、部分的に強度を必要とする場合には、その部分のみ
塗布厚を簡単に変化させることが可能である。
硬化に際しては、初期の状態が低粘度であるため、下
地である岩肌のクラック、及び細かい割れ目の中にも入
り込み、岩肌に錨を下ろした様に内部に入り込み(アン
カー効果)、下地に物理的に固定されるため、接着は良
好で、金網等を必要としない。
又、材料の構造設計を軟らかくし、伸びが100%以上
で、ゴム弾性を持った材料とすることで、地震、地殻の
動きに追従することが可能である。
地盤との密着及び伸びの大きい塗膜を使用しているた
め、長期間にわたり補強効果があり、落石防止を行う事
が出来る。
更に本材料は種々の色に着色可能であるため、周囲の
景観と調和させることが非常に簡単である。
又、本方法によると、ミリ単位の厚みを持っているた
め、表面が何かの原因で削れた場合でも、色調の変化は
起こらない。
しかし、意匠性を重視する用途では、表面に伸びの大
きい塗料を塗布し、本物の岩と同等の感じを出すことも
可能である。
本発明の法面に、伸びが100%以上ある速硬化ウレタ
ン材を吹き付けることにより、補強し落石を防止する工
法をとることで 1)速硬化材料のため、垂直面でもダレが発生せず、 2)連続吹き付け可能で、 3)種々形状への対応が可能となり、 4)岩肌のクラック及び細かい割れ目に入り密着するた
め、接着力が強く、 5)ゴム弾性を有する材料のため、下地の動きに追従す
るので、地殻変動等による割れの発生がなく、長期間安
定した補強、落石防止効果が期待出来る。
6)強度が高いため、塗布厚が10ミリ以下でも強度を保
持し、 7)厚みが薄いので自然の岩の感じが保持出来る。
8)表面に防水膜が出来るので、水の進入が防止出来
る。又、 9)着色は自由に出来るため、カラフルな表面とするこ
とも周辺の景観に合わせる事も可能である。
〔実施例〕
以下、本発明を、更に具体的に説明するため、実施例
及び比較例をあげて説明するが、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。
また、その前提となる成形材料、吹き付けマシン、物
性試験方法につき示す。
成形材料 リムスプレー(三井東圧化学(株)製の速硬化2液型
スプレー材料)の銘柄で市販されている、F−1000(軟
質)及びPD−150(硬質)を使用した。
本材料は、低粘度で指触乾燥時間が20秒以内秒の速硬
化性を示し、物性的にはいずれも伸びが100%以上あり
ゴム弾性を有する材料である。表−1に性状を示す。
吹き付けマシンは、ガスマー社製H−2000を使用し
た。
物性試験方法 吹き付け材料のリムスプレーに関しては表−1に示さ
れているので、吹き付け施工された岩盤の特性把握を行
った。
補強性及び落石の度合を調べるため、下記の方法で試
験を行った。
接着力:約2ミリ厚に下地岩上に吹き付けた後、幅1inc
hに切れ目を入れた試験片を用い、180度ピール試験を実
施。引張り速度は50ミリ/分とした。
繰返屈曲試験:岩を約5センチ厚に切り、補強措置を行
ったサンプルを、300ミリの距離に設置した、直径10ミ
リの丸棒上に置き中間点(両端より150ミリの地点)
を、直径6ミリの丸棒で10ミリストローク/分の条件
で、両側から各1000回行った。
防水性:補強した表面にガラス管を立て、底部を油粘土
で漏水しないように固定した。
ガラス管内部に水を100ミリの高さまで入れ1時間後
の高さを測定した。
耐久性:繰返屈曲試験後のサンプルを目視観察した。
評価項目は、(1)落石(2)はげ落ち(3)割れの
発生とした。
実施例1 軟質粘板岩の地肌を削り、ゴルフ場内の道路を造成し
たが、該岩の強度が弱いため、法面より岩石の小片が落
下し、危険な状態であったため、表面を補強し落石を防
止した。
速硬化吹き付け材料としては、リムスプレーF−1000
(軟質樹脂;表−1参照)を使用した。
吹き付け条件は、A液の温度を60℃、B液の温度を50
℃とし、吐出圧力はA/B液共100kg/cm2とした。
スプレーガンは空気洗浄方式の衝突混合ガンであるプ
ロブラーガンに、ラウンドチャンバー#1を取り付け使
用した。
本岩肌は板状の多数のクラック及び砂状の細片が表面
に観察されたため、接着力の向上を図るため、ウレタン
系の1液プライマー(サンPC(三井東圧化学(株)
製))を1平米当り約100g塗布した。
このプライマーは、固形分が約30%、粘度は12cps、
指触乾燥時間は20分/常温のものである。
本現場では、1時間乾燥後、リムスプレーF−1000
を、平均塗布厚4ミリとし、クラック部分及びオーバー
ハング部分は、厚みを増した状態でスプレーした。
吹き付けは、1回で1ミリ厚とし、4回吹き付けを行
った。補強の必要な部分は、さらに2回吹き付けを行っ
た。
なお、本現場は周囲と色の調和をとり、景観を重視す
るため2台のマシンを使用し、1台はグレーで、もう一
台は黄土色として、部分的に吹き分けたり、スプレーを
同時に行い混合した色を出し自然の色に近くなるような
施工を行った。このため、意匠性は良好であった。
下地との接着強度は、表−2に示した通り、接着強度
は4kg/in.以上で軟質粘板岩の凝集破壊となり、接着は
全く問題無いことが判明した。
これは、吹き付けたウレタン材が分子凝集力の強いウ
レタン基及びウレア基を含有し、硬化したポリマーも3
次元的に架橋した構造をしており、材料が岩肌の隙間や
細かいクラックに入り込み、「アンカー効果」を全面で
発揮しているものと推定する。
繰返屈曲試験の結果、ゴム弾性を有する皮膜のため結
果は良好で、落石、はげ落ち及び割れの発生は認められ
なかった。
実施例2 雲母質砂岩の山肌を切り開き、公園内の道路を造成し
たが、法面より落石があり補強を行った。
工事に先立ち、内部の水を抜く、水抜きパイプ(30
φ)を50平米に1本の割合で設置した。
吹き付け材料は硬く、強度の高いPD−150を使用し、
使用マシンは実施例−1と同様としたが、この現場で
は、下地が岩盤の強度がやや高いため、プライマーは使
用しなかった。
塗布厚は平均3ミリとし、クラックの発生している部
分は、さらに2回の塗布を行った。
本現場は公園のため、周囲との景観に違和感が無いよ
うに、意匠性に重点をおき、表面にアクリルウレタン系
のトツプコート#8500を300g/平米塗布した。
本塗料はリムスプレー用に、伸びを180%と大きく設
計した材料である。
物性試験結果を表−2に示したが、接着力及び繰返屈
曲試験での結果は、実施例1と同様良好あった。
比較例1 実施例1と同じ現場(軟質粘板岩の地肌を削りゴルフ
場内の道路を造成)で、吹き付け材料としてアクリルウ
レタンの溶剤型塗料#8000を使用した。
本塗料の性状及び物性は表−1に示したものである
が、溶剤を約70%含有した材料で硬く、強度、耐候性は
良好であるが、伸びは小さい。
A/B2液を混合後、ビンクス社のスーパービー型エアレ
スプレーマシンを用い吹き付けた。
溶剤含量が多く、低粘度で反応性も遅いため、一回の
塗布では法面が垂直に近いため、0.2ミリ程度しか吹き
厚みを確保出来ず、それ以上の厚みを付けた場合、ダレ
が生じた。
2回目の塗布を行うには、下地層がある程度乾燥して
いることが必要なため、3時間の間隔を置き、1層目と
同様の方法で塗布を行った。
このため、2ミリの厚みを付けるにも3〜4日を要
し、施工性に問題があった。又多量の溶剤を含有してい
るために、スプレー施工した場合、周囲に溶剤臭がひど
く、環境及び衛生問題が心配であった。
色は周辺の岩に近く着色したため良好であった。接着
強度と繰返屈曲試験を行ったが結果は、表−2に示した
通り、接着力は2kg/in.で、界面剥離となり、接着はあ
まり良いとは言えない。
又、塗膜が硬いためか、繰返屈曲試験後、表面にクラ
ックが認められ、防水性試験では水が全量漏水した。
このことは、実施工に於て岩盤が動いた場合、内部に
水が浸透し、冬期に内部で凍結し、岩の割れ又は保護塗
膜の持ち上げ現象等が発生する可能性を示している。
また、表面の観察結果から一部はげ落ち、割れの発生
も認められた。
比較例2 従来工法の表面に金網を張る工事を、実施例と同様の
現場で行った。
使用した金網は、1ミリ径の針金を使用した開口部
が、20ミリ四方のものである。この金網を法面に掛け、
周辺部を金属性の杭で固定した。
しかし、金網の開口部より細かい破片が時折落下して
きて、補強にはなっているものの落石防止効果は不十分
であった。
構造上繰返屈曲試験は行えないが、防水性及び意匠性
には問題がある。
比較例3 従来工法の表面に、モルタルを吹き付ける工事を、実
施例1と同様の現場で行った。
工事に先立ち、針金の径が0.6ミリ開口部が20センチ
四方の金網を掛けた後、モルタルを5センチ厚に吹き付
けた。
しかし、施工直後に雨が降り、一部表面が流失したり
アバタになった。
施工後周囲の色と合わせるため、アクリル塗料を塗布
した。
色調は同等となったが、保護層の厚みが厚いため、全
体に丸みが出てしまい、自然の岩とは違和感が感じられ
た。
接着強度と繰返屈曲試験を行ったが結果は、表−2に
示した通り、接着力はモルタル層が硬く、折り曲げる事
が出来ないため出来なかったが、感触では、そこそこ付
着しているようであった。
又、硬いためか、繰返屈曲試験後表面にクラック、は
げ落ち及び割れが認められ、防水性試験では水が全量漏
水した。
〔発明の効果〕 この発明の方法は、従来方法に比較し、速硬化材料が
使用されるのであるために垂直の施工面においても垂
下、所謂、ダレが発生しないのであり種々の形状の法面
への対応が可能となるのであり岩肌のクラックとその微
細な割れ目にも進入して密着するために接着力が強く下
地の動きにも追従し得るために地殻の変動などによる割
れの発生がなく長期間に亙り安定した補強、落石防止効
果が期待できる。
また、その構成材料自体の強度が大きいためにその塗
布厚さが10mm以下であっても所要の強度が保持されて天
然自然の状態にある岩石であるかの如き視感も維持され
得るのであって、それへの着色も可能自在であり色彩色
調が豊かな法面とすることも、周辺景観に融和させるこ
とも可能であり意匠性の観点においても優れていること
が表2に示されているところから明らかである。
フロントページの続き (72)発明者 杉山 隆 東京都小金井市中町3丁目3番地26号 (56)参考文献 特開 昭52−18014(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 17/30 E02D 17/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自然の岩を削って造成した法面の表面に、
    ゴム弾性を持った伸びが100%以上の速硬化型ウレタン
    の吹き付け材料を吹き付けて該表面に0.5〜10ミリメー
    トルの厚みを持ったウレタン皮膜を、全面または一部に
    密着させた状態で形成させることを特徴とする法面の補
    強・落石防止方法。
  2. 【請求項2】前記速硬化型ウレタンの吹き付け材料が、
    末端にイソシアネート基を有する部分プレポリマーと高
    分子量のポリエーテルとからなる無溶剤または溶剤を20
    %以下含有する2液タイプであって、指触乾燥時間が1
    分以内のものであることを特徴とする請求項1記載の法
    面の補強・落石防止方法。
  3. 【請求項3】2液型高圧スプレーマシンを用い、前記吹
    き付け材料を吹き付けることを特徴とする請求項2記載
    の法面の補強落石防止方法。
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