JP4600983B2 - 地盤表面保護工法 - Google Patents
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<請求項1記載の発明>
請求項1記載の発明は、コンクリート又はモルタルを吹付けて、法面、斜面、断崖面を被覆し保護する地盤表面保護工法であって、周辺の地盤と略同色の顔料が添加されたコンクリート又はモルタルを前記法面、斜面、断崖面に吹付ける吹付工程と、この吹付工程で形成された吹付面に塗料を塗布する塗装工程と、を有する、ことを特徴とする地盤表面保護工法である。
周辺の地盤と略同色の顔料をコンクリート又はモルタルに添加し、このコンクリート又はモルタルを吹付けることにより、地盤表面の保護を行なうと共に、色彩的に周辺の景観に調和させる。そして、ベース色が着色された吹付面の表面に塗料を塗布することにより、周辺の地盤との微妙な色合いや陰影表現等を調整でき、より本物らしいテクスチャーを表現することができる。
請求項2記載の発明は、前記塗料は、溶剤型2液性ウレタン樹脂塗料である、請求項1記載の地盤表面保護工法である。
溶剤型2液性ウレタン樹脂塗料は、高耐候性に優れ、ひび割れに対する追従性が高いことにより、長期間にわたって周辺環境との調和を図ることができる。
請求項3記載の発明は、前記塗料を塗布する前に、前記吹付面に下地シーラーを塗布する、請求項1又は2記載の地盤表面保護工法である。
吹付面を下地シーラーで被膜することで、防水性や塗料の付着性を向上させることができ、長期間にわたって周辺環境との調和を図ることができる。
請求項4記載の発明は、前記コンクリート又はモルタルには、繊維が混入されている、請求項1乃至3のいずれか1項記載の地盤表面保護工法である。
繊維を混入することで、引張強度・靭性の向上を図り、必要とされるセメント量を減らし、それに伴って吹付厚を薄くして、被覆対象の地盤表面の凹凸がでやすくなる。その結果、吹付面に地盤特有の細かい凹凸や亀裂、エッジを強調することができ、既存の地盤そっくりのテクスチャーを表現することができる。また、吹付けるモルタルの厚みを極力抑えることによって、既存の地盤部分との境における段差が目立たなくなる。
法面、斜面、断崖等の風化や浸食作用による落石や崩壊等を防ぐために、従来より、モルタル又はコンクリートを吹付けて表面を被覆し保護することが行われているが、その吹付面の人工的で無機質的な印象を与えるテクスチャーは、周辺環境と調和して景観面で優れているとはとてもいえるようなものではない。例えば、砂岩や礫、泥岩などの地層が露出している急勾配で切り立つ断崖では、風化や浸食作用によって落石と崩壊が起きてしまうため、この表面を被覆して保護する必要があるが、単に断崖をモルタル等で吹き付けるだけでは、前述したように、無味乾燥な景観になってしまう。そのため、景観をそのまま残しながら、安全を確保できる工法が求められており、例えば、前述の断崖では、周辺の断崖面と調和して景観に優れる防災工法が求められていた。
まず、施工対象である法面、断崖、斜面等についての施工に先立って、現場を十分に調査し、コンピュータグラフィックス等を用いて完成後の外観をシュミレーションして再現し、景観や周辺環境との調和をもたらすニーズにあった外観の検討を行なう。必要に応じて、スケール模型を作成して、現状の地盤や岩盤のイメージを忠実に模型に再現することによっても検討する。なお、現場での調査の際には、色見本帳等で地盤のベース色を確認しておき、後述する顔料や表面塗装の塗料配合の参考とする。
セメント等の吹付材料に添加する材料について説明する。
まず、既存の断崖そっくりのテクスチャーを表現するためには、吹付面に岩盤特有の細かい凹凸や亀裂、エッジを強調する必要があり、これを実現するには、吹付けるモルタル又はコンクリートの厚みを極力抑えることによって、岩盤表面の凹凸を吹付面の表面に出しやすくする必要がある。本発明では、この課題を解決するため、セメント等の吹付材料中に繊維を添加することで解決している。すなわち、繊維を入れることで、引張強度・靭性の向上を図り、必要とされるセメント量を減らし、それに伴って吹付厚を薄くして、表面の凹凸がでやすくしている。また、吹付けるモルタルの厚みを極力抑えることによって、既存の断崖部分との境における段差が目立たなくなる効果も生じる。
前述したように、カラーモルタル又はカラーコンクリートを吹付けることによって、色合いとして周辺の地盤と調和させることができるが、より本物らしいテクスチャーを表現するためには、微妙な色合いを調整すると共に、岩盤も含む地盤の割れや陰影等を表現していくため、カラーモルタル又はカラーコンクリートの吹付面の上からの塗装を行なう塗装工程が必要となる。
図2及び図3に、本発明に係る地盤表面保護工法によって、施工された地盤表面保護構造物Nの例を示す。図に示されるように、既存の地盤そっくりのテクスチャーを表現することを可能としたことにより、景観をそのまま残しながら、周辺地盤と調和した地盤表面保護構造物Nを形成することができた。
Claims (4)
- コンクリート又はモルタルを吹付けて、法面、斜面、断崖面を被覆し保護する地盤表面保護工法であって、
周辺の地盤と略同色の顔料が添加されたコンクリート又はモルタルを前記法面、斜面、断崖面に吹付ける吹付工程と、この吹付工程で形成された吹付面に塗料を塗布する塗装工程と、を有する、
ことを特徴とする地盤表面保護工法。 - 前記塗料は、溶剤型2液性ウレタン樹脂塗料である、請求項1記載の地盤表面保護工法。
- 前記塗料を塗布する前に、前記吹付面に下地シーラーを塗布する、請求項1又は2記載の地盤表面保護工法。
- 前記コンクリート又はモルタルには、繊維が混入されている、請求項1乃至3のいずれか1項記載の地盤表面保護工法。
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JP2004370219A JP4600983B2 (ja) | 2004-12-21 | 2004-12-21 | 地盤表面保護工法 |
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JP2004370219A JP4600983B2 (ja) | 2004-12-21 | 2004-12-21 | 地盤表面保護工法 |
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- 2004-12-21 JP JP2004370219A patent/JP4600983B2/ja active Active
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