JP3046050B2 - 着色フイルム被覆金属板及びその製造方法 - Google Patents

着色フイルム被覆金属板及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は着色フイルム被覆金属板及びその製造方法に
関し、さらに詳しくは、着色剤を含有した含フッ素樹脂
系フイルムを被覆してなる金属板及びその製造方法に関
する。
〔従来技術〕
既に本発明者等によって含フッ素樹脂系フイルムを金
属板上に加熱圧着することによるフイルム被覆金属板は
種々開発されてきている。例えば、特願平1−73899
号、同1−139155号同1−262211号及び同2−126572号
等であり、これらは主に含フッ素系樹脂系フイルム中に
着色剤を大量に含有するものより、寧ろ少量の着色剤を
含有するか、もしくはほとんど含有しないフイルムから
なるフイルム被覆金属板に関するものであった。
本発明者らは、市場の強い要請により、含フッ素樹脂
系フイルム中に着色剤を大量に含有するフイルムからな
る着色フイルム被覆金属板の試作を行ったが、従来の被
覆方法では、フイルムと金属板との接合強度は充分では
なく、長期間の使用により、一部フイルムが剥離する可
能も推定されるものであった。そこで本発明者は、長期
間に亘って使用しても、金属板から剥離することが全く
ない着色フイルム被覆金属板の開発を鋭意続行した結
果、本発明に至ったのである。
〔発明の解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、前述の従来技術が有していた問題点
を解決すべくなされたものであり、従来全く知られてい
なかった着色フイルム被覆金属板及びその製造方法を提
供するものである 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、前述の問
題点を解決すべくなされたものであり、着色した含フッ
素樹脂系フイルムを金属板上に被覆するに際し、前記フ
イルム及び/又は金属板を実質的に酸素の存在しない雰
囲気下で加熱し、実質的に酸素の存在しない雰囲気下で
加熱金属板上にフイルムを積層・載置し、互いに加圧々
着した後、得られたフイルム被覆金属板を実質的に酸素
の存在しない雰囲気下で再加熱処理することを特徴とす
る着色フイルム被覆金属の製造方法を提供するものであ
る。
しかして、本発明によれば、強力な熱融着力を有し、
かつ長期間の屋外使用可能な着色フイルム被覆金属板及
びその製造方法が得られるのである次に本発明の構成要
因について、詳細に説明する。
本発明において「含フッ素樹脂」とは、樹脂の分子構
造式中にフッ素を含む熱可塑性樹脂であれば特に制限さ
れるものではないが、具体的には、例えば、樹脂の分子
構造式中に4個フッ素原子を有する四フッ化エチレン系
樹脂、さらに三フッ化エチレン系樹脂、二フッ化エチレ
ン系樹脂、一フッ化エチレン系樹脂及びこれら樹脂の混
合物等であり、中でも、四フッ化エチレン系樹脂及び三
フッ化エチレン系樹脂が好ましく、さらに四フッ化エチ
レン系樹脂が好ましい。ここで、四フッ化エチレン系樹
脂とは、具体的には、例えば四フッ化エチレン樹脂(PT
FE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルコキシエチレ
ン共重合体(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロ
ピレン・パーフロロアルコキシエチレン共重合体(EP
E)及び四フッ化エチレン・エチレン共重合体(ETFE)
等があり、中でもPFA、ETFE及びEPEが好ましく、特にET
FEが好ましい。ETFEを具体的に説明すると、エチレン及
び四フッ化エチレンを主体とし(エチレン/四フッ化エ
チレンのモル比は一般に40/60〜60/40にある)、そして
必要により、これに少量(通常10モル%以下)の第3の
コモノマー成分を共重合させたものであり、本発明で
は、殊にエチレン/四フッ化エチレンの含有モル比が40
/60〜60/40、好ましくは45/55〜55/45の範囲内にあり、
且つ、式CH2=CH−Cn F2n+1(ここで、nは2〜10の
整数である)で示されるパーフルオロアルキルビニルモ
ノマー単位(例えば、CH2=CH−C4H9またはCH2=CH−C6
H13から誘導される単位)の含有量が0.1〜10モル%、好
ましくは0.3〜5モル%の範囲内にあるETFEが好適に使
用される。このETFEはそれ自体既知のものであり、例え
ば特公昭59−50163号公報に記載の方法で製造すること
ができ、また、市販品として旭硝子(株)より「アフロ
ンR COP」なる商品名で市販されているものを使用す
ることもできる。
また、上記三フッ化エチレン系樹脂とは、具体的に
は、例えば、三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)及び
三フッ化塩化エチレン・エチレン共重合体(ECTFE)等
であり、中でもCTEFEが好ましい。前記二フッ化エチレ
ン系及び一フッ化エチレン系樹脂とは、具体的には、例
えばフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)及びフッ化ビニル樹
脂(PVC)等である。
また、本発明で使用される「着色剤」とは、前記含フ
ッ素樹脂系フィルム中に添加配合される着色剤であり、
特に限定するものではないが、例えば、白色系、赤色
系、朱色系、黄色系、緑色系、青色系、紫色系及び黒色
系着色剤がある。さらに具体的には、白色系着色剤とし
ては、例えば、亜鉛華系(ZnO)、酸化チタン(Ti
O2)、リトポン(ZnS+BaSO4)、硫化亜鉛(ZnS)、赤
色系着色剤としては例えば、カドミウムレッド(CdS+C
dSe)、アンチモンレッド(2Sb2S3・Sb2O3)、イルガジ
ンレッド、ペリレンレッド、朱色系着色剤としては例え
ば、酸化鉄系〔Fe2O3+(FeO)〕、クロムバ−ミリオン
(PbCrO4・PbMoO4・PbSO4)、アンバ−系(Fe2O3+MnO2
+Mn3O4)、黄色系着色剤としては例えば、クロムイエ
ロ−系(PbCrO4)、亜鉛黄系(ZnCrO4)、クロム酸バリ
ウム系(BaCrO4)、カドミウムイエロ−系(CdS)、チ
タンイエロ−系(TiO2・NiO・SbO3)、オ−カ−系(Fe2
O3SiO2Al2O3)、緑色系着色剤としては例えば、フタロ
シアニン系、クロムグリ−ン系(紺青+黄鉛)、コバル
トグリ−ン系(CoOZnOMgO)、セルリアンブル−(CoO・
nSn・O2・mMgO)、青色系着色剤としては例えば、群青
(3NaAl・SiO4・Na2S2)、紺青〔Fe4〔Fe(CN)
・nH2O〕、コバルトブル−(CoO・nAl2O3)、シアニン
ブル−系、紫色系着色剤としては例えば、コバルト紫
[Co3(PO4]コバルト紫[Co3(AsO4]、ジオ
キサンバイオレット及び黒色系着色剤としては例えば、
カ−ボンブラック、鉄黒、アニリンブラック、シアニン
ブラック等がある。
これら着色剤の含フッ素樹脂への添加量は、特に規制
されるべきものではないが、一般的には、0.001〜50PH
R、好ましくは0.01〜30PHR、特に好ましくは0.003〜20P
HRである。
また、上記含フッ素樹脂系フイルムの膜厚は特に制限
されるものではなく、いづれの膜厚でも良いが、一般的
には、5〜500μ、好ましくは10〜200μ、特に好ましく
は20〜100μである。
また、本発明でいう「金属板」とは、特に限定される
ものではなく、いづれの金属板でも使用できるが、一般
的には、例えば、鉄系、アルミニウム系、銅系、チタン
系及びニッケル系等の金属板であり、中でも、鉄系、ア
ルミニウム系及び銅系金属板が好ましく、特に鉄系及び
アルミニウム系金属板が好ましい。前記鉄系金属板と
は、組成的に主に鉄が含有されている金属板であればい
づれの金属板でも良く、具体的には、例えば、冷延鋼
板、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニウ
ムメッキ鋼板、銅メッキ鋼板、ステンレス鋼板、リン酸
処理鋼板及びアルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板等があ
り、中でも、亜鉛メッキ鋼板亜鉛合金メッキ鋼板、アル
ミニウムメッキ鉛鋼板及びアルミニウム−亜鉛合金メッ
キ鋼板が好ましい。
また、前記アルミニウム系金属としては、組成的に主
にアルミニウム金属が含有されている金属であればいづ
れの金属でも良いが、一般的には、例えば昭和57年9月
30日、(社)軽金属協会発行「アルミニウムハンドブッ
ク(第2版)」第13〜22頁記載のアルミニウムであり、
具体的には、純アルミニウム、(Al−Cu)系、(Al−M
n)系、(Al−Si)系、(Al−Mg)系、(Al−Mg−Si)
系及び(Al−Zn−Mg)系等があり、中でも純アルミニウ
ム系、Al−Mn)系及び(Al−Mg)系が好ましい。
さらに前記銅系金属としては、組成物に主に銅が含有
されている金属であればいづれの金属でも良いが、一般
的には、例えば、純銅系、黄銅系、青銅系及びしんちゅ
う系等の金属がある。
本発明における金属板の板厚は特に規定すべきもので
はないが、一般的には、例えば0.15〜4mm、好ましくは
0.2〜2.2mmである。
次に本発明による金属板に含フッ素樹脂系フイルムを
被覆する工程の1例について説明するが、フイルムを加
熱融溶接着するには従来行われている方法により接合す
ることができる。一般的には例えば、全処理工程、加熱
工程、フイルム積層、加圧工程、再加熱工程及び冷却工
程等の工程により、得ることができる。以下工程につい
て説明する。
(1)前処理工程 本工程は、金属板と含フッ素樹脂系フイルムとを、よ
り強力に被覆するために、必要に応じ行う工程である。
金属板の前処理工程 金属板の前処理の目的は、表面に付着している油状
物、異物、酸化被覆等を洗浄除去すること、また研磨等
により地金を表面に露出せしめることまた、表面メッ
キ、酸処理等の表面処理を施すこと、さらに必要に応じ
て、表面に粗度をつけくこと等を行う。
a.表面洗浄 特に限定されるものではなく、従来、特定金属で行わ
れている洗浄方法が使用され、例えば脱脂方法として
は、有機溶剤、アルカリ性水溶液、界面活性剤等により
脱脂、洗浄する。
b.表面研磨 例えば機械的及び化学的研磨等により、表面研磨し、
地金を表面に露出させることができる。
c.表面処理 必要に応じ、フイルムを被覆する表面にメッキ処理、
金属酸化物膜層を設置する被膜処理、防錆処理等の化成
処理を行うことができる。例えば、鉄系金属の化成処理
の具体例としては、例えば、リン酸亜鉛、リン酸カルシ
ウム等のリン酸塩処理及び反応型クロメートや塗布型ク
ロメート等によるクロメート処理等がある。
d.表面粗化 ブラッシング、サンドブラスト及びショットブラスト
等の物理的手段による表面粗化方法、あるいは化学的電
気化学的エッチング方法及びこれらの組み合わせによる
表面粗化方法により表面を粗化することができる。
フイルムの前処理工程 フイルム面に付着している油状物、異物等を除去する
こと、また、コロナ放電処理、薬材処理等により、酸化
被膜等を付与すること、さらに、種々の表面処理剤、例
えば、アルミノシラン、ビニルシラン、メルカプトシラ
ン等を塗布すること等の処理を行うことができる。
(2)加熱工程 前処理を行った金属板を実質的に酸素の存在しない雰
囲気下で加熱処理する工程であり、必要に応じ、フイル
ムをも同時に加熱処理する工程である。
加熱雰囲気 上記でいう「実質的に酸素の存在しない雰囲気」と
は、前記前処理工程を受けた金属板及びフイルムの表面
状態を、実質的に保持しつつ加熱ができる雰囲気であれ
ば、特に制限するものではないが具体的には、酸素含有
量が1%以下、好ましくは0.5%以下、さらに好ましく
は0.2%以下、特に好ましくは0.01%以下にある雰囲気
である。この加熱雰囲気にするために、不活性ガスで充
満するか、もしくは真空状態にして加熱することができ
る。不活性ガスの種類は、いづれでも良いが、一般的に
は、窒素ガス、アルゴンガスが好ましい。
また、真空状態とは、5Torr以下、好ましくは1Torr以
下、さらに好ましくは0.1Torr以下である。
加熱温度 加熱温度は、被覆する含フッ素樹脂系フイルム及び金
属板の種類によって、適宜最適温度が決定されるが、一
般的には、含フッ素樹脂系フイルムが溶融点である軟化
点温度(mp)以上、好ましくは(mp+30)℃以上、さら
に好ましくは(mp+50)℃以上、熱分解温度以下とする
ことが望ましく、具体的には、例えば、ETFEでは一般的
に260〜370℃、好ましくは280〜330℃、PFAでは一般的
に280〜400℃、PCTFEでは一般的に180〜350℃、好まし
くは210〜290℃、及びPVDFでは250〜300℃等である。
加熱時間 加熱時間は、特に規定すべきものではなく、少なくと
も金属板の表面が、加熱温度に到達するまでの時間であ
ることが必要で、金属板の種類及び板厚等によって適宜
決定されるが、一般的に1〜20分、好ましくは3〜15
分、さらに好ましくは5〜10分程度である。
(3)積層工程 本工程は、加熱された金属板上に含フッ素樹脂系フイ
ルムを、積層・プレスにより被覆する工程である。
積層雰囲気 積層雰囲気は、少なくとも加熱金属板上にフイルムが
積層・載置されるまでは、実質的に酸素の存在しないも
のであり、その雰囲気は前工程(2)、に準ずること
が好ましい。
プレス 加熱金属板上に積層・載置されたフイルムを、例えば
2本のロール等により連続的にプレスして強力に被覆す
る工程である。ここで、フイルムに接するロールは、ゴ
ムロールもしくは金属ロール等フイルムと粘着しないロ
ールが好ましく、加圧力は5〜30kg/cm2、好ましくは10
〜20kg/cm2である。
(4)再加熱工程 本工程は、前工程で得られたフイルム被覆金属板の金
属板とフイルムとの融着力をさらに強力なものとするた
めに、行う再加熱工程である。
加熱雰囲気 加熱雰囲気は、実質的に酸素の存在しないものであ
り、その雰囲気は前工程(2)、に準ずることが好ま
しい。
加熱温度 加熱温度は、被覆する含フッ素樹脂系フイルム及び金
属板の種類によって適宜最適温度が決定されるが、一般
的には、含フッ素樹脂系フイルムの軟化点温度(mp)以
上、好ましくは(mp+20)℃以上、さらに好ましくは
(mp+30)℃以上、熱分解温度以下とすることが望まし
く、具体的には、前記着色剤を含有していないフイルム
の場合、例えばETFEでは一般的に260〜370℃、好ましく
は280〜330℃、PFAでは一般的に280〜400℃、PCTFEでは
一般的に180〜350℃、好ましくは210〜290℃、及びPVDF
では200〜250℃等である。
また、前記着色剤を含有するフイルムの場合、上記温
度より、さらに高温にする必要があり、添加する着色剤
により、さらに高温とする温度が異なる。例えば、有機
系着色剤では20〜30℃、無機系着色剤では20〜50℃高温
とすることが必要である。
加熱時間 加熱時間は、特に規定すべきものではなく、少なくと
も金属板の表面が、加熱温度に到達するまでの時間であ
ることが必要で、金属板の種類及び板厚等によって適宜
決定され、また含フッ素樹脂系フイルムに着色剤を含有
していない場合には、一般的に1〜20分、好ましくは3
〜15分、さらに好ましくは5〜10分あるが、着色剤を含
有する場合には、さらに少なくとも2分以上延長するこ
とが肝要である。
(5)冷却工程 本工程では、再加熱されたフイルム被覆金属板を室温
までに冷却する工程であり、例えば、風冷ファン、水等
により冷却することができる。ここで不均一な冷却を行
うと板に歪や変形が生じるので均一に冷却することが望
ましい。
以上の工程によって得られた本発明フイルム被覆金属
板は、実質的に酸素の存在しない雰囲気下で金属板及び
含フッ素樹脂系フイルムに加熱し、融着・接合化するた
め、金属板及び含フッ素樹脂系フイルムが酸化劣化をほ
とんど受けておらず、よって金属板と含フッ素樹脂系と
フイルムとは強力な融着力を示し、かつ長期間の使用可
能なものになるものと思われる。
このようにして得られた着色フイルム被覆金属板は、
ビル内外装材、看板、シャッター、トンネル内壁材及び
自動車、電車等の車両用内外装材等産業界に広く使用さ
れるもので、業界に寄与するところ極めて大きい。
以下実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明
は、実施例にのみ限定されるべきものではないことは、
言うまでもない。
実施例1. 四フッ化エチレン/エチレンの含有モル比が53/47で
あり、流動開始温度280℃、熱分解開始温度350℃であ
り、300℃における容量流速が90mm2/秒のエチレン−四
フッ化エチレン共重合体(ETFE)100部と着色剤として
弁柄10部とを、同方向2軸押出機で混練してカラーペレ
ットを得た。この時の混練条件としては温度300℃、回
転数100rpm、L/D=30であった。このカラーペレットか
ら加熱溶融押出法で成形した、厚さ50ミクロンの無孔質
の着色フイルムを用意する。
一方、厚さ2.0mmのJIS・H−4000に示されるA5052系
のアルミニウム圧延板の片面を、平均凹凸深さ10〜15ミ
クロン(表面粗度)、凹凸周期10〜20ミクロンサンドブ
ラストした後、上記サンドブラスト面を電解エッチング
処理する。この電解エッチング処理は、NaCl3%水溶液
を使用し、40℃の温度で電解密度4アンペア/dm2にて通
電量35クーロン/cm2にて行った。
エッチング面を水洗、乾燥した後、このアルミニウム
板を310℃に予熱し、エッチング面に前記着色フイルム
を重ね、加圧力20kg/cm2で圧着し、引き続いて315℃で1
0分間再加熱処理して熱融着し、上記アルミニウム板上
にフッ素系樹脂層を形成された本発明の樹脂被覆金属板
を得た。
実施例2. 実施例1において、弁柄のかわりにフタロシアニンブ
ルーを5部添加して樹脂被覆金属板を得た。
実施例3〜24 実施例1において、着色剤及びその添加量、さらに再
加熱温度を表−1記載のとおりとした以外実施例1と同
様にして、本発明の樹脂被覆金属板を得た。
実施例35 実施例1において、含フッ素樹脂を三フッ化塩化エチ
レン樹脂(PCTFE)とし、再加熱温度を280℃とした以
外、実施例1と同様にして、樹脂被覆金属板を得た。
実施例36 実施例1において、金属板を鋼板とした以外、実施例
1と同様にして、樹脂被覆金属板を得た。
比較例1 実施例1において、再加熱処理を行わないこと以外、
実施例1と同様にして、樹脂被覆金属板を得た。
比較例2 実施例1において、再加熱温度を360℃としたこと以
外、実施例1と同様にして、樹脂被覆金属板を得た。
以上、実施例1〜36、比較例1〜2によって、得られ
た樹脂被覆金属板の含フッ素樹脂系フイルムと金属板と
の熱融着性樹脂被覆金属板の曲げ加工性及び長期間使用
による着色剤の変色性を評価し、その結果を表−2に示
した。
キャス試験 JISH8681に規定するキャス試験を実施した。具体的に
は、JISZ2371(塩水噴霧試験方法)に規定された装置、
キャス試験機ISO型(スガ試験(株)製)を用い、試験
液にはJISH8681に規定されている塩化ナトリウム(5
%)、塩化第二銅(0.26%)、酢酸(0.1%)の混合溶
液(pH3.0)を用いる。試験片は70×200mmとし、その片
隅に一辺が約70cm長の「×」印をカッターにより金属板
に至るように切り込みを入れた。
評価は、250時間後、「×」部に生じた最大浸食幅を
実測することにより行った。
浸食幅とは「×」の一辺の長手方向に対し、直角方向
に侵食長さである。この幅が小さい程、樹脂フイルムと
金属板との熱融着性が、優れていることになる。
曲げ加工性 長さ100mm、幅50mm、厚さ2mmの試験片の中央に直径2m
mの鋼製丸棒を配し、該丸棒を支点として180℃の曲げ加
工を行い、その際に曲げ部分に生じるクラック・剥離の
有無を調べた。
判定基準 ◎ フイルム・被膜のクラックがなく、10%塩酸中に
浸漬しても(耐酸テスト)ガスの発生がない。また、基
材のクラック発生もない。
○ 基材金属のクラックによるしわが発生するが耐酸
テスト合格し、フイルムのタラックがない。
△ 目視判定では、フイルム・被膜のクラックはない
が、耐酸テストによりガスの発生が見られる。
× 目視によりフイルム・被膜のクラックが明白であ
る。
耐候性 JISA1415−1977に示されるWS型サンシャインカーボン
(スガ試験機製)を用いて、5000時間の促進暴露試験を
行い、保存試験片の外観変化を比較した。
判定基準 ◎ 保存試験片に比べ、表面劣化や光沢低下が名く、
色調の変化もわずかである。
○ 色差ΔEが5未満であるが、光沢低下が少な
い。
△ 色差ΔEが5以上10未満であり、光沢低下がみ
とめられる。
× 色差ΔEが10以上であり、表面の白化や劣化が
明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−98372(JP,A) 特開 昭57−43832(JP,A) 特開 平1−267034(JP,A) 特公 昭58−58227(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着色した含フッ素樹脂系フイルムを金属板
    上に被覆するに際し、前記フイルム及び/又は金属板を
    実質的に酸素の存在しない雰囲気下で加熱し、実質的に
    酸素の存在しない雰囲気下で加熱金属板上にフイルムを
    積層・載置し、互いに加圧々着した後、得られたフイル
    ム被覆金属板を実質的に酸素の存在しない雰囲気下で再
    加熱処理することを特徴とする着色フイルム被覆金属板
    の製造方法。
  2. 【請求項2】該含フッ素樹脂が、四フッ化エチレン系樹
    脂である特許請求の範囲第1項記載の着色フィルム被覆
    金属板の製造方法。
  3. 【請求項3】該含フッ素樹脂が三フッ化エチレン系樹脂
    である特許請求の範囲第1項記載の着色フィルム被覆金
    属板の製造方法。
  4. 【請求項4】該四フッ化エチレン系樹脂が、エチレン−
    四フッ化エチレン共重合体(ETFE)である特許請求の範
    囲第2項記載の着色フィルム被覆金属板の製造方法。
  5. 【請求項5】該金属がアルミニウム(Al)系金属である
    特許請求の範囲第1項記載の着色フィルム被覆金属板の
    製造方法。
  6. 【請求項6】該金属が鉄(Fe)系金属である特許請求の
    範囲第1項記載の着色フイルム被覆金属板の製造方法。
  7. 【請求項7】該着色剤が、亜鉛華系(ZnO)、酸化チタ
    ン(TiO2)、リトポン(ZnS+BaSO4)、硫化亜鉛(Zn
    S)、カドミウムレッド(CdS+CdSe)、アンチモンレッ
    ド(2Sb2S3・Sb2O3)、イルガジンレッド、ペリレンレ
    ッド、酸化鉄系〔Fe2O3+(FeO)〕、クロムバ−ミリオ
    ン(PbCrO4・PbMoO4・PbSO4)、アンバ−系(Fe2O3+Mn
    O2+Mn3O4)、クロムイエロ−系(PbCrO4)、亜鉛黄系
    (ZnCrO4)、クロム酸バリウム系(BaCrO4)、カドミウ
    ムイエロ−系(CdS)、チタンイエロ−系(TiO2・NiO・
    Sb2O3)、オ−カ−系(Fe2O3SiO2Al2O3)、フタロシア
    ニン系、クロムグリ−ン系(紺青+黄鉛)、コバルトグ
    リ−ン系(CoOZnOMgO)、セルリアンブル−(CoO・nSnO
    2・mMgO)、群青(3NaAl・SiO4・Na2S2)、紺青〔Fe
    4〔Fe(CN)・nH2O〕、コバルトブル−(CoO・nA
    l2O3)、シアニンブル−、コバルト紫〔Co3(PO4
    コバルト紫〔Co3(AsO4〕、ジオキサジンバイオレ
    ット、カーボンブラック、鉄黒、アニリンブラック、及
    びシアニンブラックである特許請求の範囲第1項記載の
    着色フィルム被覆金属板の製造方法。
  8. 【請求項8】該再加熱処理温度が、含フッ素樹脂の軟化
    温度(mp)以上、熱分解温度以下である特許請求の範囲
    第1項記載の着色フィルム被覆金属板の製造方法。
  9. 【請求項9】特許請求の範囲1〜8のいずれかに記載の
    製造方法で得られた着色フイルム被覆金属板。
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