JP3045404U - じょうろ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】資源の有効利用をはかり、コスト低廉に、かつ
取扱性や機能性にも優れた有用なじょうろを提供する。 【解決手段】片側の端面が開放された金属製の空き缶１
０に、合成樹脂製の蓋体１を取り付け、じょうろを形成
した。この蓋体１は、空気孔２ａが設けられた蓋部２
と、蓋部２の裏面側に設けられた嵌合部４と、蓋部２の
表面の片側寄りに突設された注ぎ部３と、注ぎ部３の先
端に着脱可能に取り付けられるキャップ５とからなり、
嵌合部４は、空き缶１０の外径とほぼ等しい内径を有す
る周壁４ｂの下端内周に、空き缶１０の巻締め端縁部１
０ａの下側に嵌まり込む突条を設けたものであり、上記
注ぎ部３は、先細中空の筒状のものであり、上記キャッ
プ５は、表面に多数の小孔５ａを設けたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、缶詰や清涼飲料などの空き缶を利用したじょうろに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の飲料容器を利用したじょうろとしては、登録実用新案公報第３ ０３１５６２号に示されるものがあった。

【０００３】 このじょうろは、図６に示すように、一端が開口した中空角柱状の紙容器２０ と、この紙容器２０に着脱可能に取り付けられる合成樹脂製の口部３０とで構成 されている。上記口部３０は、紙容器２０の開口２１を塞ぐ蓋板３１に、この開 口２１に着脱可能に嵌合する短筒３２を突設し、蓋板３１の下部にシャワー用の 複数の小孔３３を設け、蓋板３１の上部に上記小孔３３よりも大きな切欠孔３４ を開設したものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来のじょうろは、紙容器を利用したものであり、しかもこの紙容器 は、一端が開口しているので、強度的に弱く、水を入れた状態で持ち上げると、 容易に変形し、開口に嵌合した口部が外れ易いという問題点があった。

【０００５】 また、このじょうろは、短筒が紙容器の開口内に嵌合することにより、口部が 紙容器に取り付けられるようになっているので、取り付けられる対象となる紙容 器の大きさ（開口寸法）が限定されるという問題点もあった。

【０００６】 さらにこのじょうろは、蓋板にシャワー用の小孔を設けているので、狭小な個 所への水やりが行い難いという問題点もあった。 本考案は、上記従来のじょうろが有していた問題点の解決を課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、本考案のうち、請求項１記載の考案は、片側の 端面が開放された金属製の空き缶と、この空き缶に着脱可能に取り付けられる合 成樹脂製の蓋体とで、じょうろを構成し、上記蓋体は、空気孔が設けられた蓋部 と、蓋部の裏面側に設けられた嵌合部と、蓋部の表面の片側寄りに突設された注 ぎ部と、注ぎ部の先端に着脱可能に取り付けられるキャップとを有し、上記嵌合 部は、空き缶の外径とほぼ等しい内径を有する周壁の下端内周に、空き缶の巻締 め端縁部と嵌合する突起または突条を設けたものとし、上記注ぎ部は、中空の筒 状のものとし、上記キャップは、表面に多数の小孔を設けたものとした。

【０００８】 請求項２記載の考案は、片側の端面が開放された金属製の空き缶と、この空き 缶に着脱可能に取り付けられる合成樹脂製の蓋体とで、じょうろを構成し、上記 蓋体は、空気孔が設けられた蓋部と、蓋部の裏面側に設けられた嵌合部と、蓋部 の表面の片側寄りに突設された注ぎ部と、注ぎ部の先端に着脱可能に取り付けら れるキャップとを有し、上記嵌合部は、空き缶の外径とほぼ等しい内径を有する 周壁の下端内周に、空き缶の巻締め端縁部と嵌合する突起または突条を設けたも のとし、上記注ぎ部は、中空の筒状のものとし、上記キャップは、表面に多数の 小孔を設け、可撓片を介して蓋体と一体成形されたものとした。

【０００９】 請求項３記載の考案は、片側の端面が開放された金属製の空き缶と、この空き 缶に着脱可能に取り付けられる合成樹脂製の蓋体とで、じょうろを構成し、上記 蓋体は、空気孔が設けられた蓋部と、蓋部の裏面側に設けられた嵌合部と、蓋部 の表面の片側寄りに突設された注ぎ部と、注ぎ部の先端に着脱可能に取り付けら れるキャップとを有し、上記嵌合部は、各種空き缶の外径とほぼ等しい内径を有 する複数の周壁を、段状に設け、それぞれの周壁の下端内周に、対応した空き缶 の巻締め端縁部と嵌合する突起または突条を設けたものとし、上記注ぎ部は、中 空の筒状のものとし、上記キャップは、表面に多数の小孔を設け、可撓片を介し て蓋体と一体成形されたものとした。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下、本考案を図示した実施の形態に基づき詳細に説明する。 図１は、本考案に係るじょうろの使用状態斜視図である。図示したように本考 案のじょうろは、空き缶１０とこの空き缶１０に取り付けられた蓋体１とで構成 されている。

【００１１】 上記蓋体１は、軟質の合成樹脂で成形されたものであり、図２並びに図３に示 すように、中心から外れた外周寄り位置に空気孔２ａが設けられた蓋部２の裏面 側（図３において下側）に、上下二段の周壁４ａ，４ｂからなる嵌合部４を設け ると共に、上記蓋部２の表面側（図３において上側）に筒状の注ぎ部３を突設し たものである。

【００１２】 上記嵌合部４は、上下の周壁４ａ，４ｂの下端内周に、それぞれ突条４０ａ， ４０ｂを設けたものであり、上下の周壁４ａ，４ｂは、それぞれその内径が、取 り付け対象となる空き缶の外径とほぼ等しい寸法に形成されている。

【００１３】 上記注ぎ部３は、先細の中空の筒状に形成されたものであり、その内部は上下 方向に貫通している。 また、注ぎ部３の上端には、表面に複数の小孔５ａを設けたキャップ５が着脱 可能に取り付けられている。このキャップ５は、弾性片６を介して周壁４ｂの下 端に形成された鍔部４ｃに連続している。また、この鍔部４ｃには、フック４ｄ が一体形成されている。

【００１４】 上記空き缶１０は、缶詰や清涼飲料などのスチール缶やアルミ缶などの使用済 みの金属缶を利用したものであり、その片側の端面を開放している。なお、一般 に、この種の缶は、内部を気密にするように、蓋や底を胴部に巻締めて形成して いる。従って、缶の上下端部には、図４に示すように、リブ状の巻締め端縁部１ ０ａが、存在する。本考案のじょうろは、この巻締め端縁部１０ａを利用して蓋 体１を空き缶１０に取り付けるようにしている。

【００１５】 次に、その組み立てについて述べると、まず、缶詰の場合は、蓋を完全に除去 し、清涼飲料などでプルトップで開放するようにしたものは、使用後、プルトッ プが設けられた面を除去、あるいは内方に折り込み、その片側端面を開放する。 そして、この空き缶１０の上方から図４に矢印で示すように、蓋体１を下方に押 し付けると、可撓製を有する周壁４ｂの下端が拡開し、その下端内周に設けられ た突条４０ｂが、空き缶１０の巻締め端縁部１０ａを乗り越え、この巻締め端縁 部１０ａの下側に嵌まり込む。このことで、蓋体１は、図５に示すように、空き 缶１０に嵌合し、取り付けられる。

【００１６】 次に、この状態でキャップ５を外し、注ぎ部３の上端の開口３ａから空き缶１ ０の内部に水を入れ、その後、また元通りにキャップ５を注ぎ部３に被せること により、準備が完了する。

【００１７】 この状態で、図１に示したように、注ぎ部３が下側になるように傾けると、内 部の水が小孔５ａからシャワー状に放出され、植木鉢などへの灌水が行われる。 この時、本考案のじょうろでは、注ぎ部３が先細の筒状に形成されているので、 鉢植えの植木などの根元の狭小な個所への水やりが行い易く、外部に水をこぼす こともない。なお、上記の灌水の際、注ぎ部３の上側に位置する空気孔２ａから 外気が流入するので、空き缶１０と蓋体１の嵌合が緊密であっても内部が負圧と なって水の出が悪くなることはない。また、本考案のじょうろでは、缶において もっとも強度の高い巻締め端縁部１０ａに、蓋体１が嵌合しているので、使用の 際、嵌合部分に変形が生じて蓋体１が外れるという虞れがない。

【００１８】 このようにして、本考案のじょうろは空き缶１０を利用して組み立てられ、使 用される。そして、使用後は、そのまま保管しておいても、あるいは、分解して 蓋体１のみを保管しておいても良い。なお、その際、鍔部４ｃに一体形成された フック４ｄを利用して蓋体１を適宜個所に吊り下げておけば、嵩張ることなく、 保管することができ、紛失する虞れもない。

【００１９】 なお、上記では、下側の周壁４ｂ内に空き缶１０の巻締め端縁部１０ａを嵌め 込んで、蓋体１を空き缶１０に取り付けた例を示したが、使用しようとする空き 缶が小径のもの（図示せず）の場合は、上側の周壁４ａ内にこの空き缶の端部を 嵌め込めば良く、このことでこの空き缶にも同様にして蓋体１を取り付けること ができる。

【００２０】 なお、図示した実施の形態では、大小二つの径の空き缶が利用できるように、 蓋体１の裏面側に上下二段の周壁４ａ，４ｂからなる嵌合部４を設けた例を示し たが、対象とする缶が限定される場合は、この周壁は、一つで良く、反対に、各 種径の缶の利用が考えられる場合は、同様の周壁を蓋部２の裏面側に段状に複数 設ければ良い。

【００２１】 また、上記では、周壁４ａ，４ｂの下端内周に突条４０ａ，４０ｂを設けた例 を示したが、この突条４０ａ，４０ｂは、空き缶１０の巻締め端縁部１０ａの下 側に嵌入し、蓋体１を空き缶１０から脱落不可に保持し得れば良く、横方向に連 続していない突起状のものであっても良い。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のうち、請求項１記載の考案は、金属製の空き缶 に合成樹脂製の蓋体を取り付け、じょうろを形成することとしたので、資源の有 効利用がはかられると共に、灌水量の把握も容易に行える有用なじょうろをコス ト低廉に提供することができる。また、蓋体は空き缶の巻締め端縁部を利用して 取り付けられているので、嵌合が確実で不用意に外れる虞れがない。さらに、注 ぎ部が筒状になっているので、鉢植え植物の根元など狭小な個所への水やりが行 い易く、周囲に水をこぼす虞れもなく、取扱性に優れる。

【００２３】 また、請求項２記載の考案は、キャップを蓋体に一体形成することにより、上 記請求項１記載の考案の効果を奏するじょうろを、一層コスト低廉かつ容易に製 造することができ、しかもキャップの紛失事故も防止されるという効果がある。

【００２４】 請求項３記載の考案は、嵌合部を複数の缶の外径に対応させることにより、上 記請求項２記載の考案の効果を奏するじょうろを、各種の缶を幅広く、かつ有効 に利用して提供できる。よって、資源の一層の有効利用がはかられると共に、内 容量の変更や外形の大きさの変更にも容易に対応でき、機能の向上をはかること ができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施形態によるじょうろの使用状態斜
視図である。

【図２】実施形態による蓋体の上面図である。

【図３】図２に示した蓋体の一部切欠側面図である。

【図４】本考案に係るじょうろの組立前の状態を示した
要部側面図である。

【図５】本考案に係るじょうろの組立完成状態の要部側
面図である。

【図６】じょうろの従来例を示した分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 蓋体 ２ 蓋部 ２ａ 空気孔 ３ 注ぎ部 ４ 嵌合部 ４ａ，４ｂ 周壁 ４ｃ 鍔部 ４ｄ フック ４０ａ，４０ｂ 突条 ５ キャップ ５ａ 小孔 ６ 可撓片 １０ 空き缶 １０ａ 巻締め端縁部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 片側の端面が開放された金属製の空き缶
   と、この空き缶に着脱可能に取り付けられる合成樹脂製
   の蓋体とで構成され、 上記蓋体は、空気孔が設けられた蓋部と、蓋部の裏面側
   に設けられた嵌合部と、蓋部の表面の片側寄りに突設さ
   れた注ぎ部と、注ぎ部の先端に着脱可能に取り付けられ
   るキャップとを有し、 上記嵌合部は、空き缶の外径とほぼ等しい内径を有する
   周壁の下端内周に、空き缶の巻締め端縁部と嵌合する突
   起または突条が設けられたものであり、 上記注ぎ部は、中空の筒状のものであり、 上記キャップは、表面に多数の小孔が設けられたもので
   あることを特徴とするじょうろ。
2. 【請求項２】 片側の端面が開放された金属製の空き缶
   と、この空き缶に着脱可能に取り付けられる合成樹脂製
   の蓋体とで構成され、 上記蓋体は、空気孔が設けられた蓋部と、蓋部の裏面側
   に設けられた嵌合部と、蓋部の表面の片側寄りに突設さ
   れた注ぎ部と、注ぎ部の先端に着脱可能に取り付けられ
   るキャップとを有し、 上記嵌合部は、空き缶の外径とほぼ等しい内径を有する
   周壁の下端内周に、空き缶の巻締め端縁部と嵌合する突
   起または突条が設けられたものであり、 上記注ぎ部は、中空の筒状のものであり、 上記キャップは、表面に多数の小孔が設けられ、可撓片
   を介して蓋体に一体成形されたものであることを特徴と
   するじょうろ。
3. 【請求項３】 片側の端面が開放された金属製の空き缶
   と、この空き缶に着脱可能に取り付けられる合成樹脂製
   の蓋体とで構成され、 上記蓋体は、空気孔が設けられた蓋部と、蓋部の裏面側
   に設けられた嵌合部と、蓋部の表面の片側寄りに突設さ
   れた注ぎ部と、注ぎ部の先端に着脱可能に取り付けられ
   るキャップとを有し、 上記嵌合部は、各種空き缶の外径とほぼ等しい内径を有
   する複数の周壁が、段状に設けられ、それぞれの周壁の
   下端内周に、対応した空き缶の巻締め端縁部と嵌合する
   突起または突条が設けられたものであり、 上記注ぎ部は、中空の筒状のものであり、 上記キャップは、表面に多数の小孔が設けられ、可撓片
   を介して蓋体に一体成形されたものであることを特徴と
   するじょうろ。