JP3045263U - 保冷容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 発泡スチロール製の保冷容器に代り、保管に
際して嵩張らず組み立てが簡単で強度に優れしかも保冷
効果の高い保冷容器を提供する。 【解決手段】 四方側壁６ａ〜６ｄの上下両端に折線
８，９を介して蓋片１０ａ〜１０ｄ及び底片１１ａ〜１
１ｄをそれぞれ連設した外箱１と、該外箱１の中に収容
され外箱１の四方側壁６ａ〜６ｄとほぼ同じ高さを有し
かつ前記四方側壁６ａ〜６ｄとの間に所要の間隔Ｓを有
する隔壁１３ａ〜１３ｄよりなる中枠２と、該中枠２の
上下両端にそれぞれ嵌着させる蓋枠３及び底枠４とから
なり、該蓋枠３及び底枠４は蓋板３又は底板４の周縁に
前記中枠２に嵌め込む所要高さの嵌着壁１８ａ〜１８ｄ
を連設しさらにこれらの嵌着壁１８ａ〜１８ｄの先端に
折線１９を介して中枠２と外箱１の間に所要の間隔を保
持させる間隔保持片２０ａ〜２０ｄを延設してなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明は、冷凍食品等の要保冷品を収容する保冷容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種の保冷容器として発泡スチロール樹脂製のものが知られており、こ の保冷容器内に冷凍食品等の要保冷品をドライアイス等の蓄冷材と共に詰めて輸 送している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】

しかしながら、このような発泡スチロール樹脂製の保冷容器はワンウエイの 容器として使われる場合が多くてリサイクルしにくく、しかも焼却しても有害ガ スが発生するなど廃棄処理がむずかしくて多量の産業廃棄物を発生させる一因に もなっている。また保管するにも嵩張り輸送コストや保管コストも高くなるとい う問題点があった。

【０００４】 そこで本発明は、従来有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、 その目的とするところは、発泡スチロール樹脂に代わり、保管に際して嵩張らず 組み立てが簡単で強度に優れ、しかも保冷効果の高い保冷容器を提供しようとす るものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために本発明に係わる保冷容器は、四方側壁の上下両端 に折線を介して蓋片及び底片をそれぞれ連設した外箱と、該外箱の中に収容され 外箱の四方側壁とほぼ同じ高さを有しかつ前記四方側壁との間に所要の間隔を有 する隔壁よりなる中枠と、該中枠の上下両端にそれぞれ嵌着させる蓋枠及び底枠 とからなり、該蓋枠及び底枠は蓋板又は底板の周縁に前記中枠に嵌め込む所要高 さの嵌着壁を連設しさらにこれらの嵌着壁の先端に折線を介して中枠と外箱の間 に所要の間隔を保持させる間隔保持片を延設してなり、蓋枠及び底枠を嵌着した 中枠内部を冷凍食品等の要保冷品と蓄冷材との収容空間とし、該収容空間と前記 外箱との間に断熱空気層を設けると共に、前記外箱の蓋片及び底片の隙間を封緘 テープ等により封止するようにして、外箱と収容空間との間の空気を閉じ込めて 断熱させるようにしたことにより保冷効果を高めることができる。

【０００６】 また、前記中枠の上下両端に折線を介して外側へ折り曲げることにより前記蓋 枠及び底枠に設けた間隔保持片に重合させる重合片を延設して、密閉性を高くし てさらに保冷効果を高めることができる。

【０００７】 また、前記保冷容器の構成部材を段ボールで形成することにより産業廃棄物の 問題もなくなりリサイクルが可能となる。

【０００８】 また、前記収容空間を形成する内側面に断熱性の高い銀箔又は銀紙を貼合して 、断熱性，耐湿性を高めるのが好ましい。

【０００９】

【発明の実施の形態】

以下に本発明に係わる保冷容器の実施の形態を図面と共に説明する。図１は本 発明に係わる保冷容器の使用状態の斜視図である。図２は全体を分解して示す斜 視図である。保冷容器Ａは、外箱１と該外箱１内に収容させる中枠２と、該中枠 ２の上下両端に嵌着させる同一形状をなす蓋枠３及び底枠４とからなり、これら はすべて段ボールを材料にして形成される。

【００１０】 前記外箱１は図３に展開して示すように各縦折線５を介して四方側壁６ａ〜６ ｄを連設し、側壁６ｄの外側端に糊代片７を延設している。そして前記各側壁６ ａ〜６ｄの上下両端に折線８，９を介して蓋片１０ａ〜１０ｄ及び底片１１ａ〜 １１ｄを連設して、前記側壁６ａ〜６ｄを方形の桝形とした状態で糊代片７を側 壁６ａの内側に重ねて糊付け固定する。そして、蓋片１０ａ〜１０ｄ及び底片１ １ａ〜１１ｄを各折線８及び９で互いに内側へ折り曲げて組み立てられる一般に よく知られる形態である。

【００１１】 前記中枠２は図４に展開して示すように各縦折線１２を介して外箱１の四方側 壁６ａ〜６ｄとほぼ同じ高さを有する四方隔壁１３ａ〜１３ｄを連設し、隔壁１ ３ｄの外側端に糊代片１４を延設している。そして各折線１２を折り曲げて角筒 状に組み立てられ糊代片１４を隔壁１３ａの内側に重ねて糊付け固定する。なお 各隔壁１３ａ〜１３ｄの横巾は図８に示すように前記外箱１に収容した状態で外 箱１の各側壁６ａ〜６ｄと隔壁１３ａ〜１３ｄとの間に所要の間隔Ｓを有する寸 法が選ばれる。

【００１２】 前記蓋枠３及び底枠４は同一の形状をなしており、図５に示すように前記角筒 状に組み立てられた中枠２の大きさとほぼ同じ大きさの蓋板１５又は底板１６の 四方側縁に折線１７を介して中枠２内に嵌挿させる嵌着壁１８ａ〜１８ｄを連設 している。そして、各嵌着壁１８ａ〜１８ｄの先端に前記折線１７に平行した折 線１９を介して間隔保持片２０ａ〜２０ｄを延設している。前記嵌着壁１８ａ〜 １８ｄは前記間隔Ｓとほぼ同じ高さに設定し、間隔保持片２０ａ〜２０ｄの巾は 前記間隔Ｓを埋める寸法に設定され、対向する一組の間隔保持片２０ａ，２０ｃ の左右両端にそれぞれ前記間隔Ｓに相当する突出片部２１，２１を一体に延出し ている。

【００１３】 これらの蓋枠３及び底枠４は蓋板１５又は底板１６の四方側縁で各折線１７を 介して嵌着壁１８ａ〜１８ｄを直角に折り曲げ、さらに各間隔保持片２０ａ〜２ ０ｄを各折線１９で外側へ直角に折り曲げることで図２に示す形状に組み立てら れる。 そして、このように組み立てたものを蓋板１５及び底板１６が互いに対向する ようにして嵌着壁１８ａ〜１８ｄを中枠２の上下両端に嵌挿させ、中枠２内で蓋 板１５と底板１６の間に要保冷品２２やドライアイス等の蓄冷材２３を収容する 収容空間Ｃを形成する。

【００１４】 次にこのように構成される本発明の保冷容器Ａの使用方法を説明する。図２に 示すように外箱１の四方側壁６ａ〜６ｄの下端の底片１１ａ〜１１ｄを折線９で 折り曲げて閉塞し、底片１１ｂ，１１ｄの突き合わせ端とこれら底片１１ｂ，１ １ｄの両側端と側壁６ａ，６ｃの下端が対向する隙間にそれぞれ跨らせて封緘テ ープ２４を貼着して密閉させる。そして図６に示すように蓋片１０ａ〜１０ｄが 開放した状態の外箱１内に、底枠４のみを嵌着し上端が開放した状態の中枠２を 収容させる。この状態で中枠２は底枠４の四方に折り曲げた間隔保持片２０ａ〜 ２０ｄによって隔壁１３ａ〜１３ｄと外箱１の四方側壁６ａ〜６ｄとの間に間隔 Ｓを有した状態で保持される。

【００１５】 そして中枠２の収容空間Ｃに図６鎖線で示すように容器入りの冷凍食品等の要 保冷品２２や袋入りのドライアイス等の蓄冷材２３を収容させる。 そして、これらの要保冷品２２や蓄冷材２３を収容した中枠２の上端に図７に 示すように蓋枠３を嵌着して各間隔保持片２０ａ〜２０ｄを介して中枠２の上部 を固定させる。次に外箱１の各蓋片１０ａ〜１０ｄを折線８で互いに内側へ折り 曲げて閉塞させ、蓋片１０ｂ，１０ｄの突き合わされた先端とこれら蓋片１０ｂ ，１０ｄの両側端と側壁６ａ，６ｃの上端が対向する隙間に跨がらせて封緘テー プ２４を貼着して密閉させる。

【００１６】 このようにして包装した本発明の保冷容器Ａは図８に示すように外箱１と収容 空間Ｃとの上下及び四方側面のすべてに一定間隔Ｓを有する空間が存在するが、 中枠２の上下両面では中枠２に嵌着した蓋枠３及び底枠４の嵌着壁１８ａ〜１８ ｄの深さ分が確保され、また四方側面では蓋枠３及び底枠４の四方に突出する間 隔保持片２０ａ〜２０ｄ分確保した状態に固定し、中枠２内の収容空間Ｃは外箱 １内の中心位置にいわば宙吊り状の形に安定した状態に保持固定される。このよ うに二重構造をなすことで構造的に強度が強く極めて堅牢で、収容空間Ｃ内の要 保冷品を確実に保護する。さらに、外箱１の蓋片１０ａ〜１０ｄ及び底片１１ａ 〜１１ｄにできる隙間は封緘テープ２４で封止することで前記各間隔Ｓを有する 空間が断熱空気層２５として固定されて断熱効果を発揮し、保冷性能が向上され る。

【００１７】 そこで、保冷品（５００ｇ １コ）の予冷温度５℃×２４時間以上のものと、 蓄冷材（５００ｇ １コ）の凍結温度−２５℃×２４以上のものを本発明に係わ る保冷容器Ａと発泡スチロール容器にそれぞれ収容し、真夏の外気温度相当の３ ５℃にセットした恒温槽で保冷性能をテストし、保冷品（５℃）が１０℃に上昇 するまでの時間を測定したところ、 本発明の保冷容器では９時間３０分 発泡スチロール容器では１０時間４０分 の結果が得られ、本発明の保冷容器Ａが発泡スチロール容器に匹敵する保冷性を 有することが実証された。

【００１８】 また図９に示すように本発明の保冷容器Ａを構成する外箱１，中枠２，蓋枠３ ，底枠４はそれぞれすべて折り畳み自在で組み立ても簡単で保管の場所もとらず 保管コストも安い。さらにすべての構成部材を段ボールによって製造した場合に は、リサイクル可能であり、発泡スチロール樹脂製に比べて製造コストも安く、 焼却しても有害ガスは発生しない。また段ボール製にすると外箱１に簡単に印刷 が出来るので商品のＰＲ効果も大きくなる。

【００１９】 次に図１０ないし図１２に示した実施の形態は、中枠２の上下両端に折線２６ を介して前記蓋枠３及び底枠４に設けられた間隔保持片２０ａ〜２０ｄに重合す る重合片２７ａ〜２７ｄを延設したもので、その他の構成は前記実施の形態と同 様に形成している。 この実施の形態のものは包装した状態で図１２に示すように、蓋枠３及び底枠 ４の四方側縁に設けた間隔保持片２０ａ〜２０ｄに中枠２の上下両端に設けた重 合片２７ａ〜２７ｄがそれぞれ重合して上下左右から力を加えられることで一層 密着し、密閉性が高くなり、収容空間Ｃ内の冷気が外に逃げず保冷効果をさらに 向上させることができる。

【００２０】 図１３に示したものは中枠２と蓋枠３および底枠４の収容空間Ｃを形成する内 側面の全面に断熱性の高い銀箔又は銀紙２８を貼合した実施の形態であり、この 銀箔又は銀紙２８を貼合することによって断熱性，耐湿性が高まり、保冷効果を 一層向上させることができる。また外箱１の表面は輻射熱防止のため熱反射性の よい光沢のある白色或いは銀色に形成することが望ましい。

【００２１】

【発明の効果】

以上に述べたように本発明に係わる保冷容器は、中枠に設けた要保冷品及び蓄 冷材を収容させる収容空間と外箱との上下及び四方側面の各面に所要の間隔を有 する断熱空気層を形成して収容空間が宙吊り状の形に固定保持される二重構造を なすものであり、中枠の上下両端に蓋枠及び底枠が嵌着されることによって極め て堅牢で、収容した要保冷品の品質を損なうことなく保存させることができる。 さらに外箱の蓋片及び底片に存在する隙間を封緘テープで封止して密閉すること で収容空間と外箱の間の空気を閉じ込めて断熱を向上させることができる。 また、中枠の上下両端に重合片を延設して該重合片を蓋枠及び底枠に延設した 間隔保持片に重合させるものは密閉性が高くなり保冷効果がさらに向上される。 さらに、すべての構成部材を段ボールで形成することで、リサイクルが可能と なり資源の有効活用ができて公害や産業廃棄物の発生を抑制することができると いったように多くの利点を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる保冷容器の使用状態の外観斜視
図。

【図２】保冷容器の分解斜視図。

【図３】外箱の展開図。

【図４】中枠の展開図。

【図５】蓋枠及び底枠の展開図。

【図６】包装の過程を示す斜視図。

【図７】図６の状態に続いて中枠の上端に蓋枠を嵌着し
た状態の斜視図。

【図８】図１の断面図。

【図９】保冷容器を折り畳んだ状態の分解斜視図。

【図１０】他の実施の形態の中枠の展開図。

【図１１】包装の過程を示す斜視図。

【図１２】図７に示す中枠を使用し包装を完成した状態
の断面図。

【図１３】他の実施の形態を示す中枠と蓋枠及び底枠の
斜視図。

【符号の説明】

１ 外箱 ２ 中枠 ３ 蓋枠 ４ 底枠 ６ａ〜６ｄ 側壁 ８，９ 折線 １０ａ〜１０ｄ 蓋片 １１ａ〜１１ｄ 底片 １３ａ〜１３ｄ 隔壁 １５ 蓋板 １６ 底板 １８ａ〜１８ｄ 嵌着壁 １９ 折線 ２０ａ〜２０ｄ 間隔保持片 ２２ 要保冷品 ２３ 蓄冷材 ２４ 封緘テープ ２５ 断熱空気層 ２６ 折線 ２７ａ〜２７ｄ 重合片 Ｃ 収容空間 Ｓ 間隔

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 四方側壁の上下両端に折線を介して蓋片
   及び底片をそれぞれ連設した外箱と、該外箱の中に収容
   され外箱の四方側壁とほぼ同じ高さを有しかつ前記四方
   側壁との間に所要の間隔を有する隔壁よりなる中枠と、
   該中枠の上下両端にそれぞれ嵌着させる蓋枠及び底枠と
   からなり、該蓋枠及び底枠は蓋板又は底板の周縁に前記
   中枠に嵌め込む所要高さの嵌着壁を連設しさらにこれら
   の嵌着壁の先端に折線を介して中枠と外箱の間に所要の
   間隔を保持させる間隔保持片を延設してなり、蓋枠及び
   底枠を嵌着した中枠内部を冷凍食品等の要保冷品と蓄冷
   材との収容空間とし、該収容空間と前記外箱との間に断
   熱空気層を設けると共に、前記外箱の蓋片及び底片の隙
   間を封緘テープ等により封止するようにしたことを特徴
   とする保冷容器。
2. 【請求項２】 前記中枠の上下両端に折線を介して前記
   蓋枠及び底枠に設けた間隔保持片に重合させる重合片を
   延設した請求項１記載の保冷容器。
3. 【請求項３】 前記保冷容器の構成部材を段ボールで形
   成したことを特徴とする請求項１及び２記載の保冷容
   器。