JP3045237B1 - 繊維用処理油剤及び繊維の油剤処理方法 - Google Patents
繊維用処理油剤及び繊維の油剤処理方法Info
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- JP3045237B1 JP3045237B1 JP7978199A JP7978199A JP3045237B1 JP 3045237 B1 JP3045237 B1 JP 3045237B1 JP 7978199 A JP7978199 A JP 7978199A JP 7978199 A JP7978199 A JP 7978199A JP 3045237 B1 JP3045237 B1 JP 3045237B1
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Abstract
【要約】
【課題】 繊維用処理油剤としての良好な糸条の毛羽発
生防止性や糸切れ防止効果を有し、さらに良好な生分解
性を併せ持った繊維用処理油剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式 【化1】 (式中、Rは水素原子、炭素数2〜22の脂肪族系アシ
ル基または炭素数1〜5のアルキルもしくはアルケニル
基を表し、nは1〜20の整数である)で表される化合
物を含有する繊維用処理油剤及びこの繊維用処理油剤
を、繊維に対して、繊維重量に対して0.1〜1.5重
量%の量で付着させることを含む繊維の油剤処理方法。
生防止性や糸切れ防止効果を有し、さらに良好な生分解
性を併せ持った繊維用処理油剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式 【化1】 (式中、Rは水素原子、炭素数2〜22の脂肪族系アシ
ル基または炭素数1〜5のアルキルもしくはアルケニル
基を表し、nは1〜20の整数である)で表される化合
物を含有する繊維用処理油剤及びこの繊維用処理油剤
を、繊維に対して、繊維重量に対して0.1〜1.5重
量%の量で付着させることを含む繊維の油剤処理方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維用処理油剤、
特に生分解性に優れる繊維用処理油剤、及びそれを用い
る繊維の油剤処理方法に関する。
特に生分解性に優れる繊維用処理油剤、及びそれを用い
る繊維の油剤処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境ホルモンなどの化学物質の環
境への影響に対する関心の高まりから、産業界全体で、
従来の化合物から環境にやさしく、生態系への影響が少
ない化合物への移行が始まっている。これらの化合物に
要求される性能の1つに高い生分解性が挙げられる。高
い生分解性とは、例えば繊維用処理油剤の場合、処理油
剤中の成分である平滑成分、界面活性成分、制電成分、
糸収束成分などが少なくとも70重量%以上の範囲ま
で、例えば、水処理プラント中の活性汚泥等に存在する
微生物や酵素により、分解されることを意味する。この
生分解によって化合物は化学的に単純な物質である二酸
化炭素、水、硫酸塩、リン酸塩などになることが望まし
い。
境への影響に対する関心の高まりから、産業界全体で、
従来の化合物から環境にやさしく、生態系への影響が少
ない化合物への移行が始まっている。これらの化合物に
要求される性能の1つに高い生分解性が挙げられる。高
い生分解性とは、例えば繊維用処理油剤の場合、処理油
剤中の成分である平滑成分、界面活性成分、制電成分、
糸収束成分などが少なくとも70重量%以上の範囲ま
で、例えば、水処理プラント中の活性汚泥等に存在する
微生物や酵素により、分解されることを意味する。この
生分解によって化合物は化学的に単純な物質である二酸
化炭素、水、硫酸塩、リン酸塩などになることが望まし
い。
【0003】化合物の生分解性を評価する方法は数多く
開発されているが、その中の1つとして本質的生分解試
験であるZAHN−WELLENS/EMPA試験(O
ECD 302B試験)があり、この試験方法が繊維用
処理油剤の生分解性を評価するのに良い方法として挙げ
られている。繊維用処理剤では、環境汚染防止に対する
配慮から、ノニルフェノールを他の化合物に代えるとい
う、化合物の代替も始まっている。また、近い将来には
より一層の環境汚染防止の規制が強化されることが予測
されるため、繊維用処理剤の付加価値として、処理剤が
工場排水中に混入しても容易に生分解されるものにすべ
きであるという要求がでてきている。
開発されているが、その中の1つとして本質的生分解試
験であるZAHN−WELLENS/EMPA試験(O
ECD 302B試験)があり、この試験方法が繊維用
処理油剤の生分解性を評価するのに良い方法として挙げ
られている。繊維用処理剤では、環境汚染防止に対する
配慮から、ノニルフェノールを他の化合物に代えるとい
う、化合物の代替も始まっている。また、近い将来には
より一層の環境汚染防止の規制が強化されることが予測
されるため、繊維用処理剤の付加価値として、処理剤が
工場排水中に混入しても容易に生分解されるものにすべ
きであるという要求がでてきている。
【0004】一般に、化合物のポリエーテル鎖中にプロ
ピレンオキシドに由来するポリエーテル鎖が存在する
と、このポリエーテル鎖による生分解性阻害が大きくな
るめ、生分解性が悪くなるかもしくは生分解しなくなる
傾向がある。また、多価アルコールのエステル化物につ
いても、エステル化物によっては、生分解はするものの
穏やかにしか分解しないものもある。特開平5−279
924号公報には、アルキル基を置換基として有する炭
素数2〜4のアルキレンジオールにエチレンオキシドを
付加した化合物を含有する紡糸仕上げ剤が、速やかな生
分解性を示すとして開示されているが、この化合物は生
分解性は良いものであるが、糸条に高度な潤滑性を与え
ることができるものではなかった。それゆえに製糸工程
において、糸条の毛羽の発生や糸切れが起こることを充
分に防ぐことができないものであった。
ピレンオキシドに由来するポリエーテル鎖が存在する
と、このポリエーテル鎖による生分解性阻害が大きくな
るめ、生分解性が悪くなるかもしくは生分解しなくなる
傾向がある。また、多価アルコールのエステル化物につ
いても、エステル化物によっては、生分解はするものの
穏やかにしか分解しないものもある。特開平5−279
924号公報には、アルキル基を置換基として有する炭
素数2〜4のアルキレンジオールにエチレンオキシドを
付加した化合物を含有する紡糸仕上げ剤が、速やかな生
分解性を示すとして開示されているが、この化合物は生
分解性は良いものであるが、糸条に高度な潤滑性を与え
ることができるものではなかった。それゆえに製糸工程
において、糸条の毛羽の発生や糸切れが起こることを充
分に防ぐことができないものであった。
【0005】一方、特開平7−3657号公報に開示さ
れているような繊維用処理油剤は、エチレンオキシド/
プロピレンオキシドを付加共重合させたポリエーテルを
主成分とするポリエーテルタイプの処理油剤であり、ま
たその他の繊維用処理油剤としてはペンタエリスリトー
ルやトリメチロールプロパンなどの多価アルコールのエ
ステル化物を主成分とするエステルタイプの処理油剤や
鉱物油を用いた処理油剤が多い。上記のポリエーテルタ
イプ、エステルタイプや鉱物油を用いた繊維用処理油剤
は、糸条の毛羽発生防止や糸切れ防止はできるが、生分
解性が非常に悪いものである。
れているような繊維用処理油剤は、エチレンオキシド/
プロピレンオキシドを付加共重合させたポリエーテルを
主成分とするポリエーテルタイプの処理油剤であり、ま
たその他の繊維用処理油剤としてはペンタエリスリトー
ルやトリメチロールプロパンなどの多価アルコールのエ
ステル化物を主成分とするエステルタイプの処理油剤や
鉱物油を用いた処理油剤が多い。上記のポリエーテルタ
イプ、エステルタイプや鉱物油を用いた繊維用処理油剤
は、糸条の毛羽発生防止や糸切れ防止はできるが、生分
解性が非常に悪いものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、繊維用処理
油剤としての良好な糸条の毛羽発生防止性や糸切れ防止
効果を有し、さらに良好な生分解性を併せ持った繊維用
処理油剤を提供することを目的としてなされたものであ
る。
油剤としての良好な糸条の毛羽発生防止性や糸切れ防止
効果を有し、さらに良好な生分解性を併せ持った繊維用
処理油剤を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明らは上記の課題を
解決するため鋭意検討を重ねた結果、シクロヘキサノー
ルのエチレンオキシド付加物が、繊維用処理油剤の成分
として用いた場合に、繊維用処理油剤としての性能と生
分解性を併せ持つことを見出し、この知見に基づき本発
明を完成させた。
解決するため鋭意検討を重ねた結果、シクロヘキサノー
ルのエチレンオキシド付加物が、繊維用処理油剤の成分
として用いた場合に、繊維用処理油剤としての性能と生
分解性を併せ持つことを見出し、この知見に基づき本発
明を完成させた。
【0008】すなわち、本発明は、下記一般式(1)で
表される化合物を含有する繊維用処理油剤を提供する。
表される化合物を含有する繊維用処理油剤を提供する。
【0009】
【化2】
【0010】(式中、Rは水素原子、炭素数2〜22の
脂肪族系アシル基または炭素数1〜5のアルキルもしく
はアルケニル基を表し、nは1〜20の整数である) 本発明は、また、上記の繊維用処理油剤を、繊維に対し
て、繊維重量に対して0.1〜1.5重量%の量で付着
させることを含む繊維の油剤処理方法を提供する。
脂肪族系アシル基または炭素数1〜5のアルキルもしく
はアルケニル基を表し、nは1〜20の整数である) 本発明は、また、上記の繊維用処理油剤を、繊維に対し
て、繊維重量に対して0.1〜1.5重量%の量で付着
させることを含む繊維の油剤処理方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に有用な一般式(1)で表
される化合物は、シクロヘキサノールのエチレンオキシ
ド付加物、又はシクロヘキサノールのエチレンオキシド
付加物の末端OH基をアシル化、アルキル化又はアルケ
ニル化したものである。エチレンオキシドの付加モル数
nは1〜20であり、末端OH基の変性の有無及び変性
された化合物の場合にはそのアシル基、アルキル基、ア
ルケニル基の大小によっても異なるが、好ましくは5〜
10である。nが20を超える場合、生分解性が低下す
る傾向がみられる。エチレンオキシドの付加反応は、従
来より一般に行われている方法により行うことができ
る。例えば、前もって脱水したシクロヘキサノールの所
定量とアルカリ性触媒(例えば水酸化ナトリウム又は水
酸化カリウムを全仕込量の0.2重量%程度)とを反応
容器に仕込んだ後、撹拌しながら窒素置換により酸素を
除去して窒素雰囲気下にする。次に、この混合物を撹拌
しながら約120℃まで加熱した後、必要量のエチレン
オキシドを計量し、導入を開始する。撹拌しながら13
0〜140℃の温度範囲でエチレンオキシドを約2〜3
時間かけて付加する。反応の終了は、反応容器内の圧力
が減少し、本質的に一定な圧力になることで確認でき
る。その後、反応系に存在する揮発性成分を減圧除去し
た後、触媒除去剤を用いて、触媒の除去及び精製を行
う。
される化合物は、シクロヘキサノールのエチレンオキシ
ド付加物、又はシクロヘキサノールのエチレンオキシド
付加物の末端OH基をアシル化、アルキル化又はアルケ
ニル化したものである。エチレンオキシドの付加モル数
nは1〜20であり、末端OH基の変性の有無及び変性
された化合物の場合にはそのアシル基、アルキル基、ア
ルケニル基の大小によっても異なるが、好ましくは5〜
10である。nが20を超える場合、生分解性が低下す
る傾向がみられる。エチレンオキシドの付加反応は、従
来より一般に行われている方法により行うことができ
る。例えば、前もって脱水したシクロヘキサノールの所
定量とアルカリ性触媒(例えば水酸化ナトリウム又は水
酸化カリウムを全仕込量の0.2重量%程度)とを反応
容器に仕込んだ後、撹拌しながら窒素置換により酸素を
除去して窒素雰囲気下にする。次に、この混合物を撹拌
しながら約120℃まで加熱した後、必要量のエチレン
オキシドを計量し、導入を開始する。撹拌しながら13
0〜140℃の温度範囲でエチレンオキシドを約2〜3
時間かけて付加する。反応の終了は、反応容器内の圧力
が減少し、本質的に一定な圧力になることで確認でき
る。その後、反応系に存在する揮発性成分を減圧除去し
た後、触媒除去剤を用いて、触媒の除去及び精製を行
う。
【0012】末端OH基のアルキル化やアルケニル化は
通常用いられるアルキル化剤やアルケニル化剤を用いて
行えばよく、そのようなアルキル化剤やアルケニル化剤
の例としてはヨウ化メチル、臭化メチル、臭化プロピ
ル、臭化イソプロピル、塩化アリル、臭化アリルなどが
挙げられる。これらの末端OH基のアルキル化又はアル
ケニル化により導入されるアルキル基又はアルケニル基
の炭素数は、1〜5であり、付加されているエチレンオ
キシドの付加モル数nによっても異なるが、好ましく1
〜3である。
通常用いられるアルキル化剤やアルケニル化剤を用いて
行えばよく、そのようなアルキル化剤やアルケニル化剤
の例としてはヨウ化メチル、臭化メチル、臭化プロピ
ル、臭化イソプロピル、塩化アリル、臭化アリルなどが
挙げられる。これらの末端OH基のアルキル化又はアル
ケニル化により導入されるアルキル基又はアルケニル基
の炭素数は、1〜5であり、付加されているエチレンオ
キシドの付加モル数nによっても異なるが、好ましく1
〜3である。
【0013】また、末端OH基のアシル化についても脂
肪酸や脂肪酸ハライドなどとのエステル化反応により行
うことができ、そのような脂肪酸や脂肪酸ハライドの例
としては、無水酢酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、酢酸クロリド、プロ
ピオン酸クロリド、酪酸クロリド、カプロン酸クロリ
ド、カプリル酸クロリド、カプリン酸クロリド、ラウリ
ン酸クロリド、ステアリン酸クロリドなどが挙げられ
る。これらの末端OH基のアシル化により導入されるア
シル基の炭素数は、2〜22であり、付加されているエ
チレンオキシドの付加モル数nによっても異なるが、好
ましくは6〜18、特に好ましくは8〜12である。
肪酸や脂肪酸ハライドなどとのエステル化反応により行
うことができ、そのような脂肪酸や脂肪酸ハライドの例
としては、無水酢酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、酢酸クロリド、プロ
ピオン酸クロリド、酪酸クロリド、カプロン酸クロリ
ド、カプリル酸クロリド、カプリン酸クロリド、ラウリ
ン酸クロリド、ステアリン酸クロリドなどが挙げられ
る。これらの末端OH基のアシル化により導入されるア
シル基の炭素数は、2〜22であり、付加されているエ
チレンオキシドの付加モル数nによっても異なるが、好
ましくは6〜18、特に好ましくは8〜12である。
【0014】アルキル化、アルケニル化やエステル化の
ための反応は、従来より一般に行われている方法により
行えばよい。例えばエステル化反応の場合、上記したシ
クロヘキサノールのエチレンオキシド付加物1モルを反
応容器に仕込んだ後、窒素ガス通気下で約60℃まで撹
拌しながら加熱を行う。その後、ラウリル酸クロリド1
モルを徐々に添加し、70〜80℃で反応させる。反応
によって生成する塩酸ガスは、水酸化ナトリウム水溶液
に通過させることで回収除去できる。約1時間かけてラ
ウリル酸クロリドを添加した後、さらに70〜80℃で
2時間撹拌し、反応させる。その後、反応系中に残る塩
酸を減圧下に約100℃で撹拌しながら除去した後、さ
らに酸吸着除去剤でわずかに残る塩酸を除去し、精製を
行う。本発明に有用な一般式(1)で表される化合物を
得る方法は、前記のエチレンオキシドの付加反応やエス
テル化反応による方法に限定されるものではない。
ための反応は、従来より一般に行われている方法により
行えばよい。例えばエステル化反応の場合、上記したシ
クロヘキサノールのエチレンオキシド付加物1モルを反
応容器に仕込んだ後、窒素ガス通気下で約60℃まで撹
拌しながら加熱を行う。その後、ラウリル酸クロリド1
モルを徐々に添加し、70〜80℃で反応させる。反応
によって生成する塩酸ガスは、水酸化ナトリウム水溶液
に通過させることで回収除去できる。約1時間かけてラ
ウリル酸クロリドを添加した後、さらに70〜80℃で
2時間撹拌し、反応させる。その後、反応系中に残る塩
酸を減圧下に約100℃で撹拌しながら除去した後、さ
らに酸吸着除去剤でわずかに残る塩酸を除去し、精製を
行う。本発明に有用な一般式(1)で表される化合物を
得る方法は、前記のエチレンオキシドの付加反応やエス
テル化反応による方法に限定されるものではない。
【0015】本発明において、一般式(1)で表される
化合物は、繊維用処理油剤中に10〜80%の量で配合
されることが好ましい。一般式(1)で表される化合物
は、一般には水分散性もしくは水不溶性である。繊維用
処理油剤中のその他の成分については、糸の製糸条件及
びその加工条件によって、生分解性を阻害しない範囲で
必要に応じて公知のものを任意に配合することができ
る。その他の成分としては従来より繊維用処理油剤に用
いられているものを使用でき、例えば、アルキルポリエ
ーテルや硬化ひまし油のエチレンオキシド付加物等の乳
化剤、平滑剤、糸収束剤、リン酸エステル塩や硫酸エス
テル塩等の制電剤を使用し、繊維用処理油剤とすること
ができる。これらの他の成分も生分解性であることが望
ましいが、低生分解性の成分を使用する場合には繊維用
処理油剤の生分解率が70%以下にならない量で配合す
ることが必要である。
化合物は、繊維用処理油剤中に10〜80%の量で配合
されることが好ましい。一般式(1)で表される化合物
は、一般には水分散性もしくは水不溶性である。繊維用
処理油剤中のその他の成分については、糸の製糸条件及
びその加工条件によって、生分解性を阻害しない範囲で
必要に応じて公知のものを任意に配合することができ
る。その他の成分としては従来より繊維用処理油剤に用
いられているものを使用でき、例えば、アルキルポリエ
ーテルや硬化ひまし油のエチレンオキシド付加物等の乳
化剤、平滑剤、糸収束剤、リン酸エステル塩や硫酸エス
テル塩等の制電剤を使用し、繊維用処理油剤とすること
ができる。これらの他の成分も生分解性であることが望
ましいが、低生分解性の成分を使用する場合には繊維用
処理油剤の生分解率が70%以下にならない量で配合す
ることが必要である。
【0016】本発明の繊維用処理油剤は、合成繊維、主
に、ナイロン、ポリエステル、アクリル繊維等に使用す
ることができるが、これらの3種の合成繊維に限定され
るものではない。本発明の繊維用処理油剤を使用して、
製糸もしくは加工を行う場合には、繊維用処理油剤の繊
維の重量に対する付着量を0.1〜1.5重量%、好ま
しくは0.3〜1.0重量%とする。繊維用処理油剤は
従来から行われているように、そのままで又は水に分散
させ、もしくは最適な溶剤を使用して溶液として繊維に
処理し、上記の量を繊維に付着させることにより加工で
きる。糸に対する繊維用処理油剤を付与する方法として
は、通常の方法、例えば、ノズルオイリングやローラー
タッチ、処理浴による浸漬、スプレー噴霧等の処理によ
り、糸に油剤を付与することができる。
に、ナイロン、ポリエステル、アクリル繊維等に使用す
ることができるが、これらの3種の合成繊維に限定され
るものではない。本発明の繊維用処理油剤を使用して、
製糸もしくは加工を行う場合には、繊維用処理油剤の繊
維の重量に対する付着量を0.1〜1.5重量%、好ま
しくは0.3〜1.0重量%とする。繊維用処理油剤は
従来から行われているように、そのままで又は水に分散
させ、もしくは最適な溶剤を使用して溶液として繊維に
処理し、上記の量を繊維に付着させることにより加工で
きる。糸に対する繊維用処理油剤を付与する方法として
は、通常の方法、例えば、ノズルオイリングやローラー
タッチ、処理浴による浸漬、スプレー噴霧等の処理によ
り、糸に油剤を付与することができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定
されるものではない。 実施例1〜7、比較例1〜4 以下に記載する、前述した製造方法によって合成された
一般式(1)の化合物又はその他の化合物と乳化剤、平
滑剤、制電剤等とを表1に記載の量で配合して、実施例
1〜7の油剤および比較例1〜4の油剤を得、これらの
油剤を生分解性評価時にはそのままで、また糸への処理
時には10%水分散液として用いた。
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定
されるものではない。 実施例1〜7、比較例1〜4 以下に記載する、前述した製造方法によって合成された
一般式(1)の化合物又はその他の化合物と乳化剤、平
滑剤、制電剤等とを表1に記載の量で配合して、実施例
1〜7の油剤および比較例1〜4の油剤を得、これらの
油剤を生分解性評価時にはそのままで、また糸への処理
時には10%水分散液として用いた。
【0018】化合物A:シクロヘキサノールのエチレン
オキシド5モル付加体カプリル酸エステル 化合物B:シクロヘキサノールのエチレンオキシド5モ
ル付加体ラウリン酸エステル 化合物C:シクロヘキサノールのエチレンオキシド10
モル付加体 化合物D:シクロヘキサノールのエチレンオキシド10
モル付加体メチルエーテル 化合物E:シクロヘキサノールのエチレンオキシド10
モル付加体カプリル酸エステル 化合物F:シクロヘキサノールのエチレンオキシド10
モル付加体ラウリン酸エステル 化合物G:シクロヘキサノールのエチレンオキシド20
モル付加体カプリル酸エステル 比較化合物A:シクロヘキサノールのエチレンオキシド
30モル付加体カプリル酸エステル 比較化合物B:鉱物油(RW秒=120秒) 比較化合物C:ブタノールのエチレンオキシド/プロピ
レンオキシド(50/50)付加体(MW=2000) (評価)生分解性 ZAHN−WELLENS/EMPA試験(OECD
302B試験)に準じて、実施例1〜7及び比較例1〜
4の繊維用処理油剤について、1週間後の生分解率を測
定した結果を表1に記す。
オキシド5モル付加体カプリル酸エステル 化合物B:シクロヘキサノールのエチレンオキシド5モ
ル付加体ラウリン酸エステル 化合物C:シクロヘキサノールのエチレンオキシド10
モル付加体 化合物D:シクロヘキサノールのエチレンオキシド10
モル付加体メチルエーテル 化合物E:シクロヘキサノールのエチレンオキシド10
モル付加体カプリル酸エステル 化合物F:シクロヘキサノールのエチレンオキシド10
モル付加体ラウリン酸エステル 化合物G:シクロヘキサノールのエチレンオキシド20
モル付加体カプリル酸エステル 比較化合物A:シクロヘキサノールのエチレンオキシド
30モル付加体カプリル酸エステル 比較化合物B:鉱物油(RW秒=120秒) 比較化合物C:ブタノールのエチレンオキシド/プロピ
レンオキシド(50/50)付加体(MW=2000) (評価)生分解性 ZAHN−WELLENS/EMPA試験(OECD
302B試験)に準じて、実施例1〜7及び比較例1〜
4の繊維用処理油剤について、1週間後の生分解率を測
定した結果を表1に記す。
【0019】糸切れ回数及び毛羽個数 評価は、実施例1〜7及び比較例1〜4の繊維用処理油
剤を、通常の溶融紡糸機にて得られた6−ナイロンフィ
ラメント(70デニール、24フィラメント)に、ノズ
ルオイリングにて付着量0.4重量%となるように給油
した糸条により行った。結果を表1に記す。
剤を、通常の溶融紡糸機にて得られた6−ナイロンフィ
ラメント(70デニール、24フィラメント)に、ノズ
ルオイリングにて付着量0.4重量%となるように給油
した糸条により行った。結果を表1に記す。
【0020】糸切れ回数:紡糸してワインダーに巻き取
るまでに起こる糸切れを観測する。繊維1t当たりの糸
切れの回数を示す。 毛羽個数:紡糸して糸をワインダーで巻き取る際に、ワ
インダー前に設置してあるガイドローラーの直後の場所
に、レーザー式毛羽探知機を設置してカウントし、繊維
1t当たりの毛羽個数を示す。
るまでに起こる糸切れを観測する。繊維1t当たりの糸
切れの回数を示す。 毛羽個数:紡糸して糸をワインダーで巻き取る際に、ワ
インダー前に設置してあるガイドローラーの直後の場所
に、レーザー式毛羽探知機を設置してカウントし、繊維
1t当たりの毛羽個数を示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1の結果のように、本発明の繊維用処理
油剤は、ZAHN−WELLENS/EMPA試験(O
ECD 302B試験)における生分解率が70%以上
であり、糸状の糸切れ回数や毛羽個数も少ないことが解
る。
油剤は、ZAHN−WELLENS/EMPA試験(O
ECD 302B試験)における生分解率が70%以上
であり、糸状の糸切れ回数や毛羽個数も少ないことが解
る。
【0023】
【発明の効果】本発明の繊維用処理油剤は、生分解性に
優れ、その分解も緩やかに起こるのではなく、短期間で
速やかに分解する特性を持っている。また、合成繊維糸
条に優れた潤滑性を与え、製糸工程で毛羽や糸切れの発
生の少ない良好な合成繊維を得ることができることか
ら、今後環境規制強化により製糸及び糸加工工場の工場
排水に対する対策が求めらた際にも、その対策を可能と
することができる。
優れ、その分解も緩やかに起こるのではなく、短期間で
速やかに分解する特性を持っている。また、合成繊維糸
条に優れた潤滑性を与え、製糸工程で毛羽や糸切れの発
生の少ない良好な合成繊維を得ることができることか
ら、今後環境規制強化により製糸及び糸加工工場の工場
排水に対する対策が求めらた際にも、その対策を可能と
することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表される化合物を含
有する繊維用処理油剤。 【化1】 (式中、Rは水素原子、炭素数2〜22の脂肪族系アシ
ル基または炭素数1〜5のアルキルもしくはアルケニル
基を表し、nは1〜20の整数である) - 【請求項2】 前記一般式(1)で表される化合物を1
0〜80重量%の量で含有する、請求項1記載の繊維用
処理油剤。 - 【請求項3】 生分解率が、ZAHN−WELLENS
/EMPA試験(OECD 302B試験)で70重量
%以上である、請求項1又は2記載の繊維用処理油剤。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載した繊維
用処理油剤を、繊維に対して、繊維重量に対して0.1
〜1.5重量%の量で付着させることを含む繊維の油剤
処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7978199A JP3045237B1 (ja) | 1999-03-24 | 1999-03-24 | 繊維用処理油剤及び繊維の油剤処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP7978199A JP3045237B1 (ja) | 1999-03-24 | 1999-03-24 | 繊維用処理油剤及び繊維の油剤処理方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP3045237B1 true JP3045237B1 (ja) | 2000-05-29 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP7978199A Expired - Fee Related JP3045237B1 (ja) | 1999-03-24 | 1999-03-24 | 繊維用処理油剤及び繊維の油剤処理方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3045237B1 (ja) |
-
1999
- 1999-03-24 JP JP7978199A patent/JP3045237B1/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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