JP3044361U - 立体装飾模様を有するプラスチック眼鏡部品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メッキや宝石による装飾を別個に施すことな
く、表面に美しい立体装飾模様を呈し、しかもその立体
装飾模様の堅牢度が非常に優れたプラスチック眼鏡部品
を提供すること。 【解決手段】 着色剤を含む熱可塑性樹脂材から成る眼
鏡部品の表面に、所要の凹凸形状にホットプレスを施す
ことによって、当該部品表面の凹凸部に色の濃淡による
立体的な装飾模様を形成するという手段を採用した。 【効果】 従来の装飾模様に比して格段に立体的で美し
い装飾模様を表面に有するプラスチック眼鏡フレームを
得ることができ、しかも従来のメッキや宝石による装飾
のように剥がれたり外れたりする虞れもない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、プラスチック製の眼鏡フレームの改良、更に詳しくは、表面に美し い立体装飾模様を備え、しかもその立体装飾模様の堅牢度が非常に優れたプラス チック眼鏡部品に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

最近の眼鏡においては、視力の矯正機能を有することは当然のことながら、デ ザイン機能が益々重要視される傾向にあり、特に流行に敏感な若者の要望は、お 洒落でハイセンスな眼鏡に集中している。これは人の注目を集めたいとする自己 主張の発現であり、眼鏡フレームのテンプルや智等に種々の装飾を施してファッ ション性追求の現代の風潮を現わしている。

【０００３】 ところで、プラスチック眼鏡フレームのテンプルや智等に装飾を施す方法とし ては、装飾模様をテンプル等の表面に電着によって形成したり、装飾を施すべき プラスチック眼鏡フレームの所要部位を帯熱柔軟化させて其処に宝石等の装飾体 を圧入させて埋め込んだりする方法がある。

【０００４】 ところが、前者の電着メッキ装飾方式にあっては、装飾模様に深みがなくて平 面的で変化に乏しいうえに、何分にも安っぽく見え、また長期間使用しているう ちに電着部分の装飾模様が剥がれてしまうという難点もあった。

【０００５】 また、後者の装飾体埋込方式にあっては、宝石等の高価な装飾体を別個に用意 しなければならず、しかも埋め込んだ装飾体が衝撃や振動等により外れてしまう 虞れもあった。さらに、鋭いカッティングが施されたダイヤモンド等の装飾体で ある場合には、その装飾体はキラキラと輝いて非常に美しいけれども、当該装飾 体の表面に触れたときに痛くて手触りがよくなく、最悪の事態には怪我をする虞 れもあった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、プラスチック眼鏡フレームにおける従来の装飾に上記の如き難点が あったことに鑑みて為されたものであり、メッキや宝石などによる装飾を別個に 施すことなく、表面に美しい立体装飾模様を呈し、しかもその立体装飾模様の堅 牢度が非常に優れたプラスチック眼鏡部品を提供することを目的としたものであ る。

【０００７】 また、本考案は、手触りがよくて、怪我をする虞れもない立体装飾模様を有す るプラスチック眼鏡部品を提供することを目的としたものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添附図面を参照 して説明すれば、次のとおりである。

【０００９】 即ち、本考案は、着色剤を含む熱可塑性樹脂材から成る眼鏡部品の表面に、所 要の凹凸形状にホットプレスを施すことによって、当該部品表面の凹凸部に色の 濃淡による立体的な装飾模様を形成するという手段を採用することによって、上 記課題を解決した点に特徴がある。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下、本考案を添附図面に示す実施形態に基いて更に詳しく説明する。なお、 図１は本考案の第１実施形態である眼鏡フレームのテンプル素材の斜視図、図２ は第１実施形態眼鏡フレームの斜視図、図３は図２の線Ｘ−Ｘに関する拡大断面 図、図４は本考案の第２実施形態である眼鏡フレームの斜視図、図５は本考案の 第３実施形態である眼鏡フレームの斜視図、図６は本考案の第４実施形態である 眼鏡フレームの斜視図である。

【００１１】 まず、本考案の第１実施形態である眼鏡フレームを図１〜図３に基いて説明す る。図１においては、第１実施形態眼鏡フレームのテンプル１となるべき板状の 熱可塑性樹脂材Ｒが示してあり、この熱可塑性樹脂材Ｒには粉末状の着色剤Ｃを 含有させてある。本実施形態では、熱可塑性樹脂材Ｒとしてアセテート、着色剤 Ｃとして顔料を使用している。また、熱可塑性樹脂材Ｒとしてはセルロイドやセ ルロースプロピオネート（ＣＰ）を採用してもよい。

【００１２】 そして、所要の凹凸が刻設された金型（図示せず）を用いて、前記熱可塑性樹 脂材Ｒをホットプレス（hot press ）すると、アセテートから成る熱可塑性樹脂 材Ｒが約８０℃で柔軟化してプレス金型に形成された凹凸形状に成形される。そ の後、冷却して金型から取り出すと、図２に示すように、略亀甲状の装飾模様３ が外側表面に凹凸形成されたテンプル１が得られ、このテンプル１をフロント２ の両端部に各々連結して眼鏡フレームＦを作製することができる。

【００１３】 このように顔料を含む熱可塑性樹脂材Ｒをホットプレスして凹凸形成したこと により、その凹凸部位の凸部31・31・・・・と凹部32・32・・・・との間に顔料の密度差 が生じてそれぞれ異なった透過率（または、隠蔽率）となる。このため、各凸部 31と各凹部32とにおいて顔料の色の濃淡が生じて、亀甲模様の輪郭がくっきりと 浮き出た立体的な装飾模様３が現出することになる。よって、ホットプレスによ る凹凸部31・31・・・・32・32・・・・に色の濃淡が加わって、従来の装飾模様に比して 格段に立体的で美しい装飾模様３を得ることができる。しかも、眼鏡素材である 熱可塑性樹脂材Ｒ自体を凹凸変形させて立体的な装飾模様３を施してあるので、 従来のメッキや宝石による装飾のように剥がれたり外れたりする虞れもなく、本 実施形態の立体装飾模様３の堅牢度は非常に優れている。

【００１４】 また、図３に拡大して示したように、テンプル１表面の凹凸状の装飾模様３は その凸部31が円やかな形状に形成してあるので、非常に手触りがよくて、怪我を する虞れもない。よって、この優れた手触り感と上記の立体感による視覚的な効 果とを同時に得ることができる。

【００１５】 つぎに、本考案の第２実施形態である眼鏡フレームを図４に基いて説明する。 第２実施形態においては、第１実施形態と同様な亀甲状装飾模様３をフロント２ の智近傍にも施した点が第１実施形態と異なる。これにより、装飾模様３による 立体感を眼鏡フレームＦの側面だけでなく正面にも出すことができ、全体的に変 化に富んだ眼鏡フレームＦが得られる。

【００１６】 また、本考案の第３実施形態である眼鏡フレームを図５に基いて説明する。第 ３実施形態においては、亀甲状の装飾模様３の代わりに凸部41を有する略雲形の 装飾模様４をテンプル１に施した点が第１実施形態と異なる。このように、亀甲 状装飾模様３のような連続模様だけでなく、凸部41のみのシンプルな立体装飾模 様４を施すこともできる。

【００１７】 さらに、本考案の第４実施形態である眼鏡フレームを図６に基いて説明する。 第４実施形態においては、亀甲状の装飾模様３の代わりにロゴタイプの装飾模様 ５をテンプル１に施した点が第１実施形態と異なる。ロゴタイプの装飾模様５は ３個の文字51・51・51（Ａ、Ｂ、Ｃ）から構成してあり、このように、図形だけ でなく文字による装飾を立体的に施すこともできる。

【００１８】 本考案の実施形態は概ね上記のとおりであるが、本考案は前述の実施形態に限 定されるものでは決してなく、「実用新案登録請求の範囲」の記載内において種 々の変更が可能であって、例えば、本実施形態においては、装飾模様をテンプル １の外側表面にのみ施してあるけれども、種々の装飾模様をテンプル１の内側、 あるいは内側と外側の双方に施すことも可能であり、また、フロント２のブリッ ジやリム、パッドなどの種々の眼鏡部品に装飾模様を施すことも可能であり、こ れら何れの変更態様も本考案の技術的範囲に属することは言うまでもない。

【００１９】

【考案の効果】

以上実施形態を挙げて説明したとおり、本考案にあっては、顔料等の着色剤を 含有する熱可塑性樹脂材から成る眼鏡部品の表面にホットプレスを施して凹凸状 の装飾模様を形成してあるので、この眼鏡部品表面の凹凸部に着色剤の密度差に よる色の濃淡が加わって、従来の装飾模様に比して格段に立体的で美しい装飾模 様を表面に有するプラスチック眼鏡部品を得ることができる。しかも、眼鏡部品 の素材自体を凹凸変形させて立体的な装飾模様を施してあるので、従来のメッキ や宝石による装飾のように剥がれたり外れたりする虞れもなく、その立体装飾模 様の堅牢度は非常に優れている。

【００２０】 また、本考案にあっては、眼鏡部品表面の凹凸状の装飾模様を円やかな形状に 形成してあるので、非常に手触りがよくて怪我をする虞れもなく、その結果、こ の優れた手触り感と上記の立体感による視覚的な効果とを同時に得ることができ る。よって、プラスチック眼鏡の装飾における利用価値は頗る大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施形態である眼鏡フレームのテ
ンプル素材の斜視図である。

【図２】第１実施形態眼鏡フレームの斜視図である。

【図３】図２の線Ｘ−Ｘに関する拡大断面図である。

【図４】本考案の第２実施形態である眼鏡フレームの斜
視図である。

【図５】本考案の第３実施形態である眼鏡フレームの斜
視図である。

【図６】本考案の第４実施形態である眼鏡フレームの斜
視図である。

【符号の説明】

Ｃ 着色剤 Ｆ 眼鏡フレーム Ｒ 熱可塑性樹脂材 １ テンプル ２ フロント ３ 亀甲状の装飾模様 31 凸部 32 凹部 ４ 凸状の装飾模様 41 凸部 ５ ロゴタイプの装飾模様 51 文字

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 着色剤を含む熱可塑性樹脂材から成る眼
   鏡部品の表面に、所要の凹凸形状にホットプレスを施す
   ことによって、当該部品表面の凹凸部に色の濃淡による
   立体的な装飾模様を形成したことを特徴とする立体装飾
   模様を有するプラスチック眼鏡部品。
2. 【請求項２】 着色剤を含む熱可塑性樹脂材から成る眼
   鏡部品の表面に、所要の円やかな凹凸形状にホットプレ
   スを施すことによって、当該部品表面の円やかな凹凸部
   に色の濃淡による立体的な装飾模様を形成したことを特
   徴とする立体装飾模様を有するプラスチック眼鏡部品。