JP3044328B2 - ガスセンサーのためのハウジング - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、請求項１の前提部で特定されるガスセンサ
ーのハウジングに関する。

このようなハウジングはドイツ公開公報第3410122号
によって知られている。

この公知のハウジングの欠点として、部品が多く複雑
で、組立コストが高くつくことが挙げられる。このハウ
ジングは二つに分がれるセラミックモールド材から構成
されている。これらは、組み立てられたハウジングの軸
線に対して垂直な面で分かれる。従って、組立は軸線方
向に行われる。その際、接触端子が薄板上を摺動するの
で、ひっかかりが生じたり、実際のセンサー素子が実装
された薄板に損傷を与える危険性が生じたりする。薄板
の支持のための多くの別個の保持部材や別個の電気接続
部材が組立を複雑にしている。

そこで、本発明の目的は、請求項１の前提部で特定さ
れるガスセンサーのハウジングの構成を簡素化して問題
なく組み立てられるようにすることにある。

この目的は、請求項１の前提部で特定される種類のハ
ウジングにおいて、請求項１の特徴部に記載した特徴に
より非常に簡単に解決される。

セラミックモールド材を、類似する好ましくは２つの
分割部材のみで構成することにより、製造が簡単にな
る。セラミック分割部材の間に薄板が差し込まれ、開放
したスリット内に接続部材が差し込まれる。セラミック
分割部材を組み合わせる際、従来技術と違って両者は径
方向に合わせられ、この状態で最終的に組み立てられ
る。例えば薄板上での接続部材の摺動のような相対移動
は本発明においては無くなるので、組立時の損傷の危険
性はほとんど無くなる。結果として、簡単で問題なく組
み立てられるハウジングが提供され、同時に不良品が減
少する。

過圧（例えば排ガス管）や負圧（例えば暖房設備や分
析管路の煙ガス管）での空気漏れによる誤測定を排除す
るために、実際の測定部分、つまり薄板の前側部分をハ
ウジングの後側部分から気密に遮断する。好ましくは、
２つの係合する円錐状の密封面によって外側から密封さ
れる。さらに、十分な気密性を得るために、回転ブッシ
ュの円錐状内面に円錘体を押しつける密封口金や密封リ
ングを予め備えさせることもできる。円錘体と薄板との
間の密封は、接着剤や上薬によって、或いは粉末充填
（セラミック粉末）を施すことによって達成される。こ
の粉末充填は、好ましくは円錘体の、薄板が突き出てい
る領域に形成したじょうご状の凹部に施される。

完成前のガスセンサーをケーブルの形でのじゃまにな
る電気接続を行わずに検査し、組み立てることができる
点で特に有利である。つまりユーザの特定の仕様に応じ
た個々の接続が可能であり、これによって管理及びユー
ザの特定の仕様への対応が容易になる。部分的な組み立
て、検査等の後に初めてハウジングが最終的に組み立て
られる。つまり、電気接続された接触部材の分割部材端
面から突き出ている部分を、分離した接続ケーブルが取
り付けられる別の保護ハウジングに組み込まれたレセプ
タクルに差し込む。この最終組立は製造業者によって、
あるいはプローブの取付後ユーザによって行われる。別
の保護ハウジングと、すでに組立てられている保護ハウ
ジングとの組み立ては、例えば圧入、溶着、ネジ締めに
よって、又は特殊なクランプ具等によって行われる。

本発明の好ましい実施態様及び別構成は下位の請求項
に記載されている。

好適な実施例は以下に図面と参照番号を用いて詳しく
説明される。

図１ 差し込まれた接続部材とセンサー素子を載せた薄
板とを備えたハウジングの第１実施例を示す概略断面図 図２ 図１のセラミックモールド材の分割部材を示す概
略平面図 図３ 図１の接続部材 図１において全体を５で示すガスセンサーのハウジン
グは外側保護ハウジング６を備えており、その一端側
に、薄板８に取り付けられた実際のセンサー素子のため
の電気コネクター７が設けられている。他端側にはセン
サー素子（図示せず）を有する薄板８が、測定すべきガ
ス流にさらされる孔あき保護キャップ９の内側に位置し
ている。さらに保護ハウジング６の中には電気コネクタ
ー又は薄板のための全体を10で示すセラミックモールド
材が備えられている。

本発明によれば、セラミックモールド材10は、この実
施例では、２つの同一の分割部材11（図２）から構成さ
れており、この分割部材は図２において（紙面に対応す
る）断面での平面視で示されている。この分割部材11は
その一端側の面に開口したスリット12を備えており、こ
のスリット内に、開口面から突き出すと共にスリットの
３つの面によって動かないように保持される接続部材13
（図３）が装着される。

さらに分割部材11は、他端14（一端15と反対側）のと
ころまで達しているとともに、薄板８の形状に適合した
凹部16を薄板８の収納と保持のために備えている。

少なくとも、分割部材11の一端面15から突き出た接続
部材13の一部分は凹部16の領域に位置しており、薄板８
を、セラミックモールド材10を構成する２つの分割部材
11の２つの凹部16の間に挟んで保持し、そして薄板上の
センサー素子と導電接続している。電気コネクター７
は、好ましくはクランプ接続により接続部材13と接続
し、これによって電気的接続が簡単に実現する。この場
合、接続部材が薄板８の両面に接触し、複数の隣接配置
された接続部材が電気コネクター７と接続するように構
成すれば特に有利である。同時に、薄板の機械的ストレ
スが均一になることがこの両側の接続部材によって保証
される。

セラミックモールド材10の二つの同じ分割部材11は、
金属スリーブとして作られた保護ハウジング６によって
動かないように固定される。両分割部材11は分割面（図
２における紙面）を有し、組立時においてその間に薄板
８と接続部材13とが収納される。凹部16の領域内でスリ
ットの領域外に凹状の接着剤受け部17が設けられてい
る。さらに各分割部材11はガイド突起18を備えており、
このガイド突起は相手の分割部材に設けられた対応する
ガイド孔に係合する。好ましくは、外側保護ハウジング
６の内側にセラミックモールド材10の両分割部材11を保
持するための保持リングを備えるとよい。この保持リン
グとしてはスリット入りのスリーブや焼きばめスリーブ
が用いられる。

さらに、このハウジング５はねじ20が切られた回転ブ
ッシュ21を備えており、そのブッシュの先端部に全体と
して９で示される保護キャップが取り付けられている。
外側保護ハウジング６はこの回転ブッシュ21に固定され
るが、好ましくは領域22のところで溶着される。

保護ハウジング６に、好ましくはフェルトガスケット
23を介して、差し込み台24が接続され、この内部で電気
コネクター７が差し込み連結具25を介して接続部材13に
接続される。保護ハウジング６は差し込み台24を覆う。
あるいはこの領域のために別個の保護ハウジング60が備
えられ、領域26において本来の保護ハウジング６と畳み
継ぎ、溶着、又は接着によって接続される。

接続部材13の、分割部材11の一端面15から突き出た部
分によって、このガスセンサーはケーブルの形での面倒
な電気接続をせずにテストされ、組み立てられ、そして
完成される。これにより取り扱いが容易になる。最終組
立のためにのみ差し込み台が装着され、連結具25が接続
され、保護ハウジング６に別の保護ハウジング60が接続
される。

接続部材13は、スリット12の第４開放面を越えて突出
する突出部27を備えており、この突出部はほぼ円弧状の
抜き打ち部28によって弾性変形しやすくつくられてい
る。この弾性変形は接続部材13の一部にスリットを入れ
ることによっても実現できる。さらに接続部材13はスリ
ット12内で動かないように保持される目的で打ち抜き部
29を備えており、ここにセラミックモールド材10の各分
割部材11のスリット12内の突起30が係合する。

ハウジングのための上記実施例は他にも種々の変更が
可能である。セラミックモールド材の両分割部材を同一
ではなく単に類似の形状とし、保持リングを用いて互い
に固定することも可能である。又、セラミックモールド
材の他端に円錘体を接続し、この円錘体と回転ブッシュ
の対応する円錘状凹面とでシール状態を形成することに
より、保護キャップ内の実際の測定部の空気漏れを回避
することができる。さらに、円錘体の両端面の薄板８が
突き出ている領域にじょうご状の凹部を形成することも
実用的である。この凹部を用いて接着、上薬、又は粉末
充填（セラミック）及び充填剤による気密接続が実現す
る。

さらに、スペーサスリーブを介してこの円錘体をセラ
ミックモールド材と接続することもできる。

また、接続部材は打ち抜きだけではなく、ばね鋼材を
曲げ加工して作ることもでき、この場合、分割部材11の
スリット12内の突起30に係合するＵ字部を設けておく。
突起30の反対側には電気接続スリーブの端部が当接して
おり、接続部材13全体がスリット12内で摺動不能に保持
される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G01N 29/409 ＷＰＩ（ＤＩＡＬＯＧ)

Claims (22)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内燃機関等の排ガス中の有害物質や酸化物
   の含有量を測定するためのラムゾンデのようなガスセン
   サーのハウジング（５）であって、薄板に備えられたセ
   ンサー素子のための電気コネクター（７）を一端（15）
   側に有し、他端（14）側では測定されるべきガス流にさ
   らされる孔あき保護キャップ（９）内にセンサー素子を
   有している外側保護ハウジング（６）と、電気コネクタ
   ー（７）や薄板（８）のために前記保護ハウジング
   （６）内に設けられたセラミックモールド材（10）とを
   備えているものにおいて、 前記セラミックモールド材（10）が２つ以上の分割部材
   （11）から構成され、 前記分割部材（11）は、一端（15）側で開口しているス
   リット（12）を備え、 前記スリット（12）の開放（第４）面を越えて突出する
   とともに前記スリット（12）の３つの面によって動かな
   いように保持されている接続部材（13）が前記分割部材
   （11）内に装着され、 前記分割部材（11）が、前記薄板（８）の収納と保持の
   ために、他端（14）側まで達するとともに前記薄板
   （８）の形状に適合している凹部（16）を備えており、 前記接続部材（13）の少なくとも前記突出部分は前記凹
   部（16）の領域に位置して、前記薄板（８）をクランプ
   保持するとともに薄板上のセンサー素子と電気接続さ
   れ、 前記接続部材（13）が後側で前記電気コネクター（７）
   に接続されることを特徴とするガスセンサーのハウジン
   グ。
2. 【請求項２】前記保護ハウジング（６）は、温度に対し
   て安定な材料をスリーブ状に形成したものである請求項
   １記載のハウジング。
3. 【請求項３】前記温度に対して安定な材料が金属である
   請求項２記載のハウジング。
4. 【請求項４】前記セラミックモールド材（10）は、合わ
   せ部分が同じであるか、又は全体が同一である２つの分
   割部材（11）から構成されている請求項１〜３のいずれ
   か１項記載のハウジング。
5. 【請求項５】両分割部材（11）はそれぞれ分割面（図２
   における紙面）を備えており、組み合わされた状態にお
   いてそれらの間に前記薄板（８）と前期接続部材（13）
   とが収納される請求項４記載のハウジング。
6. 【請求項６】各分割部材（11）が、前期薄板のため、そ
   して分割部材（11）相互の固定のためのガイド突起（1
   8）を備えている請求項１〜５のいずれか１項記載のハ
   ウジング。
7. 【請求項７】一方の分割部材（11）のガイド突起（18）
   が、組み立てられた状態において、他方の分割部材のガ
   イド孔（19）に係合している請求項４記載のハウジン
   グ。
8. 【請求項８】両分割部材（11）が保持リングを用いて保
   持される請求項１〜７のいずれか１項記載のハウジン
   グ。
9. 【請求項９】前記保持リングがばねリング、スリット入
   りスリーブ、又は焼きばめスリーブである請求項８記載
   のハウジング。
10. 【請求項１０】前記ハウジングがガスセンサーのための
    ねじ（20）付き回転ブッシュ（21）を備えており、この
    ブッシュが前記保護キャップ（８）の装着のために用い
    られる請求項１〜10のいずれか１項記載のハウジング。
11. 【請求項１１】前記保護ハウジング（６）が前記回転ブ
    ッシュ（21）に固着されている請求項10記載のハウジン
    グ。
12. 【請求項１２】前記接続部材（13）が後側の接続領域
    （30）及びこの接続領域とつながっている接触領域（2
    7）を備えている請求項１〜11のいずれか１項記載のハ
    ウジング。
13. 【請求項１３】前記接触領域（27）がスリット（12）の
    開放した、第４の面を越えて突出している突出部（27）
    を備えており、接触領域のこの部分が弾性変形しやすい
    ように形成されている請求項12記載のハウジング。
14. 【請求項１４】前記接触領域（27）が弾性変形しやすい
    ように形成されている請求項１〜13のいずれか１項記載
    のハウジング。
15. 【請求項１５】前記分割部材（11）のスリット（12）の
    底部に１又は複数の突起（30）が設けられ、これにより
    打ち抜き部（29）又はＵ字部を有する接続部材（13）が
    動かないように保持される請求項１〜14のいずれか１項
    記載のハウジング。
16. 【請求項１６】前記分割部材（11）の他端側に、分割部
    材（11）と一体の、又は分割部材（11）に連結される別
    体の円錐体が備えられ、この円錘体は前記回転ブッシュ
    （21）に形成された対応する円錐状凹面に対して密封状
    態で装着される請求項１〜15のいずれか１項記載のハウ
    ジング。
17. 【請求項１７】前記円錐体の両端面において、挿通され
    る薄板（８）の出入口領域に凹部が形成されている請求
    項16記載のハウジング。
18. 【請求項１８】前記凹部がじょうご状に形成されている
    請求項17記載のハウジング。
19. 【請求項１９】両分割部材（11）と前期円錘体とが保持
    リングによって保持される請求項１〜16のいずれか１項
    記載のハウジング。
20. 【請求項２０】前記ハウジングは、組立や機能検査の目
    的で、保護ハウジング（６）によって覆われている分割
    部材（11）の一端面（15）から前記接続部材（13）の後
    側までが露出している半完成品として構成されている請
    求項１〜19のいずれか１項記載のハウジング。
21. 【請求項２１】前記半完成品の露出側に、予め組み立て
    られた差し込み部材が別個の保護ハウジング（60）によ
    って接続される請求項20記載のハウジング。
22. 【請求項２２】前記保護ハウジング（６）が別個の保護
    ハウジング（60）と、圧入、溶着、ねじ結合、クラン
    プ、又は接着によって接続される請求項21記載のハウジ
    ング。