JP3044314B2 - 回転式膜分離方法及び回転式膜分離装置 - Google Patents

回転式膜分離方法及び回転式膜分離装置

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JP3044314B2 JP9517216A JP51721697A JP3044314B2 JP 3044314 B2 JP3044314 B2 JP 3044314B2 JP 9517216 A JP9517216 A JP 9517216A JP 51721697 A JP51721697 A JP 51721697A JP 3044314 B2 JP3044314 B2 JP 3044314B2
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剛和 富沢
直樹 近藤
健治 横井
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等 増田
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、精密濾過(MF)、限外濾過(UF)、ナノフ
ィルトレーション(NF,低圧RO)、膜蒸留(MD)、パー
ベーパレーション(PV,浸透気化法)等によって、被処
理原液を分離、蒸発等の処理をする分離方法及び分離装
置に係わり、特に回転式の板状膜を使用した回転式膜分
離方法及び回転式膜分離装置に関する。
背景技術 従来、一般的な回転式膜分離装置では、処理容器内に
被処理原液を満たした状態で、板状膜を回転させるた
め、隣り合った板状膜間の被処理原液が板状膜の回転に
伴ってつれ回りすることがあり、濃度分極を充分に抑制
することができなかった。
そこで、この濃度分極を抑制するために、特開昭61−
200808号公報及び実開平3−70729号公報に開示されて
いるように、回転する板状膜の間に固定板状膜または固
定板を取り付けたり、あるいは、特開平1−139114号公
報及び特公平7−41148号公報に開示されているよう
に、回転中心部分に開口部を設けて被処理原液の循環流
を生成させる構成が採用されている。
しかしながら、前者の膜分離装置にあっては、板状膜
間に固定板状膜または固定板を挿入し、その相対運動に
よるせん断流を利用したものであるが、組立方法等の構
造が複雑になると共に、板状膜の保護のために板状膜間
の間隔を大きく設定しなければならず、また、板状膜の
支持基板も剛直な厚いものを用いなければならず、板状
膜の充填密度を高くすることができないという問題点が
あった。
また、後者の膜分離装置にあっては、板状膜間に相対
運動する固定板状膜等が存在しないため、板状膜の充填
密度は高くできるものの、取付孔を含めて板状膜に多数
の孔があるため、板状膜の構造が複雑になるという問題
点があった。また、これら両者の膜分離装置とも、板状
膜が完全に液中に浸漬した状態で回転して、処理容器内
の被処理原液全体を撹拌するため、板状膜の全面に被処
理原液の荷重が加わり、板状膜を回転させるための動力
が大きくなり易いという問題点があった。
発明の開示 本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、そ
の目的は、構成簡易にして板状膜の充填密度を高くし
得、かつ濃度分極の抑制効果が充分に得られると共に動
力を低くし得る、回転式膜分離方法及び回転式膜分離装
置を提供することにある。
かかる目的を達成すべく、本発明による回転式膜分離
方法は、被処理原液を収容する処理容器の内部に、濾液
を回収通路へ導くための連通路を設けた回転軸を突出さ
せ、回転軸の軸端に配設された複数の板状膜を回転させ
て処理容器内の被処理原液を処理する回転式膜分離方法
において、処理容器内に所定量の被処理原液を収容し、
各板状膜は、その一部分が被処理原液に浸漬した状態を
保ちながら、板状膜を回転させて被処理原液を処理する
ことを特徴とする。
この膜分離方法によれば、処理容器内に配設された複
数の板状膜は、それぞれの一部分のみが被処理原液に浸
漬した状態で回転軸と共に回転する。板状膜は全体が被
処理原液中に浸漬しないため、板状膜間の被処理原液が
板状膜と共につれ回りすることがなくなり、濃度分極を
効果的に抑制することができると共に、板状膜に加わる
被処理原液による荷重も軽減されて、板状膜を回転させ
るための動力が低くなる。
なお、各板状膜の一部分が被処理原液に浸漬した状態
としては、被処理原液の液位が板状膜の回転軸中心か
ら、上下方向にそれぞれ板状膜の半径の1/3の範囲内に
ある状態が好ましい。本発明の膜分離方法による被処理
原液は、その液位が板状膜の回転軸近傍に位置する時、
最も望ましい状態で分離されることになる。
また、本発明による膜分離方法では、板状膜を、その
二次側を減圧した状態で回転させてもよく、こうする
と、二次側の減圧により、板状膜の一次側の被処理原液
が二次側に吸引されて、被処理原液が板状膜によって濾
過される。
また、本発明による膜分離方法では、処理容器内の気
相部に加圧気体を供給した状態で、板状膜を回転させて
もよく、こうすると、板状膜の一次側の被処理原液が気
相部の加圧気体で加圧されて、被処理原液が板状膜によ
って濾過される。
さらに、前述の目的を達成するため、本発明による回
転式膜分離装置は、被処理原液が収容される処理容器
と、処理容器の内部に突出され、濾液を回収するための
連通路が内部に設けられた回転軸と、回転軸上に配置さ
れ、回転軸の連通路に濾液を導く機構を備えた複数の板
状膜と、処理容器内において、各板状膜は、その一部分
が被処理原液に浸漬されるように、被処理容器内の液位
を調節する機構とからなることを特徴とする。
この膜分離装置によれば、処理容器内には、回転軸の
軸端に配設された板状膜の一部分が浸漬する程度に被処
理原液が収容され、この状態で回転手段により板状膜が
回転させられる。板状膜は、全体が被処理原液中に浸漬
していないため、回転時に板状膜間の被処理原液がつれ
回りすることがなくなり、濃度分極が抑制されると共
に、被処理原液の板状膜への回転時の負荷が軽減され
て、回転手段の動力が低減される。
また、本発明の膜分離装置において、被処理容器内の
液位を調節する機構は、被処理液をオーバーフローさせ
る排出手段とすることができ、処理容器内の被処理原液
が所定の液位以上になると、この排出手段によってオー
バーフローされ、処理容器内の液位、すなわち板状膜が
被処理原液に浸漬する深さが略一定に維持される。
また、この被処理容器内の液位を調節する機構は、液
位指示調節計とこれにより制御される被処理原液排出用
の制御弁とで構成してもよい。
また、本発明の膜分離装置では、処理容器に加圧気体
供給口と圧力調節用減圧弁とを設けてもよい。こうする
と、圧力調節用減圧弁で加圧気体供給口から処理容器内
に供給される加圧気体の圧力を調節して、処理容器内の
圧力を所定に保つことができ、処理容器内における被処
理原液の分離条件を均一にし得る。この場合、処理容器
の排出口の直前に、気泡分離手段を設けるとよい。こう
すると、板状膜の回転に伴う撹拌によって処理容器内の
加圧気体が被処理原液と混じって排出されて、処理容器
内の圧力が急激に低下することを、気泡分離手段により
防止して、濾過に必要な圧力を保つことができる。
また、本発明の膜分離装置では、処理容器内の下部
に、板状膜の回転による被処理原液の動きを規制する邪
魔板を設けることができる。こうすると、邪魔板によっ
て、板状膜の回転に伴う気液界面の処理容器内壁に沿う
拡がりが防止され、被処理原液が板状膜の回転中心部分
に確実に接触する。
また、本発明の膜分離装置では、処理容器の上部に、
処理容器の内壁に沿った方向に被処理原液を噴出させる
容器内壁洗浄手段を設けてもよく、こうすると、容器内
壁洗浄手段によって、容器内面に付着している被処理原
液が効果的に洗浄される。
ところで、板状膜の支持基板に薄い支持基板を用いれ
ば、支持基板が安価で、軽くて、取り扱い易いばかりで
なく、板状膜の充填密度を高くすることができる。しか
し、支持基板を薄くしたり支持基板を大きくすると、板
状膜間隔を一定に保持できなくなったり隣り合う板状膜
同士が密着することが起る。このような不都合を避ける
ため、本発明による回転式膜分離装置では、板状膜の外
周縁の少なくとも1箇所に櫛形スペーサを填めるとよ
い。こうすると、板状膜同士が密着するのを防止でき
る。櫛形スペーサに板状膜を填める代りに、板状膜は、
隣接する板状膜の少なくとも一方が外周縁に、隣接する
板状膜に向かって突出する突起を有するように構成して
もよい。
本発明の回転式膜分離方法及び回転式膜分離装置によ
れば板状膜自体の構造を簡略化することができて、板状
膜の充填密度を高くし得ると共に、板状膜の回転に伴う
被処理原液のつれ回りが防止され、濃度分極の抑制効果
を充分に得ることができる。また、板状膜の回転時に被
処理原液による板状膜に加わる荷重が軽減され、板状膜
を回転させるための動力を低くすることができる等の効
果を奏する。
図面の簡単な説明 図1は、本発明に係わる回転式膜分離装置の第1実施
例を示す概略構成図であり、 図2は、第1実施例の変形例を示す要部の概略構成図
であり、 図3は、本発明に係わる回転式膜分離装置の第2実施
例を示す概略構成図であり、 図4は、第2実施例における気泡分離手段の別の例を
示す要部の概略構成図であり、 図5は、第2実施例における気泡分離手段の他の例を
示す要部の概略構成図であり、 図6は、第2実施例における気泡分離手段のさらに他
の例を示す要部の概略構成図であり、 図7は、本発明に係わる回転式膜分離装置の第3実施
例を示す要部の斜視図であり、 図8は、本発明に係わる回転式膜分離装置の第4実施
例を示す要部の一部を破断した斜視図であり、 図9は、その変形例を示す要部の一部を破断した斜視
図であり、 図10は、本発明に係わる回転式膜分離装置の第5実施
例の要部を示すものであって、回転軸の軸線を通る面に
おける概略断面図である。
発明を実施するための最良の形態 以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説
明する。
図1は、本発明に係わる回転式膜分離装置の第1実施
例の概略構成図を示している。図において、膜分離装置
1は、略円筒形状の処理容器2と、この処理容器2内に
配設された膜分離手段3を有している。
処理容器2は、軸方向の両端2a、2bに孔4、5が穿設
され、一方の端面2aの孔4にはオーバーフロー管6の一
端が端面2aのほぼ中央に接続固定され、このオーバーフ
ロー管6の他端は下方に屈曲され、その下部には原液タ
ンク7が配置されている。このオーバーフロー管6によ
って、処理容器2内の被処理原液Wの液位(液面の高
さ)が略一定に保たれる。また、処理容器2の他方の端
面2bの孔5には、メカニカルシール等からなる軸封部材
8が装着され、この軸封部材8には、膜分離手段3の回
転軸9が回転自在に挿通されている。
膜分離手段3は、上記回転軸9と、この回転軸9の処
理容器2内の端部に取り付けられた複数の板状膜10を有
し、板状膜10が処理容器2内で回転し得るように、回転
軸9が上記軸封部材8に軸受されている。板状膜10は、
例えば円板状の支持基板と、この支持基板の両側面を覆
う濾過膜と、回転軸内の連通路9aに濾液を導く機構とし
て支持基板上に形成された濾液流路(いずれも図示せ
ず)等で構成されている。そして、板状膜10の中心部に
設けられた取付孔11を回転軸9に挿通させて固定するこ
とによって、複数の板状膜10が回転軸9に所定間隔で取
り付けられている。濾液流路は、支持基板と濾過膜との
間にネットを介在させることにより、又は、支持基板に
溝を形成することによりもたらされる。
一方、回転軸9は、その内部に連通路9aが形成されて
おり、この連通路9aは、板状膜10の取付孔11部に形成さ
れた連通孔(図示せず)によって、板状膜10内部の上記
濾液流路と連通している。また、回転軸9の処理容器2
から外部に突出する部分には、板状膜10を回転させるた
めの回転手段12が設けられている。この回転手段12は、
回転軸9に固定されたプーリ13と、Vベルト14と、プー
リ15及びモータ16等を有している。この回転手段12のモ
ータ16の回転によって、プーリ15、Vベルト14、プーリ
13を介して回転軸9が回転して、板状膜10が回転され
る。
また、回転軸9の処理容器2から外部に突出する端部
には、ロータリージョイント17が配設され、このロータ
リージョイント17は、排液ポンプ18を介して濾液タンク
19に接続されている。なお、原液タンク7と処理容器2
間には、被処理原液循環用の給液ポンプ20が接続され、
この給液ポンプ20によって、原液タンク7から処理容器
2内に被処理原液Wが戻される。
次に、上記膜分離装置1の動作について説明する。ま
ず、処理容器2内に、図示しない供給口から、例えば処
理容器2の略容量分に相当する被処理原液Wを供給する
と、被処理原液Wの一部は、オーバーフロー管6を介し
て原液タンク7に排出され、処理容器2内が所定の液
位、すなわち、板状膜10の略下半分が浸漬する程度の液
位に設定される。この状態で、給液ポンプ20を作動させ
ると、原液タンク7内の被処理原液Wが給液ポンプ20を
介して処理容器2内に戻され、処理容器2内の被処理原
液Wがオーバーフロー管6を介して原液ポンプ7に排出
されるという、被処理原液Wの循環流が生成される。
そして、この状態で回転手段12のモータ16及び排液ポ
ンプ18を作動させる。モータ16が回転すると回転軸9が
回転し、この回転軸9の回転に伴って板状膜10が回転し
て、処理容器2内の被処理原液Wが撹拌される。この被
処理原液Wの撹拌による遠心力等によって、板状膜10間
の被処理原液Wが、中心側から外周側(但し板状膜10の
略下半分の外周側)に向かって流れる。
また、排液ポンプ18の作動による吸引力によって、ロ
ータリージョイント17及び回転軸9の連通路9aを介し
て、板状膜10の濾過膜(二次側)が減圧される。この減
圧等によって、板状膜10の外側(一次側)に位置する被
処理原液Wの一部が、各板状膜10の濾過膜を通って二次
側である濾液流路内に進入する。これにより、板状膜10
の一次側から二次側に流れる被処理原液Wの流れが生成
される。この流れによって被処理原液Wが濾過され、そ
の濾液が回転軸9の連通路9a、ロータリージョイント1
7、排液ポンプ18を介して濾液タンク19に収容される。
なお、板状膜10の回転に伴い、板状膜10間に介在する
被処理原液Wには、板状膜10と共につれ回り(板状膜と
被処理原液間の相対速度が0)しようとする力が作用す
るが、板状膜10の略下半分のみが被処理原液Wに浸漬し
ているだけであり、浸漬していない上半分では、被処理
原液Wが板状膜10面を主に外周方向に流れるため、被処
理原液Wが板状膜10と共につれ回りする力が非常に弱く
なる。すなわち、板状膜が液に完全に浸った状態で回転
したとすると、板状膜間にある液には回転の接線方向に
力が働いていても周囲を液に囲まれていて、板状膜面を
流れて飛び出そうとする作用が押さえられてしまい、板
状膜間の液の殆どが共回りして滞留してしまい、膜面で
濃度分極が起ってしまう。一方、板状膜の一部分が、液
面よりも上にあると、その部分ではさえぎるものがない
ので遠心力で膜面を液が流れて飛び出すことになる。ま
た浸漬されている部分も常に共回りが乱されて、充分膜
面溶液も撹拌される。
このように、上記実施例によれば、処理容器2にオー
バーフロー管6を設けて、処理容器2内の被処理原液W
の液位を、板状膜10の略下半分が浸漬する程度に設定
し、この状態で板状膜10が回転されるため、板状膜10の
回転に伴う板状膜10間の被処理原液Wのつれ回りが防止
されて、濃度分極を充分に抑制することができる。
また、板状膜10間に固定板状膜や固定板を配設する必
要がなくなり、板状膜10の充填密度を高めることができ
ると共に、ごく一般的な構造の板状膜10を使用すること
ができて、板状膜10自体の構造を簡略化することができ
る。さらに、板状膜10の略下半分が被処理原液Wに浸漬
した状態で回転するため、回転時に板状膜10に加わる被
処理原液Wの荷重が軽減され、板状膜10を回転させる動
力、すなわち、回転手段12のモータ16の消費電力を小さ
く(動力を低く)することができると共に、駆動トルク
の小さい小型のモータ16の使用が可能になって、膜分離
装置1のコストダウンが図れる。
図2は、上記第1実施例の変形例を示し、この実施例
の特徴は、オーバーフロー管を高さ調節可能に配設した
点にある。なお、上記第1実施例と同一箇所には同一符
号を付し、その詳細な説明は省略する(以下の各実施例
においても同様である)。この実施例の膜分離装置1
は、処理容器2の底面側に軸封部材22が設けられ、この
軸封部材22に、オーバーフロー管23が図2の矢印Aに示
す如く上下動可能に挿通されている。
オーバーフロー管23は、下端側が略水平になる如く屈
曲され、処理容器2内に位置する上端開口部23aの位置
によって、処理容器2内の被処理原液Wの液位が決定さ
れる。この実施例においても、上記第1実施例と同様の
作用効果が得られる他に、処理容器2内の液位を変化さ
せることができ、例えば被処理原液Wの懸濁度合い等に
応じて液位を設定でき、その処理効率を向上させること
ができるという作用効果も得られる。
図3は、本発明に係わる回転式膜分離装置の第2実施
例を示す概略構成図である。この膜分離装置31は、処理
容器2に、液位指示調節計32と圧力調節用の減圧弁33が
設けられている。液位指示調節計32は、処理容器2内の
液位を検出して所定の信号を出力し、モータ32cを介し
て、被処理原液Wを原液タンク7に排出させるための制
御弁32aを制御する。
圧力調節用の減圧弁33は、その出力側が処理容器2に
設けられた加圧気体供給口34に接続され、入力側が例え
ばコンプレッサー等からなる加圧気体供給源35に接続さ
れ、処理容器2内の圧力を一定に保つよになっている。
また、処理容器2の一方の端面2a側、すなわち被処理
原液Wの排出側の直前には、気泡分離手段40が設けられ
ている。この気泡分離手段40は、3つのせき板41a〜41c
で形成され、このせき板41a〜41cによって、処理容器2
内の被処理原液Wに溶存している気泡が分離される。し
たがって、液位置指示調節計32が配置されている部分の
被処理原液Wには、混入気泡がほとんど存在しなくな
り、例えば板状膜10の回転に伴う処理容器2内の液位の
大きな変化を液位指示調節計32が検出することがなくな
る。
なお、原液タンク7には、被処理原液供給用の開閉弁
43が接続されると共に、その排出口には排出用の開閉弁
44が接続され、また、処理容器2の供給排出口45には、
処理容器2内に被処理原液Wを供給もしくは排出するた
めの開閉弁46、47が直列的に接続され、開閉弁46には給
液ポンプ20が接続されている。さらに、ロータリージョ
イント17と濾液タンク19間には開閉弁48が接続され、濾
液タンク19には、濾液排出用の開閉弁49が接続されてい
る。
この膜分離装置31は、開閉弁43を開いて原液タンク7
内に被処理原液Wを供給し、開閉弁46を開くと共に給液
ポンプ20を作動させ、原液タンク7内の被処理原液Wを
処理容器2内に供給排出口45を介して供給する。そし
て、処理容器2内に所定量の被処理原液Wが収容され、
その液位が所定の位置まで上昇した後は、濾過量と循環
量に見合う被処理原液Wを供給できるように、給液ポン
プ20を調節しておく。液位が所定の位置よりさらに上昇
すると、液位指示調節計32がこれを検出して、制御弁32
aに信号を出力し、これにより制御弁32aが開いて、処理
容器2内の被処理原液Wが原液タンク7に排出される。
処理容器2内の液位が所定の位置より下がると、これ
を液位置指示調節計32が検出して、新たな信号を出力す
る。この信号により制御弁32aが閉じ、処理容器2内か
ら被処理原液Wの排出が停止される。そして、制御弁32
aがこの動作を繰り返すことにより、処理容器2内の液
位が所定の液位に維持される。なお、液位指示調節計32
による液位の検出は、気泡分離用のせき板41a〜41cによ
って、正確に検出することができる。
一方、給液ポンプ20の作動と共に加圧気体供給源35を
作動させて、減圧弁33、加圧気体供給口34を介して、処
理容器2内に加圧気体を供給する。処理容器2内の圧力
は、減圧弁33によって予め設定した圧力に維持される。
そして、給液ポンプ20及び加圧気体供給源35が作動し
ている状態で、開閉弁48を開いて回転手段12のモータ16
を回転させると、回転軸9を介して、その略下半分が被
処理原液Wに浸漬している板状膜10が回転し、被処理原
液Wが撹拌される。この撹拌時に、板状膜10の一次側に
位置する被処理原液Wが、加圧気体による圧力と板状膜
10の回転により、板状膜10の濾過膜を介してその二次側
に流れて、被処理原液Wが効果的に濾過される。この濾
液が回転軸9の連通路9a、ロータリージョイント17、開
閉弁48を介して流れ、濾液タンク19内に収容される。
この第2実施例によれば、上記第1実施例と同様の作
用効果の他に、次のような作用効果が得られる。すなわ
ち、液位指示調節計32によって、処理容器2内の液位を
きめ細かに制御することができると共に、特に、気泡分
離用のせき板41a〜41cを設けることにより、液位の検出
を正確に行なうことができて、被処理原液Wの懸濁状態
等に応じた効率良い分離処理作業を行うことができる。
また、圧力調節用の減圧弁33によって、処理容器2内
を加圧できるため、膜間差圧が数気圧必要とするUF,NF
処理に対応できる。さらに、開閉弁43、46、48等を設け
ることにより、被処理原液Wを連続的に処理することが
できて、処理作業の作業効率が一層向上することにな
る。
図4〜図6は、上記気泡分離手段の他の例を示してい
る。すなわち、図4の気泡分離手段50は、処理容器2の
底部に、上下端部が開口した円筒部材51を配設すると共
に、処理容器2の底板に、被処理原液排出用の開閉弁52
が接続された排出口としての円筒部材53を配設し、この
円筒部材53の上端を円筒部材51の内部に位置させたもの
である。
また、図5の気泡分離手段50は、処理容器2内の板上
膜10の下端に所定の間隔をおいてせき板54を配設すると
共に、このせき板54の下方の底板に被処理原液Wの排出
口55を設け、この排出口55に開閉弁56を接続するように
そたものである。さらに、図6の気泡分離手段50は、処
理容器2内の略下半分に、原液容器57を配設し、この原
液容器57内に、板上膜10の略下半分を収容させると共
に、処理容器2の底部に被処理原液排出用の排出口58を
設けたものである。
これらの気泡分離手段50においても、上記第2実施例
の気泡分離手段40と同様の作用効果、すなわち、処理容
器2の原液排出口の直前に設けられた気泡分離手段50に
よって、被処理原液W内に混入している気泡が分離され
るという作用効果が得られることになる。
図7は、本発明の回転式膜分離装置の第3実施例を示
し、この膜分離装置61の特徴は、処理容器2の底部に気
液界面平滑化用の邪魔板62を配設した点にある。すなわ
ち、処理容器2の底部内面に、処理容器2の長手方向
(回転軸9の軸方向)に沿って、板状膜10の下端と所定
の間隔を有して帯状の板からなる邪魔板62を設ける。
この第3実施例によれば、板状膜10の回転に伴う被処
理原液Wの拡がりによる板状膜10の中心部分への非接触
が防止される。すなわち、処理容器2内の被処理原液W
に板状膜10の一部を浸漬させた状態で板状膜10を回転さ
せると、被処理原液Wが処理容器2の内壁に沿って回転
方向の両側に拡がり、中心部分が窪む状態となって、被
処理原液Wの処理容器2内への収容量によっては、被処
理原液Wが回転している板状膜10の中心部分に接触しな
くなる。
しかし、この第3実施例においては、邪魔板62によっ
て、板状膜10の回転に伴う被処理原液Wの拡がりが規制
されるため、中心部分が極端に窪むことがなくなり、被
処理原液Wが板状膜10の中心部分に確実に接触し、膜面
近傍の溶液を充分撹拌して効果的な分離効果が得られる
ことになる。なお、この実施例においては、邪魔板62を
1枚設けた場合について説明したが、複数枚設ければ被
処理原液Wの拡がりがより効果的に防止される。
図8は、本発明に係わる回転式膜分離装置の第4実施
例を示し、この膜分離装置71の特徴は、処理容器2に容
器内壁洗浄手段72を設けた点にある。すなわち、処理容
器2の上部内面に、その軸方向に沿ってスリット孔73を
有する散液管74を配設し、この散液管74に、洗浄用の原
液を供給する供給管75を接続する。散液管74のスリット
孔73の開口部は処理容器2の内壁に向けて設けられてい
る。
この膜分離装置71によれば、供給管75を介して散液管
74に洗浄用の原液を所定の圧力で供給することにより、
この原液が散液管74のスリット孔73から、処理容器2の
内壁に散液され、この原液が内壁に沿って下方に流れ
る。これにより、処理容器2の内壁が洗浄され、原液中
の固形分等の処理容器2内壁への付着を防止し、スムー
ズな分離作業が長時間可能になる。
図9は、上記第4実施例の変形例を示すもので、容器
内壁洗浄手段72として、供給管76に下方に指向した複数
の散液口77を設けると共に、この散液口77の下方に処理
容器2の内壁と略同一の曲率を有する分散板78を配設す
る。この実施例においても、供給管76から供給された原
液が、散液口77から突出されて分散板78に当り、この分
散板78によって左右方向に分散された後、処理容器2の
内壁に沿って流れて内壁が洗浄され、上記第4実施例と
同様の作用効果が得られる。
図10は、本発明に係わる回転式膜分離装置の第5実施
例を示すもので、支持基板の撓みによって、複数個の板
状膜10同士が接触し場合により密着するのを防止できる
ようにしたものである。すなわち、複数個の板状膜10の
外周縁が填まる複数個の凹部を一方の長さ方向縁に備え
た櫛形スペーサ80を、板状膜の外周縁の少なくとも1箇
所に、回転軸9の軸線方向に延びるように取付けてあ
る。図示の例において、回転軸9に取り付けた板状膜10
の回転軸の軸線方向両端に位置する板状膜は、それぞれ
剛体の支持基板に濾過膜を取り付けたものからなるが、
両端の板状膜の間にある板状膜は、可撓性の支持基板に
濾過膜を取り付けたものからなる。櫛形スペーサの長さ
方向両端の各々を、両端の剛体の支持基板を持つ板状膜
に固定し、中間の可撓性支持基板を持つ板状膜を、櫛形
スペーサの凹部に填めてある。図10において、符号10a
は、回転軸の周囲に設けた環状スペーサを、また、符号
10bは、Oリングをそれぞれ示し、Oリングによる押し
付け力により、板状膜10の回転軸9に対するシーリング
がもたらされる。櫛形スペーサの代わりに、板状膜の外
周縁に、隣接する板状膜に向かって突出する突起を設け
てもよい。
本発明は上記各実施例のそれぞれに限定されるもので
はなく、各実施例を適宜に組み合わせても良い。また、
上記各実施例における板状膜の構成、処理容器の形態、
回転手段、気泡分離手段、容器内壁洗浄手段等の構成、
被処理原液の処理容器内への収容量等も一例であって、
本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能
であることは言うまでもない。
なお、本発明の回転式膜分離方法及び回転式膜分離装
置において、回転軸を1軸とした場合、処理容器として
円筒状のものが利用でき、処理容器が耐圧性に優れると
いう利点が得られる。また、板状膜を高密度に処理容器
内に配置できるので、UFのみならず、RO、NF等加圧(0.
1〜2MPa)処理装置として用いることができる。さら
に、板状膜は、一部が被処理液に浸漬されず、処理容器
内には、気相部が存在するので、膜の種類によっては、
PV法による脱水や有機溶媒の精製分離にも利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−290194(JP,A) 特開 平5−23194(JP,A) 実開 平4−81697(JP,U) 実開 平3−66696(JP,U) 実開 平5−56228(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 63/16

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被処理原液を収容する処理容器の内部に、
    濾液を回収通路へ導くための連絡通路を設けた回転軸を
    突出させ、回転軸の軸端に配設され、連絡通路に濾液を
    導く機構を備えた複数の板状膜を回転させて処理容器内
    の被処理原液を処理する回転式膜分離方法において、処
    理容器内に所定量の被処理原液を収容し、各板状膜は、
    その一部分が被処理原液に浸漬した状態を保ちながら、
    板状膜を回転させて被処理原液を処理する回転式膜分離
    方法。
  2. 【請求項2】前記板状膜を、その二次側を減圧した状態
    で回転させる、請求項1記載の回転式膜分離方法。
  3. 【請求項3】前記処理容器内の気相部に加圧気体を供給
    した状態で、前記板状膜を回転させる、請求項1記載の
    回転式膜分離方法。
  4. 【請求項4】被処理原液が収容される処理容器と、処理
    容器の内部に突出され、濾液を回収するための連通路が
    内部に設けられた回転軸と、回転軸上に配置され、回転
    軸の連通路に濾液を導く機構を備えた複数の板状膜と、
    処理容器内において、各板状膜は、その一部が被処理原
    液に浸漬されるように、被処理容器内の液位を調節する
    機構とからなる回転式膜分離装置。
  5. 【請求項5】前記被処理容器内の液位を調節する機構
    は、被処理液をオーバーフローさせる排出手段からな
    る、請求項4記載の回転式膜分離装置。
  6. 【請求項6】前記被処理容器内の液位を調節する機構
    は、液位指示調節計とこれにより制御される被処理原液
    排出用の制御弁とからなることを特徴とする、請求項4
    記載の回転式膜分離装置。
  7. 【請求項7】前記処理容器に加圧気体供給口と圧力調節
    用減圧弁とを設ける、請求項4記載の回転式膜分離装
    置。
  8. 【請求項8】前記処理容器の排出口の直前に、気泡分離
    手段を設ける、請求項7記載の回転式膜分離装置。
  9. 【請求項9】前記処理容器の下部に、板状膜の回転によ
    る被処理原液の動きを規制する邪魔板を設ける、請求項
    4記載の回転式膜分離装置。
  10. 【請求項10】前記処理容器内の上部に、処理容器の内
    壁に沿った方向に被処理原液を噴出させる容器内壁洗浄
    手段を設ける、請求項4記載の回転式膜分離装置。
  11. 【請求項11】前記板状膜は、外周縁の少なくとも1箇
    所に櫛型スペーサが填められる、請求項4項記載の回転
    式膜分離装置。
  12. 【請求項12】前記板状膜は、隣接する板状膜の少なく
    とも一方が外周縁に、隣接する板状膜の他方に向かって
    突出する突起を有する、請求項4記載の回転式膜分離装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113694734A (zh) * 2021-09-09 2021-11-26 河北森斯环保科技有限公司 一种膜法提取葡萄糖酸装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08290194A (ja) * 1995-04-20 1996-11-05 Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd 汚水処理装置

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