JP3043770U - スライダ引手用装飾体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 引手の窓穴に制約されることなく装飾用引手
体を製作でき、しかも、耐久性、操作機能性を良好で、
特に装飾性の多様化に対応できる。 【解決手段】 装飾用引手体3 を連結固定する手段と引
手の窓穴40に通して固定する連結バンドを具備させたジ
ョイント1 並びに装飾用引手体3 との二部品から構成す
る。ジョイントの連結バンド10をスライダ引手4 の窓穴
に通して折返し、その自由端部の係着固定用突起11を覆
板17の切欠部18から、積層状態の挿入片25の貫通孔21に
通して、基板16の係着用穴12に地獄止め係着し、スライ
ダ引手の窓穴に装着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、鞄、ジャンパー等に利用されるスライドファスナのスライダ引手に 取付けるスライダ引手用装飾体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のスライダ引手用装飾体としては、例えば、実開昭６３−５９５１１号公 報に開示されているように、ゴム、合成ゴムあるいは適宜合成樹脂製等（以下、 軟質材料という。）の帯状板をなす幅広の装飾用引手体よりなり、該装飾用引手 体は、その長手方向の中間部を折曲反転自在とするとともに、装着対象のスライ ドファスナのスライダ引手に開設された窓穴より狭くし、また両端部を摘み易く するために幅を広くした重合片を形成するとともに、該重合片のそれぞれの外面 側に屈曲可能な凸曲部を備え、且つ両凸曲部の内面側に互いにスナップ噛合する 雌雄の係止部を突設する構成のように、一部品から構成するものが公知となって いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のスライダ引手用装飾体は、重着片相互を鳩目金具で一体化するもの の改良として考案されたものであることから、製作コスト面での経済性を良好に するとともに、鳩目部分の緩みによって生じていた指先負傷を解消して使用時の 安全性を高めることはできるものの、スライダ引手の窓穴への装着については、 スライダ引手の窓穴に、前記装飾用引手体をその幅広の一端部を変形させて無理 矢理挿通する必要があることから、その装着作業能率は低くなってコストの低廉 化は十分とは言えないばかりか、時として装飾用引手体が毀損されることもあり 、したがって、装飾体を弾性変形させて窓穴に挿通するためには、装飾体の横幅 あるいは厚みに制限を受け、その結果、耐久性、操作機能性に悪影響与え、また 装飾性の多様化に対応できない点に解決すべき課題があった。

【０００４】 本考案は上記の課題を解決し、スライダ引手への装着作業性を良好とするとと もに、スライダ引手の窓穴に制約されることなく装飾用引手体を製作できるとと もに、耐久性、操作機能性を良好とし、特に装飾性の多様化に対応できるスライ ダ引手用装飾体を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、スライダ引手(4) に形成されている窓穴(40)を利用して装着される スライダ引手用装飾体を、ジョイント(1) と装飾用引手体(3) の二部品から構成 し、ジョイント(1) に、装飾用引手体(3) を連結固定する手段と前記スライダ引 手(4) の窓穴(40)に通して固定する連結バンド(10)を具備させ、また装飾用引手 体(3) として、ジョイント(1) に連結する側を自由端とし且つ操作側となる部分 の幅を広くしたことを特徴とする構成である。

【０００６】 請求項２に記載したスライダ引手用装飾体は、構成される二部品であるジョイ ント(1) と装飾用引手体(3) の内、そのジョイント(1) を、扁平の筒形体(15)を 形成する広い面の対向壁の一方を基板(16)としてこれに係着部を設けるとともに 、その一端部から前記窓穴(40)に通して折り返しその自由端部を基板(16)に係着 するようにした連結バンド(10)を延設し、また基板(16)に対向する覆板(17)に連 結バンド(10)の自由端部を基板(16)の係着部に結合させるための切欠部(18)を形 成し、筒形体(15)の他端部に挿入口(13)を形成した構成とし、また前記装飾用引 手体(3) を、前記ジョイント(1) の挿入口(13)から挿入されて基板(16)と連結バ ンド(10)の自由端との間に挟着される挿入片(25)を両端に形成するとともに、挿 入片(25)の間が露出面側に任意の平面的または立体的装飾を施した装飾主体(2) となっていて、中央の対称軸線で折曲して挿入片(25)相互が重なる左右対称形状 とした構成としたものであり、ジョイント(1) の挿入口(13)から差し込まれた挿 入片(25)の積層部を、連結バンド(10)の自由端部と基板(16)との間で挟着固定し たことを特徴とする。

【０００７】

【考案の実施の形態】及び

【実施例】 本考案の実施例１に係るスライダ引手用装飾体を図に基いて説明すると、図１ は当該実施例１の分解正面図、図２はジョイント(1) の断面図、図３は装飾用引 手体(3) の断面図、図４は結合状態を示す断面図であって、ジョイント(1) と装 飾用引手体(3) の二部品から構成されており、各部品の構成と相互の結合及びス ライダ引手(4) への装着を以下に説明する。

【０００８】 先ず、実施例１においてジョイント(1) の構成を説明すると、ポリプロピレン 製であって、扁平の筒形体(15)を形成する広い面の対向壁の一方を基板(16)とし てこれに係着用穴(12)とその周囲に係合筒形縁(19)を設けるとともに、その一端 部から、スライダ引手(4) の窓穴(40)の幅よりも細幅とした連結バンド(10)を延 設し、その自由端部に前記係着用穴(12)に挿入して固定される係着固定用突起(1 1)を一体に立設する。

【０００９】 また前記扁平の筒形体(15)を形成する基板(16)に対向する覆板(17)には、前記 連結バンド(10)の自由端部の係着固定用突起(11)を基板(16)の係着用穴(12)に結 合させるための切欠部(18)を形成し、筒形体(15)の他端部には後記装飾用引手体 (3) の挿入片(25)を積層状態で挿入するための挿入口(13)を形成した構成とし、 該挿入口(13)の奥の両側には、装飾用引手体(3) を連結する際の挿入片(25)の位 置決め手段として当接壁(14)が両側壁から突出している。

【００１０】 次に装飾用引手体(3) の構成を説明すると、ポリエチレン製からなり、長さ86 mm、 最大幅25mm、厚み１mmであって、長手中央の対称軸線で折曲する部分に折曲 用溝(20)が形成され、これと平行して、滑り止め機能を発揮して操作性を良くす るために作用半円筒形体及び半角筒形体の補強条(24)を表面に隆起形成した装飾 主体(2) の両端に、前記ジョイント(1) の挿入口(13)から挿入するための幅を有 する挿入片(25)を形成して左右対称形状とした構成であり、前記挿入片(25)には 、前記ジョイント(1) の当接壁(14)の対向間隔幅とその厚み分だけ突出した係合 縁(22)と、その両側に当接端(23)が形成され、該当接端(23)をジョイント(1) の 当接壁(14)に当接した状態で、基板(16)に形成した係合筒形縁(19)に嵌合するよ うに貫通孔(21)を設け、連結時の位置決めができるように構成されている。

【００１１】 上記のように構成されたジョイント(1) と装飾用引手体(3) とは、まずスライ ドファスナーの用いられている対象物の色彩、装飾柄等に応じて、良好なコンビ ネーションとなる色彩、模様等を具備する装飾用引手体(3) を選択し、その挿入 片(25)の一方をジョイント(1) の挿入口(13)に差し込んで、挿入片(25)の貫通孔 (21)をジョイント(1) の基板(16)の係合筒形縁(19)に嵌合させるとともに、対称 軸線部分に設けた折曲用溝(20)外側として装飾主体(2) を折曲し、他方の挿入片 (25)を挿入口(13)から差し込んで積層状態とした後、ジョイント(1) の連結バン ド(10)をスライダ引手(4) の窓穴(40)に通して折返し、その自由端部の係着固定 用突起(11)を覆板(17)の切欠部(18)から、積層状態の挿入片(25)の貫通孔(21)に 通して、基板(16)の係着用穴(12)に地獄止めとなるように係着することにより、 スライダ引手(4) への装着と、部品相互の連結とが行われる。

【００１２】 また、実施例２に係るスライダ引手用装飾体は、図５にその結合状態の断面図 を示すように、ジョイント(1) と、装飾用引手体(3) の連結方法を異にするもの であり、具体的にはジョイント(1) のみが実施例１と相違する。

【００１３】 構成される二部品であるジョイント(1) と装飾用引手体(3) の内、ジョイント (1) は、係合手段を別体の固定ピン(1a)を用いたものとし、該固定ピン(1a)によ って、前記ジョイント(1) のピン隠し穴(1b)及び係着用穴(12)、装飾用引手体の 貫通孔(21)を連通して前記ジョイント(1) 及び装飾用引手体(3) を連結固定する ものである。

【００１４】 以上説明した本考案の実施例に係るスライダ引手用装飾体における装飾用引手 体(3) は、表面に補強条(24)を隆起形成したことで、滑り止めによる操作性向上 を図ることができるとともに、不用意に引手方向に急激な負荷が加わった場合で も、材質の伸縮性及び補強条(24)の弾性変形によって適度に負荷を吸収すること ができ、前記連結バンド(10)の折曲部分等のひび割れや破損を防止し、耐久性を 向上させている。

【００１５】 また、装飾用引手体(3) の挿入片(25)とジョイント(1) の筒形体(15)とに、相 互の位置決めができる構成を具備させることによって、ジョイント(1) に対する 装飾用引手体(3) のガタツキを防ぎ、一体構成としたかのごとき丈夫さとするこ とができる。

【００１６】 加えて、装飾用引手体(3) の内側面の長手方向にリブ（図示せず）を設けるこ とで、該装飾用引手体(3) の捻れ剛性を高め、耐久性、使い易さを向上させるこ とができる。

【００１７】 尚、上記実施例においては、装飾用引手体(3) として長手中央で折り返す構成 について説明したが、輪郭形状、凹凸模様等による装飾性と滑止性を具備させる 限り、一枚物とすることができ、使用材料の節約による低廉化と、引手機能を低 下させることのないスマートさを確保することができ、また装飾用引手体(3) の 挿入片(25)と連結バンド(10)との連結固定は、地獄止め等の雌雄部材による連結 に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂の性質を利用した熱溶着手段の他、一 般的な連結バンド段が採用できることは言うまでもない。

【００１８】

【考案の効果】

本考案によれば、スライダ引手用装飾体を、ジョイント(1) と装飾用引手体(3 ) の二部品から構成し、ジョイント(1) に、装飾用引手体(3) を連結固定する手 段とスライダ引手(4) の窓穴(40)に通して固定する連結バンド(10)を具備させ、 また装飾用引手体(3) として、ジョイント(1) に連結する側を自由端とし且つ操 作側となる部分の幅を広くしたから、操作性を害することがなく、またジョイン ト(1) を共通部品とし、スライダ引手(4) の窓穴(40)の大きさに左右されずに、 形状、模様、色彩またはこれらの組み合わせによる各種デザインの装飾用引手体 (3) を製作することができ、特にスライドファスナーを使用している対象物に応 じてコンビネーションの良い装飾性に優れたスライダ引手用装飾体の要求のニー ズに応えることのできる。

【００１９】 またジョイント(1) に、スライダ引手(4) の窓穴(40)に通す連結バンド(10)を 設けているために、スライダ引手(4) への装着において、従来のように装飾用引 手体(3) を無理に変形させることが皆無となることから、無理に変形させること により生じていた、ひび割れ、早期毀損等の耐久性低下、操作機能性の喪失が解 消されるだけでなく、スライダ引手用装飾体のスライダ引手(4) への装着作業性 が良好となる。

【００２０】 更には、装飾用引手体(3) に軟質材料を使用しなくてもよいので、雌雄係合手 段を含めたジョイント(1) の材質を硬質材料とすることができ、該雌雄係合手段 の弾性変形による外れを防止することができるとともに、該雌雄係合手段相互の 係止を強固とすることができる。

【００２１】 また、ジョイント(1) と別体の固定ピン(1a)を用いることにより、係着用穴へ の位置決めが極めて容易に行えることに加え、ジョイント(1) の連結バンドの自 由端部の成形が容易となる。

【００２２】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例１に係るスライダ引手用装飾体
の分解正面図である。

【図２】本考案の実施例１に係るスライダ引手用装飾体
を構成するジョイント(1) の断面図である。

【図３】本考案の実施例１に係るスライダ引手用装飾体
を構成する装飾用引手体(3) の断面図である。

【図４】本考案の実施例１に係るスライダ引手用装飾体
の使用状態断面図である。

【図５】本考案の実施例２に係るスライダ引手用装飾体
の使用状態断面図である。

【符号の説明】

(1) ジョイント (2) 装飾主体 (3) 装飾用引手体 (4) スライダ引手 (10) 連結バンド (11) 係着固定用突起 (12) 係着用穴 (13) 挿入口 (14) 当接壁 (15) 筒形体 (16) 基板 (17) 覆板 (18) 切欠部 (19) 係合筒形縁 (1a) 固定ピン (1b) ピン隠し穴 (20) 折曲用溝 (21) 貫通孔 (22) 係合縁 (23) 当接端 (24) 補強条 (25) 挿入片 (40) 窓穴

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スライダ引手(4) に形成されている窓穴
   (40)を利用して装着されるスライダ引手用装飾体を、ジ
   ョイント(1) と装飾用引手体(3) の二部品から構成し、
   ジョイント(1) に、装飾用引手体(3) を連結固定する手
   段と前記スライダ引手(4) の窓穴(40)に通して固定する
   連結バンド(10)を具備させ、また装飾用引手体(3) とし
   て、ジョイント(1) に連結する側を自由端とし且つ操作
   側となる部分の幅を広くしたことを特徴とするスライダ
   引手用装飾体。
2. 【請求項２】 スライダ引手(4) に形成されている窓穴
   (40)を利用して装着されるスライダ引手用装飾体を、ジ
   ョイント(1) と装飾用引手体(3) の二部品から構成し、
   そのジョイント(1) は、扁平の筒形体(15)を形成する広
   い面の対向壁の一方を基板(16)としてこれに係着部を設
   けるとともに、その一端部から前記窓穴(40)に通して折
   り返しその自由端部を基板(16)に係着するようにした連
   結バンド(10)を延設し、また基盤(16)に対向する覆板(1
   7)に連結バンド(10)の自由端部を基板(16)の係着部に結
   合させるための切欠部(18)を形成し、筒形体(15)の他端
   部に挿入口(13)を形成した構成とし、また前記装飾用引
   手体(3) は、ジョイント(1) の挿入口(13)から挿入され
   て基板(16)と連結バンド(10)の自由端との間に挟着され
   る挿入片(25)を両端に形成するとともに、挿入片(25)の
   間が露出面側に任意の平面的または立体的装飾を施した
   装飾主体(2) となっていて、中央の対称軸線で折曲して
   挿入片(25)相互が重なる左右対称形状とした構成とし、
   ジョイント(1) の挿入口(13)から差し込まれた挿入片(2
   5)の積層部を、連結バンド(10)の自由端部と基板(16)の
   間とで挟み込み、前記ジョイント(1) と装飾用引手体
   (3) を連結手段により連結、固定したことを特徴とする
   スライダ引手用装飾体。
3. 【請求項３】 ジョイント(1) と装飾用引手体(3) の連
   結手段を、ジョイント(1) と別体の固定ピン(1a)による
   ピン結合とするか、或いは連結バンド(10)の自由端部
   と、該自由端部に対向する基板(16)の相互に設けた雌雄
   の係合手段としたことを特徴とする請求項１又は２記載
   のスライダ引手用装飾体。