JP3043621U - 分水工の分水調節ゲート装置 - Google Patents

分水工の分水調節ゲート装置

Info

Publication number
JP3043621U
JP3043621U JP1997001379U JP137997U JP3043621U JP 3043621 U JP3043621 U JP 3043621U JP 1997001379 U JP1997001379 U JP 1997001379U JP 137997 U JP137997 U JP 137997U JP 3043621 U JP3043621 U JP 3043621U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
weir
opening
water diversion
door body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1997001379U
Other languages
English (en)
Inventor
哲夫 村瀬
純一 角田
Original Assignee
株式会社北海技研工業
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社北海技研工業 filed Critical 株式会社北海技研工業
Priority to JP1997001379U priority Critical patent/JP3043621U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3043621U publication Critical patent/JP3043621U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Barrages (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分水工における分水比率の設定、調節におけ
る操作性が簡単、かつ高精度の分水調節ゲート装置を提
供すること。 【解決手段】 分水工20の複数の堰23a等に設けら
れる越流々量の調節を行う分水調節ゲート装置30が、
越流水深hを分水工20に設けた複数の各開口29毎に
所定水位とする堰下縁部34を夫々の分水口に固定配置
し、該堰下縁部に対して水流方向に見た前又は後部位置
に左右動を行って開口29の開口面積を可変調節する引
き戸形可動扉体36を設け、同可動扉体36の移動を生
起させる扉駆動手段を成す駆動要素40、41、50、
53等を設け、このとき、該扉体36の移動量と扉駆動
手段の操作量との間に所定の追従性を維持させ、扉駆動
手段の作業者による操作量を介して可動扉体の移動量、
すなわち、越流用開口の開閉度を正確に設定可能とする
ように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、オープンパイプラインとして知られる自然落差を利用した管路によ る送水路系の適所に設けられる用水分配用の分水工における分水率設定設備の改 善に関し、特に、分水率を容易に、かつ高精度に所要比率値に調節し、送水幹線 から導入した用水を各送水分岐線へ所要の分水率に応じた流出量に調節、設定す ることができ、また必要に応じて止水することも可能な分水工の分水調節ゲート 装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
オープンパイプラインに設けられる分水工には従来より、送水幹線から複数の 送水分岐線への分岐部分に分水工を設け、該分水工には分岐線への連通口に堰を 設け、該堰に設けた水門の扉を昇降させることにより、扉上縁から水面までの深 さ、つまり越流水深を加減変化させて流出水量を調節するオーバーフロー式の調 整ゲートが最も、一般的に用いられている。
【0003】 図4はこのような、オーバーフロー式の調整ゲートの構造を略示しており、分 水工5の1つの水門6に設けたゲート枠7の内側に昇降形のゲートを設け、この ゲート9の上縁9aの上方の開口10を介して分水工5から矢印Aで示す方向へ 越流々動する構造を有し、分水工5内の用水はゲート9の上縁9aから水面Cま での高さH(越流水深)の増減に応じた水量が送水分岐線へ流出する。そして、 ゲート枠7は、その上方支持枠板7a上に立設された回動機構8のハンドル8a を作業者が回動操作し、同回動がベベル歯車機構から成る回転変換機構8bを介 してねじ軸8cを回動させ、上方支持板7aに対して縦方向にゲート9を上下動 (昇降動作)させることにより、ゲート9の上縁9aを昇降させ、越流量を加減 調節する構造を有している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】 然しながら、上述した堰の水門6に設けたゲート9を昇降させることによって 開口10を流動する用水の越流水深を変えて流出水量を調節するオーバーフロー 式調整ゲートでは、種々の問題点が提起されていた。 即ち、先ずオープンパイプラインの水流は、パイプラインの適所に設けられる 分水工へは最上流の水源側から供給された用水が順次に自然落差により流下する 方式であることから、各分水工での用水供給量は上流側からの用水流下量の制御 によって決まる。故に、各分水工の部位では常に上流側から配給された流量のみ が到達する。この場合に、分水工への供給用水量を更に、詳細に検討すると、到 達流量は、取水の制御誤差、有効雨量の減少に伴う供給水量の減少、源流水量の 不足による供給調整の結果等により流下到達水量は、常に一定流量とは限らない 問題点がある。
【0005】 依って、このような、オープンパイプラインに堰を設け、同堰の水門ゲートの 引き上げを行うオーバーフロー式調整ゲート9を用いた構造では、日々変化する 分水比率通りに下流の送水分岐線へ送水するためには、分水工への到達流量が変 化する度に水門の昇降を行って、越流水深Hを変化させながら流出量調節を行わ なければならない。
【0006】 然しながら、1つの分水工に設けた複数の分水口の各堰にオーバーフロー式調 整ゲートを設けて調節操作すると、各分水口毎の越流水深Hがゲート9における 上縁9aの高さの違いと水面高さCの両者の変動に応じて変化するために、上流 側からの到達水量が少しでも変化すると、上記越流水深Hに直ちに影響して所要 の分水比率の均衡を維持することが極めて困難になる。故に、各オーバーフロー 式調整ゲートの昇降を小刻みに行う等の極めて煩瑣な調節操作が必要となる。
【0007】 このことは、分水口が多数になると、分水管理の観点では非常に複雑なシステ ムを組み込む必要性を生じ、上記の煩瑣と共にコスト高の原因になると言う不具 合をあった。 依って、本考案の主たる目的は、上述のような従来の分水工用調節ゲートにお ける欠点を解消することにある。
【0008】 また、本考案の他の目的は、所要の分水率に応じて調節ゲートの調節を行う場 合の操作性と分水調節精度との向上を得ることができると共に経済的かつ省力化 した分水管理を遂行可能にすることが可能な分水工の分水調節ゲート装置を提供 せんとするものである。 本考案の更に、他の目的は、一度、調節設定した各分水工における分水比率が 上流側からの用水流下到達量の変化に支配されることのない安定性のある分水工 の分水調節ゲート装置を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の考案目的に鑑みて、本考案は、分水工の堰に設けられる越流々量の調節 を行う分水調節ゲート装置として、越流水深を分水工に設けた複数の各越流用の 開口毎に所定水位とする堰下縁部を夫々の分水口に固定設置し、該堰下縁部に対 して水流方向に見た前部位置又は後部位置に左右動を行って開口の開閉度ないし 開口面積を可変調節する引き戸形可動扉体を設け、かつ該引き戸形可動扉体の移 動を生起させる扉駆動手段を設け、このとき、該可動扉体の移動量と扉駆動手段 の操作量との間に所定の追従性を維持させ、扉駆動手段の作業者による操作量を 介して可動扉体の移動量、すなわち、越流用開口の開閉度を正確に設定可能とす るように構成したものである。
【0010】 本考案によれば、自然落差に従って送水幹線から流下する用水を複数の送水分 岐線へ配分流下させる用水配分用の分水工に設けられ、該複数の送水分岐線の各 線への分水比率を所要値に調整する堰に組み込まれる分水調節ゲート装置におい て、 前記送水幹線から前記複数の送水分岐線の各々の分岐線への流下部位に堰の開 口の下限位置を設定する堰下縁部を形成して該堰の開口を通過する用水の越流水 深の深さ基準位置を決定し、 前記堰下縁部に対して前記開口の上限位置を設定する堰上縁部を該堰下縁部と 上下に対向して設け、 前記堰の開口の左右限位置を設定すると共に前記堰上縁部、堰下縁部と協動し て前記堰の開口を所定開口面積の用水通過口に形成する両側縁部を設け、 前記左右両側縁部の間を自在に移動する扉体として形成され、前記堰の開口の 前記用水通過口の開口面積を微細に増減調節設定することが可能にした引き戸形 の扉体を設け、かつ 前記堰の定位置に固設されて前記扉体の左右動を調節駆動することにより用水 の越流量を一義的に決定する扉駆動機構を設けた、 構成を有する分水工の分水調節ゲート装置が提供される。
【0011】 なお、上記送水幹線から前記複数の送水分岐線との間に共通の一つの用水溜め を設け、該用水溜めに前記各送水分岐線に連通する前記堰の用水流入側を各々開 口させた構成を有する分水工の分水調節ゲート装置としても良い。 好ましくは、前記堰の上縁部、下縁部には前記引き戸形の扉体の戸当たりが設 けられ、該戸当たりと前記扉体との間に水密シールが設けら、該水密シールは、 弾性材から成るシール、例えば、コムシールによって形成される。
【0012】 また、前記の扉駆動機構は、前記引き戸形扉体に結合したねじナットが噛合し た回転ねじ軸と、該回転ねじ軸の回動手段とを具備して構成され、従って、該回 動手段の回動操作量を制御することにより、上記引き戸形扉体の開閉量を自動的 に設定可能にした構成とすることが好ましい。 また、上述した越流水深の水深基準を設定する堰下縁部は、分水工に設けられ た複数の用水通過口の分水調節ゲートにおいて、全て分水工の水底から同高に形 成され、該複数の用水通過口における越流水深が常に、同一水深値であるように 形成されていることが好ましい。
【0013】 なお、引き戸式扉体の開閉量を指示する目盛手段が、該扉体と上記の堰上縁部 の適所に設けらることが好ましい。
【0014】
【作用】
上述の構成を有した分水工の分水調節ゲートによれば、複数の送水分岐線へ連 通する分水工のそれぞれの用水通過口においては、夫々の堰下縁部の上を流下す る用水の越流水深が、常に、該堰下縁部を基準にして定まる水深値として定義さ れるため、当該越流水深と引き戸形扉体の移動量によって定まる開口の左右方向 の長さとによって定まる用水通過面積から各開口を通過する用水量が一義的に決 定されることから、分水比率が引き戸形扉体の開閉量に応じて簡単にかつ高精度 に調節、設定できる。
【0015】 特に、送水幹線から分水工に到達する到達水量が変動しても各用水通過口にお ける越流水深が固定された堰下縁部から分水工内の水面高さまでの水深値として 一義的に定まるので、分水工への到達水量の変動が分水比率の変動に与える影響 を極小化ないしは越流水深がそれぞれの用水通過口毎に同一水深値のときには影 響を全く解消することさえ可能となるのである。
【0016】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を添付図面に示す実施形態に基づいて、更に詳細に説明する。 図1は、本考案に係る分水工の分水調節ゲート装置の構成を示す斜視図、図2 は、本考案に係る分水調節ゲートが複数台設けられた分水工の一例を示した平面 図、図3は、図2の3−3線による断面図、図4は、従来の分水調節ゲート装置 の典型例を示す斜視図である。
【0017】 先ず、図2を参照すると、1つの送水幹線から3つの送水分岐線と剰余水を適 宜に排出する余水線とへ配分、分水する分水工の一例が図示されている。 図2に示す分水工20においては、例えば、ダム等の水源、又は上流側に既設 されている分水工等を発した用水が、自然落差に従って送水幹線Aを経てコンク リート構造物21から成る壁構造体や金属材料等の強固な材料によって形成され た所要の橋梁、足場、支持枠等の設備類を備えた用水溜め機能を有する同分水工 20へ流入する。この分水工20は、上記の送水幹線Aから送入した用水を用水 溜領域22からその周囲に配設された3つの送水分岐線B、C、D及び余水分岐 線Eをそれぞれ形成する分岐水路23〜26へ所要条件に従って決定される分水 比率に基づいて配分、分水して流出させるように設けられており、上記の余水分 岐線Eに用いる分岐水路26は用水溜領域22への流入水量の変動に応じて発生 した余剰水を源流や放水路へ放出するために設けられるものである。
【0018】 勿論、他の送水分岐線B〜Dは、下流側の用水利用地域へ送水されるもので、 例えば、下流域の畑地、田んぼ、用水溜、その他の用水用途地域へ配流されるも ので、上述した所要条件とは、上記の畑地、田んぼ等が各月内や年間サイクルで 水利計画が変化する等の条件を意味するものである。 そして、この分水工20には、用水溜領域22から各送水分岐線B,C,Dへ の流入域に堰23a、24a、25aが設けられ、これらの堰23a〜25aに 分水調節ゲート装置30が設けられる。また、余水を放出するための分岐水路2 6へは、一定の溢れ高さを設定した越流堰28が設けられている。
【0019】 従って、これらの各堰23a〜25aに設けられた分水調節ゲート装置30に おいて用水溜領域22からそれぞれの送水分岐線B〜Dへの用水越流量を調節す るように分水調節ゲート装置30を操作するように成っているものである。 図3は、図2の矢視線3−3から見た断面図であり、各調節ゲート装置30は 後述する構造を有して用水溜領域22から分岐水路23、24への分水、配流を 行う様子が図示されている。そして、作業者は、各分水調節ゲート装置30にお いて後述のように、堰の開口を通過する用水量を所要の分水比率に従って調節す る操作を遂行するものである。
【0020】 ここで、図1を参照すると、同図は複数(本例では3つ)の堰23a〜25a の各々に設けられる分水調節ゲート装置30の構造例を、一例として堰24aに 設けられた状態を示している。 図1において、分水調節ゲート装置30は、コンクリート構造物21から成る 分水工20のコンクリート壁構造部の適所に設けられた堰24aの開口29の開 閉度を調節して用水の流出量を調節、制御するように形成され、コンクリート構 造物21の堰24aに固定された開口左右両側部における開口閉塞側に設けた側 部戸当り31および開口29の上下に設けられた上下の戸当り32、33を具備 している。これらの戸当り32、33は強固な金属材料(例えば、鉄材料)から 成り、コンクリート構造体21内に埋設されたアンカー装置へねじボルトによっ て固定、定着されている。両戸当り32、33において、下部戸当たり33の真 上部位には堰下縁部34がコンクリート構造物21の一部として堰24aの開口 29における最下縁を形成し、用水溜領域22から用水は、この堰下縁部34を 越えて流出するもので、開口29の上縁は上部戸当たり32の下限縁32aによ って形成されている。
【0021】 他方、堰下縁部34の用水溜領域22に対面した領域には左右方向に延設され たガイドレール35が設けられ、後述する扉体が左右移動を行う場合の案内ロー ラの軌道を形成している。 上記堰24aの開口29を開閉する引き戸形の扉体36は、鉄板構造体として 開口29の前面側に、同開口を被覆するように設けられ、かつ、開口29に対し て左右動が自在に設けられている。扉体36は、用溜領域22から流出する用水 の水圧に対して充分な耐性を有する強度を有し、該扉体36の左右動に応じて開 口29の開閉度を調節、変化させることが可能である。この扉体36は上述した ガイドレール35に規制、案内されて左右方向に転動するガイドローラ37を左 右両側端に近い位置に具備し、また、水圧下での左右動を円滑に支持するための サイドローラ38が扉体36の上縁部と下縁部とにそれぞれ具備され、上部サイ ドローラ38は上部戸当り32の前面32bに当接して転動自在に設けられ、下 部サイドローラ38は上記のガイドレール35の前面35aに当接して転動自在 に設けられている。
【0022】 扉体36の左右端における右端側にはブラケット枠39を介して保持されたナ ット部材40が設けられており、従ってこのナット部材40は扉体36と一緒に なって左右動を行う扉体36の駆動要素を部品を形成している。すなほち、ナッ ト部材40は、堰24aにおける用水領域側に設けられた強固な金属材料から成 る支持枠体45を形成する縦部材46a、46bの間に左右方向に延設されて同 縦部材46a、46bに軸受手段47を介して回動自在な送りねじ軸41に噛合 しており、送りねじ軸41の正逆回動によって、ナット部材40が左右方向に直 線動作し、故に、扉体36の左右動が生起される駆動機構を形成している。
【0023】 なお、送りねじ軸41はベベル歯車機構によって形成される方向転換装置48 およびカップリング装置49を介して駆動軸50に接続され、この駆動軸50は ハウジング51を貫通して上方に延設され、上端が同じくベベル歯車機構から成 る方向転換装置52を介して手動開閉機構を構成するハンドル装置53に接続し ている。つまり、同ハンドル装置53を作業者が回動操作すると、方向転換装置 52を介して駆動軸50が回動し、該駆動軸50の回動は、方向転換装置48に おいて再び方向変換を受け、送りねじ軸41の回動作用を駆動する構成を有し、 従って、上述のようにナット部材40を介して扉体36の左右動を駆動するもの である。つまり、ハンドル装置53、駆動軸50、方向変換装置47、52、送 りねじ軸41、ナット部材40によって扉体36の左右動を駆動する扉駆動装置 を構成しているのである。なお、ハンドル装置53の側部には同装置53の回動 量を指針する適宜のメータ54が取着、具備され、作業者が操作台56上で同ハ ンドル装置53を操作するときにハンドル装置53の回動量を目視、確認するこ とができる構成も有している。なお、操作台56上で作業者が操作する扉駆動装 置は、堰24aの開口29に対して図示例では右方向にずらして設けられ、駆動 軸50、カップリング49、方向転換装置52等が用水溜領域22から開口29 を経て分岐水路24(図2参照)へ流出する際に水流の邪魔にならない位置に配 置されている。
【0024】 なお、支持枠体45の上下の桁部材は、記述した上部戸当り32の右方向への 延長部とガイドレール35の右方向への延長部とによって夫々、形成され、支持 枠体45自体はコンクリート構造体21にボルト、ナットによって強固に取着さ れることにより、扉体36の左右方向の移動を円滑化する剛体構造を有し、かつ 用水溜領域22の水圧に対しても充分に耐性を有する形成されている。55は扉 体36の右方向への開動時におけるストッパを形成している。
【0025】 また、上述した扉体36を板面に対して垂直な方向に支持する既述の上下戸当 り32、33には主としてゴム材、弾性合成樹脂等の弾性素材により形成される 水密用の封止要素60が貼着されている。勿論、堰24aの開口29には上記の 封止要素60の外に底部や上部の所要箇所に更に同様の封止要素を貼着して配設 しても良いことは言うまでもない。このような水密封止要素60は、用水の水圧 による水の漏洩を防止すると共に、嫌水性の素材に対する水の侵入を防止する機 能を行うものである。
【0026】 また、堰上縁部32の頂面には図示のように適宜の寸法目盛りを予め刻設した アルミ板等を貼着しておき、扉体36の左端領域に指針36aを装着しておけば 扉体36の開閉度に応じた開口29の開閉度を目盛り値として読み取ることも可 能である。 上述した構成を有する分水調節ゲート装置30によれば、扉体36が堰24a の開口29に対して左右方向に引き戸式に移動して開口29の開閉量を調節、設 定する構成を有し、しかも、開口29においては、堰下縁部34の上を越流する 用水の越流深度は、固定した堰下縁部34を基準位置とし、この堰下縁部34の 高さ位置から水面までの水深距離hで定義できる。つまり、固定位置を基準位置 にして越流水深の決定がなされるのである。従って、例えば、複数の分水調節ゲ ート装置30が設けられている場合でも、該越流水深hが水位の変動だけの影響 を受け、従来のように、越流水深の下方基準値と水位の両者が変化する場合と異 なり、越流深度hが水位のみにしか左右されない有利がある。特に、一つの分水 工20に複数の分水調節ゲート装置30が設けられている場合において、各堰2 3a〜25a(図2参照)の開口29における越流水深の基準位置となる堰下縁 部34の高さが同一値であれば、越流水深hが全ての開口29に対して同一にな るため、開口29の開閉度により分水比率を一義的に決定可能となるのである。
【0027】 因みに、図1の堰24aの開口29における越流量Q(m3 /秒)は次の式で 定義されることは、例えば、社団法人、土木学会水理委員会編の「水理公式集」 (昭和60年1月発行、発行:社団法人、土木学会)に記載の下記の周知公式か ら定まる。 Q=C・b・x(3/2) ・・・(1) ここで、Cは流量係数(ml/2/秒),bは開口29の開口幅寸法(m), hは図1に示す越流水深である。この公式は開口29が四角形である場合の条件 式であるが、この四角形状の開口が最も汎用され、形状が異なる場合には、上記 の(1)式を補正すれば良い。
【0028】 なお、堰24aをコンクリート構造体21によって形成する段階では、上記の 公式の精度を確保するために、堰下縁部34の端縁は外向きに45°のテーパ角 を有した端縁に形成することが好ましい。 上述した分水調節ゲート装置30によれば、作業者が、操作台56でハンドル 装置53を回動操作し、扉体36の左右動により堰24aの開口29における開 閉度を設定しようとするとき、同扉体36の移動量は、上下の方向変換装置52 、48内のベベル歯車機構の回転角度と一定を関係を有して設定でき、故に、上 部の方向変換装置52のベベル歯車機構の回転に連動したメータ54として形成 しておけば、扉体36による開口29の開閉度を操作台56上で作業者が直接、 知ることができ、従って、扉体36の開閉動を容易に、かつ正確に設定すること ができる。
【0029】
【考案の効果】
以上の実施形態の説明を介して理解できるように、本考案によれば、分水工の 堰に設けられる越流々量の調節を行う分水調節ゲート装置として、越流水深を分 水工に設けた複数の各越流用の開口毎に所定水位とする堰下縁部を夫々の分水口 に固定設置し、該堰下縁部に対して水流方向に見た前部位置又は後部位置に左右 動を行って開口の開閉度ないし開口面積を可変調節する引き戸形可動扉体を設け 、かつ該引き戸形可動扉体の移動を生起させる扉駆動手段を設け、このとき、該 可動扉体の移動量と扉駆動手段の操作量との間に所定の追従性を維持させ、扉駆 動手段の作業者による操作量を介して可動扉体の移動量、すなわち、越流用開口 の開閉度を極めて正確に設定可能とするように構成したので、越流水量が扉体の 移動量に従って簡単にかつ高精度に一義的に調節、設定でき、かつ、複数の越流 用開口に設けた各分水調節ゲート装置における分水比率を等比分水の機能条件を 満たすべく正確かつ簡単に調節、設定できると言う効果を奏することができる。
【0030】 また、各堰の開口には、分水工の用水溜領域から送水分岐水路への用水の越流 動作を阻害する設備類が全くなく、分水比率の設定値を安定に維持することがで きる。 また、堰の開口周囲には水密性の封止要素を配設していることから、漏水量を 可及的に低減させ得るので、送水分岐線へ流出する用水の分水量の精度を長期に 渡って安定に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る分水工の分水調節ゲート装置の構
成を示す斜視図である。
【図2】本考案に係る分水調節ゲートが複数台設けられ
た分水工の一例を示した平面図である。
【図3】図2の3−3線による断面図である。
【図4】従来の分水調節ゲート装置の典型例を示す斜視
図である。
【符号の説明】
20…分水工 21…コンクリート構造物 22…用水溜領域 23〜26…分岐水路 23a〜25a…堰 29…開口 30…分水調節ゲート装置 32…堰上縁部 33…堰下縁部 36…扉体 37…ガイドローラ 39…サイドローラ 40…ナット部材 41…送りねじ軸 48,52…方向変換装置 50…駆動軸 53…ハンドル装置

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自然落差に従って送水幹線から流下する
    用水を複数の送水分岐線へ配分流下させる用水配分用の
    分水工に設けられ、該複数の送水分岐線の各線への分水
    比率を所要値に調整する堰に組み込まれる分水調節ゲー
    ト装置において、 前記送水幹線から前記複数の送水分岐線の各々の分岐線
    への流下部位に堰の開口の下限位置を設定する堰下縁部
    を形成して該堰の開口を通過する用水の越流水深の深さ
    基準位置を決定し、 前記堰下縁部に対して前記開口の上限位置を設定する堰
    上縁部を該堰下縁部と上下に対向して設け、 前記堰の開口の左右限位置を設定すると共に前記堰上縁
    部、堰下縁部と協動して前記堰の開口を所定開口面積の
    用水通過口に形成する両側縁部を設け、 前記左右両側縁部の間を自在に移動する扉体として形成
    され、前記堰の開口の前記用水通過口の開口面積を微細
    に増減調節設定することが可能にした引き戸形の扉体を
    設け、かつ前記堰の定位置に固設されて前記扉体の左右
    動を調節駆動することにより用水の越流量を一義的に決
    定する扉駆動機構を設けた、ことを特徴とする分水工の
    分水調節ゲート装置。
  2. 【請求項2】 前記送水幹線から前記複数の送水分岐線
    との間に共通の一つの用水溜めを設け、該用水溜めに前
    記各送水分岐線に連通する前記堰の用水流入側を各々開
    口させたことを特徴とする請求項1に記載の分水工の分
    水調節ゲート装置。
JP1997001379U 1997-03-06 1997-03-06 分水工の分水調節ゲート装置 Expired - Lifetime JP3043621U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1997001379U JP3043621U (ja) 1997-03-06 1997-03-06 分水工の分水調節ゲート装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1997001379U JP3043621U (ja) 1997-03-06 1997-03-06 分水工の分水調節ゲート装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3043621U true JP3043621U (ja) 1997-11-28

Family

ID=43178070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1997001379U Expired - Lifetime JP3043621U (ja) 1997-03-06 1997-03-06 分水工の分水調節ゲート装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3043621U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101252187B1 (ko) * 2012-10-04 2013-04-05 주식회사 삼안 슬라이딩 방수문

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101252187B1 (ko) * 2012-10-04 2013-04-05 주식회사 삼안 슬라이딩 방수문

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6132139A (en) Water level regulating device for paddy field
CN104790354A (zh) 上开式堰门
JP3043621U (ja) 分水工の分水調節ゲート装置
EP1717374A1 (de) Fisch Auf- und Abstieg
JPH08134875A (ja) 分水工の分水調節ゲート装置
KR101405099B1 (ko) 저층수 배출이 가능한 가동보
KR101922524B1 (ko) 저수조용 수문
CN209277123U (zh) 带有滑升门的顶部可溢流露顶式平面钢闸门
CN205796651U (zh) 矩形二沉池的吸泥管及污泥吸排装置
KR20120028649A (ko) 월류 수압 회피기능을 갖는 수문
CN211735284U (zh) 一种水利工程闸门结构
CN204059310U (zh) 齿轮传动旋转式堰门
JP2673666B2 (ja) 水田の水位制御装置
CN208501610U (zh) 一种提降式溢流水位控制装置
JP3490917B2 (ja) 階段式魚道設備
CN215105123U (zh) 一种农田水利工程的闸门启闭装置
JP3547666B2 (ja) 受水槽構造
KR100296343B1 (ko) 유동식 수문
DE349529C (de) Einrichtung zur Wasserkraftausnutzung von mit kleinen Gefaellen fliessenden Gewaessern
KR100256845B1 (ko) 농업용수의 자동급수장치
CN214328783U (zh) 闸门止水装置
CN211816074U (zh) 一种生态沟渠水位调节装置
CN212266181U (zh) 一种混凝土预制专用的防漏浆料斗
JP7333950B2 (ja) 水路用スライドゲート及び調整方法
US3501918A (en) Effluent structure