JPH08134875A - 分水工の分水調節ゲート装置 - Google Patents
分水工の分水調節ゲート装置Info
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- JPH08134875A JPH08134875A JP28063194A JP28063194A JPH08134875A JP H08134875 A JPH08134875 A JP H08134875A JP 28063194 A JP28063194 A JP 28063194A JP 28063194 A JP28063194 A JP 28063194A JP H08134875 A JPH08134875 A JP H08134875A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 分水工における分水比率の設定、調節におけ
る操作性が簡単、かつ高精度の分水調節ゲート装置を提
供すること。 【構成】 分水工20の複数の堰23a等に設けられる
越流々量の調節を行う分水調節ゲート装置30が、越流
水深hを分水工20に設けた複数の各開口29毎に所定
水位とする堰下縁部34を夫々の分水口に固定配置し、
該堰下縁部に対して水流方向に見た前又は後部位置に左
右動を行って開口29の開口面積を可変調節する引き戸
形可動扉体36を設け、同可動扉体36の移動を生起さ
せる扉駆動手段を成す駆動要素40、41、50、53
等を設け、このとき、該扉体36の移動量と扉駆動手段
の操作量との間に所定の追従性を維持させ、扉駆動手段
の作業者による操作量を介して可動扉体の移動量、すな
わち、越流用開口の開閉度を正確に設定可能とするよう
に構成した。
る操作性が簡単、かつ高精度の分水調節ゲート装置を提
供すること。 【構成】 分水工20の複数の堰23a等に設けられる
越流々量の調節を行う分水調節ゲート装置30が、越流
水深hを分水工20に設けた複数の各開口29毎に所定
水位とする堰下縁部34を夫々の分水口に固定配置し、
該堰下縁部に対して水流方向に見た前又は後部位置に左
右動を行って開口29の開口面積を可変調節する引き戸
形可動扉体36を設け、同可動扉体36の移動を生起さ
せる扉駆動手段を成す駆動要素40、41、50、53
等を設け、このとき、該扉体36の移動量と扉駆動手段
の操作量との間に所定の追従性を維持させ、扉駆動手段
の作業者による操作量を介して可動扉体の移動量、すな
わち、越流用開口の開閉度を正確に設定可能とするよう
に構成した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オープンパイプライン
として知られる自然落差を利用した管路による送水路系
の適所に設けられる用水分配用の分水工における分水率
設定設備の改善に関し、特に、分水率を容易に、かつ高
精度に所要比率値に調節し、送水幹線から導入した用水
を各送水分岐線へ所要の分水率に応じた流出量に調節、
設定することができ、また必要に応じて止水することも
可能な分水工の分水調節ゲート装置に関する。
として知られる自然落差を利用した管路による送水路系
の適所に設けられる用水分配用の分水工における分水率
設定設備の改善に関し、特に、分水率を容易に、かつ高
精度に所要比率値に調節し、送水幹線から導入した用水
を各送水分岐線へ所要の分水率に応じた流出量に調節、
設定することができ、また必要に応じて止水することも
可能な分水工の分水調節ゲート装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オープンパイプラインに設けられる分水
工には従来より、送水幹線から複数の送水分岐線への分
岐部分に分水工を設け、該分水工には分岐線への連通口
に堰を設け、該堰に設けた水門の扉を昇降させることに
より、扉上縁から水面までの深さ、つまり越流水深を加
減変化させて流出水量を調節するオーバーフロー式の調
整ゲートが最も、一般的に用いられている。
工には従来より、送水幹線から複数の送水分岐線への分
岐部分に分水工を設け、該分水工には分岐線への連通口
に堰を設け、該堰に設けた水門の扉を昇降させることに
より、扉上縁から水面までの深さ、つまり越流水深を加
減変化させて流出水量を調節するオーバーフロー式の調
整ゲートが最も、一般的に用いられている。
【0003】図4はこのような、オーバーフロー式の調
整ゲートの構造を略示しており、分水工5の1つの水門
6に設けたゲート枠7の内側に昇降形のゲートを設け、
このゲート9の上縁9aの上方の開口10を介して分水
工5から矢印Aで示す方向へ越流々動する構造を有し、
分水工5内の用水はゲート9の上縁9aから水面Cまで
の高さH(越流水深)の増減に応じた水量が送水分岐線
へ流出する。そして、ゲート枠7は、その上方支持枠板
7a上に立設された回動機構8のハンドル8aを作業者
が回動操作し、同回動がベベル歯車機構から成る回転変
換機構8bを介してねじ軸8cを回動させ、上方支持板
7aに対して縦方向にゲート9を上下動(昇降動作)さ
せることにより、ゲート9の上縁9aを昇降させ、越流
量を加減調節する構造を有している。
整ゲートの構造を略示しており、分水工5の1つの水門
6に設けたゲート枠7の内側に昇降形のゲートを設け、
このゲート9の上縁9aの上方の開口10を介して分水
工5から矢印Aで示す方向へ越流々動する構造を有し、
分水工5内の用水はゲート9の上縁9aから水面Cまで
の高さH(越流水深)の増減に応じた水量が送水分岐線
へ流出する。そして、ゲート枠7は、その上方支持枠板
7a上に立設された回動機構8のハンドル8aを作業者
が回動操作し、同回動がベベル歯車機構から成る回転変
換機構8bを介してねじ軸8cを回動させ、上方支持板
7aに対して縦方向にゲート9を上下動(昇降動作)さ
せることにより、ゲート9の上縁9aを昇降させ、越流
量を加減調節する構造を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上述した
堰の水門6に設けたゲート9を昇降させることによって
開口10を流動する用水の越流水深を変えて流出水量を
調節するオーバーフロー式調整ゲートでは、種々の問題
点が提起されていた。即ち、先ずオープンパイプライン
の水流は、パイプラインの適所に設けられる分水工へは
最上流の水源側から供給された用水が順次に自然落差に
より流下する方式であることから、各分水工での用水供
給量は上流側からの用水流下量の制御によって決まる。
故に、各分水工の部位では常に上流側から配給された流
量のみが到達する。この場合に、分水工への供給用水量
を更に、詳細に検討すると到達流量は、取水の制御誤
差、有効雨量に伴う供給水量の減少、源流水量の不足に
よる供給調整の結果等により流下到達水量は、常に一定
流量とは限らない問題点がある。
堰の水門6に設けたゲート9を昇降させることによって
開口10を流動する用水の越流水深を変えて流出水量を
調節するオーバーフロー式調整ゲートでは、種々の問題
点が提起されていた。即ち、先ずオープンパイプライン
の水流は、パイプラインの適所に設けられる分水工へは
最上流の水源側から供給された用水が順次に自然落差に
より流下する方式であることから、各分水工での用水供
給量は上流側からの用水流下量の制御によって決まる。
故に、各分水工の部位では常に上流側から配給された流
量のみが到達する。この場合に、分水工への供給用水量
を更に、詳細に検討すると到達流量は、取水の制御誤
差、有効雨量に伴う供給水量の減少、源流水量の不足に
よる供給調整の結果等により流下到達水量は、常に一定
流量とは限らない問題点がある。
【0005】依って、このような、オープンパイプライ
ンに堰を設け、同堰の水門ゲートの引き上げを行うオー
バーフロー式調整ゲート9を用いた構造では、日々変化
する分水比率通りに下流の送水分岐線へ送水するために
は、分水工への到達流量が変化する度に水門の昇降を行
って、越流水深Hを変化させながら流出量調節を行わな
ければならない。
ンに堰を設け、同堰の水門ゲートの引き上げを行うオー
バーフロー式調整ゲート9を用いた構造では、日々変化
する分水比率通りに下流の送水分岐線へ送水するために
は、分水工への到達流量が変化する度に水門の昇降を行
って、越流水深Hを変化させながら流出量調節を行わな
ければならない。
【0006】然しながら、1つの分水工に設けた複数の
分水口の各堰にオーバーフロー式調整ゲートを設けて調
節操作すると、各分水口毎の越流水深Hがゲート9にお
ける上縁9aの高さの違いと水面高さCの両者の変動に
応じて変化するために、上流側からの到達水量が少しで
も変化すると、上記越流水深Hに直ちに影響して所要の
分水比率の均衡を維持することが極めて困難になる。故
に、各オーバーフロー式調整ゲートの昇降を小刻みに行
う等の極めて煩瑣な調節操作が必要となる。
分水口の各堰にオーバーフロー式調整ゲートを設けて調
節操作すると、各分水口毎の越流水深Hがゲート9にお
ける上縁9aの高さの違いと水面高さCの両者の変動に
応じて変化するために、上流側からの到達水量が少しで
も変化すると、上記越流水深Hに直ちに影響して所要の
分水比率の均衡を維持することが極めて困難になる。故
に、各オーバーフロー式調整ゲートの昇降を小刻みに行
う等の極めて煩瑣な調節操作が必要となる。
【0007】このことは、分水口が多数になると、分水
管理の観点では非常に複雑なシステムを組み込む必要性
を生じ、上記の煩瑣と共にコスト高の原因になると言う
不具合があった。依って、本発明の主たる目的は、上述
のような従来の分水工用調節ゲートにおける欠点を解消
することにある。
管理の観点では非常に複雑なシステムを組み込む必要性
を生じ、上記の煩瑣と共にコスト高の原因になると言う
不具合があった。依って、本発明の主たる目的は、上述
のような従来の分水工用調節ゲートにおける欠点を解消
することにある。
【0008】また、本発明の他の目的は、所要の分水率
に応じて調節ゲートの調節を行う場合の操作性と分水調
節精度との向上を得ることができると共に経済的かつ省
力化した分水管理を遂行可能にすることが可能な分水工
の分水調節ゲート装置を提供せんとするものである。本
発明の更に、他の目的は、一度、調節設定した各分水工
における分水比率が上流側からの用水流下到達量の変化
に支配されることのない安定性のある分水工の分水調節
ゲート装置を提供せんとするものである。
に応じて調節ゲートの調節を行う場合の操作性と分水調
節精度との向上を得ることができると共に経済的かつ省
力化した分水管理を遂行可能にすることが可能な分水工
の分水調節ゲート装置を提供せんとするものである。本
発明の更に、他の目的は、一度、調節設定した各分水工
における分水比率が上流側からの用水流下到達量の変化
に支配されることのない安定性のある分水工の分水調節
ゲート装置を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の発明目的に鑑み
て、本発明は、分水工の堰に設けられる越流々量の調節
を行う分水調節ゲート装置として、越流水深を分水工に
設けた複数の各越流用の開口毎に所定水位とする堰下縁
部を夫々の分水口に固定設置し、該堰下縁部に対して水
流方向に見た前部位置又は後部位置に左右動を行って開
口の開閉度ないし開口面積を可変調節する引き戸形可動
扉体を設け、かつ該引き戸形可動扉体の移動を生起させ
る扉駆動手段を設け、このとき、該可動扉体の移動量と
扉駆動手段の操作量との間に所定の追従性を維持させ、
扉駆動手段の作業者による操作量を介して可動扉体の移
動量、すなわち、越流用開口の開閉度を正確に設定可能
とするように構成したものである。
て、本発明は、分水工の堰に設けられる越流々量の調節
を行う分水調節ゲート装置として、越流水深を分水工に
設けた複数の各越流用の開口毎に所定水位とする堰下縁
部を夫々の分水口に固定設置し、該堰下縁部に対して水
流方向に見た前部位置又は後部位置に左右動を行って開
口の開閉度ないし開口面積を可変調節する引き戸形可動
扉体を設け、かつ該引き戸形可動扉体の移動を生起させ
る扉駆動手段を設け、このとき、該可動扉体の移動量と
扉駆動手段の操作量との間に所定の追従性を維持させ、
扉駆動手段の作業者による操作量を介して可動扉体の移
動量、すなわち、越流用開口の開閉度を正確に設定可能
とするように構成したものである。
【0010】本発明によれば、自然落差に従って送水幹
線から流下する用水を複数の送水分岐線へ配分流下させ
る用水配分用の分水工に設けられ、該複数の送水分岐線
の各線への分水比率を所要値に調整する分水調節ゲート
装置において、前記各分岐線への流下部位に設けられる
堰の開口の下限位置を設定すると共により、該堰の開口
を通過する用水の越流水深の深さ基準を設定する堰下縁
部と、前記堰下縁部に対応して前記開口の上限位置を設
定する堰上縁部と、前記堰の開口の左右限位置を設定す
ると共に前記堰上縁部、堰下縁部と協動して前記堰の開
口を所定開口面積の用水通過口として形成する両側縁部
と、前記堰の開口の前記堰上縁部と堰下縁部との間を左
右方向に摺動自在に設けられて、前記左右両側縁部の間
の前記用水通過口の開口面積を調節設定する引き戸形の
扉体と、前記堰の定位置に設けられて前記扉体の左右動
を調節可能に駆動する扉駆動機構と、を具備して構成さ
れる分水工の分水調節ゲート装置が提供される。
線から流下する用水を複数の送水分岐線へ配分流下させ
る用水配分用の分水工に設けられ、該複数の送水分岐線
の各線への分水比率を所要値に調整する分水調節ゲート
装置において、前記各分岐線への流下部位に設けられる
堰の開口の下限位置を設定すると共により、該堰の開口
を通過する用水の越流水深の深さ基準を設定する堰下縁
部と、前記堰下縁部に対応して前記開口の上限位置を設
定する堰上縁部と、前記堰の開口の左右限位置を設定す
ると共に前記堰上縁部、堰下縁部と協動して前記堰の開
口を所定開口面積の用水通過口として形成する両側縁部
と、前記堰の開口の前記堰上縁部と堰下縁部との間を左
右方向に摺動自在に設けられて、前記左右両側縁部の間
の前記用水通過口の開口面積を調節設定する引き戸形の
扉体と、前記堰の定位置に設けられて前記扉体の左右動
を調節可能に駆動する扉駆動機構と、を具備して構成さ
れる分水工の分水調節ゲート装置が提供される。
【0011】好ましくは、前記堰の上縁部、下縁部には
前記引き戸形の扉体の戸当たりが設けられ、該戸当たり
と前記扉体との間に水密シールが設けら、該水密シール
は、弾性材から成るシール、例えば、コムシールによっ
て形成される。また、前記の扉駆動機構は、前記引き戸
形扉体に結合したねじナットが噛合した回転ねじ軸と、
該回転ねじ軸の回動手段とを具備して構成され、従っ
て、該回動手段の回動操作量を制御することにより、上
記引き戸形扉体の開閉量を自動的に設定可能にした構成
とすることが好ましい。
前記引き戸形の扉体の戸当たりが設けられ、該戸当たり
と前記扉体との間に水密シールが設けら、該水密シール
は、弾性材から成るシール、例えば、コムシールによっ
て形成される。また、前記の扉駆動機構は、前記引き戸
形扉体に結合したねじナットが噛合した回転ねじ軸と、
該回転ねじ軸の回動手段とを具備して構成され、従っ
て、該回動手段の回動操作量を制御することにより、上
記引き戸形扉体の開閉量を自動的に設定可能にした構成
とすることが好ましい。
【0012】また、上述した越流水深の水深基準を設定
する堰下縁部は、分水工に設けられた複数の用水通過口
の分水調節ゲートにおいて、全て分水工の水底から同高
に形成され、該複数の用水通過口における越流水深が常
に、同一水深値であるように形成されていることが好ま
しい。なお、引き戸式扉体の開閉量を指示する目盛手段
が、該扉体と上記の堰上縁部の適所に設けらることが好
ましい。
する堰下縁部は、分水工に設けられた複数の用水通過口
の分水調節ゲートにおいて、全て分水工の水底から同高
に形成され、該複数の用水通過口における越流水深が常
に、同一水深値であるように形成されていることが好ま
しい。なお、引き戸式扉体の開閉量を指示する目盛手段
が、該扉体と上記の堰上縁部の適所に設けらることが好
ましい。
【0013】
【作用】上述の構成を有した分水工の分水調節ゲートに
よれば、複数の送水分岐線へ連通する分水工のそれぞれ
の用水通過口においては、夫々の堰下縁部の上を流下す
る用水の越流水深が、常に、該堰下縁部を基準にして定
まる水深値として定義されるため、当該越流水深と引き
戸形扉体の移動量によって定まる開口の左右方向の長さ
とによって定まる用水通過面積から各開口を通過する用
水量が一義的に決定されることから、分水比率が引き戸
形扉体の開閉量に応じて簡単に調節、設定できる。
よれば、複数の送水分岐線へ連通する分水工のそれぞれ
の用水通過口においては、夫々の堰下縁部の上を流下す
る用水の越流水深が、常に、該堰下縁部を基準にして定
まる水深値として定義されるため、当該越流水深と引き
戸形扉体の移動量によって定まる開口の左右方向の長さ
とによって定まる用水通過面積から各開口を通過する用
水量が一義的に決定されることから、分水比率が引き戸
形扉体の開閉量に応じて簡単に調節、設定できる。
【0014】特に、送水幹線から分水工に到達する到達
水量が変動しても各用水通過口における越流水深が固定
された堰下縁部から分水工内の水面高さまでの水深値と
して一義的に定まるので、分水工への到達水量の変動が
分水比率の変動に与える影響を極小化ないしは越流水深
がそれぞれの用水通過口毎に同一水深値のときには影響
を全く解消することさえ可能となるのである。
水量が変動しても各用水通過口における越流水深が固定
された堰下縁部から分水工内の水面高さまでの水深値と
して一義的に定まるので、分水工への到達水量の変動が
分水比率の変動に与える影響を極小化ないしは越流水深
がそれぞれの用水通過口毎に同一水深値のときには影響
を全く解消することさえ可能となるのである。
【0015】
【実施例】以下、本発明を添付図面に示す実施例に基づ
いて、更に詳細に説明する。図1は、本発明に係る分水
工の分水調節ゲート装置の構成を示す斜視図、図2は、
本発明に係る分水調節ゲートが複数台設けられた分水工
の一例を示した平面図、図3は、図2の3−3線による
断面図、図4は、従来の分水調節ゲート装置の典型例を
示す斜視図である。
いて、更に詳細に説明する。図1は、本発明に係る分水
工の分水調節ゲート装置の構成を示す斜視図、図2は、
本発明に係る分水調節ゲートが複数台設けられた分水工
の一例を示した平面図、図3は、図2の3−3線による
断面図、図4は、従来の分水調節ゲート装置の典型例を
示す斜視図である。
【0016】さて、先ず、図2を参照すると、1つの送
水幹線から3つの送水分岐線と剰余水を適宜に排出する
余水線とへ配分、分水する分水工の一例が図示されてい
る。図2に示す分水工20においては、例えば、ダム等
の水源、又は上流側に既設されている分水工等を発した
用水が、自然落差に従って送水幹線Aを経てコンクリー
ト構造物21から成る壁構造体や金属材料等の強固な材
料によって形成された所要の橋梁、足場、支持枠等の設
備類を備えた用水溜め機能を有する同分水工20へ流入
する。 この分水工20は、上記の送水幹線Aから送入
した用水を用水溜領域22からその周囲に配設された3
つの送水分岐線B、C、D及び余水分岐線Eをそれぞれ
形成する分岐水路23〜26へ所要条件に従って決定さ
れる分水比率に基づいて配分、分水して流出させるよう
に設けられており、上記の余水分岐線Eに用いる分岐水
路26は用水溜領域22への流入水量の変動に応じて発
生した余剰水を源流や放水路へ放出するために設けられ
るものである。
水幹線から3つの送水分岐線と剰余水を適宜に排出する
余水線とへ配分、分水する分水工の一例が図示されてい
る。図2に示す分水工20においては、例えば、ダム等
の水源、又は上流側に既設されている分水工等を発した
用水が、自然落差に従って送水幹線Aを経てコンクリー
ト構造物21から成る壁構造体や金属材料等の強固な材
料によって形成された所要の橋梁、足場、支持枠等の設
備類を備えた用水溜め機能を有する同分水工20へ流入
する。 この分水工20は、上記の送水幹線Aから送入
した用水を用水溜領域22からその周囲に配設された3
つの送水分岐線B、C、D及び余水分岐線Eをそれぞれ
形成する分岐水路23〜26へ所要条件に従って決定さ
れる分水比率に基づいて配分、分水して流出させるよう
に設けられており、上記の余水分岐線Eに用いる分岐水
路26は用水溜領域22への流入水量の変動に応じて発
生した余剰水を源流や放水路へ放出するために設けられ
るものである。
【0017】勿論、他の送水分岐線B〜Dは、下流側の
用水利用地域へ送水されるもので、例えば、下流域の畑
地、田んぼ、用水溜、その他の用水用途地域へ配流され
るもので、上述した所要条件とは、上記の畑地、田んぼ
等が各月内や年間サイクルで水利計画が変化する等の条
件を意味するものである。そして、この分水工20に
は、用水溜領域22から各送水分岐線B,C,Dへの流
入域に堰23a、24a、25aが設けられ、これらの
堰23a〜25aに分水調節ゲート装置30が設けられ
る。また、余水を放出するための分岐水路26へは、一
定の溢れ高さを設定した越流堰28が設けられている。
用水利用地域へ送水されるもので、例えば、下流域の畑
地、田んぼ、用水溜、その他の用水用途地域へ配流され
るもので、上述した所要条件とは、上記の畑地、田んぼ
等が各月内や年間サイクルで水利計画が変化する等の条
件を意味するものである。そして、この分水工20に
は、用水溜領域22から各送水分岐線B,C,Dへの流
入域に堰23a、24a、25aが設けられ、これらの
堰23a〜25aに分水調節ゲート装置30が設けられ
る。また、余水を放出するための分岐水路26へは、一
定の溢れ高さを設定した越流堰28が設けられている。
【0018】従って、これらの各堰23a〜25aに設
けられた分水調節ゲート装置30において用水溜領域2
2からそれぞれの送水分岐線B〜Dへの用水越流量を調
節するように分水調節ゲート装置30を操作するように
成っているものである。図3は、図2の矢視線3−3か
ら見た断面図であり、各調節ゲート装置30は後述する
構造を有して用水溜領域22から分岐水路23、24へ
の分水、配流を行う様子が図示されている。そして、作
業者は、各分水調節ゲート装置30において後述のよう
に、堰の開口を通過する用水量を所要の分水比率に従っ
て調節する操作を遂行するものである。
けられた分水調節ゲート装置30において用水溜領域2
2からそれぞれの送水分岐線B〜Dへの用水越流量を調
節するように分水調節ゲート装置30を操作するように
成っているものである。図3は、図2の矢視線3−3か
ら見た断面図であり、各調節ゲート装置30は後述する
構造を有して用水溜領域22から分岐水路23、24へ
の分水、配流を行う様子が図示されている。そして、作
業者は、各分水調節ゲート装置30において後述のよう
に、堰の開口を通過する用水量を所要の分水比率に従っ
て調節する操作を遂行するものである。
【0019】ここで、図1を参照すると、同図は複数
(本例では3つ)の堰23a〜25aの各々に設けられ
る分水調節ゲート装置30の構造例を、一例として堰2
4aに設けられた状態を示している。図1において、分
水調節ゲート装置30は、コンクリート構造物21から
成る分水工20のコンクリート壁構造部の適所に設けら
れた堰24aの開口29の開閉度を調節して用水の流出
量を調節、制御するように形成され、コンクリート構造
物21の堰24aに固定された開口左右両側部における
開口閉塞側に設けた側部戸当り31および開口29の上
下に設けられた上下の戸当り32、33を具備してい
る。これらの戸当り32、33は強固な金属材料(例え
ば、鉄材料)から成り、コンクリート構造体21内に埋
設されたアンカー装置へねじボルトによって固定、定着
されている。両戸当り32、33において、下部戸当た
り33の真上部位には堰下縁部34がコンクリート構造
物21の一部として堰24aの開口29における最下縁
を形成し、用水溜領域22から用水は、この堰下縁部3
4を越えて流出するもので、開口29の上縁は上部戸当
たり32の下限縁32aによって形成されている。
(本例では3つ)の堰23a〜25aの各々に設けられ
る分水調節ゲート装置30の構造例を、一例として堰2
4aに設けられた状態を示している。図1において、分
水調節ゲート装置30は、コンクリート構造物21から
成る分水工20のコンクリート壁構造部の適所に設けら
れた堰24aの開口29の開閉度を調節して用水の流出
量を調節、制御するように形成され、コンクリート構造
物21の堰24aに固定された開口左右両側部における
開口閉塞側に設けた側部戸当り31および開口29の上
下に設けられた上下の戸当り32、33を具備してい
る。これらの戸当り32、33は強固な金属材料(例え
ば、鉄材料)から成り、コンクリート構造体21内に埋
設されたアンカー装置へねじボルトによって固定、定着
されている。両戸当り32、33において、下部戸当た
り33の真上部位には堰下縁部34がコンクリート構造
物21の一部として堰24aの開口29における最下縁
を形成し、用水溜領域22から用水は、この堰下縁部3
4を越えて流出するもので、開口29の上縁は上部戸当
たり32の下限縁32aによって形成されている。
【0020】他方、堰下縁部34の用水溜領域22に対
面した領域には左右方向に延設されたガイドレール35
が設けられ、後述する扉体が左右移動を行う場合の案内
ローラの軌道を形成している。上記堰24aの開口29
を開閉する引き戸形の扉体36は、鉄板構造体として開
口29の前面側に、同開口を被覆するように設けられ、
かつ、開口29に対して左右動が自在に設けられてい
る。扉体36は、用溜領域22から流出する用水の水圧
に対して充分な耐性を有する強度を有し、該扉体36の
左右動に応じて開口29の開閉度を調節、変化させるこ
とが可能である。この扉体36は上述したガイドレール
35に規制、案内されて左右方向に転動するガイドロー
ラ37を左右両側端に近い位置に具備し、また、水圧下
での左右動を円滑に支持するためのサイドローラ38が
扉体36の上縁部と下縁部とにそれぞれ具備され、上部
サイドローラ38は上部戸当り32の前面32bに当接
して転動自在に設けられ、下部サイドローラ38は上記
のガイドレール35の前面35aに当接して転動自在に
設けられている。
面した領域には左右方向に延設されたガイドレール35
が設けられ、後述する扉体が左右移動を行う場合の案内
ローラの軌道を形成している。上記堰24aの開口29
を開閉する引き戸形の扉体36は、鉄板構造体として開
口29の前面側に、同開口を被覆するように設けられ、
かつ、開口29に対して左右動が自在に設けられてい
る。扉体36は、用溜領域22から流出する用水の水圧
に対して充分な耐性を有する強度を有し、該扉体36の
左右動に応じて開口29の開閉度を調節、変化させるこ
とが可能である。この扉体36は上述したガイドレール
35に規制、案内されて左右方向に転動するガイドロー
ラ37を左右両側端に近い位置に具備し、また、水圧下
での左右動を円滑に支持するためのサイドローラ38が
扉体36の上縁部と下縁部とにそれぞれ具備され、上部
サイドローラ38は上部戸当り32の前面32bに当接
して転動自在に設けられ、下部サイドローラ38は上記
のガイドレール35の前面35aに当接して転動自在に
設けられている。
【0021】扉体36の左右端における右端側にはブラ
ケット枠39を介して保持されたナット部材40が設け
られており、従ってこのナット部材40は扉体36と一
緒になって左右動を行う扉体36の駆動要素を部品を形
成している。すなほち、ナット部材40は、堰24aに
おける用水領域側に設けられた強固な金属材料から成る
支持枠体45を形成する縦部材46a、46bの間に左
右方向に延設されて同縦部材46a、46bに軸受手段
47を介して回動自在な送りねじ軸41に噛合してお
り、送りねじ軸41の正逆回動によって、ナット部材4
0が左右方向に直線動作し、故に、扉体36の左右動が
生起される駆動機構を形成している。
ケット枠39を介して保持されたナット部材40が設け
られており、従ってこのナット部材40は扉体36と一
緒になって左右動を行う扉体36の駆動要素を部品を形
成している。すなほち、ナット部材40は、堰24aに
おける用水領域側に設けられた強固な金属材料から成る
支持枠体45を形成する縦部材46a、46bの間に左
右方向に延設されて同縦部材46a、46bに軸受手段
47を介して回動自在な送りねじ軸41に噛合してお
り、送りねじ軸41の正逆回動によって、ナット部材4
0が左右方向に直線動作し、故に、扉体36の左右動が
生起される駆動機構を形成している。
【0022】なお、送りねじ軸41はベベル歯車機構に
よって形成される方向転換装置48およびカップリング
装置49を介して駆動軸50に接続され、この駆動軸5
0はハウジング51を貫通して上方に延設され、上端が
同じくベベル歯車機構から成る方向転換装置52を介し
て手動開閉機構を構成するハンドル装置53に接続して
いる。つまり、同ハンドル装置53を作業者が回動操作
すると、方向転換装置52を介して駆動軸50が回動
し、該駆動軸50の回動は、方向転換装置48において
再び方向変換を受け、送りねじ軸41の回動作用を駆動
する構成を有し、従って、上述のようにナット部材40
を介して扉体36の左右動を駆動するものである。つま
り、ハンドル装置53、駆動軸50、方向変換装置4
7、52、送りねじ軸41、ナット部材40によって扉
体36の左右動を駆動する扉駆動装置を構成しているの
である。なお、ハンドル装置53の側部には同装置53
の回動量を指針する適宜のメータ54が取着、具備さ
れ、作業者が操作台56上で同ハンドル装置53を操作
するときにハンドル装置53の回動量を目視、確認する
ことができる構成も有している。なお、操作台56上で
作業者が操作する扉駆動装置は、堰24aの開口29に
対して図示例では右方向にずらして設けられ、駆動軸5
0、カップリング49、方向転換装置52等が用水溜領
域22から開口29を経て分岐水路24(図2参照)へ
流出する際に水流の邪魔にならない位置に配置されてい
る。
よって形成される方向転換装置48およびカップリング
装置49を介して駆動軸50に接続され、この駆動軸5
0はハウジング51を貫通して上方に延設され、上端が
同じくベベル歯車機構から成る方向転換装置52を介し
て手動開閉機構を構成するハンドル装置53に接続して
いる。つまり、同ハンドル装置53を作業者が回動操作
すると、方向転換装置52を介して駆動軸50が回動
し、該駆動軸50の回動は、方向転換装置48において
再び方向変換を受け、送りねじ軸41の回動作用を駆動
する構成を有し、従って、上述のようにナット部材40
を介して扉体36の左右動を駆動するものである。つま
り、ハンドル装置53、駆動軸50、方向変換装置4
7、52、送りねじ軸41、ナット部材40によって扉
体36の左右動を駆動する扉駆動装置を構成しているの
である。なお、ハンドル装置53の側部には同装置53
の回動量を指針する適宜のメータ54が取着、具備さ
れ、作業者が操作台56上で同ハンドル装置53を操作
するときにハンドル装置53の回動量を目視、確認する
ことができる構成も有している。なお、操作台56上で
作業者が操作する扉駆動装置は、堰24aの開口29に
対して図示例では右方向にずらして設けられ、駆動軸5
0、カップリング49、方向転換装置52等が用水溜領
域22から開口29を経て分岐水路24(図2参照)へ
流出する際に水流の邪魔にならない位置に配置されてい
る。
【0023】なお、支持枠体45の上下の桁部材は、記
述した上部戸当り32の右方向への延長部とガイドレー
ル35の右方向への延長部とによって夫々、形成され、
支持枠体45自体はコンクリート構造体21にボルト、
ナットによって強固に取着されることにより、扉体36
の左右方向の移動を円滑化する剛体構造を有し、かつ用
水溜領域22の水圧に対しても充分に耐性を有する形成
されている。55は扉体36の右方向への開動時におけ
るストッパを形成している。
述した上部戸当り32の右方向への延長部とガイドレー
ル35の右方向への延長部とによって夫々、形成され、
支持枠体45自体はコンクリート構造体21にボルト、
ナットによって強固に取着されることにより、扉体36
の左右方向の移動を円滑化する剛体構造を有し、かつ用
水溜領域22の水圧に対しても充分に耐性を有する形成
されている。55は扉体36の右方向への開動時におけ
るストッパを形成している。
【0024】また、上述した扉体36を板面に対して垂
直な方向に支持する既述の上下戸当り32、33には主
としてゴム材、弾性合成樹脂等の弾性素材により形成さ
れる水密用の封止要素60が貼着されている。勿論、堰
24aの開口29には上記の封止要素60の外に底部や
上部の所要箇所に更に同様の封止要素を貼着して配設し
ても良いことは言うまでもない。このような水密封止要
素60は、用水の水圧による水の漏洩を防止すると共
に、嫌水性の素材に対する水の侵入を防止する機能を行
うものである。
直な方向に支持する既述の上下戸当り32、33には主
としてゴム材、弾性合成樹脂等の弾性素材により形成さ
れる水密用の封止要素60が貼着されている。勿論、堰
24aの開口29には上記の封止要素60の外に底部や
上部の所要箇所に更に同様の封止要素を貼着して配設し
ても良いことは言うまでもない。このような水密封止要
素60は、用水の水圧による水の漏洩を防止すると共
に、嫌水性の素材に対する水の侵入を防止する機能を行
うものである。
【0025】また、堰上縁部32の頂面には図示のよう
に適宜の寸法目盛りを予め刻設したアルミ板等を貼着し
ておき、扉体36の左端領域に指針36aを装着してお
けば扉体36の開閉度に応じた開口29の開閉度を目盛
り値として読み取ることも可能である。上述した構成を
有する分水調節ゲート装置30によれば、扉体36が堰
24aの開口29に対して左右方向に引き戸式に移動し
て開口29の開閉量を調節、設定する構成を有し、しか
も、開口29においては、堰下縁部34の上を越流する
用水の越流深度は、固定した堰下縁部34を基準位置と
し、この堰下縁部34の高さ位置から水面までの水深距
離hで定義できる。つまり、固定位置を基準位置にして
越流水深の決定がなされるのである。従って、例えば、
複数の分水調節ゲート装置30が設けられている場合で
も、該越流水深hが水位の変動だけの影響を受け、従来
のように、越流水深の下方基準値と水位の両者が変化す
る場合と異なり、越流深度hが水位のみにしか左右され
ない有利がある。特に、1つの分水工20に複数の分水
調節ゲート装置30が設けられている場合において、各
堰23a〜25a(図2参照)の開口29における越流
水深の基準位置となる堰下縁部34の高さが同一値であ
れば、越流水深hが全ての開口29に対して同一になる
ため、開口29の開閉度により分水比率を一義的に決定
可能となるのである。
に適宜の寸法目盛りを予め刻設したアルミ板等を貼着し
ておき、扉体36の左端領域に指針36aを装着してお
けば扉体36の開閉度に応じた開口29の開閉度を目盛
り値として読み取ることも可能である。上述した構成を
有する分水調節ゲート装置30によれば、扉体36が堰
24aの開口29に対して左右方向に引き戸式に移動し
て開口29の開閉量を調節、設定する構成を有し、しか
も、開口29においては、堰下縁部34の上を越流する
用水の越流深度は、固定した堰下縁部34を基準位置と
し、この堰下縁部34の高さ位置から水面までの水深距
離hで定義できる。つまり、固定位置を基準位置にして
越流水深の決定がなされるのである。従って、例えば、
複数の分水調節ゲート装置30が設けられている場合で
も、該越流水深hが水位の変動だけの影響を受け、従来
のように、越流水深の下方基準値と水位の両者が変化す
る場合と異なり、越流深度hが水位のみにしか左右され
ない有利がある。特に、1つの分水工20に複数の分水
調節ゲート装置30が設けられている場合において、各
堰23a〜25a(図2参照)の開口29における越流
水深の基準位置となる堰下縁部34の高さが同一値であ
れば、越流水深hが全ての開口29に対して同一になる
ため、開口29の開閉度により分水比率を一義的に決定
可能となるのである。
【0026】因みに、図1の堰24aの開口29におけ
る越流量Q(m3 /秒)は次の式で定義されることは、
例えば、社団法人、土木学会水理委員会編の「水理公式
集」(昭和60年1月発行、発行:社団法人、土木学
会)に記載の下記の周知公式から定まる。 Q=C・b・x(3/2) ・・・(1) ここで、Cは流量係数(ml/2/秒),bは開口29
の開口幅寸法(m),hは図1に示す越流水深である。
この公式は開口29が四角形である場合の条件式である
が、この四角形状の開口が最も汎用され、形状が異なる
場合には、上記の(1)式を補正すれば良い。
る越流量Q(m3 /秒)は次の式で定義されることは、
例えば、社団法人、土木学会水理委員会編の「水理公式
集」(昭和60年1月発行、発行:社団法人、土木学
会)に記載の下記の周知公式から定まる。 Q=C・b・x(3/2) ・・・(1) ここで、Cは流量係数(ml/2/秒),bは開口29
の開口幅寸法(m),hは図1に示す越流水深である。
この公式は開口29が四角形である場合の条件式である
が、この四角形状の開口が最も汎用され、形状が異なる
場合には、上記の(1)式を補正すれば良い。
【0027】なお、堰24aをコンクリート構造体21
によって形成する段階では、上記の公式の精度を確保す
るために、堰下縁部34の端縁は外向きに45°のテー
パ角を有した端縁に形成することが好ましい。上述した
分水調節ゲート装置30によれば、作業者が、操作台5
6でハンドル装置53を回動操作し、扉体36の左右動
により堰24aの開口29における開閉度を設定しよう
とするとき、同扉体36の移動量は、上下の方向変換装
置52、48内のベベル歯車機構の回転角度と一定を関
係を有して設定でき、故に、上部の方向変換装置52の
ベベル歯車機構の回転に連動したメータ54として形成
しておけば、扉体36による開口29の開閉度を操作台
56上で作業者が直接、知ることができ、従って、扉体
36の開閉動を容易に、かつ正確に設定することができ
る。
によって形成する段階では、上記の公式の精度を確保す
るために、堰下縁部34の端縁は外向きに45°のテー
パ角を有した端縁に形成することが好ましい。上述した
分水調節ゲート装置30によれば、作業者が、操作台5
6でハンドル装置53を回動操作し、扉体36の左右動
により堰24aの開口29における開閉度を設定しよう
とするとき、同扉体36の移動量は、上下の方向変換装
置52、48内のベベル歯車機構の回転角度と一定を関
係を有して設定でき、故に、上部の方向変換装置52の
ベベル歯車機構の回転に連動したメータ54として形成
しておけば、扉体36による開口29の開閉度を操作台
56上で作業者が直接、知ることができ、従って、扉体
36の開閉動を容易に、かつ正確に設定することができ
る。
【0028】
【発明の効果】以上の実施例の説明を介して理解できる
ように、本発明によれば、分水工の堰に設けられる越流
々量の調節を行う分水調節ゲート装置として、越流水深
を分水工に設けた複数の各越流用の開口毎に所定水位と
する堰下縁部を夫々の分水口に固定設置し、該堰下縁部
に対して水流方向に見た前部位置又は後部位置に左右動
を行って開口の開閉度ないし開口面積を可変調節する引
き戸形可動扉体を設け、かつ該引き戸形可動扉体の移動
を生起させる扉駆動手段を設け、このとき、該可動扉体
の移動量と扉駆動手段の操作量との間に所定の追従性を
維持させ、扉駆動手段の作業者による操作量を介して可
動扉体の移動量、すなわち、越流用開口の開閉度を正確
に設定可能とするように構成したので、越流水量が扉体
の移動量に従って簡単に一義的に調節、設定でき、か
つ、複数の越流用開口に設けた各分水調節ゲート装置に
おける分水比率を等比分水の機能条件を満たすべく正確
かつ簡単に調節、設定できると言う効果を奏することが
できる。
ように、本発明によれば、分水工の堰に設けられる越流
々量の調節を行う分水調節ゲート装置として、越流水深
を分水工に設けた複数の各越流用の開口毎に所定水位と
する堰下縁部を夫々の分水口に固定設置し、該堰下縁部
に対して水流方向に見た前部位置又は後部位置に左右動
を行って開口の開閉度ないし開口面積を可変調節する引
き戸形可動扉体を設け、かつ該引き戸形可動扉体の移動
を生起させる扉駆動手段を設け、このとき、該可動扉体
の移動量と扉駆動手段の操作量との間に所定の追従性を
維持させ、扉駆動手段の作業者による操作量を介して可
動扉体の移動量、すなわち、越流用開口の開閉度を正確
に設定可能とするように構成したので、越流水量が扉体
の移動量に従って簡単に一義的に調節、設定でき、か
つ、複数の越流用開口に設けた各分水調節ゲート装置に
おける分水比率を等比分水の機能条件を満たすべく正確
かつ簡単に調節、設定できると言う効果を奏することが
できる。
【0029】また、各堰の開口には、分水工の用水溜領
域から送水分岐水路への用水の越流動作を阻害する設備
類が全くなく、分水比率の設定値を安定に維持すること
ができる。また、堰の開口周囲には水密性の封止要素を
配設していることから、漏水量を可及的に低減させ得る
ので、送水分岐線へ流出する用水の分水量の精度を長期
に渡って安定に維持することができる。
域から送水分岐水路への用水の越流動作を阻害する設備
類が全くなく、分水比率の設定値を安定に維持すること
ができる。また、堰の開口周囲には水密性の封止要素を
配設していることから、漏水量を可及的に低減させ得る
ので、送水分岐線へ流出する用水の分水量の精度を長期
に渡って安定に維持することができる。
【図1】本発明に係る分水工の分水調節ゲート装置の構
成を示す斜視図である。
成を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る分水調節ゲートが複数台設けられ
た分水工の一例を示した平面図である。
た分水工の一例を示した平面図である。
【図3】図2の3−3線による断面図である。
【図4】従来の分水調節ゲート装置の典型例を示す斜視
図である。
図である。
20…分水工 21…コンクリート構造物 22…用水溜領域 23〜26…分岐水路 23a〜25a…堰 29…開口 30…分水調節ゲート装置 32…堰上縁部 33…堰下縁部 36…扉体 37…ガイドローラ 39…サイドローラ 40…ナット部材 41…送りねじ軸 48,52…方向変換装置 50…駆動軸 53…ハンドル装置
Claims (1)
- 【請求項1】 自然落差に従って送水幹線から流下する
用水を複数の送水分岐線へ配分流下させる用水配分用の
分水工に設けられ、該複数の送水分岐線の各線への分水
比率を所要値に調整する分水調節ゲート装置において、 前記各分岐線への流下部位に設けられる堰の開口の下限
位置を設定すると共に該堰の開口を通過する用水の越流
水深の深さ基準を設定する堰下縁部と、 前記堰下縁部に対応して前記開口の上限位置を設定する
堰上縁部と、 前記堰の開口の左右限位置を設定すると共に前記堰上縁
部、堰下縁部と協動して前記堰の開口を所定開口面積の
用水通過口として形成する両側縁部と、 前記堰の開口の前記堰上縁部と堰下縁部との間を左右方
向に摺動自在に設けられて、前記左右両側縁部の間の前
記用水通過口の開口面積を調節設定する引き戸形の扉体
と、 前記堰の定位置に設けられて前記扉体の左右動を調節可
能に駆動する扉駆動機構と、を具備して構成される分水
工の分水調節ゲート装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28063194A JPH08134875A (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 分水工の分水調節ゲート装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28063194A JPH08134875A (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 分水工の分水調節ゲート装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08134875A true JPH08134875A (ja) | 1996-05-28 |
Family
ID=17627747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28063194A Pending JPH08134875A (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 分水工の分水調節ゲート装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08134875A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200083740A (ko) * | 2018-12-28 | 2020-07-09 | 주식회사 수리이엔씨 | 용수의 공급손실 절감 및 분배 균등화를 위한 가변용수로 |
JP2021150783A (ja) * | 2020-03-18 | 2021-09-27 | 住友重機械エンバイロメント株式会社 | 操作量確認システム |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6214175U (ja) * | 1985-07-11 | 1987-01-28 |
-
1994
- 1994-11-15 JP JP28063194A patent/JPH08134875A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6214175U (ja) * | 1985-07-11 | 1987-01-28 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200083740A (ko) * | 2018-12-28 | 2020-07-09 | 주식회사 수리이엔씨 | 용수의 공급손실 절감 및 분배 균등화를 위한 가변용수로 |
JP2021150783A (ja) * | 2020-03-18 | 2021-09-27 | 住友重機械エンバイロメント株式会社 | 操作量確認システム |
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