JP3043567U - 光ディスクカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 光磁気ディスクカートリッジなどに通常用
いられる金属製のシャッター、特にドライブ装置のヘッ
ドのアクセス用窓とモーターのアクセス用窓とを兼用し
た長大型大面積の窓用シャッターをプラスチック製に変
更しようとする場合、板厚に制限があり実用上問題のな
い程度の剛性を有する樹脂素材の選定に難点があり実用
化が困難であった。 【解決手段】 シェルに設けられる長大型開口窓部の
両側面を連結する桟構造を両アクセス体の構造と干渉し
ない中間位置に有せしむる事により実効的に窓面積を減
少させる。これをプラスチック製のシャッター板と組み
合わせることにより実効的にその剛性を強化した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 ［考案の属する技術分野］ 本考案は光磁気ディスクなどの記録用媒体を収納するディスクカートリッジの 構造及び機構に関するものであり、詳細にはカートリッジのシャッター板をプラ スチックスの成形品で構成しようとする場合不足しがちなシャッター板の剛性を 補うためのカートリッジシェルの構造に関するものである。

【０００２】 ［従来の技術］ 従来の光磁気ディスクカートリッジに於いてシャッター板はステンレススチー ルや特殊表面加工を施されたアルミ合金などの金属材料が用いられており、シャ ッター板そのものの剛性が不足する様な問題は無かった。

【０００３】 近来コスト低減などの理由でシャッター板のプラスチックス化が光磁気ディス クカートリッジに於いても検討されているが、厚さが０．３〜０．５ｍｍ程度の プラスチックス材料では金属製と比較したシャッター板の剛性がどうしても劣る と云う問題があり、現行のカートリッジ構造のままで単純に金属製シャッターを プラスチック製シャッターで置きかえることが難しい。フロッピーディスクや音 楽用光磁気ディスクカートリッ（ＭＤ）などシャッター板が覆うべきヘッドアク セス用窓の面積の小さいものに関しては実用上問題のないプラスチック製シャッ ターが用いられ始めているが、３．５インチ光磁気ディスクカートリッジのＡ面 側窓部の様にヘッドアクセス用とモーターシャフトのアクセス用を兼ねた長大型 の窓部を覆うシャッター板に於いてはこの問題は簡単に解決できず、プラスチッ ク製シャッターの実用化は実現していない。

【０００４】 ［考案が解決しようとする課題］ 本考案は、プラスチック製のシャッターをヘッドアクセス用とモーターシャフ トアクセス用など、複数のアクセス用窓を兼用した長大な開口窓部を覆うシャッ ター板として用いようとするに当たって問題となるシャッター板の剛性不足の問 題をカートリッジシェル構造の側から解決しようとするものである。

【０００５】 ［課題を解決するための手段］ 本考案は上述の問題を解決するためカートリッジシェル側に以下の構造を有せ しめて構成される。 （イ）Ａ面側シェルに設けられるヘッドアクセス用とモーターアクセス用 とを兼用した略長方形の窓部のヘッドアクセス部とモーターアクセス部との中間 に窓部両側面を繋ぐ桟構造を設ける。 （ロ）桟の厚さはその表面を摺動移動するシャッター板の内側面と干渉し ない厚さとし、桟の幅及び位置はモーターアクセス窓側に於いてはモターアクセ ス時のドライブ機構側の部品と干渉せず、且つヘッドアクセス窓側に於いてはド ライブ機構側の読み出しヘッドを含むヘッドブロック全体との干渉を起こさない 範囲内で出来るだけ広い幅をとれる位置とする。 （ハ）桟の材料はシェル材料と同一材料とし、桟構造を有するＡ面シェル として通常通り射出成形などにより製造する。 （ニ）この様な構造を有するＡ面側シェルを通常のＢ面側シェルと組み合 わせた光磁気ディスクカートリッジにプラスチックス製のシャッター板を有する シャッター機構を組み合わせて用いる。 （ホ）この様な組み合わせによる場合、プラスチック製シャッター板の剛 性が、通常のヘッドアクセス窓とモーターアクセス窓とを連結した長大型窓用と しては十分でなくとも、桟による変形、撓み量の制限効果によって実用的に使用 可能なものとする事が出来る。

【０００６】 ［考案の実施の形態］ 本考案の実施の形態を図面を参照して以下に説明する。 図１に従来の金属シャッターを用いる場合のＡ面側シェル（１０）の内面図を 示す。Ａ面側シェルのアクセス用窓（１１）は３．５インチ光磁気ディスクカー トリッジなどの場合、モーターのシャフト及びディスクの把持用構造部を有する ドライブ機構側構造体の外部よりのアクセスと記録の読み出し書き込みなどを行 うヘッドアッセンブリー機構の外部からのアクセスとに対応する窓部を図示の様 に共用した長大な窓部を有している。図３に示したＢ面側シェル（５０）は記録 ディスクを内部に封入してＡ面側シェル（１０）と結合されカートリッジを構成 する（図５ａ）が、図３に示した様に窓部（５１）はバイアス用マグネットの単 独のアクセス用窓であって寸法的に小さく、Ａ面側の窓部の大きさと比べてもプ ラスチック製シャッターの剛性不足の問題は少ない。

【０００７】 図１に於いてＡ面側シェル（１０）にはその他、ディスク受け座（１３）、外 周壁（１４）、ディスク保護用の円形壁（１５）、ネジ又は超音波などによるＢ 面との結合用構造（１６）、基準穴（１７）、アラインメント穴（１８）、書き 込み防止キーの操作用開口部（１９）などが構成されており、且つＡ面側窓部と Ｂ面側窓部の両方を同時に覆う一枚の“コ”の字型シャッターを取り付けて開閉 自在に摺動させるためのスライダーを噛み合わせる為の案内用軌条（２０、２１ ）が設けられている。 Ｂ面シェルの内部構造も基本的には同様であり、窓部（５１）が短矩型の小型 のものである他はＡ面と対になる各構造を有しており、図３に示した形状を有す る。

【０００８】 図４にスライダー（７１）に取付けられたシャッター板を含むシャッター機構 （７０）の全体図を示した。図示したものはスライダーと２枚のシャッター板部 （７２、７３）とを一体的にプラスチックス素材で成形した例であるが、金属シ ャッターを用いる場合、Ａ面窓用のシャター板（７２）とＢ面用のシャッター板 （７３）とを有し頂部で連結している“コ”の字型に加工されたシャッターの天 頂部を、摺動性の良いプラスチックス素材で成形されたスライダー（７１）にネ ジ止めされる（図示せず）のが一般的である。図示した様な全体をプラスチック の一体成形によって製作されたものは部品点数の低減、組立行程の簡略化などを 通してコスト低減の効果が大きいものの、特にＡ面側窓用の長大型シャッター板 （７２）の厚みの制限が０．３〜０．５ｍｍと薄く、同厚の金属並みの剛性を得 ることが難しい。このことは金属製の“コ”の字型シャッター部のみをプラスチ ック素材で置き換えようとする場合も同様である。

【０００９】 スライダー（７１）の両端部には、結合組立られたシェルの内面に構成されて いるスライダー案内用軌条（２０、２１及び６０、６１）と摺動可能に嵌合させ るための脚部（７５及び７６）が設けられており、且つドライブ装置側からシャ ッターの開閉を行う為のスライダー頭片構造（７４）を有してバネ機構（図示せ ず）によって開閉される様構成される。

【００１０】 図５に組立てられた完成後の従来のカートリッジの外観をシャッター閉状態で Ｂ面側から見た図（ａ）とシャッター開状態でＡ面側から見た図（ｂ）に示した 。図（ｂ）中内部の記録ディスクそのものの表示は省略してある。Ａ面側では更 にシャッター板（７２）の下端部を摺動可能に抑える為のシャッター板抑え板（ ９２）で構成される如き袋状の構造が必要である。図５（ｂ）に見られる様にＡ 面側シャッター板（７２）はその長大さが故にプラスチック製では十分な剛性が 得られ難く、この面部分を手指などで強く把持した場合シャッター板（７２）が 変形して内部のディスク表面に接触キズを発生する可能性があり、エラー原因な どと成り得る。

【００１１】 この様な問題に対する本考案によるシェル構造を図２（ａ）、（ｂ）に示した 。 図１と比較した両図に於いて明らかな如く、本考案では図１の窓部（１１）を ヘッドアクセス用独立窓部（３１）及びモーターアクセス用独立窓部（３２）と に分割した。中間の桟部（３３）は両端をシェルの窓部（１１）の両側面に連結 してポリカーボネートなどの比較的剛性の高いシェル用材料で一体的に成形され る。これによって実効的な窓部の大きさをＢ面側窓部（５１）と同等以下に抑え る事ができ、且つ桟部の撓みに対する実効厚みが、シャッター板（７２）厚みと 桟部厚みとを加えたものとなり、実効厚さの大幅増加による剛性の改良効果が大 きい。 図２（ａ）ではディスク受け座（１３）の形状を従来のままとした例であるが 、カートリッジのドライブ装置への挿抜時にディスク受け座の高さが問題となら ない場合は円形の受け座（４３）とすることも可能であり、この場合桟部（３３ ）の撓みに対する抗力は更に上昇する。

【００１２】 本考案によるＡ面側シェルを用いて組み立てたカートリッジをシャッター開状 態でＡ面側から見た外観図を図５（ｃ）に示した。ここでも内部の記録ディスク の表示は省略しているが、ヘッドアクセス窓（３１）内部に記録ディスクの記録 再生膜部が、又、モーターアクセス窓部（３２）にモータースピンドル穴と把持 用のハブ部を有する記録ディスクの中心部が来る。

【００１３】 ［考案の効果］ 以上の説明で明らかな通り、本考案によるＡ面側シェル構造を用いる事で、ス ライダーとの一体型プラスチックシャッター機構を含め、従来構造の金属製シャ ッター板のみのプラスチックス化に関しても実用化することが格段に容易となっ た。 特にスライダーとシャッター板とを同一プラスチックス素材で一体的に構成し ようとする時、スライダーには高度な潤滑摺動性が、シャッター板には高度な剛 性が要求され、両者を共に十分満たすプラスチック素材の選択範囲が狭く開発が 難しい現状に於いて、素材の選択幅が格段に拡大可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の光磁気ディスクカートリッジ用のＡ面側
シェルの内面を示す平面図。

【図２】本考案の光磁気ディスクカートリッジ用のＡ面
側シェルの内面を示す平面図 （ａ）ディスク受け座の高さがドライブへのカートリッ
ジ挿抜時に問題となる場合のディスク受け座の形状の
例。 （ｂ）ディスク受け座の高さがドライブへのカートリッ
ジ挿抜時に問題とならない場合のディスク受け座の形状
の例。

【図３】従来の光磁気ディスクカートリッジ用のＢ面側
シェルの内面を示す平面図。

【図４】スライダーと２枚のシャッター板を組み合わせ
て一体的に成形されたプラスチックスシャッター機構の
立体図。

【図５】組立完成後のカートリッジの外観斜視図。 （ａ）シャッター閉状態でＢ面側から見た斜視図（本考
案によるものも従来品と同じ）。 （ｂ）シャッター開状態でＡ面側から見た従来のカート
リッジの斜視図（内部の記録ディスクは表示せず）。 （ｃ）シャッター開状態でＡ面側から見た本考案による
カートリッジの斜視図（内部の記録ディスクは表示せ
ず）。

【符号の説明】

１０ Ａ面側シェル １１ Ａ面側アクセス窓 １３ Ａ面側ディスク受け座 １４ Ａ面側外周壁 １５ Ａ面側円形壁 １６ Ａ面側結合用機構 １７ 基準穴 １８ アラインメント穴 １９ 書き込み禁止キー操作窓 ２０ Ａ面シャッター開側スライダー案内軌条 ２１ Ａ面シャッター閉側スライダー案内軌条 ３０ 本考案による改良 Ａ面側シェル ３１ 独立ヘッドアクセス窓 ３２ 独立モーターアクセス窓 ３３ 桟部 ４３ Ａ面側変形ディスク受け座 ５０ Ｂ面側シェル ５１ Ｂ面側アクセス窓 ５３ Ｂ面側ディスク受け座 ５４ Ｂ面側外周壁 ５５ Ｂ面側円形壁 ５６ Ｂ面側結合用機構 ５９ 書き込み禁止検出窓 ６０ Ｂ面シャッター開側スライダー案内軌条 ６１ Ｂ面シャッター閉側スライダー案内軌条 ７０ シャッター機構 ７１ スライダー部 ７２ Ａ面側シャッター板 ７３ Ｂ面側シャッター板 ７４ スライダー頭片 ７５ スライダー閉側脚片 ７６ スライダー開側脚片 ８１ Ｂ面ラベル部位 ９１ Ａ面ラベル部位 ９２ シャッター板抑え板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録再生用ディスク媒体を内部に収納
   し、記録再生用ヘッド及びディスク駆動用モーターのア
   クセスの為の連続した窓部を有するディスクカートリッ
   ジに於いて、ヘッドアクセス部とモーターアクセス部と
   の中間に窓部両側面を連結する桟を構成し、且つこれに
   より分割されたヘッドアクセス用及びモーターアクセス
   用の両窓部を一枚のシャッター板で開閉する様構成した
   ことを特徴とする記録再生用ディスクカートリッジ。
2. 【請求項２】 請求項１に於いてシャッター板をプラ
   スチック材料で構成したことを特徴とする記録再生用デ
   ィスクカートリッジ。