JP3043329B1 - 荷電粒子ビ―ム露光装置 - Google Patents

荷電粒子ビ―ム露光装置

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JP3043329B1
JP3043329B1 JP10372644A JP37264498A JP3043329B1 JP 3043329 B1 JP3043329 B1 JP 3043329B1 JP 10372644 A JP10372644 A JP 10372644A JP 37264498 A JP37264498 A JP 37264498A JP 3043329 B1 JP3043329 B1 JP 3043329B1
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Abstract

【要約】 【課題】 入射ビームが試料に照射されて生じる反射電
子或いは2次電子が、試料上方の構造物に当たり、再び
試料に戻ってくる再反射電子によって引き起こされる、
遠距離感光作用による寸法精度の基板面内一様性の劣化
を改善する。 【解決手段】 電子ビームの照射により試料上に所望の
パターンを露光する電子ビーム露光装置において、試料
上の露光領域をメッシュ状に分割し、該分割した各小領
域毎に他の小領域のビーム照射に伴う反射粒子による付
加露光量を計算し、各小領域に対応する大きさでビーム
透過率の異なる複数の補正露光用マスクを有するマスク
基板を用い、各々の小領域間における付加露光量の不均
一を補正するように、マスク基板の補正露光用マスクを
選択的に用いて各小領域を補助露光する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷電粒子ビームを
用いた露光技術に係わり、特に試料表面で反射した粒子
による遠距離感光作用を低減させるための荷電粒子ビー
ム露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LSI(大規模集積回路)パター
ンを電子ビームにより試料上に転写するパターン転写装
置が提唱されている。この装置では、電子銃から放出さ
れた電子ビームをパターン転写用マスクに照射し、同マ
スクを透過或いは同マスクで散乱されてパターン情報を
持った電子ビームを、対物レンズ及び縮小レンズ等によ
って縮小し、さらに偏向器で位置決めして、試料室に置
いた試料にパターン転写を行う。
【0003】この種のパターン転写装置は、他の電子ビ
ーム描画装置に比べてスループットが大きいため、電子
ビームリソグラフィの主流になりつつある。しかし、電
子ビームによるパターン転写装置においては、以下に説
明する「遠距離感光作用」によって、パターン寸法の精
度が劣化するという問題がある。
【0004】電子ビームを用いて試料にパターニングを
行う際、図8に示すように、1次ビーム(入射電子)8
1が試料(レジスト82が塗布された基板83)に入射
すると、これに起因する反射電子或いは2次電子が試料
から放出される。これらの反射電子或いは2次電子が、
試料の上方にある構造物、具体的には試料室の天井或い
は対物レンズ84の下面などに当たり、これらから再び
反射電子或いは2次電子が放出されて試料に戻ってく
る。このような反射電子及び2次電子(以後、まとめて
再反射電子と呼ぶ)85が試料上で到達する範囲は、試
料とその上方にある構造物までの距離と同程度である。
【0005】例えば、一般的なパターン転写装置の場
合、再反射電子が到達する範囲は、1次ビームの到達点
から数mm〜数10mmまでの領域に及ぶ。再反射電子
は、本来の露光に対して余分な露光となり、想定以上の
露光量をレジストに与える。レジストに想定以上の露光
量を与えた場合、レジストに転写されるパターンの寸法
が変動する。再反射電子に起因するこのような露光作用
を、ここでは遠距離感光作用と呼ぶことにする。
【0006】遠距離感光作用によるパターンの寸法変動
は、再反射電子が試料と試料上方にある構造物との問で
多重散乱を繰り返すことによって、さらに広い領域、例
えば上記想定の2〜3倍の範囲にまで及ぶことがある。
また、1次ビームが試料に入射して発生するX線等のフ
ォトンが、試料上方の物体に照射されることによって生
じる光電子やフォトン、或いは試料からの反射電子が試
料上方の構造物に入射して発生するX線等のフォトンも
また、遠距離感光作用の原因となる。
【0007】このような遠距離感光作用は、試料(試料
上のレジスト)に露光するパターンのパターン密度が場
所によって異なる場合に、レジストパターン寸法の試料
面内における一様性を劣化させる原因となる。例とし
て、図9のように、ラインアンドスペース(L/S)パ
ターン91の近傍に、大きなパターン92が存在する場
合(即ち、パターン密度が大きくなる)を考える。この
大きなパターン92を転写する際に再反射電子が発生
し、L/Sパターン91の領域にも到達する。そうする
と、L/Sパターン部分におけるトータルの照射量は、
この大きなパターン82が近傍にない場合に比べて多く
なる。
【0008】ポジ型のレジストでは、照射量が多くなる
に従って、ラインパターンの寸法が想定よりも小さくな
ることが分かっている。従って、遠距離感光作用が存在
すると、同じ寸法を持つパターンであっても、近傍のパ
ターン密度が異なると寸法が異なってしまうのである。
なお、この遠距離感光作用は、その作用が数mm〜数1
0mmまでの範囲にまで及ぶものであり、また上述の発
生メカニズムの説明からも分かるように、電子ビーム露
光で従来から問題になっている、いわゆる近接効果とは
異なるものである。
【0009】再反射電子の量を減らすために従来、図1
0に示すようにベリリウム(Be),カーボン(C)等
の原子番号の小さい軽元素を用いて製作した反射防止板
87を試料の上方に設置していた。これは、例えば厚さ
5mm,150mmφの銅(Cu)製の板に、厚さ1m
mのBe製の板を貼り付けた構造になっている。このよ
うな軽元素を用いる理由は、試料室や対物レンズ等の材
料として普通用いられる鉄(Fe)等のような重い元素
に比べて、反射電子(及び2次電子)の量が相対的に少
なくなるからである。しかし実際には、このようなB
e,C等の軽元素を材料にして製作した反射防止板を用
いても、再反射電子を防止する効果が十分ではなかっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の荷
電粒子ビーム露光装置においては、再反射電子による遠
距離感光作用によって試料面内でパターンの寸法変動が
生じる問題があった。また、再反射電子の量を減らすた
めにBe,C等の軽元素を材料にして製作した反射防止
板を用いても、再反射電子を防止する効果が十分ではな
かった。
【0011】本発明は、上記事情を考慮して成されたも
ので、その目的とするところは、再反射電子によるパタ
ーン寸法精度の劣化(特に、基板面内一様性の低下)を
防止することができ、パターン寸法精度の向上に寄与し
得る荷電粒子ビーム露光装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】(構成)上記課題を解決
するために本発明は次のような構成を採用している。
【0013】即ち本発明は、荷電粒子ビーム露光装置に
おいて、荷電粒子ビームの照射により試料上に所望のパ
ターンを露光する手段と、前記試料上の露光領域をメッ
シュ状に分割し、該分割した各小領域毎に他の小領域の
ビーム照射に伴う反射粒子が試料上方の構造物に当たり
再び戻ってくる再反射電子による付加露光量を計算する
手段と、前記小領域に対応する大きさでビーム透過率の
異なる複数の補正露光用マスクを有するマスク基板と、
各々の小領域間における付加露光量の不均一を補正する
ように、前記マスク基板の補正露光用マスクを選択して
各小領域を補正露光する手段とを具備してなることを特
徴とする。
【0014】
【0015】(作用)これまで述べたように、パターン
密度が試料面内で一様でない場合、遠距離感光作用も試
料面内で一様でなくなる。その結果、試料面内における
パターン寸法の一様性も劣化する。この劣化を抑えるた
めの方法の1つに、遠距離感光作用による露光量のむら
を打ち消すように補正露光を行うという方法がある。即
ち、遠距離感光作用の少ない場所に付加的な露光を行う
ことによって、遠距離感光作用に相当する付加的な露光
量が基板面内で一様になるようにするのである。
【0016】本発明では、この補正露光を行うために、
パターン密度或いは開口率を少しずつ変えることによっ
て、種々の補正露光量に対応させた複数の補正露光用マ
スクを用いることを特徴としている。
【0017】このような補正露光用マスクを用いた露光
を通常の露光と同じ光学条件で行うと、補正パターン自
体が転写され、露光むらが生じてしまう。露光むらを生
じさせないために、対物レンズ等で焦点をずらして、補
正パターンをぼかして転写する。このようにぼかして転
写することによって、補正パターン自体が解像されるこ
となく、むらのない一様な露光にすることができる。こ
のぼかしの程度は、例えば隣り合うパターン同士が、そ
れぞれのビームプロファイルの50%のところで重なる
ようにすればよい。こうすれば、隣り合うパターン同士
のつなぎの部分がなめらかに接続される。また、焦点を
ずらすことによってビームサイズが変わる場合には、縮
小レンズ等を適宜調整することによってビームサイズが
変わらないようにすればよい。
【0018】このように本発明によれば、再反射電子の
量を少なくするのではなく、通常のパターン露光に加え
て補正露光を行うことにより、再反射電子の量の不均一
を解消する(再反射電子の量と補正露光量との和を全て
の小領域で均一化させる)ことができ、遠距離感光作用
に起因しパターン密度に依存する試料面内のパターン寸
法の変動を抑制することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】実施形態を説明する前に、本発明
の基本原理について、図1を参照して説明する。
【0020】本発明における、遠距離感光作用に起因す
る基板内の寸法変動を補正するための手順は次の通りで
ある。まず、基板面内における、遠距離感光作用の定量
的評価を行う。基板内の露光(描画)領域を小エリアm
(i) (i=1〜n)に分割する。この小エリアの大きさ
は、そのエリア内で遠距離感光作用が一定であるとする
近似が適用できる程度の大きさにする。遠距離感光作用
に起因する寸法変動が無視できない範囲は、装置の構成
或いはレジストシステムによって異なる。通常、半径数
cmの範囲に及ぶ場合が多い。このような場合、小エリ
アの大きさを1mm□程度にすれば、前述の近似は十分
に成立する。
【0021】次いで、各小エリアm(i)について、エリ
ア内の平均照射量<D(i)>を求める。これは、パター
ンデータ及びドーズ量データから求めることができる。
次いで、ある小エリアm(i)から別の小エリアm(j)へ
及ぼす遠距離感光作用の程度を、換算ドーズ量Dr(i→
j)として求める。ここで、換算ドーズ量とは、遠距離
感光作用を1次ビーム(パターン露光に用いる入射ビー
ム)のドーズ量に換算したドーズ量とする。ここで、D
r(i→j)を、 Dr(i→j)=<D(i)>・f(xi−xj)…(式1) とする。ここで、f(xi−xj)は、単位ドーズ量当た
りの遠距離感光作用の換算ドーズ量を、入射ビームの入
射地点からの距離を変数として表したものである。この
換算ドーズ量f(xi−xj)の2次元分布は、予め別の
実験で求めておく。ここで、2つの小エリア間の距離|
xi−xj|は、各小エリアの中心間の距離とする。上式
を用いると、各エリアから、あるエリアm(j) へ及ぼす
遠距離感光作用の総和Dr(j) は、(式1)のi=1か
らnまでの積分となるから、 Dr(j)=ΣiDr(i→j)=Σi<D(i)>・f(xi−xj)…(式2) となる。これで、全ての小エリアについての遠距離感光
作用の程度を定量的に求めたことになる。遠距離感光作
用に起因する寸法変動の非一様性を補正するためには、
全ての小エリアm(j)に対して、 Dr(j)+C(j)=K;但しK=(一定) …(式3) となるように、小エリア毎に補正ドーズ量C(j)を求め
て露光を行えばよい。ここで、簡単のために、Max
[Dr(j)]=Kとすればよい。
【0022】本発明においては、上記の補正ドーズ量を
補正露光用マスク上のパターンの密度、或いは開口率を
変えることによって調節する。補正用パターンとして
は、図2(a)に示すようなホールパターン、或いは図
2(b)に示すようなL/Sパターン等を用いることが
できる。これらのパターンには、均一なパターン密度を
持たせるのがよい。
【0023】また、実際の露光に際しては、補正用パタ
ーン自体が転写されないように、パターンをぼかして露
光する必要がある。パターンをぼかして転写するために
は、対物レンズの強度を変える等して焦点をずらせばよ
い。或いは、補正用パターンとして、電子光学系又はレ
ジストシステムの解像限界以下の微小パターンを用いる
という方法もある。これは、縮小光学系の場合に特に有
効になる。例えば、光学系の縮小率が1/20の場合、
マスク上での0.4μmは試料面上では0.02μmに
対応し、解像限界以下となって解像せず、ほぼ一様なド
ーズ量分布とみることができる。なお、この遠距離感光
作用の補正は、近接効果補正と適宜組み合わせてもよ
い。
【0024】以下、本発明の詳細を図示の実施形態によ
って説明する。
【0025】(第1の実施形態)本発明の露光装置に用
いる補正露光用マスクの1つとして、ステンシル型の補
正露光用マスク(アパーチャ)の製作方法を述べる。こ
のようなステンシル型マスクの製作には、エッチング法
或いはリフトオフ法等を適用することができる。ここで
は、SOI(Silicon On Insulator)基板に、エッチン
グ法を適用した製作プロセスについて概略を述べる。
【0026】SOI基板の構成を、厚さ25μmのSi
薄膜層、厚さ2μmのSi酸化膜層、厚さ600μmの
Si基板(基板の主表面の面方位は(100))とす
る。このSOI基板の両面に、まず厚さ100nmのS
i窒化膜をLPCVD法を用いて成膜する。次いで、基
板の表面に1μm厚のレジストを塗布する。次いで、フ
ォトリソグラフィ、或いは電子ビームリソグラフィの手
法を用いて、レジストに補正用パターンを形成する。
【0027】次いで、パターニングされたレジストをマ
スクにして、ドライエッチング法によって、Si薄膜層
にアパーチャ(開口)を形成する。ドライエッチングに
は、炭化フッ素系(SF6 ,BCl3 )などの反応ガス
を適宜組み合わせた反応性イオンエッチング(RIE)
法を用いる。次いで、基板の裏面にレジストを塗布し、
両面アライナ装置を用いて、表側のパターンと位置を合
わせて、裏面開口用パターンを露光する。次いで、レジ
ストをマスクにして、RIE法によって(反応ガスは、
酸素及びフロン)、裏面のSi窒化膜層をパターニング
する。
【0028】次いで、このSi窒化膜層をマスクにし
て、KOH水溶液を用いた異方性エッチングを行い、基
板の裏面から開口を形成する。このKOHエッチング
は、Si酸化膜層で止める。次いで、フッ化アンモニウ
ム水溶液によるウエットエッチングによって、KOHエ
ッチングのストップ層として用いたSi酸化膜層を除去
して、アパーチャ部分を貫通させる。さらに、CF4
たは酸素のラジカルを利用した化学ドライエッチング
(CDE)法を用いて、Si窒化膜を除去する。
【0029】次いで、RFスパッタ法を用いて、アパー
チャ板の両面に、導電層として厚さ100nmのTi膜
を、さらに厚さ200nmのPt膜を形成する。Ti,
Ptの成膜には、真空蒸着法を用いてもよい。このよう
にして製作された補正用マスク基板の例を図3に示す。
この例では、相異なる開口率を持ったアパーチャ群を基
板にアレイ状に配置している。
【0030】なお、図3中の31はシリコン基板(マス
ク基板)、31は基板の裏面開口、32はシリコンメン
ブレン、33は補正露光用アパーチャ群を示している。
【0031】次に、補正露光用パターンに関して述べ
る。あるLSIパターンを、感度24μC/cm2 のポ
ジ型レジストに露光した際、遠距離感光作用による寸法
変動は、平均値からのずれで±15nmであった。即
ち、遠距離感光作用が最も大きい場所と最も小さい場所
との寸法の差は30nmであった。別の実験で求めた遠
距離感光作用の換算ドーズ量の2次元分布と、パターン
データ及び露光量データとから、このパターンを露光し
た際の、試料面上での遠距離感光作用の換算ドーズ量分
布を計算できることは前述した。
【0032】露光領域を1mm□の小エリアに分割し
て、換算ドーズ量分布を求めると、遠距離感光作用の最
も大きい小エリアと最も小さい小エリアとの換算ドーズ
量の差は3μC/cm2 であった。これから、1μC/
cm2 当たりの寸法差を求めると10nm/μC/cm
2 となる。この場合、補正露光量の種類として、0.1
2μC/cm2 から3μC/cm2 まで0.12μC/
cm2 ステップで25種類を用意すれば、遠距離感光作
用に起因する寸法変功を、理論上で30nm/25=
1.2nmに抑えることができる。
【0033】 (換算ドーズ量の差)/(レジスト感度) =3μC/cm2 /24μC/cm2 =0.125 であるので、補正露光用マスクの種類を、パターン密度
(開口率)12.5%から0.5%まで0.5%ステッ
プで25種類を用意する。露光装置の縮小率を1/20
とすれば、1つのマスクの大きさは1mm□×20=2
0mm□となる。これら25種類のマスクをマスク基板
上に配置する。このようなマスク基板の一例の断面図を
図4に示す。図中の41はマスク基板、43は補正露光
用マスクを示している。この例では、25種類のマスク
群を5×5のマトリックス状に配置してある。この補正
露光用のマスクのパターンは、L/Sパターン若しくは
ホール状パターンとする。
【0034】このように製作した補正露光用マスク基板
を用いて、(式3)の条件を満たすように、補正露光用
マスクを選択しながら順次1mm□の小エリアを補正露
光していくことによって、遠距離感光作用に起因する寸
法変動を平均値±2nm以下に補正することができた。
なお、この補正露光に関しては、対物レンズを調整する
ことによって焦点をずらし、補正露光用パターンのL/
Sやホール状のパターンが解像しないようにして、一様
な露光になるようにした。この焦点をずらす程度は、隣
り合うパターン同士が、それぞれのビームプロファイル
の50%のところで重なる程度にすればよい。また、焦
点をずらすことによって、ビームサイズが変わる場合に
は、縮小レンズ等を適宜調整することによって、ビーム
サイズが変わらないようにすればよい。
【0035】(第2の実施形態)次に、本発明の露光装
置に用いる補正露光用マスクの別の例として、散乱型の
補正用マスクの製作方法を述べる。
【0036】まず、主表面の面方位が(110)のSi
基板の両面に、LPCVD法を用いて300nmのSi
窒化膜を形成する。次いで、基板の表面に10mm厚の
Cr層を、さらに50mmのW層を、それぞれスパッタ
法で順次成膜する。次いで、基板裏面にレジストを塗布
し、さらにベークした後、露光装置を用いて基板裏面に
幅4mm、長さ100mmのパターンをピッチ6mmで
25本、平行に形成する。但し、各パターンの長辺方向
は、面方位(211)の方向と平行とする。パターン露
光の後、レジストを現像し、さらにポストベークを行っ
た後、RIE装置(エッチングガスは、CF4 と酸素)
を用いて、レジストをマスクとして、Si窒化膜層をパ
ターニングする。
【0037】次いで、20w%,90℃のKOH水溶液
を用い、パターニングされたSi窒化膜をマスクとし
て、Si基板のバックエッチングを行う。上記のエッチ
ング条件では、約3時間30分で表側のSi窒化膜層ま
でエッチングされる。開口の形状は、長辺方向では側壁
が垂直で、短辺方向では側壁が基板表面に対して約35
°のテーパを持っている。このバックエッチング工程に
よって、幅4mm、長さ約95mmのSi窒化膜の(平
行四辺形の)窓を形成することができる。
【0038】次いで、基板の表側にレジストを塗布し、
さらにベークした後、露光装置を用いてパターニングを
行う。次いで、レジストを現像し、さらにベークした
後、RIE装置(エッチングガスは、例えばSF6 ,C
HF3 を用いる)を用いてW層ヘレジストパターンを転
写する。このエッチング工程では、W層の下層のCr層
がエッチングストップ層となる。このようにして製作さ
れたマスク基板の例を図5に示す。図中の51はマスク
基板、53は補正露光用マスクを示している。この例で
は、帯状に形成された補正露光用マスクを順次露光して
いけば、チップ全体について、補正露光が完了するよう
になっている。
【0039】散乱型のマスクの一例を図6に示す。図中
の61は面方位(110)のシリコン基板、61aは基
板の裏面開口、62はシリコン窒化膜のメンブレン、6
3はタングステンによる転写パターンを示している。
【0040】このマスクは、パターンがSi窒化膜等の
メンブレンで支持されているので、パターン領域を比較
的大きくすることができる。例えば前述の製作例では、
露光装置の縮小率を1/4とすれば、1mm×25mm
の領域を一括して補正露光できる。この例では、補正用
マスクが25本あるので、25mm□の領域をマスク基
板を交換せずに補正露光することができる。また、この
場合も、補正露光量を1mm□単位で求めておけば、十
分な補正精度を保持することができる。散乱体層(W
層)に形成する補正パターンは、第1の実施形態の場合
と同様、ホール状或いはL/Sパターンとすればよい。
【0041】補正パターンの露光に際しては、対物レン
ズ系を調節して焦点をずらすことによって、いわゆるぼ
かし露光を行う。焦点をずらす程度としては、隣り合う
パターン同士のビームの電流分布において、それぞれの
エッジプロファイルが50%の高さで重なるようにすれ
ば、パターンが解像されることなくパターン同士のつな
ぎ部分も目立たせることなく、ほぼ均一な照射密度で露
光することができる。また、縮小レンズを適宜調節する
ことによって、適切なサイズで補正露光を行うようにす
る。
【0042】(第3の実施形態)補正露光用マスクを用
いた電子ビーム露光装置の例を、図7に模式的に示す。
電子源10から放出された電子ビームは、コンデンサレ
ンズ系11を通り、アパーチャ12で成形される。ま
た、ブランキング偏向器13によって適宜ブランクする
ことができる。アパーチャ12で成形されたビームは、
ビーム偏向器14で適宜偏向され、投影レンズ系15を
通して露光用マスク21に照射される。露光用マスク2
1としては、パターン転写用マスクと補正露光用マスク
が交換可能になっており、いずれかのマスクはマスクス
テージ駆動系22により駆動される可動マスクステージ
23に設置されている。
【0043】露光用マスク(この場合はパターン転写用
マスク)21を通過してパターン情報を持った電子ビー
ムは、縮小レンズ16及び対物レンズ18で縮小され
る。マスク21で散乱された電子ビームはアパーチャ1
7で遮断される。これは、パターンのコントラストを向
上させるのに有効である。そして、電子ビームは、ビー
ム偏向器19により位置決めされてウェハ等の試料24
上に結像照射され、これによりパターンが転写される。
試料24は試料ステージ駆動系により駆動される可動試
料ステージ26に設置されている。マスク用及び試料用
の両可動ステージ23,26の動作は、レーザ干渉計2
7によってモニタされ、ビーム制御系にフィードバック
される。
【0044】この露光装置を用いて、通常のLSIパタ
ーンの転写を行う場合、前述したように再反射電子の遠
距離感光作用によって不必要な露光が付加されてしま
う。そこで、第1の実施形態或いは第2の実施形態で詳
述した補正露光用マスクを用いて補正露光を行う。この
補正露光用マスクは、LSIパターン転写用マスクと同
じ基板に形成してもよいし、別の基板に形成しておいて
もよい。後者の場合には、マスク基板を交換する機構に
よって、LSIパターン転写用マスクと交換してもよい
し、または転写マスク用ステージ上に両者を並置してお
いてもよい。
【0045】また、補正露光用マスクは、幾つかのLS
I転写用マスクの補正用として汎用的に用いることが可
能な場合がある。このような場合には、補正露光用マス
クを常に搭載するようにしておき、LSI転写用マスク
のみを交換すれば、補正露光用マスクを交換する手間を
省くことができる。この場合、LS1パターンのパター
ン密度に応じて、汎用の補正露光用マスクから、最適な
パターン密度を持つマスクを選択して補正露光を行う。
【0046】また、別の応用として、露光時問を適宜調
整することによって、補正露光量の調整を行うことも可
能である。
【0047】本実施形態装置を用いてパターンを転写し
たところ、通常のパターン露光に加えて補正露光を行う
ことにより、再反射電子の量と補正露光量との和を全て
の小領域で均一化させることができる。即ち、再反射電
子の量の不均一を解消することができ、遠距離感光作用
に起因しパターン密度に依存する試料面内のパターン寸
法の変動を抑制することが可能となる。
【0048】なお、本発明は上述した各実施形態に限定
されるものではない。実施形態では、予めビーム透過率
の異なる複数の露光用マスクを用意しておき、補正露光
すべき小領域毎に対応する露光用マスクを選択したが、
各小領域における付加露光量に応じてビーム透過率が異
なるように形成された補正露光用マスクを用い、複数の
小領域を一括して補正露光することも可能である。ま
た、実施形態では電子ビーム露光装置を例に取り説明し
たが、本発明はイオンビーム露光装置に適用することも
可能である。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々変形して実施することができる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、通
常のパターン露光に加えて補正露光を行うことにより、
入射ビームに起因する試料からの反射電子或いは2次電
子が、試料上方の構造物に当たり再び試料に戻ってく
る、いわゆる再反射亀子によって引き起こされる、寸法
精度の基板面内一様性の劣化を容易に補正することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本原理を説明するためのもので、露
光領域をメッシュ状に分割した各小エリア毎に再反射電
子による付加露光量を求める手順を示す模式図。
【図2】本発明の基本原理を説明するためのもので、補
正露光用マスクの概念図。
【図3】第1の実施形態に係わる補正露光用マスク基板
の例を示す図。
【図4】25種類の開口率に対応する補正露光用マスク
の例を示す図。
【図5】第2の実施形態に係わる補正露光用マスクの例
を示す図。
【図6】散乱型マスクの例を示す図。
【図7】第3の実施形態に係わる電子ビーム露光装置の
基本構成を示す図。
【図8】再反射電子による距離感光作用を説明するため
の図。
【図9】遠距離感光作用が生じるパターン配置の例を示
す図。
【図10】従来の反射電子防止板の例を示す図。
【符号の説明】
10…電子銃 11…コンデンサレンズ系 12,17…アパーチャ 13…ブランキング偏向器 14,19…ビーム偏向器 15……投影レンズ系 16…縮小レンズ 18…対物レンズ 21…転写用マスク 22…可動マスクステージ 23…マスクステージ駆動系 24…試料 25…可動試料ステージ 26…試料ステージ駆動系 27…レーザ干渉計 31,41,51,61…シリコン基板 31a,61a…開口 32,62…メンブレン 33,43,53,63…補正露光用マスク
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−10701(JP,A) 特開 平3−183118(JP,A) 特開 平1−270317(JP,A) 特開 昭63−58829(JP,A) 特開 平10−303120(JP,A) 特開 平10−90878(JP,A) 特開 平5−175110(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 7/20 504

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電粒子ビームの照射により試料上に所望
    のパターンを露光する手段と、前記試料上の露光領域を
    メッシュ状に分割し、該分割した各小領域毎に他の小領
    域のビーム照射に伴う反射粒子が試料上方の構造物に当
    たり再び戻ってくる再反射電子による付加露光量を計算
    する手段と、前記小領域に対応する大きさでビーム透過
    率の異なる複数の補正露光用マスクを有するマスク基板
    と、各々の小領域間における付加露光量の不均一を補正
    するように、前記マスク基板の補正露光用マスクを選択
    して各小領域を補正露光する手段とを具備してなること
    を特徴とする荷電粒子ビーム露光装置。
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