JP3043192U

JP3043192U - タバコの火消し具

Info

Publication number: JP3043192U
Application number: JP1997004256U
Authority: JP
Inventors: 健二高橋
Original assignee: 株式会社エフ・アート
Priority date: 1997-05-08
Filing date: 1997-05-08
Publication date: 1997-11-11
Anticipated expiration: 2003-05-08

Abstract

(57)【要約】【課題】水その他の液体を用いることなく、タバコの
火を確実に消すことができると共に、消火後の吸い殻を
容易に処分でき、不快な悪臭が放たれることのないタバ
コの処理手段を提供する。【解決手段】紙材よりなるシート状部材12と、このシ
ート状部材12の表面に被着されたバインダ層14と、この
バインダ層14の表面に固着された多数の砂粒よりなる消
火粒子18とを備えており、バインダ層14は難燃性及び柔
軟性を備えた接着剤より構成され、消火粒子18の一部は
上記バインダ層14の表面から突出して凹凸面20を形成
し、シート状部材12には芳香剤が含浸されており、バイ
ンダ層14内には消臭剤粒子16が混入されていることを特
徴とする第１のタバコの火消し具10。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、タバコの火を確実に消すと共に、消火した吸い殻の後始末を容易化するための技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】

火災原因の一つとして、タバコの火の不始末が依然として大きな割合を占めており、従来から様々な消火対策が試みられてきた。例えば、灰皿の凹部内に少量の水を入れておき、その中に吸い終わったタバコを投入して消火する方法が、最も確実かつ簡単な手段として一般に採用されている。また、環境問題に対する意識の高まりとともに、多くの自治体において吸い殻のいわゆる「ポイ捨て」を罰する条例が制定されるに至っているが、これに対処するために、携帯用の吸い殻入れを持ち歩くことが推奨されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

確かに、灰皿の内部に水を入れておけば、タバコの火を確実に消すことはできる。しかしながら、この場合には水がこぼれるおそれがあるため、取り扱いに細心の注意を払う必要があるばかりでなく、灰皿の縁に一時的に置いた吸いかけのタバコが落下した場合でも誤って消火してしまうため、使い勝手が良くないものであった。また、吸い殻を水に浸したまま時間が経過すると、ニコチンやタールといった成分が溶け出して悪臭を放つようになると共に、水膨れした吸い殻の処分にも手間がかかる欠点があった。

【０００４】携帯用の吸い殻入れについては、内部に水を入れるわけにはいかないため、タバコの火を完全に消すのに手間がかかるという問題があった。また、例え完全に消火できたとしても、蓋を開けて次のタバコを投入する際には、前回の吸い殻からヤニの臭いが放散され、不快な思いをすることとなる。

【０００５】この考案は、タバコの火の後始末にまつわる上記の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、水その他の液体を用いることなく、タバコの火を確実に消すことができると共に、消火後の吸い殻を容易に処分でき、しかも不快な悪臭が放たれることのない新規有用なタバコの処理手段を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案に係るタバコの火消し具は、基体部材と、該基体部材の少なくとも一面に被着されたバインダ層と、該バインダ層の表面に固着された多数の消火粒子とを備えており、上記バインダ層は難燃性を備えた物質より構成され、上記消火粒子の一部は上記バインダ層の表面から突出して凹凸面を形成していると共に、上記基体部材、バインダ層及び消火粒子の少なくとも一つには、消臭及び芳香の少なくとも一方の効能を備えた防臭成分が含まれていることを特徴とする。上記バインダ層は、主として消火粒子を基体部材の表面に固着・保持させる役割を果たすものである。また、上記消臭とは悪臭成分自体を減少させることを意味し、芳香とは他の臭いでもって悪臭成分を覆い隠すことを意味する。

【０００７】このように、バインダ層の表面には多数の消火粒子の一部が突出して凹凸面が形成されているため、この凹凸面にタバコの火種を擦り付ければ、摩擦によって火種が容易に潰れるため、水その他の液体を使わなくてもタバコの火を確実に消すことができる。また、上記の防臭成分を含んでいるため、タバコのヤニ臭さを効果的に減殺することが可能となる。

【０００８】上記基体部材として、例えば可撓性を備えたシート状部材を用いることができ、この場合にはシート状部材の表面に上記凹凸面が形成される。また、上記基体部材として、タバコの吸い殻を収納するための袋部と、該袋部の開口を閉塞する蓋部とを備えたものを用い、少なくとも該蓋部の内面に上記凹凸面を形成するよう構成してもよい。あるいは、上記基体部材として、タバコの吸い殻を収納するための凹部を備えた器状の部材を用いると共に、少なくとも該凹部の内面に上記凹凸面を形成するよう構成することもできる。

【０００９】上記バインダ層が難燃性を備えているため、基体部材には特に難燃性や耐熱性が要求されることがない。このため、上記基体部材を、通常の厚紙やケント紙、模造紙、薄紙などのあらゆる紙材によって構成することができる。また、アルミホイル等の金属箔や、麻や木綿、合成繊維等よりなる布帛、ゴム材やプラスチックによって構成してもよい。

【００１０】上記バインダ層は、例えば難燃性を備えた接着剤より構成される。上記消火粒子は、例えば適当な粒径を備えた砂粒や、適当な硬度を備えた粒状の消火剤より構成される。あるいは、消火粒子として、セラミックや耐熱性ガラス等を細かく砕いて粒状に形成したものを用いてもよい。消火剤によって消火粒子を構成する場合には、摩擦による火種の圧潰効果の他に、消火剤自体の消火作用が重畳されるため、より迅速かつ確実な消火が期待できる。もちろん、消火剤によって消火粒子を構成すれば、タバコの火種を擦り付けた際に消火粒子側も多少は損壊することとなるが、このタバコの火消し具は基本的には消耗品であるため、特に問題ない。また、場合によっては、砂粒やセラミック粒等と粒状の消火剤とを、適当な割合で混合させたものを消火粒子として用いてもよい。

【００１１】上記防臭成分は、例えば、基体部材に消臭剤及び芳香剤の少なくとも一方を含浸させることで充填される。この場合には、基体部材を紙材や布帛によって構成することが望ましい。また、上記バインダ層内に、消臭剤及び芳香剤の少なくとも一方を混入させてもよい。さらには、上記消火粒子の表面に、消臭剤及び芳香剤の少なくとも一方を被着させてもよい。

【００１２】このタバコの火消し具は、基体部材の構成を使用目的に応じて適宜調整することにより、多くの場面で用いることができる。例えば、上記のように厚紙やケント紙などの紙材や、アルミ箔等の金属箔、あるいは布帛やゴム材といった可撓性を備えたシート状部材によって基体部材を構成すれば、このタバコの火消し具を机上に拡げて簡易灰皿として利用した後、消火済みの吸い殻を火消し具自体で包んでそのまま廃棄することができて便利である。この場合、上記バインダ層を、ある程度の柔軟性を備えた物質によって構成することが望ましい。

【００１３】また、基体部材として、上記のように袋部と蓋部とを備えたものを用いれば、蓋部内面の凹凸面でタバコの火種を擦って消火した後、吸い殻を袋部に収納することができ、携帯用の吸い殻入れとして活用できる。もちろん、防臭成分を含んでいるため、つぎの吸い殻を投入するため蓋を開けた際にも、不快な臭いが放散されることを抑えることができる。袋部が吸い殻で一杯になったら、そのまま廃棄すればよい。

【００１４】さらに、基体部材として凹部を備えた器状のものを用いれば、通常の灰皿と同様な使い勝手を実現できると共に、凹部内が吸い殻で一杯になったら、そのまま廃棄できて後始末が楽になる。

【００１５】

【考案の実施の態様】

以下に、本考案の具体例を添付図面に基づいて説明する。図１は、第１のタバコの火消し具10を示すものであり、基体部材として通常の上質紙よりなるシート状部材12を用い、その表面に難燃性及び柔軟性を備えた変成シリコン系の接着剤よりなるバインダ層14を被着形成し、内部に活性炭等の消臭剤粒子16を多数混入させると共に、表面に砂粒よりなる消火粒子18を多数配置させてなる。また、図示は省略したが、シート状部材12には、芳香剤が含浸されている。なお、図１においては、図示の便宜上シート状部材12やバインダ層14の厚さ、あるいは消火粒子18や消臭剤粒子16の大きさが誇張して表現されている。

【００１６】消火粒子18は、その全体がバインダ層14内に埋没することなく、少なくとも一部はバインダ層14の表面から突出して凹凸面20を構成している。また、ある程度角張った形状の砂粒を用いることが望ましい。

【００１７】火の着いたタバコ22の火種24を、この第１のタバコの火消し具10の表面に形成された凹凸面20に数回擦り付けると、火種24は摩擦によって簡単に圧潰し、速やかな消火が実現できる。また、バインダ層14が難燃性の接着剤によって構成されているため、消火時にシート状部材12が燃えだす危険性はなく、吸いかけのタバコ22を凹凸面20に一時的に置いておくこともできる。シート状部材12をアルミホイル等の金属箔にて構成すれば、さらに安全性が高まる。

【００１８】紙材や金属箔には、可撓性の他に一定の定型性があるため、このシート状部材 12の周辺を適当に折り曲げて立てることができ、簡易灰皿として使用できる。あるいは、図２に示すように、既存の灰皿26の凹部28内に、この第１のタバコの火消し具10を中敷きとして配置させてもよい。使用後には吸い殻30を包み込んでそのままゴミ箱に投入することができ、しかも消臭剤粒子16及び芳香剤の作用によって不快なヤニ臭さも軽減されるため、後始末が簡単である。第１のタバコの火消し具10を灰皿26の中敷きとして用いた場合には、灰皿26を汚すことがないため、これを頻繁に洗う手間を省くことができる。この第１のタバコの火消し具10は、全体形状が平面的であるため、複数枚を積層させてもあまり嵩張ることがなく、保管や携帯にも便利である。

【００１９】この第１のタバコの火消し具10を形成する場合には、まずシート状部材12の表面に予め消臭剤粒子16を混練させた接着剤を適当な厚さに塗布してバインダ層14 を形成し、この接着剤がある程度乾燥した後、その表面に砂粒を篩にかけて消火粒子18を散点状に配置させればよい。なお、彩色された砂粒を用いることにより、この第１のタバコの火消し具10の意匠的効果を高めることもできる。

【００２０】図３は、第２のタバコの火消し具32を示すものであり、これは基体部材として凹部34を備えた器状部材36を用い、その凹部34の内面に凹凸面20を形成した点に特徴を備えている。この凹凸面20は、図１に示したのと同じ構成を備えている。すなわち、難燃性の接着剤よりなるバインダ層14の表面に、砂粒よりなる消火粒子18を多数配置させると共に、バインダ層14内には活性炭等よりなる消臭剤粒子 16が混入されている。器状部材36として、例えば、既存の紙皿を用いることができる。

【００２１】この第２のタバコの火消し具32の場合、通常の灰皿26と同様、凹部34内に多くの吸い殻30を収納できると共に、縁部分38に吸いかけのタバコを置いておくことができ、使い勝手が良好である。もちろん、凹部34内が吸い殻30で一杯になったら、吸い殻30を入れたまま二つ折りにしてそのままゴミ袋等に廃棄できる。また、第２のタバコの火消し具32を複数枚重ね合わせても嵩張らないため、収納スペースを取られない利点もある。

【００２２】図４は、第３のタバコの火消し具40を示すものであり、これは基体部材として袋部42と、この袋部42の開口44を閉塞する蓋部46を備えたものを用いている。この袋部42及び蓋部46は、紙材よりなるシート状部材12を備えた第１のタバコの火消し具10（図１）を適当なパターンに切り欠いた後、必要な端辺同士をを接着することによって一体的に形成されている。したがって、蓋部46の内面及び袋部42の内面には、上記と同様の構成を備えた凹凸面20が形成されている。

【００２３】この第３のタバコの火消し具40は、図５に示すように、紙製の箱体48内に収納されて携帯用の吸い殻入れとして利用できる。この際、袋部42のほぼ全体は箱体 48内に収納されると共に、蓋部46は折り曲げられて箱体48の蓋50の内面に敷かれる。

【００２４】この蓋部46の内面に形成された凹凸面20に、タバコ22の火種24を擦り付けることにより、タバコ22の火は確実に消される。また、消火後の吸い殻は、そのまま開口44から袋部42内に投入され、第３のタバコの火消し具40の蓋部46と箱体48の蓋50が同時に閉じられる。袋部42の内面も難燃性のバインダ層14で覆われており、また蓋部46で開口44を閉じることによって酸素の供給が制限されるため、万が一にも吸い殻から火が燃え移る危険性はない。袋部42内に吸い殻が一杯になったら、箱体48から取り出してゴミ箱に廃棄すればよい。あるいは、箱体48ごと廃棄してもよい。

【００２５】上記箱体48として、タバコの紙ケースをそのまま流用し、袋部42を収納させた空きスペース52に新品のタバコを入れておくこともできるが、第３のタバコの火消し具40専用のホルダを用いるようにしてもよい。もちろん、袋部42と蓋部46との間に適当な粘着材や面ファスナ等を介在させて、蓋部46によって袋部42の開口44を開閉自在に閉塞するように構成すれば、別に箱体48内に収納させることなく、第３のタバコの火消し具40のみで携帯用の吸い殻入れを実現することができる。

【００２６】

【考案の効果】

この考案に係るタバコの火消し具にあっては、上記のように多数の消火粒子によって形成された凹凸面にタバコの火種を擦り付けることでタバコの火を確実に消すことができるため、水を用いる必要がなく、吸い殻の後始末を極めて容易なものにすることができる。また、消臭剤や芳香剤といった防臭成分を含んでいるため、吸い殻から発散される不快なヤニ臭さを緩和することができる。さらに、消火粒子を保持するバインダ層が難燃性の物質より構成されているため、基体部材として様々な材質のものを選定可能となり、既存の材料を流用することで製造コストを低く抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る第１のタバコの火消し具を示す部
分断面図である。

【図２】上記第１のタバコの火消し具の使用例を示す斜
視図である。

【図３】本考案に係る第２のタバコの火消し具を示す斜
視図である。

【図４】本考案に係る第３のタバコの火消し具を示す正
面図である。

【図５】上記第３のタバコの火消し具の使用例を示す斜
視図である。

【符号の説明】

10 第１のタバコの火消し具 12 シート状部材 14 バインダ層 16 消臭剤粒子 18 消火粒子 20 凹凸面 22 タバコ 24 火種 32 第２のタバコの火消し具 34 凹部 36 器状部材 26 灰皿 40 第２のタバコの火消し具 42 袋部 44 開口 46 蓋部

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ａ２４Ｆ 19/14 Ａ２４Ｆ 19/14 ＣＡ６１Ｌ 9/12 Ａ６１Ｌ 9/12

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】基体部材と、該基体部材の少なくとも一
面に被着されたバインダ層と、該バインダ層の表面に固
着された多数の消火粒子とを備えており、上記バインダ
層は難燃性を備えた物質より構成され、上記消火粒子の
一部は上記バインダ層の表面から突出して凹凸面を形成
していると共に、上記基体部材、バインダ層及び消火粒
子の少なくとも一つには、消臭及び芳香の少なくとも一
方の効能を備えた防臭成分が含まれていることを特徴と
するタバコの火消し具。
【請求項２】上記基体部材が、可撓性を備えたシート
状部材よりなり、該シート状部材の表面に上記凹凸面が
形成されていることを特徴とする請求項１に記載のタバ
コの火消し具。
【請求項３】上記基体部材が、タバコの吸い殻を収納
するための袋部と、該袋部の開口を閉塞する蓋部とを備
えており、少なくとも該蓋部の内面に上記凹凸面が形成
されていることを特徴とする請求項１に記載のタバコの
火消し具。
【請求項４】上記基体部材が、タバコの吸い殻を収納
するための凹部を備えた器状の部材よりなり、少なくと
も該凹部の内面に上記凹凸面が形成されていることを特
徴とする請求項１に記載のタバコの火消し具。
【請求項５】上記基体部材が、紙材よりなることを特
徴とする請求項１〜４の何れかに記載のタバコの火消し
具。
【請求項６】上記基体部材が、金属箔よりなることを
特徴とする請求項１〜４の何れかに記載のタバコの火消
し具。
【請求項７】上記基体部材が、布帛よりなることを特
徴とする請求項１〜４の何れかに記載のタバコの火消し
具。
【請求項８】上記バインダ層が、難燃性を備えた接着
剤よりなることを特徴とする請求項１〜７の何れかに記
載のタバコの火消し具。
【請求項９】上記消火粒子が、砂粒よりなることを特
徴とする請求項１〜８の何れかに記載のタバコの火消し
具。
【請求項10】上記消火粒子が、粒状の消火剤よりなる
ことを特徴とする請求項１〜８の何れかに記載のタバコ
の火消し具。
【請求項11】上記基体部材に、消臭剤及び芳香剤の少
なくとも一方を含浸させたことを特徴とする請求項１〜
10の何れかに記載のタバコの火消し具。
【請求項12】上記バインダ層内に、消臭剤及び芳香剤
の少なくとも一方を混入させたことを特徴とする請求項
１〜11の何れかに記載のタバコの火消し具。
【請求項13】上記消火粒子の表面に、消臭剤及び芳香
剤の少なくとも一方を被着させたことを特徴とする請求
項１〜12の何れかに記載のタバコの火消し具。