JP3042855U - コルセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は、コルセットを使用するにあたっ
て、帯副体を上方又は下方にずらす際、帯主体又は帯副
体のいずれについても、該帯主体と帯副体との取付部分
付近一帯において、皺等を発生せず、十分な保護、整
形、矯正を行なえ、使用時も違和感のない、安全なコル
セットを提供することを課題としている。 【解決手段】 両端に捲着状態の調節が可能な面ファス
ナー等の係着部を具備した帯主体の係着部を除いた伸縮
部分に帯副体を重ね、該帯副体の両端部を該帯主体に結
合した構成のコルセットにおいて、帯主体(1) の伸縮部
分の両端部と、帯副体(2) の両端部の幅方向中心に連結
穴(4) を設け、当該連結穴(4) に軸体(3)を用いて連結
し、該軸体を中心として帯主体(1) に対し、帯副体(2)
が回動できる構成としたことを特徴とするコルセットを
課題の解決手段とするものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、病人、妊産婦等の被介護者の腰部、腹部等（以下、腰部等という） の保護、整形、矯正を目的としたコルセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

コルセットは、腰部等に巻付け、両端の係着部によって係着し、保護、整形あ るいは矯正を必要とする位置に、帯副体を外側とした部分を合わせた後、該帯副 体を上方又は下方へずらすことによって、当該腰部等に対して、広範囲で弾力に よる保護、整形、矯正を行うものである。

【０００３】 従来においては、伸縮性生地帯の長手方向に平ゴム紐を複数平行して配した生 地とすることで、該長手方向にのみ伸縮性を有し、両端に係着部を具備した帯主 体に、該帯主体の係着部を除いた伸縮部分に帯副体を重ね合わせ、該帯副体の両 端の全幅にわたって固定したことにより形成されるコルセットが公知である。

【０００４】 上記のコルセットを使用するにあたって、帯副体を上方又は下方にずらす際、 帯副体の両端部が全幅にわたって縫着固定されていることによって、帯主体又は 帯副体が弛んで、大きな皺が発生することから、腰部等に対して当該コルセット が適合せず、保護、整形、矯正が不十分となるばかりでなく、被介護者に違和感 を与えたり、あるいは皺部分を他の物に引っかける等の虞れがあった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記不具合に鑑みて、コルセットを使用するにあたって、帯副体を 上方又は下方にずらす際、帯主体又は帯副体のいずれについても、該帯主体と帯 副体との取付部分付近一帯において、皺等を発生せず、十分な保護、整形、矯正 を行なえ、使用時も違和感のない、安全なコルセットを提供することを課題とし ている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

両端に捲着状態の調節が可能な面ファスナー等の係着部を具備した帯主体の係 着部を除いた伸縮部分に帯副体を重ね、該帯副体の両端部を該帯主体に結合した 構成のコルセットにおいて、帯主体の伸縮部分の両端部と、帯副体の両端部の幅 方向中心に連結穴を設け、当該連結穴に軸体を用いて連結し、該軸体を中心とし て帯主体に対し、帯副体が回動できる構成としたことを特徴とするコルセットに より課題の解決を図るものである。

【０００７】

【考案の実施の形態】及び

【実施例】

本考案の実施例を示す図１はコルセット(5) の斜視図、図２は該コルセット (5) の一端の長手方向における断面図、図３は使用例を示した説明図であって、 全方位方向に伸縮性を有する帯状の合成ゴム部材からなる帯主体(1) と帯副体 (2) を主とする構成部材を結合したものである。

【０００８】 前記帯主体(1) は、腰部等(A) に引伸状態で巻きつけることができる長さと、 １０ｃｍ幅に形成されており、その両端部には相互が重着できるように一端部表 面に雄面ファスナー(110) 、他端部裏面に雌面ファスナー(111) を縫着した係着 部(11)を設けるとともに、係着部(11)に隣接する位置であって表裏いずれかの同 一面に帯主体(1) の幅と同一幅の革製の主体用補強板(10)を縫着固定して弾性変 形帯部を形成し、補強板取付位置の中心には、前記帯主体(1) と共通する連結穴 (4) を穿設した構成とする。

【０００９】 また、帯副体(2) は、帯主体(1) の両端の係着部を除いた長さと、該帯主体 (1) と同一幅に形成されており、該帯主体(1) に縫着した両端の表裏いずれかの 同一面に帯副体(2) と同一幅の革製の副体用補強板(20)を縫着固定したものであ り、補強板取付位置の中心には、前記帯副体(2) と共通する連結穴(4) を穿設し た構成とする。

【００１０】 本実施例にかかるコルセット(5) は、上記した帯主体(1) の主体用補強板(10) を取り付けた面に、帯副体(2) を、副体用補強板(20)の縫着されない側の面が当 接するように重ね、前記帯主体(1) 、副帯体(2) 、帯主体側補強板(10)及び副帯 体側補強板(20)に各々穿設された連結穴(4) を共通して貫通する軸体(3) によっ て連結されることで構成されるものであり、該軸体(3) は、合成樹脂製の雌体 (31)、雄体( 32) からなり、該雌体(31)、雄体(32)の双方とも、前記軸体(3) が コルセットから脱落するのを防止する座(33)を有するものであって、コルセット (5) を連結する目的から、該コルセットの表裏の一方から雌体(31)、他方から雄 体(32)を連結穴(4) に対して挿入し、雌雄相互に係合することによって軸体(3) として機能するものである。

【００１１】 また、帯副体(2) の回動を行うため、図２に示すように、前記合成樹脂製の軸 体(3) と帯副体(2) との間に間隙(34)を設けるとともに、該帯主体(1) の伸縮部 分及び帯副体(2) に多数の通気孔(12)を設けて蒸れを防止できる構成とする。

【００１２】 本考案の実施例においては、合成ゴムを帯主体(1) 、帯副体(2) に直接用いる ことにより、短手方向においても伸縮性を確保しているが、従来のものと同様に 、長手方向にのみ伸縮性を有した生地等を用いることもできる。

【００１３】 ここで、軸体(3) は、コルセット(5) の連結穴(4) を介して雄体(32)、雌体 (31) を相互に係合させることにより形成されるものであり、前記雄体(32)、雌 体(31) のいずれも合成樹脂製としているが、皮膚に直接接触することなく肌着 の上に当該コルセット(5) を装着する場合等においては、特に限定するものでは なく、例えば金属製のハトメ等によっても行うことができる。

【００１４】 また、間隙(34)を設けたことにより、軸体(3) と連結穴(4) の内面との接触を 減少させ、帯副体(2) の回動を容易なものとしている。

【００１５】 補強板の材質は、上記に示すとおり革を使用しているが、合成樹脂等を用いて も同様の効果を得ることができる。

【００１６】 そして、通気孔(12)は、前記したように蒸れを防止することを目的として設け られるものであるが、同時に帯主体(1) 、帯副体(2) の伸縮性を向上させる効果 をも具備するものである。

【００１７】 また、帯主体(1) 、帯副体(2) の長手中央付近を切り欠いて、幅を狭くするこ とにより、当該コルセット(5) の装着時において、皺の発生させる弛み部分をあ らかじめ形成しないこと、あるいは前記帯主体(1) 及び帯副体(2) の重なりを少 なくすることにより、当該皺の発生を大幅に削減することもできる。

【００１８】

【考案の効果】

本考案によれば、帯主体(1) に対し、帯副体(2) の両端を回動できるように取 り付けたことで、当該コルセット(5) を容部等に装着した場合においては、帯副 体(2) の一部をずらした方向に合わせて、該副体(2) 全体が両端の軸体(3) を軸 として回動することで、前記帯主体(1) と帯副体(2) との取付部分付近一帯にお いて、従来発生していた皺等を防止することができ、これによって腰部等(A) の 十分な保護、整形、矯正を行なえ、使用時の違和感のない、安全なコルセット(5 ) を提供することができる。

【００１９】 また、長手方向のみならず、短手方向あるいは全方位方向においても伸縮性を 有することにより、腰部等(A) に当該コルセット(5) を装着し、帯副体をずらし た場合、帯主体との重なり部分において、短手方向の伸縮性により、適合を容易 とし、弛み等の発生を防止する効果を有する。

【００２０】 更には、帯主体(1) 、帯副体(2) の両端に帯主体側補強板(10)、副帯体側補強 板(20)をそれぞれ取付けたことによって、連結穴(4) の弾性変形による軸体(3) の外れが防止できることはもとより、該軸体(3) の摩擦抵抗を減少させ、帯主体 (1) と帯副体(2) 相互の干渉を防ぎ、より一層、回動を良好なものとすることが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例に係るコルセットの説明図であ
る。

【図２】本考案実施例に係るコルセットの取付部分の長
手方向における断面図である。

【図３】本考案実施例に係るコルセットの使用例を示し
た説明図である。

【符号の説明】

(1) 帯主体 (2) 帯副体 (3) 軸体 (4) 連結穴 (5) コルセット (10) 帯主体側補強板 (11) 係着部 (12) 通気孔 (20) 副帯体側補強板 (31) 雌体 (32) 雄体 (33) 座 (34) 間隙 (110) 雄面ファスナー (111) 雌面ファスナー (A) 腰部等

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端に捲着状態の調節が可能な面ファス
   ナー等の係着部を具備した帯主体の係着部を除いた伸縮
   部分に帯副体を重ね、該帯副体の両端部を該帯主体に結
   合した構成のコルセットにおいて、 帯主体(1) の伸縮部分の両端部と、帯副体(2) の両端部
   の幅方向中心に連結穴(4) を設け、当該連結穴(4) に軸
   体(3) を用いて連結し、該軸体を中心として帯主体(1)
   に対し、帯副体(2) が回動できる構成としたことを特徴
   とするコルセット。
2. 【請求項２】 帯主体(1) の係着部を除いた部分及び帯
   副体(2) に、長手方向、短手方向の双方若しくは全方位
   方向に伸縮性を有する生地、ゴムを用い、該帯主体(1)
   の係着部は、一端に雄面ファスナー(110) 、他端に雌面
   ファスナー(111) を具備したものとし、帯主体(1) 、帯
   副体(2) に共通する連結穴(4) を設けた帯主体側補強板
   (10)、副帯体側補強板(20)を取付けたことを特徴とする
   請求項１記載のコルセット。