JP3042180B2 - 厚膜抵抗体及びその製造方法 - Google Patents

厚膜抵抗体及びその製造方法

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JP3042180B2
JP3042180B2 JP4162153A JP16215392A JP3042180B2 JP 3042180 B2 JP3042180 B2 JP 3042180B2 JP 4162153 A JP4162153 A JP 4162153A JP 16215392 A JP16215392 A JP 16215392A JP 3042180 B2 JP3042180 B2 JP 3042180B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミナ基板の上に形
成された、RuO2やPb2Ru26.5のような金属酸化
物からなる導電粒子と、PbO−SiO2−B23−A
23系ガラスを主成分とした厚膜抵抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】厚膜ハイブリッドICでは、アルミナ基
板上に形成される厚膜抵抗体は、アルミナ基板上に、電
極や誘電体形成用のペーストを印刷、焼成後、抵抗膜形
成用ペーストを印刷、焼成し、その後、オーバーコート
ガラスペーストの印刷、焼成を500〜600℃で行
い、抵抗膜の一部をトリミング除去して抵抗膜の抵抗値
を調節し、半田ペーストを印刷し、IC等を搭載して更
にその接続の為に240〜260℃に加熱して製造され
ている。また、チップ型抵抗器では、前記の抵抗膜の一
部をトリミング除去して抵抗膜の抵抗値を調節した後、
2次コートガラスペーストやマーキングガラスペースト
を印刷し、260℃程度で焼成する工程や、2次電極の
印刷、焼成(600℃)等の工程が加わる。
【0003】上記のようにして製造される厚膜抵抗体に
は、初期抵抗値のバラツキが少ないこと、製造工程中で
抵抗膜の抵抗値を調節するが、その後に加わる熱により
抵抗値の変化が少ないことが要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は初期抵抗値の
バラツキが少なく、熱による抵抗値の変化の少ないアル
ミナ基板上に形成された厚膜抵抗体及びその製造方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は (1)アルミナ基板上に、導電粒子とPbO−SiO2−B
23−Al23系ガラスを主成分とする抵抗膜が焼き付
けられている構造の厚膜抵抗体において、アルミナ基板
と抵抗膜の間に、MAl2Si28の結晶、但しMはP
b、Ca、Sr、Ba、Eu、Gd、Nd、Sm、Dy
の内の一つ以上である、の1種以上が島状に存在するこ
とを特徴とする厚膜抵抗体、及び
【0006】(2)導電粒子と、PbO−SiO2−B23
−Al23系ガラスフリットと、前記のガラスフリット
と共にアルミナ基板と抵抗膜の間に、MAl2Si28
の結晶、但しMはCa、Sr、Ba、Eu、Gd、N
d、Sm、Dyの内の一つ以上である、の1種以上が島
状に形成される量のCa、Sr、Ba、Eu、Gd、L
a、Nd、Sm、Dyの酸化物又は炭酸化物の1種以上
と、有機ビヒクルを含有する抵抗膜形成用ペーストをア
ルミナ基板上に焼き付ける厚膜抵抗体の製造方法、
【0007】(3) 導電粒子と、PbO−SiO2−B2
3−Al23系ガラスフリットと、前記のガラスフリ
ットと共にアルミナ基板と抵抗膜の間に、MAl2Si2
8の結晶、但しMはPb、Ca、Sr、Ba、Eu、
Gd、Nd、Sm、Dyの内の一つ以上である、の一種
以上が島状に形成される量の該結晶粉末と、有機ビヒク
ルを含有する抵抗膜形成用ペーストをアルミナ基板上に
焼き付ける厚膜抵抗体の製造方法、
【0008】(4)アルミナ基板上に、MAl2Si28
結晶、但しMはPb、Ca、Sr、Ba、Eu、Gd、
Nd、Sm、Dyの内の一つ以上である、の一種以上が
島状に形成される量の該結晶粉末と、有機ビヒクルを含
有するペーストを印刷し、次いで導電粒子と、PbO−
SiO2−B23−Al23系ガラスフリットと、有機
ビヒクルを含有する抵抗膜形成用ペーストをアルミナ基
板上に焼き付ける厚膜抵抗体の製造方法にある。
【0009】
【作用】本発明厚膜抵抗体において、アルミナ基板の線
膨張率が約75×10-7/deg、抵抗膜を構成するガ
ラスの線膨張率が60〜80×10-7/degであるの
に対して、CaAl2Si28(灰長石)、PbAl2
28(鉛長石)、BaAl2Si28(バリウム長
石、セルシアン)、SrAl2Si28(ストロンチウ
ム長石)などの結晶の線膨張率は、灰長石で代表される
ように45×10-7/degと小さいために、この結晶
が基板と抵抗膜との間に全面で存在するようになると、
結晶の線膨張率は基板に対してかなり小さいので、基板
に対する抵抗膜の密着性を低下させ、熱ショックに対す
る耐性が低下するが、上記の結晶を島状に存在させるこ
とにより、熱膨張差に起因して抵抗膜に生ずる微小亀裂
の発生を防止できる。このため微小亀裂の発生によって
生ずる抵抗値の変化を少なくでき、抵抗膜の基板との密
着性を従来と同様に良好に保つことが出来る。
【0010】上記の結晶の生成の際には、基板のアルミ
ナと、ホウケイ酸鉛ガラスとの親和性が基本的に作用
し、基板からガラス中に拡散したアルミナにより核成長
が促されてそこに、MAl2Si28の結晶が生成す
る。基板からのアルミナのガラス相への拡散と、灰長石
等の結晶の生成は、RuO2などのガラス相に不溶の導
電粒子を下から押し上げ抵抗膜の中下部に導電粒子に富
んだ領域を形成し、高密度の導電領域を形成して初期抵
抗値のバラツキの低減に寄与する。
【0011】MAl2Si28の結晶は、灰長石ではC
aO、Al23、SiO2粉末を分子比で1:1:2の
割合で混合し、1400℃で保持焼成後、炉冷すれば得
られる。また、ストロンチウム長石では、SrO(また
はSrCo3)、Al23、SiO2を分子比で1:1:
2の割合に混合し、1500℃で保持焼成後、炉冷すれ
ば得られる。大部分のMAl2Si28の結晶は、アル
ミナとシリカ以外の成分と焼成温度を若干変えれば上記
と同様にして容易に得られる。但し、鉛長石はPbO成
分の融点が低く600℃程度でガラス化するので、焼成
温度が800℃程度でも結晶が成長するが、結晶分率は
容易に1にならない。温度が1000℃を越えると鉛成
分の蒸発が問題となる。
【0012】MAl2Si28の結晶は、上記のように
して得られるが、アルミナ基板上で、この結晶だけを生
成せしめようとすると、上記のように高温が必要とな
る。本発明では、PbO−SiO2−B23−Al23
系ガラス中で、この結晶を生成せしめるようにしたの
で、ガラス原料粉末のガラス化温度である800〜90
0℃程度の温度で結晶を生成できる。このとき、原料中
のPbOはMAl2Si28の構成成分の一つであるか
ら結晶成長を容易にする作用がある。SiO2はガラス
構成成分である。これらは、通常のPbO−SiO2
23系ガラスに含まれるPbO 35〜70重量%、
SiO2は10〜50重量%の範囲であればよい。
【0013】B23はMAl2Si28の結晶の成長に
関与し、ガラス中のアルミナの量が少ない場合は、基板
から拡散してくるアルミナがMAl2Si28の結晶の
成長に大きく関与する。このときB23量が多いほど、
MAl2Si28の結晶の生成を促進する。またガラス
中にMAl2Si28の構成成分であるアルミナが充分
存在する場合は、B23量はそれほど多くなくても良
い。B23はガラス中に17重量%以下、Al23は1
3重量%以下とすればよい。
【0014】上記のガラス成分に、Ca、Sr、Ba、
Eu、Gd、La、Nd、Sm、Dyの酸化物又は炭酸
化物の1種以上を添加して抵抗膜を形成する場合では、
上記のガラス成分の組成により異なるが、これらの酸化
物、炭酸化物をガラス中に2〜5重量%程度含有せしめ
ればよく、ガラス成分にMAl2Si28の結晶粉末を
添加する場合は、2〜6重量%添加すればよい。また、
アルミナ基板に抵抗膜用ペーストを印刷するに先立ち、
MAl2Si28の結晶粉末に有機ビヒクルを混練した
ペーストを印刷する場合は、印刷機械で薄く印刷できる
限度に、即ち2〜6μm程度の厚さに印刷すれば充分で
ある。
【0015】
【実施例】以下の実施例ではガラスフリットとして次の
組成になるものを用いた。重量%で A: 58.6%PbO−23.8%SiO2− 9.3%B23
8.3%Al23 B: 58.4%PbO−25.1%SiO2−10.4%B23
6.1%Al23 C: 60.1%PbO−23.6%SiO2−12.0%B23
4.3%Al23 97.7 D: 59.9%PbO−25.2%SiO2− 9.7%B23
5.2%Al23 100.1
【0016】実施例1 上記A組成のガラスフリットに外割りで3.7重量%の
CaOを加え、このガラスフリットにRuO2粉末を
9:1の重量割合で加え、擂潰機で混合し、テルピネオ
ールとエチルセルロースを主成分とする有機ビヒクルを
加えて3本ロールで混練りを行いペーストを製作した。
このペーストを純度96重量%のアルミナ基板上に1×
1mm角の面積に12個スクリーン印刷した。これを1
20℃で10分間乾燥し、次いで箱型電気炉に入れて空
気を循環させながら400℃に1時間保持して有機成分
を除去した。その後800℃に昇温して15分保持して
焼成し、そのまま炉内で室温まで冷却して取り出した。
【0017】このうち2個の厚膜抵抗体を基板ごとダイ
アモンドカッターで切断し、粒径0.25μmのダイヤ
モンドペーストで切断表面を充分に研磨した。これをエ
タノール、続いて純水中で超音波洗浄し、乾燥後、断面
を基板側から抵抗膜に向かって、1μm径の電子線プロ
ーブを走査した。その際、広い範囲の基板と抵抗膜との
界面にわたる平均の変化をとるため、電子線プローブは
界面に沿って1×100μm2の矩形波となるように走
査した。
【0018】その時の発生X線シグナルからCa、P
b、Si、Ru、Alの各元素の分布をプロットした結
果、基板から抵抗膜に向かって、多量のAlの拡散濃度
勾配が存在すること、基板と抵抗膜との界面付近に約2
0μmの厚みにわたってRuが無く、Ca、Pb、S
i、Alで構成された領域が存在することが確認でき
た。この試料の抵抗膜が50μmの厚さになるまで、エ
メリー紙で研磨してX線回折を行ったところ、基板のア
ルミナのピークに混じってCaAl2Si28とPbA
2Si28の回折線が同定された。
【0019】実施例2 焼成温度を850℃に変えた以外は実施例1と同様にし
て厚膜抵抗体を製作した。実施例1と同様に抵抗膜厚さ
50μmまでエメリー紙で研磨してX線回折を行ったと
ころ、基板のアルミナのピークに混じってCaAl2
28とPbAl2Si28の回折線が同定された。
【0020】実施例3 組成Bのガラスフリットを用い、CaOに代えてガラス
フリットに対して外割りで4.3重量%のBaOを用
い、焼成温度を850℃とした以外は、実施例1と同様
にして厚膜抵抗体を製作した。実施例1と同様に抵抗膜
厚さ50μmまでエメリー紙で研磨してX線回折を行っ
たところ、基板のアルミナのピークに混じってBaAl
2Si28とPbAl2Si28の回折線が同定された。
【0021】実施例4 組成Bのガラスフリットを用い、CaOに代えてガラス
フリットに対して外割りで2.3重量%のSrOを用
い、焼成温度を850℃とした以外は、実施例1と同様
にして厚膜抵抗体を製作した。実施例1と同様に抵抗膜
厚さ50μmまでエメリー紙で研磨してX線回折を行っ
たところ、基板のアルミナのピークに混じって基板と接
する抵抗膜の端部にSrAl2Si28の回折線が同定
された。
【0022】実施例5 組成Bのガラスフリットを用い、ガラスフリットに対し
て外割りで0.9重量%のSrOと1.8重量%のMgO
を添加し、焼成温度を850℃とした以外は、実施例1
と同様にして厚膜抵抗体を製作した。実施例1と同様に
抵抗膜厚さ50μmまでエメリー紙で研磨してX線回折
を行ったところ、基板のアルミナのピークに混じって基
板と接する抵抗膜にSrAl2Si28とPbAl2Si
28の回折線が同定された。
【0023】実施例6 組成Cのガラスフリットを用い、ガラスフリットに対し
て外割りで2.0重量%のCaOと4.1重量%のLa2
3を添加し、焼成温度を850℃とした以外は、実施
例1と同様にして厚膜抵抗体を製作した。実施例1と同
様に抵抗膜厚さ50μmまでエメリー紙で研磨してX線
回折を行ったところ、基板のアルミナのピークに混じっ
て基板と接する抵抗膜の端部にCaAl2Si28の回
折線が同定された。
【0024】実施例7 組成Bのガラスフリットを用い、ガラスフリットに対し
て外割りで0.9重量%のSrOと3.1重量%のSm2
3を添加し、焼成温度を850℃とした以外は、実施
例1と同様にして厚膜抵抗体を製作した。実施例1と同
様に抵抗膜厚さ50μmまでエメリー紙で研磨してX線
回折を行ったところ、基板のアルミナのピークに混じっ
て基板と接する抵抗膜にSrAl2Si28とPbAl2
Si28の回折線が同定された。
【0025】実施例8 組成Bのガラスフリットを用い、ガラスフリットに対し
て外割りで1.9重量%のSrOと1.1重量%のDy2
3を添加し、焼成温度を850℃とした以外は、実施
例1と同様にして厚膜抵抗体を製作した。実施例1と同
様に抵抗膜厚さ50μmまでエメリー紙で研磨してX線
回折を行ったところ、基板のアルミナのピークに混じっ
て基板と接する抵抗膜の端部にSrAl2Si28の回
折線が同定された。
【0026】実施例9 組成Cのガラスフリットを用い、ガラスフリットに対し
て外割りで3.5重量%のEu23を添加し、焼成温度
を850℃とした以外は、実施例1と同様にして厚膜抵
抗体を製作した。実施例1と同様に抵抗膜厚さ50μm
までエメリー紙で研磨してX線回折を行ったところ、基
板のアルミナのピークに混じって基板と接する抵抗膜の
端部にPbの一部がEuで置換した(PbEu)Al2
Si28の回折線が同定された。
【0027】実施例10 組成Cのガラスフリットを用い、ガラスフリットに対し
て外割りで0.9重量%のSrOと1.1重量%のGd2
3を添加し、焼成温度を850℃とした以外は、実施
例1と同様にして厚膜抵抗体を製作した。実施例1と同
様に抵抗膜厚さ50μmまでエメリー紙で研磨してX線
回折を行ったところ、基板のアルミナのピークに混じっ
て基板と接する抵抗膜の端部にSrAl2Si28の回
折線が同定された。
【0028】実施例11 組成Cのガラスフリットを用い、ガラスフリットに対し
て外割りで0.9重量%のSrOと1.1重量%のNd2
3を添加し、焼成温度を850℃とした以外は、実施
例1と同様にして厚膜抵抗体を製作した。実施例1と同
様に抵抗膜厚さ50μmまでエメリー紙で研磨してX線
回折を行ったところ、基板のアルミナのピークに混じっ
て基板と接する抵抗膜の端部にSrAl2Si28の回
折線が同定された。
【0029】実施例12 組成Bのガラスフリットを用い、ガラスフリットに対し
て外割りで5重量%のCaAl2Si28の多結晶粉末
を添加した以外は、実施例1と同様にして厚膜抵抗体を
製作した。実施例1と同様に抵抗膜厚さ50μmまでエ
メリー紙で研磨してX線回折を行ったところ、基板のア
ルミナのピークに混じって基板と接する抵抗膜の端部に
CaAl2Si28の回折線が同定された。
【0030】実施例13 CaAl2Si28の多結晶粉末に、テルピネオールと
エチルセルロースを主成分とする有機ビヒクルを加えて
ペースト化し、純度96重量%のアルミナ基板の上に1
×1mm2の面積で約5μmの厚さに12個スクリーン
印刷し、120℃で10分間乾燥した。続いて組成Dの
ガラスフリットとRuO2粉末を9:1の重量比で混合
し、テルピネオールとエチルセルロースを主成分とする
有機ビヒクルを加えて3本ロールで混練をおこなってペ
ースト化し、上記の印刷面に重ねてスクリーン印刷し
た。120℃で10分乾燥後、箱型電気炉に入れ、空気
を循環しながら400℃で1時間保持して有機成分を除
去した。次いで温度を800℃に昇温して15分間保持
して焼成し、そのまま室温まで徐冷し炉内から取り出し
厚膜抵抗体を得た。実施例1と同様に抵抗膜厚さ50μ
mまでエメリー紙で研磨してX線回折を行ったところ、
基板のアルミナのピークに混じって基板と接する抵抗膜
にCaAl2Si28の回折線が同定された。
【0031】比較例1 CaOを添加しない外は、実施例2と同様にして厚膜抵
抗体を製作した。実施例1と同様に抵抗膜厚さ50μm
までエメリー紙で研磨してX線回折を行ったところ、基
板のアルミナのピークに混じって基板と接する抵抗膜に
結晶相の回折線が同定されなかった。
【0032】比較例2 焼成温度を720℃とした以外は実施例1と同様にして
厚膜抵抗体を製作した。実施例1と同様に抵抗膜厚さ5
0μmまでエメリー紙で研磨してX線回折を行ったとこ
ろ、基板のアルミナのピークに混じって基板と接する抵
抗膜に結晶相の回折線が同定されなかった。
【0033】比較例3 実施例4において、SrOの添加量をガラスフリットに
対して6.3重量%とした以外は、実施例4と同様にし
て厚膜抵抗体を製作した。実施例1と同様に抵抗膜厚さ
50μmまでエメリー紙で研磨してX線回折を行ったと
ころ、基板のアルミナのピークに混じって基板と接する
抵抗膜にかなり強いSrAl2Si28の回折線が同定
された。
【0034】上記の各試料10個について初期抵抗値
(LogR、Ω/□)、初期抵抗値の標準偏差(CV、
%)、250℃のシリコンオイルと−20℃の冷塩水
に、移行時間は10秒以内とし、それぞれ1分間浸漬す
るサイクルを1サイクルとし、これを5サイクル繰り返
した後の抵抗値の変化率(△R、%)、QUAN−TE
CHノイズメーターで測定したノイズ値(NOISE、d
B)、定格電力1/3W、印荷電圧V=1.82Ro1/2を10
秒間印荷した時の抵抗値の変化率(STOL、%)を測
定した。その結果を表1に示す。
【0035】
【表1】 LogR CV △R NOISE STOL (Ω/□) (%) (%) (dB) (%) 実施例 1 5.12 9.3 −0.05 −9.8 −0.20 2 5.22 8.3 −0.05 −11.5 −0.19 3 5.37 8.4 +0.02 −10.4 0.11 4 5.43 8.3 −0.07 −11.9 −0.02 5 5.54 4.8 −0.02 −12.2 −0.04 6 5.28 9.7 0.05 −8.5 0.16 7 5.52 8.6 −0.06 −12.3 −0.04 8 5.34 5.8 −0.02 −10.2 −0.01 9 5.45 8.7 −0.09 −11.9 0.01 10 5.31 6.8 −0.10 −9.5 −0.02 11 5.33 9.8 −0.07 −8.2 −0.01 12 5.23 7.3 −0.02 −11.8 −0.01 13 5.49 8.4 −0.08 −11.1 −0.07 比較例 1 5.42 14.1 −0.20 −12.9 0.16 2 5.02 14.7 −0.11 −4.5 0.49 3 4.11 13.2 −0.44 −5.4 0.22
【0036】以上の実施例と比較例を比較すると、ノイ
ズレベルや短時間過負荷試験では、比較例と同等かそれ
以上であるが、比較例1、2のように、基板と抵抗膜の
境界に結晶の存在が認められないものや、比較例3のよ
うに結晶が多量に生成すると、本発明の実施例に比べ
て、初期抵抗値のバラツキが極めて大きく、熱衝撃に対
しても抵抗値が大きく変化することが分かる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、初期抵抗値のバラツキ
が少なく、熱による抵抗値の変化の少ないアルミナ基板
上に形成された厚膜抵抗体及びその製造方法を提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01C 7/00 H01C 17/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ基板上に、導電粒子とPbO−
    SiO2−B23−Al23系ガラスを主成分とする抵
    抗膜が焼き付けられている構造の厚膜抵抗体において、
    アルミナ基板と抵抗膜の間に、MAl2Si28の結
    晶、但しMはPb、Ca、Sr、Ba、Eu、Gd、N
    d、Sm、Dyの内の一つ以上である、の1種以上が島
    状に存在することを特徴とする厚膜抵抗体。
  2. 【請求項2】 導電粒子と、PbO−SiO2−B23
    −Al23系ガラスフリットと、前記のガラスフリット
    と共にアルミナ基板と抵抗膜の間に、MAl2Si28
    の結晶、但しMはCa、Sr、Ba、Eu、Gd、N
    d、Sm、Dyの内の一つ以上である、の1種以上が島
    状に形成される量のCa、Sr、Ba、Eu、Gd、L
    a、Nd、Sm、Dyの酸化物又は炭酸化物の1種以上
    と、有機ビヒクルを含有する抵抗膜形成用ペーストをア
    ルミナ基板上に焼き付ける厚膜抵抗体の製造方法。
  3. 【請求項3】 導電粒子と、PbO−SiO2−B23
    −Al23系ガラスフリットと、前記のガラスフリット
    と共にアルミナ基板と抵抗膜の間に、MAl2Si28
    の結晶、但しMはPb、Ca、Sr、Ba、Eu、G
    d、Nd、Sm、Dyの内の一つ以上である、の一種以
    上が島状に形成される量の該結晶粉末と、有機ビヒクル
    を含有する抵抗膜形成用ペーストをアルミナ基板上に焼
    き付ける厚膜抵抗体の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルミナ基板上に、MAl2Si28
    結晶、但しMはPb、Ca、Sr、Ba、Eu、Gd、
    Nd、Sm、Dyの内の一つ以上である、の一種以上が
    島状に形成される量の該結晶粉末と、有機ビヒクルを含
    有するペーストを印刷し、次いで導電粒子と、PbO−
    SiO2−B23−Al23系ガラスフリットと、有機
    ビヒクルを含有する抵抗膜形成用ペーストをアルミナ基
    板上に焼き付ける厚膜抵抗体の製造方法。
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