JP3041719U - エアセルユニット及びエアマット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定性及び感触に優れ、かつ携帯便利なエア
セルユニット及びエアマットを提供する。 【解決手段】 方形可撓性シートの辺縁及び中間部分を
溶着部２，３，４にて溶着して連通した３個のエアセル
５を形成し、エアセル内に軟質発泡体の芯材１０を収納
してエアセルユニット１を構成する。各ユニットには１
対のバルブ１１とその４辺にスナップボタン９ａ，９ｂ
が取り付けられる。ユニットの大きさは、横方向が人の
肩幅に略等しく、縦方向が人の身長の２分の１ないし５
分の１に略等しく設定される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、使用時の安定性に優れ、かつ携帯に適したエアセルユニット及びエ アマットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、複数の細長いエアセルを左右方向に並列配置し、就寝者の体圧を均等に 分散するエアマットが、提案されている（例えば特開平7-313558号公報) 。かか るエアマットは、寝たきり老人或いは重症患者の床擦れを防止するために使用さ れるものであり、病院或いは屋内でベッド上に置かれ或いは平坦な床面に置かれ て使用される。この公報には、3 個の分割マットを面ファスナーにて連結して1 個のエアマットとし、各分割マットをそれぞれ独立駆動させて各マットの内圧を 異ならせる旨記載されている。

【０００３】 他方、密閉可能な機密性の袋の中に弾性プラスチック発泡体を収納したクッシ ョン材も知られている（例えば実開平6-61161 号公報) 。この公報によれば、ク ッション材は、座布団、枕、マット等に使用できる旨記載されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記公報（特開平7-313558号公報) に記載の発明のような、空気のみを封入し たエアマットは、患者の体を支持するに際し不安定であるという問題がある。か かるエアマットはベッド等平坦な面上に置かれて使用されるという前提にたつか ら、実際には大きな問題とはならないが、一般的にいえば、マットレスや布団に 比較して体の維持性及び感触において劣ることが多い。例えばこれを野外におけ るキャンプ等凹凸のある地面に敷いて使用した場合、その不安定さは顕著なもの となり、特に地面に突部がある場合これが直接体に当たる等寝心地は極めて悪い ものとなる。

【０００５】 また上記公報（実開平6-61161 号公報) に開示のクッション材にあっては、単 体で使用されるため座布団等に適しているが、これを複数個連結して使用するこ とはできない。

【０００６】 本考案は、このような問題を解決するためになされたもので、特に野外で一般 健常者が簡易マットとして使用して好適なエアセルユニット及びエアマットを提 供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１に記載の本考案は、２枚の空気非透過性を有する方形の可撓性シート の辺縁付近全周に溶着部が形成されて密封体が構成され、かつ該密封体の中間部 分に上記溶着部に繋がらない線状の溶着部が上記シートの１辺に略平行に形成さ れて複数の連通セルに分割されたエアセルと、上記シートの辺縁において上記全 周の溶着部の外側においてその４辺にそれぞれ形成された連結部材と、上記エア セルの各セル内に収納されたスポンジ等軟質発泡体よりなる芯材と、上記密封体 の上記全周の溶着部付近の内側に形成された１対の給排気バルブとからなるエア セルユニットであって、給気状態において、その左右方向の長さが人の肩幅に略 等しく設定され、かつその縦方向の長さが人の身長の２分の１、３分の１、４分 の１又は５分の１のいずれかの長さに略等しく設定されてなるものである。

【０００８】 かかる構成であれば、エアセルユニットが凹凸面がある場所に置かれたとして も、その凸部はセル内に収納された芯材を介して体に当たるから、就寝者が受け る圧迫感は軽減される。

【０００９】 請求項２に記載の本考案は、エアセルユニットが、上記連結部材にて少なくと も縦方向に複数個連結され、かつ各エアセルユニットの上記給排気バルブが連通 チューブにて連結されてなるものである。

【００１０】 かかる構成であれば、エアセルユニットをその４辺に設けた連結部材にて縦方 向に２ないし５個、左右方向には単独又は２個連結して使用すれば、人１人が就 寝するに十分な大きさのエアマットが形成される。

【００１１】

【考案の実施の形態】

図１及び図２において、１はエアセルユニットで、２枚の空気非透過性を有す る可撓性シート、例えばＰＶＣフィルムシートを重ね合わせてその辺縁付近、す なわち辺縁とその辺縁から所定間隔（約 2cm) 内側に全周にわたって線状に溶着 部２，３が形成されて密封体に構成されている。このシートは、縦60cm, 横50cm の長方形とすることができ、２本の溶着部２，３の各幅は約 4mmとすることがで きる。ここで縦方向とは、人の体の身長方向を、また横方向は人がマット上に仰 向けに伏したとき左右方向をいう。辺縁付近の溶着部２，３を２本としたのは、 溶着強度を上げるためである。上記シート材料としては、強度を向上させるため にナイロン織布の両面又は片面をＰＶＣ或いはウレタン樹脂にてコーティングし たものを使用してもよい。

【００１２】 密封体の中間部分はこれを３分割するごとく、方形シートの一辺に平行な２つ の線状の溶着部４，４が形成されており、これにより、３個のエアセル５，５， ５が形成される。この溶着部４，４は、辺縁の溶着部３には繋がらないよう形成 され、したがって３個のエアセル５，５，５は、通気部６により互いに連通して いる。中間の溶着部４，４は、溶着強度を上げるためにそれぞれ２本平行に形成 され、その少なくとも一方の端７は、開放されている。それ故セル内への給気時 、この溶着部４で囲まれた細い領域８（幅約 2cm) もまた膨らむこととなる。溶 着部４の端は、図示の如く一方のみ開放しても、また両方開放してもよい。かく すれば分割された各エアセル５の大きさは縦約17cm, 横46cmの長方形となる。

【００１３】 ９ａ，９ｂ，……は、辺縁の２本の溶着部２，３の間に、一辺につきそれぞれ ２個ずつ所定間隔（約17cm) 隔てて設けられたスナップボタンであり、複数のエ アセルユニット１を連結する連結部材として使用される。このボタン９ａ，９ｂ ，……の取り付け部分の２枚のシートは予め溶着されシールされエア漏れを生じ ない構造とされている。またこのボタンは、エアセルユニット１の４辺全てに設 けられており、図１中左側の２辺のボタン（９ａ，９ａにて示す）はボタン雌部 に、他方右側の２辺のボタン（９ｂ，９ｂにて示す）はボタン雄部に形成されて いる。

【００１４】 １０は、各エアセル５内に収納された軟質発泡体よりなる芯材で、縦11cm, 横 46cm, 高さ 4cmの直方体のスポンジが使用できる。図２において、１１，１１は 、エアセルユニット１の裏側において、溶着部３の内側に形成された１対の給排 気バルブで、それぞれ栓体１２を有し、バルブ１１，１１を閉鎖できる構造を有 する。

【００１５】 図３は、エアセルユニット１にエアを注入した例を示し、一方のバルブ１１を 閉じ、他方のバルブ１１の栓体１２を抜いてこれを開放し、この開放したバルブ １１から図示しない市販のエアポンプを使用してエアが注入される。エアが注入 された後、バルブ１１に栓体１２が差し込まれ、エアセルユニット１は密閉状態 とされる。なお、この給気エアセルユニット１の大きさは、その膨張部分の厚さ が使用状態である約10cmとなったとき、全体の縦横の大きさは、約55cm×約45cm であった。

【００１６】 図４において、１３は、エアセルユニット１，１，……を、縦方向に４個、横 方向に２個、合計８個を連結したエアマットであり、各エアセルユニット１，１ ，……はスナップボタン９ａ，９ｂ，……にて連結される。また各エアセルユニ ット１，１，……は、図５に示すように、バルブ１１に栓体１２を抜いた状態で 連通チューブ１４が差し込まれ、左右４個ずつ直列に連通せしめられる。左右２ 組のエアセルユニット１，１，……には、それぞれエアポンプにてエアが注入さ れる。このとき例えば図４中左端のバルブ１１か開放され、エアポンプの給気チ ューブ（図示せず）が差し込まれ、右端のバルブ１１が閉じられてエアが注入さ れる。エアを注入した際におけるエアマット１３の大きさは、約縦220cm,横90cm であり、大人１人が就寝するに十分な広さである。なお、縦方向を平均的身長よ り長めに設定したのは、人が就寝したとき、頭部が位置するエアセルユニット１ の１個のエアセル５を折り返し、２段に重ねて、これを枕として使用できるよう にしたためである。

【００１７】 上記実施の形態では、エアセルユニット１を左右方向に２個連結した例につき 説明したが、これは１個でもよく、かかる場合横幅は、約45cmとなり、これは大 人の肩幅に略等しい。また縦方向の長さは、約220cm であるから、これも大人の 平均的身長を十分満たすものである。したがって、この単位が大人１人に対し、 最小限必要なユニット数ということができる。また子供の就寝用エアマットとし て使用する場合には、適宜身長にあわせてエアセルユニットを減らせばよい。逆 に、上記広さより大きくすることもでき、大きさ、形状とも自由に設定すること ができる。

【００１８】 前述したようにエアセルユニット１の膨張時の縦の長さを55cmとした場合、大 人１人分の長さを得ようとすれば縦方向に４個必要であるが、この長さを約1.1m とすれば２個、約73cmとすれば３個、約45cmとすれば５個必要となる。なお長さ 1.1mのエアセルユニットにあっては、中間の溶着部４は５本、長さ73cmのエアセ ルユニットにあっては、３本、長さ45cmのエアセルユニットにあっては、１又は ２本とするのが望ましい。エアセルの膨張時、溶着部との段差を大きくせず、凹 凸が体に痛みを与えないようにするためである。また、エアマットを構成するエ アセルユニットを少なくとも２分割できる構成とするのは、運搬時等携帯に便利 とするためであり、２分割できれば、セル内の空気を抜き２枚重ね合わせ、折り 畳むことにより、コンパクトにすることができるのである。またこの分割数を５ 個を超えて増やしてもコンパクトに畳むことができる効果はそれほど大きくなら ず、接続及び分割作業が面倒になるから、逆に使い勝手が悪くなる。それ故エア セルユニットの分割数は人の身長の２分の１ないし５分の１、すなわち２分割な いし５分割の範囲が適切である。

【００１９】 上記構成のエアセルユニット１及びエアマット１３は、運搬時にはバルブ１１ を開放してセルを手のひらで押さえてセル内のエアを抜き、負圧として芯材１０ をも圧縮した状態でバルブを閉じるのである。この排気時、エアセルユニット１ は分割されるから、従来の一体型のものに比較して、格段に短い時間でエアを抜 くことができる。また使用時には、必要な数のエアセルユニット１を所定の大き さに連結し、各バルブ１１を連通チューブ１４でつないで、エアポンプにてエア を注入し適当な内圧とし、バルブ１１を閉じるのである。

【００２０】

【考案の効果】

請求項１に記載の本考案によれば、エアセルユニットは、給気膨張状態にある ときは、エアによる内圧により体圧が均等に分散され、かつ芯材によるクッショ ンにより、体を支持する際の安定性が向上する。すなわちキャンプ等野外におい て地面等凹凸のある表面にエアセルを敷いた場合、凸部が体を圧迫するときでも 芯材によりこれが軽減、緩和されるのである。また芯材により体への感触がソフ トなものとなる。これらより就寝者は、戸外であっても快適な寝心地を得ること ができる。

【００２１】 また本考案によれば、エアセルユニットの左右方向の大きさが、人の肩幅に略 等しく、かつ縦方向の長さが人の身長の２分の１、３分の１、４分の１又は５分 の１のいずれかの長さに略等しく設定されるから、単体ではエアを抜いて比較的 コンパクトな形状とすることができ、携帯に便利となり、キャンプ等において使 用する簡易マットとして適している。

【００２２】 さらに本考案によれば、エアセル内に芯材が収納されているから、給排気され るエアの量が、エア空間のみのエアセルに比較して約半分で済み、したがって給 排気動作は半分で済むこととなり、その時間も短縮される。

【００２３】 また請求項２に記載の本考案によれば、エアセルユニットの連結部材を適宜連 結し所望の形状に設定できるから、自分の体の大きさに合った最小限の大きさか ら、数人が就寝できる広さまで自在に設定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施の形態に係るエアセルユニットを示
す斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】使用状態を示す図３における断面図である。

【図４】複数個のエアセルユニットを連結してエアマッ
トを構成した場合の斜視図である。

【図５】図４のＢ−Ｂ線断面図である。

【符号の説明】

１………エアセルユニット ２，３，４………溶着部 ５………エアセル ９ａ，９ｂ………スナップボタン １０………芯材 １１………バルブ １３………エアマット １４………連通チューブ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２枚の空気非透過性を有する方形の可撓
   性シートの辺縁付近全周に溶着部（３）が形成されて密
   封体が構成され、かつ該密封体の中間部分に上記溶着部
   （３）に繋がらない線状の溶着部（４）が上記シートの
   １辺に略平行に形成されて複数の連通セルに分割された
   エアセル（５）と、上記シートの辺縁において上記全周
   の溶着部の外側においてその４辺にそれぞれ形成された
   連結部材（９ａ）（９ｂ）と、上記エアセル（５）の各
   セル内に収納されたスポンジ等軟質発泡体よりなる芯材
   （１０）と、上記密封体の上記全周の溶着部付近の内側
   に形成された１対の給排気バルブ（１１）とからなるエ
   アセルユニット（１）であって、給気状態において、そ
   の左右方向の長さが人の肩幅に略等しく設定され、かつ
   その縦方向の長さが人の身長の２分の１、３分の１、４
   分の１又は５分の１のいずれかの長さに略等しく設定さ
   れてなることを特徴とするエアセルユニット
2. 【請求項２】 請求項１に記載のエアセルユニット
   （１）が、上記連結部材（９ａ）（９ｂ）にて少なくと
   も縦方向に複数個連結され、かつ各エアセルユニット
   （１）の上記給排気バルブ（１１）が連通チューブ（１
   ４）にて連結されてなることを特徴とするエアマット