JP3041570B2 - 射出成形機の制御方法及び制御装置 - Google Patents

射出成形機の制御方法及び制御装置

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JP3041570B2
JP3041570B2 JP6304476A JP30447694A JP3041570B2 JP 3041570 B2 JP3041570 B2 JP 3041570B2 JP 6304476 A JP6304476 A JP 6304476A JP 30447694 A JP30447694 A JP 30447694A JP 3041570 B2 JP3041570 B2 JP 3041570B2
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久蔵 森
忠幸 岡本
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出成形機の制御方法及
び制御装置に関し、特に金型の開閉速度及びその速度の
切替位置を制御する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、図4を参照して射出成形機の概略
を説明する。図4は射出成形機のうち射出装置、型締装
置の概略構成を示している。射出装置においては、ホッ
パ11より投入された樹脂を加熱シリンダ12内で溶融
しながらスクリュ13で計量、混練し、溶融樹脂をスク
リュ13の前方に貯留する。貯留された樹脂は、射出シ
リンダ14とピストン15より成る油圧シリンダ機構に
よりスクリュ13を前方、すなわち金型側へ移動させる
ことによりノズル16を通して固定金型17と可動金型
18とで形成されたキャビティ内に充填される。なお、
射出シリンダ14には充填、保圧工程に応じて流出入部
14−1を通して流量あるいは圧力を制御された駆動油
が出入りする。
【0003】一方、型締装置は、図示しないフレームに
固定され、固定金型17を有する固定プラテン21に対
してリアプラテン22が4本のタイバー23(図では2
本のみ図示)を介して固定支持されている。リアプラテ
ン22に固定された油圧シリンダ24中には油圧ピスト
ン25が配設され、この油圧ピストン25には可動金型
18を固定された可動プラテン26が連結されている。
可動プラテン26は油圧ピストン25の運動に伴ってタ
イバー23上をスライド可能に構成されている。すなわ
ち、可動プラテン26は、図示しない比例流量弁を通し
て油圧シリンダ24の流出入部24−1から作動油を注
入すると型閉方向に移動し、流出入部24−2から作動
油を注入すると型開方向に移動する。
【0004】油圧シリンダ24には油圧を型締力として
検出するための圧力センサ27が設けられ、金型を閉と
した状態で流出入部24−1側の油圧シリンダ内の油圧
力を、圧力センサ27の検出値にもとづいて上記の比例
流量弁とは別の比例圧力弁(図示せず)を調整すること
により型締力を制御できる。また、可動プラテン26あ
るいはその近傍位置には、金型位置を検出するための金
型位置センサ28が設けられ、金型開閉に伴う可動金型
18の位置を測定できるようにしている。
【0005】次に、図5を参照して、従来の射出成形機
における型開閉の制御方法及び装置構成を説明する。型
開閉速度、速度切替位置、最大型開位置の3条件の入力
部31を用いてオペレータにより入力された条件を記憶
部32を用いて成形機内部に記憶させる。これらの条件
を指令値出力部33を用いて比例流量弁34に指令値と
して与える。この指令値によって、作動油が供給され、
可動金型を移動させる型開閉アクチュエータ(油圧ピス
トン)35が駆動し、射出成形機の型開閉が行われる。
この際、金型の位置は金型位置センサ28により監視さ
れ、速度切替位置に達した時に指令値出力部33におい
て速度切替の指令を発する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この方式においては以
下のような問題点がある。
【0007】1)ある最大型開位置においてできる限り
型開閉時間を短くかつできる限り振動を生じさせないよ
うな速度及び速度切替位置の最適なパターンをオペレー
タが決定するまでに時間がかかる。
【0008】2)仮に最適なパターンが決まったとして
も、金型を交換等することによって最大型開位置を変更
した場合にはまた試行錯誤の末、再度最適なパターンを
決めなければならない。
【0009】3)最適なパターンを任意の最大型開位置
毎にすべて記憶するには膨大な記憶容量を必要とする。
【0010】このような問題点に鑑み、本発明は射出成
形機の各種条件設定の操作性向上を図ることのできる制
御方法を提供することを課題とする。
【0011】本発明はまた、射出形成機本体の振動の低
減化を図ることのできる制御方法を提供することを課題
とする。
【0012】本発明は更に、上記方法に適した制御装置
を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、射出成形機の
金型開閉速度及び該金型開閉速度の切替位置を制御する
制御方法において、大型開位置Se及びあらかじめ定
められた複数の速度切替位置から求められあらかじめ記
憶部に記憶された各速度切替位置間の差分量、すなわち
ある速度切替位置と次の速度切替位置との差分量及び前
記最大型開位置Seと最後の速度切替位置との差分量
と、オペレータが入力する最大型開位置とから演算処理
により前記金型開閉速度の実際の切替位置を決定し、該
切替位置とあらかじめ記憶部に記憶された金型開閉速度
とから型開閉の指令値を出力することを特徴とする。
【0014】本発明はまた、射出成形機の金型開閉速度
及び該金型開閉速度の切替位置を制御する制御装置にお
いて、最大型開位置を入力する入力手段と、入力された
値を記憶する第1の記憶手段と、前記金型開閉速度の切
替位置を決定するための位置差分量、すなわちある速度
切替位置と次の速度切替位置との差分量及び最大型開位
置Seと最後の速度切替位置との差分量と金型開閉速度
とをあらかじめ記憶しておく第2の記憶手段と、前記第
1の記憶手段に記憶された値と前記第2の記憶手段に記
憶された前記位置差分量とから前記金型開閉速度の実際
の切替位置を演算により求める演算手段と、演算により
得られた前記金型開閉速度の切替位置と前記あらかじめ
記憶された金型開閉速度とを指令値として出力する指令
値出力手段と、前記指令値にもとづいて金型のアクチュ
エータを駆動する手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
【実施例】図1を参照して、本発明による制御装置につ
いて説明する。本制御装置は、最大型開位置を入力する
ための入力部1、この入力値を記憶するための記憶部2
(第1の記憶手段)、金型開閉速度及び位置差分を記憶
するための記憶部3(第2の記憶手段)、演算部4、指
令値を出力するための指令値出力部5、作動油の流量を
制御する比例流量弁6、可動金型を移動させて型開閉動
作を行うアクチュエータ7、金型の位置を監視する金型
位置センサ8によって構成される。本制御装置は、以下
の点で従来例と異なる。
【0016】1)入力部は最大型開位置のみの入力で良
い。
【0017】2)金型開閉速度及び位置差分量を記憶す
る記憶部3を備えた。
【0018】3)演算部4を有する。
【0019】本制御装置においては、まず、射出形成機
本体の低振動化を実現するために、ある最大型開位置S
e における低振動化パターン(金型開閉速度及び速度切
替位置)をあらかじめ求めておく。今、図2に示すよう
な金型開閉速度V1 〜V5 及び速度切替位置S1 〜S4
のようなパターンが得られたとする。この場合、最大型
開位置Se と速度切替位置S1 〜S4 とからS2 とS1
の差分量Δ1、S3 とS2 の差分量Δ2、S4 とS3
差分量Δ3、Se とS4 の差分量Δ4というように各速
度切替位置の差分量Δ1〜Δ4を求め、速度V1 〜V5
と共に記憶部3を用いて成形機内部に記憶しておく。こ
のようなパターンにもとづくデータの入力は、金型の種
類が変わっても1回だけで良い。
【0020】次に、入力部1を用いてオペレータにより
入力された最大型開位置から記憶部3を用いてあらかじ
め成形機内部に記憶された各位置差分量Δ1〜Δ4を演
算部4を用いて順に減じることによって実際の速度切替
位置S1 〜S4 を算出する(S4 入力された最大型開
位置−Δ4、S3 =S4 −Δ3、S2 =S3 −Δ2、S
1 =S2 −Δ1)。
【0021】以上によって、算出された速度切替位置S
1 〜S4 とあらかじめ記憶された金型開閉速度V1 〜V
5 とから型開閉の指令値が決定される。
【0022】次に、本制御装置の作用を説明する。
【0023】(1)オペレータは入力部1を用いて最大
型開位置を入力する。
【0024】(2)入力された最大型位置は記憶部2に
より記憶され、記憶部3を用いてあらかじめ記憶された
位置差分量より演算部4を用いて速度切替位置が算出さ
れる。
【0025】(3)算出された速度切替位置と記憶部3
を用いてあらかじめ記憶された金型開閉速度とにより型
開閉指令値が決定され、指令値出力部5により指令値が
出力される。
【0026】(4)指令値は比例流量弁6に与えられ、
作動油の流量を調整することによって型開閉用のアクチ
ュエータ7が駆動し成形機の型開閉が行われる。この
際、金型の位置は金型位置センサ8により監視され、速
度切替位置に達した時に指令値出力部5において速度切
替の指令を発する。
【0027】図3は本発明を適用した場合と従来の場合
の振動変位の測定結果を示し、本発明の場合の装置本体
の最大振れ幅δ1は、従来の場合の最大振れ幅δ2に比
べて約40%に抑制することができた。
【0028】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば成形機内部に膨大な記憶容量の記憶部を必要とせず、
しかも金型開閉速度等の各種条件の入力作業を簡便化で
きる。また、成形機本体の振動変位を従来の半分以下に
低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による制御装置の構成を示すブロック図
である。
【図2】本発明において設定される金型開閉速度及び速
度切替位置のパターンを示した図である。
【図3】本発明装置と従来装置の場合の振動変位の測定
結果を示した図である。
【図4】本発明が適用される射出成形機の要部の構成を
概略的に示した図である。
【図5】従来の制御装置の構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
11 ホッパ 12 加熱シリンダ 13 スクリュ 14 射出シリンダ 15 ピストン 16 ノズル 17 固定金型 18 可動金型 21 固定プラテン 22 リアプラテン 23 タイバー 24 油圧シリンダ 25 油圧ピストン 26 可動プラテン

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形機の金型開閉速度及び該金型開
    閉速度の切替位置を制御する制御方法において、大型
    開位置Se及びあらかじめ定められた複数の速度切替位
    置から求められあらかじめ記憶部に記憶された各速度切
    替位置間の差分量、すなわちある速度切替位置と次の速
    度切替位置との差分量及び前記最大型開位置Seと最後
    の速度切替位置との差分量と、オペレータが入力する最
    大型開位置とから演算処理により前記金型開閉速度の実
    際の切替位置を決定し、該切替位置とあらかじめ記憶部
    に記憶された金型開閉速度とから型開閉の指令値を出力
    することを特徴とする射出成形機の制御方法。
  2. 【請求項2】 射出成形機の金型開閉速度及び該金型開
    閉速度の切替位置を制御する制御装置において、最大型
    開位置を入力する入力手段と、入力された値を記憶する
    第1の記憶手段と、前記金型開閉速度の切替位置を決定
    するための位置差分量、すなわちある速度切替位置と次
    の速度切替位置との差分量及び最大型開位置Seと最後
    の速度切替位置との差分量と金型開閉速度とをあらかじ
    め記憶しておく第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段
    に記憶された値と前記第2の記憶手段に記憶された前記
    位置差分量とから前記金型開閉速度の実際の切替位置を
    演算により求める演算手段と、演算により得られた前記
    金型開閉速度の切替位置と前記あらかじめ記憶された金
    型開閉速度とを指令値として出力する指令値出力手段
    と、前記指令値にもとづいて金型のアクチュエータを駆
    動する手段とを備えたことを特徴とする射出成形機の制
    御装置。
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