JP3040934B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

洗浄剤組成物

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JP3040934B2 JP7100702A JP10070295A JP3040934B2 JP 3040934 B2 JP3040934 B2 JP 3040934B2 JP 7100702 A JP7100702 A JP 7100702A JP 10070295 A JP10070295 A JP 10070295A JP 3040934 B2 JP3040934 B2 JP 3040934B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、洗浄剤組成物に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、フロン洗浄剤や1,1,
1−トリクロロエタン洗浄剤の代替洗浄剤として、電子
部品洗浄工程、金属部品洗浄工程に使用され、油脂類、
指紋、微粒子(パーティクル)、イオン性物質の除去に
有効なすぐれた洗浄力をもち、かつ、生分解性で環境を
汚染することのない洗浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】精密電子部品、例えば、コンピュータ記
憶デバイスとして使用されるハードディスクドライブ周
辺部品等は、組み立て工程において、金型成型部品、樹
脂成型部品から組み立てられる。各々成型部品には、鉱
物油系切削油、水溶性切削油、さらには、極圧添加剤等
を含んだ微粒子状汚染物が残渣として表面に存在してい
る。これらの汚染物質が残存すると、電気回路の電気特
性の劣化あるいは回路の破壊の原因となることがあるた
め、これらを成型部品から洗浄除去することが不可欠と
なっている。従来、精密電子部品の洗浄には、トリクロ
ロフルオロエタン、1,1,1−トリクロロエタン等のハ
ロゲン化炭化水素溶剤が使用されてきたが、オゾン層破
壊等の環境汚染問題から、これらのハロゲン化炭化水素
溶剤の使用が規制され、また将来の使用禁止が決定され
たことにより、これに変わる新たな洗浄剤の開発が急務
となっている。近時、フロン代替、トリクロロエタン代
替の精密洗浄剤が、種々開発されている。主なものは、
アルコール系、テルペン系、水系洗浄剤、及び炭化水素
系の洗浄剤である。しかしながら、従来開発されてきた
水系洗浄剤は、水溶性であるため引火性はないが、精密
電子部品の洗浄力が弱く、金属腐食性のおそれがある。
溶剤を用いた洗浄剤は、油脂類の溶解性、電子部品の細
部への浸透性には問題はないが、引火性、臭気、水リン
ス性に問題がある。このように、洗浄性、引火性、臭気
等のすべての要求性能を十分に満足するものが、未だ見
出されてないのが現状である。また、最近の精密電子部
品業界では、小型化、高精密化が急速に進んでおり、よ
り洗浄性が強く、金属腐食性が低く、プラスチックへの
影響の少ない、すぐれた洗浄剤が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のフロ
ン系や1,1,1−トリクロロエタン系洗浄剤では満足さ
せることのできなかった、洗浄性、金属への腐食防止
性、低温及び高温領域での洗浄剤組成物のpH安定性を改
善し、さらに引火性及び臭気のない洗浄剤組成物を提供
することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリオキシ
エチレンラウリルエーテルとジプロピレングリコールメ
チルエーテルを主成分とし、これにアルキル安息香酸、
トリエタノールアミン及び2,2'−メチレンビス(4−
エチル−6−tert−ブチルフェノール)を含有せしめて
なる洗浄剤組成物が、安定性、洗浄力及び生分解性のす
べてにすぐれていることを見いだし、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、 (1)(A)一般式[1] C1225O(C240)nH …[1] (ただし、式中、nは6〜9である。)で表されるポリ
オキシエチレンラウリルエーテル0.1〜1重量%、
(B)ジプロピレングリコールメチルエーテル0.1〜
1重量%、(C)一般式[2]
【化3】 (ただし、式中、Rは炭素数3〜7を有するアルキル基
である。)で表されるアルキル安息香酸0.05〜0.1
重量%、(D)トリエタノールアミン0.05〜0.2重
量%、及び、(E)2,2'−メチレンビス(4−エチル
−6−tert−ブチルフェノール)0.0001〜0.01
重量%を含有することを特徴とする洗浄剤組成物、及
び、(2)(A)一般式[1] C1225O(C240)nH …[1] (ただし、式中、nは6〜9である。)で表されるポリ
オキシエチレンラウリルエーテル2〜20重量%、
(B)ジプロピレングリコールメチルエーテル2〜20
重量%、(C)一般式[2]
【化4】 (ただし、式中、Rは炭素数3〜7を有するアルキル基
である。)で表されるアルキル安息香酸1〜2重量%、
(D)トリエタノールアミン1〜4重量%、(E)2,
2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフ
ェノール)0.002〜0.2重量%を含有することを特
徴とする洗浄剤組成物、を提供するものである。本発明
の洗浄剤組成物の一態様は、低濃度の成分を含有するも
のであり、精密電子部品製造工場などにおいて、直ちに
工程で使用することができるものである。本態様の洗浄
剤組成物は、使用前の希釈などの前処理を必要とせず、
簡便に使用することができる。本発明の洗浄剤組成物の
他の一態様は、高濃度の成分を含有するものであり、精
密電子部品工場などにおいて、適当な濃度に希釈して使
用するものである。本態様の洗浄剤組成物は、運搬及び
保管に要する費用を節減しうるのみならず、防かび剤の
添加がない洗浄剤組成物中でも、微粒子の原因となる微
生物が繁殖しないので、長期にわたり保存することがで
きる。防かび剤は金属類の腐食の原因となることがある
ので、防かび剤を含有しないことは洗浄剤組成物にとっ
て望ましい。
【0005】以下に、本発明の洗浄剤組成物について詳
細に説明するが、まず、比較的低濃度の成分を含有する
態様について述べる。本発明の洗浄剤組成物は、(A)
一般式[1] C1225O(C240)nH …[1] (ただし、式中、nは6〜9である。)で表されるポリ
オキシエチレンラウリルエーテル0.1〜1重量%、及
び、(B)式[3] CH3O(C36O)2H …[3] で表されるジプロピレングリコールメチルエーテル0.
1〜1重量%を含有する。ポリオキシエチレンラウリル
エーテル及びジプロピレングリコールメチルエーテルが
共存すると、相乗効果により精密電子部品に付着する油
脂類、指紋、微粒子、イオン性物質などに対して強力な
洗浄効果を発揮する。ポリオキシエチレンラウリルエー
テルもジプロピレングリコールメチルエーテルも水溶性
であるために、本発明の洗浄剤組成物は水系洗浄剤とし
て使用することができる。また、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテルもジプロピレングリコールメチルエーテ
ルも良好な生分解性を有しているので、活性汚泥法など
により容易に排水を処理することができ、環境を汚染す
ることがない。ポリオキシエチレンラウリルエーテルの
含有量が0.1重量%未満であると、洗浄力が十分でな
いおそれがある。ポリオキシエチレンラウリルエーテル
の含有量が1重量%を超えると、洗浄後のリンス工程に
要する純水の量が増え、排水処理の負荷が増す。ジプロ
ピレングリコールメチルエーテルの含有量が0.1重量
%未満であると、洗浄力が十分でないおそれがある。ジ
プロピレングリコールメチルエーテルの含有量が1重量
%を超えると、洗浄後のリンス工程に要する純水の量が
増え、排水処理の負荷が増す。本発明の洗浄剤組成物
は、(C)一般式[2]
【化5】 (ただし、式中、Rは炭素数3〜7を有するアルキル基
である。)で表されるアルキル安息香酸0.05〜0.1
重量%を含有する。アルキル安息香酸は防錆効果を有し
ていて、アルキル安息香酸を含有せしめることにより、
ステンレス鋼、アルミニウム、マグネシウムなどの金属
への錆の発生を防止することができる。アルキル安息香
酸の含有量が0.05重量%未満であると、防錆効果が
十分でなく、酸性又はアルカリ性条件下では錆が発生す
るおそれがある。防錆効果はアルキル安息香酸の含有量
0.1重量%以下で十分であり、アルキル安息香酸の含
有量が0.1重量%を超えて使用することもできるが、
アルキル安息香酸の含有量が0.1重量%を超えてもそ
れ以上の効果は期待できない。
【0006】本発明の洗浄剤組成物は、(D)式[4] N(C24OH)3 …[4] で表されるトリエタノールアミン0.05〜0.2重量%
を含有する。トリエタノールアミンを含有せしめること
により、洗浄剤組成物のpHを安定化せしめることができ
る。オキシアルキレン構造を有する界面活性剤を含有す
る洗浄剤組成物は、高温に長時間保たれるとオキシアル
キレン構造部分に酸化が起こり、酸が生成するためにpH
が低下することが多い。pHが低下し洗浄剤組成物が酸性
になると、被洗浄物や洗浄設備に腐食や錆の発生などの
悪影響を与えるおそれがある。本発明の洗浄剤組成物
は、高温に長時間保ってもpHが変動することがない。ト
リエタノールアミンの含有量が0.05重量%未満であ
ると、pHの安定化効果が十分でなく洗浄剤組成物が酸性
になるおそれがある。pHの安定化効果は、トリエタノー
ルアミンの含有量0.2重量%以下で十分であり、トリ
エタノールアミンの含有量が0.2重量%を超えて使用
することもできるが、トリエタノールアミンの含有量が
0.2重量%を超えてもそれ以上の効果は期待できな
い。本発明の洗浄剤組成物は、(E)式[5]
【化6】 で表される2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−te
rt−ブチルフェノール)0.0001〜0.01重量%を
含有する。2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−te
rt−ブチルフェノール)を含有せしめることにより、洗
浄剤組成物の酸化を防止することができる。酸化防止剤
は、フェノール系、硫黄系、リン系など数多くのものが
知られており、フェノール系に限っても、2,6−ジ−t
ert−ブチル−p−クレゾールなどのモノ型、2,2'−
メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)などのビス型、1,1,3−トリス(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタンなど
の高分子型などがあるが、これらの酸化防止剤の中で
2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチル
フェノール)が、本発明の洗浄剤組成物において特異的
にすぐれた酸化防止効果を発揮する。2,2'−メチレン
ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)の含
有量が0.0001重量%未満であると、酸化防止効果
が十分でなく、例えば、高温に長時間保たれると酸化が
起こるおそれがある。酸化防止効果は、2,2'−メチレ
ンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)の
含有量0.01重量%以下で十分であり、2,2'−メチ
レンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)
の含有量が0.01重量%を超えて使用することもでき
るが、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−
ブチルフェノール)の含有量が0.01重量%を超えて
もそれ以上の効果は期待できない。本発明の洗浄剤組成
物には、必要に応じて防かび剤を含有せしめることがで
きる。含有せしめる防かび剤には特に制限はなく、例え
ば、テトラメチルチウラムジスルフィド、o−フェニル
フェノール、フタル酸フェニル水銀、ペンタクロロフェ
ノール、サリチルアニリド、ナフテン酸銅、ビス(5−
クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メタンなどを挙げる
ことができるが、本発明の洗浄剤組成物においては、2
−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを特
に好適に使用することができる。2−ブロモ−2−ニト
ロ−1,3−プロパンジオールの含有量は、0.002〜
0.05重量%であることが好ましい。
【0007】本発明の洗浄剤組成物の高濃度の成分を含
有する他の一態様においては、洗浄剤組成物は上記の
(A)成分を2〜20重量%、(B)成分を2〜20重
量%、(C)成分を1〜2重量%、(D)成分を1〜4
重量%及び(E)成分を0.002〜0.2重量%含有す
る。各成分を高濃度化することにより、洗浄剤組成物の
中で生菌が増殖しなくなる。生菌の増殖を抑制する機構
は明らかでないが、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ジプロピレングリコールメチルエーテル及びアルキ
ル安息香酸の3者が相乗的に作用して生菌の増殖を抑制
するものと推定される。ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテルの含有量が2重量%未満であり、ジプロピレング
リコールメチルエーテルの含有量が2重量%未満であ
り、アルキル安息香酸の含有量が1重量%未満である
と、洗浄剤組成物に生菌を加えると増殖する。トリエタ
ノールアミンの含有量が1重量%未満であると、洗浄剤
組成物を使用するために希釈したとき、pH安定化効果が
十分でない。2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−
tert−ブチルフェノール)の含有量が0.002重量%
未満であると、洗浄剤組成物を使用するために希釈した
とき、酸化を防止する効果が十分でない。本発明の洗浄
剤組成物の高濃度の成分を含有する態様において、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテルの含有量が20重量%
を超え、ジプロピレングリコールメチルエーテルの含有
量が20重量%を超え、アルキル安息香酸の含有量が2
重量%を超え、トリエタノールアミンの含有量が4重量
%を超え、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−te
rt−ブチルフェノール)の含有量が0.2重量%を超え
ると、洗浄剤組成物が均一な組成物とならず、相分離を
起こすおそれがある。本発明の洗浄剤組成物において、
上記の(A)〜(E)成分、及び必要に応じて添加する
他の成分以外の残余は、溶剤として水を使用する。使用
する水は、金属イオンやハロゲンイオンなどのイオン
類、微生物、微細異物粒子などを除去した純水であるこ
とが望ましい。必要に応じて、水に可溶な溶剤をさらに
添加することができる。このような溶剤としては、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、フルフリ
ルアルコールなどのアルコール類、ジオキサン、テトラ
ヒドロフランなどの環状エーテル類、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコールなどのグリコール類、エチレング
リコールモノアセテート、エチレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテートなどのエステル類、アセトン、メ
チルエチルケトンなどのケトン類などを挙げることがで
きる。
【0008】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限
定されるものではない。 実施例1 ヘプタオキシエチレンラウリルエーテル0.4重量%、
ジプロピレングリコールメチルエーテル0.4重量%、
p−tert−ブチル安息香酸0.075重量%、トリエタ
ノールアミン0.1重量%、2,2'−メチレンビス(4
−エチル−6−tert−ブチルフェノール)0.0002
重量%を含有し、残余が純水である洗浄剤組成物を調製
した。洗浄基板として、指紋をつけたテクスチャー透明
導電膜付きガラス、エアブローしたテクスチャー透明導
電膜付きガラス、エアブローしたコーニングガラス及び
レーザースクライブしたテクスチャー透明導電膜付きガ
ラスの4種、大きさはいずれも100mm×100mmのも
のを準備し、洗浄前のパーティクル個数を目視及び光学
顕微鏡により観察した。スピン方式の洗浄機[長瀬産業
(株)製、モデルGPC−3500]を用い、上記の4種
の洗浄基板のそれぞれを、高圧市水スプレー30秒、ス
ピン300rpm、市水リンス30秒、スピン500rpm、
上記の洗浄剤組成物併用ブラシ洗浄40秒、スピン10
0rpm、高圧市水スプレー30秒、スピン500rpm、市
水リンス30秒、スピン500rpm、乾燥60秒、スピ
ン2000rpmの6工程で洗浄した。なお、スプレー及
びリンスに用いた市水は、あらかじめ0.2μmフィル
ターでろ過したものであり、ブラシは毛先0.1mmのナ
イロン製で、洗浄剤組成物はブラシ先端から吐出される
構造となっている。洗浄後の洗浄基板のパーティクル個
数及びブラシ跡を目視及び光学顕微鏡により観察した。
結果を第1表に示す。
【0009】
【表1】
【0010】指紋をつけたテクスチャー透明導電膜付き
ガラスには、洗浄後は指紋は認められなかった。洗浄後
のテクスチャー透明導電膜付きガラス上のパーティクル
個数、ブラシ跡ともに少なく、ブラシを用いた洗浄方法
は、テクスチャー透明導電膜付きガラスを傷つけること
なく、良好な洗浄が行われたことが分かる。実施例2及
び比較例15インチシリコンウエハーに、第2表に示す
汚染物質を1000rpm、300秒でスピンコートし、
そのまま、あるいは、さらに150℃で1時間ポストベ
ークしたものを洗浄用の試料とした。実施例1で調製し
たものと同じ洗浄剤組成物を用い、第1洗浄槽は洗浄剤
組成物により50℃で1分、第2洗浄槽は洗浄剤組成物
により50℃で1分洗浄、第1リンス槽は純水により常
温で2分、第2リンス槽は純水により常温で1分、第3
リンス槽は純水により常温で1分リンス、温純水引上槽
は60℃で1分かけ毎秒3mmで引き上げ、乾燥機は55
℃の熱風により5分乾燥という7工程で洗浄を行った。
なお、第1洗浄槽より第3リンス槽までは、38kHz、
600ワットの超音波をかけた。洗浄後のウエハーにつ
いて目視で汚染物質の残存状態を観察し、パーティクル
カウンターによりウエハー上に残るパーティクルをカウ
ントした。さらに、ウエハーを四塩化炭素に浸漬し、超
音波を併用してウエハー上の残渣を抽出し、抽出液につ
いて280nmの透過率と吸光度を測定した。結果を第2
表に示す。比較例1として、本発明の洗浄剤組成物の代
わりにフロン113を用いて実施例2と全く同じ操作を
繰り返した。結果を第2表に示す。
【0011】
【表2】
【0012】本発明の洗浄剤組成物を使用した実施例2
の結果と、フロン113を使用した比較例1の結果を比
較すると、目視による汚染物質の残存状態の観察では、
鉱物系切削油をベークした1点を除いて、本発明の洗浄
剤組成物が同等又は良好な結果を与えている。また、ウ
エハー上のパーティクルの個数は、すべての試料につい
て、本発明の洗浄剤組成物を使用した方がフロン113
を使用した場合よりも少ない。さらに、280nmの紫外
線の透過率は、鉱物系切削油をベークした試料と、水溶
性切削油をベークした試料の2点を除いた8点の試料に
ついて、本発明の洗浄剤組成物を使用した方が透過率が
大きい。これらの点から総合的に評価すると、本発明の
洗浄剤組成物はその性能において、フロン113よりは
るかにすぐれていることが分かる。 実施例3及び比較例2 スピン方式の洗浄機[Ultratech(株)製、モデ
ルPC−602]を用い、4インチシリコーンウエハー
を、高圧ジェット30秒、スピン500rpm、ブラシ洗
浄40秒、スピン500rpm、高圧ジェット50秒、ス
ピン2000rpm、純水リンス30秒、スピン500rp
m、赤外スピンドライ90秒、スピン2000rpm、スピ
ンドライ10秒、スピン2000rpmの6工程で洗浄し
た。実施例3においては、ブラシ洗浄工程で、実施例1
で調製したものと同じ洗浄剤組成物を用い、比較例2に
おいては洗浄剤組成物を使用することなく、純水のみを
使用して洗浄を行った。洗浄前の試料及び洗浄後の試料
について、パーティクルカウンターにより、ウエハー上
に残るパーティクルを、その粒径別にカウントした。結
果を第3表に示す。
【0013】
【表3】
【0014】純水のみを使用した比較例2と比べると、
本発明の洗浄剤組成物を用いた実施例3ではウエハー上
に残存するパーティクルの数が少なく、特に純水のみに
よる洗浄では除去が困難な、粒径の小さいパーティクル
が効率よく除去されていることが分かる。 実施例4及び比較例3 ヘプタオキシエチレンラウリルエーテル10重量%、ジ
プロピレングリコールメチルエーテル10重量%、p−
tert−ブチル安息香酸3.75重量%、トリエタノール
アミン5重量%、2,2'−メチレンビス(4−エチル−
6−tert−ブチルフェノール)0.1重量%を含有し、
残余が純水である高濃度の洗浄剤組成物を調製した。ま
た、実施例1で調製したものと同じ低濃度の洗浄剤組成
物を、生菌増殖試験の比較例3として用いた。調製後、
洗浄剤組成物を27℃で保存し、1週目から1週間ごと
にそれぞれの洗浄剤組成物1mlをとり、無菌シャーレ内
で50℃の寒天培地9mlと混釈し、洗浄剤組成物を寒天
培地に均一に分散させた。冷却して平板状に固化させ、
培養器内で培養を行い、培地面に形成されたコロニーを
計数し、洗浄剤組成物1ml中の生菌数を求めた。結果を
第4表に示す。
【0015】
【表4】
【0016】比較例3の低濃度の洗浄剤組成物では、1
ml中の生菌数が1週目に9.6×102、2週目に8.9
×104、3週目には9.8×104と急激に増加してい
るのに対し、実施例4の高濃度の洗浄剤組成物では、4
週間経過後も生菌は全く発生しなかった。
【0017】
【発明の効果】本発明の洗浄剤組成物は、水系の洗浄剤
であって強い洗浄力を有しており、電子部品を洗浄し、
その後水でリンスするのみで、油脂類、パーティクル、
イオン性残渣などを除去することができる。水系の洗浄
剤であるために火災などのおそれがなく、プラスチック
の劣化や金属類の腐食を起こすことなく、また、生分解
性であるので環境を汚染することがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C11D 3:20 3:30) (72)発明者 奥村 和史 福井県福井市文京4丁目23番1号 日華 化学株式会社内 (72)発明者 杉田 勝 東京都中央区日本橋小舟町5番1号 長 瀬産業株式会社内 (72)発明者 大関 貴志 茨城県真壁郡関城町関館字大茶367−2 茨城日本電気株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−80995(JP,A) 特開 平6−297653(JP,A) 特開 平7−3290(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C11D 1/68 C11D 3/20 C11D 3/30 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式[1] C1225O(C240)nH …[1] (ただし、式中、nは6〜9である。)で表されるポリ
    オキシエチレンラウリルエーテル0.1〜1重量%、
    (B)ジプロピレングリコールメチルエーテル0.1〜
    1重量%、(C)一般式[2] 【化1】 (ただし、式中、Rは炭素数3〜7を有するアルキル基
    である。)で表されるアルキル安息香酸0.05〜0.1
    重量%、(D)トリエタノールアミン0.05〜0.2重
    量%、及び、(E)2,2'−メチレンビス(4−エチル
    −6−tert−ブチルフェノール)0.0001〜0.01
    重量%を含有することを特徴とする洗浄剤組成物。
  2. 【請求項2】(A)一般式[1] C1225O(C240)nH …[1] (ただし、式中、nは6〜9である。)で表されるポリ
    オキシエチレンラウリルエーテル2〜20重量%、
    (B)ジプロピレングリコールメチルエーテル2〜20
    重量%、(C)一般式[2] 【化2】 (ただし、式中、Rは炭素数3〜7を有するアルキル基
    である。)で表されるアルキル安息香酸1〜2重量%、
    (D)トリエタノールアミン1〜4重量%、(E)2,
    2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフ
    ェノール)0.002〜0.2重量%を含有することを特
    徴とする洗浄剤組成物。
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