JP3040330U - 花生け用具 - Google Patents

花生け用具

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JP3040330U
JP3040330U JP1997001026U JP102697U JP3040330U JP 3040330 U JP3040330 U JP 3040330U JP 1997001026 U JP1997001026 U JP 1997001026U JP 102697 U JP102697 U JP 102697U JP 3040330 U JP3040330 U JP 3040330U
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修世 下川
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修世 下川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切り花を長期間、興趣に富む形態で生けてお
くことができる花生け用具を提供する。 【解決手段】 上方に開口部を備えた透明の水入れ部
3、その側面から下方に延びる緑系統ないし茶系統の色
を呈する湾曲した柄部4、およびその柄部の下端に設け
たベース部5からなるガラス製の本体1と、その本体1
の水入れ部3に入れた水17に浮かべる透明なガラス製
の浮輪2とからなる花生け用具A。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は花生け用具に関する。さらに詳しくは、テーブルなどに一輪の花を、 あるいは比較的小さな花束を生けるための用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の花生け用具には、水盤や花瓶など、切り花の寿命を保つために水を入れ る器や、その器内に花を固定する用具、たとえば剣山などがある。それらの花生 け用具はいずれも花を静止状態で飾るものである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
本考案者は先に、図6に示すような、ガラス製の容器101と、その容器の途 中まで満たした水102と、その水に浮かべた中空のドーナッツ状の形態を有す るガラス製の花生け用具(浮輪)103とからなる花のディスプレー装置104 を提案している(特願平7−227525号参照。ただし現時点で未公開)。こ のものは浮輪103に短い茎を残した切り花105を挿しておき、茎の下端を水 102に漬けておくことにより、前述の伝統的な用具により長い茎の切り花を生 ける場合よりも切り花を長期間生けておくことができるという作用効果を奏する 。しかも、浮輪103が水面上を漂うことで花105の向きが変わったり、浮輪 103と容器101とが触れて涼しい音色をたてるなど、前述の剣山などからは 得られない、いわば動的なディスプレー効果を奏する。また容器101の底部1 01aを球面状に湾曲しておくと、わずかな力や風により容器101が揺れて、 前記の動的な作用効果が一層好ましく奏される。
【0004】 前記ディスプレー装置104は、花を生ける用具の分野において、従来にない 動きや音を初めてもたらしたものであるが、花だけが水面に浮かんでいるので、 もとの花の形態が大きく変わっており、そのため人工的な印象が強い。本考案は この点に鑑み、前述の浮輪103を用いたディスプレー装置と実質的に同じ作用 効果を奏しながら、視覚的なトリックを用いてさらに自然な印象を与えることが でき、また興趣に富む花生け用具を提供することを技術課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案の花生け用具は、上方に開口部を備えた透光性を有する水入れ部、その 底部ないし側面から下方に延びる湾曲した柄部、およびその柄部の下端に設けた ベース部からなる本体と、その本体の水入れ部に入れた水に浮かべる浮輪とから なり、その浮輪の外径が水入れ部の内径よりも小さく、かつ内径が生けようとす る花の茎より大きいことを特徴とするものである。
【0006】 このような花生け用具においては、前記本体および浮輪がそれぞれガラス製で あるものが好ましい。さらに前記柄部の上端が水入れ部の側面に一体に固着され ているものが一層好ましい。さらに前記本体のうち、少なくとも柄部が緑系ない し茶系の色を呈しているものが好ましい。また前記浮輪は、中空のドーナツ状の 形態を備えたガラス製とし、その側壁から側方に少なくとも1個の突起を突出さ せるのが好ましい。
【0007】
【作用】
本考案の花生け用具は、水入れ部に水を入れて浮輪を浮かべ、その浮輪に短い 茎を残した切り花または小さな花束を乗せ、茎を水の中に漬けるようにして生け る。そのようにすると、水入れ部の水により、花を長期間生けておくことができ る。しかもこの花生け用具は、斜め上方から見た場合、花の下側部分がその花自 体によって隠され、また本体の柄部が湾曲しているので、あたかも生けた花が本 体の柄部につながっているかのように錯覚する。したがって花生け用具全体とし て、本体を載置したテーブルなどから、花が直接立ち上がっているかのように見 える。
【0008】 本体および浮輪をガラス製にしておくと、汚れにくく、透明さがいつまでも保 たれる。また柄部の上端を水入れ部の側面に固着しておく場合は、柄部が水入れ 部を支えているようには見えにくく、水入れ部を貫通している花の茎のように見 える。さらに本体の柄部を緑系ないし茶系の色にしておく場合は、一層、柄部が 花の茎のように見える。前記浮輪を中空のドーナツ状の形態を備えたガラス製と し、その側壁から側方に少なくとも1個の突起を突出させるときは、浮輪が突起 の側に傾いた時でも、その突起の浮力で傾きが抑制されるので、花が安定する。 また突起が水受け部の内面に当たると、思いがけない方向に跳ね返るので、興趣 に富む。
【0009】
【考案の実施の形態】
つぎに図面を参照しながら本考案の花生け用具の実施の形態を説明する。図1 は本考案の花生け用具の一実施形態の使用状態を示す斜視図、図2はその中央縦 断面図、図3は本考案に関わる浮輪の一部切り欠き斜視図、図4および図5は浮 輪の製造方法の一実施形態を示す概略工程図である。
【0010】 図1に示す花生け用具Aは、ワイングラス状の本体1と、その内部に収容され る浮輪2とからなる。本体1は上端に開口部を備えたカップ状の水入れ部3と、 その側面から側方に突出し、さらに下方に延びる柄部4と、柄部の下端に設けら れる円板状のベース部5とから構成されている。この実施形態では、本体1の全 体はガラス製であり、それぞれ別個に形成した水入れ部3、柄部4、ベース部5 を熱溶着で一体化している。
【0011】 本実施形態では、図2に示すように、水入れ部3の底部3aは厚肉とし、下方 に向かってとがっている。これは柄部4が湾曲していても、重心が中心に近くな るようにするためである。なお、もちろん底部に丸みを持たせてもよい。さらに 底部3aを厚くしておくと、柄部4との接続のときにガラス壁に割れや熱歪みが 生じにくい利点があり、熱融着が容易である。水入れ部3は、浮輪2に乗せた花 6がよく見えるように、透明にするのが好ましい。しかし薄く着色してもよい。 また透光性を備えているものであれば、他の材料、たとえば合成樹脂などで構成 することもできる。
【0012】 柄部4は植物の茎の色、たとえば緑系統あるいは茶系統にするのが好ましい。 しかし他の色や無色にしてもよい。ベース部5は柄部4と同じ色合いにしてもよ く、また他の色にしてもよい。水入れ部3やベース部5は肉厚を薄くすれば透明 度が高くなるので、柄部4と同じ色にし、全体の色彩の統一をとるようにしても よい。
【0013】 柄部4は、できるだけ花の茎の外観に近い形状に湾曲させるのが好ましいが、 水入れ部3やベース部5との接続部の強度、熱歪みの発生が少ないこと、載置し ている状態や手に持つ場合の安定性を考えて定める。また、柄部4は、茎が水入 れ部3を貫通しているように見えるように、水入れ部3の壁面に直角に近い角度 で水入れ部3に接続するのが好ましい。それより下方では、柄部4は手で持つ場 合の邪魔にならないように、水入れ部3に沿わせるのが好ましい。柄部4の下方 は手で持ちやすいように、また安定するように、垂直方向に延びるようにするの が好ましい。
【0014】 ベース部5は、薄肉の平板な円錐状にするのが好ましい。また安定性を高める ために、ベース部5の重量を大きくするようにしてもよい。上記の本体1は、た とえば水入れ部3、柄部4およびベース部5をそれぞれガラス材料で別個に製造 しておき、接合すべき部位同士を加熱・加圧して熱融着し、一体化することによ り製造することができる。しかし他の製造法によってもよい。
【0015】 前記浮輪2は、たとえば図2および図3に示すように、中空のドーナッツ状の 形態を有する透明なガラス製品であり、その側壁から1個の突起6が突出してい る。ここで透明にするのは、水中で目立たなくするためである。花の蕚に紛れる ように、緑色にすることもできる。また、中空というのは、ドーナツの中心の孔 7を意味するものではなく、環状体自身が空洞部8を有することを意味する。浮 輪2はたとえば厚さ0.3〜0.5mm程度のガラス壁からなるシェル構造を有し 、空洞部8は環状に連続している。ただし途中に隔壁を備えていてもよく、また 全体をC字状に構成してもよい。浮輪2の直径はたとえば20〜50mm程度、好 ましくは30〜40mm程度であり、高さは10〜20mm程度、孔7の内径は10 〜20mm程度である。なおガラスに代えて、合成樹脂などで形成してもよい。
【0016】 上記の浮輪2は、たとえば図4および図5に示すようにして製造することがで きる。すなわちまず、ガラス管(管ガラス)9の中央部10を溶融温度まで加熱 し(工程S1)、開放端11から空気を送り込んで中央部10を膨らます(工程 S2)。さらに膨らんだ中央部10を加熱しながら開放端11から空気を吹き込 み、球状に膨らます(工程S3)。ついでガラス管9の一方をその根元部12で 火切りし(工程S4)、上下の面13、14を軽く押して平坦にする(工程S5 )。
【0017】 さらに図5に示すように、残っているガラス管9を水平に維持し、必要に応じ て部分的に加熱しながら開放端11から空気を吸引し、上面13をへこませ(工 程S6)、ついで上下を逆にして、同じように反対側の面14をへこませる(工 程S7)。さらに二重に合わさっている壁面13、14を加熱溶融して取り除き 、合わせ目のガラスを溶着する(工程S8)。そして最後に残っているガラス管 9をその根元部15からいくらか離れた部位で溶断し、開口部を溶着する(工程 S9)。そのときガラス管9を引っ張りながら溶断することにより、残ったガラ ス管9aの先端が細くなって閉じ、その部分が前述の突起6となる。
【0018】 なお、以上の製造方法の他、たとえばガラス管9をC字状に曲げることにより 浮輪2を製造することもでき、さらにそれらの両端を接合してリング状にするこ とによっても浮輪2を製造しうる。また前記突起6は2個設けてもよく、3個以 上設けてもよい。たとえば前記の製造法のガラス管9の根元部12で火切りする 工程(図4の工程S4)で、ガラス管9を引っ張りながら溶断すると、その部分 にも突起6が形成される。
【0019】 上記のごとく製造される花生け用具Aは、たとえば図1に示すように、浮輪2 の中心の孔7に1本の花16を挿し込み、本体1の水入れ部3に入れた水17に 浮かべて使用する。図1の場合は、水入れ部3に水17を柄部4の上端よりいく らか上側まで入れ、その水面に浮かせている。このように浮輪2を水面に浮かべ ると、花16の重量などにより変わるが、浮輪2のたとえば1/5〜1/3程度 は水面上に表れた状態で浮かぶ。そのとき図2に示すように、花16の花びら1 6aは浮輪2の上面あるいは水入れ部3の上端に軽く乗り、蕚16bは浮輪2の 孔7に入り、孔7から下に突き抜けている茎16cが水中に入る。しかし茎16 cの下端部は浮輪2や花びら16aの陰に隠れ、しかも水中にあるので、外部か らは見えにくい。したがって本体1の柄部4がその花16の茎のように見え、花 16はその茎の上端に付いているように見える。そのため花16全体がテーブル 18や棚などの上に立っているかのように見える。
【0020】 図1では1輪の花16を示しているが、複数の花の茎を浮輪2の中心の孔7に 挿し込んで使用することもできる。その場合、浮輪2が複数の花の茎を束ねるこ とになるから、いわゆるブーケ状の花束がテーブルや棚の上に立っているような 外観が得られる。上記のいずれの場合でも、茎16cは孔7に挿入し、花びら1 6aは水面より上に位置するので、花びら16aは水に直接触れることがない。 そのため水による腐り、あるいはぬめりなどが防止されるので、花16を長持ち させることができる。また茎16cは短いので、水を吸う力が強く、このことも 花が長持ちする理由である。
【0021】 他方、浮輪2は水面上を自由に動くことができる。また自軸の廻りに自由に回 転する。そのため周囲の風によりゆっくりと花16が動き、見た目に涼やかであ る。そして静止している茎(実際には柄部4)と動く花16の対比に、一層興趣 が感ぜられる。
【0022】 さらにガラス製の浮輪2が水受け部3の内面に当たると、涼しい音が出る。と くに突起6の部分が当たると、軽い(高い)響きの余韻のある音が出るので、見 た目だけでなく、音によっても涼しさを演出することができる。なお突起6が水 入れ部3の内面に当たるときは、花16が思いがけない方向に跳ね返るので、興 趣が増す。また浮輪2が突起6の側に傾いても、その突起6の部分の浮力で浮輪 の傾きが復元する。そのため浮輪2は安定性が高く、バランスを崩しにくい利点 がある。
【0023】 前記の実施形態では、本体1は水入れ部3と柄部4とが明確に区別され、柄部 4とベース部5も明確に区別されているが、滑らかな曲線で連続させた一体のも のとすることもできる。また柄部4は1本だけでなく、2本ないしそれ以上にす ることもでき、その場合は茎同士が絡み合っているような形態にすることもでき る。さらに3本以上の柄部の下端を三方ないし前後左右に拡げてベース部を構成 することもできる。
【0024】
【考案の効果】
本考案の花生け用具は、本体の水入れ部に水を入れて、短い茎を残した切り花 を水に浮かべた浮輪に飾るだけで、本体の柄部が花の茎のように見える。それに より花がテーブルなどから立っているかのように見え、自然な印象が与えられ、 興趣のあるディスプレイ効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の花生け用具の一実施形態の使用状態
を示す斜視図である。
【図2】 図1の中央縦断面図である。
【図3】 本考案に関わる浮輪の一部切り欠き斜視図で
ある。
【図4】 本考案に関わる浮輪の製造方法の一実施形態
を示す概略要部工程図である。
【図5】 図4に続く概略要部工程図である。
【図6】 先願に関わるディスプレイ装置の一例を示す
断面図である。
【符号の説明】
A 花生け用具 1 本体 2 浮輪 3 水入れ部 4 柄部 5 ベース部

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方に開口部を備えた透光性を有する水
    入れ部、その底部ないし側面から下方に延びる湾曲した
    柄部、およびその柄部の下端に設けたベース部を備えた
    本体と、その本体の水入れ部に入れた水に浮かべる浮輪
    とからなり、その浮輪の外径が水入れ部の内径よりも小
    さく、かつ内径が生けようとする花の茎より大きい、花
    生け用具。
  2. 【請求項2】 前記本体および浮輪がそれぞれガラス製
    である請求項1記載の花生け用具。
  3. 【請求項3】 前記柄部の上端が水入れ部の側面に一体
    に固着されている請求項1または2記載の花生け用具。
  4. 【請求項4】 前記本体のうち、少なくとも柄部が緑系
    ないし茶系の色を呈している請求項1、2または3記載
    の花生け用具。
  5. 【請求項5】 前記浮輪が中空のドーナツ状の形態を備
    えたガラス製であり、その側壁から側方に向かって少な
    くとも1個の突起が突出している請求項1、2、3また
    は4記載の花生け用具。
JP1997001026U 1997-01-30 1997-02-07 花生け用具 Expired - Lifetime JP3040330U (ja)

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