JP3040279B2 - シリンダヘッドの冷却水通路形成方法 - Google Patents

シリンダヘッドの冷却水通路形成方法

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JP3040279B2
JP3040279B2 JP5119835A JP11983593A JP3040279B2 JP 3040279 B2 JP3040279 B2 JP 3040279B2 JP 5119835 A JP5119835 A JP 5119835A JP 11983593 A JP11983593 A JP 11983593A JP 3040279 B2 JP3040279 B2 JP 3040279B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリンダヘッドの冷却水
通路形成方法に関し、特に吸気側の冷却水通路と排気側
の冷却水通路が互いに分離して形成されているシリンダ
ヘッドの冷却水通路形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば実開平2−63052号公
報等に開示されているように、吸気に対する冷却効率を
高め、吸気体積効率を向上するために、ラジエータから
の冷却水をシリンダヘッドの吸気側の冷却水通路に通し
た後ウォータポンプにてシリンダブロックの冷却水通路
に供給し、シリンダブロックの冷却水通路からシリンダ
ヘッドの排気側の冷却水通路を通してラジエータに戻す
ようにした冷却水通路構造が提案されている。
【0003】このような冷却水通路構造におけるシリン
ダヘッド31においては、図5に示すように、吸気側の
冷却水通路32と排気側の冷却水通路33が、サーモス
タット配置部34を除いて互いに分離されている。サー
モスタットは冷却水温度が低いときに冷却水をラジエー
タに通さずに循環させるために設けられており、そのた
めこのサーモスタット配置部34では、排気側の冷却水
通路33の出口部33aと吸気側の冷却水通路32の入
口部32aが仕切り壁35に加工した連通孔36を介し
て連通されかつその連通孔36をサーモスタット(図示
せず)にて開閉するように構成されている。
【0004】このような互いに分離した吸気側と排気側
の冷却水通路32、33は、図6、図7に示すように、
互いに独立した吸気側冷却水通路形成用中子42と、排
気側冷却水通路形成用中子43を用い、これらの中子4
2、43をシリンダヘッド形成用鋳型にそれぞれセット
してシリンダヘッド31を鋳造することによって形成し
ている。なお、図6、図7において、43、44、4
5、46はそれぞれ各中子42、43を鋳型に支持させ
るための幅木である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように互いに分離した冷却水通路32、33を形成する
のにそれぞれの中子42、43を製造する必要があるた
め、中子の製造設備が余分に必要となり、また複数の中
子42、43を別々に鋳型にセットする必要があって鋳
型の組立て工数も増加するため、鋳造コストの増加を招
くという問題があった。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に鑑
み、吸気側の冷却水通路と排気側の冷却水通路が互いに
分離して形成されているシリンダヘッドを低コストにて
製造することができるシリンダヘッドの冷却水通路形成
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸気側の冷却
水通路と排気側の冷却水通路が互いに分離して形成され
ているシリンダヘッドの冷却水通路形成方法であって、
吸気側と排気側の冷却水通路形成用中子の両端をそれぞ
れ接続して一体の中子を形成し、この一体の中子を用い
てシリンダヘッドを鋳造し、一体の中子にて形成された
吸気側と排気側の両冷却水通路の連通部を穴加工し、そ
の穴を閉鎖部材にて閉鎖して両冷却水通路を分離するこ
とを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明によれば、吸気側と排気側で分離した冷
却水通路を形成するのに、それらの中子を一体にした中
子を用いるので、別々の中子を用いる場合に比して中子
の製造コストを大幅に低下できて鋳造コストの低廉化を
図れ、かつこうして鋳造されたシリンダヘッドに対して
簡単な穴加工を施して閉鎖部材にて閉鎖することにより
冷却水通路を分離しているので、吸気側の冷却水通路と
排気側の冷却水通路が互いに分離して形成されているシ
リンダヘッドを総体的に低コストにて製造することがで
きる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図4を参照
して説明する。
【0010】図1、図2において、1はシリンダヘッド
であり、その吸気ポート2側には吸気側の冷却水通路4
が配設され、排気ポート3側には排気側の冷却水通路5
が配設されている。シリンダヘッド1の一端に位置する
吸気側冷却水通路4の入口端4aにはラジエータの出口
に接続される冷却水流入口6とサーモスタット7とが配
置され、吸気側冷却水通路4の出口端4bはシリンダヘ
ッド1の他端から突出形成され、シリンダブロック9に
配設されているウォータポンプの吸入口に対する接続口
8が下向きに開口されている。排気側冷却水通路5はシ
リンダブロック9に形成された冷却水通路10にシリン
ダヘッド1下面の連通口11を介して接続されており、
この排気側冷却水通路5の出口端5aはシリンダヘッド
1の一端側に設けられ、ラジエータの入口に接続される
冷却水流出口12に連通されている。
【0011】シリンダヘッド1の鋳造状態では、吸気側
冷却水通路4の入口端4aと排気側冷却水通路5の出口
端5aが大径の連通孔13にて互いに連通されている。
そして、連通孔13に穴加工を施して段付き穴14を形
成し、この段付き穴14にバイパス通路穴16を有する
椀型プラグ15を圧入し、この椀型プラグ15にてサー
モスタット7の弁シート17が構成されている。
【0012】また、シリンダヘッド1の他端部でも、シ
リンダヘッド1の鋳造状態では吸気側冷却水通路4の出
口端4bと排気側冷却水通路5の他端部5bが連通部1
8と後述の排気側冷却水通路形成用中子を支持する幅木
による貫通孔19を介して互いに連通されている。そし
て、シリンダヘッド1の他端面から貫通孔19に穴加工
を施し、この貫通孔19における連通部18と排気側冷
却水通路5の他端部5bとの間に椀型プラグ20を圧入
することによって吸気側冷却水通路4と排気側冷却水通
路5を分離している。また、貫通孔19における連通部
18とシリンダヘッド1の他端外面との間に椀型プラグ
20aを圧入し、吸気側冷却水通路4を外部に対して閉
鎖している。
【0013】以上のようなシリンダヘッド1の鋳造時に
は、上記吸気側冷却水通路4及び排気側冷却水通路5を
形成するために、図3に示すような中子21を用いる。
中子21は、吸気側冷却水通路形成用中子22と排気側
冷却水通路形成用中子23の一端部が連通孔13に対応
する連結部24にて連結され、吸気側冷却水通路形成用
中子22と排気側冷却水通路形成用中子23の他端部が
連通部18に対応する連結部25にて連結され、両中子
22と23が一体化されている。26、27は吸気側冷
却水通路形成用中子の一端と他端近傍側部に形成された
幅木、28、29は排気側冷却水通路形成用中子5の一
端と他端に形成された幅木であり、連結部25は幅木2
9に連結されている。これら幅木26、27、28、2
9をシリンダヘッド1の鋳型に支持させることによって
中子21を鋳型にセットし、鋳造することにより吸気側
冷却水通路4と排気側冷却水通路5が連通孔13と連通
部18で互いに連通した状態のシリンダヘッド1が形成
される。
【0014】その後、上記のように連結部24による連
通孔13及び幅木29による貫通孔19に穴加工を施
し、椀型プラグ15、20、20aを圧入することによ
って、図1に示すように、吸気側冷却水通路4と排気側
冷却水通路5が分離したシリンダヘッド1が得られる。
【0015】以上のように、本実施例によれば吸気側と
排気側で分離した冷却水通路4、5を形成するのに、そ
れらの中子22、23を一体にした中子21を用いるの
で、別々の中子を用いる場合に比して中子の製造コスト
を大幅に低下できて鋳造コストの低廉化を図れる。又こ
うして鋳造されたシリンダヘッド1に対して簡単な穴加
工を施して椀型プラグ15、20、20aを圧入するこ
とによって冷却水通路4、5を分離しているので、吸気
側の冷却水通路4と排気側の冷却水通路5が互いに分離
して形成されているシリンダヘッド1を総体的に低コス
トにて製造することができる。
【0016】上記実施例では、吸気側冷却水通路形成用
中子21の一端部と排気側冷却水通路形成用中子22の
一端部を、サーモスタット7配置部における連通孔13
に対応する連結部24にて連結した例を示したが、図4
に示すように、吸気側冷却水通路形成用中子21の一端
部の幅木26と排気側冷却水通路形成用中子22の一端
部の幅木28とを連結部30にて連結して、吸気側冷却
水通路4と排気側冷却水通路5の一端部4a、5a間に
従来例と同様の仕切り壁が形成されるようにし、この仕
切り壁にサーモスタット7の弁シート17を機械加工し
てもよい。こうすることによりサーモスタット配置部を
コンパクトに構成することができる。
【0017】
【発明の効果】本発明のシリンダヘッドの冷却水通路形
成方法によれば、以上のように吸気側と排気側で分離し
た冷却水通路を形成するのに、それらの中子を一体にし
た中子を用いるので、別々の中子を用いる場合に比して
中子の製造コストを大幅に低下できて鋳造コストの低廉
化を図れ、かつこうして鋳造されたシリンダヘッドに対
して簡単な穴加工を施して閉鎖部材にて閉鎖することに
よって冷却水通路を分離しているので、吸気側の冷却水
通路と排気側の冷却水通路が互いに分離したシリンダヘ
ッドを総体的に低コストにて製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のシリンダヘッドの冷却水通
路形成方法を適用して製造したシリンダヘッドの要部の
横断平面図である。
【図2】シリンダヘッドの概略縦断側面図である。
【図3】同実施例で用いる冷却水通路形成用中子の要部
の平面図である。
【図4】同実施例で用いる他の冷却水通路形成用中子の
要部の平面図である。
【図5】従来例のシリンダヘッドの冷却水通路形成方法
を適用して製造したシリンダヘッドの要部の横断平面図
である。
【図6】従来例で用いる冷却水通路形成用中子の斜視図
である。
【図7】従来例で用いる冷却水通路形成用中子の要部の
平面図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド 4 吸気側冷却水通路 5 排気側冷却水通路 13 連通孔 15 椀型プラグ 18 連通部 19 貫通孔 20 椀型プラグ 21 中子 22 吸気側冷却水通路形成用中子 23 排気側冷却水通路形成用中子 24 連結部 25 連結部 30 連結部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−63052(JP,A) 特開 昭62−32264(JP,A) 特開 平1−192445(JP,A) 特開 平4−313446(JP,A) 特開 平6−304696(JP,A) 実開 昭61−33938(JP,U) 実開 平2−61162(JP,U) 実開 昭61−74648(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02F 1/38 B22C 9/10 B22C 9/24 F01P 3/02 F02F 1/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気側の冷却水通路と排気側の冷却水通
    路が互いに分離して形成されているシリンダヘッドの冷
    却水通路形成方法であって、吸気側と排気側の冷却水通
    路形成用中子の両端をそれぞれ接続して一体の中子を形
    成し、この一体の中子を用いてシリンダヘッドを鋳造
    し、一体の中子にて形成された吸気側と排気側の両冷却
    水通路の連通部を穴加工し、その穴を閉鎖部材にて閉鎖
    して両冷却水通路を分離することを特徴とするシリンダ
    ヘッドの冷却水通路形成方法。
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