JP3040266B2 - 粘着テープの製造方法 - Google Patents

粘着テープの製造方法

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JP3040266B2
JP3040266B2 JP4303582A JP30358292A JP3040266B2 JP 3040266 B2 JP3040266 B2 JP 3040266B2 JP 4303582 A JP4303582 A JP 4303582A JP 30358292 A JP30358292 A JP 30358292A JP 3040266 B2 JP3040266 B2 JP 3040266B2
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誠 三浦
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸性水及び中性水に不
溶であり、アルカリ性水にのみ溶解し、アルカリ性水に
対して洗浄可能であるpH選択性を有する水溶性粘着剤
層を備えた粘着テープの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水溶性粘着剤の歴史は古く、糖類、タン
パク質またはゴム等の天然物系の水溶性高分子を用いた
再湿型接着剤がよく知られている。また、ベースポリマ
ーとしては、アラビアゴム、デキストリン、デンプンま
たはニカワ等が用いられている。これらの粘着材料は、
常態では、粘着性を有さないが、水によって賦活され、
粘着性を示す。そして被着体に貼付された後、これらの
粘着材料は乾燥されることにより接着力を発揮する。従
って、これらの粘着材料は、水に濡らすだけで使用する
ことができ、かつ不衛生でなく安価であるため、郵便切
手、印紙類またはふすま紙等に広く用いられている。
【0003】他方、常態で粘着性を有する水溶性粘着剤
は、特に、製紙業界で紙と紙を水溶性粘着剤で固定、ス
プライスした後にこの接着部分をパルプ溶解槽に戻し再
利用する用途において広く利用されている。また、瓶や
食品等のラベル用粘着剤、特に、不要となった場合に水
洗によってラベルを容易に剥がすことを可能にするため
のラベル用粘着剤にも用いられている。さらに生理用ナ
プキンの分野では、固定用粘着剤として使用されてお
り、下着に残った粘着成分が洗濯によって容易に洗浄・
除去されるように構成されている。
【0004】上記のような水溶性粘着剤としては、特開
昭60−229972号に開示されているように、ポリ
アクリル酸100重量部、ジエチレングリコール70重
量部及びポリプロピレングリコール50重量部を配合
し、ポリアクリル酸のカルボキシル基の一部をカリウム
により中和したものや、特公昭52−32769号に開
示されているように、ポリエチレンイミン100重量
部、アミノ化及びリン酸化デンプン30重量部並びにポ
リアクリル酸7.5重量部を配合したもの等が知られて
いる。
【0005】他方、電子材料の分野では、プリント基板
や半導体等の保護のため、しばしば保護テープが貼付さ
れており、組立前に該保護テープを剥離し、残存した保
護テープ用粘着成分残渣をフロン等の溶剤で洗浄するこ
とにより除去していた。しかしながら、近年、地球環境
保護のために、フロンに代えて、水による洗浄が要求さ
れており、従って保護テープ用粘着剤としてもその粘着
成分残渣が水洗浄可能なものであることが求められてい
る。中でも、プリント基板等のメッキマスキングテープ
は、メッキ工程において酸や中性水により処理されるた
め、プリント基板用の保護テープ用粘着剤としては酸中
性水に不溶であり、アルカリ性水にのみ溶解し得るもの
であることが必要である。ところが、上述した従来の水
溶性粘着剤は中性水に溶解するために、上記のようなメ
ッキマスキングテープ用粘着剤には用いることができな
かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】3本発明者らは、酸性
水及び中性水に不溶であり、アルカリ性水にのみ溶解ま
たは吸水して粘着性を失い、アルカリ性水によって洗浄
され得る新規な粘着剤を用いた粘着テープを得るべく鋭
意検討した結果、特願平4−114789号に記載のよ
うに、アルキル(メタ)アクリレートと特定の末端カル
ボキシル基を有する反応性モノマーを共重合して得られ
た共重合体を用いることにより、上記課題を達成できる
ことを見出した。
【0007】しかしながら、この特定のカルボキシル基
含有モノマーは、モノマー製造時の副反応により不純物
を多く含み、有機溶液中での溶液重合ではゲル化等の粘
度上昇により重合後のポリマー溶液の塗工性に劣るとい
う欠点があった。本発明の目的は、このような従来の問
題を解消し、塗工不良性を解決し容易に粘着テープを製
造することのできる粘着テープの製造方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、粘着剤の
塗工不良性を解決すべく鋭意検討した結果、アルキル
(メタ)アクリレートと特定の末端カルボキシル基を有
する反応性モノマーに光重合開始剤を配合し、これを支
持体に塗布した後に光照射することにより重合させて粘
着剤層を形成することにより塗工不良性を解決できるこ
とを見出し、本発明をなすに至った。
【0009】すなわち、本発明は、アルカリ性水に溶解
または吸水して粘着性を失う粘着剤層を備えた粘着テー
プの製造方法であり、下記の式(1)または(2)で示
される末端カルボキシル基を有する反応性モノマーの少
なくとも1種5〜60重量部と、アルキル(メタ)アク
リレート40〜95重量部とからなる反応性モノマー成
分100重量部に光重合開始剤を配合し支持体の片面ま
たは両面に塗布する工程と、前記塗布した反応性モノマ
ー成分の層に光照射することにより重合させて粘着剤層
を形成する工程とを備えることを特徴としている。
【0010】 CH2=CR1-CO-0-R2-O-CO-R3-COOH …(1) (ここで、R1 は水素またはメチル基、R2 は脂肪族炭
化水素2価基、R3 は脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族、
脂環族、または不飽和脂環族炭化水素2価基を示す。)
【0011】 CH2=CR4-C0-0-(R5-COO-)n H …(2) (ここで、R4 は水素またはメチル基、R5 は脂肪族、
不飽和脂肪族、芳香族、脂環族、または不飽和脂環族炭
化水素2価基、nは1以上の正数を示す。)
【0012】なお、式(2)においてnは1〜4である
ことが好ましい。本発明は、上記共重合体を粘着剤層の
主成分として用いており、これによってアルカリ性水に
溶解し、かつアルカリ性水で洗浄することにより容易に
除去されることが可能とされている。このような共重合
体を構成するための上記アルキル(メタ)アクリレート
としては、上記pH選択性をより好ましく発揮させるた
め、アルキル基の炭素数は1〜20であることが好まし
く、さらに好ましくは4〜10である。
【0013】上記アルキル(メタ)アクリレートとして
は、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート
及びステアリル(メタ)アクリレート等を挙げることが
でき、これらのうちから少なくとも1種を必要に応じて
選択して用いることができる。
【0014】上記アルキル(メタ)アクリレートは、共
重合体組成中40〜95重量部を占めることが必要であ
り、好ましくは60〜90重量部の範囲である。40重
量部未満では共重合体が硬質化し、粘着性が乏しくなる
からである。他方、95重量部を超えると、親水性が失
われてアルカリ水溶性に乏しくなるからである。本発明
において用いられる末端カルボキシル基を有する反応性
モノマーとしては、上述した式(1)及び式(2)で示
されるものが用いられる。
【0015】式(1)で示される末端カルボキシルを含
有する反応性モノマーとしては、2−(メタ)アクリロ
キシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロキシエチル
フタル酸、2−(メタ)アクリロキシプロピルコハク
酸、2−(メタ)アクリロキシプロピルフタル酸、2−
(メタ)アクリロキシエチルヘキサヒドロフタレート、
2−(メタ)アクリロキシプロピルヘキサヒドロフタレ
ート、2−(メタ)アクリロキシエチルテトラヒドロフ
タレート、2−(メタ)アクリロキシプロピルテトラヒ
ドロフタレート等が挙げられる。
【0016】式(2)で示される末端カルボキシル基を
含有する反応性モノマーとしては、β−(メタ)アクリ
ロキシプロピオン酸(アクリル酸2量体)、β−(メ
タ)アクリロキシプロピオン酸の(メタ)アクリル酸付
加物(アクリル酸3量体)、アロニックスM−5600
(商品名、東亜合成化学社製)、β−CEA(商品名、
RADCURE社製)等が例示され、これらのうちの少
なくとも1種を必要に応じて選択して用いることができ
る。
【0017】式(1)及び式(2)で示される末端カル
ボキシル基を含有する反応性モノマーの分子中の官能基
は、前述したpH選択性をより好ましく発揮させるため
に、それぞれ炭素数が20以下であることが好ましく、
さらに好ましくは10以下である。
【0018】また、本発明に従う好ましい実施態様の一
つにおいては、上述した式(1)及び式(2)で示され
るような末端カルボキシル基を含有した反応性モノマー
のうち30重量部以下を、以下に示す式(3)で表され
るような末端カルボキシル基含有反応性モノマーで置き
換えることができる。
【0019】CHR6 = CR7COOH …(3) (ここで、R6 は水素またはカルボキシル基、R7 は水
素またはメチル基を示す。) 式(3)で示される末端カルボキシル基含有反応性モノ
マーとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタ
コン酸、マレイン酸等が例示されるが、式(3)に相当
しない無水マレイン酸等を用いることもできる。
【0020】この実施態様においては、上述した式
(3)で示される末端カルボキシル基含有反応性モノマ
ーを30重量部以下で置き換えているが、この量は、さ
ら好ましくは20重量部以下である。共重合体組成中の
上記反応性モノマー量が30重量部を超えると、共重合
体が硬化し、粘着性が乏しくなり、さらに共重合体が中
性水にも溶解するようになってアルカリに対する選択的
な水溶性が損なわれる。
【0021】本発明に従う好ましい他の実施態様におい
ては、上記式(1)、式(2)及び/または式(3)の
末端カルボキシル基含有反応性モノマーを含む反応性モ
ノマー成分100重量部に対し、さらに下記に示す式
(4)及び/または式(5)で示されるような(アルコ
キシ)ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート
0.01〜20重量部を共重合して得られる共重合体を
粘着剤層としている。
【0022】CH2=CR8COO-(R9-O-)pR10 …(4) (ここで、R8 は水素またはメチル基、R9 は炭素数が
1〜4のアルキレン基、R10は水素または炭素数が1〜
4のアルキル基であり、pは縮合度合の平均値であり1
〜40の任意の値である。) CH2=CR12COO-(R13-O-)q(R14-O-)rR15 …(5) (ここで、R12は水素またはメチル基、R13及びR14
炭素数が1〜4の相異なるアルキレン基、R15は水素ま
たは炭素数が1〜4のアルキル基であり、q及びrは縮
合度の平均値であり、両者の和は1〜40の任意の値で
ある。)
【0023】上述の(アルコキシ)ポリアルキレングリ
コール(メタ)アクリレートの例としては、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリ
レート、ポリブチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキ
シトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メト
キシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2
−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシト
リプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキ
シポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2
−メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシトリ
ブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポ
リブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキ
シポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エ
トキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、
ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ブトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリ
レート、ブトキシポリブチレングリコール(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコール−ポリブチレングリ
コール(メタ)アクリレート、ポリエチレン−ポリプロ
ピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。これらの内から少なくとも1種類が必要に応じて選
択される。
【0024】上述の(アルコキシ)ポリアルキレングリ
コール(メタ)アクリレートが0.01〜20重量部の
割合で配合されることにより、この共重合体を含む粘着
剤層は、金属板、エポキシ板に対する接着性が緩和さ
れ、再剥離性に優れた粘着剤となる。また、貼付後、経
時的に接着力が増加するいわゆる接着昂進現象が抑制さ
れるため、通常の粘着剤では再剥離不可能な程度まで接
着力が増大してしまうような比較的長時間あるいは高温
高湿下でのマスキングが可能となる。
【0025】(アルコキシ)ポリアルキレングリコール
(メタ)アクリレートの配合割合が0.01重量部より
少ないと、接着昂進性が抑制されず、20重量部を超え
ると、本来共重合体が有するべき水溶性におけるpH選
択性が失われ、酸及び中性水に対して容易に膨潤・溶解
するようになる。
【0026】上記の(アルコキシ)ポリアルキレングリ
コール(メタ)アクリレートにおいて、分子中のアルキ
レン基の炭素数は1〜4のものが好ましい。アルキレン
基の炭素数が5を超えると、親水性が低下してアルカリ
性水溶性を損なうことがある。また、(アルコキシ)ポ
リアルキレングリコール(メタ)アクリレート中のポリ
エーテルの平均重合度p及びq+rは1〜40の任意の
値となる。これらの平均重合度が1未満であると、上述
した接着昂進性を抑制できず、40を超えると本来共重
合体が有するべき水溶性におけるpH選択性が損なわ
れ、酸及び中性水に対して容易に膨潤・溶解するように
なり、マスキング性が阻害される。
【0027】本発明に用いられる光重合開始剤として
は、光によって反応してラジカルを発生させる化合物が
用いられ、例えば4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェ
ニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン〔ダロキ
ュア−2959:チバガイギー社製〕;α−ヒドロキシ
−α,α´−ジメチル−アセトフェノン〔ダロキュア−
1173:チバガイギー社製〕;メトキシアセトフェノ
ン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン
等のアセトフェノン系;ベンゾインエチルエーテル、ベ
ンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル
系;ベンジルジメチルケタール等のケタール系;その
他、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、アシ
ルホスフォナート等を挙げることができる。
【0028】光重合開始剤の配合量は、特に限定される
ものではないが、使用するモノマー成分の反応性を考慮
して適宜調整される。さらに、本発明では、耐熱性や高
温での凝集力等を付与するために、上記の光重合開始剤
と共に、多官能ビニル化合物を架橋剤として含有させる
ことが好ましい。
【0029】このような架橋剤としては、例えば、ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、その他エポキシアクリレート、
ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等が
ある。
【0030】架橋剤は、一般に、上述のモノマー成分1
00重量部に対して、5重量部以下含有させることによ
り、光重合反応の過程で重合体分子間に架橋結合が生
じ、粘着テープの耐熱性が向上する。すなわち、高温で
の凝集力が増加し、高温での保持力が向上する。
【0031】本発明においては、さらに、粘着剤層とな
る組成物中に、粘着付与樹脂と呼ばれるタッキファイア
ーを配合してもよい。ここで用いられるものとしては、
ロジン系樹脂、変性ロジン系樹脂、テルペン樹脂、テル
ペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、C5
びC9 系石油樹脂、クマロン樹脂等がある。
【0032】また、本発明においては、反応性モノマー
成分にあらかじめ光照射を行って共重合させプレポリマ
ーとすることによって増粘させ、支持体への塗布性を向
上させることも可能である。この場合、プレポリマーの
分子量が増大して塗布性を阻害させないように、光量あ
るいは光重合開始剤の量を調節することが必要である。
【0033】また、本発明の粘着剤層となる組成物中に
は、上述の架橋剤及び粘着付与剤のほか、界面活性剤、
可塑剤、酸化防止剤、防錆剤、老化防止剤、安定剤等を
配合することができる。
【0034】本発明で光照射に用いられるランプの種類
としては、光波長400nm以下に発光分布を有するも
のが用いられ、その例としては、低圧水銀灯、中圧水銀
灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラ
ックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタ
ルハライドランプ等が用いられる。この中でも超高圧水
銀灯は開始剤の活性波長領域の光を効率よく発光し、得
られる高分子の粘弾性的性質を架橋により低下させるよ
うな短波長の光や、反応組成物を加熱蒸発させるような
長波長の光を多く発光しないために好ましい。特にこの
ランプの効果はランプに循環水のジャケットを付設した
いわゆる水冷式において発揮される。
【0035】またこれらのランプは、反応系の開始剤の
光吸収スペクトルとそのランプの発光スペクトルとがで
きるだけ合致するものを用いる方が反応効率が高く、開
始剤に併せて適宜選択できる。
【0036】上記ランプによる反応性組成物への照射強
度は、得られるポリマーの重合度を左右する因子であり
目的製品の性能毎に適宜制御されるのであるが、通常の
アセトフェノン基を有する開裂型の開始剤を配合した場
合、その範囲は0.1〜100mW/cm2 が好まし
い。
【0037】本発明における光重合は空気中の酸素及び
反応性組成物中に溶解する酸素により反応が阻害され
る。このため、光照射は酸素の反応阻害を消去し得るプ
ロセス的手法において実施されねばならない。その手法
としては、反応性組成物をPETやテフロン製フィルム
によって覆い、光はこのフィルムを介して該組成物へ照
射する方法がある。さらに、窒素ガスや炭酸ガスのよう
な不活性なガスにより酸素を置換した光透過性の窓を有
するイナートゾーンの中で反応させてもよい。後者の方
法において反応組成物の重合が転化率99.7%以上に
なる程度まで十分に完結されるためには、この照射雰囲
気の酸素濃度は5000PPM以下である必要がある。
該組成物の光照射によって得られた高分子の分子量は、
雰囲気酸素濃度の増加とともに低下する。完全にイナー
トな条件での重合におけるそれと同程度の分子量とする
ためには雰囲気酸素濃度は1000PPM以下である必
要がある。さらに該反応性組成物の極薄い界面部分は重
合体内部よりも酸素の阻害を受け易く凝集力がこれら部
分よりも低下する。この表層部分が内層と同程度に凝集
性を有するためには、雰囲気酸素濃度は300PPM以
下であることが望ましい。光照射をイナートゾーンにお
いて行う場合、その雰囲気酸素濃度を低レベルに保つた
めに、常に一定の不活性ガスがこのゾーンに投入され
る。この投入ガスにより、反応性組成物表面には気流が
発生しモノマー蒸発が起こる。この蒸発レベルを抑制す
るのに必要な気流速度はこのゾーンを基材に載せて流さ
れる該組成物との相対速度が1m/sec以下であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは気流速度を0.1m/
sec程度にするならば気流による蒸発は実質的に抑え
られる。
【0038】
【発明の作用効果】本発明では、上述の式(1)及び式
(2)で示される特定の末端カルボキシル基含有反応性
モノマーと、アルキル(メタ)アクリレートとを所定の
割合で含有する反応性モノマー成分に対し光重合開始剤
を配合して、支持体の片面または両面に塗布した後、こ
れを光照射して重合させ粘着剤層としている。モノマー
成分として、あるいはプレポリマーの状態で支持体上に
塗布するため、従来のように塗工性が悪くなるというこ
とがなく、塗工性を改善させることができる。また、本
発明では、特定の末端カルボキシル基含有反応性モノマ
ーとアルキル(メタ)アクリレートとを所定の割合で含
むことにより、粘着力及び保持力が共に高く、かつアル
カリ性水にだけ溶解あるいは吸水して粘着力を失う粘着
剤層を備えた粘着テープとすることができる。
【0039】
【実施例】表1、表2及び表3に示す配合割合でモノマ
ー成分を調製し、このモノマー成分100重量部に対し
て光重合開始剤ダロキュア1173(商品名、チバガイ
ギー社製)を1.0重量部配合し、20分間窒素を通気
して十分に溶存酸素を置換した。その後、厚さ38μm
のPETフィルムに厚さ60μmとなるように均一に塗
布して、酸素濃度300ppmのイナートゾーンで超高
圧水銀灯を線源として、照射面のランプ強度が8mW/
cm2 (365nmに最大感度を有する光強度測定器U
VR−1(東京光学機械社製)にて測定した強度値とし
て)となるようにランプ高さを設定し、3分間照射して
重合させ、厚さ56μmの粘着シートを得た。これを幅
20mmになるように切断して、粘着テープとした。粘
着剤の架橋度はおよそ50〜80%程度であった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】得られた粘着シートに対して、SP粘着
力、剪断保持力、耐熱保持力、及び水溶性を以下のよう
にして評価し、その結果を表4に示した。 (1)SP粘着力 SP(ステンレス板)に2kg/10mmの圧力、30
0mm/minの速度で圧着して60分放置してから、
引っ張り速度300mm/minで180°方向に剥離
試験を行った。このときの剥離抵抗を粘着力とした。但
し、すべての操作を23℃、50%RHの環境下で行っ
た。
【0044】(2)剪断保持力 SPに貼付部分の総面積が400mm2 (貼り付け長さ
20mm)になるように(1)の条件で貼付した粘着テ
ープの端に、1000gfの荷重を加えて2時間放置し
た。この後、テープのずれ長さを測定して保持力とし
た。測定環境は(1)と同じで、同様に貼付後1時間放
置したものを測定した。ずれ長さが小さいほど剪断保持
力が高いといえる。また、剪断保持力が高いとテープを
貼付したときにずれ応力に対して強い接着性を示す。
【0045】(3)耐熱保持力 (2)と同様に貼付後1時間経過した試験片のテープの
端に100gfの荷重を温度60℃の恒温槽中でかけ
て、2時間後のずれ長さを測定した。ずれ長さが小さい
ほど耐熱保持力が高いといえる。また、耐熱保持力が高
いと、被着体に貼付したときに高温下でも十分な接着性
を得ることができる。
【0046】(4)水溶性 以下に挙げるそれぞれのpHの水溶液を3リットルのビ
ーカーにとり、その中に、ガラス板に(1)の条件で貼
付した試験板を貼付後1時間経過させた後浸漬して、テ
ープが自然に剥離するまでの時間(分)を測定した。水
溶液温度は50℃で20rpm程度の攪拌を行った。
【0047】
【0048】
【表4】
【0049】表4から明らかなように、実施例1〜10
は、SP粘着力及び保持力共に高く、アルカリ性水にだ
け溶解あるいは吸収して粘着力を喪失し、アルカリ性水
中で被着体から剥がすことができる。実施例9及び10
は若干保持力に劣るものの、粘着力を低く抑えることが
できるため、再剥離性に優れるという特性がある。これ
に対して、比較例1は、SP粘着力及び剪断保持力は高
いが、耐熱保持力に劣り、熱によって被着体から容易に
剥離してしまう。また比較例2〜5は接着力に乏しく、
どのpHの水溶液中でも剥離してしまい、アルカリ性水
に対する選択的な溶解性が発現されない。
【0050】また、実施例1〜10においては、モノマ
ー成分をPETフィルムに塗工する際の塗工性は良好で
あった。以上のことから明らかなように、本発明に従え
ば、塗工性が良好で、かつアルカリ性水に溶解または吸
水して粘着性を失う粘着剤層を有する粘着テープとする
ことができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ性水に溶解または吸水して粘着
    性を失う粘着剤層を備えた粘着テープの製造方法であっ
    て:下記の式(1)または式(2)で示される末端カル
    ボキシル基を有する反応性モノマーの少なくとも1種5
    〜60重量部と、アルキル(メタ)アクリレート40〜
    95重量部とからなる反応性モノマー成分100重量部
    に光重合開始剤を配合した後、支持体の片面または両面
    に塗布する工程と;前記塗布した反応性モノマー成分の
    層に光照射することにより重合して前記粘着剤層を形成
    する工程とを備える、粘着テープの製造方法。 CH2=CR1-CO-0-R2-O-CO-R3-COOH …(1) (ここで、R1 は水素またはメチル基、R2 は脂肪族炭
    化水素2価基、R3 は脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族、
    脂環族、または不飽和脂環族炭化水素2価基を示す。) CH2=CR4-C0-0-(R5-COO-)n H …(2) (ここで、R4 は水素またはメチル基、R5 は脂肪族、
    不飽和脂肪族、芳香族、脂環族、または不飽和脂環族炭
    化水素2価基、nは1以上の正数を示す。)
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