JP3040099B1 - 縦型攪拌乾燥装置 - Google Patents

縦型攪拌乾燥装置

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JP3040099B1
JP3040099B1 JP10349185A JP34918598A JP3040099B1 JP 3040099 B1 JP3040099 B1 JP 3040099B1 JP 10349185 A JP10349185 A JP 10349185A JP 34918598 A JP34918598 A JP 34918598A JP 3040099 B1 JP3040099 B1 JP 3040099B1
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axis
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drying
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功圭 上野
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Abstract

【要約】 【課題】 処理物の細分化および粒径の均一化を図るこ
とにより、乾燥効率および後工程での処理効率の向上を
図ることができる縦型攪拌乾燥装置を提供する。 【解決手段】 処理物を収容する容器1と、この容器1
内に乾燥ガスを供給するガス供給手段11,12,13
と、容器1内に縦方向に配設された軸線O回りに回転可
能なアジテータ15…とを備えるとともに、容器1内
に、この容器1内に横方向に配設された軸線L回りに回
転可能なチョッパー19を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦型の容器内に収
容された処理物を、回転する攪拌羽根のようなアジテー
タで攪拌しつつ該容器内に供給される乾燥ガスによって
乾燥する縦型攪拌乾燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】凝集性のあるペースト状の処理物や低粘
性の処理物、あるいは汚泥などの乾燥には、従来より直
熱式回転乾燥機や伝導受熱溝型攪拌乾燥機などが用いら
れていた。ところが、これらの乾燥機は一般に横型であ
るため単位処理量当たりの装置の設置面積が大きくなる
ことが避けられず、また駆動部分が多くてメインテナン
スの手間や費用がかさみ、さらに乾燥された処理物の粒
度や水分のばらつきが大きくてその後の工程に支障を来
すなどの問題があった。
【0003】そこで、例えば特開平7−63481号公
報などに、縦型に配置された円筒状の容器の底部に分散
板を設けて容器内に高温の乾燥ガスを供給するととも
に、該容器内にはその中心軸に沿って鉛直方向に回転軸
を設け、この回転軸に水平に延びる攪拌羽根を取り付け
た縦型攪拌乾燥装置が提案されている。しかるに、この
ような縦型攪拌乾燥装置によれば、まず処理物を収容す
る容器が縦型であるので装置の設置面積を抑えることが
でき、また底部の分散板から供給される乾燥ガスにより
処理物が吹き上げられて流動しながら乾燥させられるた
め機械的駆動部分が少なくて済むとともに、こうして流
動させられる処理物が水平方向に回転する攪拌羽根によ
って攪拌されることにより、乾燥された処理物の粒度や
水分にばらつきが生じるのを防ぐことが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
縦型攪拌乾燥装置に限らず、容器内に供給された乾燥ガ
スを処理物に直接当てて乾燥する方式の乾燥装置におい
て、その乾燥効率を向上させるには、乾燥によって粉粒
状化する処理物をできるだけ細かく分散してその比表面
積を大きくし、より多くの乾燥ガスが処理物の表面に当
たるようにする必要がある。また、当該乾燥装置による
乾燥工程以降の工程における処理を円滑かつ効率的に行
うには、乾燥された処理物の粒径はできるだけ均一であ
ることが望ましい。
【0005】しかしながら、上記従来の縦型攪拌乾燥装
置では、専ら水平方向に回転する攪拌羽根が衝突する際
の衝撃によって処理物は分散させられるだけであるた
め、処理物を細分させたり粒径の均一化を図ったりする
にも自ずと限度があった。その一方で、例えば攪拌羽根
の回転速度を速くして処理物に大きな衝撃が与えられる
ようにしたり、あるいは回転軸により多くの攪拌羽根を
設けたりして処理物の分散や粒径の均一化を図ろうとし
た場合には、乾燥ガスによって流動する処理物の容器内
における流動状態が著しく乱されてしまい、上述のよう
な攪拌羽根による攪拌にも拘わらず、容器内において処
理物の乾燥状態に部分的な偏りが生じて却って乾燥効率
を損なう結果となる。
【0006】本発明は、このような背景の下になされた
もので、処理物の細分化および粒径の均一化を図ること
により、乾燥効率および後工程での処理効率の向上を図
ることができる縦型攪拌乾燥装置を提供することを目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、処理物を収
容する容器と、この容器内に乾燥ガスを供給するガス供
給手段と、上記容器内に縦方向に配設された軸線(以
下、縦軸線と称する。)回りに回転可能なアジテータと
を備え、このアジテータは上記縦軸線方向に間隔をおい
て取り付けられるとともに、上記容器内に間隔をあ
けられた上記アジテータの間に、該容器内に横方向に配
設された軸線(以下、横軸線と称する。)回りに回転可
能なチョッパーを設けたことを特徴とする。従って、こ
のように構成された縦型撹拌乾燥装置によれば、容器内
に収容されて乾燥ガスにより流動させられる処理物は、
上記縦軸線回りに回転する撹拌羽根等のアジテータによ
って撹拌されることにより、横方向に衝撃を受けて分散
させられるとともに、上記横軸線回りに回転するチョッ
パーによって縦方向にも衝撃が与えられて破砕されるの
で、処理物の粒径の細分化および均一化を図ることがで
きる。なお、ここで、かかる破砕羽根の回転によって処
理物の流動状態に乱れが生じるのを防ぐには、上記チョ
ッパーは上記横軸線に垂直な平板状に形成されるのが望
ましい。また、より効率的な処理物の粒径の細分化およ
び均一化を図るには、上記チョッパーは、上記横軸線回
りに正転および逆転可能とされるのが望ましい。
【0008】また、処理物の一層の効率的な細分化を図
るには、当該攪拌乾燥装置に、上記容器に供給される処
理物を分散せしめる分散手段を備えて、この分散手段に
より予めある程度分散されて容器内に供給された処理物
を、アジテータやチョッパーによってさらに細かく分散
させるようにすればよい。ここで、かかる分散手段とし
て、一つには、上記容器内への処理物の供給口を複数の
区画に分割する分断板を該供給口に設けるようにするこ
とができ、こうして分断板を通過した処理物は、上記区
画に合わせて断面が複数に分断された状態で容器内に供
給される。また、他の一つには、上記分散手段として、
上記アジテータの外周部に取り付けられて一体に回転さ
せられるカッタを備え、このカッタを、その上記縦軸線
回りの回転軌跡が、上記容器内への処理物の供給口を横
切るように配置することもでき、アジテータの回転に伴
ってカッタが供給口を横切る度に処理物を掻き取るよう
にして分断させることができる。
【0009】さらに、上記公報に記載された従来の乾燥
装置では、乾燥された処理物を容器の底部から抜き出し
て排出するようにしており、容器内に供給されたばかり
の未乾燥の処理物が容器底部に落下してそのまま排出さ
れてしまうおそれがあった。そこで、このような問題を
解消するには、上記容器の上部に、該容器内に供給され
た乾燥ガスの排気を排出する排気口を設け、粉砕されて
乾燥させられた上記処理物を上記排気とともにこの排気
口から排出するのが望ましく、このような構成を採るこ
とにより、十分に乾燥され、しかも細分化されて粒径の
揃った処理物のみを確実に排出することが可能となる。
また、容器の上部においては、アジテータの回転などに
よって旋回流が生じることとなるので、乾燥ガスの排気
や乾燥した処理物を円滑に排出するには、容器の上部に
設けた排気口を、上記アジテータの回転方向に対向する
ように開口させるとともに、上記縦軸線を中心とする円
の接線方向に延びるように設けられた排気管に連通させ
るのが望ましい。
【0010】さらに、容器に乾燥ガスを供給するガス供
給手段としては、従来と同様に乾燥ガスを噴出する分散
板を容器の底部に設けることにより、この乾燥ガスの吹
き上げによって処理物を流動させて効率的かつ均一な乾
燥を図ることができる。ここでこのような底部の分散板
に加えて、あるいは単独で、上記ガス供給手段として上
記容器の底部側の内壁に設けられて乾燥ガスを噴出する
分散板を備えることにより、この容器の底部内壁への処
理物の付着などを防止して一層効率的な乾燥を図ること
ができる。さらに、このような構成を採った場合に、上
記容器の底部内壁に設けられる上記分散板に、内周側に
向かうに従い上記容器の底側に向かう傾斜部を備えて、
この傾斜部には外周側に凹む凹所を形成し、上記チョッ
パーをその上記横軸線回りの回転軌跡の少なくとも一部
がこの凹所内に収容されて回転可能とするとともに、上
記乾燥ガスをこの凹所の底面からも噴出可能とすれば、
チョッパーを上記傾斜部に干渉させることなく確実に回
転させることができるとともに、凹所の底面に処理物が
付着するような事態を防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1ないし図6は本発明の第1の
実施形態を示すものであって、これらの図において符号
1で示すのは、その中心軸線Oを垂直にして基台2に固
定された円筒状の容器であり、この容器1の略中央部に
は第1の処理物の供給口3が、またこの第1の供給口3
の上下にはそれぞれ第2、第3の処理物の供給口4,5
が設けられている。なお、上記第1、第3の供給口3,
5は、上記軸線Oに対する径方向に延びるように容器1
に取り付けられた供給管3A,5Aの端部が容器1の内
壁に内周側に向けて開口するようにされたものであるの
に対し、上記第2の供給口4は、容器1を貫通してその
内壁から突き出すように取り付けられた供給管4Aの端
部が曲折させられて下向きに開口させられた構成とされ
ている。
【0012】ここで、上記第1の供給口3には、本実施
形態における分散手段の一つとして分断板6が取り付け
られている。この分断板6は、図5に示すように供給管
3Aの上記端部の内部に、該供給管3Aの中心線に平行
に、すなわち処理物の供給方向に沿って取り付けられた
ものであって、特に本実施形態では複数枚の分断板6…
が互いに直交するように組み合わされて格子状をなして
おり、これらの分断板6…によって第1の供給口3は複
数の区画に分割されている。
【0013】また、円筒状の容器1の上部は蓋体7によ
って閉塞されており、この蓋体7は本実施形態では内周
側に向かうに従い上方に向けて傾斜する円錐板状に形成
されていて、その中央部には円形の覗き窓8が設けられ
ている。なお、容器1には、その円筒状の胴部にも、軸
線O方向において上記第2の供給口4と略同じ高さで軸
線Oを挟んで第2の供給口4の反対側の位置に円形の覗
き窓8が設けられるとともに、これよりも下側には軸線
Oに平行に延びる長円状の一対の覗き窓8,8が軸線O
を挟んで互いに対向するように設けられている。また、
容器1のこの下側の胴部には、容器1内の各種状態の測
定用あるいはサンプリング用の細管9が多数設けられて
いる。
【0014】さらに、容器1の胴部の上端側外壁には排
気管10Aが取り付けられており、この排気管10Aの
端部が容器1の内壁に開口することによって容器1上部
に排気口10が形成されている。ここで、本実施形態で
はこの排気管10Aは、その中心線が容器1の上記軸線
Oに垂直な平面内に位置して図2に示すように該軸線O
を中心とする円の接線方向に延びるように配設されてお
り、また容器1の外周側に位置するこの排気管10Aの
外周面部分が、容器1の外壁に滑らかに接するように接
合されている。
【0015】一方、容器1の底部には、多数の円形の噴
出孔を穿設してなる分散板11が水平に敷設されるとと
もに、この分散板11の下には加圧室12が環状に形成
されており、さらにこの加圧室12には乾燥ガスの供給
管13が連結されていて、これら分散板11、加圧室1
2、および供給管13によって本実施形態における乾燥
ガスの供給手段が構成されている。なお、本実施形態で
は、上記供給管13は水平方向に幅広な断面長方形状に
形成されていて、その幅は容器1の直径よりも若干小さ
い程度とされており、容器1の中心軸線Oに対する径方
向に延びて加圧室12に連結されるように配置されてい
る。また、この加圧室12は、その底面が内周側に向か
うに従い上向きに傾斜する円錐板状に形成されていて、
この底面から分散板11までの高さが中心軸線O側に向
かうに従い漸次小さくなるようにされている。
【0016】さらにこの容器1の底部中央には、上記軸
線Oに沿って分散板11から垂直上向きに容器1内に突
き出すように回転軸14が設けられており、この回転軸
14に、本実施形態におけるアジテータとして攪拌羽根
15…が一体回転可能に取り付けられている。ここで、
上記回転軸14は、その下端部が上記基台2内にまで突
き出されていて、加圧室12の中央の空洞部や基台2に
設けられたベアリングやシールを有する支持機構16…
により該軸線O回りに回転自在に支持され、さらに基台
2上に設けられたモータ等の駆動装置17に連結されて
軸線O回りに所定の回転方向(本実施形態では上側から
見た平面視に反時計回り方向)Rに回転可能とされてい
る。従って、本実施形態では、この容器1の軸線Oが、
アジテータの回転軸線となる上記縦軸線となる。なお、
容器1の上部の上記排気口10は、回転軸14の上記回
転方向Rに対向するように開口させられている。
【0017】本実施形態ではこの回転軸14に、1群に
つき4枚ずつの上記攪拌羽根15…が4群、軸線O方向
に間隔をおいて取り付けられており、従って合計16枚
の攪拌羽根15…が設けられている。これらの攪拌羽根
15…は、各群内において周方向に等間隔に配設されて
いて、それぞれその外周端が容器1の内壁に近接した位
置に達するように軸線Oに対する半径方向に放射状に延
びているとともに、各群同士の間では、軸線O方向に隣
接する攪拌羽根15,15同士の位置が周方向に一致す
るように配設されており、言い換えれば軸線O方向に沿
って並んだ4枚の攪拌羽根15…よりなる列が周方向に
等間隔に4列設けられた配列とされている。ただし、回
転軸14の上端側の第1、第2、第3の3つの群の攪拌
羽根15A…,15B…,15C…は軸線O方向に略等
しい間隔に配置されているのに対し、下端側の第4の群
の攪拌羽根15D…は第3の群の攪拌羽根15C…との
間に上記間隔よりも大きな間隔をあけて配置されてい
る。
【0018】これらの攪拌羽根15…のうち、回転軸1
4の最も上端側に設けられる第1群の攪拌羽根15A…
は、長手方向に直交する断面が長円形をなす長方形平板
状に形成されていて、軸線O方向において容器1の上記
第1の供給口3の下縁部近傍の位置に、その表裏の長方
形面を上下方向に向けて軸線Oに対して垂直となるよう
に回転軸14に取り付けられている。さらに、これら第
1の攪拌羽根15A…のそれぞれの外周端には、平板状
の第1の攪拌羽根15Aに対して垂直に、すなわち軸線
Oに平行に延びるように、本実施形態における分散手段
の他の一つとしてカッタ18が取り付けられている。こ
のカッタ18は、断面が偏平した二等辺三角形状をなす
長板状のものであって、この二等辺三角形の底辺がなす
平面部分を外周側に向けてそれぞれ軸線Oからの距離が
等しくなるように取り付けられており、この平面部分が
軸線O回りになす回転軌跡が容器1の上記第1の供給口
3の直ぐ内周側を周方向に横切るように、攪拌羽根15
Aの上側に長く、下側に短く突き出されている。
【0019】また、上記第1群の攪拌羽根15A…の下
に配設される第2、第3群の攪拌羽根15B…,15C
…は、いずれも第1の攪拌羽根15Aと同様に断面長円
形の長方形平板状をなし、その表裏の長方形面を上下方
向に向けて回転軸14に取り付けられているが、第1の
攪拌羽根15Aとは異なり、軸線Oに対する径方向外周
側から見て上記回転方向R側に向かうに従い上側に向か
うように、軸線Oに直交する平面、すなわち水平面に対
して僅かに傾けられている。なお、この第2、第3の攪
拌羽根15B,15Cが軸線Oに直交する平面に対して
なす傾斜角αは、乾燥すべき処理物の性状や供給量、攪
拌羽根15…の枚数や回転軸14の回転速度、あるいは
分散板11からの乾燥ガスの噴出速度などにもよるが、
10°〜45°の範囲に設定されるのが望ましく、本実
施形態では15°に設定されている。
【0020】これに対して、攪拌羽根15…のうち回転
軸14の最も下側に取り付けられる第4群の攪拌羽根1
5D…は、分散板11の直上に位置するように配設され
ており、上記第2、第3群の攪拌羽根15B,15Cと
は逆に、軸線Oに対する径方向外周側から見て上記回転
方向R側に向かうに従い下側に向かうように傾けられて
いる。なお、この第4の攪拌羽根15Dの水平面に対す
る傾斜角βは、10°〜45°の範囲に設定されるのが
望ましく、本実施形態では35°に設定されている。た
だし、この傾斜角βは、その大きさが上記傾斜角αより
も大きく設定されるのが望ましい。また、この第4群の
攪拌羽根15Dの断面形状は、その回転方向Rの後方側
の部分が他の攪拌羽根15A〜15Cと同様に長円状に
形成される一方、回転方向R側の部分は、その下側が水
平面によって切り欠かれるように形成されることによ
り、鋭角のエッジ状に形成されている。
【0021】そして、本実施形態では、大きな間隔をあ
けられた上記第3群の攪拌羽根15C…と第4群の攪拌
羽根15D…との間に、容器1内に横方向に延びるよう
に配設された横軸線Lの回りに回転可能なチョッパー1
9が設けられている。ここで、本実施形態では、容器1
の外壁部にモータ等の駆動装置20が取り付けられると
ともに、この駆動装置20の回転軸21が容器1の壁部
を貫通して上記軸線Oに対する径方向内周側に容器1内
に突き出されており、チョッパー19はこの回転軸21
に取り付けられて回転可能とされている。従って、本実
施形態では、この回転軸21の中心軸線が上記横軸線L
とされ、この横軸線Lは、縦軸線とされる上記軸線Oに
対して直交する方向に配設されることとなる。ただし、
この回転軸21は上記回転軸14にまで達することはな
く、容器1の内径の約1/4程度の突き出し量とされて
いて、両回転軸14,21の回転が互いに干渉するのを
避けるのに十分なクリアランスが確保されている。
【0022】本実施形態のチョッパー19は、図6に示
すように円環状の取付部22の外周に、互いに反対向き
に延びるように一対の羽根部23,23が一体に形成さ
れた平板状をなしており、上記取付部22の内周はキー
溝付きの取付孔24とされて、この取付孔24を回転軸
21にキー嵌合させることにより上記横軸線Lに対して
垂直に取り付けられ、回転軸21の回転に伴いこの図6
に符号T1で示す正転方向に回転軸21と一体に横軸線
L回りに回転される。ここで、上記羽根部23,23は
横軸線Lに対して回転対称とされて、それぞれ外周側に
向かうに従い幅狭となる台形状に形成され、その上記正
転方向T1側を向く側縁23Aは、外周側を向く側縁2
3Bに鈍角に交差して取付部22の外周に滑らかに接す
るように延びる一方、正転方向T1とは反対向きの逆転
方向T2側を向く側縁23Cは、上記側縁23Bに直交
するとともに取付部22の外周に凹曲部23Dを介して
接するように延びていて、反対側の側縁23Aに比べて
正転方向T1側に凹むように形成されており、これによ
りチョッパー19は上記横軸線Lに沿って容器1の内周
側から見た場合に図6に示すように緩やかに湾曲する概
略S字型をなすように形成されている。なお、このチョ
ッパー19の横軸線L回りの回転直径は、上記軸線O回
りの攪拌羽根15…の回転直径よりも小さくされてい
る。
【0023】本実施形態では、このような形状の同寸法
のチョッパー19が4枚、回転軸21に上記横軸線L方
向に等間隔に取り付けられている。ただし、横軸線L方
向に隣り合うチョッパー19,19は、該横軸線L回り
の周方向に90°ずつずらされて取り付けられており、
従って回転軸21の外周には、横軸線L方向に並んだ2
枚の羽根部23,23よりなる列が4列、周方向に等間
隔かつ容器1の内周側と外周側とに交互にずらされて配
設されることとなる。なお、これらのチョッパー19…
の羽根部23…が横軸線L回りになす回転軌跡と、上記
第3、第4群の攪拌羽根15C…,15D…が軸線O回
りになす回転軌跡との間や容器1の内壁との間には、や
はりチョッパー19…の羽根部23…の回転や攪拌羽根
15C…,15D…の回転に干渉を生じることのないよ
うに十分なクリアランスが確保されている。
【0024】このように構成された縦型攪拌乾燥装置に
おいて、処理物は供給管3Aを通して上記第1の供給口
3から容器1内に供給されて収容され、供給管13から
加圧室12を介して分散板11より噴出させられる乾燥
ガスによって流動させられるとともに、軸線O回りに回
転する攪拌羽根15…によって攪拌され、さらに横軸線
L回りに回転するチョッパー19…の羽根部23…によ
ってより細かく分散させられる。なお、上記第2、第3
の供給口4,5は、処理物の供給量や性状に合わせて適
宜使用され、通常は閉塞されている。また、上記乾燥ガ
スとしては、ヒータや熱交換器等の加熱手段によって加
熱されるとともにブロア等の加圧手段によって加圧され
た高温高圧の空気などが供給管13に供給される。そし
て、容器1内で乾燥させられた処理物は、乾燥ガスの排
気とともに容器1上部の排気口10から排気管10Aを
通して排出される。
【0025】しかして、上記構成の乾燥装置では、上述
のように容器1内で流動させられる処理物が、攪拌羽根
15…によって攪拌されるとともに、縦方向に延びる軸
線O回りに回転するこの攪拌羽根15…に衝突すること
によって水平方向に衝撃を受けて分散させられるのに加
え、横方向に延びる横軸線L回りに回転するチョッパー
19…の羽根部23…に衝突することにより縦方向にも
衝撃を受けて分散させられ、すなわち異なる方向から衝
撃を受けて分散させられることとなるので、この処理物
をより細かく分断、破砕して分散させることができる。
従って、こうして細分化されることにより処理物の比表
面積を増大させて高い乾燥効率を得ることができるとと
もに、乾燥して粉粒状化した処理物の粒径を均一化させ
ることができ、その後の工程での処理物の取り扱いを容
易にして効率的な処理を図ることが可能となる。
【0026】しかも、本実施形態では、このチョッパー
19…が平板状に形成されていて、その回転軸線となる
上記横軸線Lに対して羽根部23,23が垂直となるよ
うに回転軸21に取り付けられており、例えば上記第2
〜第4群の攪拌羽根15B〜15Dのように羽根が回転
軸線に対して傾斜している場合に比べ、チョッパー19
の回転によって処理物の流動が横軸線L方向に偏ったり
して容器1内における流動状態に乱れが生じるような事
態を避けることができる。従って、本実施形態によれ
ば、このような流動状態の乱れによって処理物の乾燥状
態や粒径に偏りが生じたりするのも防ぐことができ、よ
り確実に処理物の乾燥効率の向上や粒径の均一化を促す
ことが可能となる。なお、本実施形態ではチョッパー1
9をS字型の平板状に形成しているが、例えば上記第1
群の攪拌羽根15Aのような単なる長方形平板など、他
の種々の形状の平板状のチョッパーを横軸線Lに垂直に
回転軸21に取り付けるようにしてもよく、場合によっ
ては軸状の部材やピアノ線のような可撓性を有する線材
を回転軸21に取り付けてチョッパーとしたりしてもよ
い。これは、アジテータについても同様である。また、
異なる形状や長さのチョッパーを回転軸21に取り付け
るようにしてもよい。
【0027】また、本実施形態では図3、図4、および
図6に示すように、アジテータとしての攪拌羽根15…
が平面視に反時計回り方向の回転方向Rに回転する場合
に、上記チョッパー19が容器1の内周側から見てやは
り反時計回り方向の正転方向T1に回転するように設定
されており、従って上記横軸線Lよりも容器1の下側に
おいてチョッパー19は、その下方の第4群の攪拌羽根
15D…の回転方向Rに対向する向きに回転することと
なる。このため、本実施形態では、後述するように傾斜
したこの第4群の攪拌羽根15D…の回転と分散板11
からの噴出とによって上向きの乾燥ガスの流れが生じ、
かつこの流れと攪拌羽根15…の回転による旋回流とに
よって処理物が回転方向R側に向けて吹き上げられた際
に、この吹き上げ方向に対向してチョッパー19が回転
して処理物に衝突することとなるので、より大きな衝撃
を処理物に与えることが可能となり、一層効率的な処理
物の細分化およびその粒径の均一化を図ることができ
る。しかも、このとき処理物に衝突するのは、図6に示
すようにチョッパー19の上記横軸線Lを中心とする径
方向に対して大きく傾斜したナイフエッジ状の側縁23
Aであるので、鋭い切れ味で処理物を分断、破砕できる
とともに、チョッパー19に処理物が付着したりするの
も防ぐことができる。
【0028】ところで、本実施形態では、このようにチ
ョッパー19の回転方向を図6に示す正転方向T1とし
ているが、上記駆動装置20による回転軸21の回転を
逆転させることにより、チョッパー19を図6に示す逆
転方向T2に回転させて処理物の破砕を行うようにして
もよい。この場合には、上記の場合とは逆に横軸線Lの
上側において、第2、第3群の攪拌羽根15B…,15
C…による下向きの乾燥ガスの流れと攪拌羽根15…に
よる旋回流とによる処理物の流動に対向してチョッパー
19が回転するため、やはり処理物に大きな衝撃を与え
ることが可能となる。また、本実施形態のチョッパー1
9は、上述のように緩やかに湾曲したS字型の平板状を
なしていて、このチョッパー19を逆転方向T2に回転
させた際に羽根部23の逆転方向T2側を向いて処理物
に衝突する側縁23Cが正転方向T1側に凹んでいて、
反対側の側縁23Aなどと比べて横軸線Lに対する径方
向に沿うように延びており、このため側縁23Cを処理
物に一気に衝突させて確実に分散させることができる一
方、反対側の側縁23Aは取付部22の外周に滑らかに
接しているので、羽根部23の根本側においてその幅を
大きくして十分な強度を確保することが可能となる。
【0029】なお、本実施形態では、アジテータとして
の攪拌羽根15…の回転軸線となる上記縦軸線が容器1
の中心軸線Oに一致させられて鉛直方向に配設されると
ともに、チョッパー19の回転軸線となる横軸線Lがこ
の軸線Oに直交する方向に延びるように水平に配設され
ているが、これらの軸線O,Lが厳密に鉛直あるいは水
平に配設されていなくてもよく、例えば横軸線Lは水平
面に対して僅かに傾斜して配設されていてもよい。ま
た、回転軸14,21についても、必ずしも上記軸線
O,Lに沿った直柱状とされる必要はなく、例えば該軸
線O,Lの周りに捩れる螺旋状のものであってもよい。
要するに、アジテータは容器1内に縦方向に配設された
軸線の回りに回転可能であり、チョッパー19は横方向
に配設された軸線の回りに回転可能であればよい。
【0030】また、このチョッパー19の回転数、すな
わち上記駆動装置20による回転軸21の回転数は、こ
の駆動装置20への動力供給を変動させたりすることに
よって適宜調整可能であるが、処理物の攪拌乾燥時に
は、アジテータとしての攪拌羽根15…の回転数、すな
わち上記駆動装置17による回転軸14の回転数よりも
高い状態が維持されるのが望ましい。これは、本実施形
態のように円筒状の容器1をその軸線Oが縦方向に延び
るように設置した縦型攪拌乾燥装置において、アジテー
タとしての攪拌羽根15…の長さをその外周端が容器1
の内壁に近接した位置に達するように設定すると、この
容器1内に横軸線L回りに回転可能にチョッパー19を
配設するには、該チョッパー19の回転直径は上述のよ
うに攪拌羽根15の回転直径よりも小さくせざるを得
ず、そのような場合には、例えば回転軸14,21の回
転数が同じでもチョッパー19の羽根部23の回転速度
は攪拌羽根15の外周部における回転速度よりも小さく
なるため、チョッパー19の回転数をより大きくしなけ
れば、処理物を効果的に分散させるに十分な衝撃を与え
ることができなくなるおそれが生じるからである。
【0031】一方、本実施形態の縦型攪拌乾燥装置に
は、容器1内に供給される処理物を予めある程度分散せ
しめる分散手段が備えられており、例えば粘性の高い処
理物をそのまま塊状で容器1内に投入して攪拌羽根15
…やチョッパー19…で分散させるのに比べ、処理物を
一層効率的に細分して乾燥させることができる。すなわ
ち、本実施形態では、まず容器1内への処理物の第1の
供給口3に、この供給口3を複数の区画に分割するよう
に格子状に組み合わされた分断板6…が取り付けられて
おり、従ってこの分断板6…を通過した処理物は、上記
区画に合わせてその断面が予め格子状に分断された状態
で供給口3から容器1内に供給されることとなる。
【0032】しかも、この第1の供給口3の直ぐ内周側
には、上記第1群の攪拌羽根15A…の外周部に一体に
回転可能に取り付けられたカッタ18の回転軌跡が、該
供給口3を横切って通過するように配設されており、上
述のように格子状に分断されて供給された処理物は、攪
拌羽根15A…の回転に伴ってカッタ18が供給口3を
横切るごとに掻き取られるようにして分断され、結果的
に賽の目状になって容器1内に投入されるため、本実施
形態によれば、一層効率的な乾燥と粉粒状化した処理物
の粒径の均一化を図ることができる。なお、本実施形態
では処理物の供給方向に沿うように配設された分断板6
…を格子状に組み合わせているが、例えば1または複数
枚の分断板6を供給口3に水平あるいは垂直に並べて配
置したり、複数の分断板6を放射状に配置したりしても
よく、また処理物の性状などによっては、例えば多数の
穴があけられた板を分断板として供給口3に取り付けた
り、金属線等を網目状に組んで分断板としたりしてもよ
い。
【0033】また一方、本実施形態では、容器1の上部
に設けられた排気口10が乾燥された処理物の排出口も
兼ねており、乾燥された処理物は通常はこの排気口10
からのみ排出可能とされている。従って、容器1内に収
容された処理物は、容器の底部に排出口が設けられた上
記従来の縦型攪拌乾燥装置のように分散されない未乾燥
まま排出されるようなことはなく、乾燥ガスの排気とと
もに排出可能な程度にまで乾燥させられ、かつ攪拌羽根
15やチョッパー19によって破砕されて細分化されて
からでなければ排出されないので、本実施形態によれ
ば、乾燥状態に偏りが無く十分に乾燥され、しかも細か
く粉砕されて粒径の揃った処理物のみを、特別な分別手
段などを要することなく抜き出すことが可能となり、そ
の後の工程における処理物の取り扱いを一層容易とする
ことができる。
【0034】なお、この排気口10から排出される処理
物の乾燥状態や粒径は、例えば分散板11から噴出させ
られる乾燥ガスの噴出量を適当に設定したりすることに
より、所定の範囲や分布に調整することが可能である。
また、供給された処理物が分散させられて流動する容器
1の下部と、上記排気口10が設けられる容器1の上部
との間には、ある程度乾燥させられるとともに破砕され
て細かな粒子となった処理物が浮遊しながら流動するフ
リーボード部が形成されるので、例えばこのフリーボー
ド部が形成される部分において容器1の直径を下部より
も大きくすることにより容器1内の空塔速度を小さくし
て整流したり、あるいは逆にこのフリーボード部にオリ
フィス板を設置して局所的に空塔速度を大きくしたりす
ることにより、容器1内における分級性能を変化させ
て、排出される処理物の乾燥状態や粒径分布を調整する
ことも可能である。
【0035】さらにまた、本実施形態のようなアジテー
タを備えた縦型攪拌乾燥装置では、上記乾燥ガス供給手
段によって分散板11から上向きに噴出された乾燥ガス
は、上述のように容器1内を上昇するのに伴い攪拌羽根
15…の回転によってその回転方向Rに回転する旋回流
となることが確認されているが、これに対して本実施形
態では、容器1の上部に設けられた排気口10が攪拌羽
根15…の回転方向Rに対向するように開口させられ、
かつこの排気口10に連通する排気管10Aが、攪拌羽
根15…の回転軸線となる容器1の軸線Oを中心とする
円の上記回転方向R側に延びる接線方向に配設されてい
る。すなわち、本実施形態では、上記乾燥ガスによって
形成される旋回流の向きに対向して排気口10が開口
し、しかもこの排気口10から排出される乾燥ガスの流
れの向きに沿って排気管10Aが配設されているので、
容器1の上部に達した旋回流をなす乾燥ガスを、この旋
回流を乱すことなく、また該旋回流に逆らわずに円滑に
排出することができ、従って乾燥された処理物も、容器
1の上部に滞留したりすることなく、この乾燥ガスとと
もに確実かつ効率的に排出させることが可能となる。
【0036】これらに加えて、本実施形態では、アジテ
ータを構成する攪拌羽根15…のうち、回転軸14の上
側に配置される第2、第3群の攪拌羽根15B…,15
C…が軸線Oに対して上記回転方向R側に向かうに従い
上向きに傾斜しているのに対し、回転軸14の下側の分
散板11の直上に配置される第4群の攪拌羽根15D…
は逆に回転方向R側に向けて下向きに傾斜しており、こ
れら第2、第3群の攪拌羽根15B…,15C…と第4
群の攪拌羽根15D…との間には、上述のように攪拌羽
根15B…,15C…の回転によって下向きの乾燥ガス
の流れが形成されるとともに、攪拌羽根15D…の回転
と分散板11からの噴出とによって上向きの乾燥ガスの
流れが形成されることになる。
【0037】このため、本実施形態によれば、これらの
乾燥ガスの流れによる対流により、分散された処理物を
これら第2〜第4群の攪拌羽根15B〜15Dの間で滞
留させつつ流動させることが可能となるので、例えばこ
れら攪拌羽根15B〜15Dの上記傾斜角α,βや大き
さ、形状、枚数、あるいは回転軸14の回転速度や分散
板11からの乾燥ガスの噴出量等を適当に設定すること
により、上記第2〜第4群の攪拌羽根15B〜15Dの
間における処理物の滞留時間や流動状態を処理物の性状
や供給量などに応じて最適な条件に調整することが可能
となり、より一層効率的かつ確実な攪拌乾燥を図ること
が可能となる。しかも、本実施形態では、下向きの流れ
を生じる第2、第3群の攪拌羽根15B…,15C…と
上向きの流れを生じる第4群の攪拌羽根15D…との間
に上記チョッパー19が配設されているため、これらの
攪拌羽根15B〜15Dの間で滞留する処理物を、より
効率的に分散させることができる。
【0038】また、第1〜第3群の攪拌羽根15A〜1
5Cは断面長円状をなしているため、該攪拌羽根15A
〜15Cの回転によって処理物に確実に衝撃を与えてそ
の分散を促すことができるとともに、特に第2、第3群
の攪拌羽根15B,15Cにおいては、例えばこれを断
面方形とした場合などに比べて、その回転方向R側の縁
部においても確実に下向きの流れを形成することができ
る。一方、第4群の攪拌羽根15Dは、その回転方向R
側の端部が下面が水平とされた鋭角のエッジ状とされて
いるので、その直下の分散板11上に処理物が付着した
りした場合でも、これを速やかに剥離して除去すること
ができるという利点を有する。なお、本実施形態では1
群につき4枚ずつの攪拌羽根15…を4群、軸線O方向
に隣接する攪拌羽根15,15同士の位置が周方向に一
致するように、かつこうして形成された軸線O方向に並
ぶ攪拌羽根15…の列が周方向に等間隔となるように配
設されているが、各群における攪拌羽根15…の枚数は
2枚や3枚でも、また5枚以上でもよく、場合によって
は1枚でもよい。また、各群同士で異なる枚数であって
もよく、軸線O方向に隣接する攪拌羽根15,15同士
の周方向の位置が位相違いになっていてもよく、さらに
攪拌羽根15…の列が周方向に異なる間隔であったり、
螺旋状に配列されていたりしてもよい。
【0039】ここで、本実施形態では上記第2、第3群
の攪拌羽根15B,15Cの軸線Oに対する傾斜角αを
10°〜45°の範囲とするとともに、第4群の攪拌羽
根15Dの傾斜角βも10°〜45°の範囲とし、しか
も傾斜角αよりも傾斜角βの方が大きくなるようにして
いるが、これは、傾斜角α,βが上記範囲よりも小さい
と乾燥ガスを流れを下向きまたは上向きにする効果が小
さくなりすぎる一方、逆に傾斜角α,βが上記範囲より
も大きいと攪拌羽根15B〜15Dの回転により処理物
の流動状態に著しい乱れが生じるとともに、回転軸14
の回転に大きな駆動力を要するおそれがあるからであ
る。また、傾斜角βを傾斜角αよりも大きくしているの
は、第2〜第4群の攪拌羽根15B〜15Dの間に分散
した処理物が必要以上に滞留するのを防ぐためであり、
すなわち、攪拌羽根15B〜15Dの枚数や形状あるい
は乾燥ガスの噴出量等にもよるが、傾斜角βが傾斜角α
よりも小さいと、下向きの流れが強くなりすぎて容器1
の底部に分散された処理物が滞留、堆積してしまうおそ
れがある。
【0040】次に、図7および図8は本発明の第2の実
施形態を示すものであり、上記第1の実施形態と共通す
る構成要素には同一の符号を配して説明を省略する。本
実施形態では、上記分散板11に加えて容器1の底部の
内壁に多数の噴出孔があけられた第2の分散板31が設
けられており、この分散板31の外周には環状に加圧室
32が形成されるとともに、この加圧室32には上記供
給管13とは別の乾燥ガスの供給管33が連結されてい
る。ここで、この供給管33は、上記供給管13よりも
幅の小さい長方形断面に形成されたものであって、図8
に示すように供給管13と同じ側から水平に延びて容器
1の外壁に接し、ここから上記回転方向R側に向けて湾
曲しつつその幅が漸減して、略半周で容器1の外壁に巻
き込まれるように接合されており、この半周の部分でそ
の内周部が上記チョッパー19を避けて加圧室32に連
通させられている。
【0041】また、上記分散板31は、軸線O方向にお
いて略上記第3群の攪拌羽根15Cの位置における容器
1の内壁から分散板11にかけて、内周側に向かうに従
い容器1の底側に向けて傾斜するように、円錐台壁面状
あるいはすり鉢状に形成されたものであって、水平な上
記分散板11に対する傾斜部をなしており、この分散板
31と分散板11と容器1の内壁とによって囲まれた断
面直角三角形状の部分が上記加圧室32とされている。
なお、このように第2の分散板31が設けられることに
より、本実施形態では上記第4群の攪拌羽根15D…
は、その長さが第1の実施形態の半分程度に短くされて
いる。
【0042】さらに、本実施形態においても上記第3群
の攪拌羽根15Cと第4群の攪拌羽根15Dとの間に
は、横軸線L回りに回転可能なチョッパー19…が配設
されているが、このままだとこのチョッパー19やその
回転軸21が上記分散板31に干渉することになる。そ
こで、本実施形態では、このチョッパー19が配設され
る位置において分散板31に外周側に凹む凹所34が形
成されている。この凹所34は、チョッパー19…の下
側に水平に配置された扇状の底面34Aと、この底面3
4Aの両側縁から上向きに延びる一対の側壁34B,3
4Bと、容器1の内壁とによって画成されたものであっ
て、これら底面34Aおよび側壁34B,34Bは、そ
の内周側が上記分散板31に、外周側が容器1の内壁に
それぞれ接合されているとともに、チョッパー19…の
横軸線L回りの回転軌跡に対して干渉しない程度のクリ
アランスが確保されており、本実施形態では4つのチョ
ッパー19…のうち外周側の2つが、この凹所34内に
収容されて回転可能とされている。さらに、この凹所3
4の少なくとも上記底面34Aには、分散板11,31
と同様に多数の円形の噴出孔が形成されている。
【0043】しかして、このように構成された第2の実
施形態の縦型攪拌乾燥装置においては、まず容器1内の
底部の内壁にも分散板31が備えられて乾燥ガスが噴出
させられるので、容器1内に収容されて流動する処理物
がこの容器1の底部内壁に付着したりするのを防ぐこと
ができ、より効率的な攪拌乾燥を図ることができる。し
かも、本実施形態では分散板31が内周側に向けて容器
1の底側に傾斜しているとともに、供給管33が攪拌羽
根15…の回転方向Rに沿って乾燥ガスを吹き込むよう
に加圧室32に接続されているので、乾燥ガスは分散板
31から容器1の内周側かつ上記回転方向R側に向けて
噴出させられることとなり、容器1内における処理物の
分散、流動を一層活発にしてさらに効率的な乾燥を行う
ことができるとともに、乾燥ガスによる上記旋回流を安
定させて乾燥した処理物のより確実な排出を促すことが
できる。
【0044】また、本実施形態ではこのように傾斜した
分散板31を配設するに際して、上記凹所34を設けて
チョッパー19の回転に干渉しないように図られてお
り、上述のような効果を奏しつつもチョッパー19によ
って確実に処理物を粉砕して細分化することが可能とな
る。しかも、このように凹所34を設けた場合、その底
面34には分散して流動する粉粒状の処理物が堆積して
しまいがちであるが、本実施形態ではこの凹所の底面3
4Aにも多数の噴出孔が形成されて分散板の一部を構成
しているので、このような処理物の堆積が生じるような
ことはなく、かかる堆積した処理物によってチョッパー
19の回転に支障を来すような事態を避けることができ
る。
【0045】なお、この第2の実施形態では、容器1の
底部内壁に傾斜した分散板31を設置しているが、例え
ばこの底部において容器1を外周側に凸となるように形
成して加圧室を形成するとともに、この加圧室と容器1
内部との間に、円筒状の容器1の内壁に沿って上記分散
板11に達する円筒壁面状の分散板を設けて、傾斜部を
備えない構成としたり、あるいはこのような分散板の底
部のみを内周側に傾斜させて傾斜部を形成するようにし
てもよい。また、本実施形態では上記傾斜部を構成する
分散板31が、図示のように一定の傾斜角で内周側に向
かうに従い容器1の底側に向かうように傾斜している
が、例えばこれを、その断面が凹曲あるいは凸曲した
り、多段に折れ曲がったりするようにして、傾斜角が変
化するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
容器内に収容されて乾燥ガスにより流動させられ、縦軸
線回りに回転するアジテータにより攪拌される処理物
を、横軸線回りに回転するチョッパーによってより細か
く粉砕して分散させることができ、これによって処理物
の比表面積を増大させて乾燥効率の向上を図るととも
に、乾燥して粉粒状化する処理物の粒径の均一化を促す
ことが可能となって、その後の処理工程においても効率
的な処理を図ることができる。また、特に上記チョッパ
ーを横軸線に垂直な平板状とした場合には、容器内にお
ける処理物の流動状態を乱すことなく破砕を行うことが
できるので、処理物の乾燥状態や粒径に偏りが生じたり
するのを防いで一層効率的な乾燥を図ることが可能とな
る。さらにまた、このチョッパーを横軸線回りに正転お
よび逆転可能とした場合には、アジテータによる処理物
の流動に合わせてより大きな衝撃を処理物に与えて一層
の粒径の細分化および均一化を図ることができる。
【0047】さらに、容器内への処理物の供給口を複数
の区画に分割する分断板を設けたり、アジテータの外周
部に取り付けられて一体に回転させられるカッタの縦軸
線回りの回転軌跡を上記供給口を横切るように配置した
りして、容器に供給される処理物を分散せしめる分散手
段を設けることにより、この分散手段によって予めある
程度分散された処理物を上記アジテータやチョッパーで
さらに細かくすることができるので、一層効率的な処理
物の細分化を図ることができる。
【0048】また、容器の上部に、該容器内に供給され
た乾燥ガスの排気を排出する排気口を設け、粉砕されて
乾燥させられた処理物を上記排気とともにこの排気口か
ら排出するようにすれば、十分に乾燥され、かつ細分化
されて粒径の揃った処理物のみを確実に排出することが
可能となる。しかも、このとき上記排気口を上記アジテ
ータの回転方向に対向するように開口させるとともに、
上記縦軸線を中心とする円の接線方向に延びるように設
けられた排気管に連通させるようにすれば、アジテータ
の回転等によって形成される旋回流を乱すことなく円滑
に排気や処理物を排出することが可能となる。
【0049】さらにまた、容器に乾燥ガスを供給するガ
ス供給手段において、容器の底部側の内壁にも乾燥ガス
を噴出する分散板を備えることにより、この容器の底部
内壁への処理物の付着などを防止することができる。ま
た、この底部内壁の分散板に傾斜部を形成した場合に
は、この傾斜部に凹所を形成してチョッパーを収容する
ことにより、チョッパーを傾斜部に干渉させることなく
確実に回転させることができるとともに、この凹所の底
面からも乾燥ガスを噴出させることにより、該凹所の底
面に処理物が付着して堆積してしまうような事態も防止
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す側断面図であ
る。
【図2】 第1の実施形態の平面図である。
【図3】 第1の実施形態の要部を拡大した側断面図で
ある。
【図4】 図3における矢線A方向の平面図である。
【図5】 第1の実施形態の分断板6を示す図3におけ
る矢線B方向視の図である。
【図6】 第1の実施形態のチョッパー19を示す図3
における矢線C方向視の図である。
【図7】 本発明の第2の実施形態を示す要部拡大側断
面図である。
【図8】 第2の実施形態の矢線D方向視の平面図であ
る。
【符号の説明】
1 容器 3,4,5 処理物の供給口 6 分断板(分散手段) 10 排気口 11,31 分散板(乾燥ガスの供給手段) 12,22 加圧室(乾燥ガスの供給手段) 13,33 乾燥ガスの供給管(乾燥ガスの供給手段) 14,21 回転軸 15(15A〜15D) 攪拌羽根(アジテータ) 18 カッタ(分散手段) 19 チョッパー 34 凹所 34A 凹所の底面 O 容器1の中心軸線(縦方向に延びる軸線) L 横方向に延びる軸線 R 攪拌羽根15の回転方向 T1 チョッパー19の正転方向 T2 チョッパー19の逆転方向 α 第2、第3群の攪拌羽根15B,15Cが軸線Oに
対してなす傾斜角 β 第4群の攪拌羽根15Dが軸線Oに対してなす傾斜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−14838(JP,A) 特開 平5−302785(JP,A) 特開 昭63−318483(JP,A) 実開 平4−1394(JP,U) 実開 昭59−195493(JP,U) 特公 昭36−10588(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F26B 25/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理物を収容する容器と、この容器内に
    乾燥ガスを供給するガス供給手段と、上記容器内に縦方
    向に配設された軸線回りに回転可能なアジテータとを備
    、このアジテータは上記軸線方向に間隔をおいて取り
    付けられるとともに、上記容器内には、間隔をあけられ
    た上記アジテータの間に、該容器内に横方向に配設され
    た軸線回りに回転可能なチョッパーが設けられているこ
    とを特徴とする縦型撹拌乾燥装置。
  2. 【請求項2】 上記チョッパーは、上記横方向に配設さ
    れた軸線に垂直な平板状に形成されていることを特徴と
    する請求項1に記載の縦型攪拌乾燥装置。
  3. 【請求項3】 上記チョッパーは、上記横方向に配設さ
    れた軸線回りに正転および逆転可能とされていることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の縦型攪拌乾
    燥装置。
  4. 【請求項4】 上記容器に供給される処理物を分散せし
    める分散手段を備えていることを特徴とする請求項1な
    いし請求項3のいずれかに記載の縦型攪拌乾燥装置。
  5. 【請求項5】 上記分散手段は、上記容器内への処理物
    の供給口を複数の区画に分割するように該供給口に設け
    られる分断板を備えていることを特徴とする請求項4に
    記載の縦型攪拌乾燥装置。
  6. 【請求項6】 上記分散手段は、上記アジテータの外周
    部に取り付けられて一体に回転させられるカッタを備え
    ており、このカッタは、その回転軌跡が上記容器内への
    処理物の供給口を横切るように配置されていることを特
    徴とする請求項4または請求項5に記載の縦型攪拌乾燥
    装置。
  7. 【請求項7】 上記容器の上部には、該容器内に供給さ
    れた乾燥ガスの排気を排出する排気口が設けられてお
    り、乾燥させられた上記処理物は上記排気とともにこの
    排気口から排出されることを特徴とする請求項1ないし
    請求項6のいずれかに記載の縦型攪拌乾燥装置。
  8. 【請求項8】 上記容器の上部には、該容器内に供給さ
    れた乾燥ガスの排気を排出する排気口が設けられてお
    り、この排気口は、上記アジテータの回転方向に対向す
    るように開口させられるとともに、上記縦方向に配設さ
    れた軸線を中心とする円の接線方向に延びるように設け
    られた排気管に連通させられていることを特徴とする請
    求項1ないし請求項7のいずれかに記載の縦型攪拌乾燥
    装置。
  9. 【請求項9】 上記ガス供給手段は、上記容器の底部内
    壁に設けられて乾燥ガスを噴出する分散板を備えている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに
    記載の縦型攪拌乾燥装置。
  10. 【請求項10】 処理物を収容する容器と、この容器内
    に乾燥ガスを供給するガス供給手段と、上記容器内に縦
    方向に配設された軸線回りに回転可能なアジテータとを
    備えるとともに、上記容器内には、該容器内に横方向に
    配設された軸線回りに回転可能なチョッパーが設けら
    れ、 上記ガス供給手段は、上記容器の底部内壁に設けられて
    乾燥ガスを噴出する分散板を備え、 上記容器の底部内壁に設けられる上記分散板は、内周側
    に向かうに従い上記容器の底側に向かう傾斜部を備えて
    いて、この傾斜部には外周側に凹む凹所が形成されてお
    り、上記チョッパーはその回転軌跡の少なくとも一部が
    この凹所内に収容されるとともに、上記乾燥ガスはこの
    凹所の底面からも噴出可能とされていることを特徴とす
    る縦型撹拌乾燥装置。
JP10349185A 1998-12-08 1998-12-08 縦型攪拌乾燥装置 Expired - Lifetime JP3040099B1 (ja)

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