JP3039872U - 靴用スパッツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 従来のスパッツのように靴紐部分から雨
水が靴の内部に浸入することのない靴用スパッツを提供
すること。 【解決手段】 防水性の柔軟シ−ト材を展開可能な略筒
状をなす本体１に形成したスパッツにおいて、前記筒状
本体１の下端前方側に、帽子の庇状をなす防水性の鍔部
材５を突設すると共に、前記鍔部材５と筒状本体１下端
部との接合部乃至はその近傍の中央裏面に靴紐Ｓｔに係
合するための係止具６を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、主として登山靴やトレッキングシュ−ズなどに適用して有用な靴用 スパッツに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、登山や山歩きなどの歩行中に、例えば雨に降られたとき、登山靴の 内部に雨水が浸入するのを防ぐため、靴用のスパッツが使用されている。

【０００３】 このスパッツは、図３に例示するように、防水性の柔軟シ−ト材を、ファスナ −Ｆ等で展開可能なほぼ筒状をなす本体Ｃに形成し、この筒状本体Ｃの上端部と 下半側にゴムベルトＢを設けると共に、筒状本体Ｃの下部は、テ−パ状に少し拡 開した状態に形成して、足首部分を靴の履き口ごと覆ってしまうカバ−部Ａにし 、かつ、このカバ−部Ａの下端の前方中央と両側部に、筒状本体Ｃの下端を靴に 固定するための紐掛け金具Ｍを設けて形成されている。

【０００４】 しかし、図３に示した従来のスパッツを、図２に示すような靴Ｓを履いた状態 で着用して歩行すると、足首部分から靴の内部に雨水が浸入するのを防ぐことは できるが、歩行動作によって靴のつま先側に位置したスパッツにおけるカバ−部 Ａの前方側ｆの金具Ｍが、靴紐Ｓｔの前端位置の紐、或は、途中の紐に係止され ているため、この靴紐Ｓｔの前端位置の部分から雨水が靴の内部に浸入するとい う問題がある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従って、本考案が解決しようとする課題は、従来のスパッツのように靴紐部分 から雨水が靴の内部に浸入することのない靴用スパッツを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するためになされた本考案スパッツの構成は、防水性の柔軟シ −ト材を展開可能な略筒状をなす本体に形成したスパッツにおいて、前記筒状本 体の下端前方側に、帽子の庇状をなす防水性の鍔部材を突設すると共に、前記鍔 部材と筒状本体下端部との接合部乃至はその近傍の中央裏面に靴紐に係合するた めの係止具を設けたことを特徴とするものである。そして、本考案は、上記構成 のスパッツにおいて、鍔部材の材質を、スパッツ本体より硬質で折曲げ可能な板 材により形成したことも特徴とするものである。

【０００７】

【考案の実施の形態】

次に、本考案の実施形態について、図１，図２により説明する。 １は雨合羽等に使用される柔軟な防水シ−ト材を略矩形に截断し、このシ−ト 材により形成したスパッツ本体になる円筒状の本体で、その合わせ目にはファス ナ２が設けられており、このファスナ２の開閉により、筒状本体に閉じたり、平 板状に展開可能に形成されている。2aは筒状本体１の合わせ目の上端に設けた閉 じたときのファスナ２のスライダ（図示せず）を押える面状ファスナである。

【０００８】 スパッツ本体となる筒状本体１は、例えば人の膝下から床に届く程度の高さに 形成されているので、上端と足首に当る部分には、この例ではゴムベルト３，４ を内装して筒状本体１の口径を絞り、着装ズレが生じないように形成されている 。なお、前記ベルト３，４に代え、紐やベルト状の面ファスナを設けて絞るよう に形成してもよい。

【０００９】 上記筒状本体１からゴムベルト４までの部材による本考案スパッツの構成は、 図３に示した従来のスパッツと略同様であるが、本考案スパッツは、以下に説明 する特徴的構成を具備したものである。

【００１０】 即ち、本考案スパッツは、筒状本体１の下端部の前方に、帽子の庇状をなす鍔 部材５を、設けたものである。

【００１１】 鍔部材５は、筒状本体１よりも厚手で折曲げ可能なやや硬目の例えば発泡合成 樹脂板により形成し、筒状本体１との接合部分の中央部の裏面に横向きＵ字状を なす係止具６を設けている。そして、前記鍔部材５の外面の左，右両端部には、 側断面Ｕ字状の止め紐用の掛具７が設けられている。ここで、係止具６，掛具７ は金属製が望ましいが、合成樹脂製であってもよい。また、掛具７は、リング状 のもの、或は、紐などで形成することもある。更に、上記の鍔部材５は、筒状本 体１と同等の柔軟シ−ト材により形成してもよい。

【００１２】 上記のような構成される本考案スパッツは、図２に例示する態様で着装する。 即ち、ファスナ−２を開けてスパッツを広げ、ファスナ２を脚の後に位置付けて 筒状本体１を脚の膝より下方へ巻いてファスナ２を閉じると共に、筒状本体１の 前方に位置した鍔部材５の裏面に設けた係止具６を、靴紐Ｓｔの最前端に位置す るものに引掛け、鍔部材５の左，右側に設けた掛具７に靴の底Ｓｏを通した係止 紐８を掛け渡すことにより、着装する。

【００１３】 本考案スパッツは、上記のような着装態様をとることにより、鍔部材５が靴紐 Ｓｔの最前端よりも大幅に靴Ｓの前方までを覆い、かつ、この被覆状態において 鍔部材５が係止具６により靴紐Ｓｔに係止されているから、従来のスパッツのよ うに、筒状本体１の下端前方側が歩行時にめくれたりせず、しかも、鍔部材５は 靴紐Ｓｔの最前端の位置のものよりも十分に靴のＳの前方部分までを覆っている ので、靴紐Ｓｔの部分から雨水が浸入するおそれは皆無である。また、鍔部材５ が少し硬質のものであっても、折曲可能な板材により形成したので、着装状態が 崩れることはない一方、歩行時の靴Ｓの曲がりに対しては、鍔部材５と筒状本体 １の接合部、又は、鍔部材５自体が追従して変形可能であるから、この鍔部材５ が歩行の障害になることはない。

【００１４】

【考案の効果】

本考案スパッツは以上の通りであって、靴用スパッツにおける筒状本体の下端 前方に帽子の庇状をなす鍔部材を設けたので、従来のスパッツのように靴紐の前 端側から雨水等が靴の内部に浸入することがなく、従って、登山靴やトレッキン グシュ−ズのような靴用スパッツとしてきわめて有用である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案スパッツの側面図。

【図２】図１のスパッツの着装状態を示す断面図。

【図３】従来スパッツの側面図。

【符号の説明】

１ 筒状本体 ２ ファスナ ３，４ ゴムベルト ５ 鍔部材 ６ 係止具 ７ 紐掛具 ８ 係止紐 Ｓ 靴 Ｓｔ 靴紐 Ｓｏ 靴底

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 防水性の柔軟シ−ト材を展開可能な略筒
   状をなす本体に形成したスパッツにおいて、前記筒状本
   体の下端前方側に、帽子の庇状をなす防水性の鍔部材を
   突設すると共に、前記鍔部材と筒状本体下端部との接合
   部乃至はその近傍の中央裏面に靴紐に係合するための係
   止具を設けたことを特徴とする靴用スパッツ。
2. 【請求項２】 鍔部材は折曲可能な硬さを持つ板材によ
   り形成した請求項１の靴用スパッツ。