JP3039324B2 - エネルギー回生システムの駆動力伝達装置 - Google Patents

エネルギー回生システムの駆動力伝達装置

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JP3039324B2
JP3039324B2 JP7151807A JP15180795A JP3039324B2 JP 3039324 B2 JP3039324 B2 JP 3039324B2 JP 7151807 A JP7151807 A JP 7151807A JP 15180795 A JP15180795 A JP 15180795A JP 3039324 B2 JP3039324 B2 JP 3039324B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の運動エネルギー
を車両制動時に取り込んで液圧を介して蓄積して回収
し、車両の発進加速時に蓄積したエネルギーを回転駆動
力として車輪駆動系に再生して同駆動系に補助駆動力を
与えるエネルギー回生システムの駆動力伝達装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の走行中のエネルギーを回収
し、発進、加速時などに回収したエネルギーを再生して
駆動系に補助駆動力を与えるエネルギー回生システムが
提案されている。このエネルギー回生システムは、プロ
ペラシャフトと連結したデフ等から延びる連結駆動軸の
回転を駆動力伝達装置を介してポンプ・モータに入力
し、同ポンプ・モータを駆動して入力された回転力を液
圧に換えてアキュムレータに蓄圧している。駆動力伝達
装置内には、ポンプ・モータの回転軸と一体の歯車と、
メインシャフトと一体回転する駆動歯車とを断接するク
ラッチ機構が設けられていて、車速が一定以上になる
と、クラッチ機構を切ってポンプモータが過回転しない
ようになっている。このクラッチ機構には、駆動側とポ
ンプ側とに対向して配置した歯部を直接噛合させるドッ
グクラッチや電磁クラッチ等が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、クラッチ
機構にドッグクラッチを用いた場合、駆動側とポンプ側
とが直接噛合するので、小型で高トルクを伝達でき装置
を小型化できるという利点があるが、歯部を噛合させる
ので走行中に一旦クラッチを切ってしまうと、クラッチ
歯車の回転が停止するか、あるいは非常に低回転になら
ないと再度クラッチ接状態とできない。すなわち、走行
中のクラッチの接断を自由に行なうことができないとい
う問題点がある。また、走行中の駆動系の回転を利用し
ようとする場合、常時クラッチを噛み合った状態とする
ので、ポンプ・モータによるエネルギー回生時以外の時
でも同ポンプ・モータの回転軸が回転して走行抵抗とな
ってしまうという問題点がある。一方、電磁クラッチの
場合、走行中でもクラッチを接断することができるが、
機構上最大伝達能力が小さいので、高トルクを伝達しよ
うとするとクラッチ径を大きくしなければならず装置の
大型化を招いてしまうという問題がある。また、接続時
のトルク変動によるショックが出易く走行フィーリング
が良くないという問題もある。本発明の目的は、高トル
クを伝達できると共に装置の大型化を抑え、走行中であ
ってもショックを少なくクラッチ機構の接断が可能な駆
動力伝達装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、走
行中の車両の運動エネルギーを制動時に回収するため液
圧を介して気体を蓄圧するエネルギー蓄積手段と、上記
車両の制動発進、加速時等に上記エネルギー蓄積手段を
制御する制御手段とを備え、上記車両の発進、加速時に
上記エネルギー蓄積手段により回収したエネルギーを再
生して車両の車輪駆動系に補助駆動力を与えるエネルギ
ー回生システムに用いる駆動力伝達装置を、上記車両の
車輪駆動系と一体的に連結されたメインシャフトと上記
エネルギー蓄積手段の回転軸との間に設けられ、上記エ
ネルギー回収時に駆動手段によって動作する摩擦クラッ
チと、同摩擦クラッチと一方が連結し他方が上記回転軸
と連結した流体継手とにより上記メインシャフトの回転
を同回転軸に断続的に伝達するクラッチ手段と、上記ク
ラッチ手段とエネルギー蓄積手段との間に設けられ、同
クラッチ手段からの回転を上記回転軸に同期して伝達す
ると共に、上記エネルギー蓄積手段からの出力を上記回
転軸から上記メインシャフトに直接伝達するシンクロ機
構付噛合手段と、上記シンクロ機構付噛合手段と係合し
ていて、上記クラッチ手段とエネルギー蓄積手段とを接
続する第1位置と、上記クラッチ手段とエネルギー蓄積
手段及びメインシャフトとを直接連結する第2位置とに
上記シンクロ機構付噛合手段を切替る切替機構とから主
に構成した。また、本発明では、摩擦クラッチが、上記
メインシャフトと一体回転可能に設けたクラッチディス
と、同メインシャフトに対して回転自在に支持された回
転プレートと、上記クラッチディスクを上記回転プレー
トに対して接離するクラッチリレーズとを備え、流体継
手は、上記回転プレートに固定された駆動隔壁と、同駆
動隔壁と粘性流体を介して対向配置された従動隔壁とを
備えている。
【0005】
【作用】本発明によると、エネルギー回収時となって駆
動手段が動作すると、クラッチ手段を構成するメインシ
ャフトと一体回転するクラッチディスクが、クラッチリ
レーズによって回転プレートと接触して摩擦クラッチが
つながる。摩擦クラッチがつながると、回転プレートに
固定された流体継手の一方である駆動隔壁が回転し、そ
の回転が粘性流体を介して流体継手の他方をなす従動隔
壁に伝達される。従動隔壁が回転すると、この回転がク
ラッチ手段とエネルギー蓄積手段の回転軸との間に設け
たシンクロ機構付噛合手段によって同期し噛合されて、
メインシャフトの駆動力が直接上記エネルギー蓄積手段
に伝達される。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。先ず、図6を用いたエネルギー回生システムについ
て説明する。符号1で示すエネルギー回生システムは、
車両の運動エネルギーを制動時に回収するため液圧を介
して気体を蓄圧し、車両の発進加速時等に回収したエネ
ルギーを再生して車輪駆動系に補助駆動力を与えるエネ
ルギー蓄積手段2と、車両の制動発進加速時にエネルギ
ー蓄積手段2を制御する制御手段3とから主に構成され
ている。エネルギー蓄積手段2は、車輪駆動系を構成す
るプロペラシャフト4を介してエンジン5と連結された
ディファレンシャルギア6から延びる連結駆動軸7の回
転を、駆動力伝達装置21を介して液圧のポンプ・モー
タ8に伝達している。
【0007】このポンプ・モータ8には、低圧油路9を
介して油液タンク10と、高圧油路11を介してポンプ
・モータ8で発生する油圧をを介して蓄圧するアキュム
レータ12が接続している。アキュムレータ12は、封
入された窒素ガスを内部に設けたピストン13に掛かる
油圧で圧縮するタイプのものが用いられていて、高圧油
路11との間に切替弁14を介装している。ポンプ・モ
ータ8は、斜板式アキシャルプランジャ型ポンプであっ
て、常にその回転軸8aが同一方向に回転する構成とな
っている。ポンプ・モータ8は、内部に設けた図示しな
い斜板の傾きが、図示しない油圧シリンダを有し、制御
手段3を構成するコントローラ15とつながる傾転角制
御装置16で操作される。傾転角制御装置16は、車両
の制動時にポンプとして作動し、発進及び加速時には、
モータとして作動するように斜板の向きを制御するよう
になっている。また、このポンプ・モータ8は、斜板の
傾きが回転軸8aに対して大きく傾くときに大きなトル
クを発生し、回転軸8aに対して斜板の傾きが0°の時
に最低トルクとなる。
【0008】切替弁14は、コントローラ15と電気的
に接続していて、通常及び制動時は、ポンプ・モータ8
からアキュムレータ12への作動油の流れのみを許容す
る位置となっていて、車両の発進時や加速時となると、
アキュムレータ12からポンプ・モータ8への作動油の
流れを許容するようになっている。
【0009】コントローラ15には、アクセルペダルの
踏込み量の信号を出力するアクセルセンサー17とプレ
ーキペダルの踏込み量の信号を出力するブレーキペダル
センサー18、ポンプ・モータ8の回転を検出するポン
プ回転センサー19とエンジン回転数を検出するNeセ
ンサー20、及びアキュムレータ12内の圧力を検出す
る圧力センサー55がそれぞれ接続している。コントロ
ーラ15は、これら各センサーの発する信号情報から、
車両の運転状態、すなわち、制動時や発進、加速時等を
判断し、その判断結果に応じて切替弁14と後述する駆
動力伝達装置21の切替機構及び駆動部とを制御するよ
うになっている。また、コントローラ15内には、ポン
プ・モータ8の許容回転数とアキュムレータ12内の最
低圧力及び許容圧力が設定されていて、ポンプ回転セン
サー19からの信号や圧力センサー55からの信号がこ
れら設定値となると切替機構や駆動部を制御してポンプ
・モータ8を作動させないようになっている。
【0010】駆動力伝達装置21は、図1に示すよう
に、連結駆動軸7と結合されたメインシャフト22、ク
ラッチ手段23とその駆動部24、シンクロ機構付噛合
手段25とその切替機構26とを備えている。
【0011】メインシャフト22は、ケース21a内に
回転自在に支持されている。メインシャフト22の入力
端22aには、フランジ27がスプライン結合されてい
て、フランジ27に連結駆動軸7のフランジ7aを結合
している。メインシャフト22の出力端22bには、回
転軸8aがスプライン嵌合したハブ29が軸受28を介
して同シャフト22に対して回転自在に支持されてい
る。このハブ29の外周には、入出力歯車29Aが一体
成形されると共に、スリット板30が固定されている。
入出力歯車29Aは、その外周に歯部29aが形成され
ていて、シンクロ機構付噛合手段25の一部を構成す
る。スリット板30と対向するケース21aには、ポン
プ回転センサー19が装着されており、ハブ29と一体
回転するスリット板30の回転を検出して、ポンプ・モ
ータ8の回転を検出している。
【0012】クラッチ手段23は、摩擦クラッチ31
と、流体継手32とから構成されている。摩擦クラッチ
31は、メインシャフト23と一体回転可能に設けたク
ラッチディスク33と、メインシャフト23に対して回
転自在に支持された回転プレート34と、クラッチディ
スク33を回転プレート34に対して接離するクラッチ
リレーズ35から構成されている。
【0013】クラッチディスク33は、図2に示すよう
に、その中心側33aをメインシャフト22の外周上に
摺動自在に支持されていて、外周側33bに摩擦部材3
3cが設けられている。外周側33bには、回転プレー
ト34に固定されたクラッチケース33dに設けたピン
33eで揺動自在に支持されたプレート37の一端37
aが、クッション部33fを介して接触している。この
プレート37の多端37bには、ケース21aに摺動自
在に支持され、円周状に配置された複数のクラッチスプ
リング35Bによってプレート37側に付勢されたクラ
ッチピストン35Aの内周先端35Aaが圧接してい
る。クラッチディスク33は、この圧接により通常、回
転プレート34から離間した位置に置かれている。
【0014】クラッチピストン35Aとケース21aと
の間には、環状の空気室35Dが形成されている。この
空気室35Dには、空気供給ノズル38が接続してい
て、空気室35Dに空気が供給されるとクラッチスプリ
ング35Bのバネ力に抗してクラッチピストン35Aが
摺動され、クラッチディスク33が回転プレート34に
接触するようになっている。
【0015】駆動部24は、摩擦クラッチ31を断続的
に接断させるもので、図1に示すように、空気供給ノズ
ル38に高圧空気を供給する高圧エアタンク40と、高
圧エアタンク40と空気供給ノズル38とをつなぐ高圧
路41に設けた電磁弁42から構成されている。電磁弁
42は、コントローラ15と接続した三方弁であって、
コントローラ15からのオン信号により空気室35Dに
空気を供給し、オフ状態となると高圧路41を閉じると
共に空気室35Dを大気開放するようになっている。
【0016】流体継手32は、回転プレート34に固定
された駆動隔壁32Aと、駆動隔壁32Aと粘性流体と
してのオイル36を介して対向配置された従動隔壁32
Bとを備えている。駆動隔壁32Aは、その一方32A
aを回転プレート34に嵌合し、他方32Abをケース
21a及びメインシャフト22に対して回転自在に支持
されている。従動隔壁32Bは、そのスリーブ32Ba
が軸方向に延出していて、メインシャフト22及び駆動
隔壁32Aに対して回転自在に支持されている。駆動隔
壁32A及び従動隔壁32B内には、オイル36が封入
されていて、駆動隔壁32Aが回転するとオイル36を
介してその回転が従動隔壁32Bに伝達されるようにな
っている。従動隔壁32Bのスリーブ32Baには、駆
動歯車43が一体回転可能に支持されている。この駆動
歯車43は、入出力歯車29Aと対向配置されており、
その外周に歯部43aを形成されている。
【0017】シンクロ機構付噛合手段25は、図1に示
すように、クラッチ手段23を構成する流体継手32と
エネルギー蓄積手段を構成するポンプ・モータの回転軸
8aとの間に設けられている。シンクロ機構付噛合手段
25は、図3に示すように、入出力歯車29Aの歯部2
9aと駆動歯車43の歯部43aに軸方向に摺動自在に
噛合したシンクロスリーブ44、入出力歯車29Aと駆
動歯車43との間に位置するクラッチ歯車45、入出力
歯車29A上の一部に配置されたシンクロキー47及び
シンクロリング48から構成される。
【0018】シンクロスリーブ44は、その内側中央に
凹部44aが形成されていて、クラッチ歯車45を逃げ
ている。凹部44aの両側には、内周歯44b,44c
が形成されていて、通常、歯部29aと歯部44aとに
噛合している。内周歯44cには、シンクロキー47の
突部47aを挿嵌する溝44dが形成されている。シン
クロスリーブ44の外周面には、リング溝44eが形成
されている。
【0019】クラッチギア45は、メインシャフト22
上にスプライン結合されて同シャフト22と一体回転可
能に支持されている。クラッチギア45の外周には、歯
部45aが形成されている。クラッチギア45には、入
出力歯車29Aに向かって下がる向きに突出した傾斜面
45Aが形成されている。
【0020】シンクロリング48は、クラッチギア45
と入出力歯車29Aの間に配置されている。シンクロリ
ング48には、傾斜面45Aと対応する傾斜面48Aが
形成されており、傾斜面45Aとシンクロスリーブ44
に対して通常フリー状態となっている。シンクロリング
48の外周には、内周歯44cと噛合する歯部48aが
形成されている。シンクロキー47は、入出力歯車29
の開口29b内に配置され、リングバネ46によってシ
ンクロスリーブ44の内周面44aに付勢されており、
スリーブ44と一体回転可能であると共に、シンクロリ
ング48に接触可能な部位に配置されている。すなわ
ち、シンクロ機構付噛合手段25は、流体継手32から
の回転を回転軸8aに同期して伝達すると共に、再生時
における回転軸8aの出力回転をクラッチギア45を介
してメインシャフト22に直接伝達するようになってい
る。
【0021】切替機構26は、図1に示すように、ケー
ス21a内に摺動自在に支持されたシフトロッド26A
に固定されたセレクトレバー26Bと、シフトロッド2
6Aを駆動するピストン50が内蔵されたエアシリンダ
ー49及び高圧エアタンク40からエアシリンダー49
に空気を供給する高圧路51,52に設けた電磁53,
54とを備える。セレクトレバー26Bは、リング状を
していて図2,図3に示すように、スリーブ44の溝4
4eに係合している。ピストン50は、シフトロッド2
6Aの一端に固定されていて、エアシリンダー49内を
右室49Aと左室49Bとに分割している。高圧路51
は左室49Bに接続し、高圧路52は右室49Aに接続
している。
【0022】電磁弁53,54は、コントローラ15と
接続した三方弁であって、コントローラ15からのオン
信号により左室49Bと右室49Aに空気を供給し、オ
フ状態となると高圧路51,52を閉じると共に左室4
9Bと右室49Aとを大気開放するようになっている。
【0023】セレクトレバー26Bは、スリーブ44を
入出力歯車29と駆動歯車43とに噛合する第1位置
と、スリーブ44を入出力歯車29と駆動歯車43及び
クラッチギア45とシンクロリング48とに噛合する第
2位置とにおかれるようにコントローラ15によって選
択的に制御され、通常、第1位置におかれている。
【0024】このような構成の動力伝達装置21の動作
を説明する。車両が走行中であると、連結駆動軸7と一
体のメインシャフト22が回転駆動して、クラッチディ
スク33とクラッチ歯車45が一体回転状態となる。こ
の時、クラッチディスク33は回転プレート34と離間
した状態であり、クラッチ歯車45にもスリーブ44が
噛合していないので、メインシャフト22の回転は、ポ
ンプ・モータ8の回転軸8aには伝達されない。
【0025】アクセルセンサー17とブレーキペダルセ
ンサー18からの信号により車両が制動時と判断される
と、電磁弁42が作動してエアタンク40から高圧空気
が空気室35Dに供給される。すると、図2に示すよう
に、ピストン35Aが実線位置から2点鎖線で示す位置
まで移動してプレート37が揺動され、クラッチディス
ク33が回転プレート34に接触し、回転プレート34
と駆動隔壁32Aが一体回転する。駆動隔壁32Aの回
転は、オイル36を介して従動隔壁36Bに徐々に伝達
されて駆動歯車43を回転させる。駆動歯車43の回転
は、図3に示すように、その歯部43aからクラッチス
リーブ44を介して入出力歯車29Aに徐々に伝達さ
れ、ハブ29に嵌合した回転軸8aとスリット板30が
回転する。この時の回転軸8aの変化を図7に示す。最
初、摩擦クラッチ31が接となって流体継手32がつな
がることで、回転軸8aの回転はスムーズに上昇してい
く。
【0026】回転軸8aの回転は、図1に示すスリット
板30とポンプ回転センサー19によってコントローラ
15に送られて、Neセンサー20から入力される駆動
系の回転に相当するエンジン回転数を比較される。そし
て、回転軸8aとエンジン駆動側の回転がある程度近く
なると、コントローラ15により電磁弁54がオフされ
て右室49Aが大気開放すると共に、電磁弁53をオン
してエアタンク40から左室49Bに高圧空気が供給さ
れる。すると、ピストン50と一緒にシフトロッド26
Aが摺動して、シンクロスリーブ44が、図4に実線で
示す第1位置から2点鎖線で示す第2位置に移動する。
シンクロスリーブ44が移動すると、シンクロキー47
も一緒に移動して、その進行端面47bがシンクロリン
グ48を押す。この動作によりシンクロリング48の傾
斜面48Aがクラッチ歯車45の傾斜面45Aと摩擦係
合して入出力歯車29とメインシャフト22と一体回転
するクラッチ歯車45との一時同期がなされる。この同
期作用によって入出力歯車29の回転がクラッチ歯車4
5の回転に近ずく。そして、更にシンクロスリーブ44
が移動すると、シンクロスリーブ44がシンクロキー4
7を乗り越えて、その内周歯44cがシンクロリング4
8の歯部48aとクラッチ歯車45の歯部45aとに噛
合する。これによりクラッチ歯車45と入出力歯車29
が直結され、図7に示す示すように、回転軸8aの回転
がシンクロ機構付噛合手段25が作用する前に比べてΔ
N分高くなる。
【0027】つまり、シンクロ機構付噛合手段25が作
用する前の連結駆動軸7の回転力は、メインシャフト2
2からクラッチ手段23を構成する摩擦クラッチ31と
流体継手32とを介して伝達されるので、流体継手32
による損失によりデフ側の回転に対してロスがでる。そ
こで、メインシャフト22(デフ側)の回転が、ある程
度回転軸8aに伝わったところでシンクロ機構付噛合手
段25を用いてメインシャフト22と一体のクラッチ歯
車45と回転軸8aと一体の入出力歯車29Aとを直結
する。このことにより、デフ側の回転がダイレクトに回
転軸8a側に入力され、回転軸8aの回転がΔN分高く
なることになる。
【0028】このように、入力側における流体継手32
の前に摩擦クラッチ31を設けているので、常時メイン
シャフト22と流体継手32を接続状態にしなくて済
み、回転軸8aのつれ回りを防止でき、走行中における
駆動力のロスを低減できる。また、流体継手32を設け
ることで、連結駆動軸7から入力される回転力が、緩衝
されながら回転軸8a側に伝達されるので、伝達ショッ
クが少なくなる。さらに、流体継手32と回転軸8aと
の間にシンクロ機構付噛合手段25を設けてメインシャ
フト22と回転軸8aとを直結状態とするので、流体継
手32等で損失する駆動力がシンクロ機構付噛合手段2
5から直接入力される。なお、電磁弁42は、電磁弁5
4がオフ状態となると同じにオフされ、クラッチディス
ク33は、回転プレート34から離間されて、摩擦クラ
ッチ31が切られ、クラッチ手段23を介して回転軸8
a側への入力系統が切り離される。
【0029】回転軸8aでの回収駆動力が大きくアキャ
ムレータ12内圧が高くなり、圧力センサー55から信
号がコントローラ15に設定された圧力となったり、あ
るいは、車速が上がってスリット板30の回転が速くな
ってポンプ回転センサー19からの信号がコントローラ
15に設定された許容回転数となると、電磁弁54がオ
ンされる。すると、シフトロッド26Aが摺動してシン
クロスリーブ44が、図4に破線で示す第2位置から実
線で示す第1位置に移動して、入出力歯車29Aとクラ
ッチ歯車45との直結が解かれ、回転軸8aへの駆動伝
達が解除される。従って、ポンプ・モータ8の過回転に
よる破損の防止、およびポンプ・モータ8不要時の切離
しが行なわれ、耐久性が向上する。
【0030】図6に示すポンプ・モータ8は、コントロ
ーラ15が制動時と判断した時点でポンプ機能に切替ら
れる。すると、回転軸8aの回転により作動油タンク1
0の作動油が加圧されてアキュムレータ12内に供給さ
れ、制動時の回転エネルギーが回転軸8aから供給され
て液圧を介して蓄積されることになる。
【0031】一方、車両の発進、加速時となると、コン
トローラ15によりポンプ・モータ8がモータ機能に切
替られ、かつ、切替弁14が切替られる。すると、アキ
ュムレータ12内に蓄積された圧力により作動油が、同
アキュムレータ12からポンプ・モータ8に向かって流
れ回転軸8aが回転する。この時、回転軸8aと一体の
入出力歯車29Aは、図7に示すように、シンクロスリ
ーブ44によってクラッチ歯車45の歯部45aと直結
されているので、回転軸8aの回転はクラッチ歯車45
を介して、図3に示すメインシャフト22に伝達され、
再生エネルギーとしてエンジン駆動側の補助駆動力とし
て使用される。
【0032】アキュムレータ12内の圧力がコントロー
ラ15に設定した最低圧力となると、電磁弁54がオン
される。すると、シフトロッド26Aが摺動してシンク
ロスリーブ44が、第2位置から第1位置に移動して、
入出力歯車29Aとクラッチ歯車45の直結が解かれ、
回転軸8aへの駆動伝達が解除される。従って、メイン
シャフト22の回転による回転軸8aのつれ回りが防止
され、駆動力の低下が低減され、ポンプ・モータ8の耐
久性が向上する。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、車両駆動系の回転駆動
力を摩擦クラッチ及び流体継手から構成されるクラッチ
手段を介してエネルギー蓄積手段の回転軸に伝達するの
で、走行中にクラッチを接続しても流体継手により駆動
系の回転駆動力が緩衝されて回転軸に伝達され、走行中
におけるクラッチ切替動作をショックを少なく行なえ
る。また、流体継手の前に摩擦クラッチを配置している
ので、常時、車両駆動系とエネルギー蓄積手段の回転軸
とを連結状態にしなくて済むと共にクラッチ接断を素速
くでき、走行中の素速いクラッチ切替動作が可能とな
る。よって、ドライバビリティーを損なうことなく、装
置の耐久性及び燃費が向上できる。
【0034】本発明によれば、クラッチ手段とエネルギ
ー蓄積手段と間に設けたシンクロ機構付噛合手段によ
り、クラッチ手段と回転軸とを一体化すると共に、車輪
駆動系と一体的に連結されたメインシャフトと上記記回
転軸とを直結させるので、電磁クラッチ等と比べて車輪
駆動系からの回転駆動力をロスなく回転軸に伝達できる
と共に、高い駆動力に対応することができる。さらに、
車輪駆動系からの回転駆動力を流体継手を含むクラッチ
手段とシンクロ機構付噛合手段の双方で、エネルギー蓄
積手段の回転軸に伝達するので、電磁クラッチ式を用い
て同一回転駆動力を伝達する場合よりも、装置の小型化
につながる。このことは、車両搭載性の向上と共に重量
低減にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すエネルギー回生システム
の駆動力伝達装置の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の要部であるクラッチ手段とシンクロ機
構付噛合手段の概略構成を示す断面図である。
【図3】シンクロ機構付噛合手段の構成を示す拡大断面
図である。
【図4】エネルギー回収時におけるシンクロ機構付噛合
手段の動作を示す拡大断面図である。
【図5】シンクロ機構付噛合手段によるクラッチ手段と
エネルギー蓄積手段及び駆動側との連結状態を示す拡大
図である。
【図6】本発明で用いたエネルギー回生システムの一例
を示す概略構成図である。
【図7】本発明による回転駆動側の伝達特性を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 エネルギー回生システム 2 エネルギー蓄積手段 7 車輪駆動系(連結駆動軸) 8a 回転軸 15 制御手段 21 駆動力伝達装置 22 メインシャフト 23 クラッチ手段 24 駆動手段 25 シンクロ機構付噛合手段 26 切替機構 31 摩擦クラッチ 32 流体継手 32A 駆動隔壁 32B 従動隔壁 33 クラッチディスク 34 回転プレート 35 クラッチリレーズ 36 粘性流体

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行中の車両の運動エネルギーを制動時に
    回収するため液圧を介して気体を蓄圧するエネルギー蓄
    積手段と、上記車両の制動発進、加速時等に上記エネル
    ギー蓄積手段を制御する制御手段とを備え、上記車両の
    発進、加速時に上記エネルギー蓄積手段により回収した
    エネルギーを再生して車両の車輪駆動系に補助駆動力を
    与えるエネルギー回生システムに用いる駆動力伝達装置
    であって、 上記車両の車輪駆動系と一体的に連結されたメインシャ
    フトと上記エネルギー蓄積手段の回転軸との間に設けら
    れ、上記エネルギー回収時に駆動手段によって動作する
    摩擦クラッチと、同摩擦クラッチと一方が連結し、他方
    が上記回転軸と連結した流体継手とにより上記メインシ
    ャフトの回転を同回転軸に断続的に伝達するクラッチ手
    段と、 上記クラッチ手段とエネルギー蓄積手段との間に設けら
    れ、同クラッチ手段からの回転を上記回転軸に同期して
    伝達すると共に、上記エネルギー蓄積手段からの出力を
    上記回転軸から上記メインシャフトに直接伝達するシン
    クロ機構付噛合手段と、 上記シンクロ機構付噛合手段と係合していて、上記クラ
    ッチ手段とエネルギー蓄積手段とを接続する第1位置
    と、上記クラッチ手段とエネルギー蓄積手段及びメイン
    シャフトとを直接連結する第2位置とに上記シンクロ機
    構付噛合手段を切替る切替機構とを備えるエネルギー回
    生システムの駆動力伝達装置。
  2. 【請求項2】上記摩擦クラッチが、上記メインシャフト
    と一体回転可能に設けたクラッチディスクと、上記メイ
    ンシャフトに対して回転自在に支持された回転プレート
    と、上記クラッチディスクを上記回転プレートに対して
    接離するクラッチリレーズとを備え、 上記流体継手が、上記回転プレートに固定された駆動隔
    壁と、上記駆動隔壁と粘性流体を介して対向配置された
    従動隔壁とを備えたことを特徴とする請求項1記載のエ
    ネルギー回生システムの駆動力伝達装置。
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