JP3039122B2 - 無線選択呼出受信機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は無線選択呼出受信機に関
し、特に電池電圧の低下を検出して警報を発するように
した無線選択呼出受信機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の受信機は、電池電圧が低
下して受信機が動作不能となることを未然に防止するた
めに、電池電圧が予め設定された電圧よりも低くなった
低電圧状態を検出する低電圧検出手段と、低電圧状態に
なった時に警報を発する低電圧警報報知手段とを備え、
電池電圧が低下したときに警報を発するように構成され
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように従来の受信
機では、電池電圧が所定の値よりも低下した時に警報を
発しているが、一般には警報を発した後もある程度の間
は受信機が動作するように設計されているため、警報が
発せられた時期を受信機使用者が記憶していないと、電
池交換を行う前に電池容量が無くなってしまい、受信不
能状態を生じるおそれがある。このため、従来では警報
が発せられた時に直ちに電池を交換しているが、これで
は電池の余った容量を無駄にすることとなり、受信機の
ランニングコストの上昇は言うまでもなく、近年の省資
源，省エネルギ，環境保全傾向に反することとなる。

【０００４】又、他の対策として低電圧検出のための基
準電圧を現在の値よりも低く設定して電池の余り容量が
少なくなるようにすることが考えられるが、この対策で
は受信機による消費電流のバイツキや、使用する電池の
容量変化のバラツキ等によって、低電圧の警報を発する
前に電池寿命が尽きてしまうことが起こり易く、好まし
い対策ではない。更に、従来の受信機には低電圧警報を
報知した後リセットして警報を停止させても、すぐにま
た低電圧警報を報知し始めるものもあり、電池の無駄使
いとなる。

【０００５】これらの種々の課題を解決するために、低
電圧検出のための基準電圧を２段階設けておき、電池電
圧が第１の基準電圧よりも低くなった時に第１の低電圧
警報を報知し、その後電池電圧が予め第１の基準電圧よ
りも低く設定された第２の基準電圧よりも低くなった時
に第２の低電圧警報を報知して、受信機使用者にタイミ
ングの良い電池交換を促す方法も考えられる。しかしな
がら、通常の電池では図９に示すように受信機及び電池
の特性バラツキにより、第１の低電圧警報報知後の受信
報知鳴音時、即ち電池容量が残り少なくなった時点での
鳴音によって生じる電圧降下にバラツキが現れる。この
電池容量の少なくなった時の鳴音時電圧降下のバラツキ
は、電池の内部抵抗変化量のバラツキによって生じるも
のであり、例え同種類の電池を使用したとしても電池間
のバラツキがあるため電圧降下もばらつく。このため、
同図の（ａ）と（ｂ）のように第２の低電圧警報を報知
する時間が異なり、一律に第２の基準電圧を同一設定で
きないという問題がある。本発明の目的は、電池の交換
を適切に行うことを可能とし、受信機の受信不能を未然
に防止するとともに、電池の有効利用を図ることを可能
とした無線選択呼出受信機を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、電池電圧が予
め設定された基準電圧よりも低下した状態を検出する低
電圧検出手段と、この低電圧検出手段から送出される低
電圧検出信号を受けて第１の警報を報知する第１の警報
報知手段と、第１の警報を報知した時点から現在までの
経過時間を表示器に表示する低電圧経過時間表示手段と
を備える。又、、第１の警報を報知した時点から現在ま
での経過時間が予め設定した時間を超えたときに第２の
警報を報知する第２の警報報知手段とを備える。

【０００７】

【作用】本発明によれば、低電圧状態の第１の警報を発
した時点から現在までの経過時間が表示器に表示される
ため、この経過時間を参照することで最適な時期に電池
交換を行うことができる。又、電池交換を怠った場合に
は、第２の警報により電池交換が喚起され、受信不能を
未然に防止する。

【０００８】

【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。図１は本発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。送信機から送られてきた送信信号はアンテナ１を
介して無線部２に供給され復調処理される。無線部２は
電池１０から電池電圧ａの供給を受けて動作している。
前記無線部２で復調された信号はロジック部３において
解読され、受信機に与えられた個別識別信号と一致した
場合、鳴音，発光または振動等の報知手段４により、使
用者に呼出があったことを知らせる。同時にメッセージ
が送られていれば表示器５に表示を行い、さらにロジッ
ク部３の内蔵ＲＡＭに内容を記憶する。使用者はスイッ
チ８又はスイッチ９を押すことによりいつでもメッセー
ジ内容を読み出すことができる。尚、スイッチ８を押す
と古いメッセージから新しいメッセージの順に読み出す
ことができ、スイッチ９を押すと新しいメッセージから
古いメッセージの順に読み出すことができる。１１はロ
ジック部３へ所要電圧を供給するための昇圧部である。

【０００９】前記低電圧検出部６は電池電圧ａを常時監
視しており、電池電圧ａが予め設定された電圧に比し低
くなった時に低電圧検出信号ｄをロジック部３に送出す
る。ロジック部３は、詳細を後述するように、電源スイ
ッチ投入後、最初にこの低電圧検出信号ｄを受けると、
予め決められたパターンで低電圧警報を発生する第１の
低電圧警報報知手段と、最初に低電圧警報を発生してか
ら、予め受信器使用者が設定した基準時間が経過した
後、始めの低電圧警報とは別のパターンや音程，音量で
警報を発生する第２の低電圧警報手段を有している。

【００１０】図２は低電圧検出部６の内部の構成を示す
ブロック図である。電池電圧ａは基準電圧発生回路２０
１に供給され、基準電圧発生回路２０１は基準電圧ｂを
発生する。この基準電圧ｂは電池電圧ａと共に比較回路
２０２に供給される。比較回路２０２では電池電圧ａと
基準電圧ｂとを比較し、図３に示すように電池電圧ａが
基準電圧ｂよりも高い時は、出力信号ｃは高論理レベル
“Ｈ”となり、また電池電圧ａが基準電圧ｂよりも低く
なると、出力信号ｃは低論理レベル“Ｌ”となる。この
出力信号ｃは低電圧検出発生回路２０３に入力され、低
電圧信号発生回路２０３では、出力信号ｃが“Ｈ”の場
合は信号を発生せず、出力信号ｃが“Ｌ”になると低電
圧検出信号ｄを発生する。同図では、電源スイッチ投入
から時間Ｔが経過した時に電池電圧ａが基準電圧ｂより
も低くなって低電圧検出信号ｄを発生する例を示してい
る。

【００１１】図４は前記ロジック部３の内部構成を示す
ブロック図である。デコーダ４０１は無線部２から入力
された個別識別信号と、予めＲＯＭ４０２に格納されて
いる個別識別信号とを比較し、両者が一致した場合にＣ
ＰＵ４０３へ着信信号を送出する。ＣＰＵ４０３は着信
信号を受けると、着信報知信号発生回路４０５に対して
着信報知信号を発生するように命令を出す。その結果、
着信報知信号発生回路４０５は報知手段４に対して着信
報知信号を送出する。更に、無線部２から入力された個
別識別信号の後にメッセージ信号が続いていれば、デコ
ーダ４０１はメッセージ信号をＣＰＵ４０３へ転送し、
ＣＰＵ４０３ではメッセージ信号を文字フォント信号に
変換して表示器５へ送出し表示する。同時にＣＰＵ４０
３はメッセージ信号をＲＡＭ４０４に格納する。

【００１２】前記ＣＰＵ４０３は３つのスイッチ、すな
わちスイッチ７，８，９の状態を常にモニターしてお
り、各々のスイッチが押されたという状態は、ＣＰＵ４
０３への各々のスイッチ入力端子の論理が“Ｈ”から
“Ｌ”に変化することにより検出している。また、ＣＰ
Ｕ４０３には低電圧検出部６から低電圧検出信号ｄを受
けると予め決められた第１のパターンで低電圧警報報知
信号を発生する第１低電圧警報報知信号発生回路４０６
と、最初に低電圧警報を発生してから、予め受信機使用
者がスイッチ操作により設定した基準時間が経過した
後、初めの低電圧警報とは別の第２のパターンで警報を
発生する第２低電圧警報報知信号発生回路４０７を接続
している。

【００１３】図５は図１の受信機の外観図を示してお
り、携帯して用いる筐体５０１の一部に表示器５を取り
付け、受信したデータを表示して使用者に各種の情報を
提供するようにしている。電源スイッチ５０２は本受信
機の電源スイッチである。スイッチ７はメニュースイッ
チであり、多数のメッセージを受信してメモリが満杯に
なっても、選択したメッセージは消去しないプロテクト
機能や、選択したメッセージをメモリから消去するデリ
ート機能や、第１の低電圧警報が発生してからの経過時
間を表示する低電圧状態経過時間表示機能や受信機内部
に有する時計を調整する時計調整機能や、第１の低電圧
警報が発生してから第２の低電圧警報を発生するまでの
時間を設定する低電圧警報時間設定機能等の種々の機能
を設定するメニューモードに入るためのスイッチであ
る。

【００１４】又、スイッチ８は通常メモリされている一
番古いメッセージから新しいメッセージの順に読み出す
ためのスイッチであるが、メニューモードに入ると本ス
イッチは、後述のスイッチ９で選択された機能を決定す
るためのスイッチとなる。更に、スイッチ９は通常はメ
モリされている一番新しいメッセージから古いメッセー
ジの順に読み出すためのスイッチであるが、メニューモ
ードに入ると本スイッチは各種機能を選択するためのス
イッチとなる。

【００１５】このように構成された受信機の表示例を図
６に示す。図６（ａ）は現時刻を表示している状態、図
６（ｂ）はメッセージ表示中にメッセージ受信時刻を表
示している状態である。又、図７（ａ）はスイッチ７を
押してメニューモードに入った直後の状態、図７（ｂ）
はメニューモード内でスイッチ９を２回押して低電圧状
態経過時間表示機能を選択した状態、図７（ｃ）は
（ｂ）の状態からスイッチ８を押して低電圧状態経過時
間表示機能を動作させ、低電圧警報が出始めてからの経
過時間（１時間１５分）、及び低電圧状態であることを
示す“ＬＯＷ ＶＯＬＴＡＧＥ”というメッセージが表
示されている状態である。図７（ｄ）はメニューモード
内で第１の低電圧警報が発生してから第２の低電圧警報
を発生するまでの時間を設定する低電圧警報時間設定機
能を動作させた時の状態であり、本例では１０時間と設
定した状態を示している。尚、スイッチ８及び９を押し
て低電圧警報時間を設定する。

【００１６】次に、電源スイッチを投入してからの受信
機の動作を図８のフローチャートを参照して説明する。
無線部２内の低電圧検出部６は常時電池電圧を監視して
おり（ステップ８０１：以下ステップ番号のみを記
す）、この電圧が予め設定された基準電圧よりも低くな
った時、低電圧検出部６はロジック部３へ低電圧検出信
号ｄを送出する（８０２）。そして、ロジック部３は、
この低電圧検出信号ｄが電源スイッチ投入後、初めての
ものか否かを判断し（８０３）、その結果初めての信号
である場合は第１の低電圧警報を報知し、低電圧状態に
なっている時間をカウントするための低電圧タイマをリ
セットする（８０４）。

【００１７】その後、ロジック部３は、低電圧状態経過
時間表示機能が選択されたか否かを監視しており（８０
５）、この機能が選択され決定された場合は表示器５に
低電圧タイマの内容、即ち低電圧経過時間を表示する
（８０６）。もし、ステップ８０３における判断の結
果、低電圧検出部６から受けた低電圧検出信号ｄが電池
接続後初めての信号でない場合は、低電圧タイマはリセ
ットせずにステップ８０５に移る。

【００１８】更に、ロジック部３は、低電圧タイマの内
容と予めロジック部３に含まれるＣＰＵ４０３内の内部
メモリに記憶、設定されている基準時間とを比較し（８
０７）、その結果、低電圧タイマの値のほうが大きい場
合、即ちタイムアウトした場合は第２の低電圧警報を報
知する（８０８）。尚、この基準時間は前述のように受
信機使用者がメニューモード内の低電圧警報時間設定機
能を動作させることにより、設定又は変更することが可
能である。又、第２の低電圧警報の鳴音パターン、音
程、音量を第１の低電圧警報の鳴音とは変えて報知すれ
ば、両警報を容易に判別することができ、より使い勝手
が向上する。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、電池電圧
が予め設定された基準電圧よりも低下したときに第１の
警報を報知し、かつ第１の警報を報知した時点から現在
までの経過時間を表示器に表示するので、経過時間を参
照することで使用者は適切な時期に電池を交換すること
ができる。又、第１の警報を報知した時点から現在まで
の経過時間が予め設定した時間を超えたときに第２の警
報を報知するので、電池交換を忘れることが少なくな
り、電池切れによる受信不能を防止することができる。
これにより、受信不能を未然に防止することができると
ともに、電気の無駄使いを大幅に減らすことができる効
果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の無線選択呼出受信機の一実施例のブロ
ック図である。

【図２】低電圧検出部の内部ブロック図である。

【図３】低電圧検出信号を発生するタイミングを説明す
るためのグラフである。

【図４】ロジック部の内部のブロック図である。

【図５】本発明の無線選択呼出受信機の一実施例の外観
図である。

【図６】表示の一例を示す図である。

【図７】表示の他の例を示す図である。

【図８】本発明の動作を説明するためのフローチャート
である。

【図９】基準電圧を２段階に設けた際の不具合を説明す
るための電圧降下を示す図である。

【符号の説明】

１ アンテナ ２ 無線部 ３
ロジック部 ４ 報知手段 ５ 表示器 ６
低電圧検出部 １０ 電池 １１ 昇圧部 ２０１ 基準電圧発生回路 ２０２ 比
較回路 ２０３ 低電圧検出信号発生回路 ４０１ デコーダ ４０２ ＲＯＭ ４
０３ ＣＰＵ ４０４ ＲＡＭ ４０５ 着信報知信号発生回
路 ４０６ 第１低電圧警報報知信号発生回路 ４０７ 第２低電圧警報報知信号発生回路 ５０２ 電源スイッチ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電池を電源とし、メッセージ等を表示す
   る表示器を備えた無線選択呼出受信機において、前記電
   池の電圧が予め設定された基準電圧よりも低下した状態
   を検出する低電圧検出手段と、この低電圧検出手段から
   送出される低電圧検出信号を受けて第１の警報を報知す
   る第１の警報報知手段と、前記第１の警報を報知した時
   点から現在までの経過時間を表示器に表示する低電圧経
   過時間表示手段と、前記第１の警報を報知した時点から
   現在までの経過時間が予め設定した時間を超えたときに
   第２の警報を報知する第２の警報報知手段とを備えるこ
   とを特徴とする無線選択呼出受信機。