JP3038978U - 紙幣処理装置の保護カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】機器筐体の一部が破壊されても、紙幣処理装置
の紙幣収納部が容易に破壊されることのない紙幣処理装
置の保護カバーを提供する。 【解決手段】自動販売機１等の機器筐体２の裏面に少な
くとも紙幣処理装置１０の紙幣収納部１６を覆う保護カ
バー３０を配設するようにしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は自動販売機等の機器筐体内に装着され、投入された紙幣の真偽を判 別するとともに、真券とみなされた紙幣を収納する紙幣処理装置に関し、特にこ の紙幣処理装置の損傷を防ぐ保護カバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に自動販売機等の機器筐体内には、紙幣投入口から投入された紙幣の真偽 を判別するとともに、真券とみなされた紙幣を紙幣収納部内に収納し、偽券とみ なされた紙幣を返却する紙幣処理装置が装着されている。

【０００３】 図６は後述する紙幣処理装置を装着した自動販売機１の概念斜視図である。

【０００４】 この自動販売機１は、販売対象の商品を収納した機器筐体２と、この機器筐体 ２の正面を開閉自在に覆う機械的強度の強い扉３とから構成され、この扉３上部 には販売対象商品の展示部４が形成され、この展示部４には複数種の商品のサン プル５が展示されている。

【０００５】 一方、この扉３の表面３ａには、後述する紙幣処理装置の紙幣投入口６の他に 、これも後述する硬貨処理装置の硬貨投入口７、および扉３を機器筐体２にロッ クする図示せぬロック装置の開閉ノブ８等が配設されている。なお図６で符号９ は釣銭硬貨返却口である。

【０００６】 なお、上述した自動販売機１では、商品の購入者に対し、そのサンプル５を一 層明瞭に認識させるため、展示部４を扉３に形成した大きな孔４ａから形成し、 この孔４ａの表裏面を合成樹脂等で形成された保護カバー（図示せず）で覆い、 その間にサンプル５を展示するようにしている。

【０００７】 一方、扉３の裏面３ｂには、その要部破断拡大図で示す図７ように、展示部４ の孔４ａに隣接して紙幣処理装置１０が配設され、またこの紙幣処理装置１０に 隣接して硬貨処理装置１１が装着されている。

【０００８】 なお、この硬貨処理装置１１は硬貨投入口７（図６）から投入された硬貨の正 偽と正貨の金種とを判別するとともに、正貨を金種毎に格別の硬貨収容部へ収容 し、また釣り銭の額に応じた金種の硬貨をその硬貨収容部から硬貨払出口９（図 ６）へ払い出すものである。

【０００９】 一方、展示部４の孔４ａに隣接して配設された紙幣処理装置１０は、図７のＡ Ａ断面図で示す図８のように、全体が逆Ｌ字形に形成され、その上方には前述し た紙幣挿入口６を有する紙幣真偽判別部１２が配設され、その背面には真券とみ なされた紙幣を積載収容する紙幣収納部１３が形成されている。

【００１０】 この紙幣収納部１３は、紙幣処理装置１０の機器本体１４に対し軸１５を中心 に開閉自在に支承された断面コの字形状の枠体１６から構成されており、この枠 体１６内に収容された紙幣を回収する場合は、図８で示すように、軸１５を中心 に枠体１６を反時計方向へ回転させ、その後、この枠体１６の開放された上部か ら収納紙幣を抜き取って回収するようにしている。

【００１１】 一方、上述した紙幣処理装置１０を扉３の裏面３ｂに装着するには、図８で示 すように、扉３の裏面３ｂに複数のボス部１７を立設するとともに、この各ボス 部１７に対し、図７で示すように、機器本体１４の上下に形成された各取付孔１ ４ａ、１４ｂを介して取り付けネジ１９を螺合させ、これにより紙幣処理装置１ ０を扉３の裏面３ｂに装着するようにしている。

【００１２】 なお、図８で符号２０は、扉３の背面を覆う裏蓋である。

【００１３】

【考案が解決しようとする課題】 ところで上述した紙幣処理装置１０は、その紙幣収納部１３が扉３の裏面３ｂ 側に露出した状態で装着されているため、万が一、いたずら等により扉３の機械 的強度が弱い部分、例えば図７で示す紙幣処理装置１０が装着された部分に近い 展示部４が破壊されると、そこから治具等が挿入されて、扉３の裏面３ｂ側に露 出している紙幣処理装置１０の紙幣収納部１３が破壊され、それにより紙幣収納 部１３から収納紙幣が抜き取られる虞があった。

【００１４】 この考案は上述した事情に鑑み、機器筐体の一部が破壊されても、紙幣処理装 置の紙幣収納部が容易に破壊されることのない紙幣処理装置の保護カバーを提供 することを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】

上述した課題を解決するため、この考案では、自動販売機等の機器筐体内に配 設され、紙幣投入口から投入された紙幣の真偽を判別するとともに、偽券とみな された紙幣を返却し、真券とみなされた紙幣を収納する紙幣収納部を具えた紙幣 処理装置において、前記機器筐体の裏面に少なくとも前記紙幣収納部を覆う保護 カバーを配設するようにしている。

【００１６】

【考案の実施の形態】

以下、この考案に係わる保護カバーの一実施例を詳述する。

【００１７】 図１はこの発明に係わる保護カバー３０を装着した紙幣処理装置１０の背面図 で、図６乃至図８と同一部分を同一符号で示す。

【００１８】 この保護カバー３０は、図１およびその上面図で示す図２のように、紙幣処理 装置１０の上面を覆う上部保護カバー３１と、図１およびその側面図で示す図３ のように、紙幣処理装置１０の背面および側面を覆う側部保護カバー３２と、同 じく図１および図３で示すように、紙幣処理装置１０の底部を覆う底部保護カバ ー３３とから構成されている。

【００１９】 なお、この保護カバー３０を構成する上述した上部保護カバー３１、側部保護 カバー３２、底部保護カバー３３はそれぞれ板厚が厚く機械的強度の強い金属板 により形成されている。

【００２０】 この保護カバー３０のうち、上部保護カバー３１は図３で示すように断面が略 Ｌ字形に形成され、その一側面３１ａには、図１で示すように、一対の切り欠孔 ３１ｂ、３１ｂが形成されている。そして、この上部保護カバー３１は、この一 対の切り欠孔３１ｂ、３１ｂに挿通する前記取り付けネジ１９（図３）によって 、紙幣処理装置１０の機器本体１４上部に共締され、そこに固定されている。

【００２１】 一方、図２および図３で示すように上述した上部保護カバー３１の他側面３１ ｃには、蝶番４０の一側面４０ａがスポット溶接等の固着手段により固着されて おり、また図１で示すように、この蝶番４０の他側面４０ｂはスポット溶接等の 固着手段により側部保護カバー３２の上部に固着されている。

【００２２】 この側部保護カバー３２は図２で示すように上面から見て断面が略Ｌ字形に形 成されている。

【００２３】 即ち、この実施例の側部保護カバー３２は、図１で示すように、紙幣処理装置 １０の機器本体１４のうち、その背面を構成する紙幣収納部１３の枠体１６と、 機器本体１４の左右側面１４ｃ、１４ｄのうち、機器本体１４の右側面１４ｄを 覆うように、側部保護カバー３２の一側面３２ａ（図３）が折れ曲がって形成さ れている。

【００２４】 なお、図１で示すように、側部保護カバー３２の一側面３２ａが機器本体１４ の右側方１４ｄのみを覆うように形成されている理由は、扉３の破壊されやすい 部分である展示部４の切り欠４ａが、機器本体１４の右側方に大きく形成されて おり、この部分の破壊によるいたずらから機器本体１４を有効に保護するためだ からである。

【００２５】 なお、展示部４の切り欠４ａの形状は上述した実施例の形状のみではないこと は明らかであるから、側部保護カバー３２の断面形状は実施例の如くＬ字形状の みばかりでなく、機器本体１４の背面である紙幣収納部１３と、その左右側方１ ４ｃ、１４ｄを覆うべく断面コの字形状でもよいことは勿論である。

【００２６】 なお、図１に示した側部保護カバー３２の実施例では、側部保護カバー３２の 一側面３２ａは紙幣処理装置１０の機器本体１４のうち右側方１４ｃを所定距離 Ｌだけオーバーラップして覆うようにしているが、この距離Ｌだけオーバーラッ プした部分により確保されたスペースＳは、紙幣処理装置１０の機器本体１４と 紙幣収納部１３の枠体１６との間に配設される施錠装置、例えば南京錠等を配設 するためのスペースとして確保したものであり、このような施錠装置を使用する ものでなければ、上述したＬだけオーバーラップした部分により確保されたスペ ースＳは勿論不要である。

【００２７】 一方、底部保護カバー３３は、図３で示すように、断面が階段形状に形成され 、その上方に位置する立上り部３３ａには図１で示すように一対の長孔３３ｂ、 ３３ｂが形成されている。そして、底部保護カバー３３は、この一対の長孔３３ ｂ、３３ｂ内を嵌挿し、図３に示す前記ボス１７に螺合する取り付けネジ１９に よって、紙幣処理装置１０を構成する機器本体１４下部に共締され、そこに固定 されている。

【００２８】 一方、図３で示すように、底部保護カバー３３の下部に位置する立下り部３３ ｃには、図１に示すように、所定の間隔を設けて一対の南京錠取付け孔３３ｄ、 ３３ｄが形成されており、またこの一対の南京錠取付け孔３３ｄ、３３ｄと対向 する位置の側部保護カバー３２の自由端側にも、一対の南京錠取付け孔３２ｃ、 ３２ｃが形成されている。

【００２９】 また、上記各南京錠取付け孔３２ｃ、３３ｄの中央部分に相当する位置の側部 保護カバー３２には化粧ネジ４１が位置決め支承されており、図３で示すように 、この化粧ネジ４１の螺子部４１ａに対向する位置の底部保護カバー３３には、 前記化粧ネジ４１の螺子部４１ａが螺合する雌ネジ部３３ｅが形成されている。

【００３０】 次に上述した保護カバー３０の作用を説明する。

【００３１】 図３で示すように、通常の使用状態では底部保護カバー３３の立下り部３３ｃ と側部保護カバー３２の下端である自由端とが化粧ネジ４１により共締固定され ており、このため、紙幣処理装置１０の機器本体１４の背面および側面１４ｃは 側部保護カバー３２により覆われており、このため容易なことでは紙幣処理装置 １４の機器本体１４は損傷を受けることはなく、従って、機器本体１４の背面に 位置する紙幣収納部１３が破損されてその内部に収納された紙幣が盗まれること もない。

【００３２】 一方、紙幣回収時には、図４で示すように、化粧ネジ４１を緩めて側部保護カ バー３２の自由端と底部保護カバー３３との締着を解除する。

【００３３】 次に、矢印で示すように、側部保護カバー３２を蝶番４０を中心にして時計方 向へ回転させると、紙幣処理装置１４の背面が開放されるので、その後、図８で 示すように紙幣収納部１３の枠体１６を回転させてその上方から収納紙幣を取り 出せば良いこととなる。

【００３４】 なお、上記実施例では、側部保護カバー３２と底部保護カバー３３との間の開 閉を規制する規制手段として、化粧ネジ４１を使用するようにしたが、この発明 は上記実施例に限定されることなく、図１で示す、側部保護カバー３２と底部保 護カバー３３の各底部に形成された各南京錠取付け孔３２ｃ、３３ｄに、規制手 段として図５で示すように南京錠５０のロックアーム５１を嵌挿させ、これによ り側部保護カバー３２の自由端と底部保護カバー３３との間の確実なロックを図 るようにしても良い。

【００３５】 なお、紙幣回収時には南京錠５０のロックを解除した後、図４と同様に側部保 護カバー３２を蝶番４０を中心にして時計方向へ回転させて、紙幣処理装置１４ の背面を開放し、その後、図８と同様に紙幣収納部１３の枠体１６を回転させて その上方から収納紙幣を取り出せば良いこととなる。

【００３６】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案では、自動販売機等の機器筐体の裏面に少なく とも紙幣処理装置の紙幣収納部を覆う保護カバーを配設するようにしたから、機 器筐体が破壊されても、紙幣処理装置の紙幣収納部が容易に破壊されることはな く、このため、紙幣処理装置から紙幣を抜き取るという悪戯に対して紙幣処理装 置を有効に保護することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１はこの発明に係わる保護カバーを装着した
紙幣処理装置の背面図。

【図２】図２は図１の上面図。

【図３】図３は図１の側面図。

【図４】図４は、保護カバーの作用を示す紙幣処理装置
の側面図。

【図５】図５は、保護カバーの作用を示す紙幣処理装置
の側面図。

【図６】図６は紙幣処理装置を装着した自動販売機の概
念斜視図。

【図７】図７は自動販売機の扉裏面を示す要部破断拡大
図。

【図８】図８は図７のＡＡ断面図である。

【符号の説明】

１…自動販売機 ２…機器筐体 ６…紙幣投入口 １０…紙幣処理装置 １６…紙幣収納部 １７…取付けボス １９…取付けネジ ３０…保護カバー ３１…上部保護カバー ３２…側部保護カバー ３３…底部保護カバー ４０…蝶番 ４１…化粧ネジ ５０…南京錠

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自動販売機等の機器筐体内に配設され、紙
   幣投入口から投入された紙幣の真偽を判別するととも
   に、偽券とみなされた紙幣を返却し、真券とみなされた
   紙幣を収納する紙幣収納部を具えた紙幣処理装置におい
   て、 前記機器筐体の裏面に少なくとも前記紙幣収納部を覆う
   保護カバーを配設するようにしたことを特徴とする紙幣
   処理装置の保護カバー。
2. 【請求項２】前記保護カバーは、前記紙幣処理装置の上
   面を覆うとともに一端が前記機器筐体の裏面に固着され
   た上部保護カバーと、該上部保護カバーの他端に蝶番を
   介して回動自在に支承され、前記紙幣処理装置の背面お
   よび側面を覆う側部保護カバーと、前記紙幣処理装置の
   底部を覆うとともに一端が前記機器筐体の裏面に固着さ
   れた底部保護カバーと、該底部保護カバーの他端と前記
   側部保護カバーの自由端との間の開閉を規制する規制手
   段とを具えたことを特徴とする請求項(1）記載の紙幣処
   理装置の保護カバー。
3. 【請求項３】前記規制手段は前記側部保護カバーと前記
   底部保護カバーとを締着する化粧ネジであることを特徴
   とする請求項(2）記載の紙幣処理装置の保護カバー。
4. 【請求項４】前記規制手段は前記側部保護カバーと前記
   底部保護カバーとの開閉をロックする南京錠であること
   を特徴とする請求項(2）記載の紙幣処理装置の保護カバ
   ー。
5. 【請求項５】自動販売機等の機器筐体内に配設され、紙
   幣投入口から投入された紙幣の真偽を判別するととも
   に、偽券とみなされた紙幣を返却し、真券とみなされた
   紙幣を収納する紙幣収納部を具えた紙幣処理装置であっ
   て、該紙幣処理装置の機器本体の上部と下部とが前記機
   器筐体内に突設された取付けボスに取付けネジを介し締
   着された紙幣処理装置において、 前記紙幣処理装置の上面を覆うとともに一端が紙幣処理
   装置の機器本体上部に前記取付けネジを介し共締固定さ
   れた上部保護カバーと、 該上部保護カバーの他端に蝶番を介して回動自在に支承
   され、前記紙幣処理装置の背面および側面を覆う側部保
   護カバーと、 前記紙幣処理装置の底部を覆うとともに一端が前記紙幣
   処理装置の機器本体下部に前記取付けネジを介し共締固
   定された底部保護カバーと、 該底部保護カバーの他端と前記側部保護カバーの自由端
   との間の開閉を規制する規制手段とを具えたことを特徴
   とする紙幣処理装置の保護カバー。
6. 【請求項６】前記規制手段は前記側部保護カバーと前記
   底部保護カバーとを締着する化粧ネジであることを特徴
   とする請求項(5）記載の紙幣処理装置の保護カバー。
7. 【請求項７】前記規制手段は前記側部保護カバーと前記
   底部保護カバーとの開閉をロックする南京錠であること
   を特徴とする請求項(5）記載の紙幣処理装置の保護カバ
   ー。